JP6270305B2 - モータコアの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、モータコアの製造方法に関し、具体的にはヒステリシス損が小さく優れた磁気特性を有するモータコアの製造方法に関するものである。
近年、自動車の操舵系には、モータで操舵を補助する電動パワーステアリング(EPS)システムが採用されている。このようなEPSシステムに用いられるモータは、小型・高トルクが求められることから、永久磁石を使用するPMモータ(Permanent Magnet Motor)が主に用いられている。しかし、PMモータでは、操舵後、比較的大きなロストルクが生じることから、旋回した後、直進状態になるまでに時間遅れが発生し、操舵感が劣るという問題があった。
このロストルクを低減するためには、ヒステリシス損の小さな電磁鋼板を使用すればよいことが明らかになっている。そこで、EPSモータ用のコアとして、特許文献1には、最大磁束密度1.5Tまで磁化した場合における周波数1Hz当たりのヒステリシス損が0.10J/kg以下である鋼板を用いた電動パワーステアリングモータコアが開示されている。
特許第4165848号
ところで、EPSモータ用コアは、製造する際の打抜加工やカシメ、曲げ加工などの塑性変形で導入された歪を解放するため、歪取焼鈍が施されることが多い。この歪取焼鈍が施される場合には、当然、歪取焼鈍後においてもヒステリシス損が小さいことが必要となる。
しかしながら、特許文献1のモータコアは、カシメなどの加工時に導入された歪を解放するために行なわれる歪取焼鈍後の特性については何ら考慮されていないため、磁気特性に劣るという問題があり、さらなる特性の向上が望まれている。
本発明は、従来技術における上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コア作製時における打抜加工やカシメなどの塑性変形を伴う加工が施されるモータコアにおいて、歪取焼鈍後においてもヒステリシス損が小さい、優れた磁気特性を有するモータコアの有利な製造方法を提案することにある。
発明者らは、打抜加工やカシメなどの塑性変形が施されるモータコアに用いられる無方向性電磁鋼板において、歪取焼鈍後の磁気特性を向上させる方法について鋭意検討を行った。その結果、Seの含有量を低減し、歪取焼鈍後のコア加工部における結晶粒径および転位密度を特定の範囲内に制御することにより、歪取焼鈍後においても、ヒステリシス損が小さく、優れた磁気特性を有するモータコアを得ることができることを知見した。
上記知見に基く本発明は、C:0.005mass%以下、Si:4mass%以下、Mn:0.05〜3mass%、Al:3mass%以下、N:0.005mass%以下、P:0.2mass%以下、S:0.005mass%以下およびSe:0.0010mass%以下を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる無方向性電磁鋼板をコア形状に加工した後、積層し、カシメを施し、歪取焼鈍してモータコアを製造する方法において、前記無方向性電磁鋼板として結晶粒径が70μm以下のものを用いると共に、
前記カシメを施したカシメ加工部を再結晶させ、結晶粒径が100μm以上、かつ、転位密度が1×1013−2以下となる条件で歪取焼鈍を施すことを特徴とするモータコアの製造方法を提案する。ここで、前記カシメ加工部は、カシメの中心から5mmの領域である。
本発明のモータコアの製造方法に用いる前記無方向性電磁鋼板は、前記成分組成に加えてさらに、Sn:0.003〜0.5mass%、Sb:0.003〜0.5mass%およびCa:0.0010〜0.005mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする。
本発明によれば、歪取焼鈍後の磁気特性(ヒステリシス損)に優れるモータコアを提供することができるので、電動パワーステアリングシステムの操舵性を大きく改善することが可能となる。
モータコアのカシメ部を説明する断面図である。 歪取焼鈍前の結晶粒径が歪取焼鈍後のモータコアのヒステリシス損に及ぼす影響を示すグラフである。 歪取焼鈍前の結晶粒径が歪取焼鈍後のカシメ加工部の転位密度に及ぼす影響を示すグラフである。 歪取焼鈍前の結晶粒径が歪取焼鈍後のカシメ加工部の結晶粒径に及ぼす影響を示すグラフである。 Se含有量が歪取焼鈍後のモータコアのヒステリシス損に及ぼす影響を示すグラフである。 Se含有量が歪取焼鈍後のカシメ加工部の結晶粒径に及ぼす影響を示すグラフである。 Se含有量が歪取焼鈍後のカシメ加工部の転位密度に及ぼす影響を示すグラフである。 歪取焼鈍後のカシメ加工部の転位密度とモータコアのヒステリシス損の関係を示すグラフである。
