以下、一実施形態の構成を図1ないし図4を参照して説明する。
図4において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、吸込風路体(風路形成体)である管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
管部12は、掃除機本体13に接続される接続管部15と、この接続管部15の先端側に連通する可撓性を有するホース体16と、このホース体16の先端側に設けられた手元操作部17と、この手元操作部17の先端側に着脱可能に接続される延長管18と、この延長管18の先端側などに着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ19とを備えている。
手元操作部17には、ループ状の把持部21がホース体16側へと突出し、この把持部21の上部には、操作用の設定ボタン22が複数設けられている。
また、掃除機本体13は、大径の走行輪23を両側に有し図示しない旋回輪を下部に有する本体ケース25を備え、この本体ケース25の上部には、集塵カップである集塵装置26が着脱可能となっている。そして、掃除機本体13は、走行輪23および旋回輪によって被掃除面である床面上を少なくとも前後方向に沿って走行(移動)可能に構成されている。なお、以下、前後方向および左右方向は、掃除機本体13(本体ケース25)の走行(移動)方向を基準とする。
本体ケース25は、例えば合成樹脂などにより形成されており、集塵装置26の後方に位置する本体部31と、この本体部31の前部に突設されて集塵装置26の下部を支持する集塵装置支持部としての突出受部32とを一体的に有している。そして、本体ケース25の内部には、これら本体部31と突出受部32とに亘って、図示しない本体風路部が配置されている。
本体部31の内部には、電動送風機35、この電動送風機35などに給電可能なコードリール装置、あるいは二次電池などの図示しない電源部、および、電動送風機35の動作を制御する制御手段としての制御回路部などがそれぞれ収容されている。また、この本体部31の前部の突出受部32の上方には、図示しないが、本体ケース25に装着された集塵装置26の下流側に気密に接続される吸気開口部と、この集塵装置26の上流側に気密に接続される連通開口部とが上下に位置して開口形成されている。そして、この本体部31の後端部には、電動送風機35からの排気を本体ケース25の外部へと排出する図示しない排気孔が形成されている。
電動送風機35は、設定ボタン22の操作に応じて、制御回路部により動作が制御されるものである。そして、この電動送風機35の吸込側は、吸気開口部と連通しており、下流側は排気孔と連通している。
また、制御回路部は、設定ボタン22と電気的に接続されており、この設定ボタン22の操作により設定された動作モード(例えば強モード、中モード、弱モード、自動モード、停止モードなど)に電動送風機35の動作を設定するように構成されている。
また、突出受部32の前面には、管部12の接続管部15が接続される本体吸込口36が形成されており、この本体吸込口36が本体風路部の上流端の開口となっている。したがって、この本体吸込口36は、本体風路部を介して連通開口部と連通し、この連通開口部を介して集塵装置26の上流側と連通可能となっている。
さらに、集塵装置26は、図1ないし図4に示すように、下側に位置する第1本体部としての下側本体部38と、この下側本体部38の上側に位置する第2本体部としての上側本体部39とを着脱可能に備えている。さらに、下側本体部38には、第1遠心分離部41と、空間部42とが設けられており、上側本体部39には、通気風路部43と、例えば複数の第2遠心分離部44と、風路部45とが設けられている。そして、この集塵装置26は、本体ケース25に対して、図示しない係止機構により着脱可能に係止されるように構成されている。
下側本体部38は、下側に位置する第1遠心分離部41と、上側に位置する空間部42とを一体的に備えたユニット状に構成されている。
