JP6270136B2 - アクティブノイズ制御装置およびアクティブノイズ制御方法 - Google Patents

アクティブノイズ制御装置およびアクティブノイズ制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、制御音を出力して制御対象領域内の騒音を低減するアクティブノイズ制御装置およびアクティブノイズ制御方法に関する。
従来、騒音と逆位相の制御音を制御対象領域に出力して騒音を低減するアクティブノイズ制御技術(ANC技術)が知られている。
例えば、特許文献1には、このようなANC技術に係るLMS(Least Mean Square)アルゴリズムを備えたアクティブノイズ制御装置(以下、ANC装置と略称する)が開示されている。
図6は、従来のLMSアルゴリズムを備えたANC装置の概要構成を示すブロック図である。同図に示すように、このANC装置は、騒音源102の側に設置されるマイク102aと、制御対象領域103側に設置されるマイク103aとを備えている。また、ANC装置は、上記のマイク102aとマイク103aとの間に、DSP(Digital Signal Processor)101、増幅器105およびスピーカ106を備えている。
DSP101は、マイク102aで検出した参照信号xを用いてADF(適応デジタルフィルタ)107でフィルタ係数Wiを変えてフィルタリング処理し、制御信号yを生成する。このとき、ADF107のフィルタ係数Wiは、LMSアルゴリズム108を用いて自動的に最適化される。LMSアルゴリズム108には、制御対象領域103側に設置されているマイク103aによって検出される誤差信号eがA/D(アナログ/デジタル)変換されて入力される。そして、DSP101は、収束係数μを用いたLMSアルゴリズム108を用いて誤差信号eが小さくなるように最適化してADF107のフィルタ係数Wiを更新する。
DSP101のADF107でフィルタリング処理され、出力された制御信号yは、D/A(デジタル/アナログ)変換され、アナログ波形信号となって増幅器105で増幅される。スピーカ106は、増幅されたアナログ波形信号を受けて制御音zを構成し、制御対象領域103に出力する。この制御音zは、騒音源102から制御対象領域103に伝達される制御対象音dと干渉することにより、結果的に騒音低減が行われる。
このように、ANC技術は、制御対象音dに対して、スピーカ106から同振幅・逆位相の制御音zを出力し、制御対象領域103での騒音を低減させている。
特開平7−225585号公報(1995年8月22日公開)
しかしながら、上記従来のANC装置では、参照信号を取り込むためのマイク102aを騒音源102側に設置する必要がある。このため、装置全体のコンパクト化およびセンサ設置が不可能な高温多湿箇所の制御が困難であるという問題点がある。例えば、上記従来のANC装置では、騒音源102の近傍にマイク102aを配置し、マイク102aから配線を敷いて制御対象領域まで持ってくる必要があるなど、装置全体のコンパクト化が困難である。また、エンジン吸気口付近を制御しようとする場合、環境が高温多湿のため、マイク102a(センサ)を設置できない場合がある。
次に、従来のANC装置では、制御対象音に対して全周波数範囲で低減させる制御を行なっている。このため、全帯域に対して収束係数を1つに設定しなければならず、制御対象音に対して騒音低減効果を発揮する周波数が周波数領域で最も大きいピーク値に影響され限定的であり、騒音低減効果が限定的になっていた。
本発明は、以上の問題点に鑑みて為されたものであって、その目的は、装置全体のコンパクト化を図り、かつ騒音低減効果を向上させることができるアクティブノイズ制御装置などを提供することにある。
本発明の一態様に係るアクティブノイズ制御装置は、上記の課題を解決するために、騒音が伝達される対象領域に設置され、音を検出信号として検出するセンサが検出した検出信号と複数の正弦波信号との内積を演算し、算出された内積値が最も大きい正弦波信号を選択し、選択した正弦波信号の周波数を、上記騒音の基本周波数と推定し、推定した基本周波数から次数成分の周波数を有する正弦波信号を生成する信号解析部と、上記信号解析部が生成した上記正弦波信号の次数成分毎に個別に設定される収束係数を用い、上記正弦波信号の次数成分毎に個別に設定されるフィルタ係数を、上記検出信号が最小となるように最適化して、上記次数成分毎の正弦波信号と上記フィルタ係数との畳み込み和である制御信号を生成し、生成した上記制御信号を、該制御信号を受けて制御音を構成し上記対象領域に出力するアクチュエータに対して出力する適応制御最適化部と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の一態様に係るアクティブノイズ制御方法は、上記の