発明者らは、モータコア製造時に塑性変形を受ける電磁鋼板における歪取焼鈍後の磁気特性を向上する方法について検討するため、以下の一連の実験を行った。
まず、歪取焼鈍後の磁気特性に及ぼす歪取焼鈍前の結晶粒径の影響について調査するため、C:0.0025mass%、Si:1.0mass%、Mn:0.5mass%、Al:0.2mass%、N:0.0021mass%、P:0.1mass%、S:0.0022mass%およびSe:0.0003mass%を含有する鋼を実験室にて溶解し、鋼塊とした後、熱間圧延して板厚2.4mmの熱延板とし、冷間圧延して板厚0.50mmの冷延板とし、その後、800〜950℃×10secの仕上焼鈍を施し、半有機の絶縁被膜コーティング液を塗布して無方向性電磁鋼板とした。
斯くして得た無方向性電磁鋼板からサンプルを採取し、歪取焼鈍前の結晶粒径を線分法により求めた。また、この無方向性電磁鋼板をコア形状に打抜加工してコア材とし、このコア材を積層し、その際、バックヨーク部に、図1に示したような台形カシメ(カシメ幅:1mm、長さ:3mm、カシメ深さ:0.5mm)を8点形成して固定し、出力300W、極数8極のEPSモータ用のコアを作製した。その後、750℃×2hrの歪取焼鈍を施した後、モータのバックヨーク部に1次:100ターン、2次:100ターンの巻線を施して、50Hzおよび200Hzにおける鉄損を測定し、2周波法によりヒステリシス損Wh15/50を分離して求めた。
図2は、上記測定結果を示したものであり、歪取焼鈍前の結晶粒径が70μm以下でヒステリシス損が減少し、良好な磁気特性が得られていることがわかる。
そこで、この原因を究明するため、歪取焼鈍後のモータコアのカシメ加工部からサンプルを切り出し、組織観察および転位密度測定を行った。ここで、モータコアのカシメ加工部とは、カシメの中心から5mmの領域とした(図1参照)。なお、結晶粒径は、断面組織から線分法にて求め、転位密度は透過型電子顕微鏡により測定を行った。
図3は、歪取焼鈍前の結晶粒径が歪取焼鈍後のカシメ加工部の転位密度に及ぼす影響を示したものであり、歪取焼鈍前の結晶粒径が70μmを超える領域では、転位密度が高くなっており、加工歪が残存していること、一方、歪取焼鈍前の結晶粒径が70μm以下の材料では、転位密度が低くなっており、加工歪が歪取焼鈍で十分に解放されていることがわかる。
また、図4は、歪取焼鈍前の結晶粒径と歪取焼鈍後の結晶粒径との対応関係を示したものであり、歪取焼鈍前の結晶粒径が70μm以下の材料は、歪取焼鈍後に結晶粒径が粗大化していることがわかる。これは、歪取焼鈍前の結晶粒径が小さい材料は、粒界頻度が高くて粒界エネルギーが高いため、歪取焼鈍時に粒成長が促進され、歪のない結晶粒に置き換わり易くなる。その結果、加工歪が解放されて、コアの磁気特性が改善されたものと考えられる。以上の結果から、EPSモータコアに用いる鋼板は、歪取焼鈍前の結晶粒径は70μm以下とする必要があることがわかる。
次いで、発明者らは、上記知見に基いて、上記実験と類似した成分組成の鋼を、転炉等を用いて数チャージ出鋼して無方向性電磁鋼板を製造し、その鋼板から上記と同様の要領でモータコアを作製し、歪取焼鈍を施した後、モータコアの磁気特性を評価したところ、大きなバラつきが認められた。そこで、この原因を調査するため、磁気特性の良好なコアと劣位なコアについて比較調査したところ、磁気特性の劣位なコアでは、粒界にMnSeが多く析出しており、歪取焼鈍後の粒径も小さくなっていることが明らかになった。
そこで、歪取焼鈍時の粒成長性に及ぼすSe含有量の影響について調査するため、C:0.0030mass%、Si:1.5mass%、Mn:0.7mass%、Al:0.3mass%、N:0.0025mass%、P:0.05mass%、S:0.0020mass%を含有し、Seの含有量をTr.〜0.0050mass%の範囲で種々に変化させた鋼を実験室にて溶解し、鋼塊とした後、熱間圧延して板厚2.5mmの熱延板とし、冷間圧延して板厚0.35mmの冷延板とし、その後、850℃×10secの仕上焼鈍を施し、半有機の絶縁被膜コーティング液を塗布して無方向性電磁鋼板とした。
