JP6623795B2 - 電磁鋼板、および電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

電磁鋼板、および電磁鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、モータおよび発電機等の回転機の分割鉄心に適した電磁鋼板、および電磁鋼板の製造方法に関する。本願は、2015年3月4日に、日本に出願された特願2015−42326号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
電磁鋼板は、例えば、モータおよび発電機等の回転機の鉄心材料、ならびに変圧器およびリアクトル等の静止機の鉄心材料として広く用いられている。また、近年のパワーエレクトロニクスの進展を受けて、回転機および静止機では、駆動周波数を従来の商用周波域を超える高周波域まで活用するものが増加している。このため、電磁鋼板において、高周波域での鉄損が低い製品に対するニーズが高まっている。特に、ハイブリッド車(HEV)および電気自動車(EV)の駆動モータでは、ステータが分割鉄心である場合、高周波域における圧延方向(L方向)の鉄損が低く、かつ圧延方向(L方向)と、圧延方向に対して直角な方向(C方向)との平均(LC平均)鉄損が低い電磁鋼板が望まれる。
分割鉄心とは、モータのロータ外周に配されるステータを構成する部材のことである。分割鉄心では、ステータにおいて磁気特性が最も重要であるティースの長手方向(すなわち、ステータの直径方向)が電磁鋼板のL方向となり、バックヨークの長手方向(すなわち、ステータの円周方向)が電磁鋼板のC方向となるように電磁鋼板を打ち抜き加工し、これらを組み合わせてモータおよび発電機のステータを構成する。なお、バックヨークの磁気特性が重要である場合には、バックヨークが電磁鋼板のL方向となるように打ち抜き加工することもある。
ここで、高周波域における鉄損(以下、高周波鉄損ともいう)を低減させるためには、例えば、高合金化によって固有抵抗を増加させて、渦電流損を低下させることが有効であり、高合金の電磁鋼板が有効と考えられる。また、電磁鋼板の薄肉化でも渦電流損を低下させることができるが、電磁鋼板の薄肉化は、冷間圧延および焼鈍の効率を低下させるため、製造コストの上昇が必然となってしまう。従って、高周波鉄損を低減するためには、電磁鋼板の高合金化による渦電流損の低減が、極めて有効な手法であるといえる。
回転機の鉄心材料としては、無方向性電磁鋼板が使用されることが多いが、分割鉄心の場合、無方向性電磁鋼板では、L方向の磁気特性が十分とは言えず、L方向の磁気特性改善が課題となっていた。一方、分割鉄心に方向性電磁鋼板を使用した場合、磁気特性の異方性が強いため、L方向の磁気特性は極めて優秀であるものの、C方向の磁気特性が著しく劣ることになる。そのため、L方向およびLC平均の磁気特性の両立が求められる分割鉄心に好適な電磁鋼板が求められていた。
以上のような問題を解決するために、例えば、以下の特許文献1には、質量%で、Si:2.5〜4.0%、Mn:2.0〜4.0%、sol.Al:0.003%未満を含有する鋼スラブを熱間圧延後にそのまま、または熱延板焼鈍を行った後、冷間圧延し、一次再結晶焼鈍および二次再結晶焼鈍を行うことにより、L方向およびC方向の磁気特性バランスに優れた電磁鋼板を製造する方法が提案されている。
また、以下の特許文献2には、質量%で、Si:2〜5%、Mn:2%以下、Al:0.004%以下を含有し、B50Lが1.75以上であり、かつ(W10/400L+W10/400C)/2が25以下である分割モータ用コア材料が提案されている。ここで、B50Lは、5000A/mの磁場におけるL方向の磁束密度を示し、W10/400Lは、無応力の場合におけるL方向の鉄損(周波数400Hz、B=1.0T)を示し、W10/400Cは、C方向に圧縮応力50MPaを付加した場合におけるC方向の鉄損(周波数400Hz、B=1.0T)を示す。
さらに、以下の特許文献3には、質量%で、Si:2〜7%、Mn:0.05〜3.0%、Al:0.001〜0.020%を含有し、B50Lが1.75以上であり、かつW10/400L+W10/400Cが55以下である分割モータ用コア材料が提案されている。ここで、B50Lは、5000A/mの磁場におけるL方向の磁束密度を示し、W10/400Lは、無応力の場合における圧延方向の鉄損(周波数400Hz、B=1.0T)を示し、W10/400Cは、C方向に圧縮応力50MPaを付加した場合における時のC方向の鉄損(周波数400Hz、B=1.0T)を示す。
