JP2020043654A - モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ステータにおいて互いに異なる磁束を発生させるコイル同士で互いの磁束が干渉した場合であっても、干渉した磁束をヨーク部から第1のロータ側又は第2のロータ側に逃がすことができるので、一方の磁束が他方の磁束によって弱められることを防止できるモータを提供すること。【解決手段】通電される電機子コイル12と励磁コイル13とを有するステータ10と、ステータ10に対して相対回転可能なアウタロータ20と、ステータ10に対してアウタロータ20と異なる方向から対面するよう配置され、ステータ10に対して相対回転可能なインナロータ30とを備え、ステータ10は、アウタロータ20側に突出した複数の第1のステータティース15Aと、複数の第1のステータティース15Aが周方向に並んで配置された環状のヨーク部14とを有し、電機子コイル12がヨーク部14に巻かれ、励磁コイル13が第1のステータティース15Aに巻かれている。【選択図】図2

Description

本発明は、モータに関する。
特許文献1には、多相の内側電機子巻線を含む内側固定子と内側固定子に対向して設けられた内側回転子とを有する永久磁石式駆動部と、多相の外側電機子巻線および界磁巻線を含む外側固定子と外側固定子に対向して設けられ複数の突極を含む外側回転子とを有し、永久磁石式駆動部よりも径方向の外側に設けられた電磁石式駆動部と、を備えたハイブリッド界磁式ダブルギャップ同期機が開示されている。
このハイブリッド界磁式ダブルギャップ同期機において、内側固定子と内側回転子との間には内側ギャップが形成されており、外側固定子と外側回転子との間には外側ギャップが形成されている。
内側ギャップでは、永久磁石による主磁束と内側電機子巻線に供給される電機子電流との間に永久磁石式同期機としてのトルクが発生する。外側ギャップでは、界磁巻線に界磁電流が供給され、18極の起磁力が作られると、これが外側回転子の15極の突極によって変調され、12極の回転磁束が作られる。この回転磁束と外側電機子巻線に供給されている電機子電流との間に電磁石式同期機としてのトルクが発生する。
特開2017−135863号公報
しかしながら、特許文献1に記載のハイブリッド界磁式ダブルギャップ同期機は、外側固定子において1つのティースに外側電機子巻線と界磁巻線とを配置した構成である。このため、外側電機子巻線の磁化方向が界磁巻線の磁化方向に対して反対となる電気角の区間においては、外側電機子巻線の磁束と界磁巻線から発生する直流磁束とがティースにおいて干渉してしまう。これにより、外側電機子巻線の磁束の一部が界磁巻線の直流磁束によって打ち消されてしまう。
この結果、特許文献1に記載のハイブリッド界磁式ダブルギャップ同期機にあっては、外側電機子巻線の磁束が界磁巻線の直流磁束によって弱められてしまう。このように、特許文献1に記載のハイブリッド界磁式ダブルギャップ同期機では、外側固定子において互いに異なる磁束を発生させる巻線同士で互いの磁束が対向するように干渉してしまい、一方の磁束が他方の磁束によって弱められてしまうという課題がある。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、ステータにおいて互いに異なる磁束を発生させるコイル同士で互いの磁束が干渉した場合であっても、干渉した磁束をヨーク部から第1のロータ側又は第2のロータ側に逃がすことができるので、一方の磁束が他方の磁束によって弱められることを防止することができるモータを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、通電される第1のコイルと第2のコイルとを有するステータと、前記ステータに対して相対回転可能な第1のロータと、前記ステータに対して前記第1のロータと異なる方向から対面するよう配置され、前記ステータに対して相対回転可能な第2のロータと、を備え、前記ステータは、前記第1のロータ側に突出した複数のステータティースと、前記複数のステータティースが周方向に並んで配置された環状のヨーク部と、を有し、前記第1のコイルは、前記ヨーク部に巻かれており、前記第2のコイルが前記ステータティースに巻かれている構成を有する。
