以下、第1の実施形態の構成を図1ないし図3を参照して説明する。
図3において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、吸込風路体(風路形成体)である管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
管部12は、掃除機本体13に接続される接続管部15と、この接続管部15の先端側に連通する可撓性を有するホース体16と、このホース体16の先端側に設けられた手元操作部17と、この手元操作部17の先端側に着脱可能に接続される延長管18と、この延長管18の先端側などに着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ19とを備えている。
手元操作部17には、ループ状の把持部21がホース体16側へと突出し、この把持部21の上部には、操作用の設定ボタン22が複数設けられている。
また、掃除機本体13は、大径の走行輪23を両側に有し図示しない旋回輪を下部に有する本体ケース26を備え、この本体ケース26の外部である上部には、集塵カップである集塵装置27が着脱可能となっている。そして、掃除機本体13は、走行輪23および旋回輪によって被掃除面である床面上を少なくとも前後方向に沿って走行(移動)可能に構成されている。なお、以下、前後方向および左右方向は、掃除機本体13(本体ケース26)の走行(移動)方向を基準とする。
本体ケース26は、例えば合成樹脂などにより形成されており、集塵装置27の後方に位置する本体部31と、この本体部31の前部下側に突設されて集塵装置27の下部を支持する集塵装置支持部としての突出受部32とを一体的に有している。また、この本体ケース26には、管部12の接続管部15が接続される本体吸込口34と、集塵装置27の上流側および下流側とそれぞれ連通する図示しない連通開口部および吸気開口部とが開口されている。本体吸込口34は、突出受部32の前端部に開口されており、連通開口部および吸気開口部は、それぞれ本体部31の前部に開口されている。
そして、本体部31の内部には、電動送風機39、図示しないコードリール装置などの電源部、および、図示しない制御手段(制御部)などがそれぞれ収容されている。また、本体部31の内部には、本体吸込口34と連通開口部(集塵装置27の上流側)とを連通する連通風路部が形成されている。さらに、この本体部31の内部には、吸気開口部(集塵装置27の下流側)と電動送風機39の吸込側とを連通する吸気風路部が形成されている。また、この本体部31の後部には、電動送風機39の排気側と本体ケース26の外部とを連通する複数の排気孔が形成されているとともに、これら排気孔の上方の一側に、電源部の電源コードを本体ケース26に対して出し入れするための図示しないコード導出口が形成されている。なお、電源部としては、(二次)電池などを用いることもできる。
電動送風機39は、設定ボタン22の操作に応じて、制御手段により動作が制御されるものである。この電動送風機39は、吸込側を上側として配置されている。
制御手段は、設定ボタン22と電気的に接続されており、この設定ボタン22の操作により設定された動作モード(例えば強モード、中モード、弱モード、自動モード、停止モードなど)に電動送風機39の動作を設定するように構成されている。
一方、集塵装置27は、図2に示すように、構造として、下側に位置して塵埃を内部に溜める第1本体部としてのカップ部51と、このカップ部51の上側に着脱可能に位置し、含塵空気が内部を通過するとともにこの含塵空気中の塵埃の少なくとも一部を分離する第2本体部としての分離部52とを備えている。また、この集塵装置27は、風路構成として、含塵空気が導入される導入口57と、この導入口57と連通する第1分離部である第1遠心分離部58と、この第1遠心分離部58の下流側に連通する中継風路59と、この中継風路59を介して第1遠心分離部58に対して連通する第2分離部である例えば複数の第2遠心分離部60と、これら第2遠心分離部60の下流側に共通して連通する排気風路61と、この排気風路61を介して第2遠心分離部60からの排気を外部に排出する排出口62とを備えている。そして、この集塵装置27は、電動送風機39の駆動により導入口57から内部に吸い込んだ含塵空気中の比較的大きい塵埃である粗塵を第1遠心分離部58で主として遠心分離するとともに、第1遠心分離部58で分離できなかった微細な塵埃、換言すれば第1遠心分離部58で遠心分離する粗塵よりも小さい塵埃である細塵D(図1)を各第2遠心分離部60で主として遠心分離するように構成されている。なお、この集塵装置27は、本体ケース26に対して分離部52側である上側が後方に傾斜するように装着される(図3)ものの、説明をより明確にするために、水平方向に沿う平坦な平面上に直立させて配置した状態を基準として説明する。
