JP6270666B2 - 根菜類収穫機 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された根菜類収穫機では、畝間に位置する右及び左の車輪(特許文献1の図1,2,3の2,3)により機体が支持されて、土崩し体(特許文献1の図1,3,4の13)、引き上げ装置(特許文献1の図1及び図2の12)、及び切断装置(特許文献1の図1,2,4の15)が、機体に備えられている。
以上のように、畝から引き上げられ葉茎が切断された作物が畝に置かれていくので、この後に、作物回収車によって畝の作物を回収したり、作業者が畝の作物を回収したりすることになる。
特に土崩し体が畝の肩部(畝の右及び左の端部)の近くの畝の土中を進行した場合、畝の肩部が崩れることがあり、畝の肩部が崩れると、畝の肩部の近くに落とされた作物が畝から畝間に転がり落ちることがある。
従って、前述のように作物が畝間に転がり落ちると、この後に作物回収車によって畝の作物を回収する際に、作物回収車による畝間の作物の回収が困難なものになることがあり(作物回収車は主に畝の作物を回収することを想定している為)、作物回収車の走行装置が畝間の作物を踏んでしまうことがある。
作業者が畝の作物を回収する際においても同様に、作業者が歩く畝間に作物が転がっていると、畝や畝間に分散した作物を回収することになって手間を要するものとなるのであり、畝間も歩き難いものとなる。
本発明は、根菜類収穫機において、畝から引き上げられて畝に落とされた作物が畝から畝間に転がり落ち難くなるように構成することを目的としている。
(構成)
本発明の第1特徴は、根菜類収穫機において次のように構成することにある。
畝の右及び左の外側に位置する畝間に接地して機体を支持する右及び左の車輪と、
畝に作付けされた作物の下側の畝の土中を進行しながら土を崩す土崩し体と、
畝に作付けされた作物の葉茎を挟持して作物を畝から上方に引き上げる引き上げ装置と、前記引き上げ装置によって引き上げられた作物の葉茎において前記引き上げ装置よりも下側の部分を切断する切断装置とを備えて、前記切断装置により葉茎が切断された作物が畝に落とされるように構成し、
前記土崩し体の後側で畝の土中を進行しながら、土を畝の左右一方の肩部に押し出して、畝の左右一方の肩部に補充する押し出し体を備えている。
根菜類収穫機において、土崩し体が畝の肩部の近くの畝の土中を進行した場合、畝の肩部の下部の土が横の畝間に流れ、畝の肩部の下部の土が少なくなって、畝の肩部が崩れるものと考えられる。
これにより、土崩し体が畝の肩部の近くの畝の土中を進行して、畝の肩部の土が横の畝間に流れ、畝の肩部の土が少なくなることによって畝の肩部が崩れかけても、押し出し体により土が畝の肩部に押し出されて、畝の肩部に土が補充される状態となるので、畝の肩部の崩れが抑えられる。畝の肩部が崩れたとしても、押し出し体により土が補充されることによって、畝の肩部から畝間への傾斜が緩やかな崩れ方となる。
以上のように本発明の第1特徴によると、畝の肩部の崩れを抑えることができるので(畝の肩部が崩れたとしても、畝の肩部から畝間への傾斜が緩やかな崩れ方となるので)、畝から引き上げられて畝の肩部の近くに落とされた作物が畝から畝間に転がり落ちる状態を抑えることができる。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の根菜類収穫機において次のように構成することにある。
前記押し出し体の畝の肩部から遠い部分よりも畝の肩部に近い部分が後側に位置するように、前記押し出し体が斜めの姿勢に配置されている。
本発明の第2特徴によると、機体の進行に伴って、押し出し体から土を畝の肩部に押す力の成分が発生するので、押し出し体から畝の肩部へ土が無理なく押し出されるようになる。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第2特徴の根菜類収穫機において次のように構成することにある。
前記押し出し体が前後方向に往復駆動されるように構成されている。