また、第1遠心分離部41は、電動送風機35の駆動により内部に吸い込んだ含塵空気中の一部である相対的に大きい塵埃、すなわち粗塵を主として遠心分離して溜めるものである。そして、この第1遠心分離部41は、略有底円筒状のケース部47と、このケース部47の内部に収容された構造体としての連結体である略円筒状のセード部49とを有している。
ケース部47は、例えば透光性を有する(透明な)合成樹脂などの部材により形成されている。したがって、第1遠心分離部41は、外部から内部を目視可能となっている。また、このケース部47の後部には、含塵空気を吸い込むための導入口51が開口されているとともに、集塵装置26(下側本体部38(第1遠心分離部41))を把持するための取手部52が突設されている。さらに、このケース部47の上端部の全周には、空間部42側である上方に向けて円筒状の塵埃ガイド部としての壁部53が同軸状に突設されており、この壁部53の中央部が、第1遠心分離部41内に溜まった粗塵を廃棄するための塵埃廃棄口54となっている。
導入口51は、後方へと略水平状に延びており、集塵装置26を本体ケース25に装着した状態で連通開口部と気密に接続される。したがって、この導入口51は、連通開口部を介して本体吸込口36と気密に接続される。
また、取手部52は、ケース部47の後部で、かつ、導入口51の側方、換言すれば導入口51の近傍に突設されている。この取手部52は、例えば上下方向、すなわち下側本体部38(第1遠心分離部41)の軸方向に対して平行に設けられている。さらに、この取手部52は、例えばケース部47に対してループ状などとなっている。なお、この取手部52は、例えば集塵装置26を本体ケース25に装着する際の位置決め用としてもよい。
また、壁部53は、上方へと徐々に縮径されている。すなわち、この壁部53は、上方へと中心軸側に徐々に傾斜している。さらに、この壁部53の上端部は、下側本体部38に上側本体部39を取り付けた状態で、この上側本体部39の下端部に対して気密に接続される。したがって、塵埃廃棄口54は、上側本体部39の下側本体部38に対する着脱によって開閉可能となっている。
また、セード部49は、外周とケース部47の内周面47aとの間に、含塵空気を旋回させる旋回風路58を形成するとともに、内部を通して第1遠心分離部41と各第2遠心分離部44側(通気風路部43)とを接続するものであり、略円筒状の構造体本体であるセード部本体61と、このセード部本体61の下端側に同軸状に設けられた圧縮部62とを備えており、セード部本体61の上端側が上側本体部39と気密に接続されている。すなわち、このセード部49は、第1遠心分離部41の旋回中心となっている。また、このセード部49は、ケース部47(ケース部47の塵埃廃棄口54)に対して着脱可能となっている。
セード部本体61は、旋回風路58を旋回する含塵空気が内部へと通過する開口66を周方向に複数備えており、これら開口66全体がフィルタ67によって覆われている。また、このセード部本体61の上部の全周には、鍔状の閉塞部68が外方に向けて突設されている。この閉塞部68は、壁部53の上端部に対して着脱可能に接続されている。すなわち、この閉塞部68により、セード部49の上流側である外周側、換言すれば第1遠心分離部41の上流側であるフィルタ67(開口66)よりも上流側が、上側本体部39の通気風路部43に対して遮断されている。
また、圧縮部62は、第1遠心分離部41において分離した粗塵を、電動送風機35の駆動により生じる負圧を利用して圧縮するものであり、セード部本体61の下端部から径方向へと鍔状に突出する円形状の天板部73と、この天板部73の外周縁から下方へと突出する周板部74とを一体的に有し、下方に向けて開口している。さらに、天板部73には、複数の通気開口75が周方向に略等間隔に離間されて開口されており、これら通気開口75は、圧縮フィルタ76によって覆われている。そして、この圧縮部62は、旋回風路58を旋回する含塵空気の一部が下側から通気開口75へと循環するように通過することで圧縮フィルタ76に粗塵を押し付け、粗塵を圧縮した状態で溜めるように構成されている。
