JP6267665B2 - ベゼルレスの表示システム - Google Patents

Description

本出願は、光学層のインターフェイスのためのシステム、装置、および方法に関し、さらに詳しくは、表示システムの改善のためのシステム、装置、および方法に関する。

液晶表示（LCD）システム、LEDシステム、有機発光表示（OLED）システム、などといった表示システムを、さまざまな環境において使用することができる。表示システムの使用環境および用途に応じて、表示システムの輝度およびコントラストの特性が、大いに重要となりうる。例えば、表示システムを屋外環境または強い周辺光の環境において使用するためには、所望のレベルの視認性を保つために、コントラストおよび／または輝度のレベルを高める必要があるかもしれない。

例として、典型的なLCDシステムは、LCDアセンブリを備えている。LCDアセンブリは、液晶の薄い膜を1対の透明電極の間に挟んで有している液晶表示セルを備えることができる。LCDセルは、典型的には、1対のガラス板を備えており、それらのガラス板が、それらのそれぞれの縁のまわりで封じ合わせられている。ガラス板を、一定な離間を保つために、ガラス間のスペーサを位置させつつ組み立てることができる。交差軸の2枚の偏光板を、ガラス板のそれぞれの内表面へと貼り付けることができ、一方の偏光板が、LCDセルの前側へと貼り付けられ、他方の偏光板が、LCDセルの後ろ側へと貼り付けられる。電圧を、電極をまたいで選択的に印加することで、電極間の液晶分子の配置を変化させることができ、あるいは液晶分子の偏光を切り替えることができ、結果として、光を透過させ、あるいは出力側の偏光板において吸収することで、文字または絵を形成することができる。

例として、LCDアセンブリは、典型的には、プラスチック製または金属製の機械的なベゼルに当接させて、そのような機械的なベゼルの内側に保持されている。機械的なベゼルは、表示システムの視認可能面積を小さくしてしまう可能性があり、LCDアセンブリの平坦な平面から離れるように外へと延びることもしばしばである。また、機械的なベゼルは、センサ、アクチュエータ、またはオン／オフボタン、コントラスト制御部、輝度制御部、などとして機能することができる他の装置のための備え（穴、取り付けボス、など）を有することもできる。LCDアセンブリと機械的なベゼルとを一体に取り付けるやり方が、衝撃または環境への暴露（例えば、水、湿度、温度、機械的な運動、など）に耐える表示装置の性能に影響を及ぼす。

表示装置の性能を向上させるために、保護層（本明細書において、ウインドウオーバレイとも称される）を追加することが知られている。このウインドウオーバレイを、表示システムと観察者との間のインターフェイスとして、LCDアセンブリの外面に固定することができる。例えば、オーバレイを、機械的なベゼルを使用することによってアセンブリへと固定することができる。この機械的なベゼルが、表示装置の表面から突き出し、結果的に、よごれ、砂、塩水、などが溜まることになりかねない。さらに、機械的なベゼルが、衝撃、温度、水、などといった他の環境条件によって損なわれる可能性がある。加えて、機械的なベゼルが、装置の審美的な魅力を制約する可能性があり、オーバレイの種類および使用環境に応じて、ウインドウオーバレイが表示される画像の視認性に影響を及ぼす可能性がある。

以上に鑑み、本発明者らは、改善されたオーバレイを、表示システムの耐環境性および視認性を改善するために使用できることを認識している。さらに、表示システムの適用性および審美的な魅力を向上させることが可能である。したがって、以下の開示に記載され、例示の図に示されるとおり、本発明者らは、オーバレイを表示アセンブリへと接合(bonding)させるための方法、プロセス、システム、および装置など、オーバレイを備える改善された表示システムを提供するための方法、プロセス、システム、および装置を提示する。

