JP6272360B2 - バナジウムドープ単結晶およびその成長方法 - Google Patents

バナジウムドープ単結晶およびその成長方法 Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本発明は、2013年2月21日に出願された米国仮特許出願第61/767,318号の優先権を主張し、その開示内容は、その全体が参照されて本明細書に包含される。
(技術分野)
本発明は、炭化ケイ素(SiC)単結晶に関し、より詳細には、深い準位のドーパントのガス源を用いてSiC単結晶を作製する方法に関する。
4Hおよび6Hポリタイプのシリコンカーバイドの単結晶は、パワースイッチ用の超高周波AlGaN系トランジスタおよびSiC系デバイスを含む、SiCおよびAlGaN系半導体デバイス中の格子整合基板として役立つ。他の用途には、超高速光導電スイッチ、過酷な環境用のセンサ、放射線検出器、およびその他多くが含まれる。高周波デバイスおよび光導電スイッチの場合、前記SiC基板は半絶縁性でなければならない、つまり、極めて高い電気抵抗率を有していなければならない。
従来より、SiCの用途における「半絶縁性」という用語は、単に、結晶の抵抗率が1・10Ω−cmを上回ることを意味していた。より厳密な用語では、「半絶縁性」は「完全補償型」の同義語である。SiC基板上に作製される今日の半導体デバイスの多くは、1010〜1011Ω−cm以上のオーダーの抵抗率を有する基板を要する。
炭化ケイ素をバナジウムで補償することは周知であり、高電気抵抗率を有するSiC単結晶を製造するために使用されてきた。バナジウムドーピングに関連する先行技術には、US5,611,955;US7,608,524;US8,216,369;US2008/0190355およびUS2011/0303884が含まれ、それらは全て参照されて本明細書に包含される。バナジウムは、SiCバンドギャップ中に2個の深い準位、つまり1個の深いアクセプタおよび1個の深いドナーを生成し、これにより、浅いドナー(浅いドナーが浅いアクセプタを支配する場合)または浅いアクセプタ(浅いアクセプタが浅いドナーを支配する場合)のいずれかを電子的に補償することができる。
大型の市販のSiC単結晶は、一般に、昇華法である物理的気相輸送(PVT)によって成長される。従来のPVTシステムの模式図が図1に示され、該システムにおいて、二重壁の水冷式の炉室1は溶融シリカ製であることが望ましい。PVT結晶成長セルは炉室1の内側に配置される。前記PVT結晶成長セルは、結晶成長るつぼ20を含み、該るつぼには、多結晶SiC粒子21(SiC源)およびSiC単結晶シード22が、間隔を空けて入れられる。一般に、SiC源21は成長るつぼ20の底部に配置されるのに対し、SiCシード22は成長るつぼ20の頂部に配置される。望ましくは、成長るつぼ20は、高密度の微粒子グラファイト製である。
慣例的に、シリコンカーバイドのPVT成長においては、誘導型の加熱装置が採用される。この型の加熱装置は、チャンバ1の外側に配置されるRFコイル11によって図1中に示される。グラファイト成長るつぼ20は、RFコイル11の励起によって生成されるRF場に電磁的に結合するRFサセプタとして役立つ。成長るつぼ20は、断熱材10によって囲まれ、該断熱材は、通常、グラファイトフェルトまたは繊維状のグラファイト板などの軽量の多孔質グラファイト製である。これらの断熱材は、RFコイル11のRF場に実質的に結合しない。抵抗型の加熱装置(RFコイル11に代えて、またはRF11に加えて)、異なる種類の断熱材、ステンレス鋼製の炉室、および前記室の内側に配置されるRFコイルもSiC昇華成長のために好適に採用されることができ、あるいは、代わりに採用されることができる。ガスおよび真空ライン、バルブ、ポンプ、電子制御装置などのようなPVT結晶成長装置の他の一般的かつありふれた部品は、図1中には示されていない。
PVT成長の準備において、室1には、SiC源21およびSiCシード22の入った成長るつぼ20、および断熱材10が入れられる。そして、室1は排気され、それ故、成長るつぼ20は排気されて、所望の圧力、概して数〜100Torrの間の圧力までプロセスガス(最も一般的にはアルゴン)で満たされる。これに続いて、成長るつぼ20は、エネルギーが与えられるRFコイル11によって、成長温度まで加熱される。該温度は、概して、2000℃〜2400℃の間である。成長るつぼ20は、SiC源21とSiCシード22との間に、SiCシード22の温度よりもSiC源21の温度が高くなる垂直温度勾配が生じるように加熱される。
高温で、SiC源21は昇華し、成長るつぼ20の環境中に、Si、SiCおよびSiCのような揮発性分子種のスペクトルを放出する。垂直温度勾配で駆動されることによって、これらの分子種はSiCシード22に移動し(蒸気輸送は、図1中に矢印23によって示される)、該シード上で凝結し、それにより、SiCシード22上でのSiC単結晶24の成長を生じさせる。シリコンカーバイドのPVT成長の分野における先行技術には、US6,805,745;US5,683,507;US5,667,587およびUS5,746,827が含まれ、これらは全て参照されてここに包含される。
従来、(SiC結晶24のような)バナジウムドープSiC結晶は、US5,611,955およびUS2008/0190355に開示されるように、少量の固体バナジウムドーパントを(SiC源21のような)SiC源に直に混ぜることにより得られた。これらの文献の両方は参照されて本明細書に包含される。この固体バナジウムドーパントは、元素金属バナジウムの形態または炭化バナジウムのような固体バナジウム化合物の形態であり得た。このタイプのバナジウムドーピングの主な欠点は、前記固体バナジウムドーパントとSiC源21との間の物理的な接触である。詳細には、高温では、前記バナジウムとSiC源21との間に多段の化学反応が起こり、それにより、炭化バナジウム、シリサイド、カルボシリサイドおよび種々の共晶化合物のような多数の中間化合物を形成するようになる。これにより、前記揮発性分子種を備えるバナジウムの蒸気分圧は不安定になり、経時的に変化し、(SiC結晶24のような)成長後のSiC結晶のバナジウムドーピングが空間的に不均一になる。
バナジウムドーピングが空間的に不均一になる上述の問題は、US7,608,524;US8,216,329およびUS2011/0303884中で扱われ、それら全ては参照されて本明細書に包含される。上記文献では、バナジウムドーピングは、不活性材料で作られたドーピングカプセルの内側にバナジウム源を配置し、これにより、バナジウム源とSiC源21との直接接触を排除することによって実現された。このドーピング装置は図2に示される。