特開平7−18335号公報 特開2011−6731号公報 特開2011−26682号公報
しかし、上記特許文献1に開示された電磁鋼板は、50Hz〜60Hzの商用周波数域における鉄損にしか考慮されておらず、かつ磁気特性のばらつきも大きかった。また、特許文献1に開示された電磁鋼板では、Si量や板厚などの高周波鉄損の観点からも満足できる特性が得られていなかった。
また、上記特許文献2および3に開示された電磁鋼板は、合金添加量が少ないため、高周波鉄損が満足できる特性ではなかった。また、特許文献2および3に開示された電磁鋼板は、Si含有量が4%を超える場合、加工性が著しく低下するため、製造が極めて困難になるとともに、磁気特性のばらつきも大きくなってしまっていた。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、L方向の高周波磁気特性、およびLC平均の高周波磁気特性の双方に優れた電磁鋼板を提供することにある。
本発明者らは、上記課題等を鋭意検討した結果、Si含有量を加工性の低下が著しくない4.0質量%以下に抑え、代わりにSiに比べて脆化を生じさせにくいMnを大量添加し、さらにsol.Al含有量を0.0030質量%未満、Sn含有量を0.005〜0.15質量%に制御し、製造条件を緻密に制御することによってO(酸素)含有量を0.030質量%以下に制御した板厚0.40mm以下の電磁鋼板は、L方向およびLC平均の高周波磁気特性がともに優れた特性を示すことを見出した。これは、L方向の磁気特性を向上させる一方で、C方向の磁気特性を劣化させるゴス方位への結晶粒の集積度を適正化することにより、従来の電磁鋼板に比べてL方向の高周波鉄損に優れつつも、C方向の高周波鉄損の劣化が低く抑えた電磁鋼板が得られるためであると考えられる。
上記知見に基づき完成された本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)質量%で、C:0.005%以下、Si:2.9%以上4.0%以下、Mn:2.0%以上4.0%以下、S:0.004%以下、sol.Al:0.0030%未満、Sn:0.005%以上0.15%以下、O:0.030%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、板厚が0.40mm以下であり、圧延方向の磁束密度B50が1.74T以上である、電磁鋼板。
(2)質量%で、N:0.0100%以下をさらに含有する、(1)に記載の電磁鋼板。
(3)上記(1)または(2)に記載の電磁鋼板の製造方法であって、質量%で、C:0.005%以下、Si:2.9%以上4.0%以下、Mn:2.0%以上4.0%以下、S:0.004%以下、sol.Al:0.0050%未満、Sn:0.005%以上0.15%以下、O:0.010%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる鋼を鋳造し、前記鋼を熱間圧延した後、そのままで、または熱延板焼鈍した後、冷間圧延し、冷間圧延した鋼板を一次再結晶焼鈍、および二次再結晶焼鈍した後、絶縁被膜塗布を行う工程を有し、前記一次再結晶焼鈍では、平均昇温速度を100℃/秒以上2000℃/秒以下とし、かつ昇温過程および均熱過程での露点を10℃以下に制御し、前記二次再結晶焼鈍では、アルミナを含有する焼鈍分離剤を前記鋼板に塗布した後、露点が0℃以下の雰囲気で焼鈍を行う、電磁鋼板の製造方法。
以上説明したように本発明によれば、L方向の高周波磁気特性、およびLC平均の高周波磁気特性の双方に優れた電磁鋼板を提供することが可能である。
以下に、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明者らは、電磁鋼板の化学組成、板厚、磁気特性、および製造条件を抜本的に見直すことにより、L方向およびC方向の高周波鉄損のバランスに優れた電磁鋼板を得ることに成功した。
本発明の一実施形態に係る電磁鋼板は、以下のような構成を有する。
(1)質量%で、C:0.005%以下、Si:2.9%以上4.0%以下、Mn:2.0%以上4.0%以下、S:0.004%以下、sol.Al:0.0030%未満、Sn:0.005%以上0.15%以下、O:0.030%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、板厚が0.40mm以下であり、圧延方向の磁束密度B50が1.74T以上の電磁鋼板。