したがって、改善された表示システムのいくつかの実施の形態が、本明細書において説明される。一実施の形態においては、第1のサイズの表示領域を有する表示アセンブリ、前記表示アセンブリの前記表示領域のサイズに対応する第1の実質的に透明な部位と、前記第1の実質的に透明な部位を超えて広がる第2のカスタマイズされた部位とを有しているオーバレイ、および前記表示アセンブリの前記表示領域を前記オーバレイへと光学的に接合させる接着剤、を備えている表示システムが提供される。いくつかの実施の形態においては、前記表示アセンブリが、液晶表示装置、有機発光ダイオード表示装置、および電子ペーパー表示装置のうちの1つである。いくつかの実施の形態においては、前記オーバレイの前記第2のカスタマイズされた部位が、センサアクセサリ、アクチュエータ、またはコーティングなどのアクセサリを備えることができる。

フラットパネル表示装置に備えられた本発明の実施の形態による表示システムの例示的な用途である。 本発明の実施の形態による表示システムの側面図を示している。 表示システムの例示的なブロック図を示している。 表示システム用のオーバレイの例示的な実施の形態の上面図を示している。 表示システム用のオーバレイの別の例示的な実施の形態の上面図を示している。 表示システム用のオーバレイのカスタマイズの選択肢のブロック図を示している。 オーバレイを適用する前のLCDアセンブリの例を示している。 オーバレイがLCDアセンブリへと適用された状態の表示システムの例を示している。 表示システムの分解図を示している。 ベゼルレスの表示システムを示している。 アクセサリがオーバレイへと貼り付けられているベゼルレスの表示システムの別の例を示している。 2つの表示装置を備えているベゼルレスの表示システムの別の例を示している。 表示システムの構成に使用することができるフロー図を示している。

詳細な説明
この開示は、表示アセンブリをオーバレイへと光学的に接合させてなる表示システムに向けられている。図1に示されているように、表示システム10を、モニタまたはフラットパネル表示装置12へと一体化させることができる。表示システムを、携帯電話機の表示部、モニタ、テレビ受像器、携帯情報端末または他のポータブルコンピュータ装置の表示部、屋外ディスプレイ、産業用ディスプレイ、医療用ディスプレイ、ナビゲーション用ディスプレイ、あるいは他の電子プレゼンテーション、データ、またはグラフィック表示装置へと一体化させることができることを、理解すべきである。したがって、本明細書においては、例示の目的のために、LCDアセンブリを備える表示システムとして説明を行うが、表示システムが、LCD、有機発光ダイオード（OLED）、電子ペーパー（e−ペーパー）表示装置、表面伝導型電子放出表示装置（SED）、発光ダイオード（LED）表示装置、エレクトロルミネセント表示装置（ELD）、など、オーバレイを適用することができる任意の適切な表示アセンブリを備えてよいことを、理解すべきである。

表示システム12は、表示アセンブリの丈夫さを高めることができ、そのような表示システムに機械的および／または環境的な保護をもたらすことができるオーバレイを備えることができる。例として、LCDシステムまたはOLEDシステムにおいて、オーバレイは、LCDの柔らかいポリマー製の上側偏光板を保護すべく機能することができ、あるいはOLEDのフィルムおよび材料を保護することができる。さらに、オーバレイは、公衆キオスクまたはATMにおける表示システムや、デジタイザが表示システム上でペンまたはスタイラスとともに使用される表示システムなど、周囲からの応力にさらされるシステムに、保護をもたらすことができる。いくつかの実施の形態においては、さらにオーバレイが、能動的に機能して、タッチ式のインターフェイスやEMIの遮蔽をもたらしてもよい。

いくつかの上部保護層を機械的なベゼルによって表示装置へと固定して使用するシステムと対照的に、ここに開示されるシステムは、ベゼルの必要をなくす連続的な上部シートを提供する。機械的なベゼルを使用するシステムにおいては、機械的なベゼルが、表示システムに構造的な支持を提供する。しかしながら、機械的なベゼルは、表示システムのサイズおよび重量を増加させかねない。さらに、機械的なベゼルは、表示システムの視認可能面積を減少させ、多くの場合、LCDアセンブリの平坦な平面から離れるように外へと延びている。

