以下、一実施形態の構成を図1ないし図9を参照して説明する。
図9において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、風路形成体である管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
管部12は、掃除機本体13に接続される接続管部15と、この接続管部15の先端側に連通する可撓性を有するホース体16と、このホース体16の先端側に設けられた手元操作部17と、この手元操作部17の先端側に着脱可能に接続される延長管18と、この延長管18の先端側などに着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ19とを備えている。
手元操作部17には、例えばループ状の手元把持部21がホース体16側へと突出し、この手元把持部21の上部には、操作用の設定ボタン22が複数設けられている。
図1ないし図9に示すように、掃除機本体13は、大径の車輪である走行輪23を両側に有し旋回輪24などを下部に有する本体ケース26を備え、この本体ケース26の外部である上部には、集塵部としての集塵カップである集塵装置27が着脱可能となっている。そして、掃除機本体13は、走行輪23および旋回輪24によって被掃除面としての床面上を少なくとも前後方向に沿って走行(移動)可能に構成されている。なお、以下、前後方向および左右方向は、掃除機本体13(本体ケース26)の走行(移動)方向を基準とする。
本体ケース26は、例えば合成樹脂などにより形成されており、集塵装置27の後方に位置する本体部31と、この本体部31の前部下側に突設されて集塵装置27の下部を支持する載置部としての集塵装置支持部である突出受部32とを一体的に有している。
本体部31の両側には、走行輪23がそれぞれ回転自在に軸支されている。また、この本体部31の前部の上側には、掃除機本体13(本体ケース26)を把持する(持ち運ぶ)ためのハンドル34が突設されている。さらに、この本体部31の内部には、電動送風機36、この電動送風機36の動作を制御する制御手段としての制御回路部37、および、外部電源から電動送風機36などに給電可能な電源コード38を巻回した電源部としての図示しないコードリール装置などが収容されている。
また、本体部31の前部には、電動送風機36の吸込側に連通し本体ケース26に装着された集塵装置27の下流側に気密に接続される開口部としての吸気開口部41が上方に偏って形成されている。さらに、本体部31の上部には、吸気開口部41の上方の上面部に、集塵装置27を係止保持するための集塵装置係止部としての係止クランプ42が配置されている。また、吸気開口部41の下方の左右方向の中央部には、集塵装置27を位置決めおよびガイドするための本体側ガイド部としての位置決め凹部43が設けられている。そして、この本体部31の後部には、電動送風機36の排気側と本体ケース26の外部とを連通する複数の排気孔44が形成され、かつ、排気孔44の側方に、電源室と本体ケース26の外部とを連通し電源コード38を出し入れするためのコード導出口45が形成されている。
吸気開口部41は、左右方向に長手状、すなわち横長に形成されており、ハンドル34の下方に位置している。この吸気開口部41には、補強用のリブ47が格子状に配置されている。また、この吸気開口部41の外縁部には、集塵装置27の下流側と気密に接続するためのパッキンなどの弾性を有する環状の後部シール部材48が配置されている。さらに、この吸気開口部41は、吸気フィルタ49により覆われている。そして、この吸気開口部41は、本体部31内に配置されたダクト部50を介して、電動送風機36の吸込側と連通している。
係止クランプ42は、集塵装置27を上方から押さえ付けて係止するもので、上下方向に回動可能となっているとともに、係止部付勢手段としての図示しないばねなどにより、集塵装置27を係止する下方に向けて付勢されている。この係止クランプ42は、ハンドル34の直下に位置している。
