JP6268543B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents
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Description
本発明は、太陽電池モジュールに関する。
特許文献1には、太陽電池パネルに取り付けられたフレームの一部に水抜き用の切り欠きを設けた太陽電池モジュールが開示されている。
ところで、太陽電池モジュールのフレームは、太陽電池パネルの端縁を保護する機能を有する。したがって、かかる機能を損なうことなく、モジュールから効率良く雨水等の水を排水可能なフレーム構造が求められている。
本発明に係る太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、本体部及び本体部上に設けられて太陽電池パネルの端縁が嵌め込まれる溝を形成する押え部を有する複数のフレーム片を接続して構成されるフレームと、を備え、押え部は、本体部から太陽電池パネルのパネル上面よりも上方に延び太陽電池パネルのパネル側面を覆う基部と、基部から太陽電池パネル側に延びパネル上面を覆う爪部と、基部のパネル上面よりも下方に位置する部分をフレーム片同士の接続部から切り欠いて形成された水抜き孔と、爪部を接続部から切り欠いて形成された導水部と、を含む。
本発明に係る太陽電池モジュールによれば、太陽電池パネルの端縁を保護しながら、効率良く雨水等の水をモジュール外に排水することができる。
図面を参照しながら、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されない。また、実施形態において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された構成要素の寸法比率などは、現物と異なる場合がある。具体的な寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
本明細書において「略**」とは、「略同一」を例に挙げて説明すると、全く同一はもとより、実質的に同一と認められるものを含む意図である。また、本明細書において、「上下方向」とは、太陽電池パネル11の厚み方向を意味する。
図1は、本発明の実施形態の一例である太陽電池モジュール10を太陽電池パネル11のパネル上面11a側から見た平面図である。ここで、「パネル上面11a」とは、太陽電池パネル11の厚み方向に直交する主面のうち太陽光が主に入射する受光面を意味する(以下、「受光面」という場合がある)。主面のうちパネル上面11aと反対側の裏面が「パネル下面11b」である(以下、「裏面」という場合がある)。換言すると、後述する電極の形成面積が大きな面側、又は一方の面のみに電極が形成される場合はその面側がパネル下面11bとなる。「パネル側面11c」とは、太陽電池パネル11の厚み方向に沿った面、即ち主面と直交する面である。
太陽電池モジュール10は、太陽電池パネル11と、太陽電池パネル11の端縁に取り付けられるフレーム12と、を備える。フレーム12は、複数のフレーム片12A,12Bを互いに接続して構成されることが好適である。図1に例示する太陽電池パネル11は、平面視において矩形形状を有し、短辺側の端縁に一対のフレーム片12Aが、長辺側の端縁に一対のフレーム片12Bがそれぞれ取り付けられている。なお、「平面視」とは、パネル上面11aに対し垂直方向から観た際の平面形状を意味する。
太陽電池パネル11は、複数の太陽電池素子20と、太陽電池素子20の受光面側に配置される第1保護部材と、太陽電池素子20の裏面側に配置される第2保護部材と、を備える。複数の太陽電池素子20は、第1保護部材及び第2保護部材の間に配置され、充填材により封止されている。また、本実施形態では、太陽電池パネル11のパネル下面11c側に端子ボックス13が取り付けられている。端子ボックス13は、例えば、略直方体形状を有し、その長手方向が太陽電池パネル11の短辺と略平行に、且つフレーム片12Aの内側に接して取り付けられる。
