以下、第1の実施形態の構成を図1ないし図6を参照して説明する。
図6において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、風路形成体である管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
管部12は、掃除機本体13に接続される接続管部15と、この接続管部15の先端側に連通する可撓性を有するホース体16と、このホース体16の先端側に設けられた手元操作部17と、この手元操作部17の先端側に着脱可能に接続される延長管18と、この延長管18の先端側などに着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ19とを備えている。
手元操作部17には、例えばループ状の手元把持部21がホース体16側へと突出し、この手元把持部21の上部には、操作用の設定ボタン22が複数設けられている。
図1ないし図6に示すように、掃除機本体13は、大径の車輪である走行輪23を両側に有し旋回輪24などを下部に有する本体ケース26を備え、この本体ケース26の外部である上部には、集塵部としての集塵カップである集塵装置27が着脱可能となっている。そして、掃除機本体13は、走行輪23および旋回輪24によって被掃除面としての床面上を少なくとも前後方向に沿って走行(移動)可能に構成されている。なお、以下、前後方向および左右方向は、掃除機本体13(本体ケース26)の走行(移動)方向を基準とする。
本体ケース26は、例えば合成樹脂などにより形成されており、集塵装置27の後方に位置する本体部31と、この本体部31の前部下側に突設されて集塵装置27の下部を支持する載置部としての集塵装置支持部である突出受部32とを一体的に有している。
本体部31の両側には、走行輪23がそれぞれ回転自在に軸支されている。また、この本体部31の前部の上側には、掃除機本体13(本体ケース26)を把持するためのハンドル34が突設されている。さらに、この本体部31の内部には、電動送風機36、この電動送風機36の動作を制御する制御手段としての制御回路部37、および、外部電源から電動送風機36などに給電可能な電源コード38を巻回した電源部としての図示しないコードリール装置などが収容されている。
また、本体部31の前部には、電動送風機36の吸込側に連通し本体ケース26に装着された集塵装置27の下流側に気密に接続される開口部としての吸気開口部41が上方に偏って形成されている。さらに、本体部31の上部には、吸気開口部41の上方の上面部に、集塵装置27を係止保持するための集塵装置係止部としての係止クランプ42が配置されている。また、吸気開口部41の下方の左右方向の中央部には、集塵装置27を位置決めおよびガイドするための本体側ガイド部としての位置決め凹部43が設けられている。そして、この本体部31の後部には、電動送風機36の排気側と本体ケース26の外部とを連通する複数の排気孔44が形成され、かつ、排気孔44の側方に、電源室と本体ケース26の外部とを連通し電源コード38を出し入れするためのコード導出口45が形成されている。
吸気開口部41は、左右方向に長手状、すなわち横長に形成されており、ハンドル34の下方に位置している。この吸気開口部41には、補強用のリブ47が格子状に配置されている。また、この吸気開口部41の外縁部には、集塵装置27の下流側と気密に接続するためのパッキンなどの弾性を有する環状の後部シール部材48が配置されている。さらに、この吸気開口部41は、吸気フィルタ49により覆われている。そして、この吸気開口部41は、本体部31内に配置されたダクト部50を介して、電動送風機36の吸込側と連通している。
係止クランプ42は、集塵装置27を上方から押さえ付けて係止するもので、上下方向に回動可能となっているとともに、係止部付勢手段としての図示しないばねなどにより、集塵装置27を係止する下方に向けて付勢されている。この係止クランプ42は、ハンドル34の直下に位置している。