斯くして得た無方向性電磁鋼板からサンプルを切り出し、歪取焼鈍前の結晶粒径を線分法により求めた。また、この無方向性電磁鋼板をコア形状に打抜加工してコア材とし、このコア材を積層し、その際、バックヨーク部に、図1に示したような台形カシメ(カシメ幅:1mm、長さ:3mm、カシメ深さ:0.3mm)を8点形成して固定し、出力300W、極数8極のEPSモータ用のコアを作製した。その後、750℃×2hrの歪取焼鈍を施した後、モータのバックヨーク部に1次:100ターン、2次:100ターンの巻線を施して、50Hzおよび200Hzにおける鉄損を測定し、2周波法によりヒステリシス損Wh15/50を分離して求めた。また、歪取焼鈍後のコアのカシメ加工部(図1参照)からサンプルを切り出して、結晶粒径を線分法にて求め、さらに透過型電子顕微鏡にて転位密度を測定した。
図5は、Se含有量と歪取焼鈍後のヒステリシス損Wh15/50との関係を示したものであり、Se含有量が0.0010mass%(10massppm)以下の範囲で良好な特性が得られていることがわかる。また、図6は、Se含有量と歪取焼鈍後のカシメ加工部の結晶粒径との関係を示したものであり、Se含有量が0.0010mass%以下の範囲で歪取焼鈍後の結晶粒径が粗大化していることがわかる。さらに、図7は、Se含有量と歪取焼鈍後のカシメ加工部の転位密度との関係を示すものであり、Se含有量が0.0010mass%以下の範囲で転位密度が低くなっていることがわかる。
これらの結果はいずれも、Seが増加したことにより、粒界に析出するMnSeが増加し、歪取焼鈍時の粒成長が阻害されて、歪のない結晶粒に置き換わられなくなり、カシメ加工部の転位密度が高いままとなり、ヒステリシス損が増加したためであると推察された。以上の結果から、モータコアに用いる無方向性電磁鋼板のSe含有量は0.0010mass%以下とする必要があることがわかる。
次に、磁気特性に及ぼす歪取焼鈍後の転位密度の影響について調査するため、C:0.0020mass%、Si:1.2mass%、Mn:0.5mass%、Al:0.3mass%、N:0.0022mass%、P:0.07mass%、S:0.0023mass%およびSe:0.0002mass%を含有した鋼を実験室にて溶解して鋼塊とし、熱間圧延して板厚2.5mmの熱延板とし、冷間圧延して板厚0.50mmの冷延板とし、その後、820℃×10secの仕上焼鈍を施し、半有機の絶縁被膜コーティング液を塗布して無方向性電磁鋼板とした。
斯くして得た無方向性電磁鋼板からサンプルを切り出して、結晶粒径を線分法により求めたところ、35μmであった。また、この無方向性電磁鋼板をコア形状に打抜加工してコア材とし、このコア材を積層し、その際、バックヨーク部に、図1に示したような台形カシメ(カシメ幅:1mm、長さ:3mm、カシメ深さ:0.5mm)を8点形成して固定し、出力300W、極数8極のEPSモータ用のコアを作製し、その後、焼鈍条件を750℃×10〜300minの範囲で変化させて歪取焼鈍を施した後、上記実験と同様にしてモータコアのヒステリシス損Wh15/50を求めた。
その結果を図8に示した。この図から、歪取焼鈍後の転位密度が1×1013−2以下の範囲において良好な磁気特性が得られることがわかる。これは、転位密度が1×1013−2を超えると、加工歪が残存した状態となり、磁化され難くなり、ヒステリシス損が増大する結果、磁気特性が低下するためである。上記の結果から、歪取焼鈍後のモータコアの転位密度は1×1013−2以下と規定する。
本発明は、上記実験結果に基いて開発したものである。
次に、本発明のモータコアに用いる無方向性電磁鋼板の成分組成について説明する。
C:0.005mass%以下
Cは、0.005mass%を超えて含有すると、磁気時効を起こして鉄損を劣化させる。よって、Cは0.005mass%以下とする。
Si:4mass%以下
Siは、鋼の固有抵抗を高めて鉄損特性を改善するために添加する元素であり、0.5mass%以上含有させることが好ましい。しかし、4mass%を超える添加は、鋼が硬質化し、圧延して製造することが難しくなる。よって、Siは4mass%以下とする。
Mn:0.05〜3mass%
Mnは、鋼の熱間加工性を改善するために必要な元素であるが、0.05mass%未満では上記効果がなく、一方、3mass%を超える添加は、圧延性を阻害したり、原料コストの上昇を招いたりする。よって、Mnは0.05〜3mass%の範囲とする。
Al:3mass%以下
Alは、Siと同様、鉄損特性改善のために添加されるが、3mass%を超える添加は、圧延性を阻害するので上限を3mass%とする。
N:0.005mass%以下
Nは、鋼中に不可避的の混入してくる不純物であり、磁気特性を低下させる有害元素であるので、できる限り低減することが望ましい。よって、本発明では、Nは0.005mass%以下に制限する。