カップ部51は、例えば透光性を有する(透明な)合成樹脂などの部材により形成されている。このカップ部51は、下部を構成する小径部63と、この小径部63の上方に位置して上部を構成する大径部64と、これら小径部63と大径部64とを連続する傾斜部65と、この傾斜部65に設けられた覆い部66とを一体的に備えている。また、このカップ部51には、このカップ部51および集塵装置27を持ち運ぶ際に把持されるハンドル部67(図3)が突設されている。さらに、このカップ部51の後部、すなわち本体部31の前部と対向する位置には、導入口57が開口されている。この導入口57は、カップ部51(小径部63)の後部から後方へと延設され、カップ部51の内面(第1遠心分離部58)に対して接線方向に含塵空気を導入するようになっている。そして、この導入口57は、集塵装置27を本体ケース26に装着した状態(図3)で、本体ケース26の連通開口部と連通される。したがって、この導入口57には、管部12および本体吸込口34(図3)を通過した含塵空気が導入されるようになっている。
小径部63は、第1遠心分離部58の外郭を構成するもので、有底円筒状に形成されている。この小径部63の内部の底部は、第1遠心分離部58により遠心分離された塵埃である粗塵が溜められる第1塵埃溜め部68となっている。
大径部64は、カップ部51の開放端である上端を構成するもので、小径部63と同軸状の円筒状に形成されている。
傾斜部65は、大径部64の下端部の全周から小径部63の上端部の全周へと、徐々に縮径するように傾斜している。この傾斜部65は、大径部64の下端部に連続する上側傾斜部65aと、小径部63の上端部に連続する受部65bとを一体的に備えている。上側傾斜部65aは、下方に向けてカップ部51の中心軸側へと傾斜している。また、受部65bは、カップ部51の中心軸側に向けて略水平状に突出している。
覆い部66は、傾斜部65の上下両端の中間の位置、すなわち上側傾斜部65aと受部65bとの間の位置、換言すれば大径部64に対してこの大径部64の内方に離間された位置で、上方に向けて鉛直上下方向に沿って壁状(リブ状)に突設されている。この覆い部66は、傾斜部65の略全周に亘って連続する円環状となっている。そして、この覆い部66は、図1に示すように、大径部64側に対向する外側面である外周面66aと、大径部64および傾斜部65との間に、各第2遠心分離部60により遠心分離された塵埃である細塵Dが溜められる第2塵埃溜め部69をポケット状に区画するようになっている。この第2塵埃溜め部69は、集塵装置27内を通過する空気の流路の外方に位置している。換言すれば、この第2塵埃溜め部69には、電動送風機39(図3)の駆動により生じる負圧が実質的に作用せず、空気が流れない。そして、この第2塵埃溜め部69を区画する大径部64、傾斜部65および覆い部66の表面には、塵埃付着抑制処理が施されている。この塵埃付着抑制処理としては、例えばフッ素樹脂などの帯電防止材を大径部64、傾斜部65および覆い部66の第2塵埃溜め部69側の面に塗布したり、カップ部51(大径部64、傾斜部65および覆い部66)を成形する合成樹脂内に帯電防止材を混入して成形したりするものとする。
図3に示すハンドル部67は、カップ部51の前後方向の中心位置よりも後側寄りで、かつ、集塵装置27を本体ケース26に装着した状態で本体ケース26側に近接するカップ部51の一側部に設けられている。すなわち、このハンドル部67は、カップ部51を軸方向から見てこのカップ部51の後部斜め方向に位置している。このハンドル部67は、カップ部51の軸方向に略平行な鉛直上下方向に沿って設けられている。また、このハンドル部67は、使用者が指を挿入する挿入開口部67aが小径部63の側部に位置しているとともに、この挿入開口部67aよりも上方の大径部64の側部の位置に、カップ部51に対して分離部52を着脱可能に係止するクランプである係止手段(係止部)67bが設けられている。