課題を解決するために、騒音が伝達される対象領域に設置され、音を検出信号として検出するセンサが検出した検出信号と複数の正弦波信号との内積を演算し、算出された内積値が最も大きい正弦波信号を選択し、選択した正弦波信号の周波数を、上記騒音の基本周波数と推定し、推定した基本周波数から次数成分の周波数を有する正弦波信号を生成する信号解析ステップと、上記信号解析ステップで生成した上記正弦波信号の次数成分毎に個別に設定される収束係数を用い、上記正弦波信号の次数成分毎に個別に設定されるフィルタ係数を、上記検出信号が最小となるように最適化して、上記次数成分毎の正弦波信号と上記フィルタ係数との畳み込み和である制御信号を生成する適応制御最適化ステップと、上記適応制御最適化ステップで生成された制御信号を受けて制御音を構成し、上記対象領域にアクチュエータを用いて出力する対象音制御ステップと、を含むことを特徴としている。
上記構成または方法によれば、信号解析部または信号解析ステップでは、対象領域に設置されるセンサが検出した検出信号を用いて、内積演算により騒音の基本周波数を推定する。従って、騒音の基本周波数を推定するための参照信号を取り込むためのセンサを別途騒音源側に設置する必要がなくなる。このため、上記構成または方法によれば、対象領域にセンサとアクチュエータ(例えば、スピーカ)とを設置するだけで良くなるため、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
また、上記構成または方法によれば、適応制御最適化部または適応制御最適化ステップでは、正弦波信号の次数成分毎に個別に設定される収束係数を用い、正弦波信号の次数成分毎に個別に設定されるフィルタ係数を、誤差信号としての検出信号が最小となるように最適化して、次数成分毎の正弦波信号とフィルタ係数との畳み込み和である制御信号を生成する。これにより、全帯域に対して収束係数を1つに設定する必要があった従来のアクティブノイズ制御装置と比較して、騒音低減効果を向上させることができる。
以上により、本発明のアクティブノイズ制御装置またはアクティブノイズ制御方法によれば、装置全体のコンパクト化を図り、かつ騒音低減効果を向上させることができる。
また、本発明の一態様に係るアクティブノイズ制御装置は、上記信号解析部は、或る定常周波数の近傍において予め定めた範囲内で正弦波信号の周波数を変化させて、上記複数の正弦波信号を生成し、上記検出信号との内積を演算する構成である。
上記構成によれば、信号解析部は、定常周波数の近傍において予め定めた範囲内に、正弦波信号の周波数を変化させる範囲を限定して内積演算を行う。この内積演算により、信号解析部は、基本周波数を推定する。このため、騒音の基本周波数が定常周波数から多少ぶれたとしても、予め定めた範囲内であれば、その都度、内積演算により改めてぶれた後の基本周波数を推定することができる。よって、アクティブノイズ制御を動力源の回転数の変動に追従させることが可能になる。
また、本発明の一態様に係るアクティブノイズ制御装置は、上記信号解析部は、正弦波信号の位相を予め定めた範囲内で変化させて、上記複数の正弦波信号を生成し、上記検出信号との内積を演算する構成である。
上記構成によれば、生成する正弦波信号と、検出信号との間に存在する位相の遅れを推定することが可能になる。これにより、より効果的に騒音低減効果を向上させることができる。
また、本発明の一態様に係るアクティブノイズ制御装置は、上記信号解析部は、上記検出信号と上記複数の正弦波信号との内積を演算する内積演算部と、上記複数の正弦波信号の中から、上記内積演算部が算出した内積値が最も大きい正弦波信号を選択する選択部と、上記選択部が選択した正弦波信号を上記騒音の基本周波数と推定し、推定した基本周波数から次数成分の周波数を有する正弦波信号を生成する信号生成部と、を備えている構成である。
上記構成によれば、検出信号を用いて各次数成分の周波数を有する正弦波信号を生成することが可能になる。
本発明の一態様によれば、装置全体のコンパクト化を図り、かつ騒音低減効果を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の実施の一形態に係るアクティブノイズ制御装置の構成を示すブロック図である。 騒音の調波構造および内積演算の概念について説明するための図であり、(a)は、騒音の調波構造の概念を説明するための説明図であり、(b)は、内積演算の概念を説明するための説明図である。 内積の大きさの概念を説明するための説明図である。 上記アクティブノイズ制御装置に関し、ANC制御による騒音低減効果を示すグラフである。 上記アクティブノイズ制御装置に関し、ANC制御による騒音低減効果を示すグラフである。 従来のLMSアルゴリズムを備えたアクティブノイズ制御装置の概要構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態について図1〜図5に基づいて説明すれば以下のとおりである。以下の特定の項目で説明する構成以外の構成については、必要に応じて説明を省略する場合があるが、他の項目で説明されている場合は、その構成と同じである。また、説明の便宜上、各項目に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
