JP6269830B2 - 脆性材料基板の割断方法及び脆性材料基板の割断装置 - Google Patents

脆性材料基板の割断方法及び脆性材料基板の割断装置 Download PDF

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Description

本発明は、脆性材料基板の割断方法及び脆性材料基板の割断装置に関する。
本願は、2014年6月11日に日本国に出願された特願2014−120915号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、ガラス板などの脆性材料基板を割断する割断装置として、脆性材料基板にレーザ光を照射して局部的に加熱するレーザ照射部と、レーザ光によって加熱された脆性材料基板に冷却剤を噴射する冷却剤噴射部と、を備えた装置が提案されている。しかし、一般にこのような割断装置は、脆性材料基板上の割断予定線に沿ってスクライブラインを形成するだけであり、後工程としてこのスクライブラインに沿って脆性材料基板にブレーク処理を行うことにより、最終的に脆性材料基板のフルカットを行っている。
このような割断装置に対し、単にスクライブラインを形成するだけでなく脆性材料基板のフルカットを行う割断方法として、脆性材料基板の割断予定線に沿って厚み方向に作用する変形応力を印可し、割断予定線に沿って局所熱源を操作して脆性材料基板のフルカットを行う割断方法が提案されている(特許文献1参照)。
日本国特開2009−107301号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、具体的に変形応力を印可するための装置構成が難しく、また、割断予定線に沿って確実にフルカットを行うことができる変形応力の印可の条件を決定するのも難しい可能性がある。従って、装置構成が比較的簡易であり、かつ、脆性材料基板に確実にフルカットを行うことができる技術の提供が望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされ、その目的は、比較的簡易な手法で脆性材料基板に対して確実にフルカットを行うことができる、脆性材料基板の割断方法及び脆性材料基板の割断装置を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を進めた結果、例えば厚みが300μm以下の極薄の脆性材料基板に対しては、加熱・冷却条件を適切に選択し、レーザ及び冷却の移動方向の温度分布に起因する熱応力を適切に発生させることにより、割断予定線の途中まではフルカットを行うことができるとの知見を得た。ところが、このように加熱・冷却を適切に選択しても、カット終端部では必ず切れ残りが発生する可能性があることも分かった。そこで、本発明者はカット終端部での切れ残りを無くすべくさらに研究を続けた結果、本発明を完成した。
本発明の第1の態様は、脆性材料基板を割断予定線に沿って割断する脆性材料基板の割断方法であって、脆性材料基板の割断予定線上の、脆性材料基板をレーザ光照射源に対して移動させる際の移動方向における先端部に、始端亀裂を形成し、かつ、移動方向における後端部に、終端亀裂を形成する工程と、脆性材料基板をレーザ光照射源に対して移動させつつ、レーザ光照射源から割断予定線上にレーザ光を照射して加熱処理を行う工程と、レーザ光による脆性材料基板の加熱処理した部位に対して冷却剤噴射源から冷却剤を噴射し、冷却処理を行って割断予定線で脆性材料基板を割断する工程と、を備える。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、脆性材料基板が、周縁部に非製品品質エリアを有し、非製品品質エリアの内側に製品品質エリアを有しており、始端亀裂及び終端亀裂を形成する工程では、これら始端亀裂及び終端亀裂を共に非製品品質エリアに形成する。
本発明の第3の態様は、第1の態様において、脆性材料基板の厚み方向の温度勾配より、脆性材料基板の割断予定線方向の温度勾配が大きくなるように、脆性材料基板に加熱処理及び冷却処理を行う。
本発明の第4の態様は、脆性材料基板を割断予定線に沿って割断する脆性材料基板の割断装置であって、脆性材料基板を配置する加工台と、脆性材料基板の割断予定線上の、脆性材料基板を移動させる際の移動方向における先端部に、始端亀裂を形成する始端亀裂形成部と、脆性材料基板の割断予定線上の、脆性材料基板を移動させる際の移動方向における後端部に、終端亀裂を形成する終端亀裂形成部と、脆性材料基板上にレーザ光を照射するレーザ照射部と、脆性材料基板上に冷却剤を噴射する冷却剤噴射部と、脆性材料基板をレーザ照射部及び冷却剤噴射部に対して予め設定された方向に移動させる移動手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、第4の態様において、移動手段は、脆性材料基板に対してレーザ照射部及び冷却剤噴射部を移動させるように構成され、始端亀裂形成部及び終端亀裂形成部は、レーザ照射部と同じ移動路上を移動するように構成されている。
