以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本実施例における撮像装置(デジタルカメラ)の構成について説明する。図1は、本実施例における撮像装置の構成を示すブロック図である。
撮像装置100において、10は撮影レンズ(撮像光学系)、12は絞り機能を備える機械式シャッター、14は被写体像(光学像)を光電変換して電気信号(アナログ信号)を出力する撮像素子である。撮像素子14は、画像を撮影する。16は、撮像素子14から出力されたアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器である。18は、撮像素子14、A/D変換器16、および、D/A変換器26にクロック信号および制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路22およびシステム制御回路50により制御される。本実施例において、機械式シャッター12に代えて、撮像素子14のリセットタイミングを制御する電子シャッターを用いて蓄積時間を制御することができ、動画撮影などに使用可能である。
20は画像処理回路であり、A/D変換器16からのデータまたはメモリ制御回路22からのデータに対して画像拡大/縮小のための画素補間処理、色変換処理、ノイズ除去処理、エッジ強調処理などを行う。また画像処理回路20は、メモリ制御回路22からの画像データに対して、顔検出のためのウェーブレット変換処理などを行う。また画像処理回路20は、AWB(オートホワイトバランス)処理を行うために撮像画像(画像データ)を用いて所定の演算処理を行う。そして、得られた演算結果をWB(ホワイトバランス)評価値として算出し、算出されたWB評価値に基づいて画像データの色変換などを行う。更に、画像処理回路20は、AF処理、AE処理、および、EF処理をそれぞれ行うためのAF評価値、AE評価値、および、EF評価値を算出するため、撮像画像(画像データ)を用いて所定の演算処理を行う。システム制御回路50は、得られたAF評価値、AE評価値、および、EF評価値に基づいて、所定のアルゴリズムに従って露光制御手段40および測距制御手段42を制御する。
22はメモリ制御回路であり、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30(記憶手段)、および、圧縮・伸長回路32を制御する。A/D変換器16から出力されたデータ(画像信号)は、画像処理回路20およびメモリ制御回路22を介して、または、直接メモリ制御回路22を介して、画像表示メモリ24またはメモリ30に記憶される。
24は画像表示メモリ、26はD/A変換器、28はTFT−LCDなどを備えて構成される画像表示部である。画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データは、D/A変換器26を介して画像表示部28(表示手段)に表示される。画像表示部28を用いて撮像画像(画像データ)を逐次表示することにより、電子ファインダ機能を実現することが可能である。また画像表示部28は、システム制御回路50の指示に基づいて、任意に表示のON/OFFを行うことが可能である。画像表示部28は、その表示をOFFにした場合、撮像装置100(画像処理装置)の電力消費を低減することができる。
30は、撮影した静止画像や動画像などの画像を記憶するメモリ(記憶手段)であり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことが可能となる。またメモリ30は、システム制御回路50の作業領域としても使用可能である。
32は適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長する圧縮・伸長回路である。圧縮・伸長回路32は、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理または伸長処理を行い、処理したデータをメモリ30に書き込む。40は、絞り機能を備える機械式シャッター12を制御する露光制御手段である。露光制御手段40は、フラッシュ48と連携することによりフラッシュ調光機能を有する。42は、撮影レンズ10のフォーカシングを制御する測距制御手段である。44は、撮影レンズ10のズーミングを制御するズーム制御手段である。46は、バリアとしての保護手段102の動作を制御するバリア制御手段である。48はフラッシュであり、AF補助光の投光機能、および、フラッシュ調光機能を有する。露光制御手段40および測距制御手段42は、TTL方式を用いて制御されている。システム制御回路50は、画像処理回路20による撮像画像(画像データ)の演算結果に基づいて、露光制御手段40および測距制御手段42を制御する。