〔本発明の着眼点について〕
一般に、プロペラや車輪を回すための動力源の騒音の構造は、ある基本周期(または基本周波数)とその整数倍(次数成分)の構造(調波構造)を有している。図2の(a)は、騒音の調波構造の概念を説明するための説明図である。同図に示す各グラフの縦軸は、音場のパワースペクトルの概要を示し、横軸は周波数fを示す。同図に示す調波構造は、例えば、騒音信号をフーリエ変換することによって得られる。また、同図に示すΔは、基本周波数(1次成分周波数)を示し、Δ×2,Δ×3,Δ×4,…,Δ×13,Δ×19,…などは、それぞれ、2次成分周波数,3次成分周波数,4次成分周波数、…,13次成分周波数,19次成分周波数,…を示している。
各次数成分の周波数の音のみを低減させるためには、各次数成分の周波数を有する正弦波信号を生成し、生成した次数成分の周波数毎に個別の収束係数を用いて最適化を行い、制御信号(擬似騒音信号)を生成することが考えられる。この場合、図2の(a)に示すように、基本周波数を有する基本波のピーク信号を見つけることができれば良い。
例えば、車の場合は、エンジンの回転パルスを解析することで、基本周波数の正弦波信号を抽出することが可能である。このため、車の場合は、例えば、動力源であるエンジンの近傍にセンサを設けて、このセンサで検出した参照信号から基本周波数の正弦波信号を抽出することができる。また、回転パルスから直接基本周波数を抽出することも可能である。しかしながら、船舶の場合は、動力源の近傍にセンサを設けた例はこれまでなく、それを船舶の生涯に渡って運用することが非常に難しいため、動力源の回転パルスを取得することは困難である。例えば、エンジンシャフト付近にレーザータコプローブを設置し回転パルス信号を得ることも考えられるが、船舶の実運用を想定した場合、実現性に無理がある。例えば、実際にエンジンシャフトにレーザータコプローブをシステムに組み込むことは考えにくい。また、エンジン回転信号を新たに供給する仕組みも困難である。
また、船舶の場合、機関室と居住室とは離れてはいるものの、隔壁を介してつながっているため、機関室からの機関音が伝わってきてこれが居住室に居る乗組員に騒音となって聞こえる。この居住室における騒音は、機関室音が個体伝播音として変化した音であるために機関室の騒音とは一致しない。それゆえ騒音対策は居住室において行なう必要がある。
以上のように、アクティブノイズ制御(以下、ANC制御という)を行う環境の中には、動力源などの騒音源側にセンサを設置することが困難な環境または好ましくない環境が存在する。
そこで、動力源の近傍に設置されるセンサで参照信号を検出するのをやめて、制御対象領域に設置されるセンサのみで基本周波数の推定を行うことができれば、上記のような環境下でも各次数成分の周波数の音の低減が可能になる。加えて、この場合、制御対象領域にセンサとマイクとを設置するだけで良くなるため、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
次に、船舶の場合は、動力源の回転数の変化が比較的少なく、その生涯の殆どの時間を定常回転運行で過ごす特性を持つため、その定常回転数(または基本周波数)は、ほぼ固定値になるか、たとえ変化したとしても定常回転数から大きくぶれることはない。しかしながら、定常回転数で走行していてもその回転数は微妙に変わる可能性がある。例えば、100回転/分の定常回転数で走行していても、色々な負荷が掛ると、回転数が定常回転数から微妙にぶれてしまう可能性がある。
このように、回転数が定常回転数からぶれたときに、定常回転数が100回転/分のままであるとして最適化を行った場合、音が悪化し、不要な音は消えず、逆に不快な音が生じてしまう可能性がある。このため、ANC制御は、上記の回転数の変動に追従させることが好ましい。
一方、本発明者は、検出信号と特定の周波数の正弦波信号との内積を演算した場合、その内積値が大きければ、正弦波信号の周波数は、基本周波数にほぼ一致する傾向があることから、これを新たにANC制御に利用できないかと考えた。
より具体的には、本発明者は、制御対象領域に設置されるセンサが検出する検出信号と、生成した複数の正弦波信号との内積を演算して基本周波数を推定することで、ANC制御を上記の回転数の変動に追従させることができないかと考えた。以下で説明する本発明を具現化する形態は、以上の着眼点に基づき考案されたものである。
