本願で開示する電動調理器は、底部中央に軸通筒を備える調理容器と、前記調理容器の上部開口を閉塞可能な蓋体と、前記調理容器を載置する載置台と、前記載置台上に突出させた駆動軸と、前記駆動軸を回転させる回転機構と、前記載置台上に載置された前記調理容器を加熱する加熱手段と、前記加熱手段と前記駆動軸の回転とを制御する制御部とを有する本体部と、前記調理容器内で前記駆動軸の回転により回転するカッターとを備えた電動調理器であって、前記蓋体の中心部分から所定の距離離れた位置に、前記調理容器の内部空間と外部とを連通する蒸気口が形成され、前記蒸気口の前記調理容器内部側の内部開口は、前記蓋体の主面に沿う方向であって、当該内部開口が形成されている位置における前記カッターの回転方向の上流側に対して直交する方向から下流側に向かう方向までの間のいずれかの方向に向かって形成されている。
本開示にかかる電動調理器は上記の構成を備え、特に、蓋体に形成された蒸気口の内部開口が、蓋体の主面に沿う方向であって、かつ、内部開口が形成されている位置におけるカッターの回転方向の上流側に対して直交する方向から下流側に向かう方向までの間のいずれかの方向、すなわち、カッターの回転方向に向き合う方向とは異なる方向に向かって形成されている。このため、カッターの回転により調理容器内を移動する被調理物が、内部開口から蒸気口の内部に入り込むことを、開口部自体の形状によって防止することができる。この結果、本願で開示する電動調理器では、調理容器内に所定の量以上の被調理物が投入された場合や、調理途中で具材が追加された場合などであっても、カッターの回転に伴って、蒸気口から蒸気と共に被調理物が飛び出してしまうという不所望な事態を効果的に防止することができる。
本開示にかかる電動調理器では、前記内部開口を形成する一対の側壁部の内、前記カッターの回転方向における上流側、もしくは、前記蓋体の外周側に位置する側の側壁部から衝立状のリブが形成されていることが好ましい。このようにすることで、内部開口の開口方向に加えてリブによっても、被調理物が内部開口の内部へと入りにくくなり、被調理物の外部への飛び出しを防止することができる。
また、前記リブは、少なくとも前記内部開口に隣接する部分の高さが、前記内部開口の前記蓋体の厚み方向における開口幅と同じもしくはより高く形成されていることが好ましい。このようにすることで、リブによって被調理物が内部開口から蒸気口内へと入り込むことを一層効果的に防止することができる。
さらに、前記内部開口は、前記蓋体の中央部と外周部との略中間部分よりも外周部側の位置に形成され、前記内部開口の開口方向は、前記蓋体の中心部側であり、前記内部開口において、前記カッターの回転方向の上流側に位置する側壁部から延在するリブが形成されていて、前記リブは、前記蓋体の中心部を越えて延在していることが好ましい。このようにすることで、リブの延在方向の長さを十分大きくすることができ、リブによって被調理物が蒸気口へと入り込むことを防止する効果を、より確実に発揮させることができる。
この場合において、前記蓋体は、前記蓋体の外面側と内面側に配置された一対のプレート部材を備え、前記蒸気口は、前記一対のプレート部材を貫通して形成され、前記プレート部材のうちの外面側に配置された部材には、前記蓋体をユーザが保持可能とするつまみ部となる突出部が形成され、前記プレート部材のうちの内面側に配置された部材には、前記蒸気口の前記内部開口を前記蓋体の面方向に向けて形成するカバー部と、前記内部開口の側壁部から延在するリブが形成されていることが好ましい。このようにすることで、ユーザが蓋体を保持するためのつまみ部と、蒸気口、蒸気口の内部開口とリブとが形成された蓋体を、一対のプレート部材を組み合わせることで容易に構成することができる。
以下、本願で開示する電動調理器について、具体例を示しながら図面を参照して説明する。
(実施の形態)
以下では、本願で開示する電動調理器の実施の形態として、加熱手段としての誘導加熱コイルを備えたフードプロセッサーであって、調理容器内部に配置された伝達軸に、調理目的に応じて各種カッターを交換可能に固定でき、制御部によって誘導加熱コイルから調理容器に加えられる熱量と、カッターを回転させる駆動軸の回転とを制御して、各種調理をプログラム可能なものを例示して説明する。
本実施形態にかかるフードプロセッサーは、野菜や魚肉類のみじん切り等の他に、ジュースやスープなどの液体、パン粉などの粉体を用いた調理に加え、加熱と撹拌や具材の切断とを同時に行って、各種のスープやシチュー、カレーのルーなどを調理可能なものである。
図1は、本実施形態にかかるフードプロセッサーの全体構成を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態にかかるフードプロセッサーの各部の構成を示す分解斜視図である。
図1に示すように、本実施形態でその形状を例示するフードプロセッサーは、本体部1と本体部1の載置台1c上に載置された調理容器2と、調理容器2の上部開口を覆って閉塞可能な蓋体3とを備えている。
本体部1は、その上面が載置台1cを形成する本体下部1aと、本体下部1aの載置台1c部分以外の部分の上方に配置された側面側上部1bとで構成されている。また、本体部1の内部には、調理容器2内に配置される調理刃(ブレード)4a付きのカッター4を回転させる、図1、図2では図示しない回転機構が内部に収容されている。
