以下、一実施形態の構成を図1ないし図10を参照して説明する。
図10において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、吸込風路体(風路形成体)である管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
管部12は、掃除機本体13に接続される接続管部15と、この接続管部15の先端側に連通する可撓性を有するホース体16と、このホース体16の先端側に設けられた手元操作部17と、この手元操作部17の先端側に着脱可能に接続される延長管18と、この延長管18の先端側、あるいはホース体16の先端側に選択的に着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ19とを備えている。
手元操作部17には、把持部21がホース体16側へと突出し、この把持部21には、操作用の設定ボタン22が複数設けられている。
また、掃除機本体13は、本体ケース25を備え、この本体ケース25には、集塵装置である集塵カップ26が上下方向に沿って着脱可能となっている。そして、掃除機本体13は、被掃除面である床面上を少なくとも前後方向に走行(移動)可能に構成されている。
本体ケース25は、例えば合成樹脂などにより形成されており、電動送風機31を収容した本体部32と、この本体部32の下端部から前方に向けて突出し集塵カップ26が載置される取付部33と、この取付部33の前端部から上方に向けて突出する壁部34と、本体部32の上端の前部から前方へと突出する掃除機本体13の把持用の本体把持部35とを一体的に備えている。このため、本体ケース25(掃除機本体13)は、前部が側面視でU字状に形成されている。
図9に示すように、電動送風機31は、上下方向に沿って本体部32内に配置されており、設定ボタン22(図10)の操作に応じて、本体部32内にて電動送風機31の上方に収容された制御手段36により動作が制御される。また、この電動送風機31は、周囲がカバー体37によって覆われており、このカバー体37に対して図示しないコイルばねなどの弾性部材によって弾性的に吊り下げられている。
図8および図9に示すように、本体部32は、取付部33の後方にて上下方向に沿って位置している。また、この本体部32は、中空状に形成されており、電動送風機31および制御手段36の他に、この電動送風機31に給電するための電源部として、図示しない電源コードを巻回したコードリール装置などが収容されている。この本体部32の後端部には、電動送風機31からの排気を本体ケース25の外部へと排出する多数の排気孔38が形成されている。さらに、この本体部32の後部、すなわち取付部33の後方の上側には、コードリール装置に電源コードを巻き取るための半円形状の巻取り操作ボタン41が一側に配置されている。そして、本体部32の前部の上側(上端)には、取付部33に臨んで横長の通気開口42が形成され、この通気開口42の下方に、集塵カップ26を取付部33に取り付ける際のガイドおよび位置決め部(位置合わせ部)となる溝部43,43が上下方向に沿って形成されているとともに、これら溝部43,43間に後側保持部44が形成されている。
通気開口42は、電動送風機31の吸込側に風路部47を介して気密に接続されており、この電動送風機31の吸込側と、取付部33に取り付けられた集塵カップ26の下流側(排気側)とを気密に接続するものである。また、この通気開口42は、本体把持部35と略等しい高さ位置に形成されており、本体部32の両側間に亘って、取付部33側である前側に臨んで位置している。そして、この通気開口42の外縁部には、この通気開口42の全周を囲んで環状の後側シール部材48が取り付けられている。すなわち、この後側シール部材48は、取付部33側に臨んでいる。そして、この後側シール部材48は、例えばゴム、あるいはエラストマなどの弾性を有する合成樹脂などの部材により形成されている。
後側保持部44は、本体把持部35および通気開口42よりも下方で、かつ、掃除機本体13(本体部32)の左右幅方向の略中央部に位置しており、上端部が開口している。すなわち、後側保持部44は、上下方向に開口し、かつ、後方に向けて傾斜している。換言すれば、後側保持部44は、集塵カップ26の取り付け方向である下方向へと徐々に集塵カップ26(取付部33)側に接近するように傾斜状に形成されている。また、後側保持部44の内部の後側には、集塵カップ26側を係止するための係止開口部である後側係止開口部51が形成されている。
