JP2019080375A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータの回転速度が低い領域においても高いトルクを出力することができる回転電機を提供すること。【解決手段】電機子コイル11を有するステータ10とロータ20とを備えた回転電機1であって、ロータ20は、周方向に所定の間隔で突極部22が複数形成されたロータコア21と、ステー10側で発生した高調波磁束が鎖交することにより誘導電流を発生させるロータコイル23と、ロータコイル23に流れる誘導電流を整流するダイオードとを有し、突極部22は、永久磁石30が設けられた第1の突極部31と、ロータコイル23が巻かれた第2の突極部32とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、回転電機に関する。
特許文献1には、ロータがステータの内側に同心配置された回転電機において、ステータにおいて生成される空間高調波を含む回転磁界による誘導起電力によって、ダイオードにより方向を規制された誘導電流がロータ巻線に流れることにより、ロータの突極が磁化する回転電機が開示されている。
特開2012−196095号公報
しかしながら、特許文献1に記載の回転電機にあっては、ロータの回転速度が低い領域では磁束の時間変化が小さいためロータ巻線に発生する誘導起電力が小さくなる。このため、ロータの回転速度が低い領域においては、ダイオードにより整流されてロータ巻線に流れる界磁電流も小さくなってしまう。したがって、特許文献1に記載の回転電機では、ロータの回転速度が低い領域において高いトルクを出力することができない。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、ロータの回転速度が低い領域においても高いトルクを出力することができる回転電機を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、通電により電機子磁束を発生させる電機子コイルを有するステータと、前記ステータに対して相対回転可能なロータと、を備えた回転電機であって、前記ロータは、周方向に所定の間隔で突極部が複数形成されたロータコアと、前記ステータ側で発生した高調波磁束が鎖交することにより誘導電流を発生させるロータコイルと、前記ロータコイルに流れる誘導電流を整流する整流素子と、を有し、前記突極部は、永久磁石が設けられた第1の突極部と、前記ロータコイルが巻かれた第2の突極部と、を有する。
本発明によれば、ロータの回転速度が低い領域においても高いトルクを出力することができる回転電機を提供することができる。
図1は、本発明の一実施例に係る回転電機の斜視図である。 図2は、本発明の一実施例に係る回転電機の分解斜視図である。 図3は、本発明の一実施例に係る回転電機のステータの分解斜視図である。 図4は、本発明の一実施例に係る回転電機のステータの組立の手順を示す斜視図である。 図5は、本発明の一実施例に係る回転電機のステータにおけるステータコアと保持部材の組付状態を示す断面図である。 図6は、本発明の一実施例に係る回転電機の第2のロータの分解斜視図である。 図7は、本発明の一実施例に係る回転電機の整流回路の結線図である。 図8は、本発明の一実施例に係る回転電機の模式図である。 図9は、本発明の一実施例に係る回転電機における第1のロータ及び第2のロータを示す斜視図である。 図10(a)は、本発明の一実施例に係る回転電機におけるd軸等価回路を示し、図10(b)は、本発明の一実施例に係る回転電機におけるq軸等価回路を示す。 図11は、第1のロータ及び第2のロータの第1の配置を示す図である。 図12は、第1のロータ及び第2のロータの第1の配置における磁束密度を示す図である。 図13は、第1のロータ及び第2のロータの第2の配置を示す図である。 図14は、第1のロータ及び第2のロータの第2の配置における磁束密度を示す図である。 図15は、トルクについて第1の配置と第2の配置とを比較したグラフである。 図16(a)は、第2の突極部を弱め界磁タイプとした場合の磁束の経路を示す図であり、図16(b)は、第2の突極部を強め界磁タイプとした場合の磁束の経路を示す図である。 図17は、弱め界磁タイプにおける磁束密度を示す図である。 図18は、強め界磁タイプにおける磁束密度を示す図である。 図19は、ロータコイルの巻線を開放した場合の磁束密度を示す図である。 図20は、電流位相とトルクとの関係について弱め界磁タイプと強め界磁タイプとを比較したグラフである。 図21は、電機子起磁力とトルクとの関係について弱め界磁タイプと強め界磁タイプとを比較したグラフである。 図22は、ロータの回転速度とトルクとの関係について弱め界磁タイプと強め界磁タイプとを比較したグラフである。 図23は、ロータの回転速度と線間電圧との関係について弱め界磁タイプと強め界磁タイプとを比較したグラフである 図24(a)は、弱め界磁タイプにおけるd軸及びq軸を基準とするベクトル図であり、図24(b)は、強め界磁タイプにおけるd軸及びq軸を基準とするベクトル図であり、図24(c)は、強め界磁タイプにおいて電機子電流ベクトルのベクトルノルムを下げた場合のd軸及びq軸を基準とするベクトル図である。 図25は、本実施例のロータの変形例を示す斜視図である。 図26は、本実施例のロータの変形例を示す模式図である。
本発明の一実施の形態に係る回転電機は、通電により電機子磁束を発生させる電機子コイルを有するステータと、ステータに対して相対回転可能なロータと、を備えた回転電機であって、ロータは、周方向に所定の間隔で突極部が複数形成されたロータコアと、ステータ側で発生した高調波磁束が鎖交することにより誘導電流を発生させるロータコイルと、ロータコイルに流れる誘導電流を整流する整流素子と、を有し、突極部は、永久磁石が設けられた第1の突極部と、ロータコイルが巻かれた第2の突極部と、を有することを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係る回転電機は、ロータの回転速度が低い領域においても高いトルクを出力することができる。
