JP6274024B2 - 車両のアクセルペダル制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アクセルペダルの踏込量に応じた反力を設定する車両のアクセルペダル制御装置に関する。
従来より、ドライブ・バイ・ワイヤ式エンジンを搭載した車両の場合、アクセルペダルとスロットルバルブや燃料噴射装置等の出力制御機器とがケーブルによって接続されていないため、電動式アクチュエータによって踏込量に応じた反力を乗員に付与している。
アクセルペダルの踏込量と反力とは概ね比例関係を有するように設定されているため、乗員はアクセルペダルから付与される反力によってアクセルペダルの踏込量を認識することが一般的である。それ故、アクセルペダルの反力を変化させることにより、乗員の好みや走行環境に応じて乗員によるアクセルペダルの踏込操作を誘導するような反力制御装置が提案されている。
特許文献1の反力制御装置は、アクセルペダルに反力を付与するリターンスプリングと、リターンスプリングの他方のバー部に当接する突起を有するリターンスプリングストッパと、リターンスプリングストッパを回動するステッピングモータと、ステッピングモータを制御する電子制御装置とを備え、低μ路のとき、電子制御装置がアクセルペダルの反力を大きくしている。これにより、路面状態に合致した反力を与えながら乗員によるアクセルペダルの過剰踏込の抑制を図っている。
特開平5−231194号公報
しかし、特許文献1の反力制御装置では、人間四肢の力学特性、所謂人間の関節粘弾性特性が考慮されていないため、人体工学上、種々の走行環境や個人差に適合したアクセルペダルの反力特性を得ることができない。
即ち、市街地走行のようにアクセルペダルを頻繁に緩加速操作するような走行環境と、山岳路のようにアクセルペダルを頻繁に急加速操作するような走行環境とを比較した場合、乗員によるアクセルペダルの操作状況が異なっているにも拘らず、同じ踏込量であれば、その踏込量で規定された同じ反力がアクセルペダルから付与される。それ故、早く踏み込みたいという乗員の意思(急加速操作)に反して、アクセルペダルが重くて踏込めない状況、それとは反対に、丁寧に踏み込みたいという乗員の意思(緩加速操作)に反して、アクセルペダルが軽過ぎて踏込過剰な状況が生じる虞があり、乗員に違和感や負担が生じる虞があった。
本発明の目的は、人間の関節粘弾性特性を考慮したアクセルペダル反力特性を設定することにより、乗員の負担と違和感を軽減することができる車両のアクセルペダル制御装置等を提供することである。
請求項1の車両のアクセルペダル制御装置は、アクセルペダルの踏込量に応じた反力を設定する反力設定手段を備えた車両のアクセルペダル制御装置において、前記アクセルペダルの踏込速度を検出する踏込速度検出手段を備え、前記反力設定手段は、前記踏込速度検出手段によって検出された踏込速度が速いとき、踏込速度が遅いときに比べて踏込側反力が小さく且つ踏戻側反力が大きくなると共に踏込側反力と踏戻側反力との間のヒステリシスが小さくなるように反力特性を設定することを特徴としている。
この車両のアクセルペダル制御装置では、踏込速度が速いとき、踏込速度が遅いときに比べて踏込側反力が小さく且つ踏戻側反力が大きくなると共に踏込側反力と踏戻側反力との間のヒステリシスが小さくなるように反力特性を設定するため、アクセルペダルの反力特性を人間の関節粘弾性特性を考慮した傾向にすることによって走行環境や乗員の運転意思に適合させることができ、乗員の負担と違和感を軽減することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記反力設定手段は、踏込速度一定の場合において、踏込量が大きいとき、踏込量が小さいときに比べて反力が小さくなるように前記反力特性を設定することを特徴としている。
これにより、乗員が早く踏み込みたいときに乗員の踏力を低減でき、反力特性を運転意思に適合させることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記反力設定手段は、アクセルペダルの踏込量軸と、アクセルペダルの踏込速度軸と、反力軸との3軸によって規定される三次元マップを備えたことを特徴としている。
これにより、走行シーン間の移行に伴う過渡補正等の制御負荷を低減することができ、構成の簡単化を図ることができる
本発明の車両のアクセルペダル制御装置によれば、人間の関節粘弾性特性を考慮したアクセルペダル反力特性を設定することにより、乗員の負担と違和感を軽減することができる。