突出受部32は、後方に向けて下方に傾斜している。この突出受部32の下部には、本体部31の下部近傍に亘って旋回輪24が配置されている。また、この突出受部32の内部には、前後方向に沿って長手状で屈曲しない直線状の本体側風路部53が配置されており、この本体側風路部53の上流端には、管部12の接続管部15が接続される本体吸込口54が突出受部32の前面に形成され、本体側風路部53の下流端には、例えば四角形状の接続口55が突出受部32の上部の最後部にて本体部31の前方に形成されている。換言すれば、本体側風路部53は本体吸込口54と接続口55とを連通している。したがって、本体吸込口54は、本体側風路部53および接続口55を介して集塵装置27の上流側と連通可能となっており、接続口55は、突出受部32において最も低い位置に配置されている。そして、接続口55の外縁部には、集塵装置27の上流側と気密に接続するためのパッキンなどの弾性を有する環状の下部シール部材56が配置されている。
ハンドル34は、本体部31の前部の上面部に例えばループ状に形成されている。
電動送風機36は、設定ボタン22の操作に応じて、制御回路部37により動作が制御されるものである。この電動送風機36は、例えば吸込側を上側として配置されている。
制御回路部37は、設定ボタン22と電気的に接続されており、この設定ボタン22の操作により設定された動作モード(例えば強モード、中モード、弱モード、自動モード、停止モードなど)に電動送風機36の動作を設定するように構成されている。
一方、集塵装置27は、収容部としての集塵部であるカップ部61と、このカップ部61に着脱可能に取り付けられる分離体部としての構造体である内筒部62と、この内筒部62に着脱可能な分離本体部としてのフィルタ体63と、内筒部62に対して回動により着脱可能な蓋部64と、カップ部61と内筒部62とを着脱可能に係止する第1係止手段としてのクランプ65とを備えている。そして、この集塵装置27は、本体ケース26に対して装着した状態で後側が本体部31の前部に嵌合して固定される。なお、以下、集塵装置27において、上下方向とは、集塵装置27の軸方向における一端側と他端側(図8中の一点鎖線Lの一端側である上側と他端側である下側)とをいうものとする。すなわち、集塵装置27における上下方向は、集塵装置27単体の状態での上下方向を基準とするものとし、本体ケース26に対して装着した状態での集塵装置27の上下方向とは必ずしも一致しない場合もある。
カップ部61は、有底円筒状に形成された収容体本体としてのカップ部本体67と、このカップ部本体67に一体に設けられた集塵装置側風路部としての吸込部68と、カップ部本体67に突設された集塵装置27の持ち運び用の取手69とを備えている。
カップ部本体67は、例えば透光性を有する(透明な)合成樹脂などにより形成され、内部の下部に塵埃(粗塵)を溜めるようになっており、上端部が内筒部62などの取付用で塵埃の排出用の塵埃排出口71となっている。また、このカップ部本体67の後部には、吸込部68の下流端と連通する吸込口72が接線方向に沿って開口されている。さらに、このカップ部本体67の上端部には、内筒部62が載置されて係止されるとともに、このカップ部本体67の上端部の内周側には、内筒部62を周方向に位置決めするための位置決め部75が凹状に形成されている。また、このカップ部本体67の上縁部の外周側には、蓋部64の下端を受けるための蓋部受部としての段差状の受け段部76が例えば全周に亘って連続して形成されている。さらに、このカップ部本体67の上端近傍の後部には、左右方向の中央部に、集塵装置側ガイド部としての舌片状の係止突部77が後方に向けて下方へと傾斜するように突設されている。そして、このカップ部本体67の上端部には、クランプ65の位置に対向して切欠開口部78(図3および図4)が切り欠き形成されている。
係止突部77は、集塵装置27を本体ケース26に装着した状態で位置決め凹部43に挿入されて集塵装置27を本体ケース26に対して前後左右に位置決めするとともに、本体ケース26に対する集塵装置27の着脱方向をガイドするものである。本実施形態において、集塵装置27は、本体ケース26に対して前後方向に回動させることで着脱されるようになっている。