突出受部32は、後方に向けて下方に傾斜している。この突出受部32の下部には、本体部31の下部近傍に亘って旋回輪が配置されている。また、この突出受部32の内部には、前後方向に沿って長手状で屈曲しない直線状の本体側風路部53が配置されており、この本体側風路部53の上流端には、管部12の接続管部15が接続される本体吸込口54が突出受部32の前面に形成され、本体側風路部53の下流端には、例えば四角形状の接続口55が突出受部32の上部の最後部にて本体部31の前方に形成されている。換言すれば、本体側風路部53は本体吸込口54と接続口55とを連通している。したがって、本体吸込口54は、本体側風路部53および接続口55を介して集塵装置27の上流側と連通可能となっており、接続口55は、突出受部32において最も低い位置に配置されている。そして、接続口55の外縁部には、集塵装置27の上流側と気密に接続するためのパッキンなどの弾性を有する環状の下部シール部材56が配置されている。
ハンドル34は、本体部31の前部の上面部に例えばループ状に形成されており、使用者が掃除機本体13を把持する(持ち運ぶ)ための把手部58が上端部にて左右方向に沿って長手状に形成されている。この把手部58は、係止クランプ42の上方に離間され、かつ、この係止クランプ42の前端部よりも前方に前端部が位置している。すなわち、このハンドル34の下方には、本体ケース26(本体部31)の上面部との間に、把手部58を把持するための空間部59が形成されている。この空間部59は、掃除機本体13(本体ケース26)の持ち上げ方向(反重力方向)である上下方向と交差(直交)する前後方向に本体ケース26(本体部31)を貫通している。このため、ハンドル34の把手部58は、空間部59に臨む(係止クランプ42に対向する)対向面である下面58aを有しており、この下面58aが上下方向に対して交差(直交)する方向に沿うアンダー形状部分となっている。すなわち、把手部58(ハンドル34)は、下方から支持することが可能となっている。
電動送風機36は、設定ボタン22の操作に応じて、制御回路部37により動作が制御されるものである。この電動送風機36は、例えば吸込側を上側として配置されている。
制御回路部37は、設定ボタン22と電気的に接続されており、この設定ボタン22の操作により設定された動作モード(例えば強モード、中モード、弱モード、自動モード、停止モードなど)に電動送風機36の動作を設定するように構成されている。
一方、集塵装置27は、収容部としての集塵部であるカップ部61と、このカップ部61に着脱可能に取り付けられる分離体部としての構造体である内筒部62と、この内筒部62に着脱可能な分離本体部としてのフィルタ体63と、内筒部62に対して回動により着脱可能な蓋部64と、カップ部61と内筒部62とを着脱可能に係止するクランプ65とを備えている。そして、この集塵装置27は、本体ケース26に対して装着した状態で後側が本体部31の前部に嵌合して固定される。なお、以下、集塵装置27において、上下方向とは、集塵装置27の軸方向における一端側と他端側(図5中の一点鎖線Lの一端側である上側と他端側である下側)とをいうものとする。すなわち、集塵装置27における上下方向は、集塵装置27単体の状態での上下方向を基準とするものとし、本体ケース26に対して装着した状態での集塵装置27の上下方向とは必ずしも一致しない場合もある。本実施形態では、集塵装置27の軸方向は、上方が後側に向けて傾斜しており、中心軸(一点鎖線L)の延長線上にハンドル34の把手部58が位置している。
カップ部61は、有底円筒状に形成された収容体本体としてのカップ部本体67と、このカップ部本体67に一体に設けられた集塵装置側風路部としての吸込部68と、カップ部本体67に突設された集塵装置27の持ち運び用の取手69とを備えている。