実施例1に係る車両のアクセルペダル制御装置のブロック図である。 アクセルペダルと反力制御機構の概略図である。 三次元マップを示す図である。 三次元マップのF−S特性を説明する図であって、(a)は踏込速度VaのときのF−S特性のグラフ、(b)は踏込速度VbのときのF−S特性のグラフ、(c)は踏込速度VcのときのF−S特性のグラフを示している。 三次元マップのF−V特性を説明する図であって、(a)は踏込量SaのときのF−V特性のグラフ、(b)は踏込量SbのときのF−V特性のグラフ、(c)は踏込量ScのときのF−V特性のグラフを示している。 制御装置の制御手順を示すフローチャートである。 検証実験の説明図である。 検証実験の結果を示すグラフである。 検証実験の結果を示す別のグラフである。 乗員が認識する知覚反力特性を示すグラフである。 実施例2に係る三次元マップのF−V特性を説明するグラフである。 乗員が認識する知覚反力特性を示すグラフである。 実施例3に係る三次元マップのF−V特性を説明するグラフである。 乗員が認識する知覚反力特性を示すグラフである。 実施例4に係る三次元マップのF−V特性を説明するグラフである。 乗員が認識する知覚反力特性を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明は、本発明を車両に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
以下、本発明の実施例1について図1〜図10に基づいて説明する。
図1に示すように、制御装置1は、ECU(Electronic Control Unit)2を備えている。ECU2は、CPU、ROM、RAM等からなる電子制御ユニットであり、ROMに記憶されているアプリケーションプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することにより各種演算処理を行っている。
ECU2は、アクセルペダル3の踏込操作量(以下、踏込量という)Sを検出する踏込量センサ4と、アクセルペダル3の踏込速度Vを検出する踏込速度センサ5(踏込速度検出手段)と、車両の走行速度を検出する速度センサ6と、車両に作用するヨーレートを検出するヨーレートセンサ7と、車両の走行加速度を検出する加速度センサ8と、ナビゲーションシステム9と、車両走行部10と、反力制御機構11等に電気的に接続されている。
図2に示すように、アクセルペダル3は、車体に対して回動可能に保持され、その踏込操作によって乗員によるエンジン出力の増減意図が入力される。
踏込量センサ4は、アクセルペダル3又は回転軸31に設けられ、その回動量からアクセルペダル3の踏込ストローク、所謂踏込量Sを検出する。踏込量センサ4で検出されたアクセルペダル3の踏込量Sは、ECU2に入力される。尚、乗員の踏込みによる踏力が作用しない場合、アクセルペダル3は、アクセルペダル3に連結されたリターンスプリング32によって踏込量Sが零の初期位置に戻るように付勢されている。
踏込速度センサ5は、アクセルペダル3の回転軸31に設けられ、その回転速度からアクセルペダル3の踏込速度Vを検出する。踏込速度センサ5で検出されたアクセルペダル3の踏込速度Vは、ECU2に入力される。
速度センサ6、ヨーレートセンサ7、加速度センサ8は、各々の検出結果をECU2に出力している。
ナビゲーションシステム9は、車両の経路案内を行うシステムである。
図1に示すように、ナビゲーションシステム9には、車両の現在位置を検出するためのGPS受信部12が電気的に接続されている。GPS受信部12は、複数のGPS衛星からの信号を受信することで車両の現在位置を検出する。また、ナビゲーションシステム9は、道路地図データを記憶した地図データベース9aと、交通規則データを記憶した交通規則データベース(図示略)とを備えている。
ナビゲーションシステム9は、GPS受信部12による車両の現在位置データ、地図データベース9aの道路地図データ及び交通規則データベースの交通規則データを利用して運転者に目的地までの経路案内を行う。
これにより、ナビゲーションシステム9は、車両の現在位置データ、道路地図データ、及び交通規則データをECU2に出力する。
車両走行部10は、車両の走行制御を実行するための駆動機構や操舵機構である。
この車両走行部10は、エンジン制御部、ステアリングアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及びシフトアクチュエータ(何れも図示略)等によって構成されている。車両走行部10は、ECU2の出力信号に応じて車両の走行制御を実行する。