〔アクティブノイズ制御装置の構成〕
図1に基づき、本発明の実施の一形態に係るANC装置(アクティブノイズ制御装置)10の構成について説明する。図1は、ANC装置10の構成を示すブロック図である。ANC装置10は、騒音源11から制御対象領域(対象領域)12に伝達される制御対象音(騒音)dに対して、制御音Zを出力して騒音を低減する装置である。
同図に示すように、ANC装置10は、誤差マイクロフォン(センサ)13、A/D変換器14、信号解析部15、適応制御最適化部16、D/A変換器17、増幅器18、およびアクチュエータ・スピーカ(アクチュエータ)19を備えている。
誤差マイクロフォン13は、制御対象音dと制御音Zとが打消しあった結果を誤差信号(検出信号)eとして検出するものである。誤差マイクロフォン13は、騒音低減効果を向上させることができるように制御対象領域12内の適切な位置に配置する。A/D変換器14は、アナログデータとしての誤差信号eをデジタルデータに変換するものである。
信号解析部15は、誤差マイクロフォン13が検出した誤差信号eと複数の正弦波信号との内積を演算し、算出された内積値が最も大きい正弦波信号を選択する。そして、信号解析部15は、選択した正弦波信号の周波数を、制御対象音dの基本周波数と推定する。さらに、信号解析部15は、推定した基本周波数から次数成分の周波数を有する正弦波信号を生成する(信号解析ステップ)。以上の動作を実現するため、信号解析部15は、内積演算部20、記憶部21、選択部22、および信号生成部23を備えている。内積演算部20は、複数の正弦波信号を生成し、誤差信号eと複数の正弦波信号との内積を演算するものである。記憶部21は、内積演算部20で生成した複数の正弦波信号の振幅や周波数、ならびに、誤差信号eと各正弦波信号との内積値などに係る情報を一時的に記憶するものである。選択部22は、記憶部21から必要な情報を読出し、複数の正弦波信号の中から、内積演算部20が算出した内積値が最も大きい正弦波信号を選択するものである。信号生成部23は、記憶部21から必要な情報を読出し、選択部22が選択した正弦波信号の周波数を上記騒音の基本(一次)周波数と推定し、推定した基本周波数から各次数成分の周波数を有する正弦波信号(x1,x2,…,xn)を生成するものである。
適応制御最適化部16は、各次数成分の周波数を有する正弦波信号(x1,x2,…,xn)のそれぞれの入力に対して、出力信号(制御信号)y1,y2,…,ynを出力し、加算器30で加算した制御信号yを出力するものである。より具体的には、適応制御最適化部16は、信号解析部15が生成した正弦波信号(x1,x2,…,xn)の次数成分毎に個別に設定される収束係数μ1,μ2,…,μnを用い、正弦波信号(x1,x2,…,xn)の次数成分毎に個別に設定されるフィルタ係数W1,W2,…,Wnを、誤差信号(検出信号)eが最小となるように最適化して、次数成分毎の正弦波信号とフィルタ係数との畳み込み和である制御信号y1,y2,…,ynを生成する。
適応制御最適化部16は、上述した加算器30の他、ADF・LMSアルゴリズム24(24,24,・・・24)、および音質調整回路27(27,27,…,27)を備える。ADF・LMSアルゴリズム24は、適応フィルタ(ADF)25(25,25,…,25)、およびLMSアルゴリズム26(26,26,…,26)を備える。適応ブイルタ25は、いわゆるADF(Adaptive Digital Filter)であり、LMSアルゴリズム26を用いて、フィルタ係数W1,W2,…,Wnを時々刻々と更新してゆく。適応フィルタ25では、各次数成分周波数の信号x1,x2,…,xnが時々刻々と更新されるフィルタ係数W1,W2,…,Wnと積和演算されてフィルタリング処理され、処理結果が各次数分周波数の出力信号(y1,y2,…,yn)として個々に出力される。
音質調整回路27は、各次数分周波数の振幅を調整し、音質を調整するものである。音質調整回路27は、増幅器28(28,28,…,28)、および加算器29(29,29,…,29)を備える。音質調整回路27は、増幅器28によって増幅値a1,a2…,anが付与された各次数分周波数の信号x1,x2…,xnが加算器29で誤差信号eに加算され、各次数成分の周波数を所望の誤差信号eが小さくなる振幅に制御する。
D/A変換器17は、デジタルデータとしての制御信号yをアナログデータに変換するものである。増幅器18は、制御信号y(アナログ波形信号)を増幅してアクチュエータ・スピーカ19に出力するものである。アクチュエータ・スピーカ19は、騒音低減効果を向上させることができるように制御対象領域12内の適切な位置に配置する。アクチュエータ・スピーカ19は、この制御対象領域12で制御対象音dに対して制御音Zを干渉音として出力するものである。