図1から図24を参照して、本発明の一実施例に係る回転電機について説明する。
図1及び図2に示すように、回転電機1は、通電により電機子磁束を発生させる電機子コイル11を有するステータ10と、ステータ10に対して相対回転可能なロータ20と、を備えている。
回転電機1は、ロータ20の図示しない回転軸の軸方向にステータ10とロータ20とが対向し、ステータ10とロータ20との間に軸方向に隙間を有するアキシャルギャップ型の回転電機である。回転電機1は、以下に説明するように、外部からロータ20にエネルギ入力する必要のない自励式巻線界磁形の回転電機である。
(ステータ)
ステータ10は、周方向に所定の間隔をおいて複数配置されたステータコア12と、ステータコア12に巻かれる電機子コイル11と、ステータコア12を保持する保持部材13とを有する。複数のステータコア12は、周方向に隣り合うステータコア12同士が別体に構成されている。周方向とは、ロータ20の図示しない回転軸を中心とする円周方向を示す。本実施例では、各ステータコア12を別体で構成したが、各ステータコア12が互いに磁気的に分離されている構造であれば別体でなくともよい。
ステータコア12は、強磁性体の微細な粉末が圧縮して固められた圧粉磁心によって形成されている。各ステータコア12には、W相、V相、U相の各電機子コイル11がそれぞれ集中巻きされている。ステータコア12には、絶縁性を高めるために粉状の樹脂等が吹き付けられる粉体塗装が施されている。
本実施例のステータ10は、上述したように各ステータコア12を別体で構成し、非磁性体からなる後述する保持部材13で各ステータコア12を保持することにより、各ステータコア12を磁気的に分離している。このため、磁性体のバックヨークを有する場合と比べて、各ステータコア12に鎖交した第2次空間高調波がバックヨークを介して他のステータコア12に回り込むことが抑制されるため、各ステータコア12に鎖交した第2次空間高調波を後述する第2の突極部32に効率よく鎖交させることができる。また、電機子コイル11が集中巻きされていることにより、ステータコア12のロータ20に対向する両面に不可避に発生する第2次空間高調波を第2の突極部32に効率よく鎖交させることができる。なお、ステータコア12の製造を容易とするため、バックヨークを磁性体により形成してもよい。
図3に示すように、ステータコア12は、分割コア12A及び分割コア12Bを有し、分割コア12Aと分割コア12Bとが軸方向に分割された構造である。
ステータ10は、ステンレス等の非磁性体によって形成された環状の保持部材13を有している。保持部材13は、電機子コイル11が設けられたステータコア12を保持するものである。保持部材13には、周方向に所定の間隔をおいて各ステータコア12が嵌る保持孔13aが複数形成されている。保持部材13は、外周側において図示しないモータケースに取り付けられるようになっている。
図4を参照して、上述のように構成されたステータ10の組立手順について説明する。
図4に示すように、電機子コイル11は、予めα巻きされた状態で、ステータコア12に組み付ける際の形状に成形されている。α巻きとは、巻線の巻始めと巻終りを外側に向かって同時に巻く方法である。
このようにα巻きされた電機子コイル11は、巻線の巻始め側の端部が内部に取り残されないので占積率が向上し、巻線の両端部が電機子コイル11の外部に配置されるので結線を容易に行うことができる。
また、電機子コイル11には、保持部材13が配置されるスペースとして軸方向に所定の間隔を有する隙間11aが形成されている。
電機子コイル11は、保持部材13に対して径方向の外方側から内方側に向かって隙間11aが保持部材13に差し込まれることにより、保持部材13に組み付けられる。このとき、電機子コイル11は、巻線により囲まれる内側の空間と保持部材13の保持孔13aとが軸方向に重なるように配置される。
径方向とは、上述の軸方向と直交する方向を示す。径方向の外方側とは、径方向においてロータ20の図示しない回転軸から遠い側を示し、径方向の内方側とは、径方向においてロータ20の図示しない回転軸に近い側を示す。
電機子コイル11が保持部材13に組み付けられた状態において、分割コア12Aと分割コア12Bとが軸方向において電機子コイル11を挟み込むようにして保持部材13に組み付けられる。
このように組み立てられたステータ10は、電機子コイル11と分割コア12Aと分割コア12Bとを保持部材13に組み付けた状態において、樹脂等によりポッティングされるのが好ましい。これにより、ステータ10の電磁振動が抑えられたり、冷却のための熱伝導率が向上したりする。
本実施例では、ステータコア12に粉体塗装を施すことによりステータコア12の絶縁性を高めたが、これに限らず、例えば絶縁性樹脂等の非磁性材料により成形されたインシュレータを介して電機子コイル11をステータコア12に組み付けることによってステータコア12の絶縁性を高めてもよい。
図5は、上述のようにして組み立てられたステータ10において、ステータコア12と保持部材13との組付状態を示す断面図である。
図5に示すように、分割コア12A及び分割コア12Bは、軸方向の一方側の端部に、外方に突出したフランジ部12aが形成されている。これにより、電機子コイル11が軸方向に移動してステータコア12から外れてしまうことが防止される。
このように構成されたステータ10は、電機子コイル11に三相交流が供給されることで、周方向に回転する回転磁界を発生させる。ステータ10で発生した磁束は、ロータ20に鎖交するようになっている。これにより、ステータ10は、ロータ20を回転させることができる。