本発明によれば、ステータにおいて互いに異なる磁束を発生させるコイル同士で互いの磁束が干渉した場合であっても、干渉した磁束をヨーク部から第1のロータ側又は第2のロータ側に逃がすことができるので、一方の磁束が他方の磁束によって弱められることを防止することができるモータを提供することができる。
図1は、本発明の一実施例に係るモータを回転軸に直交する平面で切断した断面図である。 図2は、本発明の一実施例に係るモータの一部を拡大した断面図である。 図3は、本発明の一実施例に係るモータにおける第二次空間高調波の分布を示す図である。 図4は、本発明の一実施例に係るモータのロータ巻線回路の結線図である。 図5は、本発明の一実施例に係るモータのステータ巻線回路の結線図である。 図6は、本発明の一実施例に係るモータの車両への搭載例を示す図である。 図7は、本発明の一実施例の変形例に係るモータの一部を拡大した断面図である。
本発明の一実施の形態に係るモータは、通電される第1のコイルと第2のコイルとを有するステータと、ステータに対して相対回転可能な第1のロータと、ステータに対して第1のロータと異なる方向から対面するよう配置され、ステータに対して相対回転可能な第2のロータと、を備え、ステータは、第1のロータ側に突出した複数のステータティースと、複数のステータティースが周方向に並んで配置された環状のヨーク部と、を有し、第1のコイルは、ヨーク部に巻かれており、第2のコイルがステータティースに巻かれていることを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係るモータは、ステータにおいて互いに異なる磁束を発生させるコイル同士で互いの磁束が干渉した場合であっても、干渉した磁束をヨーク部から第1のロータ側又は第2のロータ側に逃がすことができるので、一方の磁束が他方の磁束によって弱められることを防止することができる。
以下、本発明の一実施例に係るモータについて説明する。
図1に示すように、モータ1は、ステータ10と、ステータ10に対して相対回転可能なアウタロータ20と、ステータ10を挟んでアウタロータ20と反対側に配置され、ステータ10に対して相対回転可能なインナロータ30と、を備えている。アウタロータ20は第1のロータを構成し、インナロータ30は第2のロータを構成する。
以下においては、インナロータ30の回転軸30A(図6参照)が延伸する方向を軸方向という。径方向とは、インナロータ30の回転軸30Aが延伸する方向と直交する方向を示す。径方向の内方側とは、径方向においてインナロータ30の回転軸30Aに近い側を示す。径方向の外方側とは、径方向においてインナロータ30の回転軸30Aから遠い側を示す。周方向とは、インナロータ30の回転軸30Aを中心とする円周方向を示す。なお、径方向は、回転軸30Aを中心として放射方向に示される。
(ステータ)
ステータ10は、図示しないモータケースに固定されている。ステータ10は、複数の電磁鋼板を軸方向に積層させたものからなる環状のステータコア11と、通電により磁束を発生させるW相、V相、U相の三相の電機子コイル12と、励磁コイル13と、を含んで構成されている。ステータ10は、電機子コイル12に三相交流が供給されることで、周方向に回転する回転磁界を発生させる。電機子コイル12は第1のコイルを構成し、励磁コイル13は第2のコイルを構成する。
ステータコア11は、環状のヨーク部14と、ヨーク部14から径方向の外方側、すなわちアウタロータ20側に向けて突出した複数の第1のステータティース15Aと、ヨーク部14から径方向の内方側、すなわちインナロータ30側に向けて突出した複数の第2のステータティース15Bと、を有している。第1のステータティース15Aは、ステータティースを構成する。ここで、第1のステータティース15Aと第2のステータティース15Bとは、径方向で重なる位置に配置されている。
複数の第1のステータティース15Aは、ヨーク部14の外周面において、周方向に沿って所定の間隔を空けて並ぶように配置されている。周方向に隣り合う第1のステータティース15Aの間には、溝状の空間である第1のスロット16Aが形成されている。
複数の第2のステータティース15Bは、ヨーク部14の内周面において、周方向に沿って所定の間隔を空けて並ぶように配置されている。周方向に隣り合う第2のステータティース15Bの間には、溝状の空間である第2のスロット16Bが形成されている。
第1のスロット16A及び第2のスロット16Bには、電機子コイル12が配置される。第1のスロット16Aには、電機子コイル12に加えて励磁コイル13が配置される。
W相、V相、U相の電機子コイル12は、それぞれ集中巻によりステータ10のヨーク部14にトロイダル巻されている。トロイダル巻とは、ヨーク部14の環の内側と外側を交互に通って巻方向が径方向となるよう、ヨーク部14に巻線を周回させて巻回す方法である。本実施例のトロイダル巻では、電機子コイル12の磁化方向が周方向となる。
励磁コイル13は、各第1のステータティース15Aに巻かれている。具体的には、励磁コイル13は、周方向に隣り合う励磁コイル13同士で巻方向が互いに逆向きとなるよう各第1のステータティース15Aに巻かれている(図2参照)。励磁コイル13は、第1のスロット16Aにおいて電機子コイル12よりも径方向の外方側に配置されている。
図2に示すように、電機子コイル12は、W相、V相、U相ごとにそれぞれ一対の電機子巻線12A,12Bからなる。例えば、W相の電機子コイル12は、W+相の電機子巻線12AとW−相の電機子巻線12Bとからなる。各相の電機子コイル12を構成する電機子巻線12Aと電機子巻線12Bとは、第1のステータティース15Aを挟んで周方向に隣り合うように配置されている。本実施例における一対の電機子巻線12A,12Bは、一対の巻線を構成する。
一対の電機子巻線12A,12Bは、巻方向が互いに逆向きとなるよう周方向に隣り合う第1のステータティース15A間においてヨーク部14に巻かれている。また、一対の電機子巻線12A,12Bは、図2に示す向きに電流が流れた場合に、互いの磁化方向が対向するように、すなわち電機子巻線12Aの磁化方向と電機子巻線12Bの磁化方向とがともに第1のステータティース15Aに向かうように巻方向が設定されている。
これにより、電機子巻線12Aから発生する電機子磁束と電機子巻線12Bから発生する電機子磁束とが互いに反発し、第1のステータティース15A及び第2のステータティース15Bを介してアウタロータ20及びインナロータ30に流れる。
一対の電機子巻線12A,12Bは、周方向に隣り合う該一対の電機子巻線12A,12Bごとに互いに異なる相の電流が通電されるように配線されている。また、電機子巻線12A及び電機子巻線12Bのそれぞれは、周方向に隣り合う電機子巻線同士で巻方向が互いに逆向きである。例えば、W+相の電機子巻線12AとU−相の電機子巻線12Bとは、互いに巻方向が逆向きである。
電機子コイル12に三相交流が供給されている場合、1相の電機子コイル12に流れる電流が最大となるとき、他の2相の電機子コイル12に流れる電流は当該1相と逆方向となり、かつ電流値の絶対値が当該1相に流れる電流の電流値の半分となる。
本実施例においては、上述したように電機子巻線12A及び電機子巻線12Bのそれぞれが、周方向に隣り合う電機子巻線同士で巻方向が互いに逆向きである。このため、例えばW相の電機子コイル12に流れる電流が最大となるとき、V相、U相のそれぞれの電機子コイル12に流れる電流はW相と逆方向で、かつ電流値の絶対値がW相に流れる電流の電流値の半分となる。
したがって、本実施例のモータ1においては、W相の電機子コイル12に流れる電流が最大となるとき、W+相の電機子巻線12Aとこれに隣接するU−相の電機子巻線12Bとで磁化方向を一致させることができる。また、本実施例のモータ1は、W−相の電機子巻線12Bとこれに隣接するV+相の電機子巻線12Aとにおいても磁化方向を一致させることができる。
W相の電機子コイル12に流れる電流が最大となるときの例について説明したが、V相、U相のそれぞれの電機子コイル12に流れる電流が最大となるときも同様に、第1のスロット16A及び第2のスロット16Bにおいて周方向に隣接する電機子巻線同士で磁化方向を一致させることができる。
これにより、本実施例のモータ1は、各相の電機子コイル12に流れる電流が最大となるときに、ステータ10からアウタロータ20及びインナロータ30に鎖交させる電機子磁束の磁束量を大幅に増やすことができる。
