JP6275176B2 - パーキング解除ユニット - Google Patents

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Description

シフトバイワイヤ式のトランスミッションを備える車両のパーキングロックに対して手動での解除を可能とするパーキング解除ユニットに関する。
車両には、運転者がトランスミッションの切り替えなどの操作を行うためのシフトレバーが備えられている。シフトレバーによる操作は、機械的に切り替わるものから、シフトバイワイヤ式と呼ばれる電気的な制御によって切り替わるものに置き換えられてきている。一方、安全確保のため、シフトバイワイヤ式のトランスミッションには電源欠陥時にトランスミッションの出力軸をロックするパーキングロック機構が備えられている。パーキングロック機構には、パーキングギア、パーキングギアに係合しトランスミッションの出力軸の回転を係止する係止手段、及び、係止手段を付勢してパーキングギアに係合させる付勢手段が用いられる。エンジン停止時は、係止手段は付勢手段によって付勢されパーキングギアに係合しトランスミッションの出力軸が機械的に係止され、トランスミッションはパーキングロックされた状態にある。エンジン起動時は、電気的な制御によって、シフトレバーの操作に応じて係止手段とパーキングギアとの係合が解除することができ、運転操作が可能となる。
電源欠陥によってエンジンの始動ができない車両を運搬するため、トランスミッションがパーキングロックされた状態を解除する必要が生じる場合がある。シフトバイワイヤ式の車両では、シフトレバーが機械的にトランスミッションに接続されていないため、電源欠陥時にパーキングロックを解除する手段が失われる虞がある。このような問題を解消するために、トランスミッションにパーキングロック機構を手動で解除するための解除シャフトが設けられることがある。解除シャフトは、ミッションケースの外面に露出するように設けられ、ミッションケースに回転可能に支持される。解除シャフトを回転することによって、解除シャフトを係止手段がパーキングギアに係合しトランスミッションがパーキングロックされた状態となるロック位置と、係止手段の係合が解除される解除位置とに切り替えることが可能である。解除シャフトは、付勢手段によって、解除位置からロック位置に向けて回転するように付勢されているため、車両を運搬する場合には、解除シャフトを解除位置に切り替えた状態を維持する必要がある。
使用者が手動でパーキングロック状態を解除できるよう、解除シャフトがミッションケースに設けられたパーキング解除機構がある(例えば、特許文献1)。パーキング解除機構は、レバー、螺合孔及び操作部材を備える。レバーは解除シャフトに設けられたアームであって、解除シャフトの軸線と直交する方向に延び、その基端側が解除シャフトの突端に固定されている。螺合孔はミッションケースから外方へ突出した壁に設けられ雌ねじを有する貫通孔である。操作部材は棒状に延びた軸を有し、その軸に螺合孔に螺合可能な雄ねじ部を有する。操作工具の螺進によって、レバーの先端が押圧され、レバーが回転する位置に螺合孔は設けられている。パーキング解除の操作を行うには、操作部材を螺合孔に螺合させ、所定の位置まで操作部材を螺進させる。操作部材が所定の位置まで螺進すると、解除シャフトが所定の解除位置まで回転する。操作部材が螺合孔に螺合しているため、解除シャフトはロック位置に戻らず解除位置に保持され、車両の運搬が可能となる。
米国特許第8770057号明細書
しかしながら、特許文献1のパーキング解除機構は、パーキング解除機構の一部を構成する螺合孔及び螺合孔を設けるための壁をミッションケースに予め備える必要がある。また、螺合孔及び解除シャフトの配置は、車種ごとに異なるトランスミッションの構造、形状、車両での配置等に依存する。そのため、特許文献1のパーキング解除機構に用いられる操作工具は車種ごとに異なる形状に構成され、操作工具を紛失するとパーキング解除ができなくなる虞があった。
本発明は、以上の背景を鑑み、シフトバイワイヤ式の車両においてパーキングロックの解除を手動で行うために用いられるパーキング解除機構であって、パーキング解除機構の一部を予めミッションケースに設けることなく、様々な車種に対応可能な汎用性のあるパーキング解除ユニットを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、パーキングロックを行うロック位置と前記パーキングロックを解除する解除位置との間を回転可能に支持され、ミッションケース(2)の外面に露出するように設けられた解除シャフト(3)を有するトランスミッション(1)に取り付けられるパーキング解除ユニット(101、201、301)であって、前記ミッションケースに固定されるベース(102、202、302)と、前記ベースに直接的又は間接的に支持され、前記解除シャフトに係脱可能に係合する係合部(107、221、307)と、前記ベースに直接的又は間接的に支持され、前記解除シャフトを前記ロック位置と前記解除位置とに回転させるように前記係合部を変位させる操作部(105、223、305)と、前記係合部が前記解除シャフトを前記解除位置に回転させた状態で、前記係合部の位置を保持する保持機構(170、270、370)とを備えるとよい。
この態様によれば、パーキング解除装置の一部を予めミッションケースに設ける必要のない汎用性のあるパーキング解除ユニットを提供することが可能となる。
また、上記の態様において、前記解除シャフト(3)の外端には、外方に向けて突出する係合凸部(4)が設けられており、前記係合部(107、221)は、前記係合凸部を受容する係合凹部(152、222)を有し、当該係合凹部が前記係合凸部を受容して前記解除シャフトを前記解除位置に回転させた保持位置と、当該保持位置から外方に退避し、当該係合凹部が前記係合凸部を受容しない退避位置との間を変位するように構成されているとよい。
この態様によれば、解除シャフトを係合部に係合させることが可能となる。退避位置では、係合部が解除シャフトと係合しないため、係合部の解除シャフトに対する誤動作が抑えられる。パーキング解除ユニットがミッションケースに固定されていても、退避位置にあれば、係合部が解除シャフトと係合しないためシフトレバー操作が妨げられず運転操作が可能である。
また、上記の態様において、前記操作部(105)及び前記係合部(107)の一方が、前記解除シャフト(3)と平行に延びる雄ねじ部(151)を有し、前記操作部及び前記係合部の他方が、前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部(143)を有し、前記操作部が、前記係合部に対する螺進及び螺退によって前記ベース(102)に対して変位しないように前記ベースに回転可能に支持され、前記操作部に対する螺進及び螺退によって前記係合部を前記保持位置と前記退避位置との間でガイドするカム機構(108)を更に備えるように構成されているとよい。
この態様によれば、操作部の螺進及び螺退によって、解除シャフトの位置を解除位置とロック位置とに入れ替えることが可能となる。
また、上記の態様において、前記雄ねじ部(151)及び前記雌ねじ部(143)が前記解除シャフト(3)と同軸に設けられ、前記ベース(102)が、前記解除シャフト、前記係合部(107)及び前記操作部(105)を受容する筒状に形成され、前記カム機構(108)は、前記ベースの内孔壁に両端が固定され、前記ベースの径方向に延びるカムピン(161)と、前記係合部に形成され、前記カムピンと係合するカム溝(160)とを備えるように構成されているとよい。
この態様によれば、解除シャフトの軸線上に係合部及び操作部が設けられるため、解除シャフトの軸線から径外方向へ延びた構造を要しない。カム機構が係合部とベースの内孔に収められ、パーキング解除ユニットがコンパクトに構成される。
また、上記の態様において、前記操作部(223)と前記ベース(202)との間に介装された圧縮コイルばね(204)と、前記ベース及び前記操作部の一方に保持されたガイドピン(205)と、前記ベース及び前記操作部の他方に保持され、前記ガイドピンと嵌合して前記係合部(221)を前記退避位置と前記保持位置との間でガイドするガイド溝(206)とを更に備えるように構成されているとよい。