50は、撮像装置100(画像処理装置)の全体を制御するシステム制御回路(制御手段)である。システム制御回路50は、インターバル撮影手段50a(撮影制御手段)、比較明合成手段50b(合成手段)、画像処理手段50c、および、表示制御手段50dを有する。インターバル撮影手段50aは、撮像素子14を用いて複数の画像を順次撮影する。比較明合成手段50bは、インターバル撮影手段50aにより順次撮影された複数の画像に対して、順次、比較明合成処理(合成処理)を行う。比較明合成処理とは、インターバル撮影手段50aにより順次撮影された画像に対して順次合成処理を行う際に、画像を比較して信号レベルの低くない方を選択的に用いて合成画像を生成する処理である。
画像処理手段50cは、インターバル撮影手段50aにより順次撮影されるタイミングに同期して、比較明合成手段50bにより順次生成される合成画像(合成途中画像)に対して、所定の画像処理を行う。所定の画像処理とは、例えば、合成画像のオプティカルブラック値に基づく補正処理である。表示制御手段50dは、インターバル撮影手段50aによる複数の画像の撮影中に、比較明合成手段50bにより順次生成される画像処理手段50cによる補正処理後の合成画像(合成途中画像、第1の合成画像)を画像表示部28(表示手段)に表示させる。
52は、システム制御回路50の動作用の定数、変数、プログラムなどを記憶するメモリである。54は、システム制御回路50によるプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声などを用いて動作状態やメッセージなどを表示する液晶表示装置やスピーカーなどを備えて構成される表示部である。表示部54は、撮像装置100(画像処理装置)の操作部近傍の視認し易い位置に設置され、例えばLCDやLED、発音素子などの組み合わせにより構成されている。また表示部54は、その一部の機能が光学ファインダ104内に設置されている。
表示部54の表示内容のうち、LCDなどに表示される内容としては、シングルショット/連写撮影表示、セルフタイマー表示、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示がある。また、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、フラッシュ表示、赤眼緩和表示、マクロ撮影表示も可能である。更に、ブザー設定表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体200及び210の着脱状態表示、通信I/F動作表示なども可能である。また表示部54の表示内容のうち、光学ファインダ104内に表示するものとしては、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示などがある。56は、電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROMを用いて構成される。
60、62、64、66、70、72、74は、システム制御回路50の各種の動作指示を入力するための操作手段である。これらの操作手段は、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置などの単数または複数の組み合わせにより構成される。以下、これらの操作手段について具体的に説明する。
60はモードダイアルスイッチである。モードダイアルスイッチ60は、電源オフ、静止画撮影モード、パノラマ撮影モード、動画撮影モード、スナップ動画撮影モード、再生モード、マルチ画面再生、PC接続モード、テレビ受信モードなどの各機能モードを切り替え設定することができる。62は第1シャッタースイッチ(SW1)である。第1シャッタースイッチ62は、シャッターボタンの操作途中でONとなり、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理などの撮影準備動作開始を指示する。
64は第2シャッタースイッチ(SW2)である。第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタンの操作完了でONとなり、一連の処理の動作開始を指示する。この一連の処理において、まず、撮像素子14から読み出された信号(画像データ)をA/D変換器16およびメモリ制御回路22を介してメモリ30に書き込む画像取り込み処理が行われる。また、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理、および、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮処理を行う処理が行われる。そして、記録媒体200または記録媒体210に画像データを書き込む記録処理が行われる。