係止手段67bは、ハンドル部67を把持した手の指で押し操作することで分離部52の係止を解除可能となっている。
一方、図2に示す分離部52は、カップ部51の内部に挿入される挿入部としての内筒71および区画部としての壁部72と、カップ部51の外部に位置する分離体部73とを一体的に備えている。
内筒71は、カップ部51(小径部63)に対して同軸状に中央部に配置され、カップ部51(小径部63)とともに第1遠心分離部58を構成し、第1遠心分離部58の旋回中心となって、外周とカップ部51の内周面との間(周囲)に、含塵空気を旋回させる旋回風路を形成するとともに、内部に中継風路59の上流側を区画するものである。また、この内筒71は、略円筒状の挿入部本体である排気筒部74と、この排気筒部74の下端側に同軸状に設けられた圧縮部であるシェード部75とを備えている。
排気筒部74は、旋回風路を旋回する含塵空気が内部へと通過する開口77を周方向に複数備えており、これら開口77全体が分離フィルタ78によって覆われている。すなわち、これら開口77により、第1遠心分離部58の下流側が分離フィルタ78を介して中継風路59と連通している。そして、この排気筒部74(内筒71)は、分離体部73に対して着脱可能となっている。
また、シェード部75は、第1遠心分離部58において分離した粗塵を、電動送風機39の駆動により生じる負圧を利用して圧縮して第1塵埃溜め部68に溜めるものであり、排気筒部74に対して拡径され、下方に向けて開口されている。このシェード部75には、排気筒部74の下端部の周囲に複数の圧縮用開口81が周方向に略等間隔に離間されて開口されており、これら圧縮用開口81は、圧縮フィルタ82によって覆われている。そして、このシェード部75は、排気筒部74に対して着脱可能となっている。
壁部72は、内筒71の周囲にて分離体部73から下方へと突出する円環状に形成されており、図1に示すように、分離体部73の下端部にて各第2遠心分離部60に対向する上面が、上方から下方へと拡開状に傾斜する塵埃ガイド部としての傾斜面部72aとなっている。また、この壁部72の外側面には、傾斜面部72aの先端の位置に取付凹部72bが凹設され、この取付凹部72bに、可撓性および弾性を有するエラストマ、あるいはゴムなどのシール部材であるパッキン84が取り付けられている。そして、この壁部72は、図2に示すように、分離部52をカップ部51の上方に取り付けた状態で、カップ部51の傾斜部65および覆い部66に対してパッキン84が圧接されることにより、第2塵埃溜め部69を第1塵埃溜め部68に対してシールして第1塵埃溜め部68と第2塵埃溜め部69との連通を遮断し、第2塵埃溜め部69に溜められた細塵D(図1)が第1遠心分離部58と連通する第1塵埃溜め部68に還流して舞い上がらないようにしている。すなわち、図1に示す壁部72の傾斜面部72aは、第2塵埃溜め部69よりも上方に位置している。なお、この壁部72の表面、少なくとも傾斜面部72aには、大径部64、傾斜部65および覆い部66の表面と同様の塵埃付着抑制処理が施されている。
パッキン84は、円環状に形成されたシール部材本体としてのパッキン本体84aと、このパッキン本体84aから延出するリップ部84bとを一体的に備えている。パッキン本体84aは、壁部72の取付凹部72bに嵌着されており、パッキン84の側面である外周面84cが取付凹部72bから側方に露出している。また、リップ部84bは、パッキン本体84aの下端部から下方に向けて自由端状に延出し、外周面84cと略面一となっており、取付凹部72bから外部である下方へと突出している。このパッキン84の外周面84cは、上端側から下端側へと、すなわち壁部72の傾斜面部72a側からこの傾斜面部72aに対して離間される側へと縮径する円筒面状に形成されている。したがって、パッキン84の外周面84cは、傾斜面部72aの外周縁に対して径方向外側へと突出せず、上端側から下端側へと傾斜面部72aの外周縁に対して径方向内側へと傾斜している。そして、このパッキン84は、分離部52をカップ部51に取り付けた状態で、外周面84cが覆い部66の内側面である内周面66bに圧接されて密着するとともに、リップ部84bが傾斜部65(受部65b)と壁部72の下部との間に挟み込まれて、分離部52(壁部72)とカップ部51との隙間を閉塞するようになっている。