本発明の脆性材料基板の割断方法によれば、脆性材料基板の割断予定線上の、脆性材料基板を移動させる際の移動方向における先端部に、初期亀裂として始端亀裂を形成し、かつ、移動方向における後端部に、初期亀裂として終端亀裂を形成するようにしたので、特に終端亀裂を起点としてカット終端部でもフルカットを行うことができる。従って、単に終端亀裂の形成を加えるといった簡易な手法により、カット終端部での切れ残りを無くして割断予定線全域のフルカットを行うことができる。
本発明の脆性材料基板の割断装置によれば、脆性材料基板の割断予定線上の、脆性材料基板を移動させる際の移動方向における後端部に、初期亀裂として終端亀裂を形成する終端亀裂形成部を備えているので、特に終端亀裂を起点としてカット終端部でもフルカットを行うことができる。従って、単に終端亀裂形成部を備えるといった簡易な手法により、カット終端部での切れ残りを無くして割断予定線全域のフルカットを行うことができる。
本実施形態に係る脆性材料基板の割断装置を備えた搬送装置の一例の概略構成を示す平面図である。 割断装置の概略構成を示す側面図である。 脆性材料基板の要部を示す平面図である。 脆性材料基板の初期亀裂をきっかけにして割断されるメカニズムの説明図である。 脆性材料基板の初期亀裂をきっかけにして割断されるメカニズムの説明図である。 極薄の脆性材料基板に初期亀裂をきっかけにしてフルカット(割断)が行われるメカニズムの説明図である。 極薄の脆性材料基板に初期亀裂をきっかけにしてフルカット(割断)が行われるメカニズムの説明図である。 極薄の脆性材料基板に初期亀裂をきっかけにしてフルカット(割断)が行われるメカニズムの説明図である。
以下、図面を参照して本発明に係る脆性材料基板の割断装置を詳しく説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は本発明に係る脆性材料基板の割断装置を備えた搬送装置の一例の概略構成を示す平面図であり、図1中符号1は搬送装置、20は脆性材料基板の割断装置(以下、割断装置と記す)である。
搬送装置1は、例えば厚みが300μm以下の極薄ガラスからなる脆性材料基板Wを搬送する装置である。なお、通常は、脆性材料基板Wの中央部が製品品質エリアとなることから、このような製品品質エリアを直接保持することは避けるのが普通である。従って、このような脆性材料基板Wでは、一般に、製品品質エリアの外側となる「耳」と呼ばれる周縁部、すなわち幅5mm〜10mm程度の幅方向における両側端部の非製品品質エリアが、直接保持される領域となる。
搬送装置1は、このように脆性材料基板Wの製品品質エリアを直接保持することなく、非製品品質エリアとなる両側端部のみを直接保持して搬送するとともに、割断装置20によって脆性材料基板Wを所望寸法にフルカット(割断)を行う装置である。すなわち、図1に示すように搬送装置1は、巻き出しロール2と、巻き出しロール2から送り出された脆性材料基板Wを搬送する搬送路3とを備え、さらに一対の固定保持部材4と、一対の第1可動保持部材5と、割断装置20と、一対の第2可動保持部材7とを備えている。
巻き出しロール2は、脆性材料基板Wを巻き取ったロール軸2aと、このロール軸2aに連結してこれを回転させるモータ等の駆動源8とを備えている。駆動源8には、ロール軸2aの回転速度を制御する制御部(図示せず)が設けられており、制御部は、巻き出しロール2からの脆性材料基板Wの巻き出しを間欠的に行うように形成されている。なお、脆性材料基板Wとしては、前述したように厚みが300μm以下の極薄ガラスが用いられる。
巻き出しロール2の下流側には、高さ調整ローラ9が配置されている。高さ調整ローラ9は、巻き出しロール2から巻き出された脆性材料基板Wを搬送する搬送ローラである。高さ調整ローラ9の上端は搬送路3の上面より僅かに高く配置されている。このような構成によって高さ調整ローラ9は、巻き出しロール2から巻き出された脆性材料基板Wを搬送路3の上面(搬送面)上に搬送する。
搬送路3は、高さ調整ローラ9の送り出し側に配置されたもので、例えば脆性材料基板Wの搬送方向に沿って長細い板状の搬送ユニット10が複数整列して配置されている。搬送ユニット10は、本例では特に脆性材料基板Wの中心部である製品品質エリアを直接保持しないよう、製品品質エリアに対して非接触で搬送するのが好ましいことから、空気を噴き出すことによる浮上式が採用されている。