また、図7ないし図9に示すように、取付部33には、集塵カップ26の下部を収納する凹状の収納部53が形成されており、この収納部53には、集塵カップ26を上方に向けて付勢する集塵装置付勢手段としてのカップ付勢手段54が、例えば左右幅方向に一対配置されている。各カップ付勢手段54は、取付部33の内部に配置された集塵装置付勢手段本体としてのコイルばね55を備え、このコイルばね55の一端部である下端部が収納部53に形成された凹部56に保持され、コイルばね55の他端部である上端部に押圧部材57が取り付けられ、この押圧部材57が凹部56に嵌合して取付部33に臨んでいる。さらに、このカップ付勢手段54の押圧部材57は、コイルばね55の無負荷状態で収納部53の底面に対して上方に突出している。
また、図8ないし図10に示すように、壁部34は、取付部33の前端部から上方に向けて略垂直状に延びて形成されており、上端部に筒状の吸込接続部61が形成されている。すなわち、壁部34は、取付部33の前方にて上下方向に沿って位置し、本体部32の前部に対向している。そして、壁部34の両側と、本体部32の両側と本体把持部35との間には、集塵カップ26の側部を外部に露出させて外部から目視可能とする露出口62,62が形成されている。
吸込接続部61は、前後方向に沿って軸方向を有しており、前端部に、管部12の基端部である接続管部15が着脱可能に接続される本体吸込口64が形成されており、この本体吸込口64が、吸込接続部61の後端部に位置する連通口65を介して取付部33に臨んでいる。すなわち、これら本体吸込口64および連通口65は、取付部33の前方で、かつ、壁部34の上側(上端)に位置している。また、吸込接続部61の上部には、取付部33の前方に位置する一対の前側被保持部66,66が上方に向けて突出して形成されているとともに、集塵カップ26を掃除機本体13に係止する(一方の)規制手段(位置決め手段)としての(一方の)集塵装置係止手段である前側カップクランプ67が配置されている。
本体吸込口64は、連通口65を介して、取付部33に取り付けられた集塵カップ26の上流側(吸込側)と気密に接続されてこの集塵カップ26と外部とを気密に接続するためのものである。連通口65の外縁部には、前側シール部材69が配置されている。この前側シール部材69は、例えばゴム、あるいはエラストマなどの弾性を有する合成樹脂などの部材により形成されている。
また、各前側被保持部66は、吸込接続部61の後端部にて前側カップクランプ67の両側に位置しており、前側へと徐々に突出量が小さくなるように形成されている。すなわち、これら前側被保持部66は、集塵カップ26(取付部33)と反対側である前側が、集塵カップ26の取り付け方向である下方向へと徐々に集塵カップ26(取付部33)側から離間されるように傾斜状に形成され、掃除機本体13の左右幅方向の中央部に位置している。さらに、これら前側被保持部66は、連通口65よりも前方、すなわち前側シール部材69に対して取付部33と反対側に位置している。
また、前側カップクランプ67は、吸込接続部61の後端部にて左右幅方向の中心部に位置しており、前後方向に回動可能に軸支されている。すなわち、この前側カップクランプ67は、本体吸込口64および連通口65の近傍(上方)に位置している。さらに、この前側カップクランプ67の上端部には、前方に向けて、係止部としての前側係止部67aが爪状に突設されている。また、この前側カップクランプ67は、例えば図4(a)に示すように、コイルばねなどの係止手段用付勢手段としての前側付勢手段71により、上側すなわち前側係止部67aが前方へと突出する方向に付勢されている。
また、本体把持部35は、両端部である軸支部としての基端部が本体部32の上部に連結されており、前側へとループ状に形成されている。すなわち、この本体把持部35は、取付部33の後方に基端側が接続されている。また、この本体把持部35の前端部は、壁部34の上方付近に亘って延びており、この壁部34の吸込接続部61の上方に位置して、この壁部34に対して離間されている。したがって、この本体把持部35は、取付部33に取り付けられた集塵カップ26の上側の周囲を囲んで位置しており、取付部33の上部に臨む取付開口72を区画している。この取付開口72は、集塵カップ26を取付部33に着脱する際に、この集塵カップ26が挿脱される部分である。