本発明の第3特徴によると、押し出し体が前後方向に往復駆動されることにより、押し出し体による畝の肩部への土の押し出し機能を高めることができるのであり、特に押し出し体が前方に駆動された際に、押し出し体から土を畝の肩部に押す力の成分(前項[II]参照)が大きくなるので、押し出し体から畝の肩部へ土が無理なく押し出されるようになる。
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第3特徴の根菜類収穫機において次のように構成することにある。
前後方向に往復駆動される前記土崩し体の後側に位置するように、前記押し出し体が前記土崩し体に連結されることによって、前記押し出し体が前後方向に往復駆動されるように構成されている。
根菜類収穫機では、例えば特許文献1に開示されているように、土崩し体も前後方向に往復駆動されるように構成されることがある。
本発明の第4特徴によると、押し出し体を土崩し体の後側に位置するように土崩し体に連結しているので、既存の構造である土崩し体の支持構造及び前後方向の往復駆動構造を押し出し体の支持構造及び前後方向の往復駆動構造に利用することができて、構造の簡素化の面で有利なものとなる。
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第4特徴の根菜類収穫機において次のように構成することにある。
2条の作物の列において、右の作物の列に対応する右の前記土崩し体、及び、左の作物の列に対応する左の前記土崩し体を備え、
右及び左の前記土崩し体のうち畝の肩部から遠い前記土崩し体に、前記押し出し体が連結されている。
根菜類収穫機では、例えば特許文献1に開示されているように、右及び左の土崩し体を備えて、右及び左の土崩し体を2条の作物の列に対応させるように構成することがある。
この場合、機体の構成の面から右及び左の土崩し体のうち、例えば右の土崩し体が常に畝の肩部に近い側に位置し、左の土崩し体が畝から遠い側に位置するように、機体が構成されることが多い。
これにより、押し出し体が畝の肩部に接近して畝の肩部を崩してしまうという状態を避けながら、押し出し体により土が畝の肩部に押し出されるようにすることができる。
(構成)
本発明の第6特徴は、本発明の第5特徴の根菜類収穫機において次のように構成することにある。
前記押し出し体が畝の肩部に近い前記土崩し体の後側に位置するまで延出されている。
本発明の第6特徴によると、前項[V]に記載のように、右及び左の土崩し体のうち畝の肩部から遠い土崩し体に押し出し体を連結した場合、押し出し体が畝の肩部に近い土崩し体の後側に位置するまで延出されているので、押し出し体を畝の肩部から適切な距離に位置させながら(接近し過ぎないようにしながら)、押し出し体の先端部を畝の肩部に接近させて、押し出し体による畝の肩部への土の押し出し機能を十分に発揮させることができる。
図1,2,3に根菜類収穫機の一例である歩行型の玉ねぎ収穫機が示されており、先ず玉ねぎ収穫機の全体構成について説明する。
玉ねぎ収穫機は、ミッションケース1にエンジン2が支持され、ミッションケース1から右及び左に延出された車軸ケース3及び伝動ケース4に右及び左の後輪5(車輪に相当)が支持されており、前方に延出された右及び左の支持フレーム6の右の支持フレーム6に、前輪7(車輪に相当)が支持されている。
玉ねぎ収穫機は、前輪7及び後輪5を畝間A2に接地させて畝Aを跨ぐ状態で機体が進行するのであり、畝Aの4条の玉ねぎWのうち、機体の進行方向に向かって右の2条の玉ねぎWを収穫する。
この後、作物回収車によって畝Aの玉ねぎWを回収したり、作業者が畝Aの玉ねぎWを回収したりする。以下に玉ねぎ収穫機の各部の説明を行う。
次に、茎葉引き上げ装置10及び掻き上げ装置11について説明する。
図2,3,4に示すように、茎葉引き上げ装置10は、前後方向に沿った支持ケース10aの内部にチェーン10bが回転駆動自在に支持されて、チェーン10bに支持された多数のアーム10cが支持ケース10aから前方に突出しており、チェーン10b及びアーム10cが支持ケース10aに沿って下から上に回転駆動される。