この態様によれば、操作部の操作によって、係合部を退避位置と保持位置にガイドし、解除シャフトの位置を解除位置とロック位置とに入れ替えることが可能となる。
また、上記の態様において、前記ガイド溝(206)は、解除シャフト(3)を解除位置に回転させた時に、前記操作部(223)が前記圧縮コイルばね(204)の付勢方向に移動する向きに前記ガイドピン(205)と前記ガイド溝(206)との相対変位することを許容する延長部(231)を有し、前記延長部を画定する側壁と前記圧縮コイルばねとによって前記保持機構(270)が構成されるとよい。
この態様によれば、ガイドピンを延長部に係止することで、係合部を保持位置し、解除シャフトをロック位置に保持する保持機構を構成することが可能となる。
また、上記の態様において、前記解除シャフト(3)には、前記ミッションケース(2)の外側で径方向に突出するアーム(8)が固定されており、前記係合部(307)は、前記ベース(302)に回動可能に支持され、前記解除シャフトを前記ロック位置から前記解除位置へ回転させる側から前記アームに当接する当接部(346)を有し、当該当接部の前記アームへの当接によって前記解除シャフトに係合するように構成されているとよい。
この態様によれば、係合部の回転によって、解除シャフトの位置をロック位置と解除位置とに入れ替えることが可能となる。
また、上記の態様において、前記操作部及び前記係合部(307)の一方が、前記解除シャフトと平行に延びる雄ねじ部(340)を有し、前記操作部(305)及び前記係合部の他方が、前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部(333)を有し、前記操作部が、前記係合部に対する螺進及び螺退によって前記ベース(302)に対して変位しないように前記ベースに回転可能に支持され、前記当接部(346)が、前記解除シャフト(3)を前記解除位置に回転させた保持位置と、前記ロック位置から前記解除位置への回転方向と逆方向へ前記アームから離間した退避位置との間を変位するように構成され、前記操作部に対する螺進及び螺退によって前記当接部が前記保持位置と前記退避位置との間で変位するように前記係合部を回転させるカム機構を更に備えるように構成されているとよい。
この態様によれば、操作部の螺進及び螺退によって、解除シャフトの位置を解除位置とロック位置とに入れ替えることが可能となる。
また、上記の態様において、前記ミッションケース(2)には、前記解除シャフト(3)の近傍に締結部(7)が設けられており、前記ベース(102、202、302)が前記締結部に対して着脱可能に締結される被締結部(125、212、324)を有するとよい。
この態様によれば、パーキング解除ユニットをミッションケースに対して取り外すことができ、使用者の意図しない車両の運搬や車両の盗難が防止される。
また、上記の態様において、前記ベース(102、202、302)は、前記ミッションケース(2)に固定された状態で、前記ミッションケースと前記解除シャフト(3)との間の摺接部(6)を被蓋するように構成されているとよい。
この態様によれば、摺接部が被蓋され、摺接部への埃や水気の侵入を防止することが可能となる。
以上の構成によれば、シフトバイワイヤ式の車両においてパーキングロックの解除を行うパーキング解除装置を予めミッションケースに設けることなく、汎用なパーキング解除ユニットして提供することが可能となる。
本発明に係るパーキング解除ユニットが取り付けられるトランスミッションの斜視図 (A)ロック位置及び(B)解除位置にある時の解除シャフトの斜視図 第1実施形態に係るパーキング解除ユニットの斜視図 第1実施形態に係るパーキング解除ユニットの分解斜視図 係合部が(A)退避位置及び(B)保持位置にある時の第1実施形態に係るパーキング解除ユニットの斜視図 第2実施形態に係るパーキング解除ユニットの斜視図 第2実施形態に係るパーキング解除ユニットの分解斜視図 係合部が(A)退避位置及び(B)保持位置にある時の第2実施形態に係るパーキング解除ユニットの斜視図 アームを有する場合の解除シャフトの斜視図 第3実施形態に係るパーキング解除ユニットの斜視図 第3実施形態に係るパーキング解除ユニットの分解斜視図 係合部が(A)退避位置及び(B)保持位置にある時の第3実施形態に係るパーキング解除ユニットの斜視図 係合部が(A)退避位置及び(B)保持位置にある時の第3実施形態に係るパーキング解除ユニット及びアームの係合を示す斜視図
以下、図面を参照して、本発明に係るパーキング解除ユニットの3つの実施形態を説明する。
図1に示されるように、車両に載置されるトランスミッション1には、ミッションケース2の外面に露出するように設けられ、パーキングロックの手動での解除を可能とする解除シャフト3が備えられている。解除シャフト3は、ミッションケース2に設けられたボスである封止凸部5からミッションケース2の外方に軸状に突出している。解除シャフト3はその軸線を中心として回転可能にミッションケース2に支持されている。解除シャフト3の突端には、軸線方向に角柱状に突出した係合凸部4が設けられている。なお、以下の説明では、便宜上、解除シャフト3の突出方向を上と規定する。
図2に示されるように、解除シャフト3の位置は軸線を中心とする回転によってロック位置と解除位置とに切り替わるように構成されている。本実施形態では、解除シャフト3の位置は上方から見て所定角度である解除角度左回りに回転させることによってロック位置から解除位置に切り替わる。解除角度は20度以上であることが多く例えば21度に設定されている。解除シャフト3は、解除位置にある時にロック位置へ戻るように付勢されているため、車両のパーキングロックを解除し、車両を運搬するためには、解除シャフト3を解除位置に保持する機構が必要となる。ミッションケース2の内部には潤滑油で満たされたギアが備えられ、解除シャフト3とミッションケース2との間には潤滑油が外部に漏れないようにシールする摺接部6が設けられている。ミッションケース2の解除シャフト3の近傍には、上方に円柱状に突出しその上面中央から下方に延びた雌ねじを有する締結部7となるボスが設けられている。
<<第1実施形態>>
図3には、第1実施形態に係るパーキング解除ユニット101の斜視図が示されている。パーキング解除ユニット101は、パーキング解除ユニット101の下部を構成し、締結部7に螺着されるベース102を備える。ベース102が締結部7に螺着された時には、パーキング解除ユニット101は解除シャフト3を覆うようにミッションケース2に締結される。図3に示されるように、ベース102は、ボディ103とその上部に結合されたカバー104とを備える。パーキング解除ユニット101の上端には、解除シャフト3を操作するための操作部105が設けられ、ベース102と操作部105との間にはパッキン106が備えられている。
図4には、第1実施形態に係るパーキング解除ユニット101の分解斜視図が示されている。パーキング解除ユニット101は、ベース102、操作部105及びパッキン106の他、解除シャフト3と操作部105との間に介在する係合部107と、操作部105の変位を解除シャフト3の変位に変換するカム機構108とを備える。ボディ103は、その下端に断面が下方に向けて開口したコの字状に形成され覆うように封止凸部5に締結される封止部111を有する。封止部111を構成する上壁の下面は封止凸部5の上面に当接し、下方へ延びる封止部111の2つの内側面は封止部111の外側面に当接する。封止部111の上壁の中央には解除シャフト3を受容する孔とその周縁部から上方に円筒状に延びたボディ大径部115が備えられている。ボディ大径部115の上部からボディ大径部115と同軸な円筒形状を有するボディ小径部116が上方へ延びている。ボディ小径部116は、ボディ大径部115よりも小さな内径及び外径を有し、ボディ大径部115に段部を介して接続されている。ボディ小径部116の上部の外周にはボディ雄ねじ部117が形成されており、ボディ雄ねじ部117の下端には径方向に貫通した孔であるボディ支持孔118がボディ小径部116の軸線を挟んで2つ設けられている。ボディ大径部115とボディ小径部116を接続する段部は上方に向き円環状に形成されたボディ当接面120を有する。ボディ大径部115の側面は、締結部7の方向へ上方に向いた板状に突出した被締結部125が備えられている。被締結部125の先端部には上下に貫通した貫通孔が設けられ、その貫通孔にねじ体を通し、締結部7にねじ止めすることで、ベース102はミッションケース2に着脱可能に締結される。ベース102がミッションケース2に締結されると、封止凸部5と封止部111との当接によって、ボディ103の内孔は外気に対して閉じられ、摺接部6に埃や水気が付着することが防止される。