図2に示すように、反力制御機構11は、第1,第2摩擦部材41,42と、電磁式アクチュエータ43等を備えている。
第1摩擦部材41は回動軸31の一端部に固着され、第2摩擦部材42が第1摩擦部材41に臨む状態で配設されている。第2摩擦部材42は、回動軸31の軸心延長上に配設された保持軸44に対して、回転不能且つ軸心方向に相対移動可能に保持されている。
アクチュエータ43は、第1,第2摩擦部材41,42を圧接状態と離隔状態との間において相対位置関係を変更し、圧接時における圧接力を調整可能に構成されている。
図1に示すように、ECU2は、走行制御部21と、反力設定部22(反力設定手段)とを備えている。
走行制御部21は、アクセルペダル3の踏込量Sと速度センサ6によって検出された車速に基づいてエンジンの出力を制御すると共に走行状態とエンジンの運転状態とに基づいて変速機の変速比を選択可能に構成されている。変速機で減速されたエンジンの出力はドライブシャフト(図示略)を介して駆動輪に伝達される。
反力設定部22は、踏込速度センサ5によって検出された踏込速度Vが速いとき、踏込速度Vが遅いときに比べて乗員の踏力に対抗する反力Fが小さくなるようにアクセルペダル3の反力特性を設定可能に構成されている。この反力設定部22は、設定された反力特性に基づいて、踏力に対する所定の反力Fを生じるようにアクチュエータ43によって第1,第2摩擦部材41,42の圧接力を制御している。
反力設定部22は、乗員によるアクセルペダル3の踏込量Sと踏込速度Vとアクセルペダル3の反力Fとによって規定された三次元マップMを格納している。この反力設定部22では、三次元マップMに基づいてアクセルペダル3の反力特性を設定している。
尚、本実施例では、スポーツタイプの車両の三次元マップMを例として説明する。
図3に示すように、三次元マップMは、アクセルペダル3の踏込量Sに相当するS軸(縦軸)と、アクセルペダル3の踏込速度Vに相当するV軸(横軸)と、反力Fに相当するF軸(高さ軸)との3軸によって立体状に規定されている。
定車速走行に代表される車速コントロールシーンにおいて主に用いられる踏込速度Va、信号機が多い市街地走行に代表される緩加速シーンにおいて主に用いられる踏込速度Vb(Va<Vb)、山岳走行に代表される急加速シーンにおいて主に用いられる踏込速度Vc(Vb<Vc)としたとき、各々の踏込速度Va,Vb,Vcにおける反力Fと踏込量Sとの相関特性(以下、F−S特性という)を図4(a)〜図4(c)に示す。
三次元マップMのF−S特性は、ウェバー・フェフナー(Weber-Fechner)の法則に基づいて微妙な踏込領域についての反力Fを指数関数的に設定することにより、アクセルペダル3の操作感覚が乗員の知覚特性に沿うように設定している。
図4(a)に示すように、踏込速度VaにおけるF−S特性において、踏込側反力特性は、微小踏込量S1まではアクセルペダル3の踏込操作の増加に応じて反力F1まで急激に増大するように設定され、踏込量S2(S1<S2)まではアクセルペダル3の踏込操作の増加に応じて反力F2まで除々に増加するように設定されている。反力F2から踏込量S3(S2<S3)の反力F5までは、キックダウン特性として急激な反力増加特性が設定されている。また、踏戻側反力特性は、微小踏込量S1まではアクセルペダル3の踏戻の増加に応じて反力F3まで急激に増大するように設定され、踏込量S2まではアクセルペダル3の踏戻の増加に応じて反力F4まで除々に増加するように設定されている。
図4(b)に示すように、踏込速度VbにおけるF−S特性において、踏込側反力特性は、微小踏込量S1まではアクセルペダル3の踏込操作の増加に応じて反力F6まで急激に増大するように設定され、踏込量S2まではアクセルペダル3の踏込操作の増加に応じて反力F7まで除々に増加するように設定されている。反力F7から踏込量S3の反力F10までは、キックダウン特性として急激な反力増加特性が設定されている。また、踏戻側反力特性は、微小踏込量S1まではアクセルペダル3の踏戻の増加に応じて反力F8まで急激に増大するように設定され、踏込量S2まではアクセルペダル3の踏戻の増加に応じて反力F9まで除々に増加するように設定されている。
尚、反力F6,7,10は対応する図4(a)の反力F1,2,5よりも夫々小さく設定され、最大踏込量Sにおける踏込速度VbのF−S特性のヒステリシスは踏込速度VaのF−S特性のヒステリシスよりも小さく設定されている。