カップ部本体67は、例えば透光性を有する(透明な)合成樹脂などにより形成され、内部の下部に塵埃(粗塵)を溜めるようになっており、上端部が内筒部62などの取付用で塵埃の排出用の塵埃排出口71となっている。また、このカップ部本体67の後部には、吸込部68の下流端と連通する吸込口72が接線方向に沿って開口されている。なお、このカップ部本体67は、例えば下端部を開閉可能として塵埃排出口としてもよい。そして、このカップ部本体67の上端近傍の後部には、左右方向の中央部に、集塵装置側ガイド部としての舌片状の係止突部77が後方に向けて下方へと傾斜するように突設されている。この係止突部77は、集塵装置27を本体ケース26に装着した状態で位置決め凹部43に挿入されて集塵装置27を本体ケース26に対して前後左右に位置決めするとともに、本体ケース26に対する集塵装置27の着脱方向をガイドするものである。本実施形態において、集塵装置27は、本体ケース26に対して前後方向に回動させることで着脱されるようになっている。
吸込部68は、管部12を介して本体吸込口54から吸い込まれた含塵空気を、本体側風路部53および接続口55を介して集塵装置27(カップ部61)内へと吸込口72から吸い込むもので、カップ部本体67の後部に沿って上下方向に沿って配置されている。すなわち、この吸込部68は、集塵装置27を本体ケース26(突出受部32)に装着した状態で、本体部31の前部に対向するようになっている。この吸込部68の上端部は、吸込口72と連通するようにL字状に屈曲し、この吸込部68の下端部は、下方に向けて直線状に延びてカップ部本体67の下端部と略等しい位置に開口され、この開口がカップ部本体67の軸直方向に対して傾斜した連通口81となっている。この連通口81は、後方に向けて徐々に上方へと傾斜している。さらに、この連通口81の周縁部には、接続口55の周縁部の下部シール部材56に圧接される平面フランジ状の圧接部82が突設されている。
取手69は、塵埃排出口71から塵埃を廃棄する際などにカップ部61(集塵装置27)を持つためのもので、カップ部61の側部に上下方向に沿ってループ状に配置されている。そして、この取手69は、集塵装置27を本体ケース26に装着した状態で本体部31の側部の前部に接近して位置し、集塵装置27を本体ケース26に装着した状態では把持できないようになっている。
内筒部62は、上側が開口しフィルタ体63を支持する支持部としての有底円筒状(受け皿状)の受け部87と、円筒状の内筒部本体88と、この内筒部本体88よりも径大の有蓋円筒状の拡大部としてのシェード部89とを一体的に備えており、カップ部61に装着された状態で、カップ部61(カップ部本体67)の中央部に、このカップ部61(カップ部本体67)と同軸状に収納配置される。そして、内筒部本体88とカップ部61の内周との間で、塵埃を遠心分離するための分離部(遠心分離部)91が構成され、この分離部91の下方の位置でかつシェード部89の下方の位置に分離部91で遠心分離した塵埃を溜める塵埃溜め部92が構成される。
受け部87は、カップ部本体67の内径寸法よりも若干小さい外径寸法を有しており、下端部の外縁部を円環状に囲んで、カップ部本体67の内周面に圧接されて隙間を閉塞する支持部シール部材としての受け部シール部材95が取り付けられている。また、この受け部87の中央部には、内筒部本体88内と連通する円形状の連通開口部96が同心状に開口されている。
内筒部本体88は、受け部87と同軸に配置され、この受け部87の中央部の連通開口部96の外縁部から下方に突出して受け部87と同軸状となっている。この内筒部本体88の周囲には、複数の開口101が径方向に貫通するように形成されており、これら開口101全体が分離フィルタ102によって覆われている。また、この内筒部本体88の下端部は、底面部103により閉塞されている。
シェード部89は、電動送風機36の駆動により生じる負圧を利用して塵埃を圧縮するものであり、内筒部本体88の下端部の周縁から拡径されて下方へと突出し、下方に向けて開口して内筒部62の下端に位置している。したがって、このシェード部89は、内筒部本体88よりも径寸法が大きく、この内筒部本体88に対して径方向に突出している。さらに、シェード部89の上部に、複数の圧縮用開口108が周方向に略等間隔に離間されて開口されており、これら圧縮用開口108は、圧縮フィルタ109によって覆われている。そして、このシェード部89は、カップ部61の底部に対して上方に離間されている。
