JP4701669B2 - 無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4701669B2
JP4701669B2 JP2004293922A JP2004293922A JP4701669B2 JP 4701669 B2 JP4701669 B2 JP 4701669B2 JP 2004293922 A JP2004293922 A JP 2004293922A JP 2004293922 A JP2004293922 A JP 2004293922A JP 4701669 B2 JP4701669 B2 JP 4701669B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot
annealing
rolled
less
electrical steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004293922A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006104530A (ja
Inventor
善彦 尾田
雅昭 河野
智幸 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2004293922A priority Critical patent/JP4701669B2/ja
Priority to KR1020050071093A priority patent/KR100683471B1/ko
Priority to CN200510088542XA priority patent/CN1803389B/zh
Publication of JP2006104530A publication Critical patent/JP2006104530A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4701669B2 publication Critical patent/JP4701669B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)

Description

本発明は、モータやEIコアの鉄心材料等に使用して好適な無方向性電磁鋼板の有利な製造方法に関するものである。
近年、省エネルギーに対するニーズの高まりに伴い、モータの高効率化への要望も高まっている。モータの高効率化を達成するためには、コア材として使用される電磁鋼板の高性能化が不可欠であることから、これまで以上に磁束密度が高くかつ鉄損の低い電磁鋼板が強く求められている。
電磁鋼板の磁束密度を高めるためには、冷間圧延前の結晶粒を粗大化させることが効果的であることから、熱延鋼板にスキンパスを付与して焼鈍を行う技術(例えば特許文献1)や、熱間圧延後に高温巻取りを行い、鋼帯の保有する熱で自己焼鈍を行う技術(例えば特許文献2)が提案されている。
また、冷間圧延前に二次再結晶を生じさせて結晶粒を粗大にすることにより、磁気特性を向上させる技術(例えば特許文献3)も提案されている。
特公昭45−22211号公報 特公昭57−43132号公報 特開平3−211258号公報
しかしながら、近年では、前述したようなモータ高効率化に対する強い要望から、さらに磁束密度の高い材料が求められている。
本発明は、上記の実状に鑑み開発されたもので、従来に比し磁束密度が高くかつ鉄損が低い、磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板の有利な製造方法を提供することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に述べる知見を得た。
(a) 従来、磁気特性の観点からは、鋼中のC量は少ない方が良いとされていたが、発明者らの研究によれば、むしろ鋼中C量を多めにして、熱延板焼鈍時フェライト中にセメンタイトが微細に分散した組織とすることが、磁気特性の改善には有利である。
(b) また、鋼中のP,SおよびSeを適正な範囲に規制すると、安定した脱炭焼鈍が可能となり、鉄損の時効劣化が効果的に抑制される。
(c) さらに、温間圧延と組み合わせると、磁束密度がより一層向上する。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
(1)質量%で、
C:0.01〜0.2%、
Si:2.5%以下、
Mn:0.05〜3.0%、
Al:1%以下および
N:0.005%以下
を含み、かつP,SおよびSeを、次式、
P+100×S+300×Se≦0.5
