JP6269247B2 - 回転式誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
本発明の実施の形態に係るフードプロセッサ100は、図1から図4に示されるように、主に、本体110、調理羽根150(図4参照)、ワークボウル160、蓋体170、電源コード181(図3参照)および電源プラグ182から構成されている。以下、これらの構成部品についてそれぞれ詳述する。
本体110は、図3から図5に示されるように、主に、外装体111、操作パネル131、モータ132、回転シャフト133、軸受機構135(142)、ベルト伝達機構134、ワークコイル137および電装品ユニット136から構成される。以下、これらの構成部品について詳述する。
外装体111は、樹脂成形体であって、図1〜図4に示されるように、主に、第1筐体部112、第2筐体部113および加熱テーブル114から構成されている。以下、これらの構成について詳述する。
操作パネル131は、図1〜図4に示されるように、第2筐体部113の正面部に配設されている。この操作パネル131には、運転/停止ボタンや、メニューボタン、時間調節ボタン、温度調節ボタン等、種々の操作ボタンが配置されている。なお、この操作パネル131は、図4に示されるように、電装品ユニット136に組み込まれている。このため、使用者によって操作パネル131の各種操作ボタンが押圧されると、電装品ユニット136は、モータ132やワークコイル137等に対し、その操作ボタンに対応する制御を実行する。
モータ132は、通常の電動機であって、図4に示されるように、外装体111の第1筐体部112の収容空間SP1の上部に配設されている。このモータ132は、図4に示されるように、回転シャフト132aが下方に向かって延びるように設置されている。
回転シャフト133は、図4に示されるように、主に、芯部133aおよび調理羽根取付部133bから形成される。芯部133aは、図4に示されるように、第2筐体部113の収容空間SP2から加熱テーブル114の小径円筒部114Bを貫通して上方に延びている。なお、この芯部133aは、図4に示されるように、上側ボールベアリング141および下側ボールベアリング142によって回転自在に軸支されている。調理羽根取付部133bは、芯部133aの上端部の外周を覆うようにして芯部133aの上端部に固定されている。調理羽根取付部133bは、芯部133aの上方に延びている。また、この調理羽根取付部133bには、図2に示されるように、切欠部133cが形成されている。この切欠部133cには、調理羽根150の内側突起部151cが嵌め込まれる。このような嵌込構造によって、調理羽根150が回転シャフト133と共に回転する。
軸受機構135は、図4に示されるように、主に、上側ボールベアリング141、下側ボールベアリング142およびベアリング支持部材143から構成されている。上側ボールベアリング141および下側ボールベアリング142は金属製の軸受であり、図4に示されるように、上側ボールベアリング141は加熱テーブル114の小径円筒部114Bの上端部に配設され、下側ボールベアリング142は加熱テーブル114の小径円筒部114Bの下端部に配設されている。なお、図4に示されるように、本実施の形態において、上側ボールベアリング141はワークコイル137と上下方向に距離D1だけ離間されている。この距離D1は、シャフト133を安定して支持することのみならず、ワークコイル137で生じる磁束の上側ボールベアリング141に対する影響を低減することをも考慮して決定されている。下側ボールベアリング142は、ワークコイル137と上下方向に距離D2だけ離間されている。ベアリング支持部材143は、フェライト製の筒状体であって、上側ボールベアリング141と下側ボールベアリング142の間に配設されており、上側ボールベアリング141および下側ボールベアリング142に結合されている。
ベルト伝達機構134は、図4に示されるように、主に、シャフト側プーリ134a、モータ側プーリ134bおよびベルト134cから構成されている。シャフト側プーリ134aは、図4に示されるように、回転シャフト133の芯部133aの下端部に取り付けられている。モータ側プーリ134bは、図4に示されるように、モータ132の回転シャフト132aの先端部、すなわち下端部に取り付けられている。ベルト134cは、シャフト側プーリ134aとモータ側プーリ134bとに架け渡されている。このため、モータ132が駆動されると、その回転駆動力は、モータ側プーリ134b、ベルト134cおよびシャフト側プーリ134aを介して回転シャフト133に伝達される。そして、モータ132の回転駆動力が回転シャフト133に伝達されると、回転シャフト133の上部に嵌め込まれる調理羽根150が回転する。
ワークコイル137は、図4に示されるように、加熱テーブル114の大径円筒部114Aに収容されている。そして、このワークコイル137は、通電されることによって磁束を発生させ、その磁束によって調理容器161(後述)を自己発熱させる。なお、上述した通り、このワークコイル137は、上側ボールベアリング141をできるだけ加熱しないように、上側ボールベアリング141と上下方向に距離D1だけ離間されている。