図4(c)に示すように、踏込速度VcにおけるF−S特性において、踏込側反力特性は、微小踏込量S1まではアクセルペダル3の踏込の増加に応じて反力F11まで急激に増大するように設定され、踏込量S2まではアクセルペダル3の踏込の増加に応じて反力F12まで除々に増加するように設定されている。反力F12から踏込量S3の反力F15までは、キックダウン特性として急激な反力増加特性が設定されている。また、踏戻側反力特性は、微小踏込量S1まではアクセルペダル3の踏戻の増加に応じて反力F13まで急激に増大するように設定され、踏込量S2まではアクセルペダル3の踏戻の増加に応じて反力F14まで除々に増加するように設定されている。
尚、反力F11,12,15は対応する図4(b)の反力F6,7,10よりも夫々小さく設定され、最大踏込量Sにおける踏込速度VcのF−S特性のヒステリシスは踏込速度VbのF−S特性のヒステリシスよりも小さく設定されている。
三次元マップMの反力Fと踏込速度Vとの相関特性(以下、F−V特性という)は、所定の走行シーンに適合した人間の関節粘弾性特性に基づいて設定されている。
アクセルペダル3の踏込初期に対応した微小な踏込量Sa、スロットル中開度に対応した踏込量Sb(Sa<Sb)、スロットル全開操作近傍に対応した踏込量Sc(Sb<Sc)としたとき、各々の踏込量Sa,Sb,ScにおけるF−V特性を図5(a)〜図5(c)に示す。
図5(a)に示すように、踏込量SaにおけるF−V特性は、上方に凸状に設定され、踏込速度Vが大きい程反力Fが小さくなるように設定されている。
踏込速度V1のときの反力F21は踏込速度V2(V1<V2)のときの反力F22よりも大きく、反力F22は踏込速度V3(V2<V3)のときの反力F23よりも大きく設定されている。
図5(b)及び図5(c)に示すように、踏込量Sb及び踏込量ScにおけるF−V特性は、上方に凸状に設定され、踏込速度Vが大きい程乗員の踏力に対するアクセルペダル3の反力Fが小さくなるように夫々設定されている。
反力F24は反力F21よりも小さく、反力F27は反力F24よりも小さくなるように設定され、反力F25は反力F22よりも小さく、反力F28は反力F25よりも小さくなるように設定され、反力F26は反力F23よりも小さく、反力F29は反力F26よりも小さくなるように設定されている。
次に、図6のフローチャートに基づいて、制御装置1の制御処理について説明する。
尚、Si(i=1,2…)は、各処理のためのステップを示す。
まず、制御装置1では、各種センサ4〜8及びナビゲーションシステム9からの出力を入力し(S1)、S2へ移行する。
S2では、車両が現在走行している走行シーンを判定する。
踏込速度センサ5によって検出された踏込速度Vをパラメータとして走行シーンを判定する。尚、速度センサ6、ヨーレートセンサ7、加速度センサ8等によって走行シーンを判定しても良い。また、ナビゲーションシステム9の地図データベース9aによって走行シーンを判定することも可能である。
S3では、踏込速度Vに適合した反力特性を設定する。
三次元マップMを用いて踏込速度センサ5によって検出された踏込速度Vに対応するF−S特性を選択する。この踏込速度Vに対応したF−S特性が現在走行している走行シーンに適合したアクセルペダル3の反力特性に相当する。
S4では、設定された反力特性から乗員の踏力に対抗する反力Fを設定する。
S3で設定された反力特性(F−S特性)と踏込量センサ4で検出された踏込量Sとを用いて走行シーンに適合すると共に踏込量Sに対応した反力Fを設定する。
S5では、アクセルペダル3の反力を設定された反力Fに制御する。
アクチュエータ43によって第1,第2摩擦部材41,42の圧接状態を調整することにより、アクセルペダル3の反力をS4で設定された反力Fに制御して、S1にリターンする。
次に、本実施例の車両のアクセルペダル制御装置における作用、効果について説明する。
まず、作用、効果の説明に当り、乗員の筋活動と関節の粘性反力との関係を検証する。
図7に示すように、この検証実験では、アクセルペダル3を操作する際、前脛骨筋52と腓腹筋53によって足首50を中心に回転運動を行う足51の回転速度と、足51に作用する粘性反力とを複数の踏込量の踏込操作について計測した。
図8,図9に検証結果を示す。
図8に示すように、足首50の回転速度が低い程足51に作用する粘性反力が高く、足首50の回転速度が高い程足51に作用する粘性反力が低くなるように下方に凸状の変化曲線になる傾向を備えている。