吸込部68は、管部12を介して本体吸込口54から吸い込まれた含塵空気を、本体側風路部53および接続口55を介して集塵装置27(カップ部61)内へと吸込口72から吸い込むもので、カップ部本体67の後部に沿って上下方向に沿って配置されている。すなわち、この吸込部68は、集塵装置27を本体ケース26(突出受部32)に装着した状態で、本体部31の前部に対向するようになっている。この吸込部68の上端部は、吸込口72と連通するようにL字状に屈曲し、この吸込部68の下端部は、下方に向けて直線状に延びてカップ部本体67の下端部と略等しい位置に開口され、この開口がカップ部本体67の軸直方向に対して傾斜した連通口81となっている。この連通口81は、後方に向けて徐々に上方へと傾斜している。さらに、この連通口81の周縁部には、接続口55の周縁部の下部シール部材56に圧接される平面フランジ状の圧接部82が突設されている。
取手69は、塵埃排出口71から塵埃を廃棄する際などにカップ部61(集塵装置27)を持つための把持用のもので、カップ部61の側部に上下方向に沿ってループ状に配置されている。そして、この取手69は、集塵装置27を本体ケース26に装着した状態で本体部31の側部の前部に接近して位置し、集塵装置27を本体ケース26に装着した状態では把持できないようになっている。また、この取手69の上端部には、クランプ65を取り付けるためのクランプ取付部84が凹設されている。
内筒部62は、上側が開口しフィルタ体63を支持する支持部としての有底円筒状(受け皿状)の受け部87と、円筒状の内筒部本体88と、この内筒部本体88よりも径大の有蓋円筒状の拡大部としてのシェード部89とを一体的に備えており、カップ部61に装着された状態で、カップ部61(カップ部本体67)の中央部に、このカップ部61(カップ部本体67)と同軸状に収納配置される。そして、内筒部本体88とカップ部61の内周との間で、塵埃を遠心分離するための分離部(遠心分離部)91が構成され、この分離部91の下方の位置でかつシェード部89の下方の位置に分離部91で遠心分離した塵埃を溜める塵埃溜め部92が構成される。
受け部87は、カップ部本体67の内径寸法よりも若干小さい外径寸法を有しており、下端部の外縁部を円環状に囲んで、支持部シール部材としての受け部シール部材95が取り付けられている。また、この受け部87の中央部には、内筒部本体88内と連通する円形状の連通開口部96が同心状に開口されている。さらに、この受け部87の周壁部の上部および下部には、それぞれ円環状の閉塞部材97,98が取り付けられている。また、この受け部87の周壁部の内周側には、フィルタ体63を着脱可能に係止する図示しない係止受部が径方向に互いに対向する位置に形成されている。そして、この受け部87の周壁部の外周側には、カップ部本体67の位置決め部75および切欠開口部78にそれぞれに挿入されて周方向に位置決めする図示しない凸部が径方向に互いに対向する位置に形成されているとともに、クランプ65によりカップ部61に対して係止されるストッパ部99が径方向に突出して形成されている。このストッパ部99は、上方に向けて突出する当接部としての当接腕部99aを備えており、カップ部61(カップ部本体67)の切欠開口部78の位置に嵌合してクランプ65側に露出している。また、このストッパ部99の下部には、受け部87(内筒部62)の径方向外側に向けて上方へと傾斜した傾斜部99bが形成されている。
受け部シール部材95は、カップ部本体67の内周面に圧接されて隙間を閉塞しており、カップ部本体67内の塵埃がフィルタ体63側に上がってこないようにしているものである。
閉塞部材97は、受け部87とフィルタ体63との隙間を閉塞するもので、例えばゴム、あるいはエラストマなどの可撓性を有する部材により形成されている。
閉塞部材98は、受け部87とカップ部61との隙間を閉塞するもので、例えばゴム、あるいはエラストマなどの可撓性を有する部材により形成されている。
内筒部本体88は、受け部87と同軸に配置され、この受け部87の中央部の連通開口部96の外縁部から下方に突出して受け部87と同軸状となっている。この内筒部本体88の周囲には、複数の開口101が径方向に貫通するように形成されており、これら開口101全体が分離フィルタ102によって覆われている。また、この内筒部本体88の下端部は、底面部103により閉塞されている。