を満たす範囲に抑制し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼材を、熱間圧延し、熱延板焼鈍後、最終板厚まで圧延し、ついで脱炭焼鈍および仕上焼鈍を施す一連の工程によって無方向性電磁鋼板を製造するに際し、熱延板焼鈍をAc3点以上の温度域で行うことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
(2)質量%で、
C:0.01〜0.2%、
Si:2.5%以下、
Mn:0.05〜3.0%、
Al:1%以下および
N:0.005%以下
を含み、かつP,SおよびSeを、次式、
P+100×S+300×Se≦0.5
を満たす範囲に抑制し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼材を、熱間圧延し、熱延板焼鈍後、最終板厚まで圧延し、ついで脱炭焼鈍および仕上焼鈍を施す一連の工程によって無方向性電磁鋼板を製造するに際し、熱延板焼鈍をAc3点以上の温度域で行い、引き続き70〜400℃の温度域にて温間圧延を行うことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
(3)上記(1)または(2)において、脱炭焼鈍を、露点:10〜40℃、焼鈍温度:700〜900℃、焼鈍時間:30〜3600sの条件下で行うことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、磁束密度が高くかつ鉄損が低い無方向性電磁鋼板を得ることができ、従って、本発明の電磁鋼板を使用すれば、例えば高効率誘導モータやEIコアの高効率化に大きく貢献する。
以下、本発明を由来するに至った実験結果について説明する。なお、成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%を意味するものとする。
まず、磁束密度に及ぼす熱延板焼鈍条件の影響を調査するため、C:0.02%、Si:0.35%、Mn:0.05%、Al:tr、N:0.002%、P:0.05%、S:0.0020%およびSe:trを含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼を、真空溶解し、熱延後、800〜1150℃,30sの熱延板焼鈍を行ったのち、板厚:0.5mmまで冷間圧延(25℃)した。引き続き 20vol%H2−80vol%N2、露点:35℃の雰囲気中にて800℃,60sの脱炭焼鈍を行い、さらに 25vol%H2−75vol%N2雰囲気中にて850℃,10sの仕上焼鈍を行った。
図1に、熱延板焼鈍温度と磁束密度との関係について調べた結果を示す。
同図より、熱延板焼鈍温度が1000℃以上の場合に、磁束密度が大きく向上することが分かる。
この原因を調査するため、熱延板焼鈍後における鋼板の組織観察を行った。
その結果、1000℃以上の温度で熱延板焼鈍を行った材料では、旧オーステナイト粒界が認められ、さらにフェライト中にセメンタイトが微細に分散した組織となっていた。
このような組織観察の結果より、1000℃以上の熱延板焼鈍段階では、組織はオーステナイトになっていたものと考えられる。
そこで、本材料のAc3変態点を、フォーマスター試験機を用い、30℃/sの昇温中の熱膨張率を測定することにより調査した。その結果、本材料のAc3点は1000℃であることが判明した。
このことから、上記組織は、熱延板焼鈍をAc3点以上で行ったことにより、熱延板焼鈍時に一旦オーステナイト域となり、冷却時のγ→α変態に伴うCの溶解度量の低下により微細なセメンタイトが析出したものと考えられる。
上記のような条件で、Cを比較的多量に含有する素材を熱延板焼鈍することにより、磁束密度が向上した理由は、明確に解明されたわけではないが、セメンタイトの第二相が存在することにより、セメンタイト周りからの再結晶が生じ、これにより、磁束密度に好ましい集合組織が形成されたものと考えられる。
なお、かようなセメンタイトは、その後の脱炭焼鈍により、一旦鋼中に固溶された後、鋼中から除去される。
次に、発明者らは、適正なC量を調査するために、C:0.002〜0.2%、Si:0.35%、Mn:0.2%、Al:tr、N:0.002%、P:0.05%、S:0.0020%およびSe:trを含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼を、真空溶解し、熱延後、1150℃,30sの熱延板焼鈍を行ったのち、冷間圧延(25℃)と温間圧延(150℃)により、それぞれ板厚:0.5mmまで圧延した。引き続き、C量に応じて、20vol%H2−80vol%N2、露点:35℃の雰囲気中にて800℃,60〜1200sの脱炭焼鈍を行い、さらに25vol%H2−75vol%N2雰囲気中にて850℃,10sの仕上焼鈍を行った。
図2に、磁束密度に及ぼす熱延板のC量と熱延板焼鈍後の圧延温度(以下、最終圧延温度という)の影響について調べた結果を示す。