カバー104は、ボディ103及び解除シャフト3と同軸に形成され、上下に延びた円筒形を有し、上部に小さな外径を有するカバー小径部130、下部に大きな外径を有するカバー大径部131を備える。カバー大径部131の上部の内周には、ボディ雄ねじ部117と螺合可能なカバー雌ねじ部132が備えられている。カバー104をボディ103の上部から深くまでねじ込むと、カバー雌ねじ部132とボディ雄ねじ部117とが螺合し、カバー大径部131の下面がボディ当接面120と当接して係止される。カバー大径部131の外径はボディ大径部115の外径と等しく構成され、カバー大径部131の下面とボディ当接面120が当接している状態では、カバー104及びボディ103の外周面はなめらかに接続されるように構成されている。カバー小径部130とカバー大径部131は、段部となるカバー段部133を介して接続され、カバー段部133はその内周に径内方向に突出し円環状に形成されたカバー係止部134を有する。
操作部105は、ボディ小径部116の上部に同軸に保持され、円筒形に形成された操作部本体140と、操作部本体140の下端から操作部本体140と同軸に円環状に径外方向に突出した操作係止部141とを有する。操作部本体140の上端は封止され、六角柱状に上方に突出した操作頭部142が形成されている。操作部本体140の下端には、下方に向けて開口した有底孔となる操作雌ねじ部143が備えられている。操作部105がボディ小径部116の上にボディ小径部116と同軸に載置され、カバー104がボディ小径部116の上から螺合され、カバー係止部134が操作係止部141に上方から当接すると、操作係止部141はカバー係止部134とボディ小径部116の上端とによって上下から挟持され、操作部105は、ベース102に回転可能に支持された状態にある。操作部105がベース102に支持された状態では、操作頭部142はカバー104の上端よりも上方にまで突出する。
パッキン106は、ゴムなどの可撓性を有する材料を用いてドーナツ状に形成された部材であって、カバー小径部130の内孔と操作部本体140との間に受容される。パッキン106の外周面はカバー小径部130の内周面に当接し、パッキン106の内周面は操作部本体140の外周面に当接する。パッキン106は操作部本体140がパッキン106に当接しながら回転できる程度の弾発力を持って操作部105の外周面に摺動している。パッキン106によって、カバー104及びベース102の内孔が外部から遮蔽され、上方からのカバー104及びベース102の内孔に対する埃や水気の侵入が防止される。
係合部107は、上下に延びた円柱状を呈する係合大径部150と上方に延びた係合雄ねじ部151とを有する。係合雄ねじ部151は操作雌ねじ部143に螺合し、係合部107は操作部105の下部に同軸に支持される。係合大径部150は係合部107の下半分に円柱状に設けられており、ボディ小径部116の内孔に受容され、係合大径部150の外周面はボディ小径部116の内周面に対して略平行に形成されている。係合大径部150の外周とボディ小径部116の内周との間には間隙が設けられ、係合部107はボディ103から摩擦を受けることなく上下動することが可能である。係合雄ねじ部151と操作雌ねじ部143とが最も螺合した状態では、係合大径部150の上面が操作係止部141の下面と当接する。係合大径部150の下端には、係合部107の軸線に対して前後方向に延び上方へ凹んだスリット形状を有する係合凹部152が設けられている。係合凹部152は解除シャフト3の突端に設けられた係合凸部4と嵌脱可能であり、嵌合時には係合凸部4は係合凹部152に受容される。
カム機構108は、係合部107の下部に設けられ、係合凹部152の上端部から上方へ凹んだ溝であるカム溝160と、ボディ103に支持されるカムピン161によって構成される。カムピン161は、ボディ当接面120よりも上方においてボディ支持孔118に両端が保持され、解除シャフト3の軸線と垂直な軸上に延びた軸であって、ボディ小径部116の内孔に受容される。カムピン161は、ボディ当接面120よりも上方に保持されるため、カバー大径部131の下端がボディ当接面120に当接するまでカバー104をボディ103に螺合させると、カムピン161の両端及びボディ支持孔118はカバー104によって被蓋され露出しない。そのため、ボディ支持孔118からのボディ大径部115及び係合部107の内孔に対する外気からの埃や水気の侵入は防止されている。カムピン161は、係合凹部152と当接しつつ摩擦可能に通過可能であるような軸径を有する。カムピン161は、係合凹部152の上部に設けられたカム溝160と係合し、カム溝160と協働して係合部107の上下動を解除シャフト3の軸線を中心とした係合部107の回転に変換するカム機構108を構成する。係合部107が下方へ移動すると、カムピン161はカム溝160と係合し、カムピン161がベース102に固定されているため、係合部107は下方へ移動すると共にベース102に対して係合部107の軸線を中心して回転する。本実施形態では、係合部107の下方への回転によって、係合部107は上方から見て左回り(反時計回り)に回転する。係合部107が下降し、カムピン161がカム溝160の上端に達すると、係合部107の下方への変位及び回転は規制される。カムピン161をカム溝160の下端から上端に変位させたとき、係合部107は上方から見て解除角度左回りに回転するように、カム溝160が形成されている。
上述したベース102及びカバー104はアルミニウム等の金属から形成されることが好ましい。また、係合部107及びカムピン161は鉄等の金属から形成され、操作部105材はステンレス等の金属から形成されるとよい。
次に、パーキング解除ユニット101の組立について説明する。図4で示されるように、ボディ支持孔118にカムピン161を通し、カムピン161をボディ103に固定する。その後、係合雄ねじ部151を操作雌ねじ部143に螺合させ、係合部107を下にして、ボディ小径部116に上方から同軸に挿入する。操作係止部141がボディ小径部116の上端に当接し、操作部105及び係合部107の下方への移動は規制されている。パッキン106をカバー小径部130と同軸に上方から挿入した後、カバー104を上方から同軸にボディ103に被せ、カバー大径部131の下面がボディ当接面120に当接するまで、カバー雌ねじ部132とボディ雄ねじ部117とを螺合させることによって、パーキング解除ユニット101が完成する。カバー大径部131の下面がボディ当接面120に当接すると、操作係止部141はカバー係止部134の下面とボディ小径部116の上面とによって上下からカバー係止部134の下面が操作係止部141の上面と略平行になるように挟まれる。操作部105の上下方向への移動は規制され、操作部105はボディ103及びカバー104に上下方向を軸線とした回転可能に支持される。カバー大径部131の下面がボディ当接面120に当接する時、ボディ大径部115の外周とカバー大径部131の外周はなめらかに接続され、操作頭部142はカバー104の上端よりも上方にまで突出し、パッキン106が操作部105とカバー小径部130との間に保持される。パッキン106が操作部105の外周面とカバー小径部130の内周面とに密着し、カバー大径部131の内孔への埃や水気の侵入が防止される。使用者は六角レンチ等の汎用工具を用いて操作頭部142を操作し、操作部105を回転させることが可能である。