(2)質量%で、N:0.0100%以下をさらに含有する、(1)に記載の電磁鋼板。
(3)上記(1)または(2)に記載の電磁鋼板の製造方法であって、質量%で、C:0.005%以下、Si:2.9%以上4.0%以下、Mn:2.0%以上4.0%以下、S:0.004%以下、sol.Al:0.0050%未満、Sn:0.005%以上0.15%以下、O:0.010%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる鋼を鋳造し、前記鋼を熱間圧延した後、そのままで、または熱延板焼鈍した後、冷間圧延し、冷間圧延した鋼板を一次再結晶焼鈍、および二次再結晶焼鈍した後、絶縁被膜塗布を行う工程を有し、前記一次再結晶焼鈍では、平均昇温速度を100℃/秒以上2000℃/秒以下とし、かつ昇温過程および均熱過程での露点を10℃以下に制御し、前記二次再結晶焼鈍では、アルミナを含有する焼鈍分離剤を前記鋼板に塗布した後、露点が0℃以下の雰囲気で焼鈍を行う、電磁鋼板の製造方法。
(1)鋼の化学組成について
以下では、まず、本実施形態に係る電磁鋼板の鋼の化学組成について、詳細に説明する。なお、以下では特に断りのない限り、「%」という表記は「質量%」を表わすものとする。
[C:0.005%以下]
C(炭素)は、鉄損劣化を引き起こす元素である。そのため、本実施形態に係る電磁鋼板では、Cの含有量の上限を0.005%とする。Cの含有量が0.005%超過である場合、電磁鋼板において鉄損劣化が生じ、良好な磁気特性を得ることができない。Cの含有量は、望ましくは0.004%以下であり、さらに望ましくは0.003%以下である。Cの含有量は、少ないほどよいが、コストの観点から、Cの含有量は、例えば、0.0001%以上である。
[Si:2.9%以上4.0%以下]
Si(ケイ素)は、鋼の電気抵抗を上昇させて渦電流損を低減させ、高周波鉄損を改善する元素である。この効果を有効に発揮させるためには、Siの含有量は、2.9%以上であることが必要である。また、Siの含有量は、望ましくは3.0%以上である。ただし、Siの含有量が4.0%超過となる場合、電磁鋼板の加工性が著しく劣化して冷間圧延が困難になる。そのため、Siの含有量の上限は4.0%である。なお、Siの含有量は、望ましくは、3.0%以上3.8%以下である。
[Mn:2.0%以上4.0%以下]
Mn(マンガン)は、鋼の加工性を劣化させずに電気抵抗を上昇させることで渦電流損を低減し、高周波鉄損を改善する元素である。Mnの含有量が2.0%未満である場合、高周波鉄損の低減効果が十分ではないため、Mnの含有量は、2.0%を下限とする。Mnの含有量が2.0%以上である場合、MnとSiとの窒化物(MnSiN)が形成される。MnとSiとの窒化物は、結晶粒成長の過程において本発明が狙いとするゴス方位に適度に配向した結晶組織の形成に有効に機能する。一方、Mnの含有量が4.0%超過となる場合、磁束密度の低下が大きくなるため、望ましくない。従って、Mnの含有量は、4.0%を上限とする。Mnの含有量は、望ましくは、2.1%以上3.8%以下である。
[S:0.004%以下]
S(硫黄)は、MnSを形成することにより、磁気特性に悪影響を与えるため、Sの含有量は0.004%以下とする。Sの含有量は、望ましくは0.003%以下であり、更に望ましくは0.002%以下である。Sの含有量は、少なければ少ないほどよく、Sの含有量の下限は、特に規定されないが、コストの観点から、例えば、0.0001%以上である。
[sol.Al(酸可溶性Al):0.0030%未満]
Alは、MnとSiとの窒化物(MnSiN)の形成を妨げることで、主な析出物をAlN、ならびにAl、SiおよびMn等の窒化物に変化させる。これらのAlN、ならびにAl、SiおよびMn等の窒化物は、ゴス方位への集積が強い結晶粒成長を生じさせ、C方向の磁気特性を極端に劣化させるため、LC平均の鉄損を損なわせる原因となる。このようなAlの悪影響は、sol.Al(酸可溶性Al)の含有量が0.0030%を超えると顕著となるため、sol.Alの含有量は、0.0030%未満とする。また、sol.Alの含有量は、望ましくは、0.0025%未満である。sol.Alの含有量の下限は、特に限定されるものではないが、例えば、0.0001%である。