P:0.2mass%以下
Pは、固溶強化能が大きい元素であり、0.2mass%を超える添加は、鋼が硬質化して圧延して製造することを難しくする。よって、Pの上限は0.2mass%とする。
S:0.005mass%以下
Sは、Nと同様、不可避的不純物であり、磁気特性を低下させる有害元素であるので、できる限り低減することが望ましい。よって、本発明では、Sは0.005mass%以下に制限する。
Se:0.0010mass%以下
Seは、上述した実験結果からわかるように、歪取焼鈍後の磁気特性を低下させる有害元素である。よって、本発明では、斯かる弊害を回避する観点から、0.0010mass%以下に制限する。
本発明のモータコアに用いる無方向性電磁鋼板は、上記成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。ただし、Sn,SbおよびCaについては、下記の範囲で1種または2種以上を含有することができる。
Sn:0.003〜0.5mass%、Sb:0.003〜0.5mass%
SnおよびSbは、集合組織を改善して磁束密度を向上させるだけでなく、鋼板表層の酸化や窒化およびそれらに伴う表層微細粒の生成を抑制することで、磁気特性の劣化を防止する等種々の好ましい作用効果を有する。かかる効果を発現させるためには、SnおよびSbのいずれか1種以上を0.003mass%以上含有させることが好ましい。一方、上記元素の含有量が0.5mass%を超えると、結晶粒の成長が阻害され、却って磁気特性の劣化を招くおそれがある。よって、SnおよびSbは、それぞれ0.003〜0.5mass%の範囲で添加するのが好ましい。
Ca:0.0010〜0.005mass%
Caは、Se化合物と複合化して粗大な析出物を形成するため、歪取焼鈍時の粒成長を促進し、鉄損特性を改善する効果がある。このような効果を発現させるためには、0.0010mass%以上添加することが好ましい。一方、0.005mass%を超えて添加すると、CaSの析出量が多くなってSe化合物が巨大化し、却って鉄損特性が劣化するので、上限は0.005mass%とするのが好ましい。
次に、本発明のモータコアに用いる無方向性電磁鋼板の製造方法について説明する。
本発明に用いる無方向性電磁鋼板は、製造方法について特に制限はないが、例えば、上記成分組成に適合する鋼を転炉や電気炉、真空脱ガス装置などを用いた通常公知の精錬プロセスで溶製し、連続鋳造法あるいは造塊−分塊圧延法で鋼スラブとした後、この鋼スラブを通常公知の方法で熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延し、仕上焼鈍し、絶縁被膜を被成する従来公知のプロセスで製造するのが好ましい。なお、より好ましい製造条件は、以下のとおりである。
熱延板焼鈍
熱延板焼鈍は、本発明においては必須の工程ではないが、磁気特性の向上に有効であるため、適宜採用することができる。熱延板焼鈍を施す場合の焼鈍温度は、通常の750〜1050℃の範囲とするのが好ましい。焼鈍温度が750℃未満では、未再結晶組織が残存する可能性があり、一方、1050℃を超えると、焼鈍設備に多大な負荷がかかるためである。より好ましくは800〜1000℃の温度範囲である。
冷間圧延
熱延板を最終板厚とする冷間圧延は、1回の冷間圧延あるいは中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延のいずれを用いてもよい。また、最終板厚(製品板厚)については、特に制限はないが、通常の無方向性電磁鋼板の板厚である0.1〜0.5mmの範囲が好ましい。また、冷延圧下率も、通常の無方向性電磁鋼板の場合と同様で構わない。
仕上焼鈍
最終板厚まで圧延した冷延板は、その後、再結晶させかつその結晶粒径を所望の大きさにする、すなわち、モータコア加工部における歪取焼鈍前の結晶粒径を70μm以下にするための仕上焼鈍を施す。この仕上焼鈍における焼鈍温度は、再結晶粒を粗大化させない観点から750〜900℃の範囲とするのが好ましい。より好ましくは750〜850℃の範囲である。ここで、仕上焼鈍後の結晶粒径を70μm以下に制限する理由は、粒界エネルギーを高めて、歪取焼鈍時における再結晶および粒成長を促進させるためである。
仕上焼鈍後の鋼板は、その後、必要に応じて絶縁被膜を被成するためのコーティング液を塗布し、乾燥させて無方向性電磁鋼板の製品板とする。
次に、上記無方向性電磁鋼板を用いて、本発明のモータコアを製造する方法について説明する。