太陽電池パネル11は、太陽電池素子20の電極に取り付けられる配線材21を備える。配線材21は、隣接する太陽電池素子20の間を直列に接続してストリング26を形成する。ストリング26は、複数の太陽電池素子20が直列に接続される方向(即ち、ストリング26の長手方向)に対し、同一平面内において直交する方向に複数配列される。
また、太陽電池パネル11は、ストリング26の長手方向端部近傍に配置される第1の渡り配線材22、第2の渡り配線材23、及び出力配線材24を備えることが好適である。図1に示す例では、第2の渡り配線材23及び出力配線材24が端子ボックス13側に配置され、第1の渡り配線材22がストリング26を挟んで第2の渡り配線材23等と反対側に配置されている。第1の渡り配線材22は、隣接するストリング26の配線材21同士を接続する。第2の渡り配線材23は、隣接するストリング26の配線材21同士を接続するとともに端子ボックス13に接続される。出力配線材24は、列の両端に位置するストリング26の配線材21と接続され、陰極端子、正極端子として端子ボックス13に接続される。
太陽電池素子20は、太陽光を受光することでキャリアを生成する光電変換部を備える。光電変換部には、例えば、受光面上に受光面電極が、裏面上に裏面電極がそれぞれ形成される(いずれも図示せず)。なお、太陽電池素子20の構造は特に限定されず、例えば、光電変換部の裏面上のみに電極が形成された構造であってもよい。
光電変換部は、例えば、結晶系シリコン(c‐Si)、ガリウム砒素(GaAs)、インジウム燐(InP)等の半導体基板と、基板上に形成された非晶質半導体層と、非晶質半導体層上に形成された透明導電層と、を有する。具体例としては、n型単結晶シリコン基板の受光面上にi型非晶質シリコン層、p型非晶質シリコン層、及び透明導電層を順に形成し、裏面上にi型非晶質シリコン層、n型非晶質シリコン層、及び透明導電層を順に形成した構造が挙げられる。透明導電層は、酸化インジウム(In2O3)や酸化亜鉛(ZnO)等の金属酸化物に、錫(Sn)やアンチモン(Sb)等をドープした透明導電性酸化物から構成されることが好ましい。
電極は、例えば、複数のフィンガー部、及び複数のバスバー部からなる。フィンガー部は、透明導電層上の広範囲に形成される細線状の電極であり、バスバー部は、フィンガー部からキャリアを収集する電極である。配線材21は、バスバー部に取り付けられる。
第1保護部材には、例えば、ガラス基板や樹脂基板、樹脂フィルム等の透光性を有する部材を用いることができる。これらのうち、耐火性、耐久性等の観点から、ガラス基板が好適である。第2保護部材には、第1保護部材と同じ部材を用いることができ、また裏面側からの光の入射を想定しない場合には透光性を有さない部材を用いることもできる。充填材には、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)等の樹脂を用いることができる。
フレーム12は、上記のように、形状が異なる複数のフレーム片12A,12Bを組み合わせて構成され、太陽電池パネル11の四方を囲んでいる。フレーム12は、ステンレスやアルミニウム等の金属製枠であって、軽量性等の観点から好ましくはアルミニウム製とされる。フレーム12は、太陽電池パネル11の端縁を保護すると共に、例えば、太陽電池モジュール10を屋根等に設置する際の固定用部材として利用される。また、フレーム12は、端子ボックス13が接触するようにして配置された場合、端子ボックス13に内蔵された素子(例えば、バイパスダイオード)の放熱にも利用される。
各フレーム片12A,12Bは、各々の長手方向両端部を長手方向に対して斜めにカットして形成された傾斜端面51A,51Bをそれぞれ有することが好適である。傾斜端面51A,51Bは、フレーム片12A,12Bが互いに接続される接続部50で一致するように形成される。接続部50は、太陽電池パネル11の4つの角に対応して4箇所に設けられる。即ち、接続部50は、太陽電池モジュール10及びフレーム12の4つの角を形成する。