なお、鋳造以降の工程の熱処理によって、鋼中のsol.Alの含有量はわずかに減少するため、鋳造時の鋼の段階では、sol.Alの含有量は、0.0050%未満とする。
[Sn0.005%以上0.15%以下]
Sn(スズ)は、ゴス方位に集積した結晶組織の形成を促進するとともに、結晶粒径を微細化することで高周波鉄損を低減する極めて重要な元素である。これらの効果を得るためには、Snの含有量は、0.005%以上であることが必要である。また、Snの含有量が0.15%超過となる場合、上記効果が飽和するため、コストの観点から、Snの含有量は、0.15%以下とする。なお、Snの含有量は、望ましくは、0.01%以上0.10%以下である。
[O:0.030%以下]
O(酸素)は、二次再結晶焼鈍後に、電磁鋼板に塗布される絶縁被膜の密着性を確保するために、低減することが重要である。本発明では、鋼板中のMn含有量を高めることで鋼板の電気抵抗を上げ、更にSnを含有させることでゴス方位集合組織の適度な形成、および結晶粒微細化を行い、両元素の複合効果によって、高周波磁気特性(鉄損)を向上させることが可能となる。しかし、Mn含有量の高い電磁鋼板に、更にSnを含有させた場合、絶縁被膜の密着性が著しく低下するという問題が生じた。本発明者らは、絶縁被膜の密着性の改善方法をさらに鋭意検討し、鋼中のO含有量を0.030%以下に抑制することにより、絶縁被膜の密着性を改善できることを見出した。O含有量は、望ましくは0.020%以下であり、更に望ましくは0.015%以下である。O含有量の下限は、特に定めないが、コストの観点からは0.0005%である。
なお、O含有量を低減することで絶縁被膜の密着性が改善する機構は十分に解明されていないが、Mn含有量が高い場合、一次再結晶焼鈍、および二次再結晶焼鈍で鋼板表層部の酸化が促進されやすいため、鋼板表層部に濃化しやすいSnとOとの相互作用により、絶縁被膜の密着性が低下するものと考えられる。
具体的には、鋳造、および熱間圧延された鋼板の段階では、鋼中のO含有量は0.010%以下であるが、その後の焼鈍時に酸化し易い雰囲気になると鋼板表層部が酸化されて鋼中全体の平均O含有量が増加することになる。そこで、一次再結晶焼鈍、および二次再結晶焼鈍の雰囲気の露点を低減することで酸化されにくい雰囲気とし、鋼板表層部の酸化を抑えることで絶縁被膜の密着性を改善することができる。鋼板表層部の酸化の目安としては、鋼中のO含有量が簡便で有効な指標となる。
鋼中のO含有量の測定は、例えば、絶縁被膜を塗布する前の鋼板、または絶縁被膜の塗布後に熱アルカリ溶液で絶縁被膜を除去した鋼板に対して実施すればよい。鋼中のO含有量は、例えば、絶縁被膜を除去した鋼板を不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法にて分析することで測定することができる。
なお、本実施形態に係る電磁鋼板において、N(窒素)は、ゴス方位の制御に有効な窒化物を形成するものであるため、鋼スラブ中では、Nの含有量は、0.0010%以上であることが望ましい。しかし、Nが、製品である電磁鋼板中に多量に残留すると磁気特性に悪影響を与えるため、製品段階では、Nの含有量は、0.0100%以下とすることが望ましく、0.0050%以下であることがより望ましい。製品段階でのNの含有量は、少なければ少ないほど望ましいが、コストの観点から、Nの含有量は、例えば、0.0001%以上である。
また、本実施形態に係る電磁鋼板において、上記の元素以外のP(リン)、Sb(アンチモン)、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、Cu(銅)、およびMo(モリブデン)の含有量は、特に規定されない。例えば、本実施形態に係る電磁鋼板において、PおよびSbの含有量は、それぞれ0.15%以下であっても特に問題はなく、その他の元素(Ni、Cr、Cu、およびMo)の含有量は、それぞれ0.3%以下であっても特に問題はない。
(2)板厚について
次に、本実施形態に係る電磁鋼板の板厚について説明する。
本実施形態に係る電磁鋼板において、板厚が0.40mm超過となる場合、渦電流損が増大し、高周波鉄損が劣化する。そのため、板厚の上限を0.40mmとした。また、板厚の上限は、望ましくは、0.35mm以下である。一方、板厚の下限は、特に規定するものではないが、板厚が0.10mmより薄い(0.10mm未満である)場合、生産性が低下するので望ましくない。従って、電磁鋼板の板厚は、0.10mm以上であることが望ましく、0.15mm以上がより望ましい。