本体下部1aの上面として形成された載置台1cは略円形に構成され、載置台1cの中央部からは、調理容器2の内部に挿通されてカッター4を回転させる駆動軸5が突出している。なお、載置台1cは、その中央部分1c1がより高く、周辺部分1c2がより低く形成されている。また、本実施形態にかかるフードプロセッサーでは、図1、図2では図示しない加熱手段としての誘導加熱コイルで調理容器2を加熱する際に、調理容器2の温度を制御して各種の調理プログラムを実行可能とするため、載置台1cの駆動軸5配置部分の側方に調理容器2が載置された際にその底部と接触して調理容器2の温度を検出する温度センサ6が配置されている。
本体部1の側面側上部1bは、載置台1c上に載置された調理容器2の一部を側方から包み込むように載置台1c側の側面が湾曲凹面に形成されている。このようにすることで、調理容器2を本体部1に対して正しい位置に載置し易くすると共に、調理容器2が載置された状態での機器外観のデザイン性を向上させている。側面側上部1bの、調理容器2に対向する面とは反対側の上方部分には、側面側上部1b内への冷却風の取り入れ口である上部吸気口7が形成されている。
本体下部1aの、側面側上部1bが配置された側とは反対側の側面(図1、図2における左側の側面)には、フードプロセッサーを動作させるための操作部8が配置されている。操作部8には、電源スイッチや各種の操作ボタン、操作ダイヤル、また、設定されたプログラムの内容やフードプロセッサーの動作状態を表示するためのランプや表示デバイスとしての液晶パネルなどが必要に応じて適宜配置される。なお、図1および図2で示した操作部8の配置位置は例示であって、操作部8の配置位置は、本実施形態において操作部が配置されている本体下部1aの側面側上部1bが配置された側の側面とは反対側の側面二は限られず、本体部1の他の側面、すなわち、図1、図2における手前側、奥側、または、右側に位置する本体下部1aの側面、さらには、側面側上部1bに配置することも可能である。
本体下部1aの底面には、フードプロセッサーが載置されるテーブルや流し台などの表面から本体部1の底面を離間させることができる複数個の脚部9が配置されている。このようにすることで、載置される面に微細な凹凸や段差がある場合でもフードプロセッサーを安定して載置することができ、また、本体部1の底面と載置面との間の空間が確保できる。
本実施形態のフードプロセッサーの調理容器2は、内部に被調理物を入れて調理を行うワークボウル2aと、ワークボウル2aの外側を覆うカバー部材2bとで構成されている。
ワークボウル2aは、誘導加熱コイルからの誘導磁界によって渦電流を生じさせることができるように、ステンレスなどの金属材料で構成された略有底円筒状の部材である。ワークボウル2aの底面中央には、調理容器2を載置台1c上に載置した際に、載置台1c上に突出する駆動軸5を内蔵する軸カバー11の外表面を覆う軸通筒12が配置されていて、軸通筒12にカッター4を被せるように配置することで、駆動軸5の回転によりカッター4が回転するようになっている。
ワークボウル2aの上端部分には、外方へ延出した鍔部13が形成されている。また、ワークボウル2aの外側面には、外方へ突出するリブ14が断続的に複数個配置されている。
カバー部材2bは、ワークボウル2aの側面を覆う円筒状の部材であり、カバー部材2bの上端縁にワークボウル2aの鍔部13が重なって、ワークボウル2aを保持する。カバー部材2bの内側表面には、ワークボウル2aのリブ14と係合する突起部15(図3参照)が形成されていて、ワークボウル2aとカバー部材2bとが着脱可能となっている。カバー部材2bの側面には把手16が固着されていて、ユーザは把手16を用いて、ワークボウル2aとカバー部材2bとが一体化された調理容器2を持ち運びすることができる。
また、ワークボウル2aが固着された状態で、ワークボウル2aの側面外側とカバー部材2bの側面内側との間には所定の間隔が形成されるようになっている。このため、誘導加熱コイルによってワークボウル2aの温度が高くなっている場合でも、ユーザは、把手16を用いて調理容器2を安全に持ち運びすることができ、また、本体部1に載置した状態で不用意に調理容器2の部分に触れた場合でも、やけどなどをする危険からユーザを保護することができる。
本実施形態のフードプロセッサーでは、ワークボウル2aが固着された状態で、カバー部材2bの底部がワークボウル2aの底面よりも下方側に延出するようになっていて、調理容器2を本体部1の載置台1c上に載置した際、カバー部材2bの延出部分が載置台1cの周辺部分1c2に位置するようになっている。このようにすることで、調理容器2を載置台1c上に載置した際に、載置台1cの中心位置と調理容器2の中心位置とを容易に一致させることができ、ワークボウル2aの底面中央の軸通筒12に正しく軸カバー11が嵌り込むようにすることができる。また、本実施形態のフードプロセッサーでは、載置台1cの中央部分1c1が高くなっていることで、載置台1c上に配置されたワークボウル2aの底面と載置台1cの裏側面に配置された誘導加熱コイルとの距離を小さくして、ワークボウル2aの加熱効率を高く維持することができる。
なお、本実施形態のフードプロセッサーの調理容器では、カバー部材2bと把手16とが樹脂で一体成型された構成を例示しているが、把手16の少なくともその一部分をカバー部材2bとは別の部材で構成することもできる。