ステータ10は、アウタロータ20又はインナロータ30が回転している状態で電機子コイル12に三相交流を供給した場合、ステータ10には、電機子コイル12から発生する電機子磁束がアウタロータ20又はインナロータ30の回転による磁気的な歪みに起因して、インナロータ30の回転と同期して回転する回転磁界の他に、インナロータ30の回転と非同期の高調波回転磁界が発生する。この高調波回転磁界には、静止座標系における第2次空間高調波(同期回転座標系における第3次時間高調波)が含まれる。したがって、ステータ10で発生する磁束は、電機子コイル12から発生する電機子磁束に高調波成分が重畳したものとなる。
(アウタロータ)
図1及び図2に示すように、アウタロータ20は、環状のアウタロータコア21と、環状のアウタロータコア21から径方向の内側に向かって突出した複数のアウタロータティース22とを備えている。アウタロータ20は、複数の電磁鋼板を軸方向に積層させたものからなる。アウタロータ20は、径方向の一方向、すなわち径方向の外方側から内方側に向かう方向からステータ10に対して対面するよう配置されている。周方向に隣り合うアウタロータティース22の間には、溝状の空間であるスロット23が形成されている。
アウタロータ20は、アウタロータティース22の数がステータ10の極対数Ps(本実施例では、6極対)と励磁コイル13の極対数(本実施例では、9極対)との和(本実施例では、15)と同数となるよう、アウタロータティース22が周方向に所定の間隔で複数形成されている。上述のように、アウタロータティース22の数を設定した理由は次の通りである。
本実施例のモータ1においては、電機子コイル12の磁束(以下、「電機子磁束」という)を励磁コイル13の磁束(以下、「励磁磁束」という)によって磁束変調することにより、電機子磁束と励磁磁束とが合成された磁束の成分に、ステータ10の極対数Ps(本実施例では、6極対)と励磁コイル13の極対数(本実施例では、9極対)との和で示される極数の成分(本実施例では、15)が現れる。
このため、本実施例のモータ1においては、ステータ10の極対数「6」と励磁コイル13の極対数「9」との和である「15」極の成分と同期するように、アウタロータティース22の数を「15」に設定している。アウタロータティース22の数は、ステータ10の極対数及び励磁コイル13の極対数に応じて決まるもので、本実施例の「15」に限定されるものではない。
これにより、本実施例のモータ1においては、上述した磁束変調原理によってステータ10の回転磁界と非同期でアウタロータ20を回転させることができる。これに対して、インナロータ30は、後述するようにステータ10の回転磁界と同期して回転する。したがって、本実施例のモータ1においては、インナロータ30の回転と非同期でアウタロータ20を回転させることができる。
(インナロータ)
図1及び図2に示すように、インナロータ30は、環状のインナロータコア31と、環状のインナロータコア31から径方向の外側、すなわちステータ10側に向かって突出した複数のインナロータティース32とを備えている。インナロータ30は、複数の電磁鋼板を軸方向に積層させたものからなり、回転軸30Aに対して一体回転可能に固定されている。インナロータ30は、アウタロータ20と異なる方向である径方向の他方向、すなわち径方向の内方側から外方側に向かう方向からステータ10に対して対面するよう配置されている。周方向に隣り合うインナロータティース32の間には、溝状の空間であるスロット33が形成されている。本実施例のインナロータティース32は、ロータティースを構成する。
各インナロータティース32には、それぞれ誘導コイル34と界磁コイル35とが巻かれている。誘導コイル34は、スロット33において界磁コイル35よりも径方向の外側、すなわちステータ10側に配置されている。
誘導コイル34は、ステータ10側で発生した磁束に重畳された高調波成分に基づいて誘導電流を発生するようになっている。具体的には、三相交流が電機子コイル12に供給されてステータ10に回転磁界が発生すると、ステータ10側で発生した高調波成分の磁束が誘導コイル34に鎖交する。これにより、誘導コイル34は、誘導電流を誘起させる。
図3は、ステータ10側から各インナロータティース32に鎖交する高調波成分の磁束の分布を示したものである。図3に示すように、ステータ10側で発生した高調波成分の磁束は、各インナロータティース32の径方向の外側に鎖交する。このため、本実施例では、上述したように誘導コイル34を界磁コイル35よりも径方向の外側に配置することによって、ステータ10側で発生した高調波成分の磁束を効率的に誘導コイル34に鎖交させることができる。