(3)圧延方向の磁束密度について
続いて、本実施形態に係る電磁鋼板の磁気特性について説明する。
本実施形態に係る電磁鋼板において、圧延方向(すなわち、L方向)の磁束密度B50(5000A/mの磁場における磁束密度)が1.74Tより低くなる(1.74T未満となる)場合、最も重要な磁気特性であるL方向の鉄損が劣化する。そのため、本実施形態に係る電磁鋼板において、圧延方向の磁束密度B50の下限は、1.74Tである。また、圧延方向の磁束密度B50の下限は、望ましくは、1.75T以上であり、更に望ましくは1.76T以上である。一方、圧延方向の磁束密度B50の上限は、特に規定するものではないが、圧延方向の磁束密度B50が1.94T超過となる場合、L方向の鉄損は優れるものの、C方向の鉄損が大幅に増加し、LC平均鉄損も大幅に増加するため、望ましくない。圧延方向の磁束密度B50は、更に望ましくは、1.90T以下である。
ここで、上記の磁束密度B50や各種鉄損などの磁気特性の測定方法については、特に限定されるものではなく、例えば、JIS C 2550に規定されているエプスタイン試験に基づく方法、およびJIS C 2556に規定されている単板磁気特性試験法(Single Sheet Tester:SST)など、公知の方法により測定することが可能である。
(4)電磁鋼板の製造方法について
本実施形態に係る電磁鋼板は、製品である電磁鋼板が上記の成分を含有するように調整した鋼スラブを鋳造し、鋳造した鋼スラブを熱間圧延した後、そのままで、または熱延板焼鈍した後、冷間圧延(なお、冷間圧延工程は、中間焼鈍を挟んだ二回の冷間圧延でもよい)し、冷間圧延した鋼板を一次再結晶焼鈍、および二次再結晶焼鈍を行った後、絶縁被膜塗布を行うことにより製造することができる。
以下に、本実施形態に係る電磁鋼板の製造方法について、より詳細に説明する。
[鋳造工程]
鋳造工程では、まず、質量%で、C:0.005%以下、Si:2.9%以上4.0%以下、Mn:2.0%以上4.0%以下、S:0.004%以下、sol.Al:0.0050%未満、Sn:0.005%以上0.15%以下、O:0.010%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる鋼片(鋼スラブ)を鋳造する。鋼片は、例えば、通常の連続鋳造法、インゴット法、および薄スラブ鋳造法などの公知の鋳造法で鋳造することができる。なお、連続鋳造の場合には、鋼スラブを一度低温(例えば、室温)まで冷却した後、再加熱してから熱間圧延してもよく、鋳造された直後の鋼スラブ(鋳造スラブ)を連続的に熱間圧延してもよい。
[熱間圧延工程]
熱間圧延工程では、鋳造工程で鋳造した鋼スラブを1050℃〜1400℃に加熱した後、鋼スラブに対して熱間圧延を実施する。熱間圧延工程では、例えば、1.6mm〜3.5mmの厚さを有する熱延鋼板が得られるように熱間圧延を実施すればよい。なお、熱間圧延工程は、鋼板の温度が700℃〜1000℃の範囲にあるうちに終了する。
[熱延板焼鈍工程]
熱間圧延工程後、必要に応じて、熱延鋼板に対して熱延板焼鈍を行う。連続焼鈍の場合、熱延鋼板に対して、例えば、750℃〜1200℃で、10秒〜10分の均熱による焼鈍が実施される。また、箱焼鈍の場合、熱延鋼板に対して、例えば、650℃〜950℃で、30分〜24時間の均熱による焼鈍が実施される。
[冷間圧延工程]
冷間圧延工程では、熱間圧延工程後の鋼板、または熱延板焼鈍工程後の鋼板に対して、冷間圧延を実施する。冷間圧延工程では、0.1mm〜0.4mmの厚さを有する冷延鋼板が得られるように冷間圧延を実施すればよい。なお、冷間圧延工程を、中間焼鈍を挟んだ2回以上の冷間圧延で行う場合、中間焼鈍前の冷間圧延では、圧下率を40%〜70%とし、中間焼鈍後の冷間圧延では、圧下率を40%〜90%とすればよい。また、中間焼鈍は、上述の熱延板焼鈍と同様の均熱条件で焼鈍すればよい。
[一次再結晶焼鈍工程]
一次再結晶焼鈍工程では、冷間圧延工程後の冷延鋼板に対して、一次再結晶焼鈍を実施する。本実施形態では、一次再結晶焼鈍工程の昇温過程を急速加熱とする。昇温過程の加熱を急速に行うことにより、加熱時間を短縮することができるため、昇温過程における鋼板表層部の酸化を抑制することができる。また、本実施形態では、更に、昇温および均熱をドライ雰囲気(すなわち、非脱炭雰囲気)で実施する。