また、空間部42は、円筒状に設けられ、第1遠心分離部41のケース部47の上端部の全周縁部に連続してケース部47に対して上方へと拡開している。すなわち、この空間部42は、外側から内側へと下方に向けて傾斜した傾斜面部77を備えている。さらに、この空間部42の内周側は、壁部53によって区画されている。すなわち、この空間部42は、塵埃廃棄口54の外周に設けられ、下側本体部38に対する上側本体部39の着脱により、上側が開閉される。また、この空間部42の内部には、風路部45の両側に位置して傾斜面部77から上方に向けて仕切り部78,78が突設されている。これら仕切り部78,78は、例えば平面視で壁部53(塵埃廃棄口54)の外周から径方向に沿って放射状に設けられている。そして、空間部42のうち、これら仕切り部78,78の間の相対的に広い領域が、全ての第2遠心分離部44の下端部と連通し各第2遠心分離部44により遠心分離された含塵空気中の相対的に小さい円弧状の塵埃、すなわち細塵を内部に溜める収納部としての細塵溜め部79となっているとともに、仕切り部78,78間の相対的に狭い円弧状の領域が、細塵を溜めない非細塵溜め部80となっている。換言すれば、細塵溜め部79は、空間部42のうち、第2遠心分離部44の下方に位置する領域であり、非細塵溜め部80は、空間部42のうち、第2遠心分離部44が位置しない(第2遠心分離部44の下方に対向しない)位置、すなわち風路部45の下流端の下方で、かつ、導入口51の上方に位置する領域である。
細塵溜め部79は、空間部42の後側の両側から前側に亘って設けられている。
また、非細塵溜め部80は、空間部42の細塵溜め部79の両端間に設けられている。
また、上側本体部39は、第1風路体81、第2風路体82、導入風路体83、分離風路体84、および、上蓋部85を一体的に備えたユニット状となっている。
第1風路体81は、上側本体部39の下端部を構成する円形板状の下板部91と、この下板部91の中央部に円形状に開口された開口部92と、この開口部92の中央部に位置して下板部91から上方へと立ち上がる通気部としての円筒状の筒部93と、この筒部93の後部に連通して後方へと延び下板部91と連結された連通通気部としてのダクト部94と、筒部93の外方にこの筒部93と同心状に開口部92の縁部から上方へと立ち上がる円筒状の導風部95とを一体に備えている。そして、下板部91の下部には、上側本体部39と下側本体部38の上部(空間部42)との隙間を閉塞するシール部材96が取り付けられている。また、導風部95は、上方へと開口部92の中心側、すなわち筒部93の外周に接近するように傾斜している。
また、第2風路体82は、下端部が第1風路体81の筒部93の上端部に気密に接続された整流部としての円筒状の通気筒部98と、この通気筒部98の上端部から上方へと外側に徐々に湾曲しつつ拡径する鍔状に延びるフランジ部99とを一体に備えている。そして、このフランジ部99の外周が上蓋部85の内縁部に当接している。
また、導入風路体83は、第1風路体81の導風部95の上端部に気密に接続される通気接続部としての円筒状の連結筒部101と、この連結筒部101の上端部から外側へとフランジ部99の下部に対向するように鍔状に延びて分離風路体84の上側を覆う円形状の延出部102と、この延出部102に螺旋蓋状に設けられ第2遠心分離部44の上端部をなす複数の旋回部103と、これら旋回部103のそれぞれの中央部に円筒状に一体に設けられた排気部としての排気筒部104と、延出部102の上部に沿って各旋回部103の接線方向に沿ってこれら旋回部103と連通して設けられ含塵空気を旋回部103内へと導入する分岐導入部105とを一体に備えている。そして、排気筒部104の上端部が、第2風路体82のフランジ部99に開口された円形状の接続孔106に気密に挿入接続されている。
また、分離風路体84は、連結筒部101の外方にて第1風路体81の導風部95の上端部に接続される円筒状の接続筒部107と、この接続筒部107の上端部から外側へと鍔状に延び第1風路体81のダクト部94の上部に重なる円形状の突出部108と、この突出部108の外周縁から下方へと突出して上側本体部39の外周をなす外壁部109と、この外壁部109の内方の位置で突出部108に設けられ第2遠心分離部44の下端部をなす第2遠心分離部本体としての分離室部である複数の旋回筒部110とを一体に備えている。そして、これら旋回筒部110は、第1遠心分離部41のケース部47よりも小径に形成されており、さらに上端部から下端部へと徐々に縮径されている。また、これら旋回筒部110の上端部には、導入風路体83の旋回部103がそれぞれ嵌合しているとともに、これら旋回筒部110の下端部は、第1風路体81の下板部91に円形状に開口された挿入孔111にそれぞれ挿入されて空間部42に連通している。