浮上式の搬送ユニット10の上面に多数の空気噴き出し孔(図示せず)が設けられ、空気噴き出し孔に配管を介して空気供給源が接続されることにより、空気噴き出し孔から所定量の空気が噴き出される。そして、このように空気が噴き出されることで搬送ユニット10上に空気層が形成され、この空気層によって脆性材料基板Wが搬送ユニット10(搬送路3)の上面より上方に浮上する。なお、空気噴き出し孔の形状については特に限定されることなく、一般的な円形の孔以外にも、スリット状の細長い孔でもよい。
また、後述するレーザ照射部23や冷却剤噴射部24によって加熱や冷却がなされる加工領域や、この加工領域の近傍領域には、空気噴き出し孔とは別に多数の吸引孔(図示せず)を形成してもよい。これら吸引孔には、配管(図示せず)を介して負圧源としての真空ポンプ(図示せず)を接続しておき、この真空ポンプによって吸引することにより、脆性材料基板Wを吸引孔側に引っ張る。ただし、吸引孔による吸引力は、空気噴き出し孔により脆性材料基板Wを浮上させる力よりは弱く設定されている。これにより、空気噴き出し孔からの空気噴き出しと吸引孔による吸引とが釣り合うことにより、脆性材料基板Wは搬送路3の上面との間の隙間が予め設定された一定の間隔に保持され、従って搬送路3に対して高精度に保持される。
図1に示すように搬送路3の両側には、それぞれ第1クランプレール11と第2クランプレール12とが、搬送路3の搬送方向に沿って配置されている。第1クランプレール11の上流側(巻き出しロール2側)に固定保持部材4が設けられ、固定保持部材4より下流側に第1可動保持部材5が設けられている。
固定保持部材4は、第1クランプレール11に対し、取付部材(図示せず)を介して固定された状態に取り付けられている。すなわち、固定保持部材4は第1クランプレール11の長さ方向(搬送路3の搬送方向)に沿って移動することなく、固定されている。この固定保持部材4は、下板と上板とを有する一般的なクランプであり、これら下板と上板とがエアシリンダーによって接離可能に形成されたことにより、脆性材料基板Wを着脱可能に保持する。なお、脆性材料基板Wを保持する部位は下板、上板の先端部であり、これによって固定保持部材4は、脆性材料基板Wの製品品質エリアを直接保持することなく、非製品品質エリアとなる両側端部のみを直接保持する。
第1可動保持部材5も、下板と上板とを有する一般的なクランプであり、これら下板と上板とがエアシリンダーによって固定保持部材4と同様に接離可能に形成されたことにより、脆性材料基板Wを着脱可能に保持する。なお、第1可動保持部材5も固定保持部材4と同様に、脆性材料基板Wの製品品質エリアを直接保持することなく、非製品品質エリアとなる両側端部のみを直接保持する。
また、一対の第1可動保持部材5は、共に第1クランプレール11に往復移動可能に取り付けられている。すなわち、一対の第1可動保持部材5は、第1クランプレール11の長さ方向(搬送路3の搬送方向)に沿って往復移動できる。ここで、第1クランプレール11は例えばボール螺子機構やリニアモータ機構を備えており、これによって第1可動保持部材5の移動速度や移動距離が高精度に制御されている。
第2クランプレール12には、一対の第2可動保持部材7が設けられている。第2可動保持部材7も、第1可動保持部材5と同様に構成されたクランプであり、第2クランプレール12に移動可能に取り付けられている。すなわち、一対の第2可動保持部材7は、第2クランプレール12の長さ方向(搬送路3の搬送方向)に沿って往復移動できる。なお、第2可動保持部材7も固定保持部材4や第1可動保持部材5と同様に、脆性材料基板Wの製品品質エリアを直接保持することなく、非製品品質エリアとなる両側端部のみを直接保持する。また、第2クランプレール12も、第1クランプレール11と同様にボール螺子機構やリニアモータ機構を備えて構成されており、これによって第2可動保持部材7の移動速度や移動距離が高精度に制御されている。
また、搬送装置1には、搬送路3の巻き出しロール2側に保持フレーム13が設けられ、この保持フレーム13に割断装置20が移動可能に設けられている。割断装置20は、前述したように本発明に係る脆性材料基板の割断装置の一実施形態であり、図1に示す可動板20aの下面に主要な構成部材を備えている。なお、可動板20aは保持フレーム13に移動可能に設けられており、これによって搬送路3の搬送方向と直交する方向、すなわち脆性材料基板Wの幅方向に移動可能である。
この割断装置20は、図2に概略構成を示す側面図が示されるように、搬送路3を本発明に係る加工台、すなわち脆性材料基板Wを配置する加工台とし、始端亀裂形成部21と、終端亀裂形成部22と、レーザ照射部23と、冷却剤噴射部24と、レーザ照射部23及び冷却剤噴射部24を搬送路3上の脆性材料基板Wに対して移動させる移動機構25(移動手段)と、を備えている。
移動機構25は、図1に示すように可動板20aと、これを移動可能に保持する保持フレーム13の一対のガイドレール13aと、一対のガイドレール13a上にて可動板20aを走行させるためのモータ等の駆動源20bとを備えている。ガイドレール13aとしては、例えばボール螺子が用いられている。このような構成によって可動板20aは、駆動源20bによってガイドレール13aが回転させられることにより、正逆方向に移動可能となっている。なお、移動機構25としては、このようなボール螺子を用いた機構に限定されることなく、例えばリニアモータを用いた機構を採用することもできる。
始端亀裂形成部21は、本実施形態では図2中に矢印Pで示す可動板20aの移動方向、すなわち割断動作時における移動方向の後方に配置される。そのため、始端亀裂形成部21は、脆性材料基板Wの移動方向における先端部に配置されている。また、終端亀裂形成部22は、可動板20aの移動方向における前方に配置されている。そのため、終端亀裂形成部22は、脆性材料基板Wの移動方向における後端部に配置されている。
始端亀裂形成部21は、搬送路3(加工台)上の脆性材料基板Wの要部を示す平面図である図3に示すように、脆性材料基板Wの割断予定線L上の、脆性材料基板Wを移動させる際の移動方向における先端部、本実施形態では図2中に矢印Pで示す可動板20aの移動方向に対する先端に、初期亀裂として始端亀裂41を形成する。
始端亀裂形成部21は、本実施形態ではダイヤモンドカッタ21aと、これを昇降可能、かつ水平方向に移動させるエアシリンダー等からなる移動機構21bと、を備えている。
このような構成によって始端亀裂形成部21は、ダイヤモンドカッタ21aが移動機構21bによって所定軌道で移動することにより、図3に示すように搬送路3上にて停止した脆性材料基板Wの、割断予定線L上の先端部に、始端亀裂41を形成する。始端亀裂41の深さについては、特に限定されることなく、数μm〜数十μm程度とされる。また、始端亀裂41の長さについては、このようなダイヤモンドカッタ21aによって形成される亀裂の切断面は後述するレーザ光照射に基づく切断面に比べて粗くなることから、2〜3mm程度、またはそれ以下とされる。従って、このような始端亀裂41は、図3中に二点鎖線で示す脆性材料基板Wの製品品質エリアと非製品品質エリアとの仮想境界線Kの内側、すなわち製品品質エリアにまで形成されることなく、製品品質エリアの外側となる「耳」と呼ばれる非製品品質エリアに形成される。
終端亀裂形成部22は、図3に示すように脆性材料基板Wの割断予定線L上の、脆性材料基板Wを移動させる際の移動方向における後端部、本実施形態では図2中に矢印Pで示す可動板20aの移動方向に対する後端部に、初期亀裂として終端亀裂42を形成する。この終端亀裂形成部22も、始端亀裂形成部21と同様に、ダイヤモンドカッタ22aと、これを昇降可能、かつ水平方向に移動させるエアシリンダー等からなる移動機構22bと、を備えている。
このような構成によって終端亀裂形成部22は、ダイヤモンドカッタ22aが移動機構22bによって所定軌道で移動することにより、図3に示すように搬送路3上に停止した脆性材料基板Wの、割断予定線L上の後端部に、終端亀裂42を形成する。終端亀裂42の深さについては、始端亀裂41と同様に、数μm〜数十μm程度とされる。
また、終端亀裂42の長さについても、始端亀裂41と同様に、2〜3mm程度、またはそれ以下とされる。ただし、この終端亀裂42については、図3に示すように脆性材料基板Wの割断予定線L上の後端縁にまで形成されることなく、後端縁よりやや前方に位置していてもよい。ただし、終端亀裂42も始端亀裂41と同様に非製品品質エリアに形成されるのが好ましく、従って、終端亀裂42の始端亀裂41側の端縁は、仮想境界線Kの位置、例えば脆性材料基板Wの側縁から5mmの位置より外側とされる。このように形成すれば、ダイヤモンドカッタ22aによって形成される比較的粗い切断面は、製品品質エリアに形成されることなく非製品品質エリアのみに形成されるため、製品品質エリアからなる最終的な製品の品質を損なうことがない。
図2に示すように可動板20aの下面には、レーザ照射部23(レーザ光照射源)が配設されている。レーザ照射部23は、可動板20aの移動に伴われて搬送路3上の脆性材料基板Wの上方を、脆性材料基板Wの幅方向に横切るように配置され、レーザ発振器(図示せず)と、レーザ発振器から発振されたレーザ光Cを導く光学系機器(図示せず)とを備えている。
レーザ発振器としては、例えば100W〜数百Wの出力を有する炭酸ガスレーザ発振器が好適に用いられる。ただし、他の出力範囲、または他の発振機構によるレーザ発振器を用いることもできる。光学系機器は、ミラーやレンズ等からなり、レーザ発振器から発振されたレーザ光Cを予め設定された領域(加熱域)に導き、集光させる。
すなわち、レーザ照射部23は、搬送路3上に保持された脆性材料基板Wに対して、斜め上方から図3に示す割断予定線L上にレーザ光Cを照射し、脆性材料基板Wを局部的に加熱する。ここで、図2に示すようにレーザ照射部23と脆性材料基板Wとの間の、レーザ光Cが通過する空間をレーザ光通過領域28と設定し、図3に示すように脆性材料基板W上の、レーザ光Cが照射される領域を加熱域29とする。加熱域29は、本実施形態では割断予定線Lに沿って細長く形成される略長方形の領域に設定される。すなわち、レーザ照射部23では、このように細長い略長方形の加熱域29を形成するように、レーザ発振器や光学系機器が構成されている。
また、図2に示すように可動板20aの下面には、レーザ照射部23より可動板20aの移動方向後方に、冷却剤噴射部24がレーザ照射部23に対して所定距離離れて配置されている。この冷却剤噴射部24(冷却剤噴射源)は、搬送路3に対して鉛直方向下方に向けて配置された噴射ノズル24aと、送液ポンプ24bと、冷却剤を貯留するタンク24cとを備えている。このような構成のもとに冷却剤噴射部24は、脆性材料基板Wに向けて噴射ノズル24aから流動性を有する冷却剤Rを噴射する。
ここで、冷却剤噴射部24と脆性材料基板Wとの間の、冷却剤Rが通過する空間を冷却剤通過領域30と設定し、図3に示すように脆性材料基板W上の、冷却剤Rが噴射される領域を冷却域31とする。冷却域31は、本実施形態では割断予定線L上に形成される小さな円形の領域に設定され、加熱域29より可動板20aの移動方向後方に所定距離離れて形成配置される。噴射ノズル24aから噴射される冷却剤Rは、レーザ照射部23によって脆性材料基板Wに形成された加熱域29を急激に冷却し、水に空気などのガスが混入されて形成される。
このような構成を有する割断装置20を備えた搬送装置1によって脆性材料基板Wを搬送しつつ、割断するには、まず、図1に示す巻き出しロール2から脆性材料基板Wを送り出し(巻き出し)、脆性材料基板Wの先端部を第1可動保持部材5で保持する。そして、第1可動保持部材5を移動させ、脆性材料基板Wを所定位置まで搬送したら、第1可動保持部材5の移動を停止して脆性材料基板Wの走行を停止させる。
このようにして脆性材料基板Wの走行を停止したら、固定保持部材4によって脆性材料基板Wの巻き出しロール2側の両側端部を保持する。また、固定保持部材4による脆性材料基板Wの保持とは別に、第2可動保持部材7によっても脆性材料基板Wの先端部を保持する。すなわち、第1可動保持部材5が保持している部位より先方を、第2可動保持部材7によって保持する。
続いて、割断装置20によって脆性材料基板Wを幅方向に切断するべく、まず、図3に示すように始端亀裂形成部21によって脆性材料基板Wの割断予定線L上の移動方向(矢印Pと反対の方向)における先端部に、始端亀裂41を形成する。また、これと同時に、あるいは前後して、終端亀裂形成部22によって脆性材料基板Wの割断予定線L上の移動方向における後端部に、終端亀裂42を形成する。このようにして始端亀裂41、終端亀裂42を形成したら、後述する可動板20aの移動に先立ち、この可動板20aに干渉しないよう、始端亀裂形成部21、終端亀裂形成部22をそれぞれの移動機構21b、移動機構22bによって搬送路3上から退避させる。
次いで、レーザ照射部23、冷却剤噴射部24をそれぞれ作動させつつ、図2に示す移動機構25によって可動板20aを矢印P方向に移動(前進)させ、始端亀裂41を形成した脆性材料基板Wの先端部にレーザ光通過領域28の下方を到達させる。すると、加熱域29(図3参照)は脆性材料基板W上に形成され、脆性材料基板Wの先端部がレーザ光Cの照射を受けて加熱処理される。その際、脆性材料基板Wの先端部は冷却剤通過領域30に到達していないため、冷却処理は受けておらず、従って加熱処理のみがなされる初期加工が行われる。
次いで、初期加工に続く中期加工として、レーザ照射部23、冷却剤噴射部24をそれぞれ作動させたまま、移動機構25によって可動板20aをさらに移動(前進)させ、始端亀裂41を形成した先端部に冷却剤通過領域30の下方を到達させるとともに、先端部よりやや後方にレーザ光通過領域28の下方を到達させる。なお、便宜上初期加工、中期加工と表現しているが、これら初期加工から中期加工に移行する間では可動板20aを停止させることなく移動機構25によって一定速度で移動させる。従って、レーザ光Cの照射によって加熱される加熱域29や冷却剤Rによって冷却される冷却域31は、脆性材料基板W上において一定速度で連続的に移動(変化)する。すなわち、これら加熱域29や冷却域31は、可動板20aの移動方向と同じ方向に、一定速度で連続的に移動(変化)する。
このようにして脆性材料基板Wの先端部に冷却剤Rを噴射し、冷却を行うと、先に加熱された部位が急冷される。すると、加熱・冷却作用によって脆性材料基板Wの上面には引張応力が生じ、始端亀裂41の切欠底には応力集中が生じる。そのため、所定の応力が作用すると、始端亀裂41を起点として割断予定線Lに沿って割断線が、進展していく。その際、脆性材料基板Wは極薄のガラス板であるため、レーザ照射部23の加熱条件、冷却剤噴射部24の冷却条件を適切に選択することにより、割断線としてスクライブ線ではなく、脆性材料基板Wにフルカットを行った割断線を形成することができる。
そして、このような中期加工に続く終期加工として、レーザ照射部23、冷却剤噴射部24をそれぞれ作動させたまま、移動機構25によって可動板20aをさらに移動(前進)させ、終端亀裂42を形成した脆性材料基板Wの後端部にレーザ光通過領域28の下方、冷却剤通過領域30の下方を順次到達させ、通過させる。なお、これら中期加工から終期加工に移行する間でも、可動板20aを停止させることなく移動機構25によって一定速度で移動させる。従って、加熱域29や冷却域31は、脆性材料基板W上において一定速度で連続的に移動する。
このようにしてレーザ照射部23による加熱処理、冷却剤噴射部24による冷却処理を割断予定線Lに沿って連続的に行うことにより、割断予定線Lで脆性材料基板Wのフルカット(割断)を行うことができる。
ここで、ガラス板等の脆性材料基板の、初期亀裂をきっかけにして割断されるメカニズムは、一般に、以下のように考えられる。
図4A、図4Bは脆性材料基板Wの断面を示す図であり、これらの図において符号tは脆性材料基板Wの厚みを示し、符号Aは脆性材料基板Wの上面に形成された初期亀裂を示している。
このような脆性材料基板Wを割断するべく、図4Aに示すように初期亀裂Aにレーザ光を照射して加熱すると、初期亀裂A近傍が加熱され、脆性材料基板Wの表層部に加熱域29が形成される。続いて、冷却剤噴射によって脆性材料基板Wの初期亀裂A近傍を冷却すると、初期亀裂A近傍が冷却され、図4Bに示すように脆性材料基板Wの表層部に冷却域31が形成される。その際、先に加熱によって形成された加熱域29は、熱伝導によって脆性材料基板Wの厚み方向に拡がる。
このような図4Bに示す状態において、加熱域29は熱膨張によって伸びようとするが、加熱域29の周囲は加熱による影響をほとんど受けていないため、加熱域29での熱膨張を抑えるように作用し、これによって図4B中に矢印で示すように加熱域29には圧縮応力が働く。
一方、冷却域31は熱収縮によって縮もうとするが、冷却域31の周囲は冷却による影響を大きく受けていないため、冷却域31での熱収縮を抑えるように作用し、これによって図4B中に矢印で示すように冷却域31には引っ張り応力が働く。このように脆性材料基板Wの表層部の冷却域31に引っ張り応力が働くと、この引っ張り応力が初期亀裂Aに作用することにより、初期亀裂Aを起点として脆性材料基板Wを割断させるように作用する。これにより、脆性材料基板Wは初期亀裂Aが成長することにより、脆性材料基板Wの表面にケガキ線を入れたように割断される。
また、特に厚みが300μm以下の極薄の脆性材料基板Wの場合、この脆性材料基板Wに初期亀裂をきっかけにしてフルカット(割断)が行われるメカニズムは、以下のように考えられる。
図5A〜図5Cは極薄の脆性材料基板Wの上面を示す斜視図であり、これらの図においても符号41は脆性材料基板Wの上面に形成された始端亀裂を示し、符号Lは脆性材料基板Wの割断予定線を示している。
このような脆性材料基板Wを割断するべく、図5Aに示すように脆性材料基板Wを矢印Q方向(図2中の可動板20aの移動方向と反対の方向)に移動させつつ、始端亀裂41を含む割断予定線Lに沿ってレーザ光照射による加熱、冷却剤噴射による冷却を順次行うと、厚みが300μm以下の極薄の脆性材料基板Wではレーザ光照射後、速やかに下面まで熱伝導する。即ち、脆性材料基板Wの厚み方向では温度がほぼ均一であるのに対し、脆性材料基板Wの割断予定線L方向では、脆性材料基板Wの厚み方向と比べ温度分布の幅が大きくなる。換言すると、脆性材料基板Wの厚み方向では、変化率の小さい緩やかな温度勾配を持つのに対し、脆性材料基板Wの割断予定線L方向では、変化率の大きい急な温度勾配を持つ(脆性材料基板Wの厚み方向の温度勾配より、脆性材料基板Wの割断予定線L方向の温度勾配が大きい)。そのため、始端亀裂41の成長は、脆性材料基板Wの厚み方向の温度分布よりも、割断予定線L方向の温度分布が支配的となって行われる。
このような状態において、加熱域29は熱膨張によって伸びようとするが、加熱域29の周囲、特に矢印Q方向と反対の領域では加熱による影響をほとんど受けていないため、加熱域29での熱膨張を抑えるように作用し、これによって図5A中に矢印で示すように加熱域29には圧縮応力が働く。
一方、冷却域31は熱収縮によって縮もうとするが、冷却域31の周囲は冷却による影響を大きく受けていないため、冷却域31での熱収縮を抑えるように作用し、これによって図5A中に矢印で示すように冷却域31には引っ張り応力が働く。このように脆性材料基板Wの表層部の冷却域31に引っ張り応力が働くと、この引っ張り応力が始端亀裂41に作用することにより、始端亀裂41を起点として脆性材料基板Wに割断が生じる。
従って、脆性材料基板Wを矢印Q方向に移動させ、レーザ光照射による加熱、冷却剤噴射による冷却を割断予定線Lに沿って連続的に進めると、始端亀裂41を起点とした脆性材料基板Wの割断が割断予定線Lに沿って進行する。
ところが、脆性材料基板Wの矢印Q方向への移動が進み、図5Bに示すように加熱域29が脆性材料基板Wの終端にまで到達すると、加熱域29の周囲には加熱による影響をほとんど受けていない領域が少なく、特に矢印Q方向と反対の側の脆性材料基板Wの領域が存在しない。そのため、加熱域29での熱膨張を抑える力がほとんど働かず、これによって図5B中に矢印で示すように加熱域29は自由に熱膨張しようとする。
同様に、冷却域31では冷却域31の周囲に冷却による影響を大きく受けていない領域が少なく、特に矢印Q方向と反対の側の領域が減少するため、冷却域31での熱収縮を抑える力が弱まり、これによって図5B中に矢印で示すように冷却域31は熱収縮しようとする。
よって、特に冷却域31での引っ張り応力が緩和されるため、始端亀裂41を起点として進行した割断線に十分な引っ張り応力が作用せず、従ってこの割断線の割断予定線Lに沿う進行が停止する。すなわち、脆性材料基板Wの割断予定線L終端部で、始端亀裂41を起点とした割断線Sの進行が停止する。よって、単に始端亀裂41だけを形成してレーザ光照射による加熱、冷却剤噴射による冷却を割断予定線Lに沿って連続的に進めても、カット終端部では必ず切れ残りが発生してしまう。その結果、この脆性材料基板Wの切れ残り部分を割断してフルカットを行うためには、従来と同様にブレーク処理を行う必要がある。
そこで、本実施形態では、図5Cに示すように脆性材料基板Wの終端部に終端亀裂42を形成している。このように終端亀裂42を形成することで、割断予定線L上に生じる引っ張り応力が図5Cに示す終端亀裂42に作用することにより、終端亀裂42を起点として脆性材料基板Wに割断が生じる。
従って、脆性材料基板Wを矢印Q方向に移動させ、レーザ光照射による加熱、冷却剤噴射による冷却を割断予定線Lに沿って連続的に進めると、割断予定線Lの終端部では終端亀裂42を起点とした脆性材料基板Wの割断が割断予定線Lに沿って進行し、先に形成された始端亀裂41を起点とした割断線Sに繋がる。よって、このように終端亀裂42を形成したことにより、割断予定線L上にて始端亀裂41を起点とした割断線Sと終端亀裂42を起点とした脆性材料基板Wの割断とが連続し、脆性材料基板Wが一つの連続した割断線によってフルカットが行はれる。
このようにして脆性材料基板Wを切断したら、割断装置20の可動板20aを矢印P方向と反対の方向に移動させ、初期位置に戻す。そして、切断後の脆性材料基板Wに対する第1可動保持部材5の保持を解除して第1可動保持部材5を固定保持部材4側に移動させ、固定保持部材4が保持している後続の脆性材料基板Wの先端部を保持する。一方、切断後の脆性材料基板Wについては、第2可動保持部材7を搬送方向下流側に移動させることにより、搬送路3上をさらに走行させる(搬送する)。
以下、このような工程を繰り返すことにより、巻き出しロール2から巻き出された脆性材料基板Wを割断装置20によって連続的にフルカットし、所望の寸法にすることができる。
本実施形態に係る割断装置20にあっては、脆性材料基板Wの割断予定線L上の、脆性材料基板Wを移動させる際の移動方向における後端部に、初期亀裂として終端亀裂42を形成する終端亀裂形成部22を備えているので、特に終端亀裂42を起点として脆性材料基板Wのカット終端部でもフルカットを行うことができる。従って、単に終端亀裂形成部22を備えるといった簡易な手法により、カット終端部での切れ残りを無くして割断予定線L全域で確実にフルカットを行うことができる。
また、このような割断装置20による脆性材料基板の割断方法にあっても、初期亀裂として終端亀裂42を形成したので、この終端亀裂42を起点としてカット終端部でもフルカットを行うことができる。従って、単に終端亀裂42の形成を加えるといった簡易な手法により、カット終端部での切れ残りを無くして割断予定線全域でフルカットを行うことができる。
また、始端亀裂41及び終端亀裂42を、共に脆性材料基板Wの非製品品質エリアに形成した。そのため、これら始端亀裂41及び終端亀裂42の切断面が比較的粗いものの、始端亀裂41及び終端亀裂42は、製品品質エリアには形成されないため、製品品質エリアからなる最終的な製品の品質が損なわれるのを防止することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、始端亀裂形成部21、終端亀裂形成部22をそれぞれ独自の移動機構21b、移動機構22bによって移動可能に構成したが、始端亀裂形成部21、終端亀裂形成部22のそれぞれのダイヤモンドカッタ21a、ダイヤモンドカッタ22aを可動板20aに取り付け、あるいはレーザ照射部23に取り付けることにより、可動板20aを移動させる移動機構25によって始端亀裂形成部21(ダイヤモンドカッタ21a)、終端亀裂形成部22(ダイヤモンドカッタ22a)をそれぞれ移動させてもよい。
その場合に、始端亀裂形成部21、終端亀裂形成部22を共に設けることなく、一方の亀裂形成部のみを可動板20aあるいはレーザ照射部23に取り付け、この亀裂形成部によって始端亀裂41の形成と終端亀裂42の形成とを共に行ってもよい。
また、上記実施形態では可動板20aを移動させることにより、脆性材料基板Wに対してレーザ照射部23、冷却剤噴射部24を移動させたが、例えば大判の脆性材料基板Wを複数枚に分割したい場合などでは、レーザ照射部23、冷却剤噴射部24を固定して配置しておき、これらレーザ照射部23、冷却剤噴射部24に対して脆性材料基板Wを移動させてもよい。
また、上記実施形態では、始端亀裂形成部21、終端亀裂形成部22として、カッタホイールであるダイヤモンドカッタ21aやダイヤモンドカッタ22aを用いたが、本発明はこれに限定されることなく、他に例えば、短パルスレーザを用いたアブレーション加工により、始端亀裂41や終端亀裂42を形成してもよい。このような短パルスレーザを用いた場合、非接触で始端亀裂41や終端亀裂42を形成することができるため、マイクロクラックの発生を抑えることができる。
本発明の脆性材料基板の割断装置、及び割断方法によれば、特に終端亀裂を起点としてカット終端部でもフルカットを行うことができる。従って、単に終端亀裂の形成を加えるといった簡易な手法により、カット終端部での切れ残りを無くして割断予定線全域のフルカットを行うことができる。
1 搬送装置
3 搬送路(加工台)
20 脆性材料基板の割断装置
20a 可動板
21 始端亀裂形成部
22 終端亀裂形成部
23 レーザ照射部(レーザ光照射源)
24 冷却剤噴射部(冷却剤噴射源)
25 移動機構(移動手段)
29 加熱域
31 冷却域
41 始端亀裂
42 終端亀裂
L 割断予定線
W 脆性材料基板

Claims (5)

  1. 脆性材料基板を割断予定線に沿って割断する脆性材料基板の割断方法であって、
    脆性材料基板の割断予定線上の、脆性材料基板をレーザ光照射源に対して移動させる際の移動方向における先端部に、初期亀裂として始端亀裂を形成し、かつ、移動方向における後端部に、始端亀裂形成と同時あるいは前後して初期亀裂として終端亀裂を形成する工程と、
    前記脆性材料基板をレーザ光照射源に対して移動させつつ、レーザ光照射源から前記割断予定線上にレーザ光を照射して加熱処理を行う工程と、
    レーザ光による脆性材料基板の加熱処理した部位に対して冷却剤噴射源から冷却剤を噴射し、冷却処理を行って前記割断予定線で前記脆性材料基板を割断する工程と、
    を備える脆性材料基板の割断方法。
  2. 前記脆性材料基板が、周縁部に非製品品質エリアを有し、非製品品質エリアの内側に製品品質エリアを有しており、
    前記始端亀裂及び前記終端亀裂を形成する工程では、これら始端亀裂及び終端亀裂を共に非製品品質エリアに形成する請求項1記載の脆性材料基板の割断方法。
  3. 前記脆性材料基板の前記加熱処理または前記冷却処理を行う領域において、前記領域の厚み方向の温度勾配より、前記脆性材料基板の前記領域における割断予定線方向の温度勾配が大きくなるように、前記脆性材料基板に前記加熱処理及び前記冷却処理を行う請求項1記載の脆性材料基板の割断方法。
  4. 脆性材料基板を割断予定線に沿って割断する脆性材料基板の割断装置であって、
    脆性材料基板を配置する加工台と、
    前記脆性材料基板の割断予定線上の、脆性材料基板を移動させる際の移動方向における先端部に、始端亀裂を形成する始端亀裂形成部と、
    前記脆性材料基板の割断予定線上の、脆性材料基板を移動させる際の移動方向における後端部に、始端亀裂形成と同時あるいは前後して、終端亀裂を形成する終端亀裂形成部と、
    前記脆性材料基板上にレーザ光を照射するレーザ照射部と、
    前記脆性材料基板上に冷却剤を噴射する冷却剤噴射部と、
    前記脆性材料基板を前記レーザ照射部及び前記冷却剤噴射部に対して、または前記レーザ照射部及び前記冷却材噴射部を前記脆性材料基板に対して予め設定された方向に移動させる移動手段と、
    を備える脆性材料基板の割断装置。
  5. 前記移動手段は、前記脆性材料基板に対して前記レーザ照射部及び前記冷却剤噴射部を移動させるように構成され、
    前記始端亀裂形成部及び前記終端亀裂形成部は、前記レーザ照射部と同じ移動路上を移動するように構成されている請求項4記載の脆性材料基板の割断装置。
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