JP6278221B2 - 回転電機、回転電機の制御装置、回転電機の制御方法 - Google Patents

回転電機、回転電機の制御装置、回転電機の制御方法 Download PDF

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Description

開示の実施形態は、回転電機、回転電機の制御装置、及び回転電機の制御方法に関する。
特許文献1には、位置及び速度センサを用いずに交流電動機のトルク制御、速度制御、位置制御を行う交流電動機の制御装置が記載されている。
特開2010−172080号公報
上記従来技術の制御装置は、交流電動機に高周波電圧信号を付与し、その際のインダクタンスの変化を利用してモータの回転角度を推定する。このようなモータにおいて、モータの体格を大型化することなく、高負荷時でも突極比を確保したい場合には、装置構成のさらなる最適化が要望される。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、体格を大型化することなく、高負荷時でも突極比を確保することが可能な回転電機及び回転電機の制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、固定子と回転子を備え、位置及び速度センサを用いずにトルク制御、速度制御、位置制御の少なくともいずれかにより動作する回転電機であって、円周方向に複数の磁極部を備えた回転子鉄心と、前記回転子鉄心に設けられた複数の永久磁石と、軸方向に貫通する貫通孔、及び、軸方向一端から他端まで軸方向に沿って延びる凹部、の少なくとも一方が形成されて固定子巻線が巻回される複数のティースを備えた固定子鉄心とを有し、前記ティースは、円筒状のヨークより内周側に向けて突出した本体部と、前記本体部の内周側先端に位置し、円周方向の寸法が前記本体部より拡大された拡幅部と、を有し、前記貫通孔又は前記凹部は、前記本体部に形成され、前記貫通孔又は前記凹部の前記円周方向の寸法は、前記固定子巻線の無通電状態において、d軸方向の前記磁極部と半径方向に対向した前記ティースの前記本体部が前記貫通孔又は前記凹部の形成位置において前記永久磁石により実質的に磁気飽和するように設定され、かつ、前記固定子巻線の通電状態において、q軸方向の前記磁極部と半径方向に対向した前記ティースの前記本体部が前記貫通孔又は前記凹部の形成位置において実質的に磁気飽和しないように設定されている回転電機が適用される。
また、本発明の別の観点によれば、位置及び速度センサを用いずに上記回転電機のトルク制御、速度制御、位置制御の少なくともいずれかを行う回転電機の制御装置であって、回転軸心より前記磁極部の中心方向に延びる軸をd軸、前記中心方向と電気角において90度ずれた方向に延びる軸をq軸とした場合に、前記d軸及び前記q軸の少なくとも一方に高周波電圧を付与するように構成された高周波電圧付与部と、前記q軸に負荷電流を付与するように構成された負荷電流付与部と、を有する回転電機の制御装置が適用される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、位置及び速度センサを用いずに上記回転電機のトルク制御、速度制御、位置制御の少なくともいずれかを行う回転電機の制御方法であって、回転軸心より前記磁極部の中心方向に延びる軸をd軸、前記中心方向と電気角において90度ずれた方向に延びる軸をq軸とした場合に、前記d軸及び前記q軸の少なくとも一方に高周波電圧を付与することと、前記q軸に負荷電流を付与することと、を有する回転電機の制御方法が適用される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、固定子と回転子を備えた回転電機であって、円周方向に複数の磁極部を備えた回転子鉄心と、固定子巻線が巻回される複数のティースを備えた固定子鉄心と、前記固定子巻線の無通電状態において前記磁極部と半径方向に対向した前記ティースを実質的に磁気飽和させる手段と、を有する回転電機が適用される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、軸方向に貫通する貫通孔、及び、軸方向一端から他端まで軸方向に沿って延びる凹部、の少なくとも一方が形成された複数のティースを備えた固定子鉄心を有する回転電機と、前記回転電気の回転軸心より回転子鉄心の磁極部の中心方向に延びる軸をd軸、前記中心方向と電気角において90度ずれた方向に延びる軸をq軸とした場合に、前記d軸及び前記q軸の少なくとも一方に高周波電圧を付与し、前記q軸に負荷電流を付与する制御装置と、を有する回転電機の制御システムが適用される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、前記貫通孔は、前記ティースの円周方向中心位置に形成される回転電機の制御システムが適用される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、前記凹部は、前記ティースの円周方向両側に同じ半径方向位置となるように形成される回転電機の制御システムが適用される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、前記ティースは、円筒状のヨークより内周側に向けて突出した本体部と、前記本体部の内周側先端に位置し、円周方向の寸法が前記本体部より拡大された拡幅部と、を有し、前記貫通孔又は前記凹部は、前記本体部に形成される回転電機の制御システムが適用される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、前記拡幅部は、隣り合う前記ティース同士で相互に連結されており、前記固定子鉄心は、円筒状に連結された前記拡幅部が前記ヨークの内周に固定されて構成される回転電機の制御システムが適用される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、円周方向に複数の磁極部を備えた回転子鉄心と、前記回転子鉄心に設けられた複数の永久磁石と、前記ティースに巻回される固定子巻線と、をさらに有し、前記貫通孔又は前記凹部は、前記固定子巻線の無通電状態において、前記磁極部と半径方向に対向した前記ティースが前記貫通孔又は前記凹部の形成位置において前記永久磁石により実質的に磁気飽和するように、前記円周方向の寸法を設定される回転電機の制御システムが適用される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、前記永久磁石は、前記回転子鉄心の内部に設けられる回転電機の制御システムが適用される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、前記回転子鉄心は、シャフトに固定され前記複数の磁極部が外周に配置される円筒部を有しており、前記永久磁石は、前記回転子鉄心の前記磁極部相互間において、前記円筒部の外周近傍から前記回転子鉄心の外周近傍まで半径方向に沿って配置される回転電機の制御システムが適用される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、前記固定子巻線は、前記ティースに集中巻きにより巻回される回転電機の制御システムが適用される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、位置及び速度センサを用いずに回転電機のトルク制御、速度制御、位置制御の少なくともいずれかを行う回転電機の制御方法であって、回転軸心より前記磁極部の中心方向に延びる軸をd軸、前記中心方向と電気角において90度ずれた方向に延びる軸をq軸とした場合に、前記d軸及び前記q軸の少なくとも一方に高周波電圧を付与するステップと、前記q軸に負荷電流を付与するステップと、を有する回転電機の制御方法が適用される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、位置及び速度センサを用いずに回転電機のトルク制御、速度制御、位置制御の少なくともいずれかを行う回転電機の制御装置であって、回転軸心より前記磁極部の中心方向に延びる軸をd軸、前記中心方向と電気角において90度ずれた方向に延びる軸をq軸とした場合に、前記d軸及び前記q軸の少なくとも一方に高周波電圧を付与する高周波電圧付与部と、前記q軸に負荷電流を付与する負荷電流付与部と、を有する回転電機の制御装置が適用される。