また、図1ないし図6に示す集塵カップ26は、被係止部材である装置本体としてのカップ本体73と、このカップ本体73に取り付けられた開閉蓋としての底蓋74と、カップ本体73に配置された(他方の)規制手段(位置決め手段)としての(他方の)集塵装置係止手段である後側カップクランプ75と、集塵装置把持部としての係止部材であるハンドル78と、カップ本体73の外部(外周)に沿って回動可能に配置された解除手段としての伝達体であるプッシュリング79とを備えている。そして、この集塵カップ26は、含塵空気をカップ本体73の内部で旋回させて塵埃を遠心分離して捕集する、いわゆるサイクロン集塵装置である。
カップ本体73は、円筒状の透視部であるケース体部81と、このケース体部81の上端に気密に着脱可能に取り付けられた蓋体としての上蓋部82とを有している。
ケース体部81は、透光性を有する、すなわち透明な合成樹脂などの部材により、取付部33の収納部53に嵌合可能な円筒状に形成されている。また、このケース体部81の前部には吸込口85が形成されている。さらに、このケース体部81の下端部すなわち底部には、底蓋74により開閉される塵埃を廃棄するための廃棄開口86が形成されている。また、このケース体部81の内部には、ケース体部81内へと吸い込んだ含塵空気を旋回させて塵埃を遠心分離するための風向制御部である旋回分離部(図示せず)が着脱可能に取り付けられている。さらに、このケース体部81の旋回分離部の上部には、二次フィルタ部88が着脱可能に取り付けられている。そして、このケース体部81の上端部の後部には、上蓋部82の下方に位置して、後側カップクランプ75を回動可能に軸支する軸支部89が配置されている。
吸込口85は、集塵カップ26を取付部33に取り付けた状態で連通口65と前側シール部材69を介して気密に接続される部分である。すなわち、集塵カップ26を取付部33に取り付けた状態で、吸込口85の近傍(上方)に前側カップクランプ67が位置している。また、吸込口85の内部は、含塵空気をケース体部81の内周面に沿う方向へと整流するフィン状に形成されている。さらに、この吸込口85の外縁部には、取付部33に集塵カップ26を取り付けた状態で前側シール部材69に面状に圧接される枠状の前部圧接部91が形成されている。
また、旋回分離部は、吸込口85からケース体部81の内部に吸い込んだ含塵空気をこのケース体部81の内周面に沿って旋回させて塵埃を遠心分離するとともに、廃棄開口86へと通過させるものであり、メッシュ状の一次フィルタを備えている。
また、二次フィルタ部88は、旋回分離部の上側全体を覆って配置されている。この二次フィルタ部88は、旋回分離部の上側に位置するフィルタ枠部93と、このフィルタ枠部93に取り付けられた二次フィルタ94と、フィルタ枠部93の上側に位置する可動的な除塵手段(図示せず)とを備えている。そして、この二次フィルタ部88は、一次フィルタよりも目が細かい表面集塵フィルタなどの二次フィルタ94が、フィルタ枠部93の形状により、周方向に山部と谷部とが交互に連続するプリーツ状に形成されており、除塵手段の回動によって、二次フィルタ94に捕集した微細な塵埃である微細塵を叩き落すことで二次フィルタ94を除塵して集塵性能を維持するように構成されている。
ここで、除塵手段は、図8に示す掃除機本体13の本体部32に配置されたモータなどの駆動手段96により回動される。この駆動手段96には、ギヤ97が接続されており、このギヤ97は、本体部32の前部の一側に露出している。そして、このギヤ97は、集塵カップ26を取付部33に装着した状態で、ケース体部81の後部の一側に突出する接続部98に配置された接続ギヤ99に歯合され、この接続ギヤ99が除塵手段と接続されて、この除塵手段を回動させるように構成されている。
また、上蓋部82は、二次フィルタ部88の上部を覆ってケース体部81の上部に着脱可能である。この上蓋部82は、ケース体部81から旋回分離部および二次フィルタ部88を通過した空気を掃除機本体13の通気開口42へと導く風路101を内部に区画しており、後部にこの風路101と連通する排気口102が形成されている。さらに、上蓋部82の左右幅方向の中央部には、前側保持部103が形成されている。
風路101は、二次フィルタ部88の二次フィルタ94を通過した空気が排気口102を介して電動送風機31側へと流れるものである。すなわち、この風路101は、吸込口85と排気口102とを連通している。