各フレーム片12A,12Bは、平面視において太陽電池パネル11の中央部側である内側に向かって小さくなる台形形状を有することが好適である。特に、傾斜端面51A,51Bのフレーム片12A,12Bの長手方向に対する傾斜角度がいずれも略45°であることが好ましい。
以下、図2〜図5をさらに参照しながら、フレーム12の構成について詳説する。図2は、図1のA部(太陽電池モジュール10の角近傍)の拡大図である。図3は図2の矢印αの方向から見た斜視図、図4は図2の矢印βの方向から見た側面図、図5は図2のBB線断面(フレーム片12Bの長手方向に直交する面で切断した断面)図である。図5は、当該断面に表れない水抜き孔44Bを鎖線で示す。以下、特に断らない限り、対象物の「断面」とは長手方向に直交する面で切断した断面を意味する。
フレーム片12A,12Bは、本体部30A,30Bと、押え部40A,40Bと、をそれぞれ有する。フレーム片12A,12Bの構造上の相違点としては、長手方向の長さと、後述する水抜き孔44B、導水部45B、及び排水部46Bの有無とが挙げられる。その他の点においては、互いに同じ構造とすることができる。以下では、フレーム片12Bを例に挙げて構造を説明する。
本体部30Bは、例えば、上下方向にやや長く延びた断面略矩形形状を有する(図5参照)。押え部40Bは、本体部30B上に設けられ、例えば、断面略L字形状を有する。そして、押え部40Bは、太陽電池パネル11が嵌め込まれる溝43Bを形成する。より詳しくは、本体部30Bの上面31Bと、押え部40Bとで溝43Bが形成され、太陽電池パネル11の端縁は上面31B上に載せられ、太陽電池パネル11の端縁が押え部40Bで覆われるようにして配置される。溝43Bには、太陽電池パネル11と本体部30B及び太陽電池パネル11と押え部40Bとの間に隙間が存在するため、その隙間に接着剤25を充填して太陽電池パネル11を固定することが好適である。なお、この場合にあっては、接着剤25は、排水の妨げとならないように太陽電池パネル11の角部近傍には設けない。
本体部30Bは、長手方向に延びた空洞部32Bを内部に有することが好適である。空洞部32Bには、例えば、長手方向端部からコーナーピースを圧入することができ、かかるコーナーピースによりフレーム片12A,12B同士が接続される。また、本体部30Bは、接着剤25の充填性を損なうことなく、溝43Bからはみ出ることを防止するために、上面31Bの一部を凹ませた凹部33Bを有することが好適である。
押え部40Bは、本体部30Bの上面31Bから上方に延びた基部41Bと、基部41Bから溝43Bの開口側に向けて延びた爪部42Bと、を含む。基部41Bは、溝43Bに嵌め込まれた太陽電池パネル11のパネル上面11aよりも上方に延びてパネル側面11cを覆う。爪部42Bは、パネル上面11aを覆う。ここで、「基部41Bがパネル側面11bを覆う」とは、パネル側面11cと対向する位置に基部41Bが近接配置されていることを意味する。同様に、「爪部42Bがパネル上面11aを覆う」とは、パネル上面11aと対向する位置に爪部42Bが近接配置されていることを意味する。
基部41Bは、本体部30Bから上下方向に沿って延び、基部41Bの外面と本体部30Bの外面とが同一平面を構成することが好ましい。なお、「外面」とは、太陽電池パネル11の上下方向に延びる面のうち、太陽電池モジュール10の中央部から最も離れた面をいう。また、爪部42Bは、基部41Bの上端から上面31Bと略平行に延びることが好ましい。即ち、基部41Bと爪部42Bは、互いに略直交している。上面31Bと爪部42Bとの上下方向に沿った間隔、即ち溝43Bの上下方向の長さは、太陽電池パネル11の嵌め込み性等を考慮してパネルの厚みよりもやや大きくなるように設計される。
爪部42Bの幅方向長さは、本体部30Bの幅方向長さと略同一であることが好適である。つまり、爪部42Bは、パネル上面11aのうち本体部30B上に配置された部分のみを覆う。ここで、「幅方向」とは、フレーム片12Bの長手方向に直交する断面において、上下方向と直交する方向を意味する。また、爪部42Bは、先端側に近づくにつれて厚みが薄くなるように、その上面が傾斜していることが好ましい。これにより、爪部42Bの厚みに起因する影の発生を抑制することができる。