(ロータ)
図1及び図2に示すように、ロータ20は、第1のロータ20Aと、第2のロータ20Bとを備えている。
第1のロータ20Aは、軸方向において所定の隙間を介してステータ10に対面するように図示しない回転軸に一体回転可能に取り付けられている。第2のロータ20Bは、軸方向において第1のロータ20Aと反対側でステータ10に対面するように図示しない回転軸に一体回転可能に取り付けられている。
このように、本実施例のロータ20は、ステータ10を軸方向の両側から第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとによって挟み込む構成のロータである。第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとは、同一の構成を有する。したがって、以下においては、第1のロータ20A及び第2のロータ20Bの構成について、第2のロータ20Bを例に説明する。
図2及び図6に示すように、第2のロータ20Bは、環状のロータコア21と、ロータコイル23と、整流回路24(図7参照)とを含んで構成されている。
ロータコア21には、周方向に所定の間隔で突極部22が複数形成されている。ロータコア21は、強磁性体の微細な粉末が圧縮して固められた圧粉磁心によって形成されている。
突極部22は、永久磁石30が設けられた第1の突極部31と、ロータコイル23が巻かれた第2の突極部32とを有している。第1の突極部31と第2の突極部32とは、周方向に交互に配置されている。
第1の突極部31には、軸方向において第2の突極部32が突出する方向と同一の方向に突出した一対のリブ31aが形成されている。永久磁石30は、第1の突極部31の一対のリブ31aの間に嵌め込まれた状態で接着剤により接着される。永久磁石30を第1の突極部31に接着剤としては、例えばシリコン系接着剤、アクリル系接着剤及びエポキシ系接着剤等を用いることができる。ただし、本実施例で挙げた接着剤は、一例であってこれに限定されるものではない。
一対のリブ31aは、永久磁石30の周方向への移動を規制する機能を有する。また、一対のリブ31aは、永久磁石30が接着剤により第1の突極部31に接着されるまで永久磁石30を位置決めした状態で保持する機能を兼ねる。これにより、永久磁石30の接着工程において永久磁石30を第1の突極部31に位置決めするための専用の治具が不要となる。このため、接着工程の作業性が向上し、製造コストが抑制される。
第2の突極部32は、ロータコア21のステータ10に対向する面21aからステータ10側に向かって軸方向に突出するよう形成されている。周方向に隣り合う第2の突極部32と第1の突極部31との間には、ロータスロット34が形成されている。ロータスロット34には、第2の突極部32に巻かれたロータコイル23が配置される。
ロータコイル23は、ステータ10側で発生した磁束に基づいて誘導電流を発生するようになっている。具体的には、ロータコイル23は、誘導コイル23aと、界磁コイル23bとを有する。
誘導コイル23aは、軸方向においてステータ10側に配置され、ステータ10側で発生した磁束に重畳された空間高調波成分(以下、「空間高調波磁束」という)が鎖交することにより誘導電流を発生するようになっている。誘導コイル23aは、後述する整流素子を介して界磁コイル23bに接続されている。
上述したように、ステータ10で発生する磁束には、ロータ20を回転させる回転磁界の基本波成分の磁束(以下、「主磁束」という)と、その基本波成分に対して同期していない空間高調波磁束が含まれる。
界磁コイル23bは、誘導コイル23aにおいて発生した交流の誘導電流が整流回路24(図7参照)によって整流されて直流電流として供給されることにより第2の突極部32を界磁することができる。
整流回路24は、ロータコイル23に流れる誘導電流を整流する回路であり、具体的には誘導コイル23aにおいて発生した交流の誘導電流を整流して界磁コイル23bに供給する回路である。
図7に示すように、整流回路24は、2つのダイオードD1,D2を整流素子として備えている。整流回路24は、図8に示すように、ダイオードD1,D2と、第1のロータ20Aの第2の突極部32に巻かれた誘導コイル23a及び界磁コイル23bと、第2のロータ20Bの第2の突極部32に巻かれた誘導コイル23a及び界磁コイル23bとを結線した閉回路として構成されている。
整流回路24は、周方向に1つの突極部分ずれた位置において対向する第1のロータ20Aの第2の突極部32と第2のロータ20Bの第2の突極部32とのそれぞれに巻かれた2つの誘導コイル23a及び2つの界磁コイル23bを1組として、当該1組ごとにそれぞれ設けられる。したがって、回転電機1は、ロータ20の極対数に応じた数の整流回路24を備える。
ダイオードD1,D2は、例えば図示しないダイオードケースに収納された状態でロータ20に設けられている。ダイオードD1,D2は、ロータ20の内部に実装するようにしてもよい。整流素子としては、ダイオードに限らず、他のスイッチング素子などの半導体素子を採用してもよい。
整流回路24は、ダイオードD1,D2が180度位相差になるように結線されることにより、一方の誘導電流を反転させて半波整流出力を合算する中性点クランプ型の全波整流回路として形成される。
整流回路24において、誘導コイル23aで発生した交流の誘導電流は、ダイオードD1,D2により整流され、整流後の直流電流は、界磁電流として界磁コイル23bに供給される。これにより、界磁コイル23bは、磁界を発生させて第2の突極部32を界磁することができる。
界磁コイル23bは、第1のロータ20A及び第2のロータ20Bのいずれにおいても、第2の突極部32に対してS極の磁極が形成される向きに巻かれている。