本発明によれば、体格を大型化することなく、高負荷時でも突極比を確保することができる。
第1実施形態の回転電機の全体概略構成を表す軸方向断面図である。 図1のII−IIに沿う回転電機の横断面図である。 センサレス制御を行う制御システム及び制御装置の機能構成例を表すブロック図である。 軸方向直交断面における固定子及び回転子それぞれの磁極配置について説明する図である。 軸方向直交断面における固定子及び回転子それぞれの磁束の発生分布を表す図である。 一般的な電磁鋼板のB−H曲線を表す図である。 無負荷状態にある第1実施形態の磁束分布を表す図である。 無負荷状態にある比較例の磁束分布を表す図である。 負荷電流50%状態にある第1実施形態の磁束分布を表す図である。 負荷電流50%状態にある比較例の磁束分布を表す図である。 負荷電流100%状態にある第1実施形態の磁束分布を表す図である。 負荷電流100%状態にある比較例の磁束分布を表す図である。 負荷電流150%状態にある第1実施形態の磁束分布を表す図である。 負荷電流150%状態にある比較例の磁束分布を表す図である。 負荷電流200%状態にある第1実施形態の磁束分布を表す図である。 負荷電流200%状態にある比較例の磁束分布を表す図である。 第1実施形態において探査信号を重畳入力した場合の高周波インダクタンスの実測結果を表す図である。 比較例において探査信号を重畳入力した場合の高周波インダクタンスの実測結果を表す図である。 無負荷状態にある第2実施形態の磁束分布を表す図である。 負荷電流50%状態にある第2実施形態の磁束分布を表す図である。 負荷電流100%状態にある第2実施形態の磁束分布を表す図である。 負荷電流150%状態にある第2実施形態の磁束分布を表す図である。 負荷電流200%状態にある第2実施形態の磁束分布を表す図である。 第2実施形態において探査信号を重畳入力した場合の高周波インダクタンスの実測結果を表す図である。 固定子鉄心の隣り合う拡幅部どうしの先端が接触せずに離間している変形例の回転電機の横断面図である。 制御装置のハードウェア構成例を表すブロック図である。
<1.第1実施形態>
以下、第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(1−1.回転電機の全体構成)
まず、図1及び図2を用いて、第1実施形態に係る回転電機1の構成について説明する。図1に示すように、回転電機1は、固定子2と、回転子3とを備え、例えば回転子3を固定子2の内側に備えたインナーロータ型のモータとして構成される。また当該回転電機1は、エンコーダなどの機械的なセンサを用いずに、電気的な処理によってその磁極位置を検出、制御するいわゆるセンサレス制御用の例えば3相交流モータである(センサレス制御については、後の図3で詳述する)。固定子2は、回転子3と径方向に対向するようにフレーム4の内周面に円筒状のヨーク15を介して設けられている。この固定子2は、固定子鉄心5と、固定子鉄心5に装着されたボビン6と、ボビン6に巻回されたコイル線7(固定子巻線の一例)とを有している。ボビン6は、固定子鉄心5とコイル線7とを電気的に絶縁するために、絶縁性材料で構成されている。ボビン6の軸方向一方側(図1中左側)には基板8が設けられており、この基板8に設けられた回路とボビン6に巻き回されたコイル線7とが、角棒状の2つのピン端子9を介して電気的に接続されている。コイル線7の巻き始め及び巻き終わりの端部7aは、対応するピン端子9に巻き付けられ、図示を省略する半田等によって固定されている。なお、基板を用いずにコイル線7の端部7aを結線処理してもよい。
回転子3は、シャフト10の外周面に設けられている。シャフト10は、フレーム4の負荷側(図1中右側)に設けられた負荷側ブラケット11に外輪が嵌合された負荷側軸受12と、フレーム4の反負荷側(負荷側の反対側。図1中左側)に設けられた反負荷側ブラケット13に外輪が嵌合された反負荷側軸受14とにより回転自在に支持されている。また、図2に示すように回転子3は、回転子鉄心20と、回転子鉄心20に複数設けられてシャフト10を中心として放射状に配置された永久磁石21と、を備えている。
(1−2.固定子鉄心の構成)
固定子鉄心5は、円筒状のヨーク15と、このヨーク15の内周側に等間隔に配置された複数(図示する例では12個)のティース18を備え、固定子鉄心5全体は、この例ではいわゆる電磁鋼板からなる。各ティース18は、円筒状のヨーク15より内周側に突出するように設けられた本体部18aと、その本体部18aの内周側先端に位置し円周方向の寸法が本体部18aよりも拡大された拡幅部18bと、を有する。拡幅部18bは、隣り合うティース18同士で相互に連結されている。つまり、固定子鉄心5は、円筒状のヨーク15と、拡幅部18bが連結されることにより円筒状に連結された複数のティース18とが、分離するように構成される。固定子2は、コイル線7が集中巻きで巻回されたボビン6が各ティース18に装着された円筒状の複数のティース18が、ヨーク15の内周に固定されることで組立てられる。このとき、図2に示すように、それぞれのティース18に装着したボビン6のコイル線7の巻回層は、相対する側部同士が間隙19を空けて配置される。上記円筒状の複数のティース18をヨーク15に固定することにより組み立てられた固定子2は、フレーム4の内周面に取り付けられる。その後、間隙19内に樹脂が圧入され、ボビン6やコイル線7等が樹脂でモールドされる。
また、ティース18には、固定子鉄心5の軸方向一端から他端まで軸方向に沿って延びる溝状の凹部32が設けられている。凹部32は、ティース18の本体部18aの周方向の断面積を減少させるためのものであり、この例では本体部18aの円周方向の両側面において同じ半径方向位置となるように形成されている(後述の図4及び図5等も参照)。なお、本実施形態では、凹部32の形状(軸方向から見た形状)を四角状に形成しているが、これに限定されるものではなく、ティース18の強度を確保可能であれば円形や楕円形等、その他の形状としてもよい。
(1−3.回転子鉄心の構成)
回転子鉄心20は、図2に示すように、シャフト10を囲む円筒部20Aと、円筒部20Aの半径方向外側に設けられた複数(図示する例では10個)の磁極部20Bと、永久磁石挿入用穴20bと、漏洩磁束防止用穴20dと、を有する。円筒部20Aは、その内周側にシャフト10が貫通する中心穴20aを有する。
永久磁石挿入用穴20bは、円筒部20Aの半径方向外側における磁極部20Bの相互間に軸方向(図1中左右方向)に沿って貫通して設けられ、永久磁石21が軸方向に挿入されて接着剤により固定される。永久磁石挿入用穴20bは、中心穴20aの中心を基準として放射状に延びている。永久磁石挿入用穴20bの大きさ(軸方向から見た面積)は、永久磁石21の大きさ(軸方向直交断面積)とほぼ同じである。このように本実施形態の例においては、回転子3は永久磁石21が回転子鉄心20の内部に埋め込まれた、いわゆるIPM型(Internal Permanent Magnet)で構成されている。また、各永久磁石21は、回転子鉄心20の磁極部20Bの相互間において、円筒部20Aの外周近傍より回転子鉄心20の外周近傍まで半径方向に沿って配置される、いわゆるI字型配置で設けられている。
なお、回転子3は上記IPM型に限定されるものではなく、永久磁石21が回転子鉄心20の表面に設けられた、いわゆるSPM型(Surface Permanent Magnet)としてもよい。また、永久磁石の配置構成は上記I字型に限定されるものではなく、例えばV字状に配置してもよい。
漏洩磁束防止用穴20dは、磁極部20Bのうち、半径方向内側の部位において永久磁石挿入用穴20bの相互間に設けられた、漏洩磁束防止用の空隙である。漏洩磁束防止用穴20dは、永久磁石21からの磁束が当該漏洩磁束防止用穴20dよりも半径方向内側へと漏れるのを抑制し、回転トルクの発生に寄与する磁束の減少を防止する。