蓋体3は、一例として透明なガラス材料または樹脂材料により形成されていて、調理容器2のワークボウル2a上側の開口部分を閉塞することが可能な略円板状の部材である。蓋体3の上面中央には、ユーザが蓋体を保持できるようにつまみ部17が形成されている。また、本実施形態のフードプロセッサーでは、蓋体3によって調理容器2の上部開口が密閉閉塞されてしまうと加熱調理中に調理容器2の内部空間の圧力が上昇するため、蓋体3には調理容器2の内部空間と外部とを連通する蒸気口18が配置されていて、蓋体3を装着した状態でも調理容器2の内部空間が密閉されないようになっている。
蓋体3の周辺部分には、蓋体3がワークボウル2aの上面を覆った際に、ワークボウル2aの鍔部13とカバー部材2bの上端とに当接可能な厚肉の枠部19が配置されている。枠部19には、カバー部材2bの把手16の上端部分と係合する第1の突起部19aと、本体部1の側面側上部1cの上端部に形成された溝部1dに係合する第2の突起部19bとが形成されていて、本体部1、調理容器2、蓋体3を一体化することができるようになっている。
図3は、本実施形態のフードプロセッサーの内部の構成を説明するための側断面図である。図3は、フードプロセッサーを調理容器2の把手16の中心線と本体部1の側面側上部1bの中心部とを結ぶ直線で分断した時の断面構成を示している。
図3に示すように、本体部1の本体下部1aの上面として載置台1cの中心部分を貫通して駆動軸5が配置されている。また、本体部1の側面側上部1bの内部にはモーター20が配置されている。モーター20のシャフト21に接続された回転板22の回転が、連動ベルト23によって駆動軸5の下端部に固定されたプーリー24に伝えられることで、駆動軸5が所定の回転数で回動する。このように、本実施形態のフードプロセッサーでは、モーター20、シャフト21、回転板22、連動ベルト23、プーリー24が、駆動軸5を回転させる回転機構を構成する。
モーター20のシャフト21は、モーター20の上方側にも伸びていて、発熱するモーター20の温度を下げるために、モーター20の上方に配置されるモーターファン25の回転軸と兼用されている。モーター20は、シャフト21を回転させることで駆動軸5を回転させると同時に、自身を冷却するためのモーターファン25を回転させる。
載置台1c上に突き出た駆動軸5は軸カバー11で覆われている。調理容器2が載置台1c上の所定の位置に載置されると、軸カバー11が調理容器2のワークボウル2a底部中央に形成された軸通筒12の内部に挿入され、駆動軸5が回転すると調理容器2の軸通筒12内部で軸カバー11が同様に回転する。
軸カバー11の上端部に、カッター4の中心軸であるカッター軸部4bを被せるように差し込むことで、軸カバー11の外表面とカッター軸部4bの内表面とが摺接されるとともに、軸カバー11とカッター軸部4bとに形成された凹凸部が嵌合するようになっていて、カッター4を駆動軸5の回転に伴って回転可能なように取り付けることができる。
このとき、調理容器2のワークボウル2a底部に形成された軸通筒12は、カッター軸部4bに形成された空洞部分の内側に差し込まれる状態となるため、軸通筒12はカッター4の回転の妨げとはならないようになっている。なお、カッター4には、そのカッター4を用いて行う調理目的に応じた形状のブレード4aが固着されている。本実施形態のフードプロセッサーでは、調理目的に応じて、図2、図3において図示した調理刃である切断用のブレード4aに限らず、円板に複数個の開口部と微小突起が形成されたおろし金や、板状または棒状の突起物などによる撹拌部材、パン生地などを捏ねる羽根状部材など、各種形状の部材がブレード4aに替わって固着されたカッター4を交換可能に装着できる。
その上方に調理容器2のワークボウル2aの底面が配置される載置台1cの裏面、すなわち、載置台1cの本体部1の内部側の面には、平面視したとき環状である誘導加熱コイル26が配置されている。誘導加熱コイル26は、その環状中心が駆動軸5に略一致するように配置されている。このように、誘導加熱コイル26の中心を駆動軸5と略一致させることで、誘導加熱コイル26をワークボウル2aの底面とほぼ同軸の状態で配置することができ、ワークボウル2aを効果的に暖めることができる。なお、誘導加熱コイル26の中心を駆動軸5と略一致させることで、誘導加熱コイル26は、駆動軸5の下端部に固着されたプーリー24とも略同軸状に配置されることになる。
本実施形態にかかるフードプロセッサーでは、本体下部1aの内部に、駆動軸5を回動可能に支持すると共に、シャフト21が回動可能な状態でモーター20を支持するベースプレート27が配置されている。ベースプレート27は、剛性の高いメッキ鋼板などの金属製部材で形成されていて、回転機構を構成するモーター20のシャフト21や駆動軸5が傾いたり、シャフト21と駆動軸5との間の距離が変動したりすることを防止して、連動ベルト23を介して、モーター20のシャフト21に接続された回転板22の回転を確実に駆動軸5に固定されたプーリー24へと伝えることができる。ベースプレート27は、その主面方向が水平方向となるように、本体下部1aの内部に略水平に配置されている。