具体的には、昇温過程では、平均昇温速度を100℃/秒以上2000℃/秒以下とし、雰囲気をHの割合が10体積%〜100体積%であるHおよびNの混合雰囲気(すなわち、H+N=100体積%)とし、雰囲気の露点を10℃以下とする。望ましくは、平均昇温速度は200℃/秒〜2000℃/秒とし、雰囲気の露点は0℃以下とする。なお、上記の平均昇温速度は、例えば、加熱に通電加熱または誘電加熱を用いることで実現することができる。
また、均熱過程では、均熱温度を800℃〜1000℃とし、均熱時間を5秒〜10分とし、雰囲気をHの割合が10体積%〜100体積%であるHおよびNの混合雰囲気(すなわち、H+N=100体積%)とし、雰囲気の露点を10℃以下とする。望ましくは、雰囲気の露点を0℃以下とする。
[焼鈍分離剤塗布工程]
焼鈍分離剤塗布工程では、一次再結晶焼鈍工程後の鋼板に対して、アルミナ(Al)を主成分として含有する焼鈍分離剤を塗布する。本実施形態では、マグネシア(MgO)を主成分として含有する焼鈍分離剤は、塗布時に水酸化することで、持ち込み酸素が多くなってしまうため、用いない。アルミナ系焼鈍分離剤を用いることによって、二次再結晶焼鈍時における鋼板表層部の過剰な酸化を抑制することができる。
[二次再結晶焼鈍工程]
二次再結晶焼鈍工程では、焼鈍分離剤塗布工程後の鋼板に対して、二次再結晶焼鈍を実施する。本実施形態では、昇温過程で雰囲気制御を行い、かつ均熱過程をドライ雰囲気で実施する。
具体的には、昇温過程では、雰囲気をNの割合が0体積%〜80体積%であるHおよびNの混合雰囲気(すなわち、H+N=100体積%)とし、500℃以上の温度域での雰囲気の露点を0℃以下とする。
また、均熱過程では、均熱温度を850℃〜1000℃とし、均熱時間を4時間〜100時間とし、雰囲気をNの割合が0体積%〜80体積%であるHおよびNの混合雰囲気(すなわち、H+N=100体積%)とし、雰囲気の露点を0℃以下とする。均熱過程での雰囲気は、Nの割合が0体積%〜50体積%であるHおよびNの混合雰囲気とすることが望ましく、100%Hとすることが更に望ましい。また、昇温過程および均熱過程の雰囲気の露点は、−10℃以下が望ましい。
なお、昇温過程では、2段階均熱する場合を除いて、ほぼ一定の昇温速度で850℃〜1000℃の均熱温度範囲まで鋼板を昇温すればよい。昇温速度は、800℃以上の温度域では、平均で10℃/時〜50℃/時であることが好ましい。これらの条件を満足する場合、電磁鋼板のL方向およびC方向の高周波鉄損を平均として好ましく向上させることができる。
[絶縁被膜形成工程]
絶縁被膜形成工程では、二次再結晶焼鈍工程後の鋼板の両面に絶縁被膜を形成する。例えば、アクリル等の樹脂とリン酸塩等の無機物とを混合した絶縁コーティング液、またはコロイダルシリカ及びリン酸塩を含有する絶縁コーティング液を鋼板の表面に塗布し、熱処理を実施することで、鋼板の表面に絶縁被膜を形成することができる。熱処理は、絶縁コーティング液が有機物を含有する場合、250℃〜400℃の温度範囲で実施すればよく、絶縁コーティング液が無機物のみを含有する場合、840℃〜920℃の温度範囲で実施すればよい。
以下に、実験例を示しながら、本発明の実施形態に係る電磁鋼板について、具体的に説明する。なお、以下に示す実験例は、本実施形態に係る電磁鋼板のあくまでも一例に過ぎず、本実施形態に係る電磁鋼板が、以下に示す実験例に限定されるものではない。
(実験例1)
以下の表1に示す組成を含有し、残部がFeおよび不純物である鋼スラブを、1200℃に加熱後、熱間圧延にて2.1mm厚に仕上げた。続いて、熱間圧延後の鋼板に対して、熱延板焼鈍を900℃で40秒行った後、冷間圧延で0.30mm厚とし、表2に示す種々の条件で15秒の一次再結晶焼鈍を行った。更に、一次再結晶焼鈍後の鋼板に対して、焼鈍分離剤を塗布し、最高温度940℃の二次再結晶焼鈍を行った後、鋼板の両面に絶縁被膜を形成した。
なお、一次再結晶焼鈍では、昇温過程での平均昇温速度を400℃/秒とし、昇温過程および均熱過程の雰囲気を20体積%H+80体積%Nとした。焼鈍分離剤は、アルミナ系焼鈍分離剤を用いた。
また、二次再結晶焼鈍工程では、800℃以上の温度域での昇温速度を15℃/時とし、ほぼ一定の昇温速度で940℃まで昇温した。昇温過程での雰囲気は、85体積%H+15体積%Nとし、500℃以上の温度域での露点を−10℃に制御した。均熱過程では、100体積%Hかつ露点−30℃の雰囲気で、940℃の均熱温度にて10時間均熱した。
Figure 0006623795
なお、表1において、「Tr.」とは、該当する元素を意図して添加していないことを表す。