ベゼルをなくすことで、粒子状の汚染物質がベゼルおよび表示装置に沿って捕まり、あるいは付着する結果である環境的な影響が少なくなる。したがって、ベゼルレスの設計は、耐衝撃性、耐湿性、耐塩水性、耐バクテリア性、および清掃の容易さを向上させることができ、種々の照明条件のもとでの表示画像のコントラストを改善することができる。ベゼルのないシステムにおいては、影がほとんどまたはまったく生じない。さらに、ベゼルレスの設計は、製造を簡単にでき、製造コストを下げることができ、さらには／あるいは表示システムの全体としてのサイズの縮小をもたらすことができる。

このように、表示装置へと直接固定される連続的なオーバレイは、システムの耐久性を高めるとともに、表示装置の審美的な外観も向上させる。さらに、センサ、アクチュエータ、およびコーティングを、オーバレイへと直接適用し、あるいはオーバレイ内に一体化させて、システムの耐久性をさらに向上させるとともに、システムの製造コストをさらに下げることができる。

本明細書において使用されるとき、用語「ベゼルレス」は、オーバレイを含む多層の表示アセンブリを動かぬように保持するという主目的を提供する機械的なベゼルを必要とすることなく、表示装置をオーバレイへと光学的に接合させてなる構成を説明するために使用される。本明細書に開示される原理を、ベゼルまたは枠（外側の飾り枠など）を備える表示システムにも同様に上手く適用できることを、理解すべきである。したがって、ベゼルレスの表示システムに関して説明を行うが、表示システムが、1つ以上のベゼルまたは枠を用いても、あるいは取り入れてもよい。

図2は、本開示の実施の形態による表示システム10を概略的に示している。この図示の実施の形態においては、表示システムは、オーバレイ14、接着剤16などの光学層、および表示アセンブリ18という3つの層を含んでいる。この例では、表示アセンブリが、LCDアセンブリである。しかしながら、すでに述べたように、表示アセンブリは、OLED表示装置、電子ペーパー表示装置、LED表示装置、など、別の適切な表示アセンブリであってよい。

表示アセンブリ18は、接着剤16などの光学層を接合させることができる外側フェーシング面を備えることができる。例えば、LCDにおいては、外側フェーシング基板が、LCDの外表面または外面に配置されたガラス基板であってよい。他の実施の形態においては、外側フェーシング面が、LCDの偏光板であってよい。

オーバレイ14を、積層表示システム10をもたらすべく表示アセンブリ18へと適用することができる。オーバレイ14の内表面を、LCDなどの表示アセンブリの外表面に面するように配置することができる。オーバレイは、任意の適切な材料であってよく、オーバレイの少なくとも一部分が、第1の基板の屈折率と同様の屈折率を有することができるが、この整合は、すべての実施の形態において必要というわけではない。

オーバレイ14と表示アセンブリ18との間に、接着剤16などの光学層を配置することができる。この光学層は、固体、ゲル、または液体であってよい。典型的には、光学層は、屈折率がオーバレイおよび表示アセンブリ18の表示領域の外表面の一方、または両方と実質的に同様であるよう、屈折率を整合させた材料を含むことができる。一例として、これに限られるわけではないが、表示アセンブリの外表面またはオーバレイが、ガラスであって、1.472という屈折率を有することができ、接合層が、1.406という屈折率を同様に有することができる。

いくつかの実施の形態においては、光学層が、光学接着剤であってよい。主として光学接着剤として説明されるが、いくつかの実施の形態においては、接合材料が、接着の性質をほとんどまたはまったく有さなくてもよく、主として光学的な整合の層であってよい。

さらに詳しく後述されるとおり、接合材料は、塗布においてあらかじめ硬化済みの光学接着剤と考えられる組み合わせ接着剤であってよい。第1に、接合材料を、本明細書において光学接合液とも称される液体接着剤として、オーバレイまたは表示アセンブリの外表面の一方または両方へと塗布することができる。接合液を完全または実質的に硬化させることによって、接着剤予備形成物を形成することができ、硬化後に、第2の基板を表示装置へと積層することができる。接合後の改善された積層表示システムを、接合の接着強度を高めるため、および捕らえられた空気が存在するのであれば光学接合から追い出すために、事後処理することができる。