また、上蓋部85は、導入風路体83の上側を覆って分離風路体84の上端部に連結されている。
そして、通気風路部43は、第1遠心分離部41と各第2遠心分離部44とを気密に接続するものである。この通気風路部43は、第1風路体81の開口部92、筒部93とダクト部94との間、および、第2風路体82の通気筒部98およびフランジ部99と導入風路体83の連結筒部101、延出部102および旋回部103との間に亘って気密に区画され、分岐導入部105および旋回部103を介して各第2遠心分離部44(旋回筒部110の内部)と連通している。したがって、この通気風路部43は、上流側(第1遠心分離部41の下流側)から下流側(第2遠心分離部44の上流側)へと、含塵空気の流量を絞りつつ整流するように構成されている。
また、各第2遠心分離部44は、含塵空気の旋回半径を第1遠心分離部41での旋回半径よりも小さく、かつ、旋回速度を第1遠心分離部41での旋回速度よりも大きくすることによって、第1遠心分離部41を通過した含塵空気中のこの第1遠心分離部41で遠心分離する塵埃よりも(相対的に)小さい塵埃、すなわち細塵を遠心分離して空間部42へと落下させるものである。換言すれば、各第2遠心分離部44は、含塵空気中の第1遠心分離部41で分離できなかった塵埃を遠心分離するものである。そして、これら第2遠心分離部44は、第1遠心分離部41の上方で、導入風路体83の旋回部103および排気筒部104と分離風路体84の旋回筒部110との間に区画されており、分岐導入部105および旋回部103から通気風路部43を通過した含塵空気を内部に導入するとともに、旋回筒部110内で旋回させ、遠心分離した細塵を下端部から空間部42へと落下させるとともに、細塵を分離したきれいな空気を排気筒部104から風路部45へと排気するように構成されている。また、これら第2遠心分離部44は、集塵装置26(第1遠心分離部41)の中心軸の周囲の後部(風路部45)を除く位置に、互いに略等間隔に離間されて円弧状に配置されている。
また、風路部45は、各排気筒部104から上蓋部85と第2風路体82のフランジ部99および通気筒部98との間、第1風路体81の筒部93、ダクト部94および下板部91により気密に区画されている。すなわち、この風路部45は、全ての第2遠心分離部44の下流側と連通し、各第2遠心分離部44の上方から、これら第2遠心分離部44の側方、本実施形態では、円弧状(略円形状)に配列された第2遠心分離部44の中心へと空気の流量を徐々に絞るように連続するとともに、後方へと屈曲している。そして、この風路部45の下流端側は、空気を集塵装置26から排出するための排気開口116となっており、後側の第2遠心分離部44,44間に位置している。この排気開口116は、集塵装置26を本体ケース25に装着した状態で吸気開口部と気密に接続される。したがって、この排気開口116は、吸気開口部を介して電動送風機35の吸込側と気密に接続される。また、排気開口116は、導入口51と同側である集塵装置26の後側に位置しており、集塵装置26を本体ケース25に装着した状態で本体ケース25の本体部31の前部に対向する。このため、この排気開口116の一側の近傍に取手部52が位置している。
次に、上記一実施形態による掃除動作を説明する。
掃除を開始する際には、まず、下側本体部38と上側本体部39とを一体的に組み立てた集塵装置26を本体ケース25に装着する。すなわち、集塵装置26を、取手部52を本体ケース25側に位置合わせしつつ本体ケース25の突出受部32に載置して支持し、かつ、係止機構により本体ケース25に対して集塵装置26を後側へと押し付けるように係止することで、集塵装置26の導入口51および排気開口116が本体ケース25の連通開口部および吸気開口部とそれぞれ気密に接続される。したがって、集塵装置26が電動送風機35の吸込側と本体吸込口36との間に気密に接続された状態で本体ケース25に装着される。