図2を参照すると、バナジウム固体ドーパント225は、不活性カプセル226中に含まれ、概して、グラファイト製である。カプセル226は、所定の直径および長さの少なくとも1本の目盛り付き毛細管227を含む。各毛細管227は、カプセル226からのバナジウム蒸気の噴出の制御を可能にする。ドーピングカプセル226は、図2に例示されるようにSiC源221上に配置されてもよいし、SiC源221の下に(成長るつぼ220の底部に)配置されてもよいし、またはSiC源221の塊の中に埋め込まれてもよい。図2は、SiCシード222への揮発性の分子種の蒸気輸送223も示していて、前記分子種は、SiCシード222上で凝結し、それにより、SiCシード222上でのSiC単結晶224の成長を生じさせる。
バナジウムカプセル226の実装は、バナジウムドーピングの不均一性を改善したが、この改善は、約1・1017原子−cm−3および約1・1016原子−cm−3のバナジウム濃度についてだけである。これは、固体バナジウム源225の温度が独立して制御され得ないということによるものであった。したがって、成長るつぼ220の内側のバナジウムの分圧は、同様に、独立して制御され得なかった。それ故、元素バナジウムがバナジウムドーピング源225としてドーピングカプセル226中で使用された場合、前記結晶中のバナジウム濃度は約1・1017原子−cm−3であった。しかしながら、炭化バナジウム(VC)がバナジウムドーピング源225としてドーピングカプセル226中で使用された場合、前記結晶中のバナジウム濃度は約1・1016原子−cm−3であった。このため、1・1016原子−cm−3と1・1017原子−cm−3との間のバナジウム濃度または1・1016原子−cm−3を下回るバナジウム濃度は、信頼できるように実現され得なかった。
ガスアシストPVTプロセスは、概して、当該技術分野で公知である。このようなPVTプロセスは、APVT、HTCVD、HCVD、CF−PVTおよびM−PVTを含む。SiC昇華成長の全てのこれらの修正は、より良好な結晶純度、より長期の成長サイクル、定常状態での結晶成長、蒸気相の化学量論の制御、および改善されたドーピングを実現する目的で考案された。
改良型PVT(APVT)。図3は、APVT成長セルの模式図であり、例えば、US5,985,024中に開示された型式である。APVT成長では、純ケイ素321は、成長るつぼ320の底部に含まれ、加熱中に溶かされる。ガス状炭素前駆体(プロパン、C)はガス導管331を通って導入される。この炭素含有気体前駆体331は、溶かされたシリコン321から発出されるケイ素蒸気と反応する。反応生成物は、SiCシード322に向かって移動し、その上で凝結し、それにより、SiCシード322上でのSiC単結晶324の成長を生じさせる。ガス状副生成物は、開通路333を通って前記るつぼを離れる。図3は、(室1と同様の)室31および(RFコイル11と同様の)RFコイル311も示している。
高温CVD(HTCVD)。図4は、HTCVDのSiC成長セルの模式図である。HTCVD成長に関する詳細は、M.B.J.WijesundaraおよびR.Azevedo,“Silicon Carbide Microsystems for Harsh Environment”,Chapter 2:SiC Material and Processing Technology,pp.40−44、Spring Science and Business Media、LLC 2011、EP0835336、およびEP0859879中で見られる。ケイ素および炭素気体の前駆体ガス、つまり、シランおよびプロパンは、それぞれ、同軸入口431および432を経て、るつぼ420中に入れられる。るつぼ420の内側に入れられると、シランは熱解離して、Siクラスタを形成するようになる。これらのSiクラスタは、炭素前駆体ガスと反応し、Siクラスタを形成する。垂直蒸気輸送423で駆動されて、前記Siクラスタは高温の領域に入り、従来のPVTと同様に、昇華して、Si、SiCおよびSiCのような蒸気種を含むSiおよびCを形成する。これらの蒸気種は、SiCシード422に向かって移動し、SiC422上で凝結し、それにより、SiC422上でのSiC単結晶424の成長を生じさせる。ガス状副生成物は、開通路433を通って前記るつぼを離れる。図4は、(室1と同様の)室41および(RFコイル11と同様の)RFコイル411も示している。
ハライドCVD(HCVD)。HCVD成長セルは、図5中に概略的に示される。HCVD成長に関する詳細は、A.Polyakov et al.“Halide−CVD Growth of Bulk SiC Crystals”,J.Mat.Sci.Forum(2006) Vol.527−529,21−26、Fanton et al.US2005/0255245“Method and Apparatus for the Chemical Vapor Deposition of Materials”中で見られる。前記システム中のハロゲン(塩素)の存在が原因となって関連する化学反応が異なることを除くと、当該HCVD成長プロセスは、前記HTCVDプロセスと同様である。塩素化シリコン前駆体(Arで希釈されたSiCl)および炭素前駆体(H/Arで希釈されたCまたはCH)は、それぞれ、同軸入口531および532を経て、るつぼ520中に上向きに供給される。高温において、且つ入口531および532の内側にある間に、これらの前駆体は解離して、ガス状分子であるSiClおよびCを生成する。SiCシード522近傍に位置する混合域581において、SiCl、SiCl、CおよびHは、(化学量論係数を示さずに記載される)以下の概要の式に従ってガス相中で反応する。

SiCl(g)+SiCl(g)+C(g)+H(g)⇒SiC(s)+SiCl(g)+HCl(g)

上記反応の正味の効果は、SiCシード522上での固体SiCの凝結およびSiCシード522上でのSiC単結晶524の成長である。ガス状副生成物(HCl、SiCl)およびキャリアガス(Ar、H)は、開底部通路533を通って、るつぼ520を離れる。図5は、(るつぼ1と同様の)るつぼ51および(RFコイル11と同様の)RFコイル511も示している。