図9に示すように、足首50の筋活動が高くなる程粘性反力が高くなる方向に変化曲線が移行する。尚、筋活動が高い場合を実線、筋活動が中程度の場合を破線、筋活動が低い場合を一点鎖線で示している。
これにより、アクセルペダル3の操作性を検討する場合、低回転速度領域における関節粘弾性の影響と、筋活動による関節粘弾性の変化とを考慮する必要があることが判明した。
この制御装置1によれば、踏込速度Vが速いとき、踏込速度Vが遅いときに比べて反力Fが小さくなるように反力特性を設定するため、アクセルペダル3の踏込速度Vに応じた反力特性を人間の関節粘弾性特性を考慮した傾向にすることによって走行環境や乗員の運転意思に適合させることができ、乗員の負担と違和感を軽減することができる。
アクセルペダル3の踏込速度Vは、人体工学上、関節角速度と同じメカニズムと見做すことができる。それ故、図10に示すように、乗員が認識する知覚反力として、低踏込速度領域では乗員の関節粘弾性特性による反力特性を用いてアクセルペダル3の操縦性(コントロール性)を向上することができ、高踏込速度領域では三次元マップMの反力特性を用いてアクセルペダル3の追従性を向上することができる。
尚、図中、実線が踏込量Scに対応した知覚反力特性、破線が踏込量Sbに対応した知覚反力特性、一点鎖線が踏込量Saに対応した知覚反力特性を夫々示している。
反力設定部22は、踏込速度V一定の場合において、踏込量Sが大きいとき、踏込量Sが小さいときに比べて反力Fが小さくなるように反力特性を設定するため、乗員が早く踏み込みたいときに異なるF−S特性間を移行して乗員の踏力を低減でき、反力特性を運転意思に適合させることができる。
反力設定部22は、アクセルペダル3のS軸と、アクセルペダル3のV軸と、F軸との3軸によって規定される三次元マップMを備えているため、走行シーン間の移行に伴う過渡補正等の制御負荷を低減することができ、構成の簡単化を図ることができる。
次に、実施例2に係る三次元マップMAについて図11,図12に基づいて説明する。
実施例1の三次元マップMは、高踏込速度領域のアクセルペダル3の追従性を向上させたスポーツタイプのマップであるのに対し、実施例2の三次元マップMAは、中踏込速度領域のアクセルペダル3の追従性を向上させたコンフォートタイプのマップである。
尚、実施例1と同様の構成要素については、同一の符号を付している。
図11に示すように、踏込量SaにおけるF−V特性(一点鎖線)は、下方に凸状に設定され、踏込速度Vが大きい程反力Fが大きくなるように設定されている。
踏込量SbにおけるF−V特性(破線)及び踏込量Sc(実線)におけるF−V特性は、踏込量SaにおけるF−V特性と同様の傾向を備えている。踏込量SbにおけるF−V特性は踏込量SaにおけるF−V特性よりも大きく、踏込量ScにおけるF−V特性は踏込量SbにおけるF−V特性よりも大きくなるように設定されている。
尚、踏込量Sa,Sb,Scの関係は、実施例1と同様にSa<Sb<Scである。
図12に示すように、乗員が認識する知覚反力として、低踏込速度領域では乗員の関節粘弾性特性による反力特性を用いてアクセルペダル3の操縦性を向上することができ、中踏込速度領域では三次元マップMAの反力特性を用いてアクセルペダル3の追従性を向上することができ、高踏込速度領域では三次元マップMAの反力特性を用いてアクセルペダル3の操縦性を向上することができる。
次に、実施例3に係る三次元マップMBについて図13,図14に基づいて説明する。
実施例1の三次元マップMは、高踏込速度領域のアクセルペダル3の追従性を向上させたスポーツタイプのマップであるのに対し、実施例3の三次元マップMBは、高踏込速度領域の追従性を維持しつつ低踏込速度領域の追従性を改善した高速道路タイプのマップである。
図13に示すように、踏込量SaにおけるF−V特性(一点鎖線)は、上方に突出した逆U字状に設定されている。このF−V特性は、低踏込速度領域では踏込速度Vが大きい程反力Fが大きくなるように設定され、中踏込速度領域では踏込速度Vが一定に設定され、高踏込速度領域では踏込速度Vが大きい程反力Fが小さくなるように設定されている。
踏込量SbにおけるF−V特性(破線)及び踏込量ScにおけるF−V特性(実線)は、踏込量SaにおけるF−V特性と同様の傾向を備えている。踏込量SbにおけるF−V特性は踏込量SaにおけるF−V特性よりも小さくなるように設定され、踏込量ScにおけるF−V特性は踏込量SbにおけるF−V特性よりも小さくなるように設定されている。