シェード部89は、電動送風機36の駆動により生じる負圧を利用して塵埃を圧縮するものであり、内筒部本体88の下端部の周縁から拡径されて下方へと突出し、下方に向けて開口して内筒部62の下端に位置している。したがって、このシェード部89は、内筒部本体88よりも径寸法が大きく、この内筒部本体88に対して径方向に突出している。さらに、シェード部89の上部に、複数の圧縮用開口108が周方向に略等間隔に離間されて開口されており、これら圧縮用開口108は、圧縮フィルタ109によって覆われている。そして、このシェード部89は、カップ部61の底部に対して上方に離間されている。
フィルタ体63は、フィルタであるプリーツフィルタ111と、このプリーツフィルタ111を保持する保持部としての保持枠部112と、この保持枠部112に設けられた除塵機構113とを一体的に備え、全体として平坦な円盤状であり、内筒部62の受け部87上に着脱可能となっている。
プリーツフィルタ111は、分離部91で分離しなかった(分離できなかった)塵埃、すなわち分離部91で分離する塵埃よりも小さい塵埃(細塵)を捕集するもので、例えば不織布などをプリーツ状(襞状)に折り曲げて形成されている。
保持枠部112は、例えば合成樹脂などにより一体成形され、プリーツフィルタ111の形状を保持している。また、この保持枠部112には、蓋部64を周方向に回動可能にガイドするとともに軸方向に沿って抜け止めする第2係止手段としての複数の蓋部ガイド部119がそれぞれ突設されている。さらに、この保持枠部112の外周部には、シール部材121が取り付けられている。
各蓋部ガイド部119は、蓋部64を周方向にガイドするとともに、蓋部64をフィルタ体63に対して軸方向に係止して抜け止めするもので、径方向外方に向けて突出する爪部119aを備えている。この爪部119aは、周方向に沿って細長いリブ状に形成され、シール部材121の上方に離間されている。
シール部材121は、可撓性および弾性を有する例えばゴム、あるいはエラストマなどの合成樹脂により、保持枠部112の外周に沿って円環状に形成されており、カップ部61(カップ部本体67)の上端部に、電動送風機36の駆動により生じた負圧によって上方から吸着されてこのカップ部61および内筒部62(受け部87)の上端部との隙間を閉塞するようになっている。また、このシール部材121の上部には、蓋部64が圧接されており、この蓋部64とカップ部61および内筒部62(受け部87)とにより、シール部材121が上下から挟持されている。
除塵機構113は、プリーツフィルタ111に捕集した塵埃を除去するもので、保持枠部112にプリーツフィルタ111の折り曲げ方向と交差(直交)する方向に沿って直線状に固定されたガイド体126と、このガイド体126に沿ってスライド可能に配置された除塵体127とを備え、プリーツフィルタ111に対してブリッジ状に配置されている。すなわち、除塵体127は、プリーツフィルタ111の折り曲げ方向と交差(直交)する方向に沿ってスライド可能となっている。また、この除塵機構113の両側部には、フィルタ体63を内筒部62に対して着脱可能に係止するための着脱機構132がそれぞれ取り付けられている。そして、この除塵機構113は、ガイド体126に沿って除塵体127をスライドさせることによりプリーツフィルタ111を弾くことで振動(衝撃)を付与し、このプリーツフィルタ111に付着した塵埃(細塵)を落下除去させるようになっている。
各着脱機構132は、内筒部62の係止受部に対して係止される図示しない係止爪部と、この係止爪部を係止方向に付勢する図示しない着脱付勢手段とを備えている。そして、各着脱機構132は、両側から摘むことで着脱付勢手段の付勢に抗してそれぞれ係止爪部が内筒部62の係止受部から離反するように回動可能となっている。
蓋部64は、有蓋円筒状の蓋部本体143と、この蓋部本体143の下端部に段差状に形成された拡開部144と、蓋部本体143の上部に形成された把持部145と、蓋部本体143の外周縁部の後部に開口される排気口146とを備えている。