なお、漏洩磁束防止用穴20dは、半径方向外側に尖った横断面形状とするのが好ましい。このような形状とすることにより、その漏洩磁束防止用穴20dの両側に位置する永久磁石21からの磁束を、半径方向外側への尖り形状に沿ってそれぞれ円滑に回転子鉄心20の外周側へと導くことができる。本実施形態では、漏洩磁束防止用穴20dを略五角形とすることにより、上記効果を得ると共に、永久磁石21の磁束発生面である側面と、当該側面と対向する漏洩磁束防止用穴20dの面との間隙を狭くし、内周側への漏洩磁束の低減効果を高めることができる。
(1−4.センサレス制御の具体例)
図3は、上記回転電機1に対してセンサレス制御により速度制御を行う回転電機の制御システム100及び制御装置300の構成の一例を表している。なお、図3に示す機能ブロック図は伝達関数形式で表記されている。この図3において、制御システム100は、回転電機1と、制御装置300とを有する。制御装置300は、q軸に負荷電流を付与し、d軸に高周波電圧を付与する。以下、より具体的に機能ブロックで実装した例を説明する。
制御装置300は、減算器321と、ベクトル制御器322と、電圧制御器323と、電流検出器324と、矩形波電圧発生器325と、座標変換器326と、磁極位置演算器327と、速度演算器328とを備えている。
この図3では示していない上位制御装置から、回転電機1の駆動を制御するための磁束指令値と速度指令値ωr*が入力されている。速度指令値ωr*は、減算器321により後述する速度推定値ωr^との偏差が取られる。この偏差と磁束指令値がベクトル制御器322に入力される。ベクトル制御器322は、負荷状態によらず速度推定値ωr^が速度指令値ωr*に一致するようにモータ電流の磁束成分(d軸成分)とトルク成分(q軸成分)とを定めて、回転電機1の速度及び電流を制御するための電圧指令値を回転直交座標系(d−q軸座標系)における2相電圧指令値ΔVsd*,ΔVsq*として出力する。電圧制御器323(負荷電流付与部の一例)は、入力された2相電圧指令値ΔVsd*,ΔVsq*に基づいて、回転電機1に3相駆動電圧を出力する。これにより制御装置300は、任意の速度とそれに対応するトルクで回転電機1を駆動制御できる(位置制御も行うが図示を省略)。
また一方、図示していない上位制御装置から、磁極位置検出制御信号が矩形波電圧発生器325に入力される。磁極位置検出制御信号を入力された矩形波電圧発生器325(高周波電圧付与部の一例)は、任意に設定した時間周期の矩形波電圧(高周波電圧の一例)で電圧指令ΔVhと位相指令Δθhを出力する。これら電圧指令ΔVhと位相指令Δθhが、電圧制御器323内で上記の電圧指令値ΔVsd*に重畳されることで、d軸に高周波電圧が付与される。このようにして、電圧制御器323は回転電機1に出力する電圧の振幅と位相を操作する。
電流検出器324は、回転電機1に入力される電流を3相iu,iv,iwそれぞれで検出する。座標変換器326は、これら3相電流値iu,iv,iwを、2相電流値isα、isβに変換する。これら2相電流値isα,isβは、u相を基準軸のα軸としてそれに直交するβ軸との直交座標系における各軸の電流値である。ここで、回転電機1のd軸とq軸のそれぞれのインダクタンスに偏差がある場合、すなわち、当該回転電機1が磁気突極性を有する場合、この2相電流値isα,isβの振幅は磁極位置θの情報を含んでいる。磁極位置演算器327は、上記矩形波電圧発生器325から出力された電圧指令ΔVhを参照しつつ、2相電流値isα,isβに基づいて回転電機1の磁極位置θを演算し出力する。この磁極位置θの演算手法については、公知の手法に従って行えばよく(例えば特開2010−172080号公報参照)、ここでは詳細な説明を省略する。
磁極位置演算器327が出力する磁極位置信号θは、電圧制御器323に入力されるとともに、速度演算器328にも入力される。速度演算器328は、磁極位置θを微分演算することで回転電機1の推定速度ωr^を演算する。この速度推定値ωr^は、上記減算器321で速度指令値ωr*から減算して偏差を取ることで、速度フィードバック制御に利用される。そして、特に図示しないが、磁極位置θはU相を基準とした回転電機1の回転位置としてみなすことができ、上位制御装置内でこの磁極位置信号θを利用した位置フィードバック制御も行う。以上から、回転電機1の磁極位置θを高い精度で検出するためには、回転電機1の磁気突極性が高いことが要求される。
なお、上記では、探査信号である矩形波電圧をd軸(電圧指令値ΔVsd*)に重畳し、q軸成分だけに負荷交流電流を入力(d軸成分には磁束成分だけ入力)したが、これに限定されない。負荷交流電流についてはq軸成分だけに入力すべきだが、探査信号はq軸あるいはd軸とq軸の両方に重畳入力してもよい。しかし、q軸に高周波電圧信号を重畳すると駆動に必要な電圧の低下やトルク脈動を生じさせる原因となるため、できるだけd軸だけに探査信号を重畳入力するのが望ましい。また、上記回転電機1のd軸、q軸インダクタンスは、基本波電流に対するインダクタンスではなく、高周波重畳電圧信号とそれに対応する電流から定義される高周波インダクタンスのことであり、以後の説明でも高周波インダクタンスを単にインダクタンスと呼ぶ。
なお、上述した電圧制御器323、矩形波電圧発生器325等における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、1つの処理部で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、制御装置300は、矩形波電圧発生器325の回転電機1に駆動電力を給電する部分(インバータ等)のみ実際の装置により実装され、その他の機能は後述するCPU901(図21参照)が実行するプログラムにより実装されてもよいし、電圧制御器323及び矩形波電圧発生器325の一部又は全部がASICやFPGA907(図21参照)、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。
(1−5.回転電機の軸方向直交断面における磁極配置)
次に、図4用いて軸方向直交断面における固定子2及び回転子3それぞれの磁極配置について説明する。なお、上記図2の軸方向直交断面における磁極配置はシャフト10の回転軸心に関して180°で点対称の配置となるため、図4では、上方の半円部だけが図示され、下方の半円部は図示が省略されている(後述の図5、図7〜図11においても同様)。上述のように本実施形態の回転電機1は、固定子2全体に12個のティース18を備え、回転子3全体に10個の磁極部20Bを備えた、いわゆる10P12S(P:ポール=磁極部数、S:スロット=ティース数)のスロットコンビネーション構成となっている。従ってこの図4では、固定子2側の半円部で6個のティース18が示され、回転子3側の半円部で6個の永久磁石21に挟まれた5個の磁極部20Bが示されている。
まず固定子2側では、隣り合う2つのティース18どうしがコイル線7をそれぞれ逆方向に巻回されている。そして、隣り合う2つのティース18が一つの組となって同一の電流相に対応する。また各組の単位で時計方向順にU,V,Wの電流相が配置されている。つまりシャフト10の回転軸心を原点とした機械的な静止座標において、配置が互いに60°ずれて隣り合う2組のティース18どうしは、電気的に120°ずれた位相差で交番磁界が発生する(但し、回転子3の回転に伴い後述するd軸とq軸の移動に応じて各相の振幅は変化する)。ティース18を12個(6組)備える本実施形態の固定子2においては、供給される3相交流の各相U,V,Wにそれぞれ2組のティース18が対応し、それらの2組の間は機械角で180°ずれた位置に配置されている。
次に回転子3側では、各永久磁石21が、略円周方向に沿って、隣り合う2つの永久磁石21どうしが互いに向かい合う方向(図中の矢印ブロックの方向)で着磁されている。これにより、N極どうしが向かい合う位置の磁極部20Bは、半径方向外側にN極の磁極を向かわせるN型磁極部20BNとなる。また、S極どうしが向かい合う位置の磁極部20Bは、半径方向外側にS極の磁極を向かわせるS型磁極部20BSとなる。これらN型磁極部20BNとS型磁極部20BSは5個ずつ存在し、回転子鉄心20の円周方向に沿って交互に配置される。このように隣り合う2つの永久磁石21から発生する磁束を1つの磁極部20Bへ集中させることにより磁力を高め、磁極部20Bとティース18が対向した位置において、ティース18を十分に磁気飽和させることが可能となる。