連続フィードPVT(CF−PVT)。CF−PVTの成長セルは図6中に示される。CF−PVT成長に関する詳細は、D.Chaussede et al.“Continuous Feed Physical Vapor Transport:Toward High Purity and Long Boule Growth of SiC”、J.Electrochem.Soc.2003,Vol.150,issue 10,G653−657中で見られる。CF−PVT成長法は、PVT結晶成長とHTCVD結晶成長との間のハイブリッドである。前記CF−PVT成長セルは、2個の領域に分けられる。つまり、PVT領域6101およびHTCVD領域6102であり、前記各領域は、SiC源621を支持するグラファイトフォーム635によって分けられる。ケイ素と炭素とを含むテトラメチルシラン(TMS)634が、単一のガス状SiC前駆体として使用される。TMS634は、アルゴンキャリアガス流によって、入口638を経て、るつぼ610中に入れられる。反応生成物を希釈して、前記成長セルから取り除くために、純アルゴンが、側方入口637を通って供給される。TMS634の熱解離が、HTCVD領域6102中で生じ、微細形状のSiCクラスタが形成される。これらのSiCクラスタは、アルゴン流によって、これらのクラスタを気化させる高温昇華領域まで輸送される。これらの蒸気は、多孔質のグラファイトフォーム635を通って拡散し、フォーム635上に配置される固体SiC源621を供給する。固体SiC源621は気化し、SiCシード622上でSiC単結晶624の成長が起こる。HTCVD領域6102からのガス状副生成物は、開通路633を通って、るつぼ610を離れる。図6は、(室1と同様の)室61および(RFコイル11と同様の)RFコイル611も示している。
修正PVD法(M−PVT)。M−PVTセルが図7A中に示される。M−PVT成長に関する詳細は、R.Muller et al.,“Groth of SiC Bulk Crystals with a Modified PVT Technique”,Chem.Vap.Deposition(2006),12,557−561中で見られる。本質的に、M−PVT成長法は、少量のSiおよび/またはCのガス状前駆体および/またはドーパントを、ガス導管731を経て成長るつぼ720中に運搬する追加の能力を備える、PVTプロセスである。前記M−PVT成長法は、アルミニウムドープSiC結晶の成長のために使用されてきた。T.L.Straubinger et al.“Aluminum p−type doping of SiC ctystals using a modified physical vapor transport growth method”.J.Cryst.Growth240(2002)117−123を参照のこと。M−PVTの一実施形態では、トリメチルアルミニウム(TMA)が、ガス導管731を経て供給されるガス状Al前駆体として使用される。図7Bに示されるM−PVTの別の実施形態では、元素アルミニウム790が、ガス導管731(図7A)に接続される外側リザーバ791中に含まれる。リザーバ791の温度は、該リザーバを成長るつぼ720から所定の距離で配置することによって制御される。リザーバ791の温度は、アルミニウムを溶かして、アルゴン流で成長るつぼ720中に運搬されるアルミニウム(Al)蒸気792を生成するように十分に高い。図7Aは、(室1と同様の)室71および(RFコイル11と同様の)RFコイル711も示している。
先に引用された先行技術であるガスアシストPVT法は、純度および化学量論制御に優れるような潜在的な利点を有したが、制限および欠点も有した。APVT、HTCVD、HCVD、およびCF−PVT成長の場合、欠点は、成長るつぼが開状態にあるという性質にある。先述のプロセスの全てにおいて、開通路の存在は、蒸気およびガスの多大な損失を生じ、結晶化効率を極めて低くする。M−PVT(図7A)の場合、欠点は、ガス導管731から来るガス流または垂直蒸気輸送723による、SiC単結晶724の成長の阻害である。これら欠点および他の欠点のために、これらの技術は、標準的なPVT昇華成長に対して実行可能な商業上の競争相手になれなかった。
バナジウムガス前駆体を用いたSiCのバナジウムドーピングは、4H−SiC CVDエピタキシにおいて探求されてきた。フェロセン型のバナジウム金属有機化合物が、1370〜1440℃で実行されるCVD SiCエピタキシにおいて使用されてきた。H.Song et al.,“Homoepitaxial Growth of Vanadium−Doped Semi−Insulating 4H−SiC Using Bis−Trimethylsilymethane and Bis−Cyclopentadinylvanadium Precursors”.J.Electrochem.Soc.155(2008)p.H11−H16を参照のこと。フェロセン浴(バブラー)は、50℃〜110℃の間の温度に維持され、Hは10sccmの速度で流れるキャリアガスとして使用された。1440℃でのエピ層成長では、得られる最大抵抗は約10Ω−cmであった。1370℃でのエピ層成長では、より高い抵抗値が観察されたが、前記エピ層の質に乏しかった。
有機金属バナジウム前駆体は、B.Landiniらによって半絶縁性SiCエピ層のCVD成長において使用された。Landini et al.,“CVD Growth of Semi−Insulating 4H−SiC Epitaxial Layers by Vanadium Doping”.Abstracts of 39th Electronic Materials Conference,June25−27,1997,Fort Collins,Cororado、Landini et al.,“Vanadium Precursors for Semi−Insulating SiC Epilayers”.,1998 DoD−MDA SBIR/STTR PhaseI Award ID:41218、Landini et al.,US Patents 6,329,088および6,641,938を参照のこと。前記成長温度は1200℃〜1700℃の間の温度であった。前駆体の組成、生成されたSiCエピ層の抵抗および品質の詳細は得られなかった。
概して、バナジウム有機金属化合物は、比較的低温、典型的には、200〜300℃の間の温度で解離し、固体炭化バナジウムの析出が起こる。このような析出は、前記前駆体が加熱されたSiC成長(反応)領域中に運搬される前でも起こり得る。
CVD塩素−炭素エピタキシでの前駆体としてのバナジウムテトラクロライド(VCl)は、B.Krishnan et al.,“Vanadium Doping Using VCl Source during the Chloro−Carbon Epitaxial Growth of 4H−SiC”.J.Cryst.Growth,321(2011)pp.8−14において探求された。その目的は、強力に補償された4H−SiCエピ層を生成することであった。CVD成長は、キャリアガスとしてHを用いて、ホットウォールCVD反応器において1450℃および1600℃で実行された。CHClおよびSiClは、それぞれ塩化炭素およびシリコン前駆体として使用された。前記成長領域へのVClの運搬は、20℃に維持された液体VClにHを通してバブリングすることによって実現された。H流速に応じて、エピ層中のバナジウム濃度は、1・1016原子−cm−3と(2〜3)・1017原子−cm−3との間であった。観察された最高の抵抗は約5・10Ω−cmであった。