上述のようにして得た無方向性電磁鋼板は、その後、所定のモータコアの形状に打ち抜き加工等してコア材とした後、このコア材を積層し、この際、積層した鋼板同士を固着させるため、カシメ加工を施したり、積層したコア材を溶接したりして固定し、モータコアとする。
次いで、打抜加工やカシメ等で塑性変形を受けた加工部に導入された歪を除去するため、700〜900℃の温度で2時間程度均熱保持する歪取焼鈍を施す。歪取焼鈍温度が700℃未満では、コア作製時の加工部における再結晶とその後の粒成長が十分ではなく、歪取焼鈍後の結晶粒径の大きさを100μm以上としたり、転位密度を1×1013−2以下としたりすることができないため、磁気特性に優れたモータコアを安定して得られない。一方、900℃を超える温度では、燃料コストの増加を招くため好ましくない。より好ましい温度は750〜850℃の範囲である。なお、歪取焼鈍後のコア加工部における結晶粒径の大きさを100μm以上とし、かつ、転位密度を1×1013−2以下となる歪取焼鈍条件(均熱温度、均熱時間)は、鋼成分や鋼板の製造条件、コアの製造条件(歪量)によっても変化するので、適宜調整するのが好ましい。
表1からなる成分組成を有する鋼を溶製し、鋼スラブとし、1060℃×30minの加熱後、熱間圧延して板厚2.0mmの熱延板とし、その後、950℃×30secの熱延板焼鈍を施した後、1回の冷間圧延で最終板厚0.35mmの冷延板とした。その後、上記冷延板を、表2に示した焼鈍温度で仕上焼鈍を施した後、半有機の絶縁被膜コーティング液を塗布して無方向性電磁鋼板とした。なお、表1に示した鋼No.19はAlが、No.23はSiが、No.27はMnがおよびNo.31はPが、本発明の範囲を超えているため、冷間圧延が困難となり、最終板厚まで圧延することができなかった。
斯くして得た無方向性電磁鋼板からサンプルを採取し、線分法で結晶粒径を測定した。また、上記無方向性電磁鋼板をコア形状に打抜加工してコア材とした後、このコア材を積層し、その際、バックヨーク部に、図1に示したような台形カシメ(カシメ幅:1mm、長さ:3mm、カシメ深さ:0.3mm)を8点形成して固定し、出力300W、極数8極のEPSモータ用のコアを作製した。その後、750℃×2hrの歪取焼鈍を施した後、モータのバックヨーク部に1次:100ターン、2次:100ターンの巻線を施して、50Hzおよび200Hzにおける鉄損を測定し、2周波法によりヒステリシス損Wh15/50を分離して求めた。また、歪取焼鈍後のコアのカシメ加工部(図1参照)からサンプルを切り出して、結晶粒径を線分法にて求め、さらに透過型電子顕微鏡にて転位密度を測定した。
Figure 0006270305
Figure 0006270305
表1および表2の結果から、本発明に適合する条件で製造したモータコアは、ヒステリシス損Wh15/50がいずれも2.05W/kg以下の良好な磁気特性が得られていることがわかる。
本発明のモータコアは、歪取焼鈍における再結晶・粒成長性に優れるので、EPS用のモータコアの他、同様の特性が求められる、例えば、コンプレッサーモータ等のモータコアにも適用することができる。

Claims (2)

  1. C:0.005mass%以下、Si:4mass%以下、Mn:0.05〜3mass%、Al:3mass%以下、N:0.005mass%以下、P:0.2mass%以下、S:0.005mass%以下およびSe:0.0010mass%以下を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる無方向性電磁鋼板をコア形状に加工した後、積層し、カシメを施し、歪取焼鈍してモータコアを製造する方法において、
    前記無方向性電磁鋼板として結晶粒径が70μm以下のものを用いると共に、
    前記カシメを施したカシメ加工部を再結晶させ、結晶粒径が100μm以上、かつ、転位密度が1×1013−2以下となる条件で歪取焼鈍を施すことを特徴とするモータコアの製造方法。ここで、前記カシメ加工部は、カシメの中心から5mmの領域である。
  2. 前記無方向性電磁鋼板は、上記成分組成に加えてさらに、Sn:0.003〜0.5mass%、Sb:0.003〜0.5mass%およびCa:0.0010〜0.005mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のモータコアの製造方法。
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