電装品ユニット136は、電源コード181や、温度センサ114a、モータ132、ワークコイル137、操作パネル131の各種操作ボタン等に接続されており、電源制御を行ったり、温度センサ114aから取得される温度情報などに基づいてワークコイル137やモータ132の出力制御を行ったりする。
調理羽根150は、図4に示されるように、主に、本体部151および一対の回転刃152から構成される。本体部151は、図4に示されるように、二重筒構造体であって、主に、内筒151aおよび外筒151bから形成されている。内筒151aは、図4に示されるように、内径が回転シャフト133の調理羽根取付部133bの外径とほぼ等しく、回転シャフト133の上部に嵌め込まれる。なお、この内筒151aの外径は、調理容器161(後述)の略中央に設けられる回転シャフト挿通筒161dの内径よりも小さい。すなわち、内筒151aは、ワークボウル160が加熱テーブル114に設置された後に調理羽根150が回転シャフト133に嵌め込まれるとき、回転シャフト挿通筒161dの内側に入り込む(図4参照)。また、この内筒151aには、内周面から内側に向かって突起する内側突起部151cが形成されている。この内側突起部151cは、上述の通り、回転シャフト133の切欠部133cに嵌め込まれる。外筒151bは、図4に示されるように、ワークボウル160が加熱テーブル114に設置され且つ調理羽根150の内筒151aが回転シャフト133の上部に嵌め込まれた状態において、回転シャフト挿通筒161dの外側を覆う。すなわち、外筒151bの内径は、図4に示されるように、回転シャフト挿通筒161dの外径よりも大きい。回転刃152は、図4に示されるように、本体部151の外筒151bの上下方向の下側と、上下方向の中央よりやや下側とにおいて外方に延びるように取り付けられている。なお、この一対の回転刃152は、平面視において、調理羽根150の回転軸を挟んで対向している。
ワークボウル160は、図2および図4に示されるように、主に、調理容器161および容器カバー166から構成されている。なお、本実施の形態において、容器カバー166は、調理容器161に対して着脱自在な構造とされている。以下、調理容器161および容器カバー166ならびに調理容器161に対する容器カバー166の着脱方法について詳述する。
調理容器161は、ステンレス等の電磁誘導加熱可能な金属製容器であって、図2および図4に示されるように、主に、側壁部161a、底壁部161b、フランジ部161c、回転シャフト挿通筒161dおよびリブ部161eから形成されている。側壁部161aは、円筒形状を呈している。底壁部161bは、円環板形状を呈している。すなわち、この底壁部161bの中央部には、開口が形成されている。この底壁部161bは、外縁で側壁部161aと接合されている。フランジ部161cは、図2および図4に示されるように、側壁部161aの上端から略水平方向外側に向かって延びている。回転シャフト挿通筒161dは、円筒形状を呈する部材であって、底壁部161bの開口の縁部分に接合されている。調理容器161が本体110の加熱テーブル114に設置されたとき、この回転シャフト挿通筒161dには、回転シャフト133が挿通される。リブ部161eは、図2および図4に示されるように、側壁部161aの外周面から外側に向かって突起している。このリブ部161eは、図2に示されるように、側壁部161aの高さ方向中央よりもやや下側の位置において周方向に沿って一定間隔で複数設けられている。
容器カバー166は、熱伝導性が低い樹脂成形品であって、図2および図4に示されるように、主に、側壁部166a、取っ手166bおよびリブ部166eから形成されている。側壁部166aは、円筒形状を呈している。なお、この側壁部166aの直径は調理容器161の側壁部161aの直径よりも大きくされており、調理容器161に容器カバー166が装着された状態において、調理容器161の側壁部161aの外周面と、容器カバー166の側壁部166aの内周面との間に略円筒状の隙間(以下「円筒隙間」という)Cr1が生じる。また、本実施の形態において、この円筒隙間Cr1は、調理容器161のリブ部161eおよび容器カバー166のリブ部166eによって一定に保たれている。また、この側壁部166aは、図4に示されるように、調理容器161に容器カバー166が装着された状態において調理容器161の底壁部161bの下面よりも更に下方に延びている。また、上述した通り、この容器カバー166の下端部の内周面には内側に突起する爪部166cが形成されている。そして、この爪部166cが加熱テーブル114の切欠部114bに嵌め込まれた状態において、調理容器161の底壁部161bの下面と、加熱テーブル114の上面との間には略円環状の隙間(以下「円環隙間」という)Cr2が生じる。取っ手166bは、図4に示されるように、略「コ」の字状の部材であって、側壁部166aに取り付けられている。リブ部166eは、図4に示されるように、側壁部166aの内周面から内側に向かって突起している。このリブ部166eは、図4に示されるように、側壁部166aの高さ方向中央よりもやや下側の位置において周方向に沿って一定間隔で複数設けられている。また、このリブ部166eは、図4に示されるように、調理容器161に容器カバー166が装着された状態で、調理容器161のリブ部161eよりも僅かに上側に位置するように設計されている。