次に、パーキング解除ユニット101の動作について説明する。図5(A)に示されるように、組立後のパーキング解除ユニット101は、使用時に、解除シャフト3がボディ大径部115の内孔に受容され、ボディ103、カバー104、係合部107、及び操作部105が解除シャフト3と同軸になるようにミッションケース2に載置され、被締結部125が締結部7に螺着される。螺着時には、係合部107が操作部105に対して螺退しており、係合部107はベース102に対して最も上方に支持され解除シャフト3から上方に退避し、係合凹部152が係合凸部4を受容しない退避位置にある。係合部107は退避位置にある状態では、カムピン161は係合凹部152に係合し、係合部107のベース102に対する回転は規制されている。
パーキング解除ユニット101がミッションケース2に取り付けられたままであっても、係合部107が退避位置にある場合には、係合凸部4と係合凹部152とは係合しないため、パーキング解除ユニット101が運転時のトランスミッション1のレンジの変更を妨げることはない。そのため、係合部107が退避位置にあれば、解除シャフト3のロック位置への回転と解除位置への回転を行うことが可能であり、運転操作は問題なく行われる。
操作部105を回転させると、係合部107のベース102に対する回転が規制されているため、操作部105と係合部107との螺合が解除され、係合部107が螺進し解除シャフト3と同軸に下方へ押し出される。操作部105の上端は解除シャフト3よりも上方で、操作部本体140から六角柱状に上方に突出しているため、操作部105の回転には汎用の六角レンチ等を用いることが可能である。係合部107が下方へ押し出されると、係合部107の下端に設けられた係合凹部152と解除シャフト3の上端に設けられた係合凸部4が嵌合し係合する。同時に、カムピン161とカム溝160とが係合し、カム機構108が構成される。カム機構108によって、操作部105の回転によって生じる係合部107の下方への移動が係合部107の回転へ変換される。係合凹部152と係合凸部4の係合によって解除シャフト3は係合部107に対して係止されるため、係合部107の回転によって、解除シャフト3が上方から見て左回りに回転され、ロック位置から解除位置へ移動する。
操作部105を更に回転させると、カムピン161はカム溝160の上端にまで達する。カム溝160の上端に達したとき、図5(B)に示されるように、解除シャフト3は上方から見て解除角度左回りに回転した解除位置となっている。解除位置において係合部107を更に螺退させ下方へ押し出すと、係合部107はカムピン161から上方への反発力を受ける。係合部107が受けるカムピン161からの上方への反発力によって、操作雌ねじ部143と係合雄ねじ部151とによって係合部107と操作部105との間に摩擦力が生じる。その摩擦力によって係合部107が係止され、係合部107は解除シャフト3を解除位置に保持する保持位置となり、操作雌ねじ部143と係合雄ねじ部151とによって保持機構170が構成される。
保持位置から係合部107を操作部105に対して螺退するように操作部105を回転させると、カム機構108によって、係合部107が上方から見て右回りに回転する。係合凹部152と係合凸部4との係合によって解除シャフト3は係合部107に対して係止されるため、係合部107の右回りの回転によって、解除シャフト3が右回りに回転し解除位置からロック位置まで戻る。さらに係合部107を操作部105に対して螺退させると、係合部107は解除シャフト3に対して上方へ退避し、係合凹部152が係合凸部4を受容しない程度まで螺退した状態になると、係合部107は退避位置にある。このように操作部105の回転操作によって、係合部107が退避位置と保持位置との間に切り替えられるため、操作部105を回転することによって、使用者は解除シャフト3のロック位置と解除位置とを切り替えることが可能となる。
以上のように構成したパーキング解除ユニット101の効果について説明する。被締結部125と締結部7の螺着によって、ベース102はミッションケース2に固定される。係合部107は、ベース102に回転可能に支持された操作部105に螺合し、ベース102に対して間接的に支持される。また、係合部107は係合凸部4に嵌合する係合凹部152を有し、解除シャフト3に係脱可能に係合する。操作部105の回転によって、操作部105と係合部107との螺合構造及びカム機構108によって、解除シャフト3をロック位置と解除位置とに回転させるように係合部107が回転変位する。操作部105と係合部107との螺合構造及びカムピン161から係合部107に加わる反発力とによって係合部107は係止され、係合部107の位置が解除シャフト3を解除位置に回転した状態で保持され、操作雌ねじ部143と係合雄ねじ部151とによって保持機構170が構成される。以上の構成によって解除シャフト3をロック位置と解除位置とに切り替え操作を行い、解除位置に保持するためのパーキング解除ユニット101を構成することが可能となる。
図5に示されるように、係合部107は保持位置において、係合凹部152が係合凸部4と嵌合し解除シャフト3を解除位置に回転させて保持される。保持位置から右回りに回転させると、係合部107が外方に退避し、係合凹部152が係合凸部4を受容せず、解除シャフト3がロック位置となる退避位置に変位することが可能となる。
図4に示されるように、係合部107が解除シャフト3と平行に延びる係合雄ねじ部151を有し、操作部105が係合雄ねじ部151と螺合する操作雌ねじ部143を有し、操作部105が係合部107に対する螺進及び螺退によってベース102に対して変位しないようにボディ103及びカバー104に回転可能に支持され、操作部105に対する螺進及び螺退によって係合部107を保持位置と退避位置との間でガイドするカム機構108がカム溝160及びカムピン161によって構成されることが可能となる。
本実施形態の図4及び図5(B)に示されるように、操作雌ねじ部143及び係合雄ねじ部151が解除シャフト3と同軸に設けられ、ベース102のボディ103が、解除シャフト3、係合部107及び操作部105を受容する筒状に形成され、カム機構108は、ベース102の内孔壁に両端が固定され、ボディ103の径方向に延びるカムピン161と、係合部107に形成され、カムピン161と係合するカム溝160とを構成することが可能となる。
図3に示されるように、ミッションケース2には、締結部7が設けられており、ベース102が締結部7に対して螺結される被締結部125を有することが可能となる。パーキング解除ユニット101はミッションケース2に脱着可能に締結されるため、必要時にのみ取り付けることが可能である。パーキング解除ユニット101を外しておけば、車両がパーキング位置に保持されるため、例えば盗難等による使用者の意図しない車両の運搬が防止される。
ベース102は、図3に示されるように、ミッションケース2に固定された状態で、ボディ103によってミッションケース2と解除シャフト3との間の摺接部6が被蓋され、ボディ103の摺接部6への埃や水気の侵入が防止される。
<<第2実施形態>>
以下、第2実施形態に係るパーキング解除ユニット201について説明する。図6には、パーキング解除ユニット201の斜視図が示されている。図6に示されるように、パーキング解除ユニット201はその下部にベース202を有し、ベース202が封止凸部5を覆うように締結部7に螺着される。パーキング解除ユニット201はベース202から上方に突出したヘッド203を備え、ヘッド203とベース202との間には、圧縮コイルばね204が介装されている。ヘッド203から水平方向に突出したガイドピン205とベース202に設けられガイドピン205と係合するガイド溝206によって、ヘッド203の変位をガイドするガイド機構207が形成されている。
図7に示されるように、パーキング解除ユニット201は、ベース202、ヘッド203、圧縮コイルばね204、ガイド機構207に加えて、ヘッド203の下部に固定されヘッド203の上方への突出を規制する止め輪208を備える。ベース202は、下方に向くコの字状の断面を有し、封止凸部5及び解除シャフト3を覆うように固定されるベース本体210と、その上壁の中央に設けられ解除シャフト3を貫通させるシャフト受容孔211を備える。ベース202は、ベース本体210の上壁から締結部7に向け水平な板状に延びた被締結部212と、その先端に上下に貫通した孔とを備える。その貫通孔にねじ体を通し、締結部7に螺合させることによって、ベース202はミッションケース2に締結される。ベース202には、ベース本体210の上壁で被締結部212と相対する側縁部から上方に板状に延びた支持板213が備えられている。