なお、集塵装置26が本体ケース25に既に装着された状態である場合には、これらの操作は不要である。
この状態で、掃除機本体13(本体ケース25)の本体吸込口36に管部12を接続する。具体的に、管部12は、接続管部15を本体吸込口36に挿入接続するとともに、必要に応じて、手元操作部17の先端側に延長管18および床ブラシ19を順次接続する。この状態で、手元操作部17の設定ボタン22が掃除機本体13(本体ケース25)内の制御回路部などと電気的に接続される。なお、管部12が掃除機本体13に既に接続された状態である場合には、これらの操作は不要である。
そして、使用者は、把持部21を把持し、所望の設定ボタン22を操作することにより、電動送風機35の動作モードを設定する。制御回路部は、この設定された動作モードに対応して電動送風機35の入力を制御し、電動送風機35を設定された動作モードで起動する。
この電動送風機35の起動により生じた負圧は、吸気開口部、排気開口116、風路部45、第2遠心分離部44、通気風路部43、第1遠心分離部41、導入口51、連通開口部、本体風路部および本体吸込口36を介して、管部12へと作用する。
そして、使用者は、この負圧の作用により、床ブラシ19、延長管18、あるいは手元操作部17の先端側から空気とともに塵埃を吸い込む。
この塵埃を含む空気、すなわち含塵空気は、管部12から本体吸込口36、本体風路部および連通開口部を経由して導入口51へと導かれ、この導入口51から集塵装置26内、すなわち第1遠心分離部41内へと吸い込まれる。
この第1遠心分離部41では、含塵空気は旋回風路58を旋回することで、この含塵空気中の特に粗塵が遠心分離され、ケース部47の内周面47aに沿って落下して底部上に溜められる。なお、この粗塵は、旋回風路58からセード部49の圧縮部62へと、含塵空気の流れの一部によって運ばれ、圧縮部62の通気開口75を含塵空気が通過することにより圧縮フィルタ76によって圧縮部62内で圧縮される。
粗塵が分離された含塵空気は、セード部49の開口66を通過する際にフィルタ67により濾過される。さらに、このフィルタ67を通過した含塵空気は、通気風路部43へと運ばれる。そして、この含塵空気は、この通気風路部43において、徐々に流量が絞られて整流され、各分岐導入部105から各旋回部103の接線方向に沿って各第2遠心分離部44内(旋回筒部110内)へとそれぞれ分岐されて流入する。
これら第2遠心分離部44(旋回筒部110)において、含塵空気は、内周面(旋回筒部110の内周面)に沿って旋回され、この含塵空気中の細塵が遠心分離され、第2遠心分離部44(旋回筒部110の内周面)に沿って落下し、細塵溜め部79に溜められる。なお、この細塵溜め部79に溜められた細塵は、傾斜面部77に沿って下方へと導かれ、この傾斜面部77と壁部53との間に位置する。
そして、細塵が遠心分離されたきれいな空気は、各第2遠心分離部44の中央部の排気筒部104から風路部45へと排気されて合流し、この風路部45によって流量が絞られつつ後方へと導かれて、排気開口116から集塵装置26の外部へと排気される。
この後、この空気は、吸気開口部から電動送風機35へと吸い込まれ、この電動送風機35の内部を冷却しつつ通過して排気風となり、電動送風機35から排気孔を介して本体ケース25の外部へと排気される。
掃除が終了すると、使用者が所定の設定ボタン22を操作することで、制御回路部が電動送風機35の入力を低下させて電動送風機35を停止させる。
集塵装置26内に一定量の塵埃が溜まった場合には、使用者が係止機構を外部操作することにより集塵装置26を本体ケース25から取り外す。
そして、上側本体部39を下側本体部38から取り外すとともに、セード部49をケース部47の塵埃廃棄口54から取り外し(図3)、取手部52を把持して下側本体部38をごみ箱などの廃棄位置へと集塵装置26を運んだ後、上側を下方へと傾けることで、第1遠心分離部41に圧縮された状態で溜まった粗塵が壁部53の内周に沿って塵埃廃棄口54から廃棄されるとともに、細塵溜め部79に溜まった細塵が仕切り部78,78の両側方から壁部53の外周に沿って落下して廃棄される。
以上説明した一実施形態によれば、第1遠心分離部41の上方に、この第1遠心分離部41を通過した含塵空気中の細塵を分離する第2遠心分離部44を設けるとともに、第1遠心分離部41の上方で、かつ、第2遠心分離部44の側方に、この第2遠心分離部44を通過した空気を電動送風機35側へと導く風路部45を設けることにより、第1遠心分離部41と第2遠心分離部44(細塵溜め部79)とに分けて粗塵と細塵とのそれぞれのスペースを確保して効果的に溜めつつ、風路部45が上方に過剰に突出することを抑制し、集塵装置26の大型化を抑制できる。
特に、各第2遠心分離部44は、第1遠心分離部41を通過した細塵を遠心分離するものであるため、第1遠心分離部41よりもそれぞれ径寸法が小さく、これら第2遠心分離部44の側方には、デッドスペースが生じやすい。そのため、このデッドスペースを有効に利用して風路部45を設けることで、風路部45が各第2遠心分離部44と略等しい高さに位置し、これら第2遠心分離部44に対して上方に突出することがない。
また、第1遠心分離部41の風路部45の下流端である排気開口116の近傍に取手部52を設けることにより、この取手部52の近傍の位置には第2遠心分離部44が位置しておらず、非細塵溜め部80が取手部52の上方に位置する、換言すれば、取手部52の近傍の位置には細塵が溜まっていないこととなる。したがって、各第2遠心分離部44により遠心分離された細塵を収納するとともに上側が開閉可能な細塵溜め部79を設けた集塵装置26において、細塵溜め部79の上側を開き、取手部52を把持して下側本体部38(第1遠心分離部41および細塵溜め部79)を傾けて塵埃を廃棄する際に、相対的に上側となる取手部52の近傍から細塵が勢いよく落下して舞い上がることがなく、取手部52を把持した使用者の手が細塵によって汚れにくくなる。
さらに、導入口51は、風路部45の下流端である排気開口116と同側であるため、取手部52が導入口51の近傍に位置していることとなる。したがって、細塵溜め部79の上側を開き、取手部52を把持して下側本体部38(第1遠心分離部41および細塵溜め部79)を傾けて塵埃を廃棄する際に、取手部52側に位置する導入口51が相対的に上側となるため、この導入口51から第1遠心分離部41内に溜まった粗塵が漏れにくくなる。
また、第1遠心分離部41の導入口51を風路部45の下流端である排気開口116と同側である後側に位置するため、集塵装置26を本体ケース25に装着する際に、集塵装置26を導入口51および排気開口116側である後側へと押し付けるように保持すると、導入口51と本体ケース25側の連通開口部との接続、および、排気開口116と本体ケース25側の吸気開口部との接続のそれぞれの気密性を同時に得ることができる。すなわち、導入口および排気開口が互いに反対側に位置している場合、導入口側を本体ケース側に押し付ける方向と、排気開口側を本体ケース側に押し付ける方向とが反対になるので、集塵装置26を本体ケース25に装着した際の接続の気密性の確保が容易でないのに対して、本実施形態では、一方向である後側へと集塵装置26を押し付けるだけで導入口51側と排気開口116側との接続の気密性をそれぞれ容易に得ることができる。
さらに、導入口51と排気開口116とがそれぞれ後側に位置しているので、集塵装置26の第1遠心分離部41のケース部47の前側には構造物が配置されることがなく、第1遠心分離部41の内部をケース部47の前方から目視しやすくなる。したがって、第1遠心分離部41での粗塵の捕集の溜まり具合を使用者が目視確認しやすく、掃除の達成感を得やすいとともに塵埃の廃棄のタイミングなどを認識しやすくなり、使い勝手がより向上する。
なお、上記一実施形態において、第2遠心分離部44は、複数に限らず、例えば第1遠心分離部41の上方に1つのみ配置してもよい。
また、電気掃除機11としては、キャニスタ型に限らず、例えば上下方向に長手状の掃除機本体13の下部に床ブラシ19を接続したアップライト型、あるいは自走(自律走行)式のものなどでもよい。
さらに、本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。