これに限られるわけではないが、例として、接着剤は、シリコーン主体の接着材料であってよい。例えば、接着剤が、2液硬化型のシリコーン接着剤であってよい。あるいは、接着剤が、これらに限られるわけではないがウレタン由来の材料および／またはアクリル由来の材料など、他の適切な材料であってよい。いくつかの実施の形態においては、接着剤が、ウレタン誘導体およびシリコーン誘導体（および／またはアクリル誘導体）の混合物であってよい。より硬いウレタン誘導体とより柔らかいシリコーン誘導体との混合物は、さらなる接合特性をもたらすことができる。他の例として、いくつかの実施の形態においては、ガラスへの接合がウレタン誘導体によることができ、さらに／または表示装置への接合がシリコーン誘導体によることができる。さらに、いくつかの実施の形態においては、エポキシ誘導体を使用することが可能であると考えられる。

さらなる例として、これに限られるわけではないが、以下の特定の材料が、典型的な例示の材料として提示され、単独または組み合わせにて使用可能である。接着剤の選択肢として、これらに限られるわけではないが、ジメチルシロキサンおよびビニル末端ジメチルポリマーのヒドロシラン架橋剤との混合物、ジメチルビニルシロキシ末端フェニルメチル環状シロキサン、メチルビニルシロキサン、ジメトキシ（グリシドキシプロピル）末端、および／またはポリエーテル主体の脂肪族ポリウレタンの混合物など、ゲル、エラストマー、および樹脂が挙げられる。

別の実施の形態においては、多層の手法が、アクリル系の光学的に透明な材料の使用を含むことができる。さらに、シンナーを、接着剤の粘性を下げ、積層を容易にするために、適用することができる。これらの効果を達成するために、ヘキサメチルジシロキサンなど、アセトンと同様の乾燥速度を有する材料を使用することができる。接着剤を、これらに限られるわけではないが、材料の屈折率などの光学的性質、ならびに接合特性および硬化速度などの機械的性質、など、複数の因子にもとづいて選択できることを、理解すべきである。

図3は、例示的な表示システム10のブロック図を示している。やはり、オーバレイ14、接着剤16、および表示アセンブリ18という3つの層が示されている。とくには、図3は、どのようにオーバレイを複数の部位へと分割できるのかを示している。この例では、オーバレイが、第1および第2の部位（それぞれ、20および22）へと分割されている。他の例では、オーバレイ14を、3つ以上の部位へと分割することができる。さらに、これらの部位のうちの1つ以上を、カスタマイズすることができる。この例では、第2の部位がカスタマイズされている。カスタマイズの選択肢24が、本明細書においてさらに詳しく説明される図6にさらに詳しく示されている。

図4は、例示的なオーバレイ14の上面図を示している。オーバレイが、第1の部位および第2の部位（それぞれ、20および22）へと分割されている。第1の部位20は、実質的に透明または或る程度透明であってよく、オーバレイ14へと接合させることができる表示装置および／または電子機構をユーザに視認可能にしている。光学層を、この透明な部位と表示アセンブリの視認可能部分（表示領域とも称される）との間に配置することができる。光学層は、この層が屈折率を整合させた材料を含み、したがって屈折率がオーバレイおよび表示アセンブリ18の外表面の一方または両方と実質的に同様であるように、光学接着剤であってよい。