以上の磁極配置において、隣り合うS型磁極部20BSからN型磁極部20BNへ向かう方向でそれぞれの円周方向中央位置を渡るようにd軸が配置される。つまり、シャフト10の回転軸心よりN型磁極部20BNの中心方向に延びる軸がd軸となり、その磁極の中心方向と電気角において90度ずれた方向に延びる軸をq軸とする。したがって、隣り合う3つの永久磁石21の間の機械的な72°の角度範囲が、電気的に直交するdq軸座標における360°の電気角範囲に相当する。そして、dq軸座標は、静止座標において回転子3の回転中心に対し回転する回転直交座標として機能する。
ここで上述したように、固定子2側における各相U,V,Wが機械的に60°の間隔で配置され、回転子3側における各dq軸座標が72°の間隔で配置されている。このように10P12Sの構成では、固定子2側と回転子3側との間に12°に相当する設置間隔差が設けられている。
(1−6.回転電機の軸方向直交断面における磁束分布)
図5は、以上のような磁極配置の回転電機1における、磁束の発生分布を表している。なお、回転子3が回転動作している最中のうち、1つのN型磁極部20BNの中心(及びそれを跨ぐq軸)がV相とW相の間の中間に位置するとともに、1つの永久磁石21の中心(及びそれを跨ぐd軸)がU相の中央位置に一致している状態を示している(後述の図7〜図11においても同様)。また、三相交流モータでは、U,V,Wの各相に互いに120°の位相差を持つ交流電流を印加するが、図5では、U相の電流瞬時値が0であり、V相からW相に瞬時電流が流れている状態の磁束分布を示している。
以下、本発明の原理説明を図5の状態の磁束分布を用いて説明する。なお、図5に示すように、1相コイルに鎖交する磁石磁束が最大となる固定子2と回転子3の配置関係は機械角で12°毎(電気角60°毎)に現れるが、その間の位置関係に対しても同様に本発明の原理が適用できる。ここでは説明の簡単なため、図5の状態の磁束分布を用いる。
まず固定子2側において、各相に対応する同一組の2つのティース18に巻回するコイル線7に対応する相の交流電流を流した場合、その組の2つのティース18の本体部18aとヨーク15と隣り合う拡幅部18bとを通過する経路で交番磁界(図中の細破線矢印参照)が循環するように発生する。ただし本実施形態の例では、上述したように本体部18aの周方向両側には凹部32が形成されている。このため、上記交番磁界による生じる交番磁束は、本体部18aの2つの凹部32の間を通過して循環する。
また一方、回転子3側の各磁極部20BN,20BSの外周側先端から半径方向に発生する一定磁束(図中の太実線矢印参照)が、半径方向に対向する各ティース18を通過して循環する。この各磁極部20BN、20BSからの一定磁束が各ティース18を通過する通過経路としては、主に2通りある。1つ目の通過経路は、隣り合う2つのティース18の本体部18aとヨーク15を循環するよう通過する本体部通過経路である。2つ目の通過経路は、1つのティース18の拡幅部18bだけを通過して漏れるように循環する拡幅部通過経路である。
そして固定子2側の各ティース18には、上述したように各コイル線7に流れる交流電流によって発生する交番磁束と、半径方向に対向する各磁極部20BN、20BSから流入する一定磁束とを合成した磁束が通過する。ここで、交流電流による交番磁束と永久磁石21による一定磁束の方向が一致する場合には、ティース18内の磁気飽和が強まる。また、交番磁束と一定磁束の方向が逆向きの場合には、ティース18内の磁気飽和が弱まる。
一方、瞬時電流値が0となっているU相に対応する1組のティース18においては交番磁束が発生せず、当該U相の中央位置に一致する永久磁石21の両隣の2つの磁極部20BN、20BSからの一定磁束だけがティース本体部18aの内部を通過する。ただし本実施形態の例では、上述したように本体部18aの周方向両側には凹部32が形成されている。このため、上記磁極部20BN、20BSからの一定磁束は、本体部18aの2つの凹部32の間を通過して循環する。このように、当該U相の中央位置に一致する永久磁石21を跨ぐ配置のd軸、つまり瞬時電流値が0となっている相に一致するd軸方向のティース本体部18aが、他のティース18と比較して最も磁気飽和し易くなり、重畳電圧により発生する磁束が通りにくくなる。すなわち、d軸インダクタンスが低下することとなる。
一方、V相とW相の間の中間に位置するN型磁極部20BNからの一定磁束は、V相側とW相側に分岐し、さらにそれぞれ本体部通過経路と拡幅部通過経路に分岐する。ここで、当該N型磁極部20BNの両隣の2つの永久磁石21は、それぞれの円周方向位置が拡幅部18bの略中心位置に位置する。このため、V相側とW相側にそれぞれ分岐する一定磁束のうち、本体部通過経路よりも拡幅部通過経路の方に磁束が集中しやすくなる(漏れ磁束となる割合が大きい)。つまり、V相とW相の間を跨ぐ配置のq軸周辺では、ティース18全体のうち内周側の拡幅部18bでは磁束密度が高くなり、本体部18aでは磁束密度が低くなる。
また、V相側の本体部通過経路を通過する一定磁束については、V相で発生する交番磁束と通過方向が一致するため、ティース本体部18a内の磁気飽和を強める傾向がある。
また、W相側の本体部通過経路を通過する一定磁束については、W相で発生する交番磁束と通過方向が逆向きとなるため、ティース本体部18a内の磁気飽和を弱める傾向がある。
V相、W相の両方の各ティース拡幅部18bにおいても、一定磁束と交番磁束の向きが一致する磁束を強める箇所18b1と、一定磁束と交番磁束の向きが逆向きとなる磁束を弱める箇所18b2が存在する。磁束を弱める箇所18b2は負荷電流が大きくなるほど、磁気飽和が緩和されて、重畳電圧により発生する磁束が通りやすくなる。すなわちq軸インダクタンスが増加する。
以上を総合すると、d軸方向のティース18は一定磁束により本体部18aが全体的に磁気飽和し、重畳電圧により発生する磁束が通りにくくなる(d軸インダクタンスが低下する)。一方、V相とW相の間を跨ぐ配置のq軸近傍、すなわち、瞬時電流値が流れている2つの相の間を跨ぐq軸方向近傍のティース18では、ティース本体部18aは磁気飽和せず拡幅部18bのみが磁気飽和するため、重畳電圧により発生する磁束はd軸方向のティース18よりも通りやすくなる(q軸インダクタンスがd軸インダクタンスよりも大きくなる)。さらに、負荷電流をq軸に印加したとき、磁束を弱める箇所18b2が発生するため、重畳電圧により発生する磁束は負荷電流をq軸に印加しない場合に比べ、さらに通りやすくなる(q軸インダクタンスが増加する)。
(1−7.凹部の形成による磁極突極比への影響)
回転子3の磁極突極比(「磁気突極比」ともいう)をρ、q軸のインダクタンスをLq、d軸のインダクタンスをLdとすると、
ρ=Lq/Ld ・・・(1)
の関係となる。上述したように、センサレス制御において回転電機1の磁極位置θを高い精度で検出するためには、当該回転子3における磁極突極比ρが高いことが要求される。
ここで、インダクタンスLは、磁束φと電流iより、式(2)で定義され、電流に対する発生磁束が多いほどインダクタンスが大きくなる。
φ=Li ・・・(2)
また、電圧v、電流iとインダクタンスLの関係は式(3)で表されるため、一定の交流電圧に対して、インダクタンスが小さいほど交流電流の時間的偏差が大きくなる。
v=dφ/dt=Ldi/dt ・・・(3)
以上のインダクタンスの性質を利用し、センサレス制御では、矩形波電圧発生器325から出力される矩形波電圧(高周波電圧の一例)を2相電圧指令値ΔVsd*,ΔVsq*に重畳し、d軸とq軸の間のインダクタンス偏差により生じる2相電流値isα,isβの振幅偏差に基づいて磁極位置θを推定する。