66は、表示切替スイッチであり、画像表示部28の表示切替を行うことができる。この機能により、光学ファインダ104を用いて撮影を行う際に、TFT−LCDなどを備えて構成される画像表示部28への電流供給を遮断して省電力を図ることが可能となる。70は、各種ボタンやタッチパネルなどを備えて構成される操作部である。操作部70は、メニューボタン、セットボタン、マクロボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマー切り替えボタンなどを備えている。また操作部70は、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動−(マイナス)ボタン、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像−(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタンなども備えている。
72は、ユーザが撮像画像の倍率変更の指示を行うズーム操作手段としてのズームスイッチである。ズームスイッチ72は、撮像画角を望遠側に変更させるテレスイッチ、および、撮像画角を広角側に変更させるワイドスイッチを備えて構成される。ズームスイッチ72を操作は、ズーム制御手段44に撮影レンズ10の撮像画角の変更を指示して光学ズーム操作を行うためのトリガとなる。また、ズームスイッチ72の操作は、画像処理回路20による画像の切り出しや、画素補間処理などによる撮像画角の電子的な変更のトリガともなる。74は、動画再生指示部である。動画撮影後の所定期間内に動画再生指示部74を操作することにより、撮影動画の再生を開始することができる。
80は電源制御手段である。電源制御手段80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路などを備えて構成されており、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また電源制御手段80は、それらの検出結果およびシステム制御回路50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200、201を含む各部へ供給する。82、84はそれぞれコネクタである。86は、アルカリ電池やリチウム電池などの一次電池、または、NiCd電池、NiMH電池、Li電池などの二次電池、および、ACアダプターなどを備えて構成される電源手段である。
90、94は、メモリカードやハードディスクなどの記録媒体とのインタフェース(I/F)である。92、96は、メモリカードやハードディスクなどの記録媒体と接続を行うコネクタである。なお本実施例において、記録媒体を取り付けるインタフェースおよびコネクタを2系統有する場合について説明しているが、これに限定されるものではない。記録媒体を取り付けるインタフェースおよびコネクタは、単数または2以外の複数の系統を備えていてもよい。また、異なる規格のインタフェースおよびコネクタを組み合わせた構成としても構わない。インタフェースおよびコネクタとして、SDカード、PCMCIAカード、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カードなどの規格に準拠したものを用いて構成することもできる。このような構成において、LANカード、モデムカード、USBカード、IEEE1394カード、SCSIカード、PHSなどの通信カードなどの各種通信カードを接続する。これにより、他のコンピュータやプリンタなどの周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を双方向に転送することができる。
102は、撮像装置100の撮影レンズ10を含む撮像部を覆うことにより、撮像部の汚れや破損を防止する保護手段(バリア)である。104は光学ファインダである。撮像装置100は、画像表示部28による電子ファインダ機能を用いることなく、光学ファインダ104のみを用いて撮影を行うことが可能である。また、光学ファインダ104には、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示など、表示部54の一部の機能が設けられている。