さらに、押え部40Bは、基部41Bに形成された水抜き孔44Bと、爪部42Bに形成された導水部45Bと、導水部45Bと連通する排水部46Bと、を有する(図3参照)。本実施形態では、接続部50を形成するフレーム片12A,12Bのうちフレーム片12Bのみに、水抜き孔44B、導水部45B、及び排水部46Bが設けられている。各フレーム片12Bには、太陽電池パネル11の4つの角に対応して各々2箇所、太陽電池モジュール10全体として4箇所に、水抜き孔44B、導水部45B、及び排水部46Bが設けられている。なお、排水部46Bを形成する場合にのみ、排水部46Bと導水部45Bが同一のフレーム片に形成する必要がある。しかしながら、水抜き孔44Bは、導水部45B及び排水部46Bが形成されたフレーム片に形成しなくてもよく、接続される他方のフレーム片に形成してもよい。
水抜き孔44Bは、フレーム片12Aとの接続部50から基部41Bを切り欠いて形成される。接続部50において基部41Bは基部41Aとつながっているので、水抜き孔44Bは、周囲が基部41A,41Bで囲まれた貫通孔となる。より詳しくは、基部41Bのパネル上面11aよりも下方に位置する部分に水抜き孔44Bが形成される。つまり、基部41Bのパネル上面11aよりも上方に位置する部分は、切り欠かれることなく、フレーム片12Aと突き合わされて接続部50を形成する。かかる構成により、損傷し易い部分である太陽電池パネル11の角を保護することができる。
水抜き孔44Bは、基部41Bの下半分の範囲に形成されることが好ましく、例えば、排水性に影響のない範囲で水抜き孔44Bからの太陽電池パネル11の露出の程度が小さくなるように形成される。これにより、太陽電池パネル11の角をさらに保護し易くなる。また、水抜き孔44Bの下端は、本体部30Bの上面31Bと略同一の高さに位置することが好ましい(図4,5参照)。かかる溝43Bに連通した水抜き孔44Bを形成することで、溝43B内に水が溜まり難くなり排水性が向上する。本実施形態では、凹部33Bが形成されていない部分の上面31Bの高さと略同一の高さに水抜き孔44Bの下端が位置しているが、凹部33Bの高さに合わせて水抜き孔44Bを形成してもよい。
水抜き孔44Bの形状は、フレーム片12Bの長手方向に長くなった略矩形形状とすることができる。但し、水抜き孔44Bの形状や寸法は、特に限定されるものではなく、要求される排水性等を考慮して適宜設定できる。
導水部45Bは、爪部42Bを接続部50から切り欠いて形成される。爪部42Bの先端側を切り欠いて、フレーム片12Aの爪部42Aの傾斜端面51Aに沿って水が流れる導水部45Bを形成することが好ましい。本実施形態では、爪部42Bの略全てが接続部50からP1までフレーム片12Bの長手方向に沿って切り欠かれている。P1は、フレーム片12Aの長手方向に沿った内端の位置P0からフレーム片の幅方向長さと同程度離れた位置とすることができる。
導水部45Bは、パネル上面11aを流れてくる雨水等の水を水抜き孔44Bに導く機能を有する。また、排水部46Bと連通して、雨水等を排水部46Bに導く機能を有する。太陽電池パネル11とフレーム片12Bとの間には、接着剤25が充填されてもなお隙間が存在する場合がある。或いは、接着剤25の充填量を調整して隙間を残すこともできる。ゆえに、導水部45Bを形成しなくても水抜き孔44B等から水を排水可能であるが、導水部45Bを形成することにより排水性を向上させることができる。
導水部45Bは、水抜き孔44B側に向かって面積が小さくなることが好適である。つまり、導水部45Bは、内側から水抜き孔44B側に向かって先細りのテーパー形状を有することが好適である。本実施形態では、フレーム片12Aの長手方向に対して略45°の傾斜角度を有する傾斜端面51Aに沿った導水部45Bが形成されている。これにより、傾斜端面51Aに沿って雨水等が水抜き孔44B側に流れ易くなり排水性が向上する。