第2の部位22は、カスタマイズが可能であり、第1の部位を超えて広がることができる。例えば、第2の部位22は、第1の部位20に垂直方向に整列した表示装置の視認可能部分を囲むことができる。他の実施の形態においては、第2の部位20が、第1の部位20の1辺を超えて広がることができる。あるいは、第2の部位22が、部位20の2辺、部位20の3辺、などを超えて広がることができる。第2の部位を、表示アセンブリの第2の部位（表示アセンブリの非視認部分）へと直接接着し、あるいは接合させることができる。さらに、第2の部位を、製品の筐体または外殻へと接合させることができ、そのような接着剤は、第1の透明な部位を表示アセンブリの表示領域へと接合させるために使用される光学層と同じであっても、異なっていてもよい。同様に、さらに詳しく後述されるとおり、種々のセンサ、アクチュエータ、または他の構成部品を、第2のカスタマイズされた部位へと貼り付けることができ、そのような接合材料は、第1の透明な部位を表示アセンブリの表示領域へと接合させるために使用される光学層と同じであっても、異なっていてもよい。

いくつかの例では、第1の実質的に透明な部位を、第1の領域および第2の領域（それぞれ、20Aおよび20B）へと分割することができる。2つの異なる表示アセンブリの2つの視認可能部分を、第1および第2の領域に整列させることができる。他の例では、図5に示されているように、第1および第2の領域20Aおよび20Bを、2つの表示アセンブリを1つのオーバレイシートへと一体化できるように間隔を空けて位置させることができる。オーバレイのサイズおよび／または形状がさまざまであってよいことを、理解できるであろう。例えば、オーバレイは、円形、台形、矩形、または正方形であってよい。

オーバレイを構成することができる典型的な材料として、強化ガラス、ポリマー材料、および表示システムの光学、美学、および／または機能を向上させることができるさまざまな他の適切な材料が挙げられる。オーバレイは、透明な部位およびカスタマイズされた部位の両方が1枚のシート内にあるような連続的なシートであってよい。2つの部位を、2つの部位に異なる機能を可能にするために、別個に処理またはコーティングすることができる。

オーバレイをカスタマイズすることで、表示システムを幅広い範囲の用途に使用できるようになる。そのようなカスタマイズされた部位を、所望の審美的、光学的、および／または機械的機能を実現し、顧客の満足を高め、用途を増やすために使用することができる。さらなる例として、これに限られるわけではないが、図6が一連のさまざまなカスタマイズの選択肢24を示している。カスタマイズの選択肢を、アクセサリと称することができる。

カスタマイズの選択肢として、表示システムが追加の補助機能を有することができるよう、種々の電子機構またはアクセサリをオーバレイへと貼り付けることが挙げられる。例えば、種々のセンサ26および／またはアクチュエータ28を、オーバレイに組み合わせることができる。例えば、タッチスイッチまたはタッチ式画面34、カメラまたはカメラヘッド36、電子スイッチ38、圧力センサ（図には示されていない）、温度センサ（図には示されていない）、湿度センサ（図には示されていない）、および他のさまざまなセンサなど、センサアクセサリをオーバレイに組み合わせることができる。同様に、音声トランスデューサ40、光源42、触覚バイブレータ44、集積回路トレース（図には示されていない）、制御パネル（図には示されていない）、および他のさまざまなアクチュエータなど、アクチュエータをオーバレイに組み合わせることができる。例えば、表示灯を、第2のカスタマイズされた部位に一体化させることができる。例えば、種々の制御部のための表示灯を、オーバレイに組み合わせることができる。

アクセサリを貼り付けるための材料は、第1の透明な領域と表示アセンブリの表示領域との間に使用される光学層と同じであっても、異なっていてもよい。

例として、オーバレイは、タッチセンサを備えることができる。タッチセンサは、抵抗式、容量式、投影型容量式、表面音響波式、分散音響式、または任意の他のタッチ式画面の技術であってよい。オーバレイは、タッチの検出が可能な1つまたは複数の領域を有することができ、タッチセンサは、オーバレイの面積の大部分を覆って広がっても、限られた領域だけを覆って広がってもよい。タッチの検出が可能な領域を、タッチ領域と称することができる。例えば、2つの表示アセンブリがタッチセンサへと貼り付けられる場合には、タッチセンサが、表示アセンブリの位置に直接対応する2つの別個独立のタッチ有効領域を有することができる。この場合、それぞれの位置に1つずつ、2つのタッチセンサを使用することができ、あるいはただ1つの多点タッチセンサを使用することができる。あるいは、タッチセンサが、両方の表示アセンブリを覆って広がるただ1つの有効タッチ領域を有することができ、タッチセンサのファームウェアまたはアプリケーションソフトウェアが、どの位置においてタッチ操作を可能にするかを決定することができる。いくつかの実施の形態においては、例えばボタン、スライダ、ダイアル、および他の制御部をもたらすために、下方の表示アセンブリに整列していないタッチ検出領域を設けることができる。