また、本実施形態のフードプロセッサーでは、シャフト21の回転を駆動軸5に伝達する回転板22、連動ベルト23、プーリー24をベースプレート27の下面側に配置し、ベースプレート27の上面側にモーター20を配置している。なお、誘導加熱コイル26は、載置台1cの裏面に配置されているため、ベースプレート27の上面側に位置していて、モーター20と誘導加熱コイル26とは、いずれもベースプレート27の上面側で水平方向、すなわち、ベースプレート27の配置方向に平行となる位置に並ぶように配置されていることとなる。
本体下部1aのプーリー24の配置位置よりもさらに下側には、モーター20や誘導加熱コイル26などのフードプロセッサーの各部分へ必要な電源を供給する電源回路部品や、フードプロセッサーの各部分の状態を検出したり動作を制御したりする制御回路部品などの各種電気回路部品28が搭載された回路基板29が配置されている。
本実施形態にかかるフードプロセッサーでは、回路基板29上に配置された電気回路部品28の一つとしてのマイクロコンピュータが制御部としての機能を果たす。制御部であるマイクロコンピュータは、操作部8によりユーザから入力指示された調理内容にしたがって、温度センサ6からの信号として入力される調理容器の温度情報に基づいて、誘導加熱コイル26に投入される電力量を制御することで、調理容器2の温度を所定の温度となるように制御する。また、制御部は、モーター20のコイルに流れる電流量を直接制御することで、モーターの回転/停止と回転時の回転数とを制御し、回転機構を介して回転が伝えられる駆動軸5の回転を制御する。制御部が駆動軸の回転を制御することで、駆動軸とともに回転する調理容器2内のカッター4の回転を制御することができる。
なお、制御部は、上記例示したマイクロコンピュータで構成する場合に限られず、加熱手段から調理容器に加えられる熱量と、カッターを回転させる駆動軸の回転を制御することができる従来公知の制御回路手段、例えば、論理回路の組合せ等によって形成することも可能である。また、制御部は、制御プログラムや動作経歴などを記憶する記憶手段を備える構成とすることができる。さらにまた、上記では、制御部を回路基板29上に配置した例を示したが、制御部を操作部8の回路基板上、または、本体部内の他の部分に配置された電気回路基板上に配置することもできる。
回路基板29のさらに下方の本体下部1aの底面近傍には、回路基板29と操作部8との間の部分に、冷却ファンである本体ファン30が配置されている。また、本実施形態にかかるフードプロセッサーでは、本体ファン30の配置位置に対応して本体下部1aの底面に、底面吸気口31が形成されている。
本体ファン30は、底面吸気口31から外部の空気を吸い込んで、動作時に高温となる誘導加熱コイル26と発熱源となる回路基板29上に配置された電気回路部品28とに冷却風を送風する。なお、本実施形態のフードプロセッサーでは、本体ファン30の約半分が回路基板29と重なるように配置すると共に、回路基板29の端部であって本体ファン30の回転軸の上方に相当する位置に仕切り板32を形成し、本体ファン30からの冷却風が、誘導加熱コイル26と回路基板29上の電気回路部品28との双方に確実に供給されるようになっている。
本体下部1aの底面における底面吸気口31とは反対側の位置、すなわち、モーター20が配置されている位置の下方に相当する部分には、第1の排気口33が形成されている。第1の排気口33は、本体部1の上部に配置された上部吸気口7と本体部1の底面に配置された底面吸気口31とから本体部1内に吸入された冷却風の出口となる。
また、本実施形態のフードプロセッサーでは、回路基板29と対向する位置の本体部1の底面に、第2の排気口34が形成されている。第1の排気口33と第2の排気口34との間には、回路基板29の配置部分とモーター20配置部分の下方部分との空間を分離する隔壁35が配置されている。
本実施形態のフードプロセッサーでは、回転機構を支持するベースプレート27が、モーター20のシャフト21と駆動軸5との位置関係を規定してシャフト21の回転を駆動軸5へと確実に伝達させるための部材として機能すると同時に、ベースプレート27が、本体部1内の冷却風の通風経路の形成にも寄与して、本体部1内の発熱部品を効率的に冷却することができる。特に本実施形態のフードプロセッサーでは、より細かな温度制御を可能とするために、加熱手段として高温となる誘導加熱コイルを用いているため、本体部内部の空気の流れを制御して本体部内部の温度が異常な高温となることがないように配慮されている。
図4は、本実施形態にかかるフードプロセッサーの蓋体3の構成を説明する断面図である。図4は、蓋体3を枠部19の第1の突起部19aと第2の突起部19bとを結ぶ方向に切断した状態を示す図であり、本体部1の断面構成を説明した図3と同じ方向から見た状態の断面を示す。
図4に示すように、本実施形態のフードプロセッサーの蓋体3は、蓋体3の本体部分を構成する平面視円形状で板状の透明部材41の外周部分を、外面側、すなわち調理容器2が位置する方向とは反対の方向に配置された平面視円環状の枠部19と、内面側、すなわち調理容器2が位置する側に配置された平面視円環状の内部枠部43とが挟むことで構成されている。なお、透明部材41の外周には、平面視円環状の樹脂製シール部材42が配置されていて、樹脂製シール部材42を枠部19と内部枠部43とで覆うことで気密性を確保している。