〔アクティブノイズ制御装置の動作〕
次に、ANC装置10の動作(アクティブノイズ制御方法)の詳細について説明する。誤差マイクロフォン13からの誤差信号eは、A/D変換器14でデジタルデータに変換されて信号解析部15の内積演算部20に送られる。内積演算部20では、複数の正弦波信号を生成し、生成した複数の正弦波信号と誤差信号eとの内積を演算する。より具体的には、内積演算部20は、或る定常周波数の近傍において予め定めた範囲内で正弦波信号の周波数を変化させて、上記複数の正弦波信号を生成し、上記検出信号との内積を演算する。ここで、「或る定常周波数の近傍において予め定めた範囲」は、例えば、事前に観測した定常周波数から±5Hz以内の範囲を例示することができるがこれに限定されない。また、正弦波信号の周波数を変化させる態様は、例えば、数Hz刻みであるが、これに限定されない。
上述したように、プロペラや車輪を回すための動力源の騒音の構造は、ある基本周波数とその整数倍の構造を有している。また、船舶の場合は、動力源の回転数の変化が比較的少ないため、その回転数は、定常回転数から大きくぶれることはない。しかしながら、定常回転数で走行していてもその回転数は微妙に変わる可能性がある。例えば、100回転/分の定常回転数で走行していても、色々な負荷が掛ると、回転数が定常回転数からぶれてしまう可能性がある。
このように、回転数が定常回転数からぶれたときに、定常回転数が100回転/分のままであるとして最適化を行った場合、音が悪化し、不要な音は消えず、逆に不快な音が生じてしまう可能性がある。このため、ANC制御は、上記の回転数の変動に追従させることが好ましい。一方、本発明者は、誤差信号eと特定の周波数の正弦波信号との内積を演算した場合、その内積値が大きければ、正弦波信号の周波数は、基本周波数とほぼ一致する傾向があることから、これを新たにANC制御に利用できないかと考えた。
そこで、上記のように、内積演算部20では、或る定常周波数の近傍において予め定めた範囲内で正弦波信号の周波数を変化させて、上記複数の正弦波信号を生成し、誤差信号eとの内積を演算するようにしている(内積演算ステップ)。これにより、制御対象音dの基本周波数が定常周波数から多少ぶれたとしても、予め定めた範囲内であれば、その都度、内積演算により改めてぶれた後の基本周波数を推定することができる。よって、ANC装置10を動力源の回転数の変動に追従させることが可能になる。
また、内積演算部20は、正弦波信号の位相を予め定めた範囲内で変化させて、上記複数の正弦波信号を生成し、誤差信号eとの内積を演算する(内積演算ステップ)。これにより、生成する正弦波信号と誤差信号eとの間に存在する位相の遅れを推定することが可能になるため、より効果的に騒音低減効果を向上させることができる。
次に、選択部22は、複数の正弦波信号の中から、内積演算部20が算出した内積値が最も大きい正弦波信号を選択する(選択ステップ)。信号生成部23は、選択部22が選択した正弦波信号を制御対象音dの基本(一次)周波数を有する信号x1と推定する。そして、信号生成部23は、推定した信号x1から基本周波数の任意のn次(nは整数以外の倍数も含む)の次数成分周波数を有する信号(x2,x3,…,xn)を生成(算出)する(信号生成ステップ)。n次成分周波数は、基本周波数をn倍することにより容易に求めることができる。なお、次数nは整数以外、例えば0.5次等を含んでも良い。いずれにしても、各次数成分周波数を有する信号x1,x2,…,xnは正弦波信号を生成している。なお、本明細書では、基本周波数を有する信号x1、および次数成分周波数を有する信号x2,x3,…,xnを纏めて、各次数成分の周波数を有する信号(正弦波信号)x1,x2,…,xnなどと呼ぶ。
この各次数成分周波数の信号x1,x2,…,xnは分配されて、適応制御最適化部16の各次数分のADF・LMSアルゴリズム24(24,24,・・・,24)にそれぞれ入力される。
ADF・LMSアルゴリズム24は、各次数成分周波数の信号x1,x2,…,xnを適応フィルタ25のフィルタ係数W1,W2,…,Wnを用いてフィルタリング処理する。そして、ADF・LMSアルゴリズム24は、上記フィルタリング処理により、信号x1,x2,…,xnに対応する次数成分周波数毎の出力信号y1,y2,…,ynをそれぞれ出力する。適応ブイルタ25は、LMSアルゴリズム26を用いて、フィルタ係数W1,W2,…,Wnを時々刻々と更新してゆく。適応フィルタ25では、信号x1,x2,…,xnが時々刻々と更新されるフィルタ係数W1,W2,…,Wnと積和演算されてフィルタリング処理される。そして、適応フィルタ25は、上記フィルタリング処理の処理結果として、各次数分周波数の出力信号(制御信号)y1,y2,…,ynを個々に出力する。