まず最初に、熱延板のC量に着目すると、C量が0.01%以上で磁束密度が向上することが分かる。この理由は、C量が0.01%未満では、Ac3変態点以上で熱延板焼鈍を行っても集合組織に影響を及ぼすほどのセメンタイトが析出しないためと考えられる。
次に、最終圧延温度に着目すると、温間圧延を行うことにより、一層磁束密度が向上することが分かる。
そこで、次に発明者らは、磁束密度に及ぼす最終圧延温度の影響について調査するため、C:0.02%、Si:0.35%、Mn:0.18%、Al:tr、N:0.0018%、P:0.05%、S:0.0020%およびSe:trを含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼を、真空溶解し、熱延後、1150℃,30sの熱延板焼鈍を行ったのち、板厚:0.5mmまで圧延温度:20〜400℃にて圧延を行った。引き続き、20vol%H2−80vol%N2、露点:35℃の雰囲気中にて800℃,60sの脱炭焼鈍を行い、さらに25vol%H2−75vol%N2雰囲気中にて850℃,10sの仕上焼鈍を行った。
図3に、最終圧延温度と磁束密度との関係について調べた結果を示す。
同図に示したとおり、圧延温度を70℃以上とすることによって磁束密度が大幅に向上することが分かる。
このように、最終圧延を温間圧延とすることによって磁束密度が向上した理由は、圧延時の動的歪時効により磁気特性に好ましい集合組織が発達したためと考えられる。
ところで、Elコアやモータ等は10年以上の長期にわたって使用されるため、磁気特性が経時変化しないことが必要となる。電磁鋼板の経時変化として、鋼中Cが長期間の使用中にセメンタイトとして析出することにより、磁壁移動が阻害されて鉄損が増大する磁気時効がある。これの評価としては、一般に150℃, 100h程度の時効処理を行い、時効処理後の鉄損を測定して判断する。
そこで次に、鋼板の経時変化を調査するため、C:0.03%、Si:0.33%、Mn:0.2 %、Al:tr、N=0.002%、P:0.11%、Se:trおよびS:0.003%とした鋼種AとS:0.005%とした鋼種Bの2種類の鋼を、真空溶解し、熱延後、1150℃,30sの熱延板焼鈍を行った後、板厚:0.5mmまで150℃にて温間圧延を行った。引き続き、20vol%H2−80vol%N2、露点:35℃の雰囲気中にて800℃,60sの脱炭焼鈍を行い、さらに25vol%H2−75vol%N2雰囲気中にて850℃,10sの仕上焼鈍を行った。
その後、得られた鋼板それぞれに、150℃, 100hの時効処理を行ったのち、鉄損を測定した。なお、いずれの鋼板も、時効処理前の鉄損W15/50は 4.4 W/kgであった。
その結果、鋼種Aの鉄損W15/50は 4.5 W/kgであったのに対し、鋼種Bの鉄損W15/50は 5.4 W/kgに劣化していた。
これより、鋼種Bでは時効処理により鉄損が著しく増大していることが分かる。
この原因を調査するため材料組織を調査したところ、鋼種Bでは微細なセメンタイトが観察され、このセメンタイトの析出が磁気特性を劣化させている原因であること、そしてセメンタイトは時効処理中に析出していることが明らかとなった。
また、製品板の成分分析の結果、鋼種Bでは鋼中C量が0.007%であり、充分に脱炭で きていないことも判明した。
このようにSの高い鋼で脱炭不良となった原因は、次のように考えられる。
すなわち、Sは偏析し易い元素であることから、熱延板焼鈍時に析出したセメンタイトの周りにSが偏析し、脱炭焼鈍時におけるセメンタイトの固溶を遅延させると共に、表面偏析したSが鋼板表面への酸素の吸着を抑制し、鋼中Cの酸化反応が進まなかったため、脱炭が充分に進まなかったものと考えられる。
なお、このような状態でも、その後の高温仕上焼鈍によって残存するセメンタイトは鋼中に固溶するため、仕上焼鈍直後は脱炭不良による悪影響は発現しない。しかしながら、長期間使用を続けると、固溶していたCが鋼中にセメンタイトとして析出してくるため、磁気特性は劣化する。
このことから、S以外のP,Seといった偏析型元素も脱炭反応を阻害することが懸念される。
そこで次に、発明者らは、S,P,Se量と時効処理後の鉄損との関係について調査を行うため、C:0.03%、Si:0.32%、Mn:0.18%、Al:tr、N:0.002%とし、S,P,Seを種々変化させた鋼を、真空溶解し、熱延後、1150℃, 30sの熱延板焼鈍を行ったのち、板厚:0.5mmまで150℃にて温間圧延を行った。引き続き、20vol%H2−80vol%N2、露点:35℃の雰囲気中にて800℃,60sの脱炭焼鈍を行い、さらに25vol%H2−75vol%N2雰囲気中にて850℃,10sの仕上焼鈍を行い、その後さらに 150℃, 100hの時効処理を施したのち、鉄損を測定した。
図4に、S,P,Se量と鉄損との関係について調べた結果を、(P+100×S+300×Se)をパラメータとして示す。