蓋部本体143は、フィルタ体63の上方を覆う部分であり、下側に開口して形成されている。この蓋部本体143の後部の左右方向の中央部の上部(排気口146の上方)には、係止クランプ42が上方から係合される係合受部148が凹設されている。そして、この蓋部本体143は、フィルタ体63の上部との間に、このフィルタ体63の上流側(分離部91)と排気口146とを連通する風路149を区画している。そして、この蓋部本体143の内部には、各蓋部ガイド部119の爪部119aの下部にそれぞれ係止されて周方向への回動がガイドされる複数の被係止部150が周方向に沿って形成されている。
被係止部150は、周方向に沿って長手方向を有するリブ状に形成されており、蓋部本体143から蓋部64の中心側(中心軸側)に向けて突出している。
拡開部144は、蓋部本体143に対して拡開状に形成されている。この拡開部144には、シール部材121に対して上方から圧接されるシール部材圧接部151が下方に向けて形成されている。さらに、この拡開部144の下端部には、クランプ65が嵌合する切欠部155が切り欠き形成されている。また、この拡開部144の外周面には、クランプ65との位置合わせをするための目印である位置合わせ部156が形成されている。
切欠部155は、クランプ65が嵌合することで蓋部64の周方向への回動角度を規制する部分である。すなわち、蓋部64は、切欠部155の幅分、カップ部61(内筒部62およびフィルタ体63)に対して周方向に回動可能となっている。
位置合わせ部156は、蓋部64の回動位置を使用者に視覚的に示すもので、例えば下側に頂点を有する三角形状に形成されて切欠部155の端部近傍の上方に配置されている。
把持部145は、基本的に集塵装置27を本体ケース26から取り外すためのものであり、集塵装置27を持ち運ぶ際にも用いることができるものである。また、この把持部145は、除塵機構113のガイド体126に沿って形成され、除塵体127との干渉を避けるように上方に突出している。
排気口146は、風路149を通過した空気が集塵装置27の外部へと排出されるもので、例えば左右方向に長手状、すなわち横長に形成されている。この排気口146の周縁部には、集塵装置27を本体ケース26に装着した状態で後部シール部材48に対して圧接されて排気口146と吸気開口部41とを気密に接続するための後部圧接部164が形成されている。さらに、この排気口146には、補強用のリブ165が上下方向に沿って形成され、これらリブ165が左右方向に互いに離間されて配置されている。
クランプ65は、内筒部62(またはフィルタ体63)をカップ部61に対して着脱可能に係止するとともに、蓋部64をフィルタ体63およびカップ部61に対して周方向に回り止めするもので、取手69のクランプ取付部84に取り付けられている。このクランプ65は、クランプ本体171と、このクランプ本体171を付勢する付勢手段としてのコイルばね172とを備えている。
クランプ本体171は、フィルタ体63をカップ部61に対して係止するための係止部175を一端部に備えるとともに、操作用のボタン部177を他端部に備え、カップ部61(クランプ取付部84)に対して例えば上下方向に可動的に取り付けられている。
係止部175は、カップ部本体67の切欠開口部78に臨んで位置している。この係止部175は、ストッパ部99の当接腕部99aを上方から押さえて当接腕部99aの上方への移動(内筒部62の上方への抜け)を規制する押さえ部175aと、この押さえ部175aの両側に位置して当接腕部99aの側方へのずれ(内筒部62の周方向へのずれ)を規制する(一方および他方の)規制部175b,175bとを備えている。また、この係止部175の上部には、カップ部本体67の中心軸側(ボタン部177と反対方向)に向けて下方へと傾斜した係止手段傾斜部としてのクランプ傾斜部175cが形成されている。
ボタン部177は、背面側である下方からコイルばね172により上方に付勢されており、取手69を把持した手の親指により上方からコイルばね172の付勢に抗して押動操作可能となっている。
コイルばね172は、カップ部61(取手69)とクランプ本体171との間で、クランプ本体171をボタン部177の位置で上方に向けて付勢するようになっている。したがって、このコイルばね172により、ボタン部177は相対的に上方に向けて、係止部175は相対的に下方に向けて、それぞれ付勢されている。
次に、上記一実施形態による掃除動作を説明する。
掃除を開始する際には、まず、カップ部61のカップ部本体67に対して内筒部62、フィルタ体63および蓋部64をそれぞれ取り付けて一体的に組み立てる。このとき、カップ部本体67の塵埃排出口71に対して内筒部62を上方から、凸部をカップ部本体67の位置決め部75に位置合わせしつつ挿入すると、ストッパ部99の傾斜部99bがクランプ65のクランプ本体171のクランプ傾斜部175cに上方から当接することでクランプ65のクランプ本体171をコイルばね172の付勢に抗して退避させ、ストッパ部99の傾斜部99bがクランプ本体171のクランプ傾斜部175cを乗り越えると、コイルばね172の付勢によりクランプ本体171が復帰してストッパ部99の当接腕部99aに押さえ部175aが上方から係合して内筒部62を抜け止め係止するとともに、規制部175b,175b間に当接腕部99aが嵌合してカップ部本体67に対する内筒部62の周方向のずれを規制する。また、内筒部62の受け部シール部材95の外周側がカップ部本体67の内周面に圧接される。フィルタ体63は、内筒部62に対して予め取り付けていてもよいし、内筒部62をカップ部本体67に取り付けた後に取り付けてもよい。そして、このフィルタ体63を覆って蓋部64を、切欠部155の位置にクランプ65のクランプ本体171の係止部175が位置するように被せ、蓋部64を、位置合わせ部156がクランプ65の位置合わせ部179と対向する位置となるように周方向に回動させる。このとき、蓋部64の切欠部155の一側がクランプ65のクランプ本体171の一方の規制部175bに当接することで、蓋部64の回動が規制され、この位置で、蓋部64の被係止部150がフィルタ体63の蓋部ガイド部119(爪部119a)の下部に入り込む。この結果、蓋部64がフィルタ体63(内筒部62およびカップ部本体67)に抜け止め係止されるとともに、フィルタ体63のシール部材121が蓋部64のシール部材圧接部151とカップ部61および内筒部62(受け部87)の上端部との間に挟持される。
次いで、この集塵装置27を本体ケース26に装着する。すなわち、集塵装置27の前側下部を突出受部32の前端部に当接させながら、係止突部77を本体ケース26側の位置決め凹部43に位置合わせしつつ挿入するように集塵装置27の上側を後方に回動させると、係止クランプ42が集塵装置27の係合受部148に上方から係合して、集塵装置27が本体ケース26に固定される。この結果、吸込部68の連通口81の周縁の圧接部82が接続口55の周縁の下部シール部材56に上方から圧接されて吸込部68(連通口81)と接続口55とが気密に接続されるとともに、排気口146の周縁の後部圧接部164が吸気開口部41の周縁の後部シール部材48に前方から圧接されて排気口146と吸気開口部41とが気密に接続される。なお、集塵装置27が本体ケース26に既に装着された状態である場合には、これらの操作は不要である。
この状態で、掃除機本体13(本体ケース26)の本体吸込口54に管部12を接続する。具体的に、管部12は、接続管部15を本体吸込口54に挿入接続するとともに、必要に応じて、手元操作部17の先端側に延長管18および床ブラシ19を順次接続する。この状態で、手元操作部17の設定ボタン22が掃除機本体13(本体ケース26)内の制御回路部37などと電気的に接続される。なお、管部12が掃除機本体13に既に接続された状態である場合には、これらの操作は不要である。
そして、使用者は、コード導出口45から電源コード38を引き出して壁面などのコンセントに接続した後、手元把持部21を把持し、所望の設定ボタン22を操作することにより、電動送風機36の動作モードを設定する。制御回路部37は、この設定された動作モードに対応して電動送風機36の入力を制御し、電動送風機36を設定された動作モードで起動する。
この電動送風機36の起動により生じた負圧は、吸気開口部41、排気口146、プリーツフィルタ111、分離部91、吸込口72、吸込部68、接続口55(連通口81)、本体側風路部53および本体吸込口54を介して、管部12へと作用する。
そして、使用者は、この負圧の作用により、床ブラシ19、延長管18、あるいは手元操作部17の先端側から空気とともに塵埃を吸い込む。
この塵埃を含む空気、すなわち含塵空気は、管部12から本体吸込口54、本体側風路部53および接続口55(連通口81)を経由して吸込部68から吸込口72へと導かれ、この吸込口72からカップ部61内へと吸い込まれる。
このカップ部61内の分離部91において、含塵空気はカップ部61の内周面に沿って内筒部本体88の外周を旋回することで、この含塵空気中の特に粗塵が遠心分離され、カップ部61の内周面に沿って落下して塵埃溜め部92に溜められる。なお、塵埃溜め部92に溜められた塵埃(粗塵)は、シェード部89へと含塵空気の流れの一部によって運ばれ、シェード部89の圧縮用開口108を含塵空気が通過することにより圧縮フィルタ109によってシェード部89内で圧縮される。
粗塵が分離された含塵空気は、内筒部本体88の開口101を通過する際に分離フィルタ102により濾過される。さらに、この分離フィルタ102を通過した含塵空気は、底面部103に沿って下流側である上側へと整流されつつフィルタ体63へと運ばれる。そして、この含塵空気は、このフィルタ体63のプリーツフィルタ111を通過することで、このプリーツフィルタ111により、分離部91で分離した塵埃(粗塵)よりも小さい塵埃(細塵)が表面集塵される。
この後、プリーツフィルタ111を通過した空気は、このプリーツフィルタ111の間、および、プリーツフィルタ111の上部と蓋部64との間の風路149を通過し、排気口146から集塵装置27の外部へと流出して、この排気口146と気密に接続された吸気開口部41へと吸い込まれる。
そして、吸気開口部41(吸気フィルタ49)を通過した空気は、ダクト部50を介して電動送風機36へと吸い込まれ、この電動送風機36の内部を冷却しつつ通過して排気風となり、電動送風機36から排気孔44を介して本体ケース26の外部へと排気される。
掃除が終了すると、使用者が所定の設定ボタン22を操作することで、制御回路部37が電動送風機36の入力を低下させて電動送風機36を停止させる。
また、フィルタ体63のプリーツフィルタ111に付着した塵埃(細塵)を廃棄する(プリーツフィルタ111をメンテナンスする)場合には、係止クランプ42を操作して本体ケース26から集塵装置27を取り外し、取手69を一方の手H1で把持し、他方の手H2で蓋部64を掴んでクランプ65の位置合わせ部179を基準として蓋部64を周方向に回動させる(位置合わせ部179と蓋部64の位置合わせ部156との位置をずらす)ことで被係止部150と蓋部ガイド部119(爪部119a)との位置を周方向にずらして蓋部64の係止を解除した後、この蓋部64を上方へと持ち上げることで、蓋部64が取り外される。このとき、蓋部64の切欠部155の他側がクランプ65のクランプ本体171の他方の規制部175bと当接することで、蓋部64の回動が規制され、この位置で、被係止部150と蓋部ガイド部119(爪部119a)との位置がずれた状態となっている。すなわち、蓋部ガイド部119の係止を解除することで、内筒部62およびフィルタ体63がカップ部本体67に取り付けられた状態で蓋部64のみがカップ部本体67から取り外し可能となる。そして、露出した除塵機構113の除塵体127を摘んでガイド体126に沿って左右にスライドさせると、プリーツフィルタ111に断続的に振動(衝撃)が付与されて、このプリーツフィルタ111に付着した塵埃(細塵)が落下除去される。そして、このフィルタ体63の着脱機構132を操作することで各係止爪部の内筒部62(受け部87)の係止受部への係合を解除し、フィルタ体63を上方に引き抜いて内筒部62から取り外した後、カップ部本体67をごみ箱などの廃棄位置へ持って行き、塵埃を廃棄する。なお、フィルタ体63の取り外しにより露出した内筒部62については、受け部87の中央部に位置する連通開口部96から分離フィルタ102の内側などに付着した塵埃を除去したり、受け部87上に付着した塵埃を除去したりすることが可能である。