また、LMSアルゴリズム26は、既知の最適化手法の1つであり、最急降下法の演算量低減のために、勾配ベクトルの瞬時値を用いたアルゴリズムである。LMSアルゴリズム26では、適応フィルタ25に最適フィルタ係数を付与するために、誤差信号eに、次数成分毎の収束係数μ1,μ2,…,μnが個別に設定されてLMSアルゴリズム26に送られる。
このLMSアルゴリズム26では、誤差信号eが最小となるようフィルタ係数W1,W2,…,Wnを更新し、適応フィルタ25の新しい係数としてセットされ、畳み込み演算を行なうことにより、ANC制御される。フィルタ係数W1,W2,…,Wnを入力する適応フィルタ25では時々刻々変化する最適フィルタ係数が与えられてフィルタリング信号処理される。このようにして、ADF・LMSアルゴリズム24は、適応フィルタ25でそれぞれ最適フィルタ係数を用いて各次数成分周波数の信号x1,x2,…,xnをフィルタリング処理する。そして、ADF・LMSアルゴリズム24は、上記フィルタリング処理により、信号x1,x2,…,xnに応じた各次数成分周波数の出力信号y1,y2,…,ynを出力する(適応制御最適化ステップ)。
ADF・LMSアルゴリズム24で生成された各次数成分周波数の制御信号(出力信号)y1,y2,…,ynは加算器30で加算されて1つの制御信号y(デジタル信号)となり、適応制御最適化部16から出力される。適応制御最適化部16から出力されたデジタル信号(制御信号y)は、D/A変換器17によりアナログ波形信号に変換される。D/A変換器17から出力されたアナログ波形信号は、増幅器18で増幅された後、アクチュエータ・スピーカ19から制御音Zとして制御対象領域12に出力される。制御音Zは制御対象音dに対して干渉音として干渉させられる(対象音制御ステップ)。
次に、本実施形態の適応制御最適化部16は、さらに、各次数成分周波数の振幅を調整し、音質を調整する音質調整回路27(27,27,…,27n)を備えている。音質調整回路27は、増幅器28(28,28,…,28n)と、加算器29(29,29,…,29)とを備えて構成される。増幅器28は、各次数分周波数の信号x1,x2…,xnに、増幅値a1,a2…,anを付与するものである。また、加算器29は、増幅値a1,a2…,anが付与された各次数分周波の信号x1,x2…,xnを誤差信号eに加算するものである。
音質調整回路27は、増幅器28によって増幅値a1,a2…,anが付与された各次数分周波数の信号x1,x2…,xnが加算器29で誤差信号eに加算され、各次数成分の周波数を所望の誤差信号eが小さくなる振幅に制御する。
信号解析部15では、誤差信号eを入力した内積演算部20、選択部22および信号生成部23で基本(一次)周波数を抽出し、周波数ピークを分解し、各次数成分の周波数を制御対象周波数としている。そして、各次数成分周波数の信号x1,x2…,xn毎に、音質調整回路27に案内して、制御対象周波数毎に減音や増音といった増幅値a1,a2…,anを付与することができる。これにより、制御対象周波数の音量調整を制御対象周波数毎や制御対象次数毎に行なうことができ、音質調整を行なうことができる。これにより、例えば、事前に騒音を観測した上で、どの成分(何次成分)の騒音を低減するのかを計画することも可能になる。
このように、本実施形態のANC装置10は、制御対象領域12に設置される誤差マイクロフォン13が検出した誤差信号eを用いて、内積演算により制御対象音dの基本周波数を推定する。従って、制御対象音dの基本周波数を推定するための参照信号を取り込むためのセンサ(参照センサまたは参照マイクロフォン)を、騒音源11側に別途設置する必要がなくなる。このため、ANC装置10によれば、制御対象領域12に誤差マイクロフォン13とアクチュエータ・スピーカ19とを設置するだけで良くなるため、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
また、ANC装置10では、適応制御最適化部16では、信号解析部15が生成した次数成分の周波数毎に個別の収束係数を用いて最適化を行い、制御信号を生成する。これにより、全帯域に対して収束係数を1つに設定する必要があった従来のアクティブノイズ制御装置と比較して、騒音低減効果を向上させることができる。
以上により、ANC装置10によれば、装置全体のコンパクト化を図り、かつ騒音低減効果を向上させることができる。
〔内積演算および内積の大きさの概念について〕
次に、図2の(b)に基づき、上述した内積演算の概念について説明する。図2の(b)は、内積演算の概念を説明するための説明図である。
例えば、船舶の場合、動力源の回転数がほぼ不変とはいえ、変動したり、加減速したりする場合は回転数も常に定常という訳にはいかない。そこで、内積演算という信号解析方法を使って、新たに追従させる基本周波数の正弦波信号(以下、「参照信号」という)を推定する。信号解析部15では基本周期(または基本周波数)の変化を同定するために、誤差マイクロフォン13が検出した誤差信号eから常に参照信号を、内積演算を用いて推定する。図2の(b)に示すように、参照信号(正弦波信号)の周期を伸長したり、圧縮したりして基本周期(または基本周波数)からその周期(または周波数)を少しずつ変化させて、室内音(検出信号)と、参照信号との内積を演算する。この演算により、内積値が最大となる正弦波信号を参照信号として選択する。
なお、同図に示すように、参照信号の位相を予め定めた範囲内でシフトさせて、室内音(検出信号)との内積を演算しても良い。これにより、参照信号と検出信号との間に存在する位相の遅れを推定することが可能になる。
次に、図3に基づき、内積の大きさの概念について説明する。図3は、内積の大きさの概念を説明するための説明図である。
ここでは、同図に示す検出信号の四角で囲まれた範囲で、検出信号と、正弦波信号A〜Cとの内積を演算した場合について説明する。なお、内積は、検出信号を表す関数と、正弦波信号を表す関数とを掛け算した結果を、上記の四角で囲まれた範囲で積分することによって得られる。
検出信号と正弦波信号AまたはCとを掛け算した結果は、それぞれ、例えば、DまたはFのグラフに示す状態になるものとする。このとき、DおよびFのグラフは、どちらも振幅が正の部分と負の部分とが混在している。このため、上述した四角で囲まれた範囲で、DまたはFのグラフを積分すると、内積値が求まり、その値は、ほぼ0になる。この例は、参照信号が騒音の基本周波数と一致していない場合を示している。
一方、検出信号と正弦波信号Bとを掛け算した結果は、例えば、Eのグラフに示す状態になるものとする。このとき、Eのグラフは、振幅が正の部分のみで構成されている。このため、上述した四角で囲まれた範囲で、Eのグラフを積分すると、内積値が求まり、その値は、かなり大きな値となる。この例は、参照信号が騒音の基本周波数とほぼ一致している場合を示している。
このように、ある参照信号(正弦波信号)と検出信号との内積を演算した場合、参照信号の周波数が基本周波数とほぼ一致する場合、その内積値は大きな値となる。一方、参照信号の周波数が基本周波数と一致していない場合、その内積値は、ほとんど0になる。
このように、参照信号(正弦波信号)と検出信号との内積値は、参照信号の周波数が基本周波数に一致するか否かによって大きく変わるため、内積演算を用いれば、制御対象音の基本周期(または基本周波数)の変化を同定することが可能になる。
〔収録音源を用いたシミュレーション〕
次に、上述したANC装置10を試作し、収録音源を用いてシミュレーションを行った結果について説明する。図4は、このシミュレーションの結果を示すグラフである。同図に示すグラフの縦軸は、音場のパワースペクトルを示し、単位は、dB(デシベル)である。一方、横軸は、音場の周波数を示し、単位はHz(ヘルツ)である。
収録音源の音場の基本周波数は、約1.8Hzであり、シミュレーションでは、各次数成分のうち、15次、45次、51次成分をANC制御することとした。このとき、15次、45次、51次成分のそれぞれの周波数は、27Hz、81Hz、91.8Hzである。
内積演算部20で生成する複数の正弦波信号は、周期が1秒間の正弦波信号のグループを用いた。各正弦波信号の周波数は、帯域1:26.8〜27.2Hz(離散幅:0.05Hz)、帯域2:80.8〜81.2Hz(離散幅:0.05Hz)、帯域3:91.8〜92.2Hz(離散幅:0.05Hz)の3帯域で変化させた。
シミュレーションでは、参照信号として1周期分の正弦波信号を生成し終えた時点で、最も大きな内積値(ピークホールド値)をとる正弦波信号を次の参照信号とした(ピークホールド値の変更タイミングは共通)。
図4に示す「ANC OFF」の細かい破線は、ANC制御を行っていないときの音場のパワースペクトルを示し、「ANC ON」の実線は、ANC装置10によるANC制御を行っているときの音場のパワースペクトルを示している。
同図に示すように、15次成分(27Hz)、45次成分(81Hz)、51次成分(91.8Hz)の近傍の各音は、ANC装置10によるANC制御によって低減されていることが分かる。
次に、図5は、別のシミュレーションの結果を示すグラフである。収録音源の音場の基本周波数は、約1.8Hzであり、シミュレーションでは、各次数成分のうち、15次、45次、51次成分をANC制御することとした。
内積演算部20で生成する複数の正弦波信号は、10周期の正弦波信号のグループを用いた。各正弦波信号の周波数は、帯域1:26.8〜27.2Hz(離散幅:0.05Hz)、帯域2:80.8〜81.2Hz(離散幅:0.05Hz)、帯域3:91.8〜92.2Hz(離散幅:0.05Hz)の3帯域で変化させた。