先ず、調理容器161に容器カバー166を装着する方法について説明する。
最初に、容器カバー166を蓋装着側が上側を向くようにして台の上に置く。次に、容器カバー166の側壁部166aの内孔に、底壁部側から調理容器161を挿入する。すると、調理容器161のリブ部161eが容器カバー166のリブ部166eの上側部分に当接する。そして、そのまま調理容器161に上から外力をかけていくと、容器カバー166が僅かに変形し、調理容器161のリブ部161eが容器カバー166のリブ部166eを乗り越えて容器カバー166のリブ部166eの下側に位置する。これと同時に、調理容器161のフランジ部161cが容器カバー166の上端側部分に当接する。このようにして、調理容器161に対して容器カバー166が装着される。なお、最初に、調理容器161を底壁部側が上側を向くようにして台の上に置き、容器カバー166を蓋装着側が下側を向くようにして調理容器161に嵌め込んでもかまわない。
容器カバー付調理容器を開口側が下側を向くようにして台の上に置き、調理容器161の底壁部161bを押圧しがら、容器カバー166を上方に引き上げる。このようにして調理容器161から容器カバー166が取り外される。片手で容器カバー166を固定した状態で、調理容器161を下に押し下げて、調理容器161から容器カバー166を取り外してもよい。
蓋体170は、図1〜図3に示されるように、主に、蓋部171、取っ手172および蒸気孔173から構成されている。蓋部171は、図1〜図3に示されるように、円盤状の部材である。なお、この蓋部171には、周囲を覆うように円環状のパッキン174が取り付けられている。取っ手172は、図1〜図3に示されるように、平面視において楕円形の突起物であって、蓋部171の中央に取り付けられている。蒸気孔173は、蓋部171を貫通する孔であって、図1〜4に示されるように、蓋部171の外周部分に形成されている。
電源コード181は、図3に示されるように、第1筐体部112の側面から外方に向かって延びている。電源プラグ182は、図3に示されるように、電源コード181の先端に取り付けられている。
先ず、上述の調理容器に対する容器カバーの装着方法に従って調理容器161に容器カバー166を装着してワークボウル160を形成する。次に、上述の通りにしてワークボウル160を本体110の加熱テーブル114に装着する。このとき、調理容器161がワークコイル137の上方に位置すると共に、上側ボールベアリング141が調理容器161の底壁部161bよりも上方に位置する、すなわち、上下方向において調理容器161の底壁部161bが上側ボールベアリング141とワークコイル137の間に位置することになる。また、このとき、調理容器161の底壁部161bに温度センサ114aが当接し、温度センサ114aを僅かに押し下げる。次いで、ワークボウル160の回転シャフト挿通筒161dに調理羽根150を嵌め込む。続いて、ワークボウル160内に調理素材を投入する。そして、ワークボウル160に蓋体170を装着する。最後に操作パネル131において所望の操作ボタンを押圧して、調理を開始する。調理が開始されると調理羽根150が回転して調理物を切断したり、ワークコイル137による電磁誘導加熱によって調理物を加熱したりする。
(1)
本発明の実施の形態に係るフードプロセッサ100では、ワークコイル137によって上側ボールベアリング141ができるだけ加熱されないように、上側ボールベアリング141がワークコイル137と上下方向に距離D1だけ離間されていると共に、その下にフェライト製のベアリング支持部材143が配設されており、さらに、ワークボウル160の装着時、上下方向において調理容器161の底壁部161bが上側ボールベアリング141とワークコイル137の間に位置するように設計されている。このため、このフードプロセッサ100では、ワークコイル137による上側ボールベアリング141の加熱を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係るフードプロセッサ100では、ワークコイル137によって下側ボールベアリング142ができるだけ加熱されないように、下側ボールベアリング142がワークコイル137と上下方向に距離D2だけ離間されていると共に、その上にフェライト製のベアリング支持部材143が配設されている。このため、このフードプロセッサ100では、ワークコイル137による下側ボールベアリング142の加熱を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係るフードプロセッサ100では、加熱テーブル114において、小径円筒部114Bが、大径円筒部114Aの中央部から上方に向かって延びている。このため、このフードプロセッサ100では、従前のフードプロセッサと異なり、調理物の吹き零れが内部に侵入するのを防止することができる。