さらなるカスタマイズの選択肢として、オーバレイの或る部位または部分へと何らかの層30を適用することをさらに挙げることができる。塗料（例えば、不透明な塗料46）、コーティング（例えば、反射防止コーティング48）、または他の適切な重ね層など、さまざまな層を選択的にオーバレイへと適用することができる。

またさらに、カスタマイズの選択肢として、オーバレイの第2の部位の或る部分の外観または組成に物理的な変更32を加えることが挙げられる。上述のように、種々の部位および／または領域に、他の領域および／または部位とは異なる塗装またはコーティングを施すことができるが、一部の領域および／または部位を、コーティングおよび塗装を施さないままにしてもよい。さらに、オーバレイの物理的な外観に、オーバレイの材料にエッチング50および／または着色52を加えることによって変更32を施すことができる。オーバレイのエッチングとして、オーバレイのカスタマイズ対象の部位に酸性、腐食性、または摩耗性の物質を適用することが挙げられる。この例では、オーバレイが強化ガラスである。上述のとおり、オーバレイまたはオーバレイの各部分を構成するために、他の種類の材料を使用できることを、理解できるであろう。また、いくつかの実施の形態においては、パターン状の導体またはコーティングを、オーバレイに取り入れることができる。

図7〜10は、LCDアセンブリの例示的な実施の形態（それぞれ、18A〜18D）を示している。これらの典型的なLCDアセンブリを、表示システムにおいてオーバレイへと光学的に接合させることができる。表示システムの意図される用途に応じて、さまざまな構成を使用することができる。LCDアセンブリの視認可能部分が、LCDアセンブリの光を発するように構成された領域を含むことができることを、理解できるであろう。

詳しくは、図7がLCDアセンブリ18Aを示している。LCDおよび偏光板を含んでいるLCDセル54が、構造化された輝度向上フィルム（図示されていない）、反射偏光子（図示されていない）、および／または鏡面反射鏡（図示されていない）を含むことができるバックライトユニット56の前方に保持されている。いくつかの例では、LCDが、液晶層を2枚のガラスシートの間に配置して備えることができる。複数の金属製および／またはプラスチック製部品で構成することができる取り付け構造58が、LCDアセンブリを一体に保持している。取り付け構造58は、表示装置の構造的な完全性を高めることができ、装置を損傷および電子部品の故障の可能性から守ることができる。しかしながら、表示装置が、取り付け構造58およびLCDアセンブリに沿って入り込む周囲からの汚染に曝される可能性がある。したがって、ここに開示されるシステムにおいて、オーバレイをLCDセルの上面へと適用することができる（図8に示されている）。LCDアセンブリが、LCDセルとバックライトユニットとを保持する取り付け構造を備えて図示されているが、いくつかのシステムにおいては、取り付け構造が、別の構成であっても、あるいは存在しなくてもよい。第1の実質的に透明な部位が、LCDの表示領域に沿って広がることができ、第2のカスタマイズされた部位が、取り付け構造58を覆って広がることができる。

図8は、LCDアセンブリ18Bを概略的に示しており、オーバレイ60が、サブアセンブリへと光学接着剤61を使用して貼り付けられている。そのようなウインドウを、表示装置の強度を高めるために使用することができ、あるいは反射防止コーティング、防眩用のコーティングまたは肌理(textures)、汚れ防止(anti-smudge)のコーティング、EMIフィルタ、またはタッチスイッチのための場所を提供するために使用することができる。所望の機械的、光学的、および／または美的機能を実現するために、さらなるフィルムまたはコーティングをウインドウへと追加してもよい。