ここで、上述の交流の誘導電流は、ステータ10側で発生した磁束に重畳された空間高調波磁束が誘導コイル23aに鎖交することにより発生する。その空間高調波磁束は、集中巻きタイプのステータ10に対して突極部22を有するロータ20が回転したときにステータ10とロータ20との間のギャップにおける磁気抵抗が変動することにより発生する。
こうした空間高調波磁束は、ステータ10上の静止座標系では第2次空間高調波磁束と称される。また、第2次空間高調波磁束は、基本波回転磁界に対して逆相の2倍調波で回転するため、回転座標系つまり基本波回転磁界に同期回転する回転電機1のロータ20上から観測すると第3次空間高調波磁束と称される。
本実施例においては、ステータ10のスロット数が「18」でロータ20の突極数が「12」、すなわちステータ10とロータ20のスロットコンビネーションが「3:2」と設定しているため、突極部22のパーミアンス分布が3倍調波で脈動することから第3次空間高調波成分の磁気結合係数が最大となり、第3次空間高調波成分が突極部22に鎖交しやすくなる。
具体的には、ステータ10とロータ20のスロットコンビネーションが「3:2」の場合には、正方向のd軸インダクタンスと負方向のd軸インダクタンスとが対称にならずにそれぞれ振幅が異なるため、ロータ20の回転に伴ってd軸インダクタンスのオフセット量が変化する。これにより、ステータ10上の静止座標系では第2次空間高調波磁束が生じ、ロータ20上の回転座標系では第3次空間高調波磁束が生ずる。
この第3次空間高調波磁束は、ロータ20を回転させる回転磁界の基本波成分に対して同期していないため、誘導コイル22に鎖交して交流の誘導電流を誘起させる。
(ロータコアの表面構造)
図2に示すように、ロータコア21において突極部22が形成されていない面21bには、軸方向においてステータ10側と反対側に隆起した隆起部40が形成されている。隆起部40は、ロータコア21の周方向に所定の間隔をおいて複数形成されている。
隆起部40は、上面部40aが平面状に形成されており、その上面部40aに後述する整流回路24のダイオードD1,D2が収納された図示しないダイオードケースを取り付ける際の位置決め用の孔40bが形成されている。ダイオードケースは、例えば環状に形成されており、ロータコア21に対向する面に形成された複数の突起が前述の孔40bに嵌ることによりロータコア21に対して位置決めされる。上面部40aの外縁は、テーパ状に形成されている。
本実施例のロータ20は、ロータコア21が複数の隆起部40を有することによりロータコア21の面21bに凹凸を形成してロータコア21の表面積を増加させている。このため、扁平なロータコア21の剛性を高めることができる。これにより、ロータ20の回転時にロータコア21の固有振動として発生する面振動を抑制することができる。
これに対して、ロータコアに隆起部が形成されていないロータにあっては、扁平なロータコアの剛性が低いため、ロータの回転時にロータコアの固有振動として発生する面振動を抑制することができない。
(コンシクエントポール構造)
図9に示すように、本実施例の第1のロータ20A及び第2のロータ20Bはいずれも、永久磁石30が設けられた第1の突極部31と、永久磁石が設けられていない第2の突極部32とが周方向に交互に配置され、永久磁石が設けられていない第2の突極部32に誘導コイル23a及び界磁コイル23bが巻かれた構造である。
ここで、ロータの構造として、永久磁石が設けられた突極部と、永久磁石が設けられていない磁性体からなる突極部(以下、この突極部を「イメージポール」という)とが周方向に交互に配置された、コンシクエントポール構造がある。このコンシクエントポール構造を採用すると、永久磁石の磁束がイメージポールに鎖交することでイメージポールが磁化されるため、イメージポールは、永久磁石が設けられた突極部の極性と反対の極性を持つ磁極として機能する。
コンシクエントポール構造のロータは、永久磁石の使用量を半減できるという利点を有する一方で、次のような課題を有する。すなわち、コンシクエントポール構造のロータにおいては、永久磁石が設けられた突極部における磁気抵抗よりもイメージポールにおける磁気抵抗が高いため、永久磁石が設けられた突極部とステータとの間のギャップ磁束に比べてイメージポールとステータとの間のギャップ磁束が小さくなってしまう。これにより、トルク脈動が大きくなってしまうという課題がある。
本実施例の第1のロータ20A及び第2のロータ20Bはいずれも、永久磁石が設けられていない第2の突極部32に誘導コイル23a及び界磁コイル23bを設けることによって第2の突極部32における磁気抵抗を可変とすることができる。
具体的には、第2の突極部32における磁気抵抗は、誘導コイル23aに生ずる誘導起電力の大きさによって変化する。誘導コイル23aに生ずる誘導起電力は、誘導コイル23aに鎖交する第2次空間高調波磁束の大きさに応じて変化する。第2次空間高調波磁束は、電機子電流、電流位相、又はロータ20の回転速度に応じて変化する。
このため、第2の突極部32における磁気抵抗は、電機子電流、電流位相、及びロータ20の回転速度によって可変となる。したがって、本実施例の第2の突極部32は、電機子電流、電流位相、又はロータ20の回転速度に応じて磁気抵抗が変化する図10(b)のq軸等価回路に示すように可変界磁極としての機能を有する。図10(a)は、d軸等価回路である。図10(a)及び図10(b)において、Vdは電機子電圧のd軸成分、Vqは電機子電圧のq軸成分、idは電機子電流のd軸成分、iqは電機子電流のq軸成分、Raは巻線抵抗、Rcは鉄損抵抗、ωは角速度、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、Ψmは永久磁石磁束をそれぞれ示している。