フィルタ体63は、フィルタであるプリーツフィルタ111と、このプリーツフィルタ111を保持する保持部としての保持枠部112と、この保持枠部112に設けられた除塵機構113とを一体的に備え、全体として平坦な円盤状であり、内筒部62の受け部87上に着脱可能となっている。
プリーツフィルタ111は、分離部91で分離しなかった(分離できなかった)塵埃、すなわち分離部91で分離する塵埃よりも小さい塵埃(細塵)を捕集するもので、例えば不織布などをプリーツ状(襞状)に折り曲げて形成されている。
保持枠部112は、例えば合成樹脂などにより一体成形され、プリーツフィルタ111の形状を保持している。また、この保持枠部112の外周部には、シール部材121が取り付けられている。
シール部材121は、可撓性および弾性を有する例えばゴム、あるいはエラストマなどの合成樹脂により、保持枠部112の外周に沿って円環状に形成されており、カップ部61(カップ部本体67)の上端部に、電動送風機36の駆動により生じた負圧によって上方から吸着されてこのカップ部61の上端部との隙間を閉塞するようになっている。また、このシール部材121の上部には、蓋部64が圧接されており、この蓋部64とカップ部61および内筒部62(受け部87)とにより、シール部材121が上下から挟持されている。
除塵機構113は、プリーツフィルタ111に捕集した塵埃を除去するもので、プリーツフィルタ111の折り曲げ方向と交差(直交)する方向に沿ってスライド可能な除塵体127を有している。そして、この除塵体127のスライドによりプリーツフィルタ111を弾くことで振動(衝撃)を付与し、このプリーツフィルタ111に付着した塵埃(細塵)を落下除去させるようになっている。
蓋部64は、有蓋円筒状の蓋部本体143と、この蓋部本体143の下端部に段差状に形成された拡開部144と、蓋部本体143の上部に形成された把持部145と、蓋部本体143の外周縁部の後部に開口される排気口146とを備えている。
蓋部本体143は、フィルタ体63の上方を覆う部分であり、下側に開口して形成されている。この蓋部本体143の後部の左右方向の中央部の上部(排気口146の上方)には、係止クランプ42が上方から係合される係合受部148が凹設されている。そして、この蓋部本体143は、フィルタ体63の上部との間に、このフィルタ体63の上流側(分離部91)と排気口146とを連通する風路149を区画している。
拡開部144は、蓋部本体143に対して拡開状に形成されている。この拡開部144は、上端側の内周部がシール部材121に対して上方から圧接されるとともに、下端側がシール部材121の外周部を覆っている。
把持部145は、基本的に集塵装置27を本体ケース26から取り外すためのものであり、集塵装置27を持ち運ぶ際にも用いることができるものである。この把持部145は、左右方向に沿って蓋部本体143の上部に前後に凹設され互いに連通しない一および他の把持凹部161a,161b間に区画されている。すなわち、この把持部145は、蓋部本体143の直径方向に沿って左右方向に直線平面状の平面部である一および他の把持面162a,162b間に形成されている。一の把持面162aは、本体ケース26に対する集塵装置27の取り外し方向である前側に位置し、他の把持面162bは、その反対側である後側に位置して、互いに略平行となっている。換言すれば、この把持部145は、持ち上げ方向(反重力方向)であるカップ部61の軸方向に対してアンダー形状となる部分(凹部あるいは括れ部)を有していない。さらに、この把持部145は、本体ケース26に対する集塵装置27の着脱方向である前後方向に沿う回動方向に対して交差(直交)する方向に沿って形成されている。また、この把持部145は、除塵体127との干渉を避けるように上方に突出しており、この除塵体127のスライド方向に沿って、すなわちプリーツフィルタ111の折り目方向と交差(直交)する方向に沿って形成されている。そして、この把持部145は、集塵装置27を本体ケース26に装着した状態で、ハンドル34の把手部58と略平行に左右方向すなわち把手部58の長手方向に沿って直線状に位置し、このハンドル34の把手部58の前端部よりも全体が僅かに前方に位置している。したがって、この把持部145の上方後側にハンドル34の把手部58の下面58aが位置している。換言すれば、集塵装置27の軸方向の上方の延長線上にハンドル34の把手部58の一部が位置している。さらに、この把持部145の後端部とハンドル34の把手部58の前端部との間の前後方向の距離Dが所定値以内に位置している。すなわち、この把持部145は、把手部58の下方の所定範囲内に位置している。