また、図2に示すように、分離体部73は、分離部52の側部の外郭を構成する外側面部である周面部85と、この周面部85の内方に組み込まれた複数の円筒部86、通気部87およびダクト部88と、係止手段67b(図3)によってカップ部51に対して係止される係止受部89(図3)とを備えている。また、この分離体部73には、排出口62が形成されているとともに、集塵装置27を本体ケース26に対して係止する係止爪部(係止部)90が設けられている。
周面部85は、分離部52をカップ部51に取り付けた状態で、カップ部51の上端部(大径部64の上部)に隣接するように構成されている。この周面部85の後部には、排出口62が開口されている。この排出口62は、分離部52の後部、すなわち本体部31と対向する位置に開口されている。また、この排出口62は、後部にて左右に位置する第2遠心分離部60間の位置に開口されている。この排出口62は、集塵装置27を本体ケース26に装着した状態で吸気開口部と気密に接続される。したがって、この排出口62は、吸気開口部を介して電動送風機39(図3)の吸込側と気密に接続される。
各円筒部86は、下方に向けて徐々に縮径する第2遠心分離部本体であるコーン部92と、このコーン部92の上部に設けられ中継風路59と連通する導風部93と、この導風部93の中央部に設けられ排気風路61と連通する円筒状の排出部94とを備えている。これら円筒部86は、集塵装置27(第1遠心分離部58)の中心軸の周囲の後部を除く位置に、互いに略等間隔に離間されて円弧状(同一円周上)に配置されている。そして、これら円筒部86のコーン部92と導風部93とにより、各第2遠心分離部60が分離部52内に区画されている。したがって、これら第2遠心分離部60は、集塵装置27(第1遠心分離部58)の中心軸の周囲の後部を除く位置に円弧状(同一円周上)に配置され、鉛直上下方向から見てC字状に位置している。
コーン部92は、導風部93を介して導入された含塵空気を内部で旋回させるもので、上下方向に沿って軸方向を有している。また、これらコーン部92の下端部は、各第2遠心分離部60で遠心分離された細塵Dを第2塵埃溜め部69へと排出する塵埃排出口96となっている。これら塵埃排出口96は、図1に示すように、分離体部73の下部に露出してこの分離体部73の外部(第2塵埃溜め部69)と連通し、壁部72の傾斜面部72aの上方に対向している。
図2に示す導風部93は、中継風路59を介して各第2遠心分離部60を第1遠心分離部58に対して並列に接続するとともに、含塵空気を各第2遠心分離部60(各コーン部92)の内部へと接線方向に沿って導入するものである。これら導風部93は、各コーン部92の上部を覆って設けられ、それぞれ螺旋状に形成されている。
排出部94は、第2遠心分離部60と排気風路61とを連通することで、第2遠心分離部60で細塵D(図1)が遠心分離された空気を第2遠心分離部60の中心軸の位置から排気風路61へと排出するものである。これら排出部94は、上下方向に沿って軸方向を有し、導風部93から上方に突出している。
通気部87は、中継風路59の下流側を区画するもので、分離部52(分離体部73)の各第2遠心分離部60の配置の内方で、かつ、排気風路61の周囲の位置に配置され、下方から上方へと徐々に縮径する略円筒状となっている。したがって、中継風路59は、カップ部51の中央部から、分離部52(分離体部73)の中央部の上端近傍に亘って排気風路61の周囲に形成されており、この中継風路59の後部を除く周囲が複数の第2遠心分離部60によって囲まれている。
ダクト部88は、各第2遠心分離部60を通過した空気を排出口62へと導く排気風路61を区画するもので、通気部87の内方に一部が区画されるとともに、後部の位置で通気部87の内周と連続し、後方に向けて延び、排出口62と連通している。したがって、排気風路61は、各第2遠心分離部60の上方から、これら第2遠心分離部60の側方、本実施形態では、円弧状(略円形状)に配列された第2遠心分離部60の中心へと連続するとともに、後方へと屈曲している。