本実施例では、後述するように第2の突極部32における界磁タイプとして強め界磁タイプを採用している。このため、本実施例においては、電機子電流、電流位相、又はロータ20の回転速度に応じて誘導コイル23aに生ずる誘導起電力を大きくすることにより第2の突極部32における磁気抵抗を低下させることができる。この結果、本実施例では、第2の突極部32とステータ10との間のギャップ磁束を大きくすることができ、第1の突極部31とステータ10との間のギャップ磁束と、第2の突極部32とステータ10との間のギャップ磁束との大きさの違いに起因したトルク脈動を抑制することができる。
(第1のロータ及び第2のロータの配置)
本実施例におけるロータ20は、第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとによりステータ10を挟み込む構成のダブルロータである。こうした構成のダブルロータにおいては、第1のロータ20A及び第2のロータ20Bの配置として例えば次の2通りが考えられる。
第1の配置は、図11に示すように、永久磁石30が設けられた第1の突極部31を互いに対向させる配置である。図11に示す第1の配置においては、第1のロータ20Aの永久磁石30と第2のロータ20Bの永久磁石30とで逆極性が対向するように配置している。
第2の配置は、図13に示すように、第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとで永久磁石30が設けられた第1の突極部31を周方向に1突極分ずらした配置、すなわち第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとで互いの第1の突極部31と第2の突極部32とを軸方向に対向させる配置である。図13に示す第2の配置においては、第1のロータ20Aの永久磁石30と第2のロータ20Bの永久磁石30とでステータ10に対向する極性が同一となるように永久磁石30を配置している。
図12及び図14を参照して、第1の配置の磁束密度と第2の配置の磁束密度とを比較する。
図12は、第1のロータ20A及び第2のロータ20Bの配置を第1の配置とした場合において、第1のロータ20Aの第2の突極部32及び第2のロータ20Bの第2の突極部32のいずれにおいても永久磁石30の磁束である永久磁石磁束(図11中、矢印Fpmで表す)を弱める向きにロータコイル23が巻かれている例における磁束密度(Magnetic flux density)を示す図である。図12に示す第1の配置の例においては、永久磁石磁束Fpmの向きと自己励磁によって発生する界磁磁束(図11中、矢印Femで表す)の向きとが対向している。
図14は、第1のロータ20A及び第2のロータ20Bの配置を第2の配置とした場合において、第1のロータ20Aの第2の突極部32及び第2のロータ20Bの第2の突極部32のいずれにおいても永久磁石30の永久磁石磁束(図13中、矢印Fpmで表す)を弱める向きにロータコイル23が巻かれている例における磁束密度(Magnetic flux density)を示す図である。図14に示す第2の配置の例においては、永久磁石磁束Fpmの向きと自己励磁によって発生する界磁磁束(図13中、矢印Femで表す)の向きとが対向している。
図12に示すように、第1の配置では、ロータ20の周方向において第1の突極部31同士が対向する位置と第2の突極部32同士が対向する位置とで磁束密度が大きく異なり、かつ第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとで対向する突極部における磁束密度が略同じである。
このため、図15に示すように、第1の配置では、第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとにおいていずれか一方のトルクが最大となるときにいずれか他方のトルクも最大となる。この結果、第1の配置では、第1のロータ20Aのトルクと第2のロータ20Bのトルクとを総合した総合トルクの最大値を増大できる反面、トルク脈動が大きくなってしまう。
これに対して、第2の配置では、第1の突極部31が周方向に1突極分ずらして配置されているため、第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとにおいて互いに対向する位置の突極部同士で磁束密度が異なる。具体的には、第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとで対向する突極部のうち、一方の突極部の磁束密度が高いときには対向する他方の突極部の磁束密度が低い。図14においては、磁束密度の高い第1のロータ20Aの第2の突極部32に対向する第2のロータ20Bの第1の突極部31の磁束密度は低い。
このため、図15に示すように、第2の配置では、第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとにおいていずれか一方のトルクが最大となるときにいずれか他方のトルクが最小となる。この結果、第2の配置では、第1の配置と比較して第1のロータ20Aのトルクと第2のロータ20Bのトルクとを総合した総合トルクの最大値は小さくなるが、第1の配置と比べてトルク脈動は小さくなる。
このように、第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとを第2の配置となるよう配置すれば、トルク脈動を大きく低減させることが可能となる。本実施例においては、第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとの配置として、トルク脈動を大きく低減できる第2の配置を採用している。
(界磁タイプ)