同図に示したとおり、パラメータ(P+100×S+300×Se)が0.5以下の場合に、鉄損が低下していることが分かる。
この理由は、これらの元素を低減することにより、脱炭焼鈍時にセメンタイトの鋼中への固溶が容易となり、脱炭が進行するためと考えられる。
次に、本発明における鋼の好適成分組成範囲について説明する。
C:0.01〜0.2%
本発明では、熱延板焼鈍時に、フェライト中にセメンタイトを微細に分散させ、磁束密度に好適な集合組織を形成させるために、少なくとも0.01%のCを必要とする。好ましくは0.15%以上である。しかしながら、C量が0.2%超になると脱炭に長時間を要し、いたずらにコストアップを招くため、C量の上限は0.2%とした。
Si:2.5%以下
Siは、鋼板の固有抵抗を上げるために有効な元素であるが、2.5%を超えるとAc3点超えの焼鈍が困難となるだけでなく、熱延板の変形抵抗が上昇して冷間圧延が難しくなる。このためSi量の上限は2.5%とした。
Mn:0.05〜3.0%
Mnは、熱間圧延時の赤熱脆性を防止するために0.05%以上の含有を必要とするが、3.0%超になると磁束密度を低下させるので、0.05〜3.0%とした。
Al:1%以下
Alは、Siと同様、固有抵抗を上げるために有効な元素であるが、1%を超えるとAc3点が高くなり、熱延板焼鈍においてオーステナイト域で焼鈍することが困難となるため、上限を1%とした。なお、このAlは、必要に応じて省略することもできる。
N:0.005%以下
Nは、0.005%超になると窒化物量が多くなり、鉄損が増大するため、0.005%以下とした。
(P+100×S+300×Se)≦ 0.5
前掲図4に示したとおり、鋼中のS,P,Se量が、パラメータ(P+100×S+300×Se)で0.5を超えると、脱炭が安定して進行せず、その結果、十分に低い鉄損を得ることが困難になるので、S,P,Se量は、パラメータ(P+100×S+300×Se)で0.5以下に限定した。
以上、基本成分について説明したが、本発明では、その他にも磁気特性向上の観点からSb,Sn,Ni,Cr,CoおよびCu等を適宜添加することができる。
これら元素の好ましい添加範囲は次のとおりである。
Sb:0.005〜0.05%
Sn:0.005〜0.1%
Ni:0.1〜5%
Cr:0.5〜5%
Co:0.1〜10%
Cu:0.01〜1%
次に、本発明に従う無方向性電磁鋼板の製造方法について説明する。
本発明の無方向性電磁鋼板は、成分および熱延板焼鈍条件、さらには温間圧延条件が所定の範囲内であれば、他の製造工程は特に限定されず、通常の方法で構わない。
すなわち、本発明の鋼板を得るには、転炉で吹練した溶鋼を脱ガス処理し所定の成分に調整し、引き続き鋳造、熱間圧延を行う。この時、熱間圧延時の仕上焼鈍温度、巻取り温度は特に規定する必要はなく、通常でかまわない。
ついで、熱間圧延後、熱延板焼鈍を行う。この熱延板焼鈍温度は成分により決まるAc3変態点以上の温度とする。
というのは、熱延板焼鈍温度が、Ac3変態点未満では、前掲図1に示したように、良好な磁束密度の改善が望めないからである。なお、熱延板焼鈍温度の上限は特に限定されるものではないが、あまりに高温の焼鈍はいたずらにコストアップの原因となるため、1250℃以下程度とするのが好ましい。
また、熱延板焼鈍時間も特に限定されることはないが、10s以上の焼鈍により安定した冷間(温間)圧延前組織とすることができる。
引き続き、冷間もしくは温間にて最終板厚まで圧延を行うが、特に70〜400℃の温間で圧延することにより、より一層磁束密度を向上させることができる。
すなわち、前掲図3に示したように、圧延温度が70℃以上になると、磁束密度が大幅に改善される。そこで、温間圧延時における温度の下限は70℃とした。より好ましくは100℃以上である。なお、温間圧延温度が400℃を超えても磁束密度の向上効果はあるが、いたずらにコストアップを招くため、温間圧延時における温度の上限は400℃とした。
その後、鋼中C量に応じた脱炭焼鈍を施したのち、所定の磁気特性を得るための仕上焼鈍を行って製品とする。ここで、脱炭焼鈍の好適条件は、焼鈍温度:700〜900℃、焼鈍時間:30〜3600s、露点:10〜40℃である。
というのは、脱炭焼鈍温度が700℃未満では脱炭が不十分となり、一方900℃を超えると内部酸化が進み、鉄損増大の原因となるからである。
また、脱炭焼鈍時間が30sに満たないと脱炭が不十分となり、一方3600sを超えるといたずらにコストアップを招くからである。
さらに、露点が10℃未満では脱炭が不十分となり、一方40℃を超えると内部酸化が進んで、鉄損が増大するからである。
表1に示す成分組成になる鋼を、転炉吹練および脱ガス処理により溶製し、連続鋳造後、得られたスラブを1200℃で1h加熱したのち、板厚:2.6mmまで熱間圧延した。熱延仕上げ温度は830℃、巻取り温度は610℃とした。