図3に示す係止受部89は、分離体部73(周面部85)の一側部の下端近傍にて径方向に突設され、下部が開口されている。すなわち、この係止受部89は、分離部52をカップ部51に取り付けた状態で、係止手段67bに対して上方から被せられるように配置されている。そして、この係止受部89の内部には、図示しないが、この係止受部89に挿入された係止手段67bが係止される爪部が設けられている。
図2に示す係止爪部90は、集塵装置27を本体ケース26(図3)に装着する際に、この本体ケース26(図3)に係合されることで集塵装置27を本体ケース26(図3)に係止するもので、分離体部73(周面部85)の後部に例えば上下方向に回動可能に軸支されている。この係止爪部90は、係止部付勢手段としての図示しないコイルばねにより、後方へと進出する方向に向けて付勢されている。そして、この係止爪部90は、分離体部73の上部に設けられた操作部99の操作により、コイルばねの付勢に抗して回動し、集塵装置27の本体ケース26(図3)への係止を解除可能となっている。
次に、上記一実施形態による掃除動作を図1ないし図3を参照して説明する。
掃除を開始する際には、まず、カップ部51に対して分離部52を取り付けて一体的に組み立てる。このとき、分離部52は、係止受部89をカップ部51のハンドル部67の上部に位置する係止手段67bに位置合わせした状態でカップ部51に対して押し込むことで、係止手段67bが係止受部89に係止される。また、カップ部51の内部では、内筒71が小径部63と同軸に挿入されて第1遠心分離部58が構成されるとともに、壁部72の先端側である下端側がカップ部51の傾斜部65にパッキン84を介して密着し、このパッキン84の外周面84cがカップ部51の覆い部66の内周面66bに圧接されて略隙間なく覆われ、リップ部84bがカップ部51の傾斜部65と壁部72との間に挟み込まれることで第1塵埃溜め部68と第2塵埃溜め部69とが互いに遮断される。したがって、壁部72の傾斜面部72aが覆い部66の上端部と連続するように位置し、パッキン84の外周面84cが第2塵埃溜め部69に露出しない状態となる(図1)。
そして、この組み立てた集塵装置27を本体ケース26に装着する。すなわち、集塵装置27を、本体ケース26の突出受部32に載置して支持し、かつ、係止爪部90を本体ケース26に係止することにより本体ケース26に対して集塵装置27を係止することで、集塵装置27の導入口57および排出口62が本体ケース26の連通開口部および吸気開口部とそれぞれ気密に接続される。したがって、集塵装置27が電動送風機39の吸込側と本体吸込口34との間に気密に接続された状態で本体ケース26に装着される。
なお、集塵装置27が本体ケース26に既に装着された状態である場合には、これらの操作は不要である。
この状態で、掃除機本体13(本体ケース26)の本体吸込口34に管部12を接続する。具体的に、管部12は、接続管部15を本体吸込口34に挿入接続するとともに、必要に応じて、手元操作部17の先端側に延長管18および床ブラシ19を順次接続する。この状態で、手元操作部17の設定ボタン22が掃除機本体13(本体ケース26)内の制御手段などと電気的に接続される。なお、管部12が掃除機本体13に既に接続された状態である場合には、これらの操作は不要である。
そして、使用者は、コード導出口から電源コードを引き出して壁面などのコンセントに接続した後、把持部21を把持し、所望の設定ボタン22を操作することにより、電動送風機39の動作モードを設定する。制御手段は、この設定された動作モードに対応して電動送風機39の入力を制御し、電動送風機39を設定された動作モードで起動する。
この電動送風機39の起動により生じた負圧は、吸気風路部、吸気開口部、排出口62、排気風路61、第2遠心分離部60、中継風路59、第1遠心分離部58、導入口57、連通開口部、連通風路部および本体吸込口34を介して、管部12へと作用する。
そして、使用者は、この負圧の作用により、床ブラシ19、延長管18、あるいは手元操作部17の先端側から空気とともに塵埃を吸い込む。
この塵埃を含む空気、すなわち含塵空気は、管部12から本体吸込口34、連通風路部および連通開口部を経由して導入口57へと導かれ、この導入口57から集塵装置27内、すなわち第1遠心分離部58内へと吸い込まれる。