排気口146は、風路149を通過した空気が集塵装置27の外部へと排出されるもので、例えば左右方向に長手状、すなわち横長に形成されている。この排気口146の周縁部には、集塵装置27を本体ケース26に装着した状態で後部シール部材48に対して圧接されて排気口146と吸気開口部41とを気密に接続するための後部圧接部164が形成されている。さらに、この排気口146には、補強用のリブ165が上下方向に沿って形成され、これらリブ165が左右方向に互いに離間されて配置されている。
クランプ65は、取手69の上端部に取り付けられている。そして、このクランプ65は、フィルタ体63をカップ部61に対して着脱可能に係止するとともに、蓋部64をフィルタ体63(およびカップ部61)に対して周方向に回り止めしており、例えば取手69を把持した手の親指により上方から押動操作可能となっている。
次に、上記第1の実施形態による掃除動作を説明する。
掃除を開始する際には、まず、カップ部61に対して内筒部62、フィルタ体63および蓋部64をそれぞれ取り付けて一体的に組み立てる。このとき、カップ部61に内挿した内筒部62をカップ部61に対して周方向に回り止めした状態で位置決め固定して受け部シール部材95の外周側をカップ部61(カップ部本体67)の内周面に圧接し、次いでフィルタ体63を内筒部62に取り付けた後、フィルタ体63を覆って蓋部64を被せ、蓋部64を周方向に回動させてクランプ65により回り止め固定する。
次いで、この集塵装置27を本体ケース26に装着する。すなわち、集塵装置27において、係止クランプ42と反対側である集塵装置27のカップ部61の前側下部(回動支点C)を突出受部32の前端部に当接させながら、一方の手で本体ケース26の把手部58(ハンドル34)を握って本体ケース26を床面などに対して動かないように固定し、他方の手で係止突部77を本体ケース26側の位置決め凹部43に位置合わせしつつ挿入するように集塵装置27の上側を後方に回動させるように押し込むと、係止クランプ42が集塵装置27の係合受部148に上方から係合して、集塵装置27が本体ケース26に固定される。この結果、吸込部68の連通口81の周縁の圧接部82が接続口55の周縁の下部シール部材56に上方から圧接されて吸込部68(連通口81)と接続口55とが気密に接続されるとともに、排気口146の周縁の後部圧接部164が吸気開口部41の周縁の後部シール部材48に前方から圧接されて排気口146と吸気開口部41とが気密に接続される。なお、集塵装置27が本体ケース26に既に装着された状態である場合には、これらの操作は不要である。
この状態で、掃除機本体13(本体ケース26)の本体吸込口54に管部12を接続する。具体的に、管部12は、接続管部15を本体吸込口54に挿入接続するとともに、必要に応じて、手元操作部17の先端側に延長管18および床ブラシ19を順次接続する。この状態で、手元操作部17の設定ボタン22が掃除機本体13(本体ケース26)内の制御回路部37などと電気的に接続される。なお、管部12が掃除機本体13に既に接続された状態である場合には、これらの操作は不要である。
そして、使用者は、コード導出口45から電源コード38を引き出して壁面などのコンセントに接続した後、手元把持部21を把持し、所望の設定ボタン22を操作することにより、電動送風機36の動作モードを設定する。制御回路部37は、この設定された動作モードに対応して電動送風機36の入力を制御し、電動送風機36を設定された動作モードで起動する。
この電動送風機36の起動により生じた負圧は、吸気開口部41、排気口146、プリーツフィルタ111、分離部91、吸込口72、吸込部68、接続口55(連通口81)、本体側風路部53および本体吸込口54を介して、管部12へと作用する。