ヘッド203の下部には、上下に延びた円柱状に形成されたヘッド本体220が備えられている。ヘッド本体220の中央には段部が設けられ、ヘッド本体220の上部の外径は、その下部の外径に比べて大きくなるように構成されている。ヘッド本体220はシャフト受容孔211に受容され、ヘッド203が解除シャフト3と同軸に保持される。ヘッド本体220の下端に下方に向けて開口する開口部を有する。ヘッド本体220は、その開口部から上方に延びた円柱状に形成された孔である係合部221が備えられている。係合部221の孔径は、解除シャフト3の外径よりも大きく、係合部221は解除シャフト3を受容可能に構成されている。係合部221の上端には、係合部221の径に比べて小さな外径を有し上方へ角柱状に凹んだ凹部であって、解除シャフト3の係合凸部4に嵌合可能な係合凹部222(図8)が設けられている。ヘッド203の上端には、汎用工具と係合可能に設けられ六角柱状に突出した操作部223が備えられている。操作部223の基端には、ヘッド203の軸線を中心としてヘッド本体220の外周よりも外方にまで円盤状に突出したばね係止部224が備えられている。ばね係止部224の側壁で支持板213に向かう面には、支持板213に向かう孔状に形成されたガイドピン支持孔225が設けられている。
圧縮コイルばね204は、ヘッド203と同軸に設けられ、ヘッド本体220を受容し、操作部223とベース202との間に介装され、両端がばね係止部224とベース本体210とに係止されている。圧縮コイルばね204によって、ヘッド203はベース202に対して上方へ付勢されている。ヘッド203はシャフト受容孔211の上方から挿入されており、その下部がシャフト受容孔211受容される。ヘッド203の下端はシャフト受容孔211から下方に突出し、ヘッド203の外周には止め輪208が嵌合される。止め輪208はベース202に下方から当接するため、ヘッド203のシャフト受容孔211から上方へ脱落が防止されている。圧縮コイルばね204の上方への付勢と止め輪208による上方への脱落の防止によって、ヘッド203はベース202に解除シャフト3の軸線を中心として回転可能に支持される。
ガイド機構207は、ガイドピン205及び支持板213に形成されたガイド溝206によって構成される。ガイドピン205は、軸状に形成されたピンであって、ガイドピン支持孔225に片側が固定され、支持板213の方向へ突出し、支持板213から径外方向の外方にまで延びている。ガイド溝206は、支持板213に略L字状に切欠形成された貫通孔であって、貫通孔は上方から下方へ、更にその下端から径外方向に見て左方へ延びている。径外方向に見て最も左に位置するガイド溝左端部230には、貫通孔が上方に延びて切欠形成された延長部231が設けられている。ガイド溝206はガイドピン205の突端部と嵌合し、操作部223の変位をガイド溝206に沿う形に規制する。
次に、パーキング解除ユニット201の組立について説明する。図7に示されるように、ベース202に設けられたシャフト受容孔211に対して同軸に圧縮コイルばね204を載置し、上方からヘッド203を挿入する。ヘッド203の下端をベース202の下方から突出させ、止め輪208をヘッド203の下端に嵌合する。径外方向からガイド溝206を貫通してガイドピン205をガイドピン支持孔225に挿入し固定することによって、パーキング解除ユニット201が完成する。パーキング解除ユニット201は、ベース本体210が封止凸部5を覆い、係合部221が解除シャフト3を受容するように載置し被締結部212を締結部7に螺結させることによって、ミッションケース2に締結される。
次に、パーキング解除ユニット201の動作について説明する。図8(A)に示されるように、操作部223がベース202に対して最も上方に支持された状態では、ヘッド203は上方へ付勢され、ガイド溝206の上壁及び左右壁によって上方及び左右への変位が規制され係止されている。操作部223がベース202に対して最も上方に支持された状態では、係合凹部222が係合凸部4に係合していないため係合部221が退避位置にあり、解除シャフト3はロック位置に付勢され係止されている。係合部221が退避位置にあるときは、第1実施形態と同じく、係合部221が解除シャフト3と係合しないため、パーキング解除ユニット201が取り付けられていても、運転操作は妨げられない。
図8(B)に示されるように、圧縮コイルばね204の付勢力に抗して、操作部223を上方から下方へ押し込み、略L字状のガイド溝206に沿ってガイドピン205を上方から下方へ移動させる。操作部223の下方への移動によって係合凹部222と係合凸部4とが係合し、係合部221は係合位置にある。係合位置では、操作部223を上方から見て左回りに回転させ、ガイドピン205をガイド溝206に沿って水平方向に移動させると、解除シャフト3も上方から見て左回りに回転する。解除シャフト3の左回転によって、解除シャフト3は解除位置から脱する。係合位置では、操作部223は解除シャフト3から右回転を付勢する付勢力を受ける。
ガイドピン205が水平に移動し、ガイドピン205がガイド溝206の終端部に達するまで、操作部223を左回転させる。操作部223の回転によって、解除シャフト3が回転する。ガイド溝206は、ガイドピン205がガイド溝206の終端部に達した状態で解除シャフト3が解除位置から解除角度左回りに回転するように構成されている。図8(C)に示されるように、ガイドピン205がガイド溝左端部230に達した状態で操作部223の押圧を止めると、ヘッド203は上方へ付勢され、ガイドピン205は延長部231に嵌合する。解除シャフト3の付勢力によって、ガイドピン205は水平方向に沿った付勢力を受け、ガイドピン205は延長部231の側壁に当接し、ガイドピン205の左右方向の変位は規制される。ガイドピン205の左右方向への変位が規制されているため、操作部223は解除シャフト3が解除位置に保持された保持位置にあり、延長部231とガイドピン205とによって、保持機構270が構成される。
解除シャフト3を解除位置からロック位置に戻すには、保持位置にある操作部223を押圧し、ガイドピン205と延長部231との嵌合を解除し、操作部223を右回転させる。操作部223の右回転によって、ガイドピン205はガイド溝206に沿って水平に移動する。操作部223をガイド溝206の側壁に当接するまで右回転し、操作部223の押圧を止めると、操作部223はガイド溝206に沿って上方へ移動し、操作部223は解除シャフト3に対して最も上方に退避した退避位置にある。退避位置では係合凸部4と係合凹部222の係合は解除されるため、解除シャフト3は解除シャフト3に係る付勢力によってロック位置に戻る。
以上のように構成したパーキング解除ユニット201の効果について説明する。締結部7がミッションケース2に螺着され、係合部221と操作部223とを備えるヘッド203が回転可能にベース202に支持される。ヘッド203の回転によって、解除シャフト3のロック位置及び解除位置を変更することが可能である。ガイドピン205がガイド溝206に設けられた延長部231に係止され保持されることによって解除シャフト3を解除位置に保持する機構が構成され、解除シャフト3のロック位置と解除位置を入れ替え、解除位置に保持する機能を奏する。
図8に示されるように、係合部221は解除シャフト3の外端の係合凸部4を受容する係合凹部222を有する。操作部223の操作によって、係合凹部222が係合凸部4を受容して解除シャフト3を解除位置に回転させた保持位置と保持位置から外方に退避し、係合凹部222が係合凸部4を受容しない退避位置との間を変位するように構成される。操作部223の操作によって、解除シャフト3のロック位置と解除位置を入れ替える機能を奏する。また、操作部223は六角柱状に外方に突出しており、六角レンチ等の汎用工具によって操作することが可能であり、パーキング解除のための専用の工具を必要としない。