これにより、機体の進行に伴ってデバイダ17により玉ねぎWの茎葉Waが分けられながら、茎葉引き上げ装置10によって玉ねぎWの茎葉Waが引き上げられる。
これにより、機体の進行に伴って茎葉引き上げ装置10によって引き上げられた2条の玉ねぎWの茎葉Waが、中央に集められながら掻き上げ装置11のベルト11aの間を後方上方に掻き上げられる。
次に、土崩し体13及び引き上げ装置12について説明する。
図5,6,7に示すように、右及び左の支持フレーム6の前部の横軸芯P1周りに、右及び左の支持部材18が前後方向に揺動自在に支持されており、支持部材18の上部に右及び左の駆動ロッド20が接続されている。これにより、右及び左の駆動ロッド20が前後方向に往復駆動されて、右及び左の支持部材18が横軸芯P1周りに前後方向に往復駆動される。
これにより、図5及び図6に示すように、畝Aの4条の玉ねぎWのうち、機体の進行方向に向かって右の2条の玉ねぎWにおいて、右の土崩し体13は前述の2条のうちの右の1条の玉ねぎWの下側の畝Aの土中を進行しながら、前後に往復駆動されて畝Aの土を崩す。左の土崩し体13は前述の2条のうちの左の1条の玉ねぎWの下側の畝Aの土中を進行しながら、前後に往復駆動されて畝Aの土を崩す。
これにより、前項[2]に記載のように、機体の進行に伴って2条の玉ねぎWの茎葉Waが、中央に集められて掻き上げ装置11のベルト11aの間を後方上方に掻き上げられながら、右及び左の土崩し体13により2条の玉ねぎWの下側の畝Aの土が崩されるのであり(玉ねぎWが畝Aから引き上げられ易くなるのであり)、玉ねぎWの茎葉Waが引き上げ装置12に挟持されて引き上げられて、玉ねぎWが畝Aから引き上げられる。
次に、搬送装置14、切断装置15及び放出装置16について説明する。
図1,2,4に示すように、搬送装置14は、幅広の一対のベルト14aが互いに対向して接するように配置されて、搬送装置14(ベルト14a)の前端が引き上げ装置12(ベルト12a)の後側に近接するように略水平に備えられており、ベルト12aが回転駆動される。
次に、押し出し体19の構造について説明する。
図5,6,7に示すように、板材を正面視でL字状に折り曲げて押し出し体19が構成されており、押し出し体19が左の土崩し体13(右及び左の土崩し体13のうち畝Aの肩部A1から遠い土崩し体13に相当)に連結されている。
(押し出し体19の畝Aの肩部A1から遠い部分よりも畝Aの肩部A1に近い部分が後側に位置するように、押し出し体19が斜めの姿勢に配置された状態に相当)(押し出し体19が畝Aの肩部A1に近い土崩し体13の後側に位置するまで延出されている状態に相当)。
左の支持部材18の前側の連結孔18aを使用したり、左の支持部材18の後側の連結孔18bを使用したりすることにより、左の支持部材18に対する左の土崩し体13の連結位置を前後に変更することができる。
押し出し体19の前側及び後側の連結孔19b,19cの上下範囲内において、左の支持部材18に対する押し出し体19の連結位置を上下に変更することができる。
次に、押し出し体19の機能について説明する。
図3,5,6に示すように、一つの畝Aに4条の玉ねぎWが作付けされて、前輪7及び後輪5を畝間A2に接地させて畝Aを跨ぐ状態で、右の2条の玉ねぎWを収穫する状態において、右の土崩し体13が畝Aの右の肩部A1から畝Aの土中に進入して玉ねぎWの下側に位置しており、左の土崩し体13及び押し出し体19が畝Aの上面(玉ねぎWの間)から畝Aの土中に進入して玉ねぎWの下側に位置している。
(押し出し体19の横向き部19aが左の土崩し体13の後側に位置するように左の土崩し体13から右斜め後方に延出されている点、押し出し体19の横向き部19aの先端部19dが右の土崩し体13の後側に位置している点、並びに、押し出し体19の横向き部19aが後上がり状の面である点による)。