蓋体3の枠部19は、蓋体3が調理容器2の上部開口を塞いで配置されるとき、ワークボウル2aの上端部分に形成された外方へ延出した鍔部13と、ワークボウル2aの外側に配置されるカバー部材2bの上端とを、上方から被さるように覆うことができる所定の幅を有している。また、蓋体3が、調理容器2の上部開口を塞いで配置されるとき、内部枠部43の外周面部分がワークボウル2aの内側側面の上端部分に当接するようになっている。ワークボウル2aと、蓋体3の内部枠部43との間に隙間ができないように、内部枠部43の外側には、平面視円環状の樹脂製パッキン44が配置されていて、蓋体3が正しく調理容器2の上部開口を塞いだ際の気密性を確保している。
本実施形態のフードプロセッサーの蓋体3では、透明部材41の中心部分に第1の貫通孔41aが、また、中心部分と周辺部分との略中間部分であって、少し外周部分側に近い部分に第2の貫通孔41bが形成されている。そして、この2つの貫通孔41a、41bを介して透明部材41の外面側に配置されたプレート部材である外側プレート46と、透明部材41の内面側に配置されたプレート部材である内側プレート47とからなる一対のプレート部材45が、透明部材41を挟んで配置されている。
以下、内側プレートの形状を示す図5をさらに参照して、プレート部材の詳細な形状について説明する。なお、図5(a)は、内側プレートを調理容器側から見た平面図であり、図5(b)は、内側プレートの側面図である。図5(b)は、図5(a)における矢印A方向から内側プレートを見た状態を示している。
外側プレート46は、蓋体3の外面側に位置し、透明部材41の外側表面に沿って配置される板状部分46aと、平面視円形状の蓋体3の中心部分に配置されてユーザが蓋体3を保持可能とするつまみ部17となる突出部46bとを有している。また、板状部分46aには、蓋体3を貫通する蒸気口18を形成するための開口部46cが形成されている。
内側プレート47は、平面視した形状が外側プレート46とほぼ同一の形状であり、透明部材41を挟んで固着された際には、厚さ方向に見たときに外側プレート46とほぼ重なった状態となるように配置される。内側プレート47は、透明部材41の内側表面に沿って配置される板状部材47aと、板状部材47aの外面側の面、すなわち透明部材41と接する側の面47a1(図5(b)参照)に、いずれも蓋体3の外面側へと突出して配置されることとなる、略中密の円柱状突起部47bと中空の円筒状突起部47cとを備えている。円柱状突起部47bは、蓋体3の中心部分において透明部材41に形成された第1の貫通孔41aを貫通して配置される。円柱状突起部47bと外側プレート46のつまみ部17となる突出部46bの内側部分が、ネジ48によって螺結されることで、一対のプレート部材45(46、47)が透明部材41を挟んだ状態で固着される。円筒状突起部47cは、外側プレート46と内側プレート47とが透明部材41を挟んで固着された際に、透明部材41の第2の貫通孔41bと外側プレート46の開口部46cを貫通して、外側プレート46の外面側まで連通する高さを有していて、中空の円筒状突起47cの内側の空間が、蓋体3を載置した際の調理容器2の内部空間と外部とを連通する蒸気口18を構成する。
内側プレート47の板状部材47aの内面側の面47a2には、外面側の面47a1において円筒状突起部47cが配置されている位置に、中空のドーム形状であり、断面が略アーチ型のカバー部47dが配置されている。カバー部47dの内部の空間は、内側プレート47の板状部材47aを貫通して円筒状突起部47cに連通している。このため、カバー部47dによって、蓋体3を貫通して形成される蒸気口18の通気経路は、蓋体3の内面側で蓋体3の中心方向に曲げられていることとなり、カバー部47dの開口であり蒸気口18の調理容器2内部側の開口となる内部開口47eは、蓋体3の主面(透明部材41が形成する平面)に沿う方向であって、蓋体3の中心部方向に向かって形成されていることとなる。また、カバー部47dの側壁部の一方、図5(a)において図中上側に位置する側壁部から、内部開口47eが形成されている部分における当該側壁部を内部開口47eが向いている方向に向かって延長するように、衝立状のリブ47fが形成されている。
図6は、本実施形態のフードプロセッサーにおける、蓋体3の内面側の構成を示す斜視図である。
図6において、調理容器2内に配置されたカッター4の回転方向を白矢印50として示す。調理容器2内でカッター4が白矢印50の方向に回転すると、カッター4の回転に伴って、調理容器2内の被調理物も白矢印50の方向に回転する。本実施形態のフードプロセッサーでは、内側プレート47に形成されたカバー部47dによって、蓋体3を貫通して形成された蒸気口18の通気経路が規定され、蒸気口18の内部開口47eは、蓋体3の主面に沿った方向で、かつ、調理容器2の中心方向である、図6において白矢印51で示す方向に向かって形成されている。
また、内部開口47eを形成するカバー部47dの一対の側壁部の内、カッター4の回転方向50における上流側、すなわち、白矢印50の根元側方向に位置するカバー部47dの側壁部から延在して、リブ47fが形成されている。