排気口102は、取付部33に集塵カップ26を取り付けた状態で、掃除機本体13の通気開口42と後側シール部材48を介して気密に接続される部分であり、後方に向けて開口しており、左右幅方向に横長に形成されている。この排気口102の外縁部には、取付部33に集塵カップ26を取り付けた状態で後側シール部材48に面状に圧接される枠状の後部圧接部106が形成されている。
また、前側保持部103は、吸込口85の上方に位置し、この吸込口85よりも前方に突出している。この前側保持部103の下部は、下方に向けて開口した前側保持開口108となっている。この前側保持開口108は、取付部33に集塵カップ26を取り付けた際に前側被保持部66が挿入されて嵌合するとともに、前側カップクランプ67が挿入される部分であり、前側下方に向けて傾斜している。したがって、前側保持部103は、前側保持開口108に前側被保持部66を保持することにより、前側被保持部66、すなわち壁部34側に対して集塵カップ26側、すなわち後側へと力を作用させて、前側シール部材69を前部圧接部91に圧接するように構成されている。さらに、この前側保持部103には、係止開口部である前側係止開口部111が開口形成されており、この前側係止開口部111の縁部に、前側保持開口108に挿入された前側カップクランプ67の前側係止部67aが挿入係止されるように構成されている。
また、底蓋74は、後部がケース体部81の後部の下端に形成された軸受部113,113に回動可能に軸支されており、前部が蓋係止手段としての蓋クランプ114によってケース体部81に係止されている。この蓋クランプ114は、カップ本体73のケース体部81の前部に位置しており、吸込口85の側方に位置し上下方向に沿って直線状の伝達部114aと、この伝達部114aの下端に一端が回動可能に連結され吸込口85の下方に位置する連結部114bと、この連結部114bの他端に一体に連結され上下方向に沿って直線状のクランプ本体部114cとを有しており、クランプ本体部114cの下端に、係合部である係合爪部114dが形成されている。そして、この蓋クランプ114は、例えば図示しない蓋開閉操作部である蓋開閉操作ボタンなどを操作することにより、底蓋74の係止を解除し、底蓋74が自重により回動して廃棄開口86を開くように構成されている。
また、後側カップクランプ75は、カップ本体73の後側で、かつ、排気口102およびプッシュリング79の下方に位置しており、カップ本体73のケース体部81の軸支部89に軸支されて前後方向に回動可能となっている。換言すれば、この後側カップクランプ75は、集塵カップ26の排気口102の近傍(下方)で、かつ、この集塵カップ26を取付部33に装着した状態での通気開口42の近傍(下方)、すなわち集塵カップ26の排気側に位置している。また、この前側カップクランプ67の下端部には、後方に向けて、係止部としての後側係止部75aが爪状に突設されている。この後側係止部75aは、集塵カップ26を取付部33に装着した状態で後側保持部44に後側カップクランプ75が挿入されたときに、後側係止開口部51の縁部に係止されるように構成されている。さらに、この後側カップクランプ75は、例えば図4(b)に示すように、コイルばねなどの係止手段用付勢手段としての後側付勢手段117が上側と軸支部89との間に配置されて、下側すなわち後側係止部75aが後方へと突出する方向に付勢されている。
また、ハンドル78は、上蓋部82の前側に沿って円弧状に形成されており、両端部である基端部がそれぞれ上蓋部82の左右両側に軸支されて前後方向に回動可能となっている。そして、このハンドル78は、カップ本体73(上蓋部82)に対して略垂直状に立ち上がって突出する使用状態(把持状態)と、カップ本体73の上蓋部82の上面と略面一となるように回動して収納される収納状態との間に亘って連続的に回動可能となっている。すなわち、このハンドル78は、後方へと最大に回動させた状態で使用状態となり、前方へと最大に回動させた状態で収納状態となる。
さらに、このハンドル78は、例えばトーションばねなどのハンドル付勢手段121により前方、すなわち収納状態に向けて付勢されている。
また、このハンドル78は、上記突出体部115を一側に備えている。この突出体部115は、ハンドル78の一端部から突出しており、ハンドル78が使用状態へと回動することでハンドル78の一端部から直線状に突出する。