ついで、表2に示す条件で熱延板焼鈍後、板厚:0.5mmまでの冷間(25℃)または温間(50〜350℃)で圧延したのち、同じく表2に示す条件で脱炭焼鈍および仕上焼鈍を行って、無方向性電磁鋼板とした。
かくして得られた電磁鋼板について、磁気特性を行った。なお、磁気測定は、25cmエプスタイン試験片を用いて行った。
また、磁気測定後、150℃,100hの時効処理を行ったのち、再度磁気測定を行った。
得られた測定結果を表2に併記する。
なお、表中のAc3点は、フォーマスター試験機にて30℃/sでサンプルを加熱した際の熱膨張率を測定することにより求めた。
Figure 0004701669
Figure 0004701669
表2から明らかなように、鋼成分および熱延板焼鈍条件を本発明の適正範囲に制御した発明例はいずれも、高い磁束密度と低い鉄損が併せて得られており、特に最終圧延として温間圧延を利用した場合には一層優れた磁気特性を得ることができた。
これに対し、鋼成分および熱延板焼鈍条件の一方または両方が、本発明の適正範囲から逸脱した比較例はいずれも、少なくとも磁束密度か鉄損のいずれかが十分でなく、発明例に比べると劣った磁気特性しか得られなかった。
熱延板焼鈍温度と磁束密度との関係を示す図である。 鋼中C量と磁束密度との関係を示す図である。 最終圧延温度と磁束密度との関係を示す図である。 S,P,Se量と時効処理後の鉄損との関係を、(P+100×S+300×Se)をパラメータとして示す図である。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.01〜0.2%、
    Si:2.5%以下、
    Mn:0.05〜3.0%、
    Al:1%以下および
    N:0.005%以下
    を含み、かつP,SおよびSeを、次式、
    P+100×S+300×Se≦0.5
    を満たす範囲に抑制し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼材を、熱間圧延し、熱延板焼鈍後、最終板厚まで圧延し、ついで脱炭焼鈍および仕上焼鈍を施す一連の工程によって無方向性電磁鋼板を製造するに際し、熱延板焼鈍をAc3点以上の温度域で行うことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 質量%で、
    C:0.01〜0.2%、
    Si:2.5%以下、
    Mn:0.05〜3.0%、
    Al:1%以下および
    N:0.005%以下
    を含み、かつP,SおよびSeを、次式、
    P+100×S+300×Se≦0.5
    を満たす範囲に抑制し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼材を、熱間圧延し、熱延板焼鈍後、最終板厚まで圧延し、ついで脱炭焼鈍および仕上焼鈍を施す一連の工程によって無方向性電磁鋼板を製造するに際し、熱延板焼鈍をAc3点以上の温度域で行い、引き続き70〜400℃の温度域にて温間圧延を行うことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 請求項1または2において、脱炭焼鈍を、露点:10〜40℃、焼鈍温度:700〜900℃、焼鈍時間:30〜3600sの条件下で行うことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
JP2004293922A 2004-08-04 2004-10-06 無方向性電磁鋼板の製造方法 Expired - Fee Related JP4701669B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004293922A JP4701669B2 (ja) 2004-10-06 2004-10-06 無方向性電磁鋼板の製造方法
KR1020050071093A KR100683471B1 (ko) 2004-08-04 2005-08-03 무방향성 전자 강판의 제조방법, 및 무방향성 전자강판용의 소재 열연 강판
CN200510088542XA CN1803389B (zh) 2004-08-04 2005-08-04 无方向性电磁钢板的制造方法和原料热轧钢板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004293922A JP4701669B2 (ja) 2004-10-06 2004-10-06 無方向性電磁鋼板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006104530A JP2006104530A (ja) 2006-04-20
JP4701669B2 true JP4701669B2 (ja) 2011-06-15