さらに、集塵装置27内に一定量の塵埃が溜まった場合には、使用者は、取手69を把持した一方の手H1の親指Tなどでクランプ65のボタン部177を上方からコイルばね172の付勢に抗して押すことでクランプ本体171の係止部175の押さえ部175aを内筒部62のストッパ部99の当接腕部99aに対して離間するように退避させてフィルタ体63および内筒部62の係止を解除し、他方の手H2で蓋部64を掴んで、カップ部本体67からフィルタ体63および内筒部62を蓋部64と一体的に上方に持ち上げて取り外す。すなわち、クランプ65による係止の解除により、蓋部64、内筒部62およびフィルタ体63を一体的にカップ部本体67から取り外し可能となる。この結果、使用者はフィルタ体63および内筒部62に直接触れることなくこれらフィルタ体63および内筒部62を蓋部64とともにカップ部本体67から取り外すことができる。そして、その取手69を把持したカップ部61をごみ箱などの廃棄位置へと運んだ後、上側を下方へと傾けるようにひっくり返すことで、塵埃溜め部92に圧縮された状態で溜まった塵埃(粗塵)が塵埃排出口71から廃棄される。
以上説明した一実施形態では、内筒部62をカップ部本体67に対して着脱可能に係止するクランプ65が、この係止の解除により蓋部64、内筒部62およびフィルタ体63を一体的にカップ部本体67から取り外し可能とするとともに、内筒部62とフィルタ体63との少なくともいずれか(本実施形態ではフィルタ体63)に対して蓋部64を着脱可能に係止する蓋部ガイド部119が、この係止の解除により内筒部62およびフィルタ体63がカップ部本体67に取り付けられた状態で蓋部64のみをカップ部本体67から取り外し可能とする。このため、フィルタ体63のプリーツフィルタ111を手入れする際には、蓋部64を回動させて蓋部64のみを取り外し、露出した除塵機構113を操作することなどにより、プリーツフィルタ111に直接触れることなくこのプリーツフィルタ111を掃除でき、塵埃を廃棄する際には、蓋部64とともに内筒部62およびフィルタ体63を一体的に取り外すことで、プリーツフィルタ111および内筒部62などに触れることなく塵埃を廃棄できる。したがって、使用者がプリーツフィルタ111(フィルタ体63)や内筒部62に付着した塵埃に直接触れることがなく、衛生的にメンテナンスが可能となり、集塵装置27のメンテナンス性が良好になる。
また、内筒部62およびフィルタ体63は、蓋部64と一体的に取り外しできるので、これらを順次取り外す操作などをする必要がなく、メンテナンスの作業性が良好である。
さらに、クランプ65は、取手69の上端部に配置されて押すことにより操作され、蓋部ガイド部119は、クランプ65を基準として蓋部64を回動することにより係止が解除されるので、クランプ65による係止の解除時の蓋部64、内筒部62およびフィルタ体63の一体的な取り外しと、蓋部ガイド部119による係止の解除時の蓋部64のみの取り外しとを、それぞれ一方の手H1で取手69を把持し、他方の手H2で蓋部64を掴んだ状態で行うことができる。したがって、塵埃の廃棄とフィルタ体63のプリーツフィルタ111のメンテナンスとの互いに異なる作業を、同じ作業姿勢で実施可能となるので、作業性が良好で、メンテナンス性がより向上する。しかも、取手69を把持したままの状態で作業できるので、カップ部本体67(カップ部61)をひっくり返して塵埃を廃棄する作業を、持ち替えなどの作業を要することなく連続的に行うことができる。
この結果、メンテナンス性が良好な集塵装置27を備えた電気掃除機11を提供できる。
また、クランプ65を用いて、このクランプ65と切欠部155との当接により蓋部64の周方向への回動を規制するので、使用者が誤って蓋部ガイド部119と被係止部150との係止位置を過ぎて蓋部64を回動させることがなく、蓋部64のカップ部本体67側への取り付け作業が良好になるとともに、別途の回動ストッパなどが不要で、構成をより簡略化できる。
なお、上記一実施形態において、蓋部64は、フィルタ体63に設けた蓋部ガイド部119によってフィルタ体63に対して係止したが、内筒部62に第2係止手段を設けて蓋部64を内筒部62に対して係止してもよい。すなわち、第2係止手段は、蓋部64を内筒部62とフィルタ体63との少なくともいずれかに着脱可能に係止できればよい。
また、電源部としては、コードリール装置に代えて、例えば二次電池などの電池を内蔵してもよい。
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。