また、プッシュリング79は、カップ本体73のケース体部81の外周に沿う円環状に形成されており、このケース体部81の上端部で、かつ、上蓋部82の下方の位置に、ケース体部81の周方向に沿って回動可能に取り付けられている。このプッシュリング79の外周部には、連結部としての伝達連結部124と、(一方の)集塵装置係止手段動作部およびハンドル係止手段動作部としての前側押圧部125とが突設されているとともに、下部に、(他方の)集塵装置係止手段動作部としての後側押圧部126が突設されている。さらに、このプッシュリング79の内部には、このプッシュリング79をカップ本体73の周方向に沿ってガイドするための円環状のガイド部材128が挿通されている。そして、このプッシュリング79は、図示しないが、例えばコイルばねなどの解除手段(伝達体)付勢手段としてのリング付勢手段により、所定の初期位置に向けて付勢されている。
図1および図2に示す伝達連結部124は、プッシュリング79を所定の一方向である矢印A方向に回動させるための部分であり、この矢印A方向に対して反対側、すなわち図1中の左側の上部に、集塵カップ26の上蓋部82に配置された第2押圧体としての連結体135が当接可能な傾斜状の当接面部124aが形成されている。
ここで、連結体135は、上下方向に沿って長手状に形成されており、上蓋部82の内部において、上下方向に移動可能に保持されている。また、この連結体135は、下端部に、伝達連結部124の当接面部124aと対向する傾斜状の当接傾斜面部135aが形成されており、上端部に、ハンドル78の突出体部115と当接可能な当接部135bが形成されている。すなわち、連結体135の下端部は、下端ほど細くなるように形成されている。さらに、この連結体135は、図示しない連結体付勢手段により、上方向に向けて付勢されている。
また、前側押圧部125は、前側カップクランプ67に当接することでこの前側カップクランプ67を回動させるためのもので、プッシュリング79の周方向に沿って円弧状に形成されており、このプッシュリング79よりも小さい曲率半径(大きい曲率)を有し、両端部から中央部へと徐々にプッシュリング79の径方向に突出するように形成されている。
さらに、図3に示すように、後側押圧部126は、後側カップクランプ75に当接することでこの後側カップクランプ75を回動させるためのもので、プッシュリング79の後部下側に突出している。また、この後側押圧部126は、プッシュリング79の周方向に対して、矢印A方向へと徐々に径方向に突出するように円弧状に形成されている。
次に、上記一実施形態の動作を説明する。
掃除の際には、集塵カップ26を掃除機本体13の取付部33に予め装着しておく。このとき、使用者がハンドル78を使用状態として把持していることにより、ハンドル78の突出体部115が下方へと移動して連結体135の当接部135bを下方へと押圧した状態となり、この連結体135の当接傾斜面部135aがプッシュリング79の伝達連結部124の当接面部124aを矢印A方向へと押圧して、プッシュリング79が所定の初期位置に対して矢印A方向に回動した状態のまま保持されている。そして、使用者が集塵カップ26を本体把持部35に区画される取付開口72から下方へと挿入すると、集塵カップ26が下方へと移動するに従い、集塵カップ26の上蓋部82の前側保持開口108に掃除機本体13の前側被保持部66,66および前側カップクランプ67が挿入されるとともに、集塵カップ26の後側カップクランプ75が掃除機本体13の後側保持部44に挿入される。
このとき、使用者が集塵カップ26を下方へと押し込むと、前側カップクランプ67の前側係止部67aが、集塵カップ26の前側保持部103の下端部を前側付勢手段71の付勢に抗して乗り越える。同様に、後側カップクランプ75の後側係止部75aが、掃除機本体13の後側保持部44の後面に当接しつつ下方へと移動し、後側係止開口部51に対向する位置となる。すなわち、各カップクランプ67,75は、取付開口72からの集塵カップ26の取付部33への挿入の際に逃げた状態となっており、この挿入の妨げとならず、この挿入を許可する。