排水部46Bは、接続部50から離れた位置において基部41Bのパネル上面11aよりも上方に位置する部分を切り欠いて形成される。排水部46Bと導水部45Bとは、上記のように連通しており、導水部45Bに流れ込んだ水を排水部46Bから排水することができる。排水部46Bは、パネル上面11aと略同一の高さまで凹んでいることが好ましい。これにより、排水部46Bからの排水性が向上する。
排水部46Bは、接続部50から離れたP2から導水部45Bの端であるP1に亘って形成されることが好適である(図2参照)。P2は、P0よりも接続部50側に設定することもできるが、好ましくはP0よりも接続部50から離れた位置に設定される。そして、排水部46Bのフレーム片12Bの長手方向に沿った長さ(以下、排水部46Bの「切り欠き幅W2」という)は、導水部45Bの内端に沿った長さ(以下、導水部45の入口の「切り欠き幅W1」という)よりも狭いことが特に好ましい。切り欠き幅W2<切り欠き幅W1とすることで、例えば、導水部45Bにおける雨水等の流速が上がって導水部45B等に塵埃が溜まることを抑制できる。
上記構成を備えた太陽電池モジュール10によれば、太陽電池パネル11の端縁、特に損傷を受け易いパネルの角を保護しながら、効率良く雨水等の水をモジュール外に排水することができる。
図6にパネル上面11aを流れる水が水抜き孔44B及び排水部46Bから排水される様子を示す。図6では、端子ボックス13側のフレーム片12Aが上方、これに対向配置されるフレーム片12Aが下方に位置するように太陽電池モジュール10が設置されている。パネル上面11aを流れる水100の一部は、フレーム片12Aをのり越えて排水されるが、一部はフレーム片12Aに沿って流れ、導水部45Bに流れ込んで水抜き孔44B及び排水部46Bから排水される。水100の量が多い場合は、水抜き孔44B及び排水部46Bの両方から排水され、特に排水部46Bからの排水量が多くなる。一方、水100の量が少ないときには、水抜き孔44Bのみから排水される場合もある。このように、太陽電池モジュール10によれば、パネル上面11aを流れる水100をモジュール外に容易に排水することができる。
また、太陽電池モジュール10では、基部41Bのパネル上面11aよりも下方に位置する部分に水抜き孔44Bを形成するため、排水性を損なうことなく損傷し易い部分である太陽電池パネル11の角を保護することができる。
以下、図7〜図12を用いて本発明の実施形態の変形例について説明する。ここでは、上記実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して重複する説明を省略し、上記実施形態との相違点につき詳細に説明する。
図7に例示する形態は、フレーム片12Bxの押え部40Bxに排水部46Bが形成されていない点で上記実施形態と異なる。この場合、太陽電池パネル11の端縁をより保護し易くなる。なお、図7に示す導水部45Bは、上記実施形態の場合と同じ寸法であるが、より小さな寸法として爪部42Bによるパネル上面11aの被覆面積を大きくしてもよい。一方、水抜き孔44Bを大きくして排水性を高めてもよい。
図8に例示する形態では、端子ボックス13側に取り付けられるフレーム片12Cの爪部42Cが端子ボックス13上を覆うように内側に大きく張り出している点で上記実施形態と異なる。爪部42Cは、傾斜端面51Cの略45°の傾斜角度を維持しながら、本体部の内端よりも内側に張り出している。フレーム片12Cは、全体としてフレーム片12Aと同様の略台形形状(平面視)を有している。これにより、第2保護部材として透明な部材を利用したときであっても、端子ボックス13をパネル上面11a側から見えないように隠すことができ、太陽電池モジュール10の意匠性を高め、また端子ボックス13を保護することができる。
図9〜図11に例示する形態では、太陽電池パネル11yの端縁のうち端子ボックス13が取り付けられる端縁(以下、「端縁Z」とする)において、第1保護部材14が第2保護部材15よりも長く延びている点で図8に例示する形態と異なる。即ち、太陽電池パネル11yの端縁Zでは、第1保護部材14が第2保護部材15の端から延長している。端子ボックス13に接続される第2の渡り配線材23及び出力配線材24はパネルの裏面側に引き出されるが、当該構成によれば、各配線材の引き出しが容易になる。なお、端縁Z以外の端縁では、第1保護部材14の端と第2保護部材15の端とが一致している。