110は通信手段である。通信手段110は、USB、IEEE1394、LAN、無線通信などの各種通信機能を有する。112は、通信手段110により撮像装置100(画像処理装置)を他の機器と接続するコネクタまたは無線通信を用いる場合のアンテナである。200は、メモリカードやハードディスクなどの記録媒体である。記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスクなどを備えて構成される記録部202、撮像装置100とのインタフェース204(I/F)、および、撮像装置100と接続を行うコネクタ206を備えている。210は、メモリカードやハードディスクなどの記録媒体である。記録媒体210は、半導体メモリや磁気ディスクなどを備えて構成される記録部212、撮像装置100とのインタフェース214、および、撮像装置100と接続を行うコネクタ216を備えている。
なお、本実施例の撮像装置100は、撮影レンズ10を一体化して構成されているが、これに限定されるものではない。本実施例は、撮像装置本体と、撮像装置本体に着脱可能な撮影レンズ(撮像光学系)とを組み合わせて構成される撮像システムにも適用可能である。
次に、本実施例における比較明合成処理について説明する。撮影機能の一つとして、デジタルカメラを三脚に固定した状態でインターバル撮影を行って得られた複数枚の静止画を撮影し、合成画像を作成する手法がある。具体的には、撮影画面内を移動している蛍の光跡を映しこんだ写真や、地球の日周運動に起因する夜空を移動する星の光跡を表現した写真を作成するため、比較明合成処理が行われる場合がある。
本実施例における比較明合成処理は、以下の手順で行われる。まず、ユーザの指示に従って、インターバル撮影を開始する。撮影を開始すると、複数枚撮影の最初の静止画(1枚目の画像)を撮影し、合成用に用意したメモリ領域(メモリ30)に基準画像として格納する。次に、インターバル撮影の2枚目の静止画(2枚目の画像)を撮影し、2枚目の静止画を、合成用メモリ領域に格納された1枚目の静止画と比較する。具体的には、対応する画素の輝度を比較し、輝度が低くない方の画素の値を合成用メモリ領域に書き戻す。この処理を全画素について行い、合成用メモリ領域に1枚目の静止画と2枚目の静止画との合成画像を保持させる。その後、3枚目以降の静止画(画像)については、合成用メモリ領域の合成画像と処理すべき静止画の対応する画素の輝度を比較し、輝度が低くない方の画素を合成用メモリ領域に書き戻す処理を全画素について行う。処理すべき全ての静止画について上記工程を繰り返すことで、順次、画像合成処理を行う。
デジタルカメラのインターバル撮影により得られた多数枚の静止画を用いて上記のような比較明合成処理を行うことで、あたかも長時間露光を行ったような合成画像が得られる。
しかし、多数枚の静止画の撮影時間が長時間になるに従い、撮像素子14の暗電流が増加し、撮像センサに光が当たっていない画素からも画素信号が出力されてしまう。その結果、前述の比較明合成処理を行うと、合成画像の暗い部分が徐々に信号値を持って浮いてきてしまう(黒浮き現象)という課題が生じた。
そこで、撮像素子14の暗電流対策として黒引き処理を行う。黒引き処理とは、撮影の前後で実際に撮像素子14を使用して本撮影と暗黒撮影を行い、減算処理を行うことにより本撮影で撮影した画像から暗電流で発生した信号分を差し引く処理である。具体的には、まず本撮影(本画像の撮影)を行う。続いて、本撮影と同じ露光時間および露光感度などを同条件に揃えて撮像素子を遮光して暗黒撮影を行う。これにより、撮像素子14からの信号の暗電流分を導出し、先に撮影した本撮影から減算処理を行うことにより黒引き処理が行われる。しかし、前述のとおり、蛍の光跡の撮影や星の光跡の撮影でこの黒引き処理のための遮光状態での暗黒撮影を行うと、暗黒撮影を行う時間帯の光跡の画像をデジタルカメラに取り込むことができない。このため、蛍の光跡や星の光跡が途切れて撮影されてしまう。その結果、蛍の光跡や星の光跡が破線状になってしまうため、比較明合成処理を行うインターバル撮影では撮影毎に黒引き処理を行うのは好ましくない。
そこで、本実施例におけるデジタルカメラ(撮像装置100)においては、上記現象を軽減するため、本画像(撮影記録画像)に対して比較明合成を行うインターバル撮影が終了したときに、暗黒撮影を行って黒画像(第2の画像)を取得する。そして、比較明合成画像との間で黒引き処理を行う。すなわちインターバル撮影手段50aは、複数の画像を撮影した後に、撮像素子14を遮光した状態で第2の画像を撮影する。そして画像処理手段50cは、第2の合成画像から第2の画像を減算する黒引き処理を行う。この処理を行うことにより、最終的に残される比較明合成画像については黒浮き現象が低減される。
また本実施例では、インターバル撮影を行っている間、表示部に比較明合成の途中画像(合成画像)を表示させることで、撮影及び画像処理の経過を確認できるようにしている。しかし、合成途中の画像に対しては暗黒撮影を行うことができない。そこで、本実施例ではさらに、本画像(撮影記録画像)の撮影であるインターバル撮影の前に暗黒撮影を行って得られる黒画像(第1の画像)を用いて比較明合成の途中画像に対して減算処理を行い、黒浮き現象を低減させる。