そして、使用者がハンドル78から手を離すと、ハンドル78がハンドル付勢手段121の付勢により上蓋部82側へ倒れ、ハンドル78が収納状態となる。このとき、連結体135の当接傾斜面部135aがプッシュリング79の伝達連結部124の当接面部124aから離間されることで、プッシュリング79がリング付勢手段の付勢によって所定の初期位置に復帰回動する。この結果、前部圧接部91から離間された前側カップクランプ67が、前側係止開口部111にて前側付勢手段71の付勢により復帰回動し、この前側係止開口部111の縁部に係合するとともに、後部圧接部106から離間された後側カップクランプ75が、後側付勢手段117の付勢により復帰回動し、この後側係止開口部51の縁部に係合する。この結果、集塵カップ26が取付部33に装着されて係止固定される。この状態で、集塵カップ26は、底蓋74が取付部33の収納部53に、カップ付勢手段54の付勢に抗して収納されるとともに、各カップクランプ67,75の係止部67a,75aと各係止開口部111,51との係合によって、カップ付勢手段54の付勢による上方向への移動および取付部33からの取り外しが規制される。
また、この状態で、前側被保持部66,66と前側保持部103との嵌合により前部圧接部91が前側シール部材69に圧接され、連通口65を介して本体吸込口64と集塵カップ26の吸込口85とが気密に接続される。同様に、排気口102の周囲の後部圧接部106が後側シール部材48に圧接され、集塵カップ26の排気口102と通気開口42とが気密に接続される。この結果、本体吸込口64が、集塵カップ26および風路部47を介して電動送風機31の吸込側と気密に接続される。
さらに、この状態で、取付部33に露出するギヤ97と集塵カップ26側の接続ギヤ99とが接続される。また、このように集塵カップ26を取付部33に装着した状態で、ケース体部81の両側が露出口62,62から露出する。
そして、使用者は、電源コードを引き出して壁面などのコンセントに接続した後、図10に示す把持部21を把持して所望の設定ボタン22を操作することにより、図9に示す制御手段36が電動送風機31を、設定された動作モードで駆動させる。
電動送風機31の駆動により生じた負圧は、風路部47、通気開口42を介して図5および図6に示す集塵カップ26の排気口102、風路101およびケース体部81内へと作用し、さらに、集塵カップ26の吸込口85から図9に示す連通口65および本体吸込口64を介して図10に示す管部12へと作用する。そして、管部12では、ホース体16、延長管18および床ブラシ19と負圧が作用して、被掃除面に載置した床ブラシ19の先端などから、塵埃を空気とともに吸い込む。
含塵空気は、床ブラシ19、延長管18およびホース体16を介して、図9に示す本体吸込口64および連通口65から図4および図5に示す集塵カップ26の内部へと吸込口85を介して吸い込まれる。そして、この吸込口85により、含塵空気がケース体部81の内部で旋回されて塵埃が遠心分離され、この遠心分離された塵埃がケース体部81の内部に捕集される。
大まかな塵埃が捕集された空気は、塵埃分離部を通過した後、風路101内の二次フィルタ94を通過する際に細塵が捕集され、排気口102から図9に示す掃除機本体13の通気開口42へと吸い込まれてゆく。
そして、通気開口42から風路部47を経由して電動送風機31へと吸い込まれた空気は、この電動送風機31を冷却しつつ排気されて排気風となり、カバー体37の外部へと排気された後、排気孔38から掃除機本体13の本体ケース25の外部へと排気される。
掃除が終了すると、使用者が図10に示す設定ボタン22を操作することで、制御手段36が電動送風機31を停止させる。このとき、制御手段36は例えば駆動手段96を駆動させることにより、除塵手段を駆動して、図6に示す二次フィルタ94に付着した細塵をケース体部81の内部へと落下除去させる。なお、この動作は、例えば電源コードをコンセントに接続したときなど、任意のタイミングで行うことができる。
そして、所定量以上の塵埃が集塵カップ26に溜まった場合には、使用者は集塵カップ26を掃除機本体13から取り外して塵埃を廃棄する。