成長中に前記成長セル中に注入されるガス状バナジウム源(前駆体)を用いたバナジウムドープされたバルクSiC単結晶の昇華成長は、当該技術分野では公知でなく、先行技術から見て明白でないと思われる。
本明細書では、1015原子−cm−3から1017原子−cm−3までの広範囲のバナジウム濃度において、バナジウムで均一にドープされた4Hおよび6Hポリタイプの半絶縁性のSiC単結晶を得ることができるSiC昇華成長プロセスが開示される。
本明細書では、ドーピング源としてガス状バナジウム化合物を用いて成長中のSiC結晶をバナジウムでドープするためのプロセスも開示される。
本明細書では、1015〜1017原子−cm−3の間の範囲の空間的に均一な濃度のバナジウムを含む4Hおよび6HポリタイプのSiC単結晶も開示される。
より詳細には、本明細書では、(a)間隔を空けてSiC源材料およびSiC単結晶シードを有する成長るつぼを提供すること、(b)前記SiC源が昇華まで加熱され、且つ前記SiC源材料と前記SiC単結晶シードとの間に温度勾配を生じさせ、昇華されたSiC源材料が前記SiC単結晶シードまで輸送され、その上で析出することにより、前記SiC単結晶シード上でSiC結晶成長するように、ステップ(a)の成長るつぼを加熱すること、および、(c)前記成長中のSiC結晶が、その成長中にガス状バナジウム化合物からのバナジウムでドープされるように、ステップ(b)と同時に、キャリアガスおよびガス状バナジウム化合物を含むドーピング化合物を前記成長るつぼ中に導入すること、を備える、バナジウムドープ型のSiC単結晶の成長方法が開示される。
前記キャリアガスは、不活性ガスおよび水素を含むことができる。前記ガス状バナジウム化合物はハロゲンを含むことができる。
前記ガス状バナジウム化合物は塩化バナジウム(VCl)であってもよく、n=2,3または4である。前記ガス状バナジウム化合物は前記VClの蒸気であってもよい。
ステップ(c)のドーピングガス混合物は、前記キャリアガスと混合されたVCl蒸気からなってもよい。前記VCl蒸気は、液体VClの溜まりをキャリアガスが通過することによって前記キャリアガスと混合されてもよい。前記VCl蒸気は、前記成長るつぼの外側で前記キャリアガスと混合されてもよい。
ステップ(c)の間、前記ガス状バナジウム化合物は解離して副生成物を放出し、前記副生成物は、前記成長るつぼの多孔壁を通過して拡散することによって、前記キャリアガスと共に前記成長るつぼを出ることができる。前記ガス状バナジウム化合物の解離された副生成物は、前記成長るつぼの多孔壁中で不要な不純物と反応して揮発性分子を生成し、前記揮発性分子は、前記成長るつぼの多孔壁を通過して拡散する前記キャリアガスと共に前記成長るつぼを出ることができる。
前記キャリアガスはハロゲンを含むことができる。前記ハロゲンは塩素であってもよい。
ステップ(c)のガス状バナジウム化合物は、前記キャリアガス中のハロゲンと固体バナジウム源との反応によって形成されてもよい。前記キャリアガス中のハロゲンと前記固体バナジウム源との反応は、前記成長るつぼの外側で生じてもよい。
本明細書では、バナジウムドープSiC単結晶を成長させるための装置も開示され、該装置は、密閉室の内側にある成長るつぼにあって、該成長るつぼの内側に間隔を空けてSiC源材料およびSiC単結晶シードを有する成長るつぼ、前記室を経て前記成長るつぼに接続され、且つキャリアガスおよびガス状バナジウム化合物からなるドーピングガス混合物を前記成長るつぼまで運搬するように機能するガス導管、前記SiC源が昇華まで加熱され、且つ、前記SiC源材料と前記SiC単結晶シードとの間に温度勾配を生じさせ、昇華されたSiC源材料が前記SiC単結晶まで輸送され、その上で析出することにより、前記SiC単結晶上でSiC結晶を成長するように、前記成長るつぼを加熱するヒータ、および、前記ガス導管に結合されるガス状バナジウム化合物源を備える。
前記ガス状バナジウム化合物源は、以下の一方である。すなわち、(1)キャリアガスが通過するバナジウム含有液体の溜まりであって、前記キャリアガスによって、前記ガス状バナジウム化合物になる前記バナジウム含有液体の加圧(picking−up)蒸気が流される溜まり、または、(2)固体バナジウムを収容し、ハロゲン含有キャリアガスが通過して流れる隔室であって、前記キャリアガス中の前記ハロゲンと固体バナジウムとの反応によって前記ガス状バナジウム化合物が生成される隔室の一方である。
本明細書では、SiC単結晶の成長中にSiC単結晶の成長環境中にガス状バナジウム化合物を導入することによってSiC単結晶中に包含される、バナジウムドーパントを含む昇華成長後のSiC単結晶も開示される。
図1は、炉室中に成長るつぼを含む、先行技術に係る従来の物理的蒸気輸送(PVT)成長システムの模式図である。 図2は、ドーパントが入れられる先行技術に係る不活性カプセルを含む、(図1に示される前記成長るつぼと同様な)先行技術に係る成長るつぼを抜き出して示す模式図である。 図3は、先行技術に係るAPVT、HTCVT、HCVDおよびCF−PVT成長セルの模式図である。 図4は、先行技術に係るAPVT、HTCVT、HCVDおよびCF−PVT成長セルの模式図である。 図5は、先行技術に係るAPVT、HTCVT、HCVDおよびCF−PVT成長セルの模式図である。 図6は、先行技術に係るAPVT、HTCVT、HCVDおよびCF−PVT成長セルの模式図である。 図7Aは、先行技術に係るM−PVT成長セルの模式図である。 図7Bは、先行技術に係る外側リザーバ中に含まれるドーパントの模式図であり、該リザーバは、図7Aの一実施形態において、図7Aに示されるM−PVT成長セルのガス配管に接続されることができる。 図8は、SiC源材料およびSiC結晶を間隔を空けて入れる、本発明の原理に従う成長るつぼを抜き出して示す模式図である。 図9Aは、本発明の一実施形態に係る成長システムの模式図である。 図9Bは、図9Aの成長るつぼを抜き出して示す模式図であり、該成長るつぼは、前記成長るつぼの内表面と間隔を空けて配置され、且つSiCシード結晶と間隔を空けてSiC源が入れられる原料るつぼを含む。 図10Aは、本発明に係る別の実施形態の成長るつぼの模式図である。 図10Bは、図10Aに示される第2実施形態のドーピングシステムのドーパント室と、上方および下方導管とを抜き出して部分的に示す拡大図である。
以下、本発明は、同様な要素に同様な参照番号を対応させた添付の図面を参照して説明されるであろう。