しかし、比較明合成の途中画像は、比較明合成を行うインターバル撮影の撮影枚数が増加するに従い、徐々に暗電流も増え、黒浮きしてきてしまう。そこで本実施例では、比較明合成の途中画像について、各撮影で取得される撮像素子14上の有効画素領域の外側に配され、撮影時は常に遮光状態にあるOB(オプティカルブラック)領域から求めた暗電流の値(OB値)の減算処理(OB減算)を行う。この減算処理は、比較明合成の途中画像を表示用画像に処理する前に行われる。このことにより、表示画像の黒浮きを低減する。このため、より好ましい比較明合成の途中画像(合成画像)を表示することができる。
この場合、OB領域から求められた暗電流の値を減算するだけでなく、例えば、撮影開始前に予め暗黒撮影した画像から減算処理を行ってもよい。または、色変換処理回路を利用して任意に画像処理を行っても同様な効果を得ることができる。
図2を参照して、本実施例における撮像装置100の制御方法(画像処理方法)について説明する。図2は、撮像装置100の制御方法(画像処理方法)を示すフローチャートである。図2のステップS105〜S108のフローは、本実施例における途中画像の経過観察用画像にOB減算して表示するシーケンスである。図2の各ステップは、システム制御回路50の指令あるいはシステム制御回路50の指示に従って各部で実行される。
まずステップS101において、システム制御回路50は、インターバル撮影を行う前に、撮像素子14を遮光した状態での暗黒撮影を行い、黒画像(黒引き画像、第1の画像)をメモリ領域に格納する。この黒画像はインターバル撮影の途中経過を確認するための途中画像に見えてしまう画素傷などを見えにくくするために、後のステップにて各撮影画像から減算される。続いてステップS102において、システム制御回路50は、ユーザの指示に従ってインターバル撮影を開始する。これにより、インターバル撮影手段50aは、順次、複数の画像が撮影される。なおインターバル撮影の詳細については、図3を参照して後述する。並行して、ステップS103において、システム制御回路50(比較明合成手段50b)によって、インターバル撮影で得られた複数の画像に対して比較明合成処理が進められる。なお、本実施例における比較明合成処理の詳細については、図4を参照して後述する。
次に、ステップS104において、システム制御回路50は、インターバル撮影の終了動作が行われてインターバル撮影が終了したか、あるいは設定された時間が経過してインターバル撮影が終了したか否かを判定する。インターバル撮影が終了した場合、ステップS109に移行する。一方、ステップS104にてインターバル撮影が終了していない場合、システム制御回路50は、インターバル撮影を続行する。そしてステップS105において、システム制御回路50は、途中画像表示機能がオンに設定されているか否か、すなわち途中画像表示を行うように設定されているか否かを判定する。途中画像表示を行うように設定されていない場合、ステップS102に戻り、システム制御回路50はインターバル撮影を続行する。一方、レックビュー用画像表示を行うように設定されている場合、ステップS106に移行する。ここで、インターバル撮影自体は途中用画像の表示の有無に関わらず一定の間隔で撮影が行われなければならないので、S105〜S108とS102の処理は並行して行われていてもよい。
ステップS106において、システム制御回路50は、途中画像を作成する。このとき、システム制御回路50(画像処理手段50c)は、比較明合成手段50bにより生成された合成画像に対して、オプティカルブラック値(OB値)に基づく補正処理(所定の画像処理)を行う。この補正処理は、インターバル撮影手段50aにより順次撮影されるタイミングに同期して行われる。より具体的には、システム制御回路50は、インターバル撮影で得られた画像のOB領域からOB値を読み出し、撮影画像(画像信号)からそのOB値を減算することにより、合成画像に対してOB値に基づく補正処理を行う(OB減算を行う)。続いてステップS107において、システム制御回路50は、ステップS106にて減算処理された画像に対して現像処理を行う。続いてステップS108において、システム制御回路50は、ステップS107にて現像処理した画像をLCD(Liquid Crystal Display)(画像表示部28)に表示するためのサイズに縮小(リサイズ)する。そして、縮小画像(リサイズした画像)を画像表示部28に表示させる。すなわちシステム制御回路50(表示制御手段50d)は、画像処理手段50cによる画像処理後の途中合成画像を画像表示部28に表示させる。縮小画像を表示した後、ステップS102に戻る。