この第1遠心分離部58では、含塵空気が旋回風路を旋回することで、この含塵空気中の特に粗塵が遠心分離され、カップ部51の小径部63の内周面に沿って落下して第1塵埃溜め部68に溜められる。なお、この粗塵は、旋回風路から内筒71のシェード部75へと、含塵空気の流れの一部によって運ばれ、シェード部75の圧縮用開口81を含塵空気が通過することにより圧縮フィルタ82によってシェード部75内で圧縮される。
粗塵が分離された含塵空気は、内筒71の排気筒部74の開口77を通過する際に分離フィルタ78により濾過される。さらに、この分離フィルタ78を通過した含塵空気は、中継風路59を介して導風部93により各第2遠心分離部60内(コーン部92内)へとそれぞれ分岐されて流入する。
これら第2遠心分離部60では、含塵空気がコーン部92を旋回することで、この含塵空気中の細塵Dが遠心分離され、塵埃排出口96から壁部72へと落下し、この壁部72の傾斜面部72aに沿って各第2遠心分離部60の下方(直下)、換言すれば、これら第2遠心分離部60の中心軸位置に対して、側方へとずれた位置に導かれて、覆い部66の上端部を越えて第2塵埃溜め部69に溜められる。
そして、細塵Dが遠心分離された実質的に塵埃を含まない空気は、各排出部94を介して各第2遠心分離部60から排気風路61へと排気されて合流し、この排気風路61によって流量が絞られつつ後方へと導かれて、排出口62から集塵装置27の外部へと排気される。
この後、この空気は、吸気開口部から吸気風路部を通過した後、電動送風機39へと吸い込まれ、この電動送風機39の内部を冷却しつつ通過して排気風となり、電動送風機39から排気孔を介して本体ケース26の外部へと排気される。
掃除が終了すると、使用者が所定の設定ボタン22を操作することで、制御手段が電動送風機39の入力を低下させて電動送風機39を停止させる。
集塵装置27内に一定量の塵埃が溜まった場合には、使用者が操作部99を操作することで係止爪部90を退避させ、集塵装置27を本体ケース26から取り外す。
そして、ハンドル部67を把持して係止手段67bを操作しつつ、分離部52をカップ部51から上方へ引き抜くことで分離部52がカップ部51から取り外される。この取り外しにより、カップ部51から内筒71が引き抜かれるとともに、壁部72の先端側のパッキン84の外周面84cが覆い部66(内周面66b)から、リップ部84bが傾斜部65から、それぞれ離間される。
この状態で、使用者は、カップ部51をごみ箱などの廃棄位置へと集塵装置27を運んだ後、上側を下方へと傾けるようにひっくり返すことで、カップ部51に圧縮された状態で溜まった粗塵および細塵Dがそれぞれ廃棄される。
このように、上記第1の実施形態によれば、カップ部51に分離部52を取り付けた状態でパッキン84の外周面84cを覆う覆い部66をカップ部51に設けることで、第2塵埃溜め部69内に溜められた細塵Dが、この第2塵埃溜め部69を第1塵埃溜め部68に対してシールするパッキン84の外周面84cに付着することを抑制できる。したがって、塵埃を廃棄する際に分離部52をカップ部51から取り外した状態で露出するパッキン84の外周面84cから細塵Dが落下しにくく、パッキン84の外周面84cからの細塵Dの落下や塵埃の廃棄の際の細塵Dの舞い上がりなどを抑制でき、衛生的に塵埃を廃棄できる。
また、覆い部66を傾斜部65からリブ状に突設することで、第2塵埃溜め部69が覆い部66の外周面66a側に区画されることとなり、第2塵埃溜め部69内に溜められた細塵Dが覆い部66の内周面66bに直接接触しない。したがって、覆い部66の内周面66bに圧接されるパッキン84の外周面84cに対して、覆い部66の反対側に位置する第2塵埃溜め部69内に溜められる細塵Dがより付着しにくくなる。
さらに、第2塵埃溜め部69内に溜められる細塵Dは、コーン部92の内周面などとの摩擦によって静電気を帯びており、こびり付いて取れにくいため、第2塵埃溜め部69および壁部72の表面に塵埃付着抑制処理を施すことで、細塵Dがこびり付きにくくなり、壁部72の傾斜面部72aなどに細塵Dが残留しにくいので、第2塵埃溜め部69内へと容易に落下させることができるとともに、塵埃を廃棄する際に、第2塵埃溜め部69などに細塵Dが残留しにくく、容易に細塵Dを廃棄できる。