本実施形態の例では、回転子3にd軸とq軸がそれぞれ5カ所配置されており、それぞれティース18や交番磁束との配置関係によってインダクタンスが異なる。そのうち、瞬時電流値が0となっている相(図5に示す例ではU相)に一致するd軸方向のティース18が最も磁気飽和し易く、すなわち最もインダクタンスの小さいd軸となる。また、瞬時電流値が流れている2つの相(図5に示す例ではV相、W相)の間を跨ぐ配置のq軸方向のティース18が最も磁気飽和しにくく、すなわち最もインダクタンスの大きいq軸となる。回転子3全体におけるd軸インダクタンスLd((1)式の分母)とq軸インダクタンスLq((1)式の分子)は、それぞれ12コイルによるd軸インダクタンスの総量、12コイルによるq軸インダクタンスの総量となる。
回転子3に回転トルクを与えるには、q軸成分の負荷電流だけを印加させればよい(d軸成分はトルクには影響しない)。しかし、q軸成分の負荷電流を大きく増加すると、ロータコアの磁気飽和が大きくなり、ロータコア形状に起因する磁極突極比ρが低下する。すなわち、回転電機1の磁極位置θの検出精度が低下してしまう。
これに対し、回転電機1の磁極突極比ρを高めるために、ティース18の磁気飽和を利用することで、磁極突極比ρを高めることができる。すなわち、瞬時電流値が0となっている相(図5に示す例ではU相)に一致するd軸のインダクタンスをさらに小さくし、瞬時電流値が流れている2つの相(図5に示す例ではV相、W相)の間を跨ぐ配置のq軸のインダクタンスをさらに大きくすればよい。
このために本実施形態では、固定子2の各コイル線7の無通電状態(以下適宜「無負荷状態」ともいう)において、磁極部20Bと半径方向に対向したティース18が永久磁石21からの一定磁束のみにより実質的に磁気飽和するよう、各ティース18が構成される。その具体的な手段として、磁極部20Bと対向したティース18が実質的に磁気飽和するように、各ティース18の本体部18aの円周方向両側に凹部32が形成されている。これにより、ティース18の凹部32の形成部分における円周方向の幅W1(図7A等参照)を小さくでき、断面積を減少させることができる。そして、凹部32は、コイル線7の無通電状態において、磁極部20Bと半径方向に対向したティース18が凹部32の形成位置において永久磁石21により実質的に磁気飽和するように、円周方向の寸法を設定されている。これにより、コイル線7の無通電状態において磁極部20Bと半径方向に対向したティース18の凹部32の形成部分における永久磁石21による磁束密度を増大させ、実質的に磁気飽和させることが可能となる。これにより、d軸インダクタンスを小さく抑えることができる。
ここで、一般的にティース18を構成する電磁鋼板は、図6のB−H曲線に示すような磁気飽和特性を有している。すなわち、電磁鋼板にかける磁界強度を0から次第に増加させた場合、磁界強度が低いうちはそれにほぼ比例するように磁束密度が上昇する。しかし、磁界強度をある程度以上に増加させると、磁束密度の上昇率は低下し、最後にはほとんど磁束密度が上昇しなくなる。本実施形態では、磁束密度が例えば1.9T(テスラ)以上となった状態を、「実質的に磁気飽和」した状態とする。なお、実質的に磁気飽和した状態の磁束密度はこの値に限定されるものではなく、ティース18を構成する材質等に応じて適宜変更される。
また、ティース18と磁極部20とが「半径方向に対向」した状態は、ティース18のうち少なくともティース本体部18aが磁極部20Bと半径方向に対向した状態を言う。具体的には、本体部18aが円周方向における磁極部20の角度範囲内にあることを言う。
これにより、瞬時電流値が0となっている相(図5に示す例ではU相)に一致するd軸では、対向するティース本体部18aが永久磁石21からの一定磁束線だけでほぼ磁気飽和して(磁束の通過余裕をなくして)インダクタンスを最小にできる。すなわち、回転子3全体のd軸のインダクタンスの総量Ldを小さくできる。また、瞬時電流値が流れている2つの相(図5に示す例ではV相、W相)の間を跨ぐ配置のq軸では、対向するティース本体部18aが磁気飽和を弱めてインダクタンスを増加できる(この点については後の図7〜図11で詳述する)。すなわち、回転子3全体のq軸のインダクタンスの総量Lqを大きくできる。以上により、上記(1)式の右辺の分母(Ld)を小さくし、右辺の分子(Lq)を大きく取れるため、回転子3の磁極突極比ρを高めることができる。
(1−8.凹部のない比較例との負荷ごとの磁束分布の比較)
図7〜図11それぞれのA図は、上述した凹部32によるティース幅の変更による磁極突極比ρへの影響を具体的に示している。図7〜図11それぞれのA図は本実施形態に対応している。前述のように、各ティース本体部18aの円周方向両側には凹部32が設けられ、凹部32の形成位置におけるティース本体部18aの円周方向幅がW1に設定されている。W1は、無負荷状態において磁極部20Bと対向したティース18が永久磁石21からの一定磁束のみにより実質的に磁気飽和するような値に設定されている。
一方、図7〜図11それぞれのB図は比較例に対応しており、各ティース本体部18aには凹部32が形成されていない。その結果、比較例におけるティース本体部18aの円周方向の幅は、実施形態におけるティース本体部18aの凹部32の形成されていない部分の幅W2と同じ幅となっている。この比較例では、無負荷状態において磁極部20Bと対向したティース18は、永久磁石21からの一定磁束のみによって実質的に磁気飽和しない。また、図7は固定子2に交流電流を全く供給していない無負荷状態の磁束分布を示し、図8はq軸成分(トルク成分)の負荷交流電流(負荷電流に相当)を定格の50%供給した状態、図9は負荷交流電流を定格の100%供給した状態、図10は負荷交流電流を150%供給した状態、図11は負荷交流電流を200%供給した状態をそれぞれ示している。なお上記各図には、図5と同様にインダクタンスが最小となるd軸と、インダクタンスが最大となるq軸が示されている。
上述したように比較例では、各ティース本体部18aの円周方向の幅寸法W2が比較的大きく、断面積が大きく設定されている(図7B〜図11B参照)。そのため、瞬時電流値が0となっているU相に一致するd軸では、磁極部20BN,20BSに対向するティース本体部18aが磁気飽和に至っておらず、さらに磁束が通過できる余裕がある。このため、負荷交流電流を増加した場合には、他のV相、W相の交番磁束から影響を受けてd軸のインダクタンスが変動する。つまり、上記(1)式中にある回転子3全体のd軸インダクタンスの総量Ldが変動しやすくなる。
これに対し、上述したように本実施形態では、各ティース本体部18aに凹部32を設けることにより円周方向の幅寸法W1が小さく、ティース本体部18aの断面積が小さく設定されている(図7A〜図11A参照)。そのため、瞬時電流値が0となっているU相に一致するd軸では、磁極部20BN,20BSに対向するティース本体部18aがすでに永久磁石21からの一定磁束線だけで実質的に磁気飽和している。つまり、さらなる磁束の通過余裕がないため、負荷交流電流を大きく増加させても他のV相、W相の交番磁束から影響を受けず、d軸のインダクタンスは小さいまま維持される(磁束密度が大きいまま維持される)。つまり、負荷交流電流を増加させても、上記(1)式中にある回転子3全体のd軸インダクタンスの総量Ldが小さいまま維持される。
また一方、比較例では、負荷交流電流を0%から200%に順次大きくすると、V相とW相の全体においても磁気飽和が進んでしまい、それらの間を跨ぐ配置のq軸のインダクタンスが総合的に低下する。
これに対し、本実施形態では、負荷交流電流を0%から200%に順次大きくすると、瞬時電流値が流れているV相とW相の間を跨ぐ配置のq軸のインダクタンスは次第に増加する。これは、負荷交流電流を大きくするに従い、図中のP1,P2,P3で示すティース拡幅部18bの先端において磁気飽和を弱める効果が大きくなるためである。前述の図5に示すように、P1の箇所は、当該q軸の周囲で拡幅部通過経路を通過する一定磁束(漏れ磁束)が交番磁束と逆向きになることで、磁気飽和が弱められる箇所である。また、P2の箇所は、当該q軸の周囲でW相側の本体部通過経路及び拡幅部通過経路を通過する一定磁束が交番磁束と逆向きになることで、磁気飽和が弱められる箇所である。また、P3の箇所は、W相側の本体部通過経路を循環して磁極部20BSへ戻る一定磁束が交番磁束と逆向きになって磁気飽和が弱められる箇所である。このように、負荷交流電流を大きくするに従い、V相とW相の全体において磁気飽和が進むものの、上記P1,P2,P3の箇所では磁気飽和が大きく弱められるので、その結果当該q軸におけるインダクタンスが総合的には増加する(図7A〜図11A参照)。これにより、上記(1)式中にある回転子3全体のq軸インダクタンスの総量Lqを、負荷交流電流の増加に合わせて増大させることができる。