また、製造された電磁鋼板から熱アルカリ溶液で絶縁被膜を除去し、製品板におけるO含有量を不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法にて分析した結果を表2に示す。O含有量が本発明の範囲に含まれる実施例1〜5、および比較例2、3に係る電磁鋼板では、絶縁被膜が十分な密着性を有していた。一方、O含有量が本発明の範囲の上限を外れた比較例1に係る電磁鋼板では、絶縁被膜の密着性が十分ではなかった。
その後、比較例1を除く、実施例1〜5、および比較例2、3に係る電磁鋼板を55mm角に打ち抜き、打ち抜いた鋼板に対して750℃で2時間の歪取り焼鈍を施した後、単板磁気測定機(Single Sheet Tester:SST)によりL方向およびC方向の磁気特性(磁束密度B50および鉄損W10/400)をそれぞれ評価した。
なお、従来の電磁鋼板との比較のため、JIS規格30P105級の市販の方向性電磁鋼板(参考例)の磁気特性も、あわせて評価した。得られた結果を、以下の表2に示す。
Figure 0006623795
表2に示すように、実施例1〜5では、ゴス方位に適度に集積した結晶組織が試料全面で均一に生じ、高周波(400Hz)鉄損W10/400がL方向およびLC平均の双方で優れていることがわかった。一方、sol.Alの含有量が本発明の上限を超えた比較例2、およびSnを含有しない比較例3では、ゴス方位の集積が不完全であるため、磁束密度B50が本発明の範囲を下回っており、かつL方向の高周波鉄損W10/400が劣っていることがわかった。
また、実施例1〜5に係る電磁鋼板は、参考例であるJIS規格の30P105級市販材と比較すると、L方向の高周波鉄損W10/400が同等以上であり、かつLC平均の高周波鉄損W10/400は大幅に優れていることがわかった。
(実験例2)
以下の表3に示す組成を含有し、残部がFeおよび不純物である鋼スラブを、1180℃に加熱後、熱間圧延にて2.3mm厚に仕上げた。続いて、熱間圧延後の鋼板に対して、熱延板焼鈍を850℃で30秒行った後、冷間圧延で0.35mm厚に仕上げた。次に、冷間圧延後の鋼板に対して、940℃で15秒の一次再結晶焼鈍を行い、更に焼鈍分離剤を塗布し、最高温度940℃の二次再結晶焼鈍を行った後、鋼板の両面に絶縁被膜を形成した。
また、電磁鋼板の板厚の効果を評価するために、冷間圧延で0.50mm厚に仕上げた以外は、上記と同様の工程および製造条件を用いて、比較例4に係る電磁鋼板を製造した。
なお、一次再結晶焼鈍では、昇温過程での平均昇温速度を200℃/秒とし、昇温過程および均熱過程の雰囲気を25体積%H+75体積%Nとし、露点は−40℃とした。焼鈍分離剤は、アルミナ系焼鈍分離剤を用いた。また、二次再結晶焼鈍工程では、800℃以上の温度域での昇温速度を10℃/時とし、ほぼ一定の昇温速度で940℃まで昇温した。昇温過程での雰囲気は、85体積%H+15体積%Nとし、500℃以上の温度域での露点を−10℃に制御した。均熱過程では、100体積%Hかつ露点−30℃の雰囲気で、940℃の均熱温度にて10時間均熱した。
Figure 0006623795
また、製造された電磁鋼板から熱アルカリ溶液で絶縁被膜を除去し、製品板におけるO含有量を不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法にて分析した結果を表4に示す。いずれの鋼板も、O含有量が本発明の範囲に含まれており、絶縁被膜は、十分な密着性を有していた。
その後、製造した電磁鋼板を55mm角に打ち抜き、打ち抜いた鋼板に対して750℃で2時間の歪取り焼鈍を施した後、単板磁気測定機(SST)によりL方向およびC方向の磁気特性(磁束密度B50および鉄損W10/400)をそれぞれ評価した。得られた結果を、以下の表4に示す。
Figure 0006623795
表4に示すように、実施例6および7では、本発明の範囲に含まれる組成および板厚を有するため、ゴス方位に適度に集積した結晶組織が試料全面で均一に生じ、高周波(400Hz)鉄損W10/400がL方向およびLC平均の双方で優れていることがわかった。一方、本発明の範囲に含まれる組成を有する電磁鋼板であっても、板厚が本発明の上限を外れた比較例4は、L方向およびC方向のいずれの高周波鉄損W10/400も著しく大きな値を示した。また、Mnの含有量が本発明の下限を下回る比較例5は、実施例6および7に対して、各方向の高周波鉄損W10/400が共に劣っていることがわかった。さらに、Mnの含有量が本発明の上限を上回る比較例6は、実施例6および7に対して、L方向のB50、および各方向の高周波鉄損W10/400が共に劣っていることがわかった。