そして、パッキン84は、外周面84cを壁部72の傾斜面部72aから離間するほど径方向内側に向けて傾斜させているので、外周面84cが傾斜面部72aの外方に突出せず、分離部52をカップ部51から取り外した際に壁部72の傾斜面部72aから細塵Dが仮に落下した場合でも、この細塵Dが外周面84cに付着しにくい。
次に、第2の実施形態を図4を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施形態は、上記第1の実施形態において、傾斜部65の上端側と下端側との中間位置に、この傾斜部65と連続するように覆い部66が段差状に設けられているものである。
すなわち、傾斜部65は、大径部64の下端部に連続する上側傾斜部65aと、小径部63の上端部に連続する受部65bと、これら上側傾斜部65aと受部65bとの間に連続する覆い部66とを一体的に備えている。
第2塵埃溜め部69は、分離部52をカップ部51に取り付けた状態で壁部72がパッキン84を介して傾斜部65の覆い部66と受部65bとに圧接される、すなわちパッキン84の外周面84cが覆い部66に圧接されて覆い部66により覆われ、リップ部84bが壁部72の下部と受部65bとの間に挟み込まれることにより、大径部64と上側傾斜部65aとにより区画されている。したがって、覆い部66は、第2塵埃溜め部69の下方に位置している。
そして、掃除を開始する際に、カップ部51に対して分離部52を取り付けて一体的に組み立てると、カップ部51の内部において、内筒71が小径部63と同軸に挿入されて第1遠心分離部58が構成されるとともに、壁部72の先端側である下端側がカップ部51の傾斜部65にパッキン84を介して密着し、このパッキン84の外周面84cがカップ部51の覆い部66に圧接されて略隙間なく覆われ、リップ部84bがカップ部51の受部65bと壁部72との間に挟み込まれることで第2塵埃溜め部69が区画され、この第2塵埃溜め部69が第1塵埃溜め部68と遮断される。したがって、壁部72の傾斜面部72aが傾斜部65の上側傾斜部65aの内周側、すなわち覆い部66の上端部と連続する位置に対向して位置し、パッキン84の外周面84cが第2塵埃溜め部69に露出しない状態となる(図4)。
また、塵埃を廃棄する際には、分離部52をカップ部51から取り外すと、カップ部51から内筒71が引き抜かれるとともに、壁部72の先端側のパッキン84の外周面84cが覆い部66から、リップ部84bが受部65bから、それぞれ離間され、第2塵埃溜め部69内に溜められた細塵Dが傾斜部65に沿って第1塵埃溜め部68へと落下して、この第1塵埃溜め部68内の粗塵に降りかかって混ざる。この状態で、使用者は、カップ部51をごみ箱などの廃棄位置へと集塵装置27を運んだ後、上側を下方へと傾けるようにひっくり返すことで、カップ部51に圧縮された状態で溜まった粗塵および細塵Dが混ざった状態で一体的に廃棄される。
このように、カップ部51に分離部52を取り付けた状態でパッキン84の外周面84cを覆う覆い部66をカップ部51に設けることで、上記第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、分離部52をカップ部51から取り外すと、第2塵埃溜め部69と第1塵埃溜め部68とが連通して第2塵埃溜め部69内の細塵Dが第1塵埃溜め部68へと落下して粗塵と混ざるので、塵埃の廃棄の際にカップ部51をひっくり返すと、粗塵が細塵Dの上方を覆うように一体的に廃棄されるため、細塵Dがより舞い上がりにくくなり、塵埃をより衛生的に廃棄できる。
なお、上記各実施形態において、電気掃除機11はキャニスタ型に限らず、掃除機本体13に延長管18および床ブラシ19などからなる管部12を直接接続したスティック型、上下方向に長手状の掃除機本体13の下部に床ブラシ19を接続したアップライト型、あるいは被掃除面上を自律走行可能なロボット型などでも対応して用いることができる。
そして、以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、第2塵埃溜め部69を第1塵埃溜め部68に対してシールするパッキン84の外周面84cへの第2塵埃溜め部69内の細塵Dの付着を抑制できる。
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。