なお、比較例においても、負荷交流電流を大きくするに従い上記P1,P2,P3に対応する箇所において磁気飽和を弱める現象が見られる。しかし、本実施形態の場合は、各ティース本体部18aの円周方向の幅寸法W1が凹部32を設けたことでW2よりも小さく、円周方向の断面積が小さく設定されている分だけ、d軸方向のティース本体部18aで磁気飽和が進んでおり、d軸磁束とq軸磁束による相互的な干渉を受けにくい。以上から、比較例では負荷交流電流を増加すると磁極突極比ρが低下しやすいが、本実施形態では負荷交流電流(モータ負荷)を増加しても磁極突極比ρを大きく取ることができる。
なお、比較例においては、ティース18の幅寸法が大きく、永久磁石21による一定磁束のみでは、磁極部20BN,20BSに対向するティース本体部18aを実質的に磁気飽和させることができない。このような場合には、固定子2の各コイル線7にトルクに寄与しない正のd軸電流を流すことで、d軸方向のティース18を実質的に磁気飽和させることが可能となり、本実施形態と同様の磁極突極比が得ることが可能である。
なお、本実施形態の凹部32が、固定子巻線の無通電状態において磁極部と半径方向に対向したティースを実質的に磁気飽和させる手段の一例に相当する。
(1−9.第1実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態の回転電機1は、固定子鉄心5が備える複数のティース18の各々が、軸方向一端から他端まで軸方向に沿って延びる凹部32を有するので、次のような効果を奏する。
すなわち、ティース18に凹部32を形成することにより、当該凹部32の形成部分におけるティース18の断面積を減少させることができる。これにより、コイル線7の無通電状態において磁極部20Bと半径方向に対向したティース18の上記形成部分における永久磁石21による磁束密度を増大させ、実質的に磁気飽和させることが可能となる。これにより、d軸インダクタンスLdを小さく抑えることができる。
一方、q軸方向のティース18においては先端部のみが磁気飽和し、永久磁石21による磁束と負荷交流電流による磁束の向きが一致する部位(図5に示す18b1)の磁気飽和が強くなるが、両磁束の向きが反対の部位(図5に示す18b2。図7〜図11に示すP1,P2,P3)は磁気飽和が弱くなる。磁気飽和が弱くなった部分においては重畳電圧による磁束が通りやすくなるので、インダクタンスが増加する。本実施形態では、負荷交流電流を大きくするとq軸方向にあるティース18の先端部の磁気飽和を緩和することができるので、高負荷時にq軸インダクタンスLqを増加させることができる。
以上により、高負荷時でも磁極突極比ρを確保することが可能となる。その結果、負荷トルクを大きくした場合でも精度の高い位置推定を行うことができる。また、高負荷時の回転子鉄心20の磁気飽和を回避するために回転子3を大型化する必要もないので、回転電機1の体格の大型化を招くこともない。
図12は、本実施形態において、負荷電流をq軸に与えた状態(V相からW相に電流を印加した状態)で、探査信号を重畳入力した場合の高周波インダクタンスのシミュレーション結果を表している。なお、図の横軸は、dq軸座標の電気角範囲180°に渡る重畳電圧位相であり、0°がd軸、90°がq軸に相当する。また図の縦軸は、高周波インダクタンスであり、高周波電圧信号により発生する高周波磁束の通りやすさに相当する。
この図12において、いずれの負荷(交流負荷電流の大きさ)で作動させた場合でも、d軸の高周波インダクタンスは略正弦波状の曲線で変化し、それらの位相のずれは比較的少なく、ほぼ一致している。この正弦波のうちの最小値に対する最大値の比(最大値/最小値)が磁極突極比ρに相当する。つまり正弦波の振幅が大きいほど磁極突極比ρが高い。本実施形態の場合には、図示するように、無負荷時でも十分な磁極突極比ρを確保できる上、負荷が大きくなるほど磁極突極比ρが高くなることが分かる。
これに対して図13は、上述の比較例における同等の図である。この図13においては、無負荷時の磁極突極比ρが低く、負荷を大きくしても本実施形態ほど高くならない。さらにこの比較例では、負荷が大きいほど正弦波の位相が大きくずれてしまう。これは、d軸方向のティース18が十分に磁気飽和しておらず、q軸電流による磁束がd軸の磁束に影響を与えてしまうためである。このように、d軸インダクタンスの正弦波曲線の位相が変動すると、回転電機1の磁極位置θの検出精度が大きく損なわれる。以上より、本実施形態の方が、比較例よりも磁極突極比ρを高く確保でき、回転電機1の磁極位置θを高い精度で検出できる。
また、本実施形態によれば、次のような効果をも得る。例えば、予めティース18の幅を小さく設計する場合には、その構成に特化した専用設計、使用部材及び生産設備等が必要となり、工数及びコストの大幅な増大を招く。本実施形態によれば、標準構造のティース18に凹部32を形成する追加加工を施すことで対応することが可能となるので、コストの増大を抑えることができる。
さらに、上記のように予めティース18の幅を小さく設計する場合、磁極突極比はそのティース幅に応じた値に固定される。一方、本実施形態によれば、凹部32を形成する際にその寸法を調整することができるので、磁極突極比ρを調整することが可能となる。
また、本実施形態では特に、凹部32は、ティース18の円周方向両側に同じ半径方向位置となるように形成される。これにより、ティース18を円周方向に対称な形状とすることができるので、コギングを低減できる。
また、本実施形態では特に、ティース18は、円筒状のヨーク15より内周側に向けて突出した本体部18aと、本体部18aの内周側先端に位置し、円周方向の寸法が本体部18aより拡大された拡幅部18bと、を有し、凹部32は、本体部18aに形成される。このように、ティース18が円周方向の寸法を拡大した拡幅部18bを有することにより、固定子2と回転子3とが対向する面積が増大され、固定子2と回転子3との間の磁束の流れを円滑にできる。
また、本実施形態では特に、拡幅部18bは、隣り合うティース18同士で相互に連結されており、固定子鉄心5は、円筒状に連結されたティース18がヨーク15の内周に固定されて構成される。このように、拡幅部18bが相互に連結されることで、q軸方向のティース18において永久磁石21による磁束の向きと負荷交流電流による磁束の向きが反対となる部位(P1,P2,P3)での磁気飽和を弱める効果を高めることができる。これにより、高負荷時のq軸インダクタンスLqをより増加させることができるので、高負荷時でも磁極突極比を確保することができる。
また、本実施形態では特に、永久磁石21は、回転子鉄心20の内部に設けられる。これにより、永久磁石21が回転子鉄心20の表面に設けられる場合に比べ、磁石トルクに加えてリラクタンス・トルクを回転力とすることが可能となるので、小型且つ高トルクの回転電機を実現できる。
また、本実施形態では特に、回転子鉄心20は、シャフト10に固定され複数の磁極部20Bが外周に配置される円筒部20Aを有しており、永久磁石21は、回転子鉄心20の磁極部相互間において、円筒部20Aの外周近傍から回転子鉄心20の外周近傍まで半径方向に沿って配置され、いわゆるI字型配置で設けられている。これにより、永久磁石の投入量を増大し、磁束を磁極部20Bに集中させることができる。
また、本実施形態では特に、コイル線7は、ティース18に集中巻きにより巻回される。一般に、磁極突極比ρを高くする場合には分布巻きが採用されるが、この場合には回転電機1の体格が大きくなる。本実施形態では、ティース18に凹部32を形成することにより磁極突極比ρを確保できるので、コイル線7に集中巻きを採用することが可能となり、回転電機1を小型化できる。
また、本実施形態では特に、制御装置300が、d軸に高周波電圧を付与する矩形波電圧発生器325と、q軸に負荷電流を付与する電圧制御器323とを有する。これにより、高周波電圧信号を付与した際のインダクタンスの変化を利用して、回転電機1の磁極位置θを推定することができる。そして、回転電機1は高負荷時でも磁極突極比ρを確保することができる。したがって、回転電機1の負荷トルクを大きくした場合でも精度の高いセンサレス制御を行うことが可能な制御装置300及び制御システム100を実現できる。