ガス状バナジウム源(前駆体)からドーピングするバナジウムは、前記先行技術の前記固体バナジウム源に対して利点を有すると考えられる。揮発性のバナジウム含有分子を含むガス混合物は、極めて正確に、且つ所望の速度で前記成長るつぼ中に運搬されることができる。したがって、前記成長るつぼ中のバナジウムの分圧を制御することができ、広範囲のバナジウム濃度で正確かつ均一にドープされたSiC単結晶を得ることができる。
図8を参照すると、SiC昇華成長をガス状バナジウム源を用いたバナジウムドーピングと結び付けるガスアシストPVTは、グラファイトるつぼ20を含み、該グラファイトるつぼには、SiC源21およびSiC単結晶シード22が、PVTの場合に典型的なように、間隔を空けて入れられる。成長るつぼ20は、図1に示されるように、絶縁体10、室1、および加熱手段(例えば、RFコイル11)によって囲まれることが理解されるべきである。絶縁体10、室1、および加熱手段は、簡略化のために、図8から省略されている。
従来のPVTプロセスと同様に、SiC昇華成長における高温において、SiC源21は気化してSiおよびC含有蒸気を生成する。加熱手段(例えば、RFコイル11)によって生じる成長るつぼ20の内側の垂直温度勾配によって駆動されて、これらの蒸気はSiCシード22に向かって移動する。SiCシード22に向かうこれらの蒸気の移動は、成長るつぼ20の内側での垂直蒸気輸送を示す矢印23によって、図9に示される。SiCシード22に接近すると、前記蒸気はSiCシード22上で凝結し、それにより、SiCシード22上でのSiC単結晶24の成長を生じさせる。
同時に、ガス状バナジウム化合物(前駆体)を含むドーピングガス流(矢印25)が、成長るつぼ20中に導入される。SiC昇華成長における高温において、このガス状バナジウム前駆体25は、前記システムの熱力学に従って化学的変化を生じる。これらの化学的変化は、バナジウムを含むガス状分子会合体をもたらす。これらのガス状分子会合体は、成長中のSiC単結晶24に向かって移動し、成長界面に吸着し、それにより、SiC単結晶24へのバナジウムのドーピングを生じさせる。
前記M−PVT成長プロセス(図7A)と同様に、成長るつぼ20は、ガス状副生成物を除去するための開通路を有さない。むしろ、矢印27によって模式的に示されるように、前記ガス状副生成物は、成長るつぼ20の多孔質グラファイト壁を通過して透過することによって、成長るつぼ20から出る。
図3、4、5および6に戻ると、先行技術に係るAPVT、HTCVD、HCVDおよびCF−PVTプロセスは、比較的高いガス流量を要した。例えば、キャリアガスのための典型的な流量は、リットル毎分のオーダーであった。このことが、開通路33がAPVT、HTCVD、HCVDおよびCF−PVT成長セルの設計において必須であった主な理由であった。そうでなければ、前記成長るつぼの内側のガス圧の危険な上昇が生じるようになる。
図8において、成長るつぼ20は、ガスが出るための開通路を有さない。その代わりに、前記キャリアガスおよびガス状副生成物は、成長るつぼ20の多孔質グラファイト壁を通過して拡散することによって成長るつぼ20を透過する。成長るつぼ20の内側の圧力の不要な上昇を避けるために、成長るつぼ20中へのドーピングガスの流量25は、比較的小さく維持され、望ましくは、≦50sccmに維持される。以下、ガス状バナジウム源を用いるガスアシストPVTを、2個の実施形態を参照して、より詳細に説明する。
(第1実施形態)
図9Aは、第1実施形態に係るSiC結晶成長システムを示す。先行技術に係るPVTと同様に、成長るつぼ20は、炉室1の内側に配置され、該炉室の内側で断熱材10によって囲まれる。成長るつぼ20には、SiC源粒子21およびSiC単結晶シード22が、間隔を空けて入れられており、SiC源粒子21は、成長るつぼ20の下方に配置され、SiC単結晶シード22は、成長るつぼ20の上方に配置される。成長るつぼ20の加熱はRFコイル11(あるいは他の好適な加熱手段)による。図10のSiC結晶成長システムには、ガスおよび真空ライン、バルブ、真空ポンプ、電子制御装置などのような、一般的かつありふれた部品は簡略化のために示されていない。
図7AのM−PVTプロセスと同様に、ガス導管40が成長るつぼ20に取り付けられる。導管40は、図9Aに示されるように成長るつぼ20の底部に取り付けられ、あるいは、成長るつぼ20の壁上の他のあらゆる好適な位置に取り付けられることができるが、これらに限られる訳ではない。導管40は成長るつぼ20の内部に向かって開いていて、ガス状バナジウム化合物(前駆体)を成長るつぼ20中に運搬するのに役立つ。成長るつぼ20および導管40の両方は、高密度、微粒子のグラファイトから作られていることが望ましく、Mersen USA Bay City−MI Corp.,900 Harrison Street,Bay City,MI 48708から入手可能なgrade 2020、Toyo Tanso USA,Inc.,2575 NW Graham Circle,Troutdale,OR 97060から入手可能なgrade IG−11、またはこれと同様のものであるが、これらに限られる訳ではない。成長るつぼ20および導管40は、当該技術分野で公知の方法で、例えば、ねじで接続される。起こり得るガス放出を低減するために、炭素系のねじシール材がねじ接続に適用されることができる。
成長室1の内側および成長るつぼ20の外側では、ガス導管40は、金属ガスライン52に気密方式で接続される。この金属とグラファイトとの接続部は、200℃を上回らない温度に維持されることが望ましく、当該技術分野で公知の方法で、例えば、ねじ式の金属アダプタ57によって実施される。室1の外側では、ガスライン52が、温度制御されたバブラー浴51に接続され、該バブラー浴は、バナジウムテトラクロライド(VCl)のような揮発性の液状バナジウム前駆体54を含むが、これに限られる訳ではない。
PVT成長の準備中に、図9Aに示されるように、成長るつぼ20には、SiC源21およびSiC単結晶シード22が入れられ、成長るつぼ20は炉室1の内側に配置される。室1の内側では、成長るつぼ20は断熱材10によって囲まれている。そして、室1は真空ポンプ4によって排気され、それ故、成長るつぼ20は排気されて、プロセスガス源6からのプロセスガスで、所望の圧力、数〜100Torrの間の圧力まで満たされる。成長るつぼ20および断熱材10を形成するグラファイトは、ガスに対する透過性が高いので、真空ポンプ4によって室1中に生成される真空は、成長るつぼ20の内部に、ほぼ即時に生じる。同様に、プロセスガス源6から室1中に導入されるプロセスガスは、成長るつぼ20の内部に、ほぼ即時に現れる。前記プロセスガスは、アルゴン(Ar)またはヘリウム(He)のような純不活性ガスであってもよい。これに代えて、前記プロセスガスは、水素(H)のような水素含有ガス添加物を備えることができる。後者のプロセスガス中のH含有量は、0〜20%の間である。