そして、使用者は、この負圧の作用により、床ブラシ19、延長管18、あるいは手元操作部17の先端側から空気とともに塵埃を吸い込む。
この塵埃を含む空気、すなわち含塵空気は、管部12から本体吸込口54、本体側風路部53および接続口55(連通口81)を経由して吸込部68から吸込口72へと導かれ、この吸込口72からカップ部61内へと吸い込まれる。
このカップ部61内の分離部91において、含塵空気はカップ部61の内周面に沿って内筒部本体88の外周を旋回することで、この含塵空気中の特に粗塵が遠心分離され、カップ部61の内周面に沿って落下して塵埃溜め部92に溜められる。なお、塵埃溜め部92に溜められた塵埃(粗塵)は、シェード部89へと含塵空気の流れの一部によって運ばれ、シェード部89の圧縮用開口108を含塵空気が通過することにより圧縮フィルタ109によってシェード部89内で圧縮される。
粗塵が分離された含塵空気は、内筒部本体88の開口101を通過する際に分離フィルタ102により濾過される。さらに、この分離フィルタ102を通過した含塵空気は、底面部103に沿って下流側である上側へと整流されつつフィルタ体63へと運ばれる。そして、この含塵空気は、このフィルタ体63のプリーツフィルタ111を通過することで、このプリーツフィルタ111により、分離部91で分離した塵埃(粗塵)よりも小さい塵埃(細塵)が表面集塵される。
この後、プリーツフィルタ111を通過した空気は、このプリーツフィルタ111の間、および、プリーツフィルタ111の上部と蓋部64との間の風路149を通過し、排気口146から集塵装置27の外部へと流出して、この排気口146と気密に接続された吸気開口部41へと吸い込まれる。
そして、吸気開口部41(吸気フィルタ49)を通過した空気は、ダクト部50を介して電動送風機36へと吸い込まれ、この電動送風機36の内部を冷却しつつ通過して排気風となり、電動送風機36から排気孔44を介して本体ケース26の外部へと排気される。
掃除が終了すると、使用者が所定の設定ボタン22を操作することで、制御回路部37が電動送風機36の入力を低下させて電動送風機36を停止させる。
また、フィルタ体63のプリーツフィルタ111に付着した塵埃(細塵)を廃棄する(プリーツフィルタ111をメンテナンスする)場合には、まず、集塵装置27を本体ケース26から取り外す。このとき、係止クランプ42を操作して本体ケース26に対する集塵装置27の係止を解除するとともに、本体ケース26の前方から一方の手で把手部58を握って本体ケース26を床面などに対して動かないように固定し、他方の手を集塵装置27の把持部145(他の把持面162b)に掛けて前方に引っ張るように回動させると、集塵装置27が係止クランプ42と反対側であるカップ部61の前側下部(回動支点C)を中心として前方へと回動しながら本体ケース26から取り外される。そして、この本体ケース26から取り外した集塵装置27の蓋部64を周方向に回動させてフィルタ体63から取り外し、除塵機構113の除塵体127をスライドさせると、プリーツフィルタ111に断続的に振動(衝撃)が付与されて、このプリーツフィルタ111に付着した塵埃(細塵)が落下除去される。そして、このフィルタ体63をカップ部61から取り外して、カップ部61をごみ箱などの廃棄位置へ持って行き、塵埃を廃棄する。なお、フィルタ体63の取り外しにより露出した内筒部62については、受け部87の中央部に位置する連通開口部96から分離フィルタ102の内側などに付着した塵埃を除去したり、受け部87上に付着した塵埃を除去したりすることが可能である。
さらに、集塵装置27内に一定量の塵埃が溜まった場合には、使用者は、係止クランプ42を操作して本体ケース26から取り外した集塵装置27において、クランプ65を操作してフィルタ体63および内筒部62の係止を解除してカップ部61からこれらフィルタ体63および内筒部62を蓋部64と一体的に取り外し、取手69を把持したカップ部61をごみ箱などの廃棄位置へと運んだ後、上側を下方へと傾けるようにひっくり返すことで、塵埃溜め部92に圧縮された状態で溜まった塵埃(粗塵)が塵埃排出口71から廃棄される。