図7に示されるように、圧縮コイルばね204が操作部223とベース202の間に介装され、ガイドピン205が操作部223に設けられたガイドピン205支持孔に保持され、ベース202にガイドピン205と嵌合して係合部221を退避位置と保持位置との間でガイドするガイド溝206が備えられる。操作部223の操作によって、係合部221を退避位置と保持位置にガイドし、解除シャフト3をロック位置と解除位置に変位させることが可能となる。
図8(C)に示されるように、ガイド溝206には、解除シャフト3を解除位置に回転させた時に操作部223が圧縮コイルばね204の付勢方向である上方に移動する向きに、ガイドピン205がガイド溝206に対して移動することを許容する延長部231が設けられている。ガイドピン205が延長部231に嵌合させ、操作部223の操作をやめると、係合部221は延長部231を画定する側壁と圧縮コイルばね204とによって係止される。このとき、解除シャフト3をロック位置に保持され、係合部221は保持位置にあり、延長部231を画定する側壁と圧縮コイルばね204によって保持機構270が構成されている。
図6に示されるように、本実施形態では、ベース202が締結部7に対して着脱可能に締結される被締結部212を有し、ミッションケース2に締結された状態で、ミッションケース2と解除シャフト3との間の摺接部6を被蓋するように構成することが可能である。パーキング解除ユニット201では、ミッションケース2に予めパーキング解除のために要する部材を設ける必要がないため、様々なタイプの車両に対応可能なパーキング解除ユニット201が提供できる。パーキング解除ユニット201はミッションケース2に脱着可能に締結されるため、必要時にのみ取り付けることが可能である。ミッションケース2と解除シャフト3との間の摺接部6が被蓋され、ベース本体210の摺接部6への埃や水気の侵入が防止される。
<<第3実施形態>>
以下、第3実施形態に係るパーキング解除ユニット301について、図面を参照して説明する。図9に示されるように、パーキング解除ユニット301に係合する解除シャフト3には、ミッションケース2の外側で解除シャフト3から径方向に水平に突出したアーム8が設けられている。アーム8の基端側は解除シャフト3に螺着され、アーム8の基端側を中心とする上方から見た左回転によって、解除シャフト3をロック位置と解除位置とに切り替えることが可能である。アーム8の突端部はアーム8の基端側から径外方向に見て左に凸となる形に屈曲している。
図10に示されるように、パーキング解除ユニット301は、ミッションケース2に締結されて使用される。なお、以下のパーキング解除ユニット301の説明では、便宜上、解除シャフト3の突出方向を上、アーム8を中心とし径外方向に見て右方向を右、アーム8の突出方向を後方と規定する。パーキング解除ユニット301は、その下部を構成しミッションケース2に締結されるベース302と、ベース302から上方に突出した操作部305、操作部305をベース302に支持する止め輪306、ベース302から後方に向けて突出し、アーム8に左方から当接する係合部307とを備える。パーキング解除ユニット301では、操作部305の操作によって係合部307が変位し、係合部307の変位によってアーム8が変位するように構成されている。
図11に示されるようにパーキング解除ユニット301は、ベース302、操作部305、止め輪306、係合部307の他、操作部305の回転を係合部307の回転に変換するカム機構308を備えている。ベース302は下方に向くコの字状の断面を有するベース基端部320を備える。図10に示されるように、ベース基端部320は封止凸部5及び解除シャフト3を覆うように固定され、ベース基端部320の上壁の下面が封止凸部5の上面と当接する。ベース基端部320は、その上面の相対する側縁部より下方に延びる2枚の平面を備え、それぞれの内面が封止凸部5の側面に当接する。ベース基端部320の上壁の中央には円形の開口部が備えられている。ベース302には、その開口部の側縁部から上方に延び、円筒形状に形成されたベース受容部321が設けられており、ベース302がミッションケース2に固定される時には、解除シャフト3はベース受容部321に受容される。ベース受容部321の上端は、上方に突出したドーム形状を有し、その上端には円形のベース開口部322が備えられている。ベース受容部321の側壁には、ベース受容部321と軸対称に設けられた2つ貫通孔であるベース支持孔323が設けられている。ベース302にはベース基端部320から締結部7の方向に板状で水平に延びた被締結部324が設けられている。被締結部324の突端には貫通孔が設けられ、その貫通孔にねじ体を通し、締結部7に螺合させることによって、ベース302がミッションケース2に締結される。アーム8の変位を妨げないように、後方に向いたベース受容部321の側面には、ベース受容部321の内孔に通じベース受容部321の上部にまで方形に切欠形成され開口したベース側面開口部325が設けられている。ベース側面開口部325の上端面には、上方に凹んだ凹部となるベース開口部凹部326が設けられている。
操作部305は、その上端に六角柱形状に突出した被操作部330を備える。被操作部330の下方には、被操作部330と同軸に円筒形に設けられ、被操作部330に比べて大きな外周を有する操作部本体331が備えられている。被操作部330と操作部本体331とは段部を介して接続され、その段部には止め輪306の内周面と嵌合する凹部である操作嵌合部332が備えられている。操作部本体331は下端から上方に向かって凹む操作雌ねじ部333を有する。操作部本体331の下端は径外方向に円環状に突出した操作係止部334を備える。被操作部330がベース開口部322から上方へ突出するまで、操作部305をベース302に挿入する。その後、止め輪306をベース開口部322の上方から操作部305に挿入し操作嵌合部332に嵌合させることによって、操作部305は下方への移動が規制されベース302に対して回転可能に支持される。被操作部330は六角柱状にベース開口部322から突出し、汎用工具を用いて上下を中心とした回転操作を行うことができる。
係合部307の上部には、操作部305と同軸に上方に延びて設けられ、操作雌ねじ部333と螺合する係合雄ねじ部340が備えられている。係合雄ねじ部340の下端には、下方へ突出し、係合雄ねじ部340の外径よりも大きな外径を有し、係合雄ねじ部340と同軸に円柱形に設けられた係合係止部341が接続されている。係合係止部341の下端には、係合係止部341と同軸に設けられ上下に延び係合係止部341よりも大きな外周を有する円柱形に形成された係合部本体342が備えられている。係合部本体342の下端中央には、上方に向けて円柱状に凹んだ係合開口部343が形成されている。係合開口部343の側壁には、係合部本体342の軸線について対称に、側壁下端より上方に向けて凹んだ2つの係合開口凹部344が設けられている。係合部307は係合部本体342から後方に向けて突出し下方に向けて緩やかに傾斜する係合アーム345を有する。係合アーム345の突端には、円柱形状に設けられ下方に向けて突出し、アーム8と当接可能な当接部346が備えられている。操作雌ねじ部333と係合雄ねじ部340との螺合によって、係合部307は操作部305の下部に支持され、ベース側面開口部325を通じて係合アーム345がベース受容部321の軸線から径外方向に向けて突出し、係合部307は間接的にベース302に対して支持される。
カム機構308は、ベース受容部321に受容されたガイドピン350と、係合部307に設けられたカム溝351と、ねじりばね352とによって構成されている。ガイドピン350は、両端がベース支持孔323に固定された軸であって、係合部307より下方に保持され、係合部307の下端に設けられた係合開口凹部344に係合する。カム溝351は係合開口凹部344の側面に形成され係合部本体342の軸線を中心とし上方から見て左回転する方向に向けて下方に傾斜した傾斜面である。ねじりばね352は、操作係止部334と係合係止部341との間に保持され、ねじりばね352の両端は、ベース開口部凹部326の側面と係合アーム345の側面に当接し保持されている。係合部307は、ねじりばね352によってベース302に対して係合部本体342を軸線とし上方から見て右回りに付勢されている。ねじりばね352の付勢力によって、ガイドピン350がカム溝351に押し付けられ、ガイドピン350がカム溝351に沿って移動する。ガイドピン350、カム溝351及びねじりばね352によって、係合部307の上下動が解除シャフト3を中心とする回転に変換され、カム機構308が構成される。係合部307の下方向への移動によって、係合部307は解除シャフト3を中心として左回りに回転する。ガイドピン350がカム溝351の下端から上端に達するまでに、係合部307が解除シャフト3と中心として解除角度に所定の角度となる当接角度を加えた角度左回りに回転するように、カム溝351は構成されている。