図14に示すように、乗員が認識する知覚反力として、低踏込速度領域で乗員の関節粘弾性特性による反力特性を三次元マップMBの反力特性によって相殺して一定反力にできるため、高踏込速度領域の追従性を維持しつつ低踏込速度領域の追従性を改善することができる。これにより、高速道路において、追い越しに有利な操作特性を確保することができる。
次に、実施例4に係る三次元マップMCについて図15,図16に基づいて説明する。
実施例1の三次元マップMは、高踏込速度領域のアクセルペダル3の追従性を向上させたスポーツタイプのマップであるのに対し、実施例4の三次元マップMCは、踏込速度Vに拘らず常時一定の反力でアクセルペダル3を操作可能な高速道路タイプのマップである。
図15に示すように、踏込量SaにおけるF−V特性(一点鎖線)は、上に凸状に設定されている。このF−V特性は、低踏込速度領域では踏込速度Vが大きい程反力Fが大きくなるように設定されている。
踏込量SbにおけるF−V特性(破線)及び踏込量ScにおけるF−V特性(実線)は、踏込量SaにおけるF−V特性と同様の傾向を備えている。踏込量SbにおけるF−V特性は踏込量SaにおけるF−V特性よりも小さくなるように設定され、踏込量ScにおけるF−V特性は踏込量SbにおけるF−V特性よりも小さくなるように設定されている。
図16に示すように、乗員が認識する知覚反力として、低踏込速度領域で乗員の関節粘弾性特性による反力特性を三次元マップMBの反力特性によって相殺して一定反力にできる。これにより、高速道路における巡航に有利な操作特性を確保することができる。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、反力設定部が三次元マップを備えた例を説明したが、主な走行シーンのF−V特性を走行シーン毎に複数保持し(例えば、車速コントロールシーンのF−V特性、緩加速シーンのF−V特性、急加速シーンのF−V特性等)、走行シーンの判定によって複数のF−V特性から所定のF−V特性を選択し、このF−V特性に基づいて反力を設定しても良い。
また、単一タイプの三次元マップを備えた例を説明したが、タイプの異なる三次元マップを複数備え、乗員によって使用する三次元マップのタイプを切換え可能にすることも可能である。
2〕前記実施形態においては、アクセルペダルの踏込量を踏込ストローク、アクセルペダルの踏込速度を踏込ストロークの変化速度で検出した例を説明したが、アクセルペダルの踏込量をアクセルペダルの回転角度、アクセルペダルの踏込速度をアクセルペダルの回転角速度で検出しても同様の効果を奏することができる。
3〕前記実施形態においては、反力制御機構をアクチュエータと摩擦部材とにより構成した例を説明したが、流体の抵抗値を制御可能なダンパ機構を用いて反力制御機構を構成しても良い。また、先行技術文献のように、リターンスプリングの一端部をアクチュエータで調整することにより反力を制御することも可能である。
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態や各実施形態を組み合わせた形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
1 制御装置
3 アクセルペダル
4 踏込量センサ
5 踏込速度センサ
22 反力設定部
S 踏込量
V 踏込速度
F 反力
M 三次元マップ

Claims (3)

  1. アクセルペダルの踏込量に応じた反力を設定する反力設定手段を備えた車両のアクセルペダル制御装置において、
    前記アクセルペダルの踏込速度を検出する踏込速度検出手段を備え、
    前記反力設定手段は、前記踏込速度検出手段によって検出された踏込速度が速いとき、踏込速度が遅いときに比べて踏込側反力が小さく且つ踏戻側反力が大きくなると共に踏込側反力と踏戻側反力との間のヒステリシスが小さくなるように反力特性を設定することを特徴とする車両のアクセルペダル制御装置。
  2. 前記反力設定手段は、踏込速度一定の場合において、踏込量が大きいとき、踏込量が小さいときに比べて反力が小さくなるように前記反力特性を設定することを特徴とする請求項1に記載の車両のアクセルペダル制御装置。
  3. 前記反力設定手段は、アクセルペダルの踏込量軸と、アクセルペダルの踏込速度軸と、反力軸との3軸によって規定される三次元マップを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両のアクセルペダル制御装置。
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