ステップS104にてインターバル撮影が終了した場合、ステップS109において、システム制御回路50は、暗黒撮影を行って本画像(記録画像)の黒引き処理のための黒画像(黒引き画像)をメモリ領域に格納する。これは、撮影終了時は処理に時間の余裕があるためである。続いてステップS110において、システム制御回路50は、比較明合成画像から黒引き処理を行い、画像の黒浮きを低減する。そしてステップS111において、システム制御回路50は、比較明合成画像に対して現像処理を行い、その画像を最終の比較明合成画像とする。これにより本フローは終了する。図2に示されるシーケンスにより、ユーザは比較明合成の途中画像を確認することができ、より使い勝手が向上する。
次に、図3を参照して、本実施例におけるインターバル撮影(図2のステップS102)について詳述する。図3は、インターバル撮影を示すフローチャートである。図3のフローチャートは、インターバル撮影のメインルーチンであり、インターバル撮影を行いつつ比較明合成処理を開始するタイミングなどを示している。図3の各ステップは、主にシステム制御回路50(インターバル撮影手段50a)により実行される。
まずステップS201において、システム制御回路50は、合成処理中フラグを初期化する。続いてステップS202において、システム制御部50は、一連のインターバル撮影を行う前にフォーカス情報や露出情報(露出条件)などを確定して設定する。1回のインターバル撮影における2枚目以降の撮影の際にはステップS202はスルーされる。合成処理中フラグは、「比較明合成処理」が実行中であるか否かを示すフラグである。
次にステップS203において、システム制御回路50は、インターバル撮影間隔の計測を開始する。この処理は、インターバル撮影間隔の計測を行うために内部タイマを作動させる処理である。続いてステップS204において、システム制御回路50は、露光制御手段40を用いて露光処理を行う。露光処理は、撮像素子14の露光を行う処理である。このとき、比較明合成処理が同時に行われている可能性がある。このためシステム制御回路50は、露光が完了した場合でも、すぐに撮像素子14からのデータ読み出しを行わない。
続いてステップS205において、システム制御回路50は、合成処理中フラグがセットされているか否かを判定する。すなわちシステム制御回路50は、一連のインターバル撮影処理で前回撮影された画像の合成処理が終了しているか否かを、プログラム内の変数を参照して判定する。前回撮影された画像の合成処理が終了しておらず、合成処理中フラグがセットされた状態である場合(ステップS205にて「Yes」の場合)、合成処理が終了するまで待機する。一方、前回撮影された画像の合成処理が終了して、合成処理中フラグがクリアされた状態である場合(ステップS205にて「No」の場合)、ステップS206に移行する。
次にステップS206において、システム制御回路50は、メモリ制御回路22(タイミング発生回路18)を制御して撮像センサ(撮像素子14)からデータを読み出す。この処理は、撮像センサの露光により得られる画像を撮像センサから読み出してメモリ領域(メモリ30)へ格納する処理である。またこのとき、同時にステップS101にて取得しメモリに記憶されている黒画像(第1の画像)を読み出した画像から減算する黒引き処理を行う。すなわち画像処理手段50cは、インターバル撮影手段50aにより複数の画像の撮影前に撮像素子14が遮光された状態で撮影された第1の画像を、インターバル撮影手段50aにより順次撮影される画像毎に減算する黒引き処理を行う。これにより、各画像に存在する画素傷やノイズ成分が合成後の画像に表れるのを軽減させることができる。
続いてステップS207において、システム制御回路50は、合成処理中フラグをセットする。この処理は、他のプログラムにおいて合成処理が実行中であるか否かを判定するための合成処理中フラグをプログラム内の変数としてセットする処理である。
続いてステップS208において、システム制御回路50は、比較明合成処理を開始する。比較明合成処理は、マルチタスクにより、インターバル撮影と並行して実行される。比較明合成処理の詳細については後述する。
続いてステップS209において、システム制御回路50は、インターバル撮影を終了させる操作が行われたか否かを判定する。インターバル撮影を終了させる操作がユーザから指示された場合、インターバル撮影時間を経過した場合、または、電池が所定値以上に消耗した場合などにおいて(ステップS209にて「Yes」の場合)、システム制御回路50はインターバル撮影を終了させる。一方、インターバル撮影を終了させる操作が行われていない場合であって、トータルのインターバル撮影時間が経過しておらず、かつ、次の撮影タイミングがきていない場合(ステップS209にて「No」の場合)、インターバル撮影時間が経過するまで待機する。そして、インターバル撮影時間が経過して次の撮影タイミングが訪れた場合、ステップS203に戻り、インターバル撮影時間の計測を開始し、次の画像を撮影する。