なお、リブ47fの内部開口47eに隣接する部分は、カバー部47dの高さと同じ高さとなっているため、リブ47fの内部開口47eに隣接する部分の高さは、カバー部47dの厚みの分だけ、内部開口47eの蓋体3の厚み方向における高さよりも高く形成されていることになる。また、本実施例のフードプロセッサーでは、内部開口47dを形成するカバー部47dが、終端部が略球状に形成された円筒をその直径に相当する部分で半分に切断したようなドーム形状となっているため、内部開口47eの形状は矩形状ではなく半円形のアーチ状となっている。このため、リブ47fの内部開口47eに隣接する部分は、内部開口47eの側方部分を覆うためにリブ47fの延在方向に対して垂直に形成された側面部分47f1が形成され、平面視したときのリブ47fは、略「L」字状となっている。
なお、本実施形態のフードプロセッサーにおける、蓋体3に形成されたリブ47fは、平面視した際の円板状の蓋体3の中心部を越えて延在して形成されている。また、リブ47fの、蓋体3中心部側の端部近傍47f2は、調理容器2内に配置されるカッター4の上端部分との干渉を避けるために、その高さが徐々に低くなるように形成されている。このように、本実施形態にかかるフードプロセッサーでは、蓋体の中心部を越えて延在させると共に、カッターの上端部分との干渉を回避するために先端部の高さを低くした形状のリブを備えることで、調理容器の深さを小さく抑えると共に平板状の蓋体を採用することができ、蓋体で上部開口を閉塞された調理容器が本体部の載置台上に載置されている状態での、電動調理器全体としてのデザイン性を高めることができる。また、リブ47fを蓋体の中心を超えた位置まで届く長さを有して形成することにより、調理容器内部空間の中心部分から、蒸気口18を通って外部へと繋がる、被調理物によって遮られにくい蒸気経路を形成することができる。このため、被調理物から大量の蒸気が一度に発生した場合でも、上記を効率よく外部へ放出することができる。
本実施形態のフードプロセッサーでは、上記のように蓋体3に形成された、調理容器2の内部空間と外部とを繋ぐ蒸気口8の調理容器2内部側の内部開口47eが、蓋体3の主面に沿う方向であって、蓋体3の中心部の方向(矢印51の方向)に向けて形成されている。この蓋体3の中心部に向かう方向51は、内部開口47eの配置位置におけるカッター4の回転方向50の上流側の方向、すなわち、蓋体3の中心を中心とする円の、内部開口47eの配置位置での接線方向に直交する方向である。このように、調理容器2内に配置されたカッター4の回転に伴って回転する被調理物の移動方向50とは90度異なる直交する方向51に向かって内部開口47eが形成されていることで、被調理物の移動方向が内部開口47eを形成するカバー部47dの上流側に位置する側壁部によって塞がれる。この結果、本実施形態にかかるフードプロセッサーでは、カッター4の回転方向50に移動する被調理物が、内部開口47eから蒸気口18の内部へと浸入することを、内部開口47eを形成する構造自体によって効果的に防止することができる。
また、本実施形態のフードプロセッサーでは、内部開口47eを形成するカバー部47dの一対の側壁部の内、調理容器2内でのカッター4の回転方向50における上流側の側壁部から、側壁部の延長方向に延在形成されたリブ47fを備えている。このため、カッター4の回転方向に移動する被調理物が内部開口47eから蒸気口18の内部へと浸入することを、リブ47fによっても効果的に遮ることができる。
本実施形態にかかるフードプロセッサーは、本体部1の内部に配置された制御部が、加熱手段である誘導加熱コイル26に投入される電力と、カッター4とともに回転する駆動軸5を回転させるモーター20の回転とを制御して、調理容器2を加熱しながら適宜カッター4を回転させて各種の料理を自動的に調理することができる、いくつかの調理モードを備えている。
この調理モードの中で、例えば「飲むスープ」モードは、ポタージュスープ等の具材が細かく砕かれた状態で混じっている、比較的きめが細かく流動性が低いスープを調理するモードである。「飲むスープ」モードでは、ユーザは、被調理物として水と各種の具材とを調理容器2内に収容して、蓋体3で調理容器2の上部開口を閉塞した後、調理開始のボタン操作をするだけで、その後は制御部が調理容器2の温度とカッター4の回転数とを制御して、具材が微細な粒子状に粉砕された状態のスープを調理する。ここで、本実施形態にかかるフードプロセッサーにおける「飲むスープ」モードでは、さまざまな具材をなるべく細かく粉砕するために、カッター4を高速で回転させる調理工程の前に、スープを十分に加熱して具材を柔らかくすると共に具材を所定の大きさに切り揃えることを目的として、制御部が、調理容器2を高温状態に保ちながらカッター4を間欠的に回転させる調理工程を備えている。
このような、調理容器2内に所定量以上の水と、ある程度の大きさを保った状態の具材が含まれている状態で、カッター4の刃が停止状態から所定の回転数で回転を開始した場合には、カッター4の刃によって調理容器2内部がかき混ぜられることで、調理容器2内部の蒸気が蒸気口18から勢いよく飛び出す場合がある。このとき、特に、ユーザが所定量よりも大量の具材を調理容器2内に入れていた場合や、調理開始後に具材を追加したために、まだ十分に水分を含まず柔らかくなっていない具材が混じっている場合には、蒸気と共に一部の具材が蒸気口18から外部へと飛び出すおそれがある。