ここで、ステータ10は、上述の通り、電機子コイル12が集中巻されており、さらに電機子コイル12を構成する電機子巻線12A及び電機子巻線12Bのそれぞれが、周方向に隣り合う電機子巻線同士で巻方向が互いに逆向きとなるようにトロイダル巻されているため、第1のステータティース15A及び第2のステータティース15Bから発生する電機子磁束の磁束量が大きい。このため、アウタロータ20又はインナロータ30の回転により磁気的に歪む電機子磁束の磁束量が大きいことから、空間高調波が発生しやすく、誘導コイル34に鎖交する高調波成分の磁束量を増やすことができる。
図1及び図2に示すように、界磁コイル35は、誘導コイル34よりも径方向の内側、すなわちインナロータコア31側に配置されている。界磁コイル35は、誘導コイル34で発生した誘導電流が後述するダイオード41によって整流されて供給されることにより磁界を発生させるようになっている。
これにより、インナロータティース32が電磁石として機能し、第2のステータティース15Bとインナロータティース32とが対向する面がトルク発生面として機能する。
(ロータ巻線回路)
モータ1は、誘導コイル34によって誘起された交流の誘導電流を直流に整流して界磁コイル35に供給するロータ巻線回路40(図4参照)を備えている。
図4に示すように、ロータ巻線回路40は、2つのダイオード41を整流素子として備え、これらダイオード41と2つの誘導コイル34及び2つの界磁コイル35とを結線した回路として構成されている。本実施例のモータ1は、ロータ巻線回路40を6つ備えている。
ダイオード41は、例えば図示しないダイオードケースに収納された状態でインナロータ30に設けられている。ダイオード41は、インナロータ30の内部に実装するようにしてもよい。
ロータ巻線回路40において、誘導コイル34で発生した交流の誘導電流は、ダイオード41により整流され、整流後の直流電流は、直列接続されている界磁コイル35に界磁電流として供給される。界磁コイル35は、直流電流が供給されることにより誘導磁束を発生させる。
本実施例では、ロータ巻線回路40として、誘導コイル34とダイオード41と界磁コイル35とを結線した構成を用いたが、これに限らず、例えば誘導コイル34とダイオード41とを結線した構成としてもよい。
(ステータ巻線回路)
モータ1は、電源80から三相交流が供給されるように当該電源80に接続されるステータ巻線回路50を備えている。
電源80は、例えば車両に搭載されており、三相交流を出力可能なインバータ81と、インバータ81に接続されたバッテリ82とを含んで構成されている。インバータ81には、W相、V相、U相の電機子コイル12が接続されるようになっている。インバータ81は、バッテリ82から入力された直流を交流に変換して三相交流としてW相、V相、U相の電機子コイル12に供給するものである。インバータ81は、コントローラ100に接続されており、当該コントローラ100によって電源周波数が制御されるようになっている。
ステータ巻線回路50は、インバータ81に接続するW相、V相、U相の電機子コイル12のY結線における中性点位置にダイオードブリッジ60を接続し、当該ダイオードブリッジ60に励磁コイル13を直列接続する回路構成となっている。
ステータ巻線回路50においては、W相、V相、U相の各相ごとに複数の電機子コイル12がそれぞれ直列接続されている。また、ステータ巻線回路50においては、複数の励磁コイル13が直列接続されている。
ダイオードブリッジ60は、インバータ81の各相に対応するように、同一の整流方向となるように2つ一組の整流用のダイオード61u、62uと、ダイオード61v、62vと、ダイオード61w、62wとがそれぞれ直列接続されて両端側を並列接続される回路構成に構築されている。
ダイオードブリッジ60は、ダイオード61u、62uと、ダイオード61v、62vと、ダイオード61w、62wとのそれぞれの各組の中間部に、各相の電機子コイル12のインバータ81とは反対側の端部がそれぞれ接続されている。
ダイオード61u、62uと、ダイオード61v、62vと、ダイオード61w、62wとは、直列接続されている複数の励磁コイル13に並列接続されている。