次に、パーキング解除ユニット301の組立について説明する。係合雄ねじ部340にねじりばね352を挿入し、上方から操作部305を係合部307に螺合する。操作部305の上端がベース開口部322か上方へ突出し、係合アーム345がベース302から水平方向へ突出するように、ベース302を操作部305及び係合部307に被せ、操作部305の上方から止め輪306を嵌合する。止め輪306によって、ベース302から操作部305の脱落は防止され、操作部305はベース302に支持される。係合部307は、係合雄ねじ部340と操作雌ねじ部333との螺合によって操作部305の下部に支持される。ベース302の外部からガイドピン350をベース受容部321に設けられたベース支持孔323に挿入し、ガイドピン350をベース302に固定することで、パーキング解除ユニット301が完成する。
次に、パーキング解除ユニット301の動作について説明する。図12(A)及び13(A)に示されるように、操作部305に対して係合部307が最も螺退している状態では、係合アーム345が上方から見て右回りに付勢されベース側面開口部325の側面に当接した初期位置にある。このとき、係合アーム345は上方へ退避し、係合部307は係合アーム345が解除シャフト3に設けられたアーム8と当接しない退避位置となっている。図12(A)に示されるように、退避位置では、係合部307は、ねじりばね352によって上方から見て解除シャフト3を中心とする右回りに付勢され、ベース側面開口部325の側壁に係止されている。このとき、ガイドピン350がカム溝351の下端に係合する。解除シャフト3は係合部307と係合せず、ロック位置に向けて付勢され係止されており、解除シャフト3は解除位置にある。図10に示されるように、第1実施形態及び第2実施形態と同じく、係合部307が退避位置にあるときは、係合部307が解除シャフト3と係合しないため、パーキング解除ユニット301が取り付けられていても、運転操作は妨げられない。
操作部305を上方から見て解除シャフト3と中心とする左回りに回転させると、操作部305と係合部307との螺合が解除される方向に螺進する。操作部305はベース開口部322に対する上下動が制限されているため、操作部305はベース302に対して変位しない。係合部307は、ガイドピン350とカム溝351の下端とが係合するため操作部305と同時に回転することが規制され、係合部307が操作部305に対して螺進し下方へ押し出される。係合部307の下方への変位によって、係合アーム345が下方へ移動する。また、ねじりばね352の付勢によって、ガイドピン350とカム溝351との当接を保持しながら係合部307は下降するため、カム機構308が構成され、係合部307は上方から見て解除シャフト3を軸線とする左回りに回転される。操作部305の左回りの回転によって、係合部307は解除シャフト3を中心として初期位置から当接角度左回りに回転すると、係合部307は同時に下方への移動しアーム8に当接する。当接角度は例えば7度に設定されている。このとき、係合部307は当接位置にある。当接位置から操作部305を左回りに回転させると、係合部307が更に左回りに回転し、アーム8は当接部346によって押圧され解除シャフト3を軸線とする左回りに回転する。アーム8の回転によって、解除シャフト3が回転し、解除シャフト3はロック位置から離れる。
図12(B)及び図13(B)に示されるように、操作部305を更に左回りに回転させると、ガイドピン350がカム溝351の上端に当接し、操作部305の回転が規制される。ガイドピン350がカム溝351の上端に当接するとき、係合部307は解除シャフト3の軸線を中心として初期位置から解除角度に当接角度を加えた角度左回りに回転している。同時に、係合部307がアーム8を押圧し、解除シャフト3もその軸線を中心として解除角度左回りに回転し、解除シャフト3は解除位置にある。ガイドピン350がカム溝351の上端に当接すると、ガイドピン350は下方へ押し出されるため、カム溝351を備える係合部307は上方への反作用を受ける。図13に示されるように、係合部307に加わる上方への反作用によって、解除シャフト3がロック位置へ戻ろうとする付勢力に抗する摩擦力が加わり、操作雌ねじ部333と係合雄ねじ部340との螺合によって解除シャフト3は解除位置に保持される。このとき、当接部346は保持位置にあり、操作雌ねじ部333と係合雄ねじ部340によって、保持機構370が構成される。
保持位置から、操作部305を右回りに回転し、係合部307を操作部305に対して螺退させると、係合部307は上昇し、同時に、係合アーム345は、解除シャフト3を軸線とする右回りに回転する。アーム8は解除シャフト3に加わるロック位置へ戻ろうとする付勢力によって係合アーム345への当接を保ちつつ、係合アーム345の右回りの回転に伴って解除シャフト3を軸線とする右回りに回転する。アーム8の回転に伴って解除シャフト3は解除位置から右回りに回転する。係合部307を螺退させ、解除シャフト3が解除位置から解除角度右回りに回転しロック位置に変位すると、係合部307をアーム8と当接部346が係合しなくなる位置まで上昇する。この位置は当接部346がアーム8から離間した退避位置である。
以上のように構成したパーキング解除ユニット301の効果について説明する。係合部307は、ベース302に回転可能に支持された操作部305に螺合され、ベース302に間接的に支持される。係合アーム345は解除シャフト3に設けられたアーム8に係合し、操作部305の操作によって、解除シャフト3をロック位置から回転させた解除位置に切り替えることが可能である。また、被操作部330は六角柱状に突出して形成されているため、パーキング解除を六角レンチ等の汎用の工具で行うことができ、専用の工具を必要としない。
図11及び図13に示されるように、ミッションケース2の外側で径方向に突出するアーム8が固定された解除シャフト3に設けられ、係合部307は、回転可能に支持された操作部305に螺合することによってベース302に回動可能に支持される。解除シャフト3をロック位置から解除位置へ回転させる側である右側からアーム8に当接する当接部346を有し、当接部346のアーム8への当接によって解除シャフト3に係合するよう構成することが可能となる。操作部305の回転によって、係合アーム345がアーム8を右方へ押圧し、解除シャフト3をロック位置から解除シャフト3へ移動させることが可能となる。
図12に示されるように、係合部307が解除シャフト3と平行に延びる係合雄ねじ部340を有し、操作部305が、係合雄ねじ部340と螺合する操作雌ねじ部333を有する。操作部305が係合部307に対する螺進及び螺退によってベース302に対して変位しないようにベース302に回転可能に支持される。係合部307に設けられた当接部346が、解除シャフト3を解除位置に回転させた保持位置と、ロック位置から解除位置への回転方向と逆方向へアーム8から離間した退避位置との間を変位するように構成される。操作部305に対する螺進及び螺退によって当接部346が保持位置と退避位置との間で変位するように係合部307を回転させるカム機構308を更に備えるよう構成することが可能となる。
本実施形態では、図10に示されるように、第1実施形態、第2実施形態と同様、ベース302が締結部7に対して着脱可能に締結される被締結部324を有し、ミッションケース2に締結された状態で、ミッションケース2と解除シャフト3との間の摺接部6を被蓋するように構成することが可能である。パーキング解除ユニット301はミッションケース2に脱着可能に締結されるため、必要時にのみ取り付けることが可能である。また、パーキング解除ユニット301では、パーキング解除ユニット301がミッションケース2に固定された状態で、摺接部6がベース基端部320によって被蓋され、摺接部6への埃や水気の侵入が防止される。