上記相違に伴い、端縁Zに取り付けられるフレーム片12Cyの溝43Cyの上下方向長さが、フレーム片12Byの溝43Bの上下方向長さよりも短くなっている。これは、溝43Bには第1保護部材14及び第2保護部材15が嵌め込まれるところ、溝43Cyには第1保護部材14だけが嵌め込まれるからである。図9に示す例では、本体部30Cyの上下方向長さが本体部30Byの上下方向長さよりも長く、接続部50において本体部30Cyの上面31Cyと本体部30Byの上面31Bとの間に段差が形成されている。
フレーム片12Byには、上記のように、水抜き孔44Bが形成されている。上記段差が存在しない場合は、接続部50を形成する2つのフレーム片のいずれに水抜き孔を形成してもよいが、上記段差が存在する場合は、本体部の上面が低い方のフレーム片(即ち、フレーム片12By)に水抜き孔を形成することが好適である。これにより、排水性が向上する。
フレーム片12Byは、本体部30Byの下面に下面水抜き孔34Bを有することが好適である。下面水抜き孔34Bは、水抜き孔44Bと同様に、フレーム片12Cyとの接続部50から本体部30Byを切り欠いて形成することができる。本体部30Cyの下面に下面水抜き孔を形成してもよいが、生産性等の観点から、水抜き孔等の加工は1つのフレーム片にまとめることが好適である。
本体部30By,30Cyは、上記のように、空洞部32B,32Cyを有する。このため、上記段差が存在する場合、接続部50に空洞部32Cyの開口部が現れ、当該開口部から雨水等の一部が空洞部32Cy,32B内に流れ込む場合がある。しかし、下面水抜き孔34Bを設けたことにより、空洞部32Cy,32B内に浸入した水を容易に排水することができる。換言すると、下面水抜き孔34Bを設けたことにより、空洞部32Cy,32Bを排水路として積極的に利用することができる。上記段差が存在しない形態においても、フレーム片同士の隙間から空洞部に雨水等が浸入する可能性があるから、下面水抜き孔を設けておくことは好ましい。
図12に例示する形態では、導水部45Bzの寸法が図2に示す導水部45Bの寸法よりも小さくなっている。このように、排水性に影響がない範囲で切り欠き量を少なくして、フレーム12の角部において爪部42Bzがパネル上面11aを覆うようにしてもよい。また、フレーム片12Bzには、例えば太陽電池モジュール10を架台等に固定するための金具が引っ掛けられる鍔部35Bを設けてもよい。
図7〜図12に例示した形態の他にも様々な実施形態が考えられる。例えば、太陽電池パネル11の角に対応して水抜き孔44B等を4箇所に設けた形態を図示したが、水抜き孔44B等はより少ない個数(複数)又は単数であってもよい。具体的には、太陽電池モジュール10の施工形態が予め定められている場合に、下方に位置する太陽電池パネル11の角に対応して2箇所に水抜き孔44B等を設けることが挙げられる。また、1つのモジュールに複数の端子ボックス13が設置されてもよく、端子ボックス13を覆うように大きく張り出した爪部が複数のフレームに形成されてもよい。さらには、接着剤25を用いて、溝43Bの太陽電池パネル11と本体部30B及び太陽電池パネル11と押え部40Bとの間に隙間を充填する構成を説明したが、これに限らず、ブチルゴム等からなるパッキンを配置してもよい。なお、この場合にあっては、パッキンは、太陽電池パネル11の角部近傍において排水の妨げとならないように設けられる。
10 太陽電池モジュール、11 太陽電池パネル、11a パネル上面、11b パネル下面、11c パネル側面、12 フレーム、12A,12B フレーム片、13 端子ボックス、20 太陽電池素子、21 配線材、22 第1の渡り配線材、23 第2の渡り配線材、24 出力配線材、25 接着剤、26 ストリング、30A,30B 本体部、31B 上面、32B 空洞部、33B 凹部、40A,40B 押え部、41A,41B 基部、42A,42B 爪部、43B 溝、44B 水抜き孔、45B 導水部、46B 排水部、50 接続部、51A,51B 傾斜端面。