本実施形態のフードプロセッサーは、蒸気口18の調理容器2内部側の構成として、内部開口47eの開口方向51を蓋体3の主面に沿った方向で、かつ、蓋体3、すなわち、調理容器2の中心側に向けた方向に形成している。さらに、本実施形態のフードプロセッサーでは、内部開口47eの配置位置におけるカッター4の回転方向50、すなわち、被調理物が移動する方向における上流側に、内部開口47eの側壁部を延在するように形成された衝立状のリブ47fを備えている。このため、蒸気口18から蒸気が勢いよく飛び出すような状態であっても、被調理物が内部開口47eから蒸気口18の内部に入り込むことを効果的に防止することができ、蒸気口18から、蒸気と共に具材が外部に飛び出してしまう事態を防止することができる。
また、本実施形態のフードプロセッサーでは、蓋体3を、つまみ部17となる突出部46bが形成された上側プレート46と、蒸気口18の内部開口47eを構成するカバー部47dやリブ47fを備えた内側プレート47との2つのプレート部材45で、貫通孔41a、41bが形成された透明部材41を挟んだ構成としている。このため、複雑な構成を備えた蓋体を極めて容易に組み立てることができ、蓋体3の製造コストの低減も実現できる。
なお、上記実施形態では、内部開口47eを蓋体3の中心部側に向けて配置した例を説明したが、本願で開示するフードプロセッサーの内部開口47eの開口方向51は、蓋体3の中心部方向には限られない。
ここで、図7に、本実施形態にかかるフードプロセッサーの変形例として、蓋体の内面における、内部開口とリブの形成方向についての他の構成例を図示する。図7は、図6では斜視図として示した蓋体の内面側を平面視した状態において、内部開口を形成するカバー部とリブとを、その配置位置と配置方向とが明確になるように模式的に現したものである。
本実施形態にかかるフードプロセッサーの、蓋体に形成される蒸気口の内部開口の構成の第1の変形例を図7(a)に示す。
図7(a)に示す第1の変形例では、内面プレートのカバー部47dを、図6に示した構成例から時計方向に90度回転して形成したもので、内部開口47eの開口方向51はカッター4の回転方向50の下流側に向かう方向となっている。このようにすることで、カッター4の回転方向50が移動方向となるカッター4回転時の被調理物が、内部開口47eから蒸気口18の内部に入り込むことを効果的に防止することができる。なお、このように内部開口47eをカッター4の回転方向50の下流側に向けて開口させた場合でも、カバー部47dの外周側の側壁面を回り込んで、被調理物が内部開口47eに入り込むような動きをすることがある。これは、カッター4の回転により生じる遠心力によって、調理容器2の側面に押しつけられるように移動した被調理物が、調理容器2の側面から蓋体3の内面側にまで伝わり、さらに、カバー部47dの外側の側壁部から回り込んでくるためだと考えられる。このため、図7(a)に示すように、カバー部47dの外周側の側壁部に連続して側壁部の延在方向にリブ47fを形成することで、被調理物が、カバー部47dを回り込んで内部開口47eから蒸気口18の内部に入り込むことを効果的に防止することができる。
本実施形態にかかるフードプロセッサーの、蓋体に形成される蒸気口の内部開口の構成の第2の変形例を図7(b)に示す。
図7(b)に示す第2の変形例では、内面プレートのカバー部47dを、図6で示した構成例から180度回転させた状態で配置していて、内部開口47eの開口方向51は、蓋体3の外周側に向かう方向となっている。このようにすることで、カッター4の回転方向50と内部開口47eの開口方向47eとが直交することとなるので、カッター4回転時に被調理物が、内部開口47eから蒸気口18の内部に入り込むことを、カバー部の上流側に位置する側壁面によって効果的に防止することができる。
特に、調理容器2内に被調理物が比較的多く投入されている場合には、カッター4の回転によって、調理容器2の中心部から外周部側へと飛び散るように移動する被調理物が増えるため、被調理物の飛散方向が塞がっている図7(b)に示す第2の変形例の構成は、被調理物が蒸気口18内に直接入り込むことを防止する上で有効である。しかし、図7(b)に示す第2の変形例の場合でも、図7(a)に示した第1の変形例の場合と同様に、カッター4の回転により生じる遠心力によって、調理容器2の側面に押しつけられるように移動した被調理物が、調理容器2の側面から蓋体3の内面側にまで伝わった場合には、内部開口47eから蒸気口18内部への被調理物の浸入を許してしまうことになる。このため、図7(b)に示すように、カバー部47dにおいてカッター4の回転方向50の上流側に位置する側壁部に連続して側壁部の延在方向にリブ47fを形成することで、被調理物が、調理容器2の側面から蓋体3の内表面を伝ってカバー部47dを回り込み、内部開口47eから蒸気口18の内部に入り込むことを効果的に防止することができる。
以上のように、本実施形態にかかるフードプロセッサーでは、蓋体の内面側に形成された蒸気口の内部開口を、蓋体の主面に沿う方向であって、内部開口が形成されている位置におけるカッターの回転方向の上流側に対して直交する方向から下流側に向かう方向に向けて形成することで、蒸気口からの被調理物の飛び出しを効果的に防止することができる。