本発明の実施の形態に係るフードプロセッサ100では、平面視においてワークコイル137が仮想円周Vcに沿って配設されており、平面透視においてボールベアリング141,142がワークコイル137に囲まれている。そして、平面透視において仮想円周Vcの中心点Pcが回転シャフト133の回転軸Axと一致する。このため、このフードプロセッサ100では、ボールベアリング141,142が局所加熱されるのを防止することができる。
本発明の実施の形態に係るフードプロセッサ100では、平面透視において調理容器161の底壁部161b(後述)の外周側部分に内包されるようにワークコイル137が配置されている。このため、このフードプロセッサ100では、調理運転中、遠心力で外側に押しのけられる調理物を効率的に加熱することができる。
本発明の実施の形態に係るフードプロセッサ100では、平面透視において上側ボールベアリング141とワークコイル137との間に温度センサ114aが配置されており、本体110にワークボウル160が装着された状態でその温度センサ114aは調理容器161の底壁部161bの下面に当接する。このため、このフードプロセッサ100では、調理運転中において調理物の焦げ付きが生じにくい箇所で調理物の正確な温度計測を行うことができる。
(A)
先の実施の形態に係るフードプロセッサ100では特に言及されなかったが、図6に示されるように、平面透視においてボールベアリング141,142とワークコイル137の間に、シールドスリーブ180が配設されてもよい。なお、このシールドスリーブ180は、電気抵抗値が小さい材料から形成されている。かかる場合、シールドスリーブ180は、上下方向において、少なくともワークコイル137の上面の高さ位置からワークコイル137の下面の高さ位置まで延びている必要がある。また、シールドスリーブ180は、上下方向において、上側ボールベアリング141の上面の高さ位置から下側ボールベアリング142の下面の高さ位置まで延びていることが好ましい。また、かかる場合、ボールベアリング141,142は、ワークコイル137の近傍に配設されてもかまわない。
先の実施の形態に係るフードプロセッサ100では上下2箇所にボールベアリング141,142が配設されたが、下側ボールベアリング142が省略されて上側ボールベアリング141のみとされてもよい。なお、かかる場合、上側ボールベアリング141とシャフト側プーリ134aの間にサポート用のスリーブが設けられるのが好ましい。
先の実施の形態に係るフードプロセッサ100では上下方向においてワークコイル137を挟むようにボールベアリング141,142が配設されたが、上下方向においてワークコイル137の上方に2つのボールベアリング141,142が配設されてもよい。
先の実施の形態に係るフードプロセッサ100では上下方向における上側ボールベアリング141からワークコイル137までの離間距離D1と、下側ボールベアリング142からワークコイル137までの離間距離D2とが相違していたが、これらの距離D1,D2は同一距離とされてもよい。
先の実施の形態に係るフードプロセッサ100ではワークコイル137が円環形状とされたが、ワークコイル137は、複数の円弧形状の分割片から構成されてもよい。
114a 温度センサ(温度計測部)
132 モータ(回転動力部)
133 回転シャフト(シャフト)
137 ワークコイル(磁束発生部)
141 ボールベアリング(軸受)
161 調理容器
161b 底壁部(調理容器の底壁)
180 シールドスリーブ(遮蔽板)
D1 距離(第1距離)
Pc 中心点(仮想円周の中心点)
Ax 回転軸(シャフトの回転軸)
Vc 仮想円周
Claims (7)
- 磁束を発生させる磁束発生部と、
回転動力部と、
前記磁束発生部および前記回転動力部を収容する筐体と、
前記磁束発生部および前記筐体を貫通して上方に延び、前記回転動力部によって駆動される1本のシャフトと、
前記磁束発生部の上方に第1距離離間して配設され、前記シャフトを回転自在に支持する1つの第1軸受と、
前記磁束発生部の下方に第2距離離間して配設され、前記シャフトを回転自在に支持する1つの第2軸受と
を備える、回転式誘導加熱調理器。 - 前記第1軸受は、平面透視または平面視において前記磁束発生部に囲まれている
請求項1に記載の回転式誘導加熱調理器。 - 前記磁束発生部は、平面視において仮想円周に沿って配設されており、
前記仮想円周の中心点は、平面透視または平面視において前記シャフトの回転軸と一致する
請求項2に記載の回転式誘導加熱調理器。 - 前記磁束発生部の上または上方に配設される調理容器をさらに備え、
前記第1軸受は、前記調理容器の底壁よりも上方に位置する
請求項1から3のいずれか1項に記載の回転式誘導加熱調理器。 - 前記磁束発生部は、平面透視において前記調理容器の底壁の外周側部分に内包されるように配設される
請求項4に記載の回転式誘導加熱調理器。 - 平面透視において前記第1軸受と前記磁束発生部との間に配設される温度計測部をさらに備える
請求項5に記載の回転式誘導加熱調理器。 - 平面視において、前記第1軸受と前記磁束発生部との間に配設される遮蔽板をさらに備える
請求項1から6のいずれか1項に記載の回転式誘導加熱調理器。
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