Family

ID=36374602

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004293922A Expired - Fee Related JP4701669B2 (ja) 2004-08-04 2004-10-06 無方向性電磁鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4701669B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6270305B2 (ja) * 2012-03-15 2018-01-31 Jfeスチール株式会社 モータコアの製造方法
JP6057082B2 (ja) 2013-03-13 2017-01-11 Jfeスチール株式会社 磁気特性に優れる無方向性電磁鋼板
JP5995002B2 (ja) 2013-08-20 2016-09-21 Jfeスチール株式会社 高磁束密度無方向性電磁鋼板およびモータ
JP5790953B2 (ja) 2013-08-20 2015-10-07 Jfeスチール株式会社 無方向性電磁鋼板とその熱延鋼板
JP2015131993A (ja) * 2014-01-14 2015-07-23 Jfeスチール株式会社 磁気特性に優れる無方向性電磁鋼板

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58157917A (ja) * 1982-03-15 1983-09-20 Kawasaki Steel Corp 磁気特性の優れた一方向性珪素鋼板の製造方法
JP2001158950A (ja) * 1999-12-03 2001-06-12 Kawasaki Steel Corp 小型電気機器用電磁鋼板およびその製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58157917A (ja) * 1982-03-15 1983-09-20 Kawasaki Steel Corp 磁気特性の優れた一方向性珪素鋼板の製造方法
JP2001158950A (ja) * 1999-12-03 2001-06-12 Kawasaki Steel Corp 小型電気機器用電磁鋼板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006104530A (ja) 2006-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5892327B2 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2017222898A (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
KR20130032913A (ko) 무방향성 전기 강판의 제조 방법
JP2009235574A (ja) 著しく磁束密度が高い方向性電磁鋼板の製造方法
JP2014173099A (ja) 無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP7507157B2 (ja) 方向性電磁鋼板およびその製造方法
WO1986007390A1 (en) Process for producing silicon steel sheet having soft magnetic characteristics
JP5853983B2 (ja) 無方向性電磁鋼板用熱延鋼板の製造方法および無方向性電磁鋼板の製造方法
JP4715496B2 (ja) 耐ひずみ時効性に優れ、面内異方性の小さい冷延鋼板の製造方法
JPH11310857A (ja) 無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP4701669B2 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP5287615B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2009203520A (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2019116680A (ja) 方向性電磁鋼板用スラブ、方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP7245325B2 (ja) 無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP6950748B2 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP6146582B2 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2007177282A (ja) 高磁束密度を有する無方向性電磁鋼板の製造方法
JPH055126A (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP4613611B2 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
KR100370547B1 (ko) 투자율이 우수한 무방향성 전자강판 및 그 제조방법
JP4013262B2 (ja) 無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP7081725B1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JPS60190521A (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
WO2024095665A1 (ja) 無方向性電磁鋼板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060606

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070727

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090803

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100921

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4701669

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees