JP6270052B2 - リードフレーム及びその製造方法 - Google Patents
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Description
このような光半導体装置としては、特許文献1や特許文献2に記載がある。
また、本発明のリードフレームにおいては、前記突起が、千鳥状に複数配置されているのが好ましい。
上記利点と同時に、樹脂とリードフレームとの接触面積が大幅に増加するため、半導体素子やLED素子から発生した熱も放散が早くなり、しかも、薄肉部の形成領域はダイパッド部及びリード部の夫々における全周の縁から内側へ0.15mm以上でリードフレームの基材の板厚を超えない幅を有する領域であり、薄肉部を形成しない内側の領域等は、半導体素子やLED素子が搭載される部位を含み、半導体素子やLED素子から発生する熱を直接的に最も強く受ける領域であるため、肉厚が厚い分、表面積が大きくなり、熱放散性も顕著に向上するという利点がある。
このため、本発明によれば、半導体装置、特に光半導体装置及び光半導体装置用樹脂付きリードフレームに用いられるリードフレームにおいて、外部樹脂とダイパッド部及びリード部の夫々との密着性を向上させると同時に、半導体素子やLED素子からの発熱をより早く放散させることが出来るリードフレームが得られる。
なお、本発明は、半導体装置及び光半導体装置に適用するものであるが、以下光半導体装置の事例を基に説明する。
先ず、実施例の説明に先立ち、光半導体装置の構成とその作用効果について説明する。図2は、本発明に係るリードフレームを用いた光半導体装置の一例を示しているが、これに用いられるリードフレームは、LED素子を搭載するダイパッド部1と、ダイパッド部1の周辺に空間を隔てて配置されたリード部2とで構成される。ダイパッド部1の上面にはLED素子が搭載され、LED素子の電極部とリード部2とはワイヤーボンディング等により電気的に接続されている。このLED素子と電気的接続部を取り囲む形で、ダイパッド部1とリード部2のリードフレームの上に外部樹脂部が形成されている。また、ダイパッド部1とリード部2が対向する空間部分及びそれぞれの下にも同時に外部樹脂で充填される。外部樹脂部が取り囲んだLED素子と電気的接続部周辺は、透明樹脂で充填された封止樹脂部がある。
薄肉部領域の幅が板厚程度の場合は、突起の平面形状は円形又は円形に近い楕円形で、板厚から板厚より0.05mm小さい大きさで、板厚程度のピッチで配置するのが好ましい。
ここで、特に突起の縦断面形状においてダイパッド部1及びリード部2に対向する面側の傾きが急であることにより、上下方向に力が加わった場合の密着強度をより向上させることが出来る。
最外層よりも基材寄りの内装側のめっきは、一般にリードフレームに使用されるめっきであればよい。
外部樹脂部は、LED素子からの光を反射させる役割もあるため、LED素子とワイヤーボンディングされた接続部の周辺を取り囲む面は、光を上方に反射させるようにテーパー形状になっている。
更に、薄肉部の下面には、上記したように、突起が設けられており、この突起によりリードフレーム表面と外部樹脂とが接触する面積が大幅に増加し、更に密着性は向上する。
また、このように樹脂との接触面積が増えたことにより、熱の放散が早くなり、しかも、薄肉部の形成領域はダイパッド部及びリード部の夫々における全周の縁から内側へ0.15mm以上でリードフレームの基材の板厚を超えない幅を有する領域であり、薄肉部を形成しない内側の領域等は、肉厚が厚い分、表面積が大きくなり、放熱性に優れる結果となる。
先ず、平板状の金属板Pを準備する。金属板の材質は、銅合金を用いることができる。準備したこの金属板Pを脱脂洗浄し、不要なごみや有機物を取り除く。(図3(A)参照)
ダイパッド部1のLED搭載面1bはレジストRで覆われており、LED搭載面と反対側の面1cは、レジスト層Rは開口部となっている。そのため、LED搭載面1bに対向する反対側の面1cはエッチングされ、これにより薄肉部が形成される。この場合、薄肉部の付け根は円弧状になるため、薄肉部の設定よりレジスト層Rの開口部は大きめに調整する必要がある。
薄肉部の厚みの調整は、エッチング時間や、上下のエッチング液の噴出圧力や、エッチン液の流速及び流量等を調整することにより、行われ得る。
全面めっきについては、以上説明したリードフレームの形状が完成した後、リードフレームにそのまま全面めっきを行う。
部分めっきについては、二つの方法がある。即ち、全面めっきと同様リードフレームの形状が完成した後、部分めっきが不必要な部分にめっきが付着しないようにカバーをして、必要な部分にのみめっきし、その後カバーを除去する方法と、もう一つの方法は、金属材料に先ず部分めっき用レジストを形成して、めっきし、その後めっき用レジストを剥離し、エッチング用レジストパターンを金属材料の表面上に形成し、その後エッチング処理することでエッチングパターンを形成する方法である。
この場合のエッチング用レジストパターンは、先に部分めっきした部位において30〜50μmめっきパターンよりも大きなエッチングパターンを形成するのがよい。
次に、LED素子の電極部とリード部2とをワイヤーボンディング等の接続方法を用いて電気的に接続する。
次に、外部樹脂で囲われたLED素子とワイヤーボンディング等でリード部2と電気的に接続された部分の周辺部を透明樹脂でモールドする。
最後に、所定のパッケージ寸法になるように複数個配列されている場合は、個片化する。一括でモールドされている場合は、ダイシング等により、個別モールドされている場合は、プレス等で打ち抜き、個片化する。
なお、上記は光半導体装置について記載したが、本発明は、半導体装置用リードフレーム及び半導体装置にも適用できる。
実施例
リードフレーム用の金属板としては、厚さ0.2mm、幅180mmの帯状の銅材(株
式会社神戸製鋼所製:KLF−194)を用いた。先ず、リードフレーム用の金属板を、脱脂、洗浄した。その後、リードフレームのパターンを形成するためのレジスト層を作製した。詳細には、先ず、基材の表面に感光性レジストを厚さ0.02mm塗布した。レジストとしては、ネガ型感光性レジスト(旭化成イーマテリアルズ株式会社製)を使用した。次に、ダイパッド部1及びリード部2が所定のパターンになるようにガラスマスクを用いて、レジスト層を露光した。
また、突起の形状を縁側に寄せるパターンについては、突起形状φ0.15mmにおいて、突起形状を0.03mm縁側へ寄せた設定とした。
なお、表1中、実施例5は参考例である。
その後、エッチング液にてエッチングを行った。エッチング液としては、塩化第二鉄溶液を使用した。なお、薄肉部や突起の高さや形状を確保するため、必要に応じて、エッチング液の吹き出し方向や、吹き付け圧力等を適宜調整した。
そして、エッチングが終了した後レジストを剥離し、ダイパッド部1及びリード部2を形成した。
注1 薄肉部配置 I部:ダイパッド部とリード部全周(連結部を除く)
II部:ダイパッド部とリード部の対向面の内、ダイパッド部のみ
また、密着性を確認するため、シェアテスト機を用いた簡易試験を実施した。簡単に試験方法を示す。先ず、試験片に表1に該当する類似パターンを作成し、その上に直径φ2mmの円柱状の樹脂モールドをした。この試験片をシェアテスト機のテーブルに固定し、テスト機のツール先端を円柱状の樹脂モールド部の根元部の位置に合わせ、ツールを移動させて、円柱状の樹脂モールド部が剥がれる力を測定した。ツールの先端位置は、試験片の上面より50μm高い位置に合わせ、移動速度は5mm/minとした。4回測定し、その平均値を密着力とした。表1の簡易試験結果は、突起のない比較例1の密着力を基準として評価した。△は基準の1.05倍未満、○は基準の1.05倍以上1.2倍未満、◎は基準の1.2倍以上として評価した。実施例1〜9は効果があることが判った。特に、突起の高さを高く且つ突起を千鳥状に複数配置することにより、より効果があることが判った。また、突起形状の頂点部を縁側に寄せた場合も、より効果のあることが判った。
その後、樹脂付きリードを使用して、LED素子を搭載、ワイヤーボンディング後、透明封止して、ダイシング加工を行い個片化して、光半導体装置を完成させた。
1a ダイパッド部突起
1b LED素子搭載面
1c LED素子搭載面の反対側の面
2 リード部
2a リード部突起
P 金属板
R エッチング用レジスト層
R’ 突起形成用レジスト層
Claims (6)
- 半導体素子又はLED素子を搭載するためのダイパッド部と、該ダイパッド部の周辺に空間を介して配置された、該ダイパッド部に搭載される半導体素子又はLED素子の電極部と電気的に接合するためのリード部とを備え、前記ダイパッド部及びリード部の夫々における全周の縁から内側へ0.15mm以上でリードフレームの基材の板厚を超えない幅を有する領域に、該ダイパッド部及びリード部の夫々における全周の縁から内側へ0.15mm以上でリードフレームの基材の板厚を超えない幅を有する領域よりも内側の領域とは下面の高さが異なる薄肉部を有し、該薄肉部の下面に、下方に向いた高さ0.005mm以上の突起が、複数配置されていることを特徴とするリードフレーム。
- 前記突起の形状が、平面円状又は平面楕円状である請求項1に記載のリードフレーム。
- 前記突起の縦断面形状が、富士山型形状又は頂上部が丸みを帯びた山型形状或いは略円錐形状である請求項1又は2に記載のリードフレーム。
- 前記ダイパッド部及びリード部の夫々における全周の縁と平行に並ぶ複数の前記突起の頂点部が、前記ダイパッド部及びリード部の夫々における全周の縁側に寄り、前記ダイパッド部及びリード部の夫々における全周の縁に対して垂直方向の前記突起の断面が、前記頂点部を通る垂線に対して左右非対称であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリードフレーム。
- 前記突起が、千鳥状に複数配置されていることを特徴とする請求項1に記載のリードフレーム。
- リードフレームの基材となるべき金属板を準備する工程と、
前記金属板の表面側のダイパッド部及び、該ダイパッド部に搭載される半導体素子又はLED素子の電極部と電気的に接合するためのリード部が形成されるべき部分と、前記金属板の裏面側のダイパッド部における全周の縁から内側へ0.15mm以上でリードフレームの基材の板厚を超えない幅を有する領域よりも内側の領域に対応する部分及び該全周の縁から内側へ0.15mm以上でリードフレームの基材の板厚を超えない幅を有する領域において複数の突起部が形成されるべき部分とリード部における全周の縁から内側へ0.15mm以上でリードフレームの基材の板厚を超えない幅を有する領域よりも内側の領域に対応する部分及び該全周の縁から内側へ0.15mm以上でリードフレームの基材の板厚を超えない幅を有する領域において複数の前記突起部が形成されるべき部分とに、それぞれエッチング用レジスト層を形成する工程と、
前記エッチング用レジスト層を耐腐蝕膜として金属板の表裏にエッチングを施す工程とを備え、
前記エッチング工程において、ダイパッド部とリード部にそれぞれ空間を介して対向する対向面が形成されると共に、ダイパッド部及びリード部の夫々における全周の縁から内側へ0.15mm以上でリードフレームの基材の板厚を超えない幅を有する領域のエッチングされた下面に薄肉部及び高さ0.005mm以上の突起が複数形成されるようにしたことを特徴とするリードフレームの製造方法。
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