そして、上記第1の実施形態によれば、把持部145を区画する一および他の把持面162a,162bを互いに略平行としたことで、把持部145に重力方向に対して下方から支持する支持部が生じず、把持部145を掴んで重い掃除機本体13全体を持ち上げにくくなるため、把持部145を掃除機本体13の持ち運びに誤用しにくくできるとともに、軽量の集塵装置27の持ち運びの際には、この把持部145を比較的把持しやすく、集塵装置27の持ち運びに適する。
なお、上記第1の実施形態において、図7に示す第2の実施形態のように、把持部145を区画する一および他の把持面162a,162bを上方へと徐々に互いに接近するように傾斜させて、把持部145の断面を台形状としてもよい。すなわち、把持部145は、把持凹部161a,161bが上方へと徐々に幅広になるようにしてもよい。この場合には、把持部145に重力方向に対して下方から支持する支持部が生じないだけでなく、把持部145が重力方向に反する上方ほど掴みにくくなるので、この把持部145を掴んで重い掃除機本体13全体を持ち上げにくくなるため、把持部145をより確実に掃除機本体13の持ち運びに誤用しにくくできる。
そして、以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、集塵装置27に設けた集塵装置27の持ち運び用の把持部145が、集塵装置27を本体ケース26に装着した状態で、本体ケース26に設けた掃除機本体13の持ち運び用の把手部58よりも下方に位置するとともに、この把手部58に対して略平行でかつ本体ケース26からの取り外し方向に対して交差する方向に沿うため、使用者が掃除機本体13を持ち運ぶ際に、心理的に把持部145よりも把手部58を用いやすくなり、把持部145を掃除機本体13の持ち運びに誤用しにくくできるとともに、集塵装置27を本体ケース26から取り外す際には、把手部58に一方の手を掛けて本体ケース26を固定しつつ、把持部145に他方の手を掛けて集塵装置27を取り外し方向である前方に引っ張ることで、集塵装置27に対して取り外し方向に力を加えやすく、本体ケース26から容易に取り外すことができる。
また、集塵装置27の取り外し方向に位置する把持部145の一の把持面162aと、この一の把持面162aと反対側の他の把持面162bとを互いに略平面状に形成、換言すれば集塵装置27の取り外し方向を区画する把持凹部161a,161bが互いに連通しないようにした。このため、把持部145は、重力方向に対して下方から支持する支持部が生じないので、電動送風機36やコードリール装置などの重量物が本体ケース26に内蔵されているために重い掃除機本体13を持ち上げるのに適さない。したがって、この把持部145により、使用者が誤ってハンドル34の把手部58に代えて掃除機本体13を持ち運ぼうとした場合でも、掃除機本体13が持ち上げにくいため、把持部145を掃除機本体13の持ち運びに誤用しにくくなる。しかも、集塵装置27を本体ケース26に装着した状態では、把持部145の把持面162a,162bが垂直上下方向に対して傾斜しているため、この把持部145を把持して垂直上下方向に力を加えにくい。この結果、使用者が掃除機本体13の持ち運びに把持部145を誤用することを、より確実に構造的に防止できる。
さらに、集塵装置27は、本体ケース26に対して、係止クランプ42の位置と反対側の下方(回動支点C)を中心に前方へと回動させて取り外すため、集塵装置27を取り外す際に把持部145に対して力を前方に加えやすく、集塵装置27を本体ケース26から、より容易に取り外すことができる。
なお、上記各実施形態において、集塵装置27の内部構成は任意に設定でき、例えば多段の遠心分離部を備える構成、あるいは単数、または複数の濾過フィルタを備えるのみの構成などとしてもよい。
また、電源部としては、コードリール装置に代えて、例えば二次電池などの電池を内蔵してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。