従来のPVT成長のための典型的な手順では、RFコイル11は、概して、2000℃〜2400℃の間のSiC昇華成長の所望の成長温度まで成長るつぼ20を加熱するためにエネルギーを与えられる。成長るつぼ20は、SiCシード22の温度よりもSiC源21の温度が高くなるような垂直温度勾配が作られるように加熱される。SiC昇華成長の温度では、SiC源21の炭化ケイ素は昇華し、Si、SiCおよびSiCのような揮発性分子種のスペクトルを放出する。成長るつぼ20の内側の垂直温度勾配によって駆動されて、これらの分子種は、蒸気輸送によって、SiCシード22まで輸送され、該SiCシードでは、これらの分子種がSiCシード22上で凝結し、それにより、SiCシード22上でのSiC単結晶24の成長を生じさせる。
SiC昇華成長条件が成長るつぼ20中に構築されると、キャリアガス53流が、キャリアガス源5から所定温度に維持されるバブラー浴51中に導入される。望ましくは、キャリアガス53は、純アルゴン(Ar)またはヘリウム(He)である。これに代えて、キャリアガス53は、純水素(H)のような水素含有ガス添加物を備えるガス混合物である。望ましくは、この後者のキャリアガス53中のH含有量は、0〜20%の間である。望ましくは、キャリアガス53の流量は50sccmを上回らない。非限定的な一実施形態では、キャリアガス53の源は、プロセスガス源6であってもよい。しかしながら、キャリアガス53はキャリアガス源5のような別個の源から発生できると想定されるので、このことは本発明を限定するように解釈されるべきではない。
キャリアガス53は、温度制御されたバブラー浴51中に配置される液体バナジウム前駆体54を通ってバブリングする。バブリングプロセスにおいて、バナジウム前駆体(VCl)の蒸気はキャリアガス53と混合し、それにより、前記キャリアガス53をドーピングガス混合物25に変える。そして、ドーピングガス混合物25は、ガスライン52およびガス導管40によって、成長るつぼ20中に導入または注入される。
先行技術に係る金属前駆体輸送システムの記載は、US6,410,433中に見られ、これは、参照されて本明細書に包含される。
バブラー浴51中のバナジウム前駆体54が、望ましくは、18℃〜24℃の間の温度に維持され、バナジウム前駆体54を通ってバブリングするキャリアガス53の流量が、望ましくは、1〜20sccmの間に維持されるときに、最適な結果が得られることが観察された。しかしながら、この温度および流速は本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。これらの条件下で、ドーピングガス混合物25中のバナジウム前駆体54の概算された含有量は、容量基準で10ppm〜1000ppmの間であり、キャリアガス53が残部であった。
先行技術に係るM−PVTプロセス(図7A)は、SiC成長プロセスに対するガス流の阻害、つまり、成長中の結晶724に近接して配置されるガス導管731から供給されるガス流の阻害を受けていた。この空間配置の結果として、成長後のSiC結晶724は、成長界面で、不要且つ不利となる、凹形表面のような形状を有していた。図9Aに示される実施形態では、ドーピングガスは、成長るつぼ20とSiC源21との間に設けられる空間26中を流れる。ドーピングガス25の流量のためのこの経路によって、前記ドーピングガス25の流量が、蒸気輸送および結晶成長に及ぼす可能性がある、あらゆる有害な効果が避けられる。
成長るつぼ20と前記源21との間の空間的な関係の一例が図9Bに示される。しかしながら、他の空間的な関係が可能であることが想定されるので、図9Bに示される空間的な関係は、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。同様なガス流路の空間配置が、US8,361,227中に見られ、これは参照されて本明細書に包含される。
図9Bでは、多結晶SiC源材料21が、原料るつぼ21a中に配置され、該原料るつぼは、成長るつぼ20の内表面と間隔を空けて成長るつぼ20の内側に配置される。原料るつぼ21aの基材の外表面は、成長るつぼ20の内側の床と間隔を空けて配置され、それにより、それらの間に第1ギャップ30を規定する。第1ギャップ30は、望ましくは、2〜10mmの間の幅であり、より望ましくは、4〜7mmの間の幅である。第1ギャップ30を生じさせるために、スペーサ71が使用されてもよく、前記スペーサ71は前記ドーピングガス流を可能にする孔71aを含む。
原料るつぼ21aの壁の外側は、成長るつぼ20の壁の内側と間隔を空けて配置され、それにより、それらの間に第2ギャップ32を規定する。望ましくは、第2ギャップ32は、2〜10mmの幅であり、より望ましくは、4〜7mmの幅である。
矢印25aで示されるように、ドーピングガス混合物25は、導管40を経て成長るつぼ20に入り、第1および第2ギャップ30および32を流れ、ガス状バナジウム含有分子を成長中のSiC結晶24まで運搬する。第1および第2ギャップ30および32中でのドーピングガス混合物25の流れによって、SiC源21から成長中のSiC結晶24までの蒸気輸送23に対する阻害が避けられ、成長中のSiC結晶24の近くにおいて温度分布に対する阻害が避けられる。図9Bでのドーピングガス混合物25の流れのための通路によって、前記流れが蒸気輸送23およびSiC単結晶24の成長に及ぼす可能性がある有害な影響が避けられる。
加熱された成長るつぼ20からの熱伝導性のために、ガス導管40の上部の温度は、下部の温度よりも高くなる。ガス導管40の上部に入ると、バナジウム前駆体54(VCl)の気体分子は解離して、初めにVClになる。ドーピングガス混合物25が水素を含まない場合、VClの解離のメカニズムは、純粋に熱的なものであり、副生成物として単原子Clを生成する。しかしながら、ドーピングガス混合物25が水素を含む場合、水素は、VClからVClへの化学的な還元に関与し、そしてさらにVClへの化学的な還元に関与し、副生成物としてHClを生成する。
成長るつぼ20に入ると、ドーピングガス混合物25は、SiC昇華成長温度に曝されるようになる。該温度は、概して、2000℃〜2400℃の間である。これらの高温では、ドーピングガス混合物25中のVCl分子は、VCl分子に変化する。ドーピングガス混合物25中に水素が存在すると、その存在は、この変化を容易にする。VCl分子は、成長中のSiC結晶24に向かって移動し、前記成長界面上に吸着し、それにより、バナジウムでのSiC結晶24のドーピングを生じさせる。遊離された塩素は、前記成長界面から離れて、成長るつぼ20の環境中に拡散する。