なお、図6に示した内部開口が蓋体の中心側に向かって形成された構成と、図7(b)に示した内部開口が蓋体の外周側に向かって形成された第2の変形例の構成とからわかるように、カッターの回転方向の上流側に対して直交する方向とは、蓋体の中心側と外周側のいずれの方向でもかまわない。また、上記実施形態では、カッターの回転方向の上流側に対して直交する2つの方向と、カッターの回転方向における下流側の方向に向けて内部開口を形成した3つの例のみを示したが、本開示にかかるフードプロセッサーでは、これらの3つの例における中間的な方向、すなわち、カッターの回転方向の上流側の方向を0度の方向としたときに、90度から270度の間のいずれ方向にも、内部開口の開口方向を向けて形成することができ、被調理物が内部開口内に入り込むことを内部開口を形成する部材自体の形状で防止することができるという、同じ効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、図6および図7(a)図7(b)のいずれの場合も、内部開口を形成するカバー部の側壁部の内の一方から、当該側壁部を延長するように衝立状のリブを形成した例のみを示した。しかし、本開示にかかるフードプロセッサーにおいて、リブを設けることは必須の要件ではない。例えば、調理容器の深さが十分にあって、開口部を形成するカバー部の側壁を回り込んで被調理物が内部開口内に進入しない構成であれば、衝立状のリブを形成する必要はない。
また、衝立状のリブを形成するに当たっては、カバー部の側壁部の内の一方にのみ形成する場合に限られず、必要に応じて内部開口の両方の側壁部から2つのリブを形成することもできる。この場合において、2つのリブそれぞれの高さや長さは、適宜調整することができることは言うまでもない。さらに、上記実施形態では、衝立状のリブとして、開口部を構成する側壁部の方向に延在した直線状のもののみを例示したが、例えば内部開口側から先端部にいくにつれて湾曲する平面視曲線状に形成されたリブや、内部開口を形成する側壁部の延在方向ではなく、内部開口の開口部に対して内側または外側のいずれかの方向に、斜めに延在していくリブを形成することもできる。
なお、本開示にかかるフードプロセッサーにおいて衝立状のリブを形成する場合、リブの高さには制限はない。しかし、リブを形成する目的が、内部開口を形成するカバー部の側壁を回り込んで浸入する被調理物を遮ることであることを鑑みると、内部開口を形成する側壁部からリブを形成するに当たって、少なくとも内部開口に隣接する部分でのリブの高さを内部開口の開口高さと同じか、より高く形成することが確実な効果を得る上で好ましい。また、図6を用いて説明した例のように、リブの内部開口に隣接する部分の形状は、カッターの刃の回転によって遠心力が加わった状態で移動する被調理物が、カバー部の側壁を回り込んで内部開口から蒸気口の中に入り込まないように適宜設計すべきである。
以上の説明において、フードプロセッサーの蓋体として平板状のものを用いた例を示したが、蓋体は平板に限られず、中央部分が周辺部分に比べて上方に突出している、略ドーム状の蓋体を用いることができる。また、中央部が下方に突出した形状の蓋体を用いることもできる。
また、本開示にかかるフードプロセッサーとして、駆動軸の回転制御を、モーターのコイルに流す電流量を直接調整することで制御する構成について説明した。この場合には、モーターの動作回路として例えばインバータ回路を用いることができる。その他にも、変速機を用いるなど、モーターの回転数を所定の値に制御する既知のさまざまな方法を利用して、駆動軸の回転を制御することができる。
また、上記説明では、加熱手段として誘導加熱コイルを用いたいわゆるIH方式の加熱手段を備えたものを例示したが、これに限られず、抵抗加熱方式のヒータによって、調理容器を加熱する方式を採用することもできる。
さらに、上記説明において、温度センサとして調理容器の底面に接触してその温度を検出するものを例示したが、温度センサは、調理容器の底面以外の温度を検出する構成でもよく、また、赤外線を利用するなどして調理容器に直接接触せずに所定の間隔を有した状態で調理容器の温度を検出する手段を利用することができる。
上記説明では、フードプロセッサーの全体構成として、本体部の載置台の側方に側面側上部が形成され、側面側上部の内部にモーターが配置され、モーターのシャフトと駆動軸を回転させるプーリーとが連動ベルトで連動して回転する構成を例示した。しかし、本開示のフードプロセッサーにおいて、本体部の外観形状や、モーターの回転を駆動軸に伝える回動機構に制限はなく、例えば、本体部としてその上面全体が載置台となるような形状とするとともに、本体部内部のモーターの回転軸と駆動軸とを一体化して、モーターの回転を直接的に駆動軸に伝えるような構成とすることもできる。
さらに、モーターと駆動軸を一体化しない構成としても、上記実施形態で説明したベースプレートを備えた構成には限られず、例えば、モーターと駆動軸とをそれぞれ別々の部材を用いて、本体部内部で支持する構成とすることができる。さらに、上記構成例では、駆動軸に固着されたプーリーに、モーターの回転を伝達する伝達部材として、シャフトに固着された回転板とプーリーとを連動させる連動ベルトとを用いる構成としたが、例えば、回転板を設けずに連動ベルトをモーターのシャフトに直接巻き付けて、プーリーを回転させる構成とすることができる。
また、上記例では、電動調理器の例としてカッターが交換可能なフードプロセッサーを例示して説明したが、本発明は、他の電動調理器、例えば、いわゆるジューサーと称されるカッターが交換可能でない電動調理器に適用することができる。さらに、いわゆるミルや脱穀器など、調理容器と調理容器内で回転して各種調理を行うカッターを備え、被調理物を加熱する調理プログラムが想定可能な各種電動調理器に適用することができる。