ステータ巻線回路50において、インバータ81を介して交流電力が各相の電機子コイル12に供給されることにより各相の電機子コイル12が交流励磁される。ステータ巻線回路50において、各相の電機子コイル12を経由した交流電力がダイオードブリッジ60によって整流されて直流電力として励磁コイル13に供給されることにより励磁コイル13が直流励磁される。
励磁コイル13は、全直列接続されているので、界磁巻線インダクタンスを大きくして界磁電流リプルを低減することができ、安定した直流界磁とすることができる。
このように、本実施例のモータ1は、上述のように構成されたステータ巻線回路50を備えることにより、直流のバッテリ82からインバータ81を介して電機子コイル12に交流電力を供給でき、さらにその交流電力を、ダイオードブリッジ60を介して直流電力として励磁コイル13に供給することができる。
このため、本実施例のモータ1は、複雑なチョッパ回路やチョッパ制御等が必要なDC/DCコンバータ等を不要にすることができる。
(車両への搭載例)
次に、図6を参照して、上述のように構成されたモータ1の車両500への搭載例について説明する。車両500は、エンジン200を発電機の動力源として用い、車両の駆動力源としてモータを用いる、レンジエクステンダー式の電動車両である。
図6に示すように、本実施例のモータ1は、車両500において、インナロータ30の回転軸30Aがエンジン200に接続され、アウタロータ20の回転軸20Aがトランスミッション300に接続されている。
車両500において、磁束変調原理によりアウタロータ20を例えば1000[r/min]で駆動させているとき、アウタロータ20の電気的駆動周波数は「1000×15/60=250[Hz]」となる。
したがって、ステータ10の回転磁界を250[Hz]で励磁すると、インナロータ30はステータ10の回転磁界と同期して回転するため、「(250/6)×60=2500[r/min]」でインナロータ30を回転させることができる。
これにより、車両500においては、アウタロータ20からトランスミッション300に入力される回転を走行に適した回転速度としつつ、エンジン200を高回転領域で駆動させることができる。
このため、モータ1を搭載した車両500では、最適燃費となるような運転効率のよい動作点でエンジン200を駆動させて発電を行い、その発電電力をインバータ81を介してバッテリ82に充電することができる。一方で、バッテリ82からインバータ81を介して供給される三相交流によってアウタロータ20をインナロータ30よりも低い回転速度で回転させて、トランスミッション300を介して車両500を走行させることができる。このように、モータ1を搭載した車両500では、モータ1において、インナロータ30を回生駆動させつつ、アウタロータ20を力行駆動させることができる。
(発明の作用効果)
以上のように、本実施例のモータ1によれば、電機子コイル12がステータ10のヨーク部14に巻かれ、かつ励磁コイル13が第1のステータティース15Aに巻かれているので、電機子コイル12から発生する電機子磁束と励磁コイル13から発生する励磁磁束とが第1のステータティース15Aやヨーク部14において干渉しても、これら磁束をアウタロータ20及びインナロータ30のいずれかに流すことができる。加えて、第1のステータティース15Aと第2のステータティース15Bとが径方向で重なるようにヨーク部14に配置されることにより、より一層干渉した磁束をアウタロータ20及びインナロータ30のいずれかに流すことができる。このため、本実施例のモータ1は、電機子コイル12から発生する電機子磁束が励磁コイル13から発生する励磁磁束によって打ち消されて弱められてしまうことを防止することができる。
また、本実施例のモータ1によれば、電機子コイル12を構成する一対の電機子巻線12A,12Bが互いの磁化方向が反対方向となるように、例えば図2に示す向きに電流が流れた場合に互いの磁化方向が対向するように、電機子巻線12A,12Bの巻方向が設定されている。このため、本実施例のモータ1によれば、電機子巻線12Aから発生する電機子磁束と電機子巻線12Bから発生する電機子磁束とが互いに反発し、第1のステータティース15A及び第2のステータティース15Bを介してアウタロータ20及びインナロータ30に流すことができる。この結果、電機子磁束をアウタロータ20及びインナロータ30にバランスよく鎖交させることができる。