図9Aおよび9Bに矢印27で示されるように、(ハロゲン化バナジウムの解離、水素による化学的還元およびドーピングプロセスの副生成物である)ガス状塩素および塩化水素は、キャリアガス53と共に、成長るつぼ20のグラファイト壁を通過して拡散する。それらの拡散中、ClおよびHClは、成長るつぼ20の壁を形成するグラファイト中の不純物と反応する。特に、それらはホウ素と反応し、BClおよびBClのようなホウ素との揮発性分子会合体を生成し、該会合体は、ガス流によって成長るつぼ20から除去される。このため、ガス状ハロゲン化バナジウム前駆体を用いたSiCのバナジウムドーピングは、さらなる利益、つまり、成長るつぼ20からの不要な不純物の除去という利益を有する。
成長るつぼ20の内側でのガスの流れのために、成長るつぼ20の内側の圧力は、有効限界を上回って、SiC昇華成長を持続不可能にする可能性がある。成長るつぼ20の内側のガス圧をPVT成長の有効限界内に維持するために、成長るつぼ20の壁の厚さは、望ましくは、4〜20mmの厚さの間、およびより望ましくは、8〜16mmの厚さの間である。
成長るつぼ20の壁を通過して拡散することによって成長るつぼ20から出た後、種々のガス状副生成物およびキャリアガス53は、真空ポンプ4に結合された室ポート3によって成長室1を出る。
(第2実施形態)
図10Aに示される第2実施形態に係る成長システムは、以下の点を除いて、多くの点で図9Aおよび9Bに示される第1実施形態に係る成長システムと類似する。詳しくは、バブラー浴51が省かれ、キャリアガス53がガスライン52中に直に導入され、導管40(上方導管部40bおよび下方導管部40aからなる)がインライングラファイト隔室41を含む点を除いて類似し、図7Aおよび7Bに示されるM−PVTセルと同様に、導管40が、成長るつぼ20から間隔を空けて配置されるグラファイト隔室41を含む。隔室41には、固体のバナジウム源42が、例えば、元素金属バナジウムまたはバナジウムカーバイド(VC)のような固体バナジウム化合物の形態で入れられる。
図10Aに示されるように、隔室41は、断熱材10の塊の中に配置されることができる。この場合、隔室41の加熱は、導管40に沿った熱伝導によって、加熱された成長るつぼ20から提供される。それと共に、あるいはその代わりに、断熱材10は、隔室41を良好に囲むように削られ(carved)てもよく、その結果、隔室41の少なくとも一部の加熱が、加熱された成長るつぼ20から放出される熱によって行われる。それと共に、あるいはその代わりに、隔室41の加熱は、別体のヒータ43によって行われてもよく、該ヒータは、抵抗性または誘導性であってもよい。隔室41を加熱する1または複数個の前述の手段のあらゆる組み合わせが想定される。
真空ポンプ4によって室1を真空し、プロセスガス源6からのプロセスガス(例えば、ArまたはHe)で、数Torr〜100Torrの間の所望の圧力まで室1を満たすことによって、成長るつぼ20中にSiC昇華成長条件が構築された後、小流量のドーピングガス混合物25が、ガス導管40の上部40bを経て成長るつぼ20中に入ることができる。本実施形態によれば、ドーピングガス混合物25は、アルゴン(Ar)またはヘリウム(He)のようなキャリアガス53およびキャリアガス源5からのハロゲン含有添加物からなる。望ましくは、前記ハロゲン添加物は、塩素(Cl)およびフッ素(F)の群から選ばれるガス状ハロゲンであり、キャリアガス53中に、容量基準で10ppm〜1000ppmの間の濃度で存在する。望ましくは、前記ハロゲン添加物は、塩素Clである。キャリアガス53の流量は、望ましくは、50sccm未満であり、より望ましくは、1〜20sccmの間である。
その代わりに、キャリアガス53は、前記ハロゲン添加物が加わったArまたはHeに加えて、純水素(H)のような水素含有気体添加物をさらに備える。望ましくは、キャリアガス53中のH含有量は0〜20%である。
図10A中のガス導管40の下部40aに入った後、キャリアガス53は、高温に維持される隔室41に達する。隔室41中で、キャリアガス53の塩素は、固体バナジウム源42のバナジウムと反応し、揮発性の塩化バナジウムを生成し、ドーピングガス混合物25として隔室41を出る。隔室41の温度に応じて、固体バナジウム源42とキャリアガス53のガス状塩素との反応の支配的な生成物は、(600℃を下回る温度で)VCl、(600〜900℃の間の温度で)VCl、または(900℃を上回る温度で)VClである。
望ましくは、隔室41の温度は、キャリアガス53のガス状塩素と固体バナジウム源42との反応を減速する可能性がある、起こり得るあらゆる速度論的制限を避けるように十分高い。同時に、隔室41の温度は、固体バナジウム源42の溶融(バナジウムの融点は1890℃である)、および/または固体バナジウム源42と隔室41を形成するグラファイトとの間に起こり得るあらゆる化学反応を避けるように十分低い。先述の考察に基づくと、隔室41の温度は、望ましくは、1000℃〜1600℃の間である。
隔室41の設計の一例は図10Bに示される。しかしながら、他のデザインが可能であることが想定されるので、隔室41のこの設計は、本発明を限定するように解釈されるべきではない。図10Bに示される非限定的な例示の実施形態では、隔室41は直径が約30mm、高さが約30mm、厚さが6〜10mmの壁を有する。隔室41、および隔室41の各々の側のグラファイト導管40aおよび40bは、ネジ接続部70を有する。隔室41の床は、直径がそれぞれ1mmである数個の貫通孔71を備える。これらの孔71は、隔室41の内側に入るキャリアガス53の流れに通路を提供すると共に、固体バナジウム源42の片が下部導管40a中に落ちることを防止する。図10Aに示されるように、隔室41が断熱材10の塊の中に埋められている場合、隔室41と成長るつぼ20との間の距離は、望ましくは、40〜70mmの間である。
V−C-Clの三元系の熱力学的分析は、隔室41の1000℃〜1600℃の好適な温度範囲内では、固体バナジウム源42(元素バナジウムまたは炭化バナジウム)と塩素、つまり、価数の高い塩化バナジウムVCl、および価数の低い塩化バナジウムVClとの主反応生成物は2種あることを明らかにする。後者(VCl)は、前者(VCl)よりも実質的に高いレベルで存在すべきである。キャリアガス53に水素を添加することと共に、隔室41の温度を1000℃から1600℃まで増すことにより、ドーピングガス混合物25のガス相中の分子比率VCl:VClは増加するようになる。
隔室41が100℃〜1600℃の好適な温度範囲内の温度に維持されると、(大部分がVCl分子の形態である)ドーピングガス混合物中のバナジウムの総量は、利用可能な塩素の総量だけによって決まる。すなわち、ドーピングガス混合物25中のバナジウムの総量は、キャリアガス53中の塩素の濃度およびキャリアガス53の流速に直接的に比例する。