(実験例3)
以下の表5に示す組成を含有し、残部がFeおよび不純物である鋼スラブを、1200℃に加熱後、熱間圧延にて1.8mm厚に仕上げた。続いて、熱間圧延後の鋼板に対して、熱延板焼鈍を950℃で30秒行った後、冷間圧延で0.20mm厚に仕上げた。次に、冷間圧延後の鋼板に対して、表6に示す種々の均熱温度で15秒の一次再結晶焼鈍を行った。更に、一次再結晶焼鈍後の鋼板に対して、焼鈍分離剤を塗布し、最高温度940℃の二次再結晶焼鈍を行った後、鋼板の両面に絶縁被膜を形成した。
なお、一次再結晶焼鈍では、昇温過程での平均昇温速度を1500℃/秒とし、昇温および均熱過程の雰囲気を20体積%H+80体積%Nとし、露点を−20℃とした。焼鈍分離剤は、アルミナ系焼鈍分離剤を用いた。また、二次再結晶焼鈍工程では、800℃以上の温度域での昇温速度を15℃/時とし、ほぼ一定の昇温速度で940℃まで昇温した。昇温過程での雰囲気は、85体積%H+15体積%Nとし、500℃以上の温度域での露点を−20℃に制御した。均熱過程では、100体積%Hかつ露点−30℃の雰囲気で、940℃の均熱温度にて10時間均熱した。
Figure 0006623795
また、製造された電磁鋼板から熱アルカリ溶液で絶縁被膜を除去し、製品板におけるO含有量を不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法にて分析した結果を表6に示す。いずれの鋼板も、O含有量が本発明の範囲に含まれており、絶縁被膜は、十分な密着性を有していた。
その後、製造した電磁鋼板を55mm角に打ち抜き、打ち抜いた電磁鋼板に対して750℃で2時間の歪取り焼鈍を施した後、単板磁気測定機(SST)によりL方向およびC方向の磁気特性(磁束密度B50および鉄損W10/400)をそれぞれ評価した。得られた結果を、以下の表6に示す。
Figure 0006623795
表6に示すように、実施例8および9では、ゴス方位に適度に集積した結晶組織が試料全面で均一に生じ、高周波(400Hz)鉄損W10/400がL方向およびLC平均の双方で優れていることがわかった。一方、本発明の範囲に含まれる組成を有する電磁鋼板であっても、磁束密度B50が本発明の下限を下回った比較例7は、実施例8および9に対して、各方向の高周波鉄損W10/400が共に大きな値を示すことがわかった。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.005%以下、
    Si:2.9%以上4.0%以下、
    Mn:2.0%以上4.0%以下、
    S:0.004%以下、
    sol.Al:0.0030%未満、
    Sn0.005%以上0.15%以下
    O:0.030%以下
    を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、
    板厚が0.40mm以下であり、
    圧延方向の磁束密度B50が1.74T以上である、電磁鋼板。
  2. 質量%で、
    N:0.0100%以下
    をさらに含有する、請求項1に記載の電磁鋼板。
  3. 請求項1または2に記載の電磁鋼板の製造方法であって、質量%で、C:0.005%以下、Si:2.9%以上4.0%以下、Mn:2.0%以上4.0%以下、S:0.004%以下、sol.Al:0.0050%未満、Sn:0.005%以上0.15%以下、O:0.010%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる鋼を鋳造し、前記鋼を熱間圧延した後、そのままで、または熱延板焼鈍した後、冷間圧延し、冷間圧延した鋼板を一次再結晶焼鈍、および二次再結晶焼鈍した後、絶縁被膜塗布を行う工程を有し、
    前記一次再結晶焼鈍では、平均昇温速度を100℃/秒以上2000℃/秒以下とし、かつ昇温過程および均熱過程での露点を10℃以下に制御し、
    前記二次再結晶焼鈍では、アルミナを含有する焼鈍分離剤を前記鋼板に塗布した後、露点が0℃以下の雰囲気で焼鈍を行う、電磁鋼板の製造方法。
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