また、本実施例のモータ1によれば、インナロータ30が誘導コイル34及び界磁コイル35を有し、誘導コイル34に整流素子としてダイオード41を介して界磁コイル35が接続されている。これにより、本実施例のモータ1は、ステータ10で不可避に発生する第2次空間高調波を利用してインナロータ30を自励することができ、モータ出力を向上させることができる。
また、本実施例のモータ1によれば、高価な磁石を使用しないため、低コスト化を図ることができ、モータ1の重量も低減させることができる。
また、本実施例のモータ1によれば、電機子コイル12を集中巻によりステータ10のヨーク部14にトロイダル巻したので、電機子巻線の周長を短くでき、組立性を向上させることができ、ステータ10の機械的強度を向上させることができる。
なお、本実施例においては、上述した構成のステータ10をラジアルギャップモータとしてのモータ1に適用したが、上述した構成のステータ10は後述するようにアキシャルギャップモータのステータとしても用いることができる。
また、本実施例においては、インナロータ30として自己励磁可能な巻線界磁形のロータを用いたが、これに限らず、インナロータ30として、磁石式同期モータに用いられるような永久磁石を有するロータを用いてもよい。
(変形例)
本実施例に係るモータ1として、ステータ10のヨーク部14に電機子コイル12が巻かれ、第1のステータティース15Aに励磁コイル13が巻かれた構成について説明したが、これに限らず、図7に示す構成のモータ101としてもよい。この場合、電機子コイル12の巻数を励磁コイル13の巻数よりも大きくすることが好ましい。
図7に示すように、変形例に係るモータ101においては、ステータ10のヨーク部14に励磁コイル13がトロイダル巻で巻かれ、かつ第1のステータティース15Aに電機子コイル12が巻かれている。
変形例に係るモータ101においては、アウタロータ20及びインナロータ30のいずれもロータコアとロータティースとからなる。
変形例に係るモータ101において、励磁コイル13は、周方向に隣り合う励磁コイル同士で巻方向が逆向きで、かつ磁化方向が第1のステータティース15A及び第2のステータティース15Bに向かうよう巻方向が設定されている。これにより、周方向に隣り合う一対の励磁コイル13に挟まれた第1のステータティース15A及び第2のステータティース15Bに、当該一対の励磁コイル13からそれぞれの励磁磁束を対向するように向かわせることができる。この結果、当該一対の励磁コイル13の励磁磁束を、当該一対の励磁コイル13に挟まれた第1のステータティース15Aに巻かれた電機子コイル12の電機子磁束と合成されてアウタロータ20及びインナロータ30のいずれかに流すことができる。したがって、変形例に係るモータ101は、電機子コイル12から発生する電機子磁束が励磁コイル13から発生する励磁磁束によって打ち消されて弱められてしまうことを防止することができる。
本実施例及び上述の変形例では、ラジアルギャップモータを例に説明したが、本発明をアキシャルギャップモータに適用してもよい。この場合、アウタロータ20及びインナロータ30は、ステータ10を挟んで軸方向に配置される。具体的には、アウタロータ20は、ステータ10に対して軸方向の一方向から対面するよう配置され、インナロータ30は、ステータ10に対してアウタロータ20と異なる方向である軸方向の他方向から対面するよう配置される。本実施例では、第1のステータティース15Aと第2のステータティース15Bとは、径方向で重なる位置に配置した。しかし、上述したように、アウタロータ20及びインナロータ30がいずれもステータ10を挟んで軸方向に対面するアキシャルギャップロータである場合、第1のステータティース15Aと第2のステータティース15Bとを軸方向で重なる位置に配置することが好ましい。
また、アウタロータ20及びインナロータ30のいずれか一方をラジアルギャップモータとし、他方をアキシャルギャップモータとしてもよい。この場合、アウタロータ20及びインナロータ30のうちラジアルギャップモータとなる側のロータがステータ10の径方向の外方側又は径方向の内方側に配置され、アキシャルギャップモータとなる側のロータがステータ10の軸方向の一端側又は軸方向の他端側に配置される。したがって、アウタロータ20とインナロータ30とは、互いに異なる方向からステータ10に対して対面するよう配置される。