<2.第2実施形態>
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(2−1.固定子鉄心の構成)
図14〜図18に示すように、本実施形態に係る回転電機1では、各ティース18の本体部18aに、凹部32の代わりに、軸方向に貫通する貫通孔34が形成されている。その他の構成は第1実施形態と基本的に同様であるので、本実施形態に係る回転電機1を表す軸方向断面図や横断面図等は省略する。
図14〜図18において、貫通孔34は、ティース18の本体部18aの周方向の断面積を減少させるためのものであり、この例ではティース本体部18aの円周方向中心位置に形成されている。なお、本実施形態では、貫通孔34の形状(軸方向から見た形状)を四角状に形成しているが、これに限定されるものではなく、ティース18の強度を確保可能であれば円形や楕円形等、その他の形状としてもよい。
貫通孔34は、コイル線7の無通電状態において、磁極部20Bと半径方向に対向したティース18が貫通孔34の形成位置において永久磁石21により実質的に磁気飽和するように、円周方向の寸法を設定されている。この例では、本体部18aの貫通孔34の両側の円周方向の幅がそれぞれW1/2とされ、貫通孔34の形成部分における本体部18aの円周方向の幅がW1に設定されている。W1は、上記実施形態と同様の値である。
(2−2.負荷ごとの磁束分布)
図14は固定子2に交流電流を全く供給していない無負荷状態の磁束分布を示し、図15はq軸成分(トルク成分)の負荷交流電流(負荷電流に相当)を定格の50%供給した状態、図16は負荷交流電流を定格の100%供給した状態、図17は負荷交流電流を150%供給した状態、図18は負荷交流電流を200%供給した状態をそれぞれ示している。なお上記各図のd軸、q軸とティース18の位置関係は図5と同様である。
本実施形態では、各ティース本体部18aに貫通孔34を設けることにより円周方向の幅寸法W1が小さく、ティース本体部18aの断面積が小さく設定されている。そのため、瞬時電流値が0となっているU相に一致するd軸では、磁極部20BN,20BSに対向するティース本体部18aがすでに永久磁石21からの一定磁束線だけで実質的に磁気飽和している。つまり、負荷交流電流を増加させても、上記(1)式中にある回転子3全体のd軸インダクタンスの総量Ldが小さいまま維持される。
また、本実施形態では、負荷交流電流を0%から200%に順次大きくすると、瞬時電流値が流れているV相とW相の間を跨ぐ配置のq軸のインダクタンスは次第に増加する。これは、負荷交流電流を大きくするに従い、図中のP1,P2,P3で示すティース拡幅部18bの先端において磁気飽和を弱める効果が大きくなるためである。このように、負荷交流電流を大きくするに従い、V相とW相の全体において磁気飽和が進むものの、上記P1,P2,P3の箇所では磁気飽和が大きく弱められるので、その結果当該q軸におけるインダクタンスが総合的には増加する(図14〜図18参照)。これにより、上記(1)式中にある回転子3全体のq軸インダクタンスの総量Lqを、負荷交流電流の増加に合わせて増大させることができる。
以上から、本実施形態では負荷交流電流(モータ負荷)を増加しても、磁極突極比ρを低下させずに大きく取ることができる。
なお、本実施形態の貫通孔34が、固定子巻線の無通電状態において磁極部と半径方向に対向したティースを実質的に磁気飽和させる手段の一例に相当する。
(2−3.第2実施形態の効果)
以上説明したように、本第2実施形態では、固定子鉄心5が備える複数のティース18の各々が、軸方向に貫通する貫通孔34を有するので、上記第1実施形態と同様な効果を奏する。
図19は、本実施形態において、負荷電流をq軸に与えた状態(V相からW相に電流を印加した状態)で、探査信号を重畳入力した場合の高周波インダクタンスのシミュレーション結果を表しており、前述の図12に対応する図である。この図19に示すように、いずれの負荷(交流負荷電流の大きさ)で作動させた場合でも、d軸の高周波インダクタンスは略正弦波状の曲線で変化し、それらの位相のずれは比較的少なく、ほぼ一致している。また、図示のように、無負荷時でも十分な磁極突極比ρを確保できる上、負荷が大きくなるほど磁極突極比ρが高くなることが分かる。
また、本実施形態では特に、貫通孔34がティース18の円周方向中心位置に形成される。これにより、ティース18を円周方向に対称な形状とすることができるので、コギングを低減できる。
<3.変形例>
なお、以上説明した第1及び第2の実施形態は、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、以上では、固定子鉄心5の隣り合うティース18の拡幅部18b同士が円周方向で相互に連結された場合を一例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上記図2に対応する図20に示すように、固定子鉄心105の隣り合うティース118の拡幅部118b同士が先端で離間するように構成されてもよい。この場合、隣り合うティース118間での漏れ磁束の低減効果をさらに高めることができる。これにより、d軸の漏れインダクタンスが増大するのを防止できるので、磁極突極比ρを確保できる。
また、以上では、ティース18に凹部32又は貫通孔34のいずれか一方のみが形成された場合を一例として説明したが、ティース18に凹部及び貫通孔の両方が形成されてもよい。また、凹部32や貫通孔34の数をさらに増やしてもよい。
また例えば、上記実施形態では、10P12Sのスロットコンビネーション構成を一例として説明したが、この他のスロットコンビネーション構成でも各相U,V,Wどうしの配置間隔角度や各dq軸座標の配置間隔角度が変わるだけで、各相U,V,Wと各dq軸座標との間の配置関係性は変わらないので、同様の効果が得られる。
また例えば、上記実施形態では、各ティース18の凹部32又は貫通孔34の円周方向の寸法を適宜設定することで、無負荷時に磁極部20Bと対向したティース18が永久磁石21からの磁束のみにより実質的に磁気飽和するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、回転子3が備える永久磁石21の磁力を高める、あるいは、凹部32又は貫通孔34によるティース18の幅寸法と永久磁石21の磁力の両方を適宜に設定するなどの手法をとってもよい。
また例えば、上記実施形態では、回転子鉄心5の円筒状のヨーク15や複数のティース18が各々一体に形成された場合を一例として説明したが、ヨーク15及び複数のティース18がティース18ごとに分割可能に構成されてもよい。
また例えば、上記実施形態では、回転電機1が回動型モータである場合を一例として説明したが、これに限定されない。例えば、特に図示しないが、固定子に対して可動子が直線的に移動する直動型モータ(いわゆるリニアモータ)に本実施形態の手法を適用してもよい。この場合には、固定子と可動子のいずれか一方が永久磁石による磁極部を備え、他方で磁界を発生するコイル線とティースを備えるが、いずれの場合でも無負荷時に磁極部と対向したティースが永久磁石からの磁束のみにより実質的に磁気飽和するように、凹部によるティースの可動方向の寸法幅を設定すればよい。
また以上では、回転電機1がモータである場合を一例として説明したが、本実施形態は、回転電機が発電機である場合にも適用することができる。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
<4.制御装置のハードウェア構成例>
次に、図21を参照しつつ、上記で説明したCPU901が実行するプログラムにより実装された電圧制御器323や矩形波電圧発生器325等による処理を実現する制御装置300のハードウェア構成例について説明する。なお、図21中では、制御装置300の回転電機1に駆動電力を給電する機能に係る構成を適宜省略して図示している。