シミュレーションでは、参照信号として1周期分の正弦波信号を生成し終えた時点で、最も大きな内積値(ピークホールド値)をとる正弦波信号を次の参照信号とした(ピークホールド値の変更タイミングは共通)。
図5に示すように、15次成分(27Hz)、45次成分(81Hz)、51次成分(91.8Hz)の近傍の各音は、ANC装置10によるANC制御によって低減されていることが分かる。
〔その他〕
本発明は、動力源の回転パルスを取得することが困難な空間に動力源があり、その動力源から周期的な音が発生しているような環境下でのアクティブノイズ制御に好適である。例えば、工事現場で発電機が回っているような環境下でのアクティブノイズ制御や、アパートの中で室外機の音を打ち消すようなアクティブノイズ制御などに本発明を適用することができる。また、動力源が同定できない場合にも制御したい部屋や場所なので個別に制御空間を創り出すことも可能である。
また、本発明は音を制御することを目的としているが、物体の振動抑制制御にも転用して適用可能である。例えば、上述した制御対象音dを振動に、アクチュエータ・スピーカ19を振動子に置き換えることで騒音制御と同様に、振動抑制制御を行うことが可能である。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、騒音と逆位相の制御音を制御対象領域に出力して騒音を低減するアクティブノイズ制御装置およびその制御方法に利用することができる。
10 ANC装置(アクティブノイズ制御装置)
11 騒音源
12 制御対象領域(対象領域)
13 誤差マイクロフォン(センサ)
15 信号解析部
16 適応制御最適化部
19 アクチュエータ・スピーカ(アクチュエータ)
20 内積演算部
22 選択部
23 信号生成部

Claims (5)

  1. 騒音が伝達される対象領域に設置され、音を検出信号として検出するセンサが検出した検出信号と複数の正弦波信号との内積を演算し、算出された内積値が最も大きい正弦波信号を選択し、選択した正弦波信号の周波数を、上記騒音の基本周波数と推定し、推定した基本周波数から次数成分の周波数を有する正弦波信号を生成する信号解析部と、
    上記信号解析部が生成した上記正弦波信号の次成分数毎に個別に設定される収束係数を用い、上記正弦波信号の次数成分毎に個別に設定されるフィルタ係数を上記検出信号が最小となるように最適化して、上記次数成分毎の正弦波信号と上記フィルタ係数との畳み込み和である制御信号を生成し、生成した上記制御信号を、該制御信号を受けて制御音を構成し上記対象領域に出力するアクチュエータに対して出力する適応制御最適化部と、を備えることを特徴とするアクティブノイズ制御装置。
  2. 上記信号解析部は、或る定常周波数の近傍において予め定めた範囲内で正弦波信号の周波数を変化させて、上記複数の正弦波信号を生成し、上記検出信号との内積を演算することを特徴とする請求項1に記載のアクティブノイズ制御装置。
  3. 上記信号解析部は、正弦波信号の位相を予め定めた範囲内で変化させて、上記複数の正弦波信号を生成し、上記検出信号との内積を演算することを特徴とする請求項1または2に記載のアクティブノイズ制御装置。
  4. 上記信号解析部は、
    上記検出信号と上記複数の正弦波信号との内積を演算する内積演算部と、
    上記複数の正弦波信号の中から、上記内積演算部が算出した内積値が最も大きい正弦波信号を選択する選択部と、
    上記選択部が選択した正弦波信号を上記騒音の基本周波数と推定し、推定した基本周波数から次数成分の周波数を有する正弦波信号を生成する信号生成部と、を備えていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のアクティブノイズ制御装置。
  5. 騒音が伝達される対象領域に設置され、音を検出信号として検出するセンサが検出した検出信号と複数の正弦波信号との内積を演算し、算出された内積値が最も大きい正弦波信号を選択し、選択した正弦波信号の周波数を、上記騒音の基本周波数と推定し、推定した基本周波数から次数成分の周波数を有する正弦波信号を生成する信号解析ステップと、
    上記信号解析ステップで生成した上記正弦波信号の次成分数毎に個別に設定される収束係数を用い、上記正弦波信号の次数成分毎に個別に設定されるフィルタ係数を、上記検出信号が最小となるように最適化して、上記次数成分毎の正弦波信号と上記フィルタ係数との畳み込み和である制御信号を生成する適応制御最適化ステップと、
    上記適応制御最適化ステップで生成された制御信号を受けて制御音を構成し、上記対象領域にアクチュエータを用いて出力する対象音制御ステップと、を含むことを特徴とするアクティブノイズ制御方法。
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