この場合における、アウタロータ20側に突出する第1のステータティース15Aの突出方向及びインナロータ30側に突出する第2のステータティース15Bの突出方向は、それぞれアウタロータ20及びインナロータ30の配置によって変化する。例えば、アウタロータ20がステータ10の軸方向の一端側に配置される場合、第1のステータティース15Aの突出方向は、軸方向の一端側となる。つまり、第1のステータティース15Aと第2のステータティース15Bとは、ヨーク部14において互いに異なる方向に突出している。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更
が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に
含まれることが意図されている。
1、101 モータ
10 ステータ
12 電機子コイル(第1のコイル)
12A,12B 電機子巻線(一対の巻線)
13 励磁コイル(第2のコイル)
14 ヨーク部
15A 第1のステータティース(ステータティース)
15B 第2のステータティース
20 アウタロータ(第1のロータ)
30 インナロータ(第2のロータ)
32 インナロータティース(ロータティース)
34 誘導コイル
35 界磁コイル
40 ロータ巻線回路
41 ダイオード(整流素子)
50 ステータ巻線回路
60 ダイオードブリッジ
100 コントローラ

Claims (5)

  1. 通電される第1のコイルと第2のコイルとを有するステータと、
    前記ステータに対して相対回転可能な第1のロータと、
    前記ステータに対して前記第1のロータと異なる方向から対面するよう配置され、前記ステータに対して相対回転可能な第2のロータと、を備え、
    前記ステータは、
    前記第1のロータ側に突出した複数のステータティースと、
    前記複数のステータティースが周方向に並んで配置された環状のヨーク部と、を有し、
    前記第1のコイルは、前記ヨーク部に巻かれており、
    前記第2のコイルが前記ステータティースに巻かれていることを特徴とするモータ。
  2. 前記第1のコイルは、前記ステータティースを挟んで周方向に隣り合う一対の巻線からなり、
    前記一対の巻線は、巻方向が互いに逆向きとなるよう周方向に隣り合うステータティース間において前記ヨーク部に巻かれていることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 前記第1のコイルには、三相交流が通電され、
    前記一対の巻線は、周方向に隣り合う該一対の巻線ごとに互いに異なる相の電流が通電されるよう配線されており、
    前記巻線は、周方向に隣り合う巻線同士で巻方向が互いに逆向きであることを特徴とする請求項2に記載のモータ。
  4. 前記第2のロータは、前記ステータ側に突出した複数のロータティースを有し、
    前記ロータティースには誘導コイルが巻かれており、
    前記誘導コイルには整流素子が接続されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のモータ。
  5. 交流電流が流れる第1のコイルと直流電流が流れる第2のコイルとを有するステータと、
    前記ステータに対して相対回転可能な第1のロータと、
    前記ステータに対して前記第1のロータと異なる方向から対面するよう配置され、前記ステータに対して相対回転可能な第2のロータと、を備え、
    前記ステータは、
    前記第1のロータ側に突出した複数のステータティースと、
    前記複数のステータティースが周方向に並んで配置された環状のヨーク部と、を有し、
    前記第1のコイルは、前記ステータティースに巻かれており、
    前記第2のコイルが前記ヨーク部に巻かれていることを特徴とするモータ。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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