次に、図16から図24を参照して、可変界磁極として機能する第2の突極部32における界磁タイプについて説明する。この界磁タイプは、上述した第1の配置にも同様に適用される。
第2の突極部32の界磁タイプとしては、図16(a)に示すような弱め界磁タイプと、図16(b)に示すような強め界磁タイプとがある。図16(a)及び図16(b)では、第1の突極部31の極性がN極となるよう永久磁石30が配置されているが、第1の突極部31の極性がS極となるよう永久磁石30を配置してもよい。
弱め界磁タイプでは、第2の突極部32に対して永久磁石30の永久磁石磁束を弱める方向に界磁磁束が発生するようにロータコイル23が巻かれている。図16(a)においては、第1のロータ20Aの第2の突極部32及び第2のロータ20Bの第2の突極部32のいずれも、永久磁石磁束(図16(a)中、矢印Fpmで表す)に対して反対方向の界磁磁束(図16(a)中、矢印Femで表す)が発生するようにロータコイル23が巻かれている。
このため、弱め界磁タイプにおいては、永久磁石磁束Fpmの向きと自己励磁によって発生する界磁磁束Femの向きとが対向することとなる。これにより、弱め界磁タイプにおいては、第2の突極部32における磁気抵抗が高くなるため、図17に示すように第2の突極部32における磁束密度が低く、ステータ10から第2の突極部32に鎖交した磁束が周方向に隣り合う第1の突極部31に導かれ難くなっている。この結果、弱め界磁タイプでは、図20に示すようにロータ20のトルクの最大値が小さくなる。
これに対して、強め界磁タイプでは、第2の突極部32に対して永久磁石30の永久磁石磁束を強める方向に界磁磁束が発生するようにロータコイル23が巻かれている。図16(b)においては、第1のロータ20Aの第2の突極部32及び第2のロータ20Bの第2の突極部32のいずれも、永久磁石磁束(図16(b)中、矢印Fpmで表す)に対して同一の方向の界磁磁束(図16(b)中、矢印Femで表す)が発生するようにロータコイル23が巻かれている。
このため、強め界磁タイプにおいては、永久磁石磁束Fpmの向きと界磁磁束Femの向きとが同一の方向となる。これにより、強め界磁タイプにおいては、第2の突極部32における磁気抵抗が低くなるため、図18に示すように第2の突極部32における磁束密度が高く、ステータ10から第2の突極部32に鎖交した磁束が周方向に隣り合う第1の突極部31に導かれ易くなっている。この結果、強め界磁タイプでは、図20に示すようにロータ20のトルクの最大値が大きくなる。
図19は、参考用としてロータコイル23の巻線を開放した場合の磁束密度を示している。図19に示す参考用において、第2の突極部32における磁束密度は、弱め界磁タイプよりも高いが、強め界磁タイプよりも低くなる。したがって、図19に示す参考用では、図20に示すようにロータ20のトルクの最大値も弱め界磁タイプよりも大きいが、強め界磁タイプよりも小さくなる。
図21は、d軸電流が0(id=0)に制御されているときの電機子起磁力とトルクとの関係について、弱め界磁タイプと強め界磁タイプとを比較したグラフである。電機子起磁力は、コイルの巻き数と電機子電流との積により求められる。
図21に示すように、弱め界磁タイプ及び強め界磁タイプは、いずれも電機子起磁力が大きくなるほどトルクが高くなる特性を有する。また、強め界磁タイプは、弱め界磁タイプに比べて、電機子起磁力ごとのトルクが高く、かつトルクの上昇率が大きい。
図22は、最大トルク制御(MTPA:Maximum Torque Per Ampere)のもとでのロータ20の回転速度とトルクとの関係について、弱め界磁タイプと強め界磁タイプとを比較したグラフである。最大トルク制御とは、リラクタンストルクを有効利用して電流に対する発生トルクが最大となるように電流ベクトルを制御するものである。
図22に示すように、弱め界磁タイプは、所定の回転速度(図22に示す例では1000[r/min]程度)までは回転速度が高くなるにしたがいトルクが低下する。また、所定の回転速度以降は、自己励磁によって得られるエネルギが限界を迎えるため、回転速度が高くなってもそれ以上、トルクが低下しなくなる。
これに対して、強め界磁タイプは、所定の回転速度(図22に示す例では2000[r/min]程度)までは回転速度が高くなるにしたがいトルクが上昇する。また、所定の回転速度以降は、自己励磁によって得られるエネルギが限界を迎えるため、回転速度が高くなってもそれ以上、トルクが上昇しなくなる。
図23は、最大トルク制御のもとでのロータ20の回転速度と線間電圧との関係について、弱め界磁タイプと強め界磁タイプとを比較したグラフである。
図23に示すように、弱め界磁タイプ及び強め界磁タイプは、いずれも回転速度が高くなるほどトルクが高くなる特性を有する。また、強め界磁タイプは、弱め界磁タイプに比べて、回転速度ごとのトルクが高く、かつトルクの上昇率が大きい。
図24は、弱め界磁タイプ及び強め界磁タイプのそれぞれについて、d軸及びq軸を基準とするベクトル図により示したものである。図24(a)、図24(b)及び図24(c)の各図において、一点鎖線で示す各ベクトルは、ロータコイル23の巻線を開放することにより界磁磁束ベクトルψe−coilを0とした場合のものである。
図24(a)に示すように、弱め界磁タイプでは、可変界磁極として機能する第2の突極部32における永久磁石磁束ベクトルψmに対して逆方向の界磁磁束ベクトルψe−coilが形成されるため磁気抵抗が高くなる。
このため、弱め界磁タイプでは、図24(a)中、一点鎖線で示す線間電圧ベクトルVsに比べて、図24(a)中、実線で示すように線間電圧ベクトルVsを低下させることができる。
これに対して、強め界磁タイプでは、図24(b)に示すように、可変界磁極として機能する第2の突極部32における永久磁石磁束ベクトルψmに対して同方向の界磁磁束ベクトルψe−coilが形成されるため磁気抵抗が低くなる。