Claims (8)
- 太陽電池パネルと、
本体部、及び前記本体部上に設けられて前記太陽電池パネルの端縁が嵌め込まれる溝を形成する押え部を有する複数のフレーム片を接続して構成されるフレームと、
を備え、
前記押え部は、
前記本体部から前記太陽電池パネルのパネル上面よりも上方に延び、前記太陽電池パネルのパネル側面を覆う基部と、
前記基部から前記太陽電池パネル側に延び、前記パネル上面を覆う爪部と、
前記基部の前記パネル上面よりも下方に位置する部分を前記フレーム片同士の接続部から切り欠いて形成された水抜き孔と、
前記爪部を前記接続部から切り欠いて形成された導水部と、
を含み、
前記各フレーム片は、長手方向両端部を長手方向に対して斜めにカットして、前記接続部で互いに一致するように形成された傾斜端面をそれぞれ有し、
前記導水部は、前記接続部を構成する2つの前記フレーム片のうち、第1のフレーム片の長手方向端部に位置する前記爪部の一部に形成される切り欠き部であって、第2のフレーム片の前記傾斜端面との間に形成されている太陽電池モジュール。 - 請求項1に記載の太陽電池モジュールであって、
前記導水部は、前記水抜き孔側に向かって面積が小さくなる太陽電池モジュール。 - 請求項1又は2に記載の太陽電池モジュールであって、
前記接続部から離れた位置において前記基部の前記パネル上面よりも上方に位置する部分を切り欠いて形成された排水部をさらに備え、
前記排水部は、前記導水部と連通している太陽電池モジュール。 - 請求項3に記載の太陽電池モジュールであって、
前記排水部の切り欠き幅は、前記導水部の入口の切り欠き幅よりも狭い太陽電池モジュール。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールであって、
前記太陽電池パネルのパネル下面側において前記第2のフレーム片に沿って取り付けられた端子ボックスをさらに備え、
前記第2のフレーム片は、前記爪部が前記傾斜端面の傾斜角度を維持しながら前記端子ボックス上を覆うように張り出している太陽電池モジュール。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールであって、
前記水抜き孔の下端は、前記本体部の上面と略同一の高さに位置する太陽電池モジュール。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールであって、
前記接続部において、前記各フレーム片の一方の前記本体部の上面と、他方の前記本体部の上面との間に段差が形成されており、
前記水抜き孔は、当該段差において前記本体部の上面が低い方の前記フレーム片に形成されている太陽電池モジュール。 - 請求項7に記載の太陽電池モジュールであって、
前記各フレーム片の前記本体部は、内部に空洞部を有し、
前記本体部のうち少なくとも一方の下面には、下面水抜き孔が形成されている太陽電池モジュール。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012255032 | 2012-11-21 | ||
JP2012255032 | 2012-11-21 | ||
PCT/JP2013/006813 WO2014080624A1 (ja) | 2012-11-21 | 2013-11-20 | 太陽電池モジュール |
Publications (2)
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---|---|
JPWO2014080624A1 JPWO2014080624A1 (ja) | 2017-01-05 |
JP6268543B2 true JP6268543B2 (ja) | 2018-01-31 |
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