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、ミッションケース2にパーキング解除ユニット101、201、301が脱着可能に螺着される構成としたが、パーキング解除ユニット101、201、301はミッションケース2に固着されてもよく、パーキング解除ユニット101、201、301をミッションケース2に固定する手段は限定されない。
また、上記第2の実施形態では、ガイドピン205をヘッド203に、ガイド溝206を支持板213にそれぞれ設ける構成にしたが、ガイドピン205を支持板213に、ガイド溝206をヘッド203に設けることで、ガイドピン205がガイド溝206に相対変位するようにしてもよい。また、上記実施形態では、パーキング解除の操作を行う部分142、223、330を六角柱状に突出して設け汎用工具であるレンチによって操作するように構成したが、操作部105、223、305の上端に十字孔を設けドライバによって操作してもよく、操作部105、223、305を回転する手段は限定されない。
また、解除シャフト3のロック位置から解除位置への変位が右回りの回転による場合においても、パーキング解除ユニット101、201では、解除シャフト3の軸線上に係合部107、221及び操作部105、223が設けられるため、ミッションケース2における締結部7の配置を変える必要はない。カム溝160、ガイド溝206を変形することによって解除するための回転方向の異なる解除シャフト3に対応するパーキング解除ユニットを構成することが可能である。
1 :トランスミッション
2 :ミッションケース
3 :解除シャフト
4 :係合凸部
6 :摺接部
7 :締結部
8 :アーム
101 :第1の実施形態を示すパーキング解除ユニット
102 :ベース
105 :操作部
107 :係合部
108 :カム機構
125 :被締結部
143 :操作雌ねじ部
151 :係合雄ねじ部
152 :係合凹部
160 :カム溝
161 :カムピン
170 :保持機構
201 :第2実施形態を示すパーキング解除ユニット
202 :ベース
204 :圧縮コイルばね
205 :ガイドピン
206 :ガイド溝
212 :被締結部
221 :係合部
222 :係合凹部
223 :操作部
231 :延長部
270 :保持機構
301 :第3実施形態を示すパーキング解除ユニット
302 :ベース
305 :操作部
307 :係合部
324 :被締結部
330 :被操作部
333 :操作雌ねじ部
340 :係合雄ねじ部
345 :係合アーム
346 :当接部
370 :保持機構

Claims (10)

  1. パーキングロックを行うロック位置と前記パーキングロックを解除する解除位置との間を回転可能に支持され、ミッションケースの外面に露出するように設けられた解除シャフトを有するトランスミッションに取り付けられるパーキング解除ユニットであって、
    前記ミッションケースに固定されるベースと、
    前記ベースに直接的又は間接的に支持され、前記解除シャフトに係脱可能に係合する係合部と、
    前記ベースに直接的又は間接的に支持され、前記解除シャフトを前記ロック位置と前記解除位置とに回転させるように前記係合部を変位させる操作部と、
    前記係合部が前記解除シャフトを前記解除位置に回転させた状態で、前記係合部の位置を保持する保持機構と
    を備えることを特徴とするパーキング解除ユニット。
  2. 前記解除シャフトの外端には、外方に向けて突出する係合凸部が設けられており、
    前記係合部は、前記係合凸部を受容する係合凹部を有し、当該係合凹部が前記係合凸部を受容して前記解除シャフトを前記解除位置に回転させた保持位置と、当該保持位置から外方に退避し、前記係合凹部が前記係合凸部を受容しない退避位置との間を変位するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のパーキング解除ユニット。
  3. 前記操作部及び前記係合部の一方が、前記解除シャフトと平行に延びる雄ねじ部を有し、
    前記操作部及び前記係合部の他方が、前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有し、
    前記操作部が、前記係合部に対する螺進及び螺退によって前記ベースに対して変位しないように前記ベースに回転可能に支持され、
    前記操作部に対する螺進及び螺退によって前記係合部を前記保持位置と前記退避位置との間でガイドするカム機構を更に備えることを特徴とする請求項2に記載のパーキング解除ユニット。
  4. 前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部が前記解除シャフトと同軸に設けられ、
    前記ベースが、前記解除シャフト、前記係合部及び前記操作部を受容する筒状に形成され、
    前記カム機構は、
    前記ベースの内孔壁に両端が固定され、前記ベースの径方向に延びるカムピンと、
    前記係合部に形成され、前記カムピンと係合するカム溝と
    を備えることを特徴とする請求項3に記載のパーキング解除ユニット。
  5. 前記操作部と前記ベースとの間に介装された圧縮コイルばねと、
    前記ベース及び前記操作部の一方に保持されたガイドピンと、
    前記ベース及び前記操作部の他方に保持され、前記ガイドピンと嵌合して前記係合部を前記退避位置と前記保持位置との間でガイドするガイド溝と
    を更に備えることを特徴とする請求項2に記載のパーキング解除ユニット。
  6. 前記ガイド溝は、前記解除シャフトを前記解除位置に回転させた時に、前記操作部が前記圧縮コイルばねの付勢方向に移動する向きに前記ガイドピンと前記ガイド溝との相対変位することを許容する延長部を有し、
    前記延長部を画定する側壁と前記圧縮コイルばねとによって前記保持機構が構成されることを特徴とする請求項5に記載のパーキング解除ユニット。
  7. 前記解除シャフトには、前記ミッションケースの外側で径方向に突出するアームが固定されており、
    前記係合部は、前記ベースに回動可能に支持され、前記解除シャフトを前記ロック位置から前記解除位置へ回転させる側から前記アームに当接する当接部を有し、当該当接部の前記アームへの当接によって前記解除シャフトに係合することを特徴とする請求項1に記載のパーキング解除ユニット。
  8. 前記操作部及び前記係合部の一方が、前記解除シャフトと平行に延びる雄ねじ部を有し、
    前記操作部及び前記係合部の他方が、前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有し、
    前記操作部が、前記係合部に対する螺進及び螺退によって前記ベースに対して変位しないように前記ベースに回転可能に支持され、
    前記当接部が、前記解除シャフトを前記解除位置に回転させた保持位置と、前記ロック位置から前記解除位置への回転方向と逆方向へ前記アームから離間した退避位置との間を変位するように構成され、
    前記操作部に対する螺進及び螺退によって前記当接部が前記保持位置と前記退避位置との間で変位するように前記係合部を回転させるカム機構を更に備えることを特徴とする請求項7に記載のパーキング解除ユニット。
  9. 前記ミッションケースには、前記解除シャフトの近傍に締結部が設けられており、
    前記ベースが前記締結部に対して着脱可能に締結される被締結部を有することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のパーキング解除ユニット。
  10. 前記ベースは、前記ミッションケースに固定された状態で、前記ミッションケースと前記解除シャフトとの間の摺接部を被蓋するように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載のパーキング解除ユニット。
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