このため、強め界磁タイプでは、図24(b)中、一点鎖線で示す線間電圧ベクトルVsに比べて、図24(b)中、実線で示すように線間電圧ベクトルVsを増加させることができる。
強め界磁タイプにおいて、線間電圧Vsを抑制したい場合には、界磁磁束ベクトルψe−coilが電機子起磁力に対して受動的に変化するため、図24(c)に示すように、電機子電流ベクトルIaのベクトルノルムを図24(c)中、点線で示すように下げることにより強め界磁量を低減させることができる。
なお、d軸インダクタンスLdがq軸インダクタンスLqより大きい(Ld>Lq)関係にある順突極タイプの場合、電機子電圧のq軸成分vqが電機子電圧のd軸成分vdよりも大きくなり、q軸を長軸の半径とするdq軸電圧楕円となる。このため、順突極タイプの場合は、電機子電流ベクトルのベクトルノルムを下げて駆動する必要がある。
以上に説明した内容から、弱め界磁タイプと強め界磁タイプとを比較すると、強め界磁タイプを採用して電機子電流ベクトルのベクトルノルムにより線間電圧の動作点を調整するほうが、トルクの向上を図ることができ、また電機子銅損の低減によって効率を向上させることができる。
したがって、本実施例の回転電機1においては、図16(b)に示すように強め界磁タイプとなるようロータコイル23の巻かれる方向を設定するのが好ましい。
以上のように、本実施例の回転電機1は、第1のロータ20A及び第2のロータ20Bの第1の突極部31に永久磁石30が設けられているので、リラクタンストルクに加えて永久磁石30によるマグネットトルクも得ることができる。このため、本実施例の回転電機1は、ロータ20の回転速度が低い領域においても高いトルクを出力することができる。
本実施例の回転電機1は、第1のロータ20A及び第2のロータ20Bにおいて永久磁石30が設けられていない第2の突極部32に巻かれたロータコイル23に発生した誘導電流を整流回路24のダイオードD1,D2により整流するので、ロータコイル23によって第2の突極部32が自己励磁されることから、第2の突極部32を可変界磁極として機能させることができる。
また、第2の突極部32を可変界磁極として機能させることができるので、電機子電流を調整して電機子起磁力を調整することによって空間高調波の量を変化させれば、回転電機1の出力範囲を変化させることができる。例えば、ロータ20の回転速度が高い場合には、電機子起磁力を低下させて空間高調波を少なくすれば、回転電機1の出力範囲を拡大することができる。
本実施例の回転電機1は、第1のロータ20A及び第2のロータ20Bのそれぞれにおける突極部を、永久磁石30が設けられた第1の突極部31と永久磁石30が設けられていない第2の突極部32とにより構成したので、ロータコイル23が配置される範囲を第1の突極部31に近接する位置まで拡大できる。このため、ロータコイル23の巻き数を増やすことができ、誘導電流に基づき第2の突極部32に作用する磁束量を増加させることができる。
さらに、本実施例の回転電機1は、第1のロータ20A及び第2のロータ20Bにおける全ての突極部に永久磁石を配置していないため、突極部の全てに永久磁石を配置する構成のものと比較して突極比を大きくでき、リラクタンストルクを向上させることができる。また、永久磁石30の量を減らすことができ、製造コストを低減することができる。
本実施例の回転電機1は、第1の突極部31にロータコイル23が巻かれないため、ロータコイル23に誘導電流が流れた際に発生する熱が永久磁石30に伝わり、当該永久磁石30が減磁してしまうことを抑制することができる。
本実施例の回転電機1は、第1のロータ20A及び第2のロータ20Bのそれぞれにおいて第1の突極部31と第2の突極部32とが周方向に交互に配置されているので、第1の突極部31と第1の突極部31との間に第2の突極部32が配置されることとなる。これにより、周方向に並ぶ永久磁石30同士の磁気的な干渉を低減することができる。
本実施例の回転電機1は、ロータ20が第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとによりステータ10を挟み込む構成のダブルロータであるため、トルク発生面を増やすことができ、トルク密度を高めることができる。これにより、本実施例の回転電機1は、モータ出力を向上させることができる。
本実施例の回転電機1において、第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとは互いの第1の突極部31と第2の突極部32とが軸方向に対向するように配置されている。これにより、第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとが電気角で180°ずれた状態で回転するため、第1のロータ20Aの回転により生ずる空間高調波に基づき発生する第1のロータ20Aのトルク脈動と、第2のロータ20Bの回転により生ずる空間高調波に基づき発生する第2のロータ20Bのトルク脈動とが互いに打ち消し合うように作用する。この結果、第1のロータ20Aのトルクと第2のロータ20Bのトルクとを総合した総合トルクのトルク脈動を抑えることができる。
本実施例の回転電機1においては、誘導コイル23aと界磁コイル23bとをそれぞれ別のコイルで構成したので、ロータコイル23における誘導電流の誘導作用と界磁電流の界磁作用とを2つのコイルに分離することができる。これにより、2つの磁気的な誘導作用と界磁作用とが磁気的に干渉することによって誘導作用及び界磁作用の効率が低下することを抑制することができる。
本実施例の回転電機1は、ステータコア12が非磁性体の保持部材13に保持される構成のため、各ステータコア12同士を磁気的に分離することができる。このため、1つのステータコア12に生じた空間高調波が他のステータコア12に漏れないため、ロータ20の回転時に生ずる空間高調波を誘導コイル23aに鎖交させやすくすることができる。この結果、より効率的に空間高調波を利用することができる。