このとき、まず、使用者は、ハンドル78をハンドル付勢手段121の付勢に抗して使用状態へと立ち上がらせるように回動すると、このハンドル78の一端から突出している突出体部115が連結体135の当接部135bに当接する。そして、さらにハンドル78を完全に立てた状態まで回動させることで、突出体部115を介して連結体135が連結体付勢手段の付勢に抗して下方へと押圧され、下端部の当接傾斜面部135aがプッシュリング79の伝達連結部124の当接面部124aに当接する。この結果、図2に示すように、当接傾斜面部135aと当接面部124aとの傾斜により、連結体135が下方へ移動するほど伝達連結部124が矢印A方向へと移動してプッシュリング79が所定の初期位置に対して矢印A方向へと徐々に回動される。このため、図4(a)の想像線および図1に示すように、前側押圧部125が前側カップクランプ67の下端部を、前側付勢手段71の付勢に抗して徐々に前方へと押し込むことで、前側カップクランプ67の上端側が後方へと回動して前側係止部67aが後退し、前側係止開口部111との係合が外れるとともに、図3の想像線に示すように、後側押圧部126が後側カップクランプ75の上端部を後側付勢手段117の付勢に抗して徐々に後方へと押し込むことで、図4(b)の想像線および図1に示すように、後側カップクランプ75の下端側が前方へと回動して後側係止部75aが前進し、後側係止開口部51との係合が外れる。すなわち、これらカップクランプ67,75による集塵カップ26の掃除機本体13への係止が解除される。
さらに、カップ付勢手段54(図8)が集塵カップ26を上方へと押し上げることにより、集塵カップ26が取付部33から取り外し可能になるとともに、各カップクランプ67,75と各係止開口部111,51との位置がずれ、集塵カップ26の再係止を防止する。
使用者は、そのまま集塵カップ26を取付開口72(図8)から上方へと引き抜き、ごみ箱などの廃棄位置へと集塵カップ26を運ぶ。
そして、使用者は、例えば図示しない蓋開閉操作ボタンを操作することにより、図5の想像線に示すように、蓋クランプ114の伝達部114aを下方へと移動させることで、連結部114bが上方へと回動し、この連結部114bと一体のクランプ本体部114cが側方へと回動することで、係合爪部114dによる底蓋74の係止が解除されると、底蓋74が軸受部113,113を中心として自重により回動して廃棄開口86を開く。このため、集塵カップ26内に捕集された塵埃が廃棄開口86から落下して廃棄される。
塵埃を廃棄した後、使用者は底蓋74を閉じることで、この底蓋74が蓋クランプ114の係合爪部114dによりカップ本体73に係止される。そして、電気掃除機11(図10)を再使用する際には、集塵カップ26を取付部33に再装着する。
このように、以上説明した一実施形態によれば、カップ本体33の上部に、このカップ本体33の周囲に回動可能に軸支されて収納状態と使用状態との間で回動可能なハンドル78を設け、このハンドル78が、収納状態ではカップ本体73側に収納され、使用状態ではカップ本体73側から突出するとともに各カップクランプ67,75による集塵カップ26の掃除機本体13への係止を解除することで、ハンドル78を使用状態とするだけで集塵カップ26を掃除機本体13の取付部33から容易に取り外しできる。したがって、構成を簡略化しつつ、掃除機本体13から集塵カップ26を片手で容易に取り外しできる。また、各カップクランプ67,75を、取付部33に装着された状態での集塵カップ26の吸込口85および排気口102のそれぞれの近傍に配置することで、本体吸込口64および連通口65と集塵カップ26の吸込口85との接続、および、通気開口42と集塵カップ26の排気口102との接続を、より強固に固定でき、これら接続部からの空気漏れなどを、より確実に防止できる。
さらに、ハンドル78を収納状態へと付勢するハンドル付勢手段121を集塵カップ26に備えることで、使用者が集塵カップ26を取付部33に挿入してハンドル78から手を離すだけで、自動的にハンドル78が収納状態へと倒れて、プッシュリング79により各カップクランプ67,75が動作されて集塵カップ26が掃除機本体13に係止されるので、集塵カップ26の装着の作業性がより向上する。
また、ハンドル78の使用状態への移動に連動しカップ本体73の外部(外周)に沿って所定の一方向(矢印A方向)へと回動するプッシュリング79により各カップクランプ67,75による集塵カップ26の掃除機本体13への係止を解除することで、複雑な構成を用いることなく、使用状態としたハンドル78の動作を各カップクランプ67,75へと伝達する構成を形成できる。
そして、カップ本体73は、円筒状に形成され、塵埃を遠心分離する構造とすることにより、このカップ本体73の周囲に沿って円環状のプッシュリング79を回動可能に配置しやすくなる。
なお、本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。