次に、図4を参照して、本実施例における比較明合成処理(図2のステップS103)について詳述する。図4は、比較明合成処理を示すフローチャートである。図4の各ステップは、システム制御回路50の指令に基づいて実行される。
まずステップS301において、システム制御回路50は、撮影が1枚目の撮影であるか否かを判定する。この処理は、合成用のワークメモリとして利用するメモリ領域を判定するために実行される処理である。この判定は、一般的には、撮影枚数カウンタを設けて判定される。撮影枚数カウンタは、インターバル撮影を開始した後の最初の撮影時に初期化される。ステップS301にて撮影が1枚目の撮影であると判定された場合、システム制御部50は、1枚目の撮影画像用のワークメモリ領域(メモリ30)に画像を記憶させる。一方、撮影が2枚目以降の撮影である場合、ステップS303に移行する。
ステップS303において、システム制御回路50は、撮影画像を、1枚目のワークメモリ領域とは異なるワークメモリ領域(メモリ30)に記憶させる。続いてステップS304において、システム制御回路50は、1枚目の撮影画像および2枚目の撮影画像を用いて比較明合成の処理を行う。本実施例において、比較明合成した画像は、1枚目のワークメモリ領域に上書きされる。続いてステップS305において、システム制御回路50は、撮影枚数カウンタをインクリメント(+1)する。そしてステップS306において、システム制御回路50は、合成処理フラグをクリアして、本フローを終了する。
以上のように、本実施例では、インターバル撮影に依って得られる画像を合成して表示、記録する画像処理装置であって、記録画像に対してはインターバル撮影後に取得される黒画像によって黒引き処理を行う。これにより、画素傷や暗電流の影響を軽減した画像を生成している。また、インターバル撮影中に途中画像を表示する場合、インターバル撮影前に取得した黒画像によって撮影画像を黒引き処理をすることで、途中画像での画素傷などの影響を軽減することができる。また、途中画像(撮影が終わった画像までが合成された合成画像)に対してオプティカルブラック値に基づく補正処理(所定の画像処理)を行うことで、途中画像での暗電流による黒浮きの影響を軽減することができる。
本実施例において、画像処理手段50cによる所定の画像処理はオプティカルブラック値に基づく補正処理であるが、これに限定されるものではない。例えば、所定の画像処理として、合成画像に対する色変換処理を行ってもよい。
より好ましくは、比較明合成手段50bは、インターバル撮影手段50aにより順次撮影された複数の画像のうち、1枚目の画像および2枚目の画像を用いて比較明合成処理を行い、比較明合成処理の結果を第1の合成画像としてメモリ30に記憶させる。そして3枚目の画像に関しては、この画像およびメモリ30に記憶された合成画像(第1の合成画像)を用いて比較明合成処理を行い、比較明合成処理の結果を第2の合成画像としてメモリ30に記憶させる。このように、システム制御回路50(記憶制御手段)は、複数の画像が合成された第2の合成画像をメモリ30(記憶手段)に記憶させる。なお、4枚目以降の画像に関しても同様に、この画像およびメモリ30に記憶された合成画像(1〜3枚目の画像を合成した画像)を新たに合成画像として更新する。
好ましくは、表示制御手段50dは、インターバル撮影手段50aにより順次撮影されるタイミングに同期して、インターバル撮影手段50aの処理を停止させることなく、画像処理後の合成画像を画像表示部28に表示させる。また好ましくは、画像処理手段50cは、メモリ30に記憶された合成画像に対して所定の画像処理を行う。
[その他の実施形態]
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウエア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、撮像装置の制御方法の手順が記述されたコンピュータで実行可能なプログラムおよびそのプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成する。
本実施例によれば、インターバル撮影中に比較明合成処理を行って高品位な合成画像を表示可能な撮像装置、撮像システム、撮像装置の制御方法、プログラム、および、記憶媒体を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。