図21に示すように、制御装置300は、例えば、CPU901と、ROM903、RAM905と、ASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路907と、入力装置913と、出力装置915と、ストレージ装置917と、ドライブ919と、接続ポート921と、通信装置923とを有する。これらの構成は、バス909や入出力インターフェース911を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
プログラムは、例えば、ROM903やRAM905、ストレージ装置917等の記録装置に記録しておくことができる。
また、プログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD・MOディスク・DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体925に、一時的又は永続的に記録しておくこともできる。このようなリムーバブル記憶媒体925は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらのリムーバブル記憶媒体925に記録されたプログラムは、ドライブ919により読み出されて、入出力インターフェイス919やバス909等を介し上記記録装置に記録されてもよい。
また、プログラムは、例えば、ダウンロードサイト・他のコンピュータ・他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置923がこのプログラムを受信する。そして、通信装置923が受信したプログラムは、入出力インターフェイス919やバス909等を介し上記記録装置に記録されてもよい。
また、プログラムは、例えば、適宜の外部接続機器927に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、適宜の接続ポート921を介し転送され、入出力インターフェイス919やバス909等を介し上記記録装置に記録されてもよい。
そして、CPU901が、上記記録装置に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、上記の電圧制御器323や矩形波電圧発生器325等による処理(例えば、d軸及びq軸の少なくとも一方に高周波電圧を付与するステップと、q軸に負荷電流を付与するステップ等)が実現される。この際、CPU901は、例えば、上記記録装置からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM905に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU901は、例えば、プログラムを通信装置923やドライブ919、接続ポート921を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置に記録せずに直接実行してもよい。
また、CPU901は、必要に応じて、例えばマウス・キーボード・マイク(図示せず)等の入力装置913から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
そして、CPU902は、上記の処理を実行した結果を、例えば表示装置や音声出力装置等の出力装置915から出力してもよく、さらにCPU902は、必要に応じてこの処理結果を通信装置923や接続ポート921を介し送信してもよく、上記記録装置やリムーバブル記憶媒体925に記録させてもよい。
1,101 回転電機
2 固定子
3 回転子
5,105 固定子鉄心
7 コイル線(固定子巻線の一例)
10 シャフト
15 ヨーク
18,118 ティース
18a,118a 本体部
18b,118b 拡幅部
20 回転子鉄心
20A 円筒部
20B 磁極部
21 永久磁石
32 凹部
34 貫通孔
100 制御システム
300 制御装置
323 電圧制御器(負荷電流付与部の一例)
325 矩形波電圧発生器(高周波電圧付与部の一例)

Claims (9)

  1. 固定子と回転子を備え、位置及び速度センサを用いずにトルク制御、速度制御、位置制御の少なくともいずれかにより動作する回転電機であって、
    円周方向に複数の磁極部を備えた回転子鉄心と、
    前記回転子鉄心に設けられた複数の永久磁石と、
    軸方向に貫通する貫通孔、及び、軸方向一端から他端まで軸方向に沿って延びる凹部、の少なくとも一方が形成されて固定子巻線が巻回される複数のティースを備えた固定子鉄心
    を有し、
    前記ティースは、
    円筒状のヨークより内周側に向けて突出した本体部と、
    前記本体部の内周側先端に位置し、円周方向の寸法が前記本体部より拡大された拡幅部と、を有し、
    前記貫通孔又は前記凹部は、前記本体部に形成され、
    前記貫通孔又は前記凹部の前記円周方向の寸法は、
    前記固定子巻線の無通電状態において、d軸方向の前記磁極部と半径方向に対向した前記ティースの前記本体部が前記貫通孔又は前記凹部の形成位置において前記永久磁石により実質的に磁気飽和するように設定され、かつ、前記固定子巻線の通電状態において、q軸方向の前記磁極部と半径方向に対向した前記ティースの前記本体部が前記貫通孔又は前記凹部の形成位置において実質的に磁気飽和しないように設定されている
    ことを特徴とする回転電機。
  2. 前記貫通孔は、
    前記ティースの円周方向中心位置に形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記凹部は、
    前記ティースの円周方向両側に同じ半径方向位置となるように形成される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転電機。
  4. 前記拡幅部は、
    隣り合う前記ティース同士で相互に連結されており、
    前記固定子鉄心は、
    円筒状に連結された前記ティースが前記ヨークの内周に固定されて構成される
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 前記永久磁石は、
    前記回転子鉄心の内部に設けられる
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 前記回転子鉄心は、
    シャフトに固定され前記複数の磁極部が外周に配置される円筒部を有しており、
    前記永久磁石は、
    前記回転子鉄心の前記磁極部相互間において、前記円筒部の外周近傍から前記回転子鉄心の外周近傍まで半径方向に沿って配置される
    ことを特徴とする請求項に記載の回転電機。
  7. 前記固定子巻線は、
    前記ティースに集中巻きにより巻回される
    ことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の回転電機。
  8. 位置及び速度センサを用いずに請求項1乃至のいずれか1項記載の回転電機のトルク制御、速度制御、位置制御の少なくともいずれかを行う回転電機の制御装置であって、
    回転軸心より前記磁極部の中心方向に延びる軸をd軸、前記中心方向と電気角において90度ずれた方向に延びる軸をq軸とした場合に、
    前記d軸及び前記q軸の少なくとも一方に高周波電圧を付与するように構成された高周波電圧付与部と、
    前記q軸に負荷電流を付与するように構成された負荷電流付与部と、
    を有する
    ことを特徴とする回転電機の制御装置。
  9. 位置及び速度センサを用いずに請求項1乃至のいずれか1項記載の回転電機のトルク制御、速度制御、位置制御の少なくともいずれかを行う回転電機の制御方法であって、
    回転軸心より前記磁極部の中心方向に延びる軸をd軸、前記中心方向と電気角において90度ずれた方向に延びる軸をq軸とした場合に、
    前記d軸及び前記q軸の少なくとも一方に高周波電圧を付与することと、
    前記q軸に負荷電流を付与することと、
    を有することを特徴とする回転電機の制御方法。
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