なお、本実施例においては、誘導コイル23aと界磁コイル23bとをそれぞれ別のコイルで構成したが、これに限らず、誘導コイル23aと界磁コイル23bとを1つのコイルで構成してもよい。この場合、誘導コイルと界磁コイルを兼用する1つのコイルと整流用の1つのダイオードとで閉回路を構成する。
また、本実施例においては、第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとの配置として第2の配置を採用しているが、第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとの配置として第1の配置を採用してもよい。
また、本実施例においては、第1のロータ20Aと第2のロータ20Bとをいずれも永久磁石30が設けられた第1の突極部31とロータコイル23が巻かれた第2の突極部32とを周方向に交互に配置した構成としたが、これに限らず、図25及び図26に示すような構成としてもよい。
具体的には、図25及び図26に示すように、第1のロータ20Aの突極部の全てを永久磁石30が設けられた第1の突極部31とし、第2のロータ20Bの突極部の全てをロータコイル23が巻かれた第2の突極部32としてもよい。
図25及び図26に示す変形例においては、周方向に隣り合う第2の突極部32同士でロータコイル23が巻かれる方向を逆向きとし、周方向に隣り合う第1の突極部31同士で永久磁石30の磁化方向を逆向きとする。
図25及び図26に示す変形例では、ロータコイル23が巻かれた第2のロータ20B側のトルクが、ロータコイル23が巻かれていない第1のロータ20A側に比べて大きくなる。このため、例えば回転速度に応じて二つのロータで負荷が異なる場合などに適用できる。
回転電機1は、車載用の他、例えば風力発電用の発電機や工作機械用の電動機としても用いることができる。
また、本実施例では、回転電機1をラジアルギャップ型の回転電機に適用したが、アキシャルギャップ型の回転電機に適用してもよい。また、本実施例では、回転電機1を三相モータで構成したが、四相モータ、五相モータ又は二相モータにより構成してもよい。
また、本実施例のステータ10は、電機子コイルがステータコアに対して集中巻きによりトロイダル巻きされたステータよって構成してもよい。この場合、ステータ10及びロータ20においては、ステータ10と軸方向に対面する一対のトルク発生面に加えて、ステータ10と径方向外方で対面するトルク発生面を備えた構成とすることができる。これにより、トルク発生面を3面とすることができ、トルクをさらに向上させることができる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 回転電機
10 ステータ
11 電機子コイル
12 ステータコア
13 保持部材
20 ロータ
20A 第1のロータ
20B 第2のロータ
21 ロータコア
22 突極部
23 ロータコイル
23a 誘導コイル
23b 界磁コイル
24 整流回路
30 永久磁石
31 第1の突極部
32 第2の突極部
D1,D2 ダイオード(整流素子)

Claims (7)

  1. 通電により電機子磁束を発生させる電機子コイルを有するステータと、前記ステータに対して相対回転可能なロータと、を備えた回転電機であって、
    前記ロータは、
    周方向に所定の間隔で突極部が複数形成されたロータコアと、
    前記ステータ側で発生した高調波磁束が鎖交することにより誘導電流を発生させるロータコイルと、
    前記ロータコイルに流れる誘導電流を整流する整流素子と、を有し、
    前記突極部は、
    永久磁石が設けられた第1の突極部と、
    前記ロータコイルが巻かれた第2の突極部と、を有することを特徴とする回転電機。
  2. 前記第1の突極部と前記第2の突極部とが周方向に交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記ロータは、
    前記ロータの回転軸の軸方向において前記ステータに対面する第1のロータと、
    前記軸方向において前記第1のロータと反対側で前記ステータに対面する第2のロータと、を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記第1のロータと前記第2のロータとは、互いの前記第1の突極部と前記第2の突極部とが前記軸方向に対向するように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の回転電機。
  5. 前記ロータコイルは、
    前記高調波磁束が鎖交することにより誘導電流を発生する誘導コイルと、
    前記誘導電流が前記整流素子によって整流されて供給されることにより前記突極部を界磁する界磁コイルと、を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 前記ステータは、前記電機子コイルが巻かれたステータコアを複数有し、
    前記複数のステータコアは、磁気的に分離されて保持されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転電機。
  7. 前記第2の突極部に鎖交する前記永久磁石の磁束を強める方向に界磁するよう前記ロータコイルが前記第2の突極部に巻かれていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の回転電機。

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