従って、放出装置16から畝Aの右の肩部A1の近くに落とされた玉ねぎWが畝A(畝Aの右の肩部A1)から畝間A2に転がり落ちる状態を抑えることができる。
前述の[発明を実施するための形態]において、図9に示すように、平板状の縦向きの案内部材22を、前部が機体の右外側に位置し後部が機体の左右中央側に位置する斜めの姿勢で、放出装置16よりも前側に位置して畝Aの右の肩部A1に位置するように、機体に固定してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]において、押し出し体19を右及び左の土崩し体13に連結せずに機体に支持させてもよい。
(押し出し体19の畝Aの肩部A1から遠い部分よりも畝Aの肩部A1に近い部分が後側に位置するように、押し出し体19が斜めの姿勢に配置された状態に相当)(押し出し体19が畝Aの肩部A1に近い土崩し体13の後側に位置するまで延出されている状態に相当)。
図10において、エンジン2の動力により、押し出し体19が前後に往復駆動されるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]において、押し出し体19を左の土崩し体13ではなく、右の土崩し体13の横向き部13bの先端部に連結してもよい。
(押し出し体19の畝Aの肩部A1から遠い部分よりも畝Aの肩部A1に近い部分が後側に位置するように、押し出し体19が斜めの姿勢に配置された状態に相当)(押し出し体19が畝Aの肩部A1に近い土崩し体13の後側に位置するまで延出されている状態に相当)。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態][発明の実施の第3別形態]において、前輪7及び後輪5を畝間A2に接地させて畝Aを跨ぐ状態で機体が進行した場合、畝Aの4条の玉ねぎWのうち、機体の進行方向に向かって左の2条の玉ねぎWを収穫するように構成してもよい。このように構成した場合、前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態][発明の実施の第3別形態]において、以下のように構成する。
12 引き上げ装置
13 土崩し体
15 切断装置
A 畝
A1 肩部
A2 畝間
W 作物
Wa 茎葉
Claims (6)
- 畝の右及び左の外側に位置する畝間に接地して機体を支持する右及び左の車輪と、
畝に作付けされた作物の下側の畝の土中を進行しながら土を崩す土崩し体と、
畝に作付けされた作物の葉茎を挟持して作物を畝から上方に引き上げる引き上げ装置と、前記引き上げ装置によって引き上げられた作物の葉茎において前記引き上げ装置よりも下側の部分を切断する切断装置とを備えて、前記切断装置により葉茎が切断された作物が畝に落とされるように構成し、
前記土崩し体の後側で畝の土中を進行しながら、土を畝の左右一方の肩部に押し出して、畝の左右一方の肩部に補充する押し出し体を備えている根菜類収穫機。 - 前記押し出し体の畝の肩部から遠い部分よりも畝の肩部に近い部分が後側に位置するように、前記押し出し体が斜めの姿勢に配置されている請求項1に記載の根菜類収穫機。
- 前記押し出し体が前後方向に往復駆動されるように構成されている請求項2に記載の根菜類収穫機。
- 前後方向に往復駆動される前記土崩し体の後側に位置するように、前記押し出し体が前記土崩し体に連結されることによって、前記押し出し体が前後方向に往復駆動されるように構成されている請求項3に記載の根菜類収穫機。
- 2条の作物の列において、右の作物の列に対応する右の前記土崩し体、及び、左の作物の列に対応する左の前記土崩し体を備え、
右及び左の前記土崩し体のうち畝の肩部から遠い前記土崩し体に、前記押し出し体が連結されている請求項4に記載の根菜類収穫機。 - 前記押し出し体が畝の肩部に近い前記土崩し体の後側に位置するまで延出されている請求項5に記載の根菜類収穫機。
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