隔室41中の固体バナジウム源42とキャリアガス53の塩素との反応とは別に、第2実施形態に従って成長中のSiC単結晶24をバナジウムでドーピングするプロセスは、第1実施形態のドーピングプロセスと同様である。すなわち、2000℃〜2400℃の間の温度に、概して維持された成長るつぼ20に入った後、価数の高い塩化物であるVClは、副生成物としてのClを伴って、VClに解離する。水素がキャリアガス52中に存在する場合、この水素は、副生成物としてのHClを伴って、VClをVClに化学的に還元する。VCl分子は、(図10A内に矢印25によって例示されるように)成長中のSiC結晶24に向かって移動し、それにより、前記成長界面上に吸着し、SiC単結晶24へのバナジウムのドーピングを生じさせる。遊離された塩素は、前記成長界面から離れ、成長るつぼ20の環境中に拡散する。ハロゲン化されたガス状副生成物およびキャリアガス53は、グラファイト成長るつぼ20の壁を通過して拡散し、それにより、グラファイト成長るつぼ20の内側および壁から望まない不純物の除去を生じさせる。本実施形態では、成長るつぼ20の内側でのガス流のための通路は、図9B内に示される通路と同じまたは同様である。
いくつかの6H SiC結晶24は、ここで説明された2実施形態に係る成長セルによって成長された。第1実施形態に係る成長セルによって実行される成長を行うことにおいて、温度制御されたバブラー浴51中に配置されるVClが、揮発性の液体バナジウム前駆体54として使用された。VCl浴は18℃〜30℃の間の温度に維持され、純アルゴンは1〜20sccmの間の速度で流れるキャリアガス53として使用された。
ここで説明された第2実施形態に係る成長セルによって実行される成長を行うことにおいて、純金属バナジウムが、固体バナジウム源42として使用された。図10Bに示されるのと同様に、バナジウム片がグラファイト隔室41中に配置された。全ての成長実験において、隔室41は1400℃近傍の温度に維持された。500ppmのClが予備混合されたアルゴンがキャリアガス53として使用され、その流速は1〜20sccmの間で変化させられた。
いずれかの実施形態に係る成長セルによって成長された6H SiC単結晶24は、直径100mm、厚さ500ミクロンの標準的なオンアクシス(on−axis)ウェハに製作された。代表的なウェハ試料が選ばれ、二次イオン質量分析法(SIMS)を用いて、該試料中のバナジウム含有量が測定された。測定された値は、2・1015〜1・1017原子−cm−3の間の範囲内にあった。大まかな傾向として、成長後の結晶中のバナジウム濃度は、キャリアガス53中の塩化バナジウム含量が増加するにつれて、およびキャリアガス53の流速が増加するにつれて増加した。
Ar+Clのキャリアガス53が1sscmの流速の場合に、第2実施形態に係る成長セルによって成長させられた試料において、バナジウム濃度の最低値2・1015原子−cm−3が測定された。VCl浴が24℃に維持され、且つキャリアガス53(つまり、アルゴン)の流速が20sscmの場合に、第1実施形態に係る成長セルによって成長させられた試料において、使用可能なバナジウム濃度の最高値1・1017原子−cm−3が測定された。24℃を上回る浴51の温度の上昇および20sccmを超えるキャリアガス53の流量の上昇によって、成長後のSiC結晶24中にバナジウム凝結物が出現するようになった。
得られたSIMSの結果は、軸および径の両方向において、バナジウムドーピングが空間的な均一性に優れることを示した。いずれかの実施形態に係る成長セルによって成長させられ、SIMSによって分析された全てのSiC単結晶24において、バナジウム濃度の変化は、インゴットの平均値から±10%以内であった。
いずれかの実施形態に係る成長セルによって成長させられたSiC単結晶24に関して得られたSIMSの結果は、バックグラウンドのホウ素が極めて低い濃度示し、4×1015原子−cm−3と等しいか、あるいはそれを下回る濃度であったことを示した。
本発明は、添付の図面を参照して説明された。前述の詳細な説明を読んで理解することに基づいて、明白な修正および変形がそれ以外に想起されるであろう。本発明は、添付の特許請求の範囲またはそれと等価なものの範囲内にある限り、全てのこのような修正および変形を含むように解釈されることが意図される。

Claims (9)

  1. バナジウムドープSiC単結晶を昇華によって成長させる方法であって、
    (a)間隔を空けてSiC源材料およびSiC単結晶シードを有する成長るつぼを提供すること、
    (b)ステップ(a)の成長るつぼを2000℃〜2400℃の温度に加熱して、前記SiC源材料を昇華させること、
    (c)昇華された前記SiC源材料を前記SiC単結晶シードまで輸送し、かつ前記SiC単結晶シード上で析出させる温度勾配を、前記SiC源材料と前記SiC単結晶シードとの間に形成し、これにより、前記SiC単結晶シード上でSiC結晶を成長させること、
    (d)ステップ(c)と同時に、2000℃〜2400℃の温度に加熱された前記成長るつぼに入れられることに応じて、熱解離され、化学還元され、または熱解離および化学還元されるガス状バナジウム化合物を含むドーピングガス混合物を、前記成長るつぼの外側の場所から前記成長るつぼ中に導入し、成長中の前記SiC結晶の成長界面に吸着される、ガス状の解離生成物、還元生成物、またはその両方を前記成長るつぼ中に放出し、これにより、成長中の前記SiC結晶をバナジウムでドープすること、
    を備える方法。
  2. 前記ガス状バナジウム化合物はハロゲンを含む、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記ガス状バナジウム化合物は塩化バナジウム(VCln)であり、n=2、3または4である、
    請求項に記載の方法。
  4. 前記ドーピングガス混合物は、キャリアガスを含む、
    請求項1に記載の方法。
  5. 前記キャリアガスは、不活性ガス、水素、またはその両方を含む、
    請求項4に記載の方法。
  6. 前記キャリアガスは、塩素およびフッ素の群から選ばれるハロゲン添加物を含む、
    請求項4に記載の方法。
  7. 前記ガス状バナジウム化合物は前記VClnの蒸気であり、
    前記ドーピングガス混合物は、前記キャリアガスと混合されている前記VClnの蒸気からなる、
    請求項に記載の方法。
  8. 前記VClnの蒸気は、液状VClnの溜まりに前記キャリアガスを通すことによって前記キャリアガスと混合される、
    請求項に記載の方法。
  9. 前記VClnの蒸気は、塩素を含むキャリアガスが、前記成長るつぼの外側に配された、加熱された固体バナジウム源の表面を通過することによって、前記キャリアガスと混合される、
    請求項に記載の方法。
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