図9は、表示器18が表示アセンブリの表示領域を示している例示的な表示システム10の分解図を示している。したがって、表示領域18が、垂直方向において接着剤およびオーバレイ14の第1の実質的に透明な領域20に整列している。いくつかの例では、接着剤16をオーバレイ14へと前もっと塗布して、接着剤オーバレイアセンブリを形成することができる。他の例では、接着剤16を、オーバレイ14と表示装置18との間の接合の強度を高めるために、硬化させることができる。

オーバレイ14は、オーバレイが少なくとも1つの方向においてディスプレイよりも広がるように、表示装置18の第2の外形よりも実質的に大きい第1の外形を有することができる。オーバレイ14の外形の方が大きいことで、表示システム10のカスタマイズが可能になり、表示システムの適用性が増す。図示のとおり、オーバレイの第1の部位20が、垂直方向において表示アセンブリ18に整列している。接着剤が、第1の部位および第2の部位22に一致して示されているが、他の実施の形態においては、接着剤が、表示アセンブリの表示領域の外周を超えて広がってもよい。第2の部位22を、上述のとおりカスタマイズすることができる。

表示システム10のいくつかの異なる典型的な構成が、図10〜図12に示されている。これら表示装置のさまざまな構成は、あくまでも例示であって、これらに限られるわけではない。

図10に示されるように、表示システム10Aは、オーバレイ14および表示装置18Aを備えることができ、表示装置18Aが、取り付け構造58、LCDセル54、およびバックライトユニット56をさらに備えている。オーバレイ14および表示装置18を、接着剤16によって光学的に接合させることができる。いくつかの例では、接着剤が、表示装置内の1つ以上の層および／またはオーバレイと同様の屈折率を有することができる（すなわち、光学的に整合させることができる）。LCDアセンブリ18は、オーバレイ14の縁までは延びていない。このやり方で、オーバレイの外形が、LCDアセンブリの外形よりも実質的に大きい。この例では、オーバレイが実質的に平坦であって、表面の容易な清掃を可能にし、塵埃などの粒子が留まるすき間を制限している。

図11は、表示システムのさらなる例示的な構成を示している。表示システム10Bは、表示アセンブリ18Aへと光学的に接合させることができるオーバレイ14を備えることができる。アクセサリ64を、接着剤66によってオーバレイ14のカスタマイズ部分へと貼り付けることができる。この例では、アクセサリが、表示装置をオーバレイ14に光学的に接合させるために使用される接着剤16と同様の接着剤で、オーバレイに光学的に接合させられている。しかしながら、アクセサリ64をオーバレイ14へと貼り付けるために、他の適切な接着剤を使用してもよい。いくつかの例では、アクセサリ64を、オーバレイ14へと光学的に接合させることができる。アクセサリは、タッチスイッチなどのセンサ、表示灯、音響トランスデューサ、触覚バイブレータ、などのアクチュエータ、などであってよい。

図12は、別の例示的な表示システムを示している。第1および第2のLCDアセンブリ（それぞれ、68および70）を備えている表示システム10Cが、オーバレイ14の2つの透明な部位へと光学的に接合させられている。種々のアクセサリ（この図には示されていない）を、オーバレイ14のカスタマイズ部分に備えることができる。図示のとおり、第1のLCDアセンブリ68が、光学接着剤74によってオーバレイ14へと光学的に接合させられる一方で、第2のLCDアセンブリ70が、光学接着剤76によってオーバレイ72へと光学的に接合させられている。第1のLCDアセンブリ68が、LCDセル80およびバックライトユニット82を部分的に囲むベゼル78を備えることができる。第2のLCDアセンブリ70が、LCDセル86およびバックライトユニット88を部分的に囲むベゼル84を備えることができる。いくつかの例では、光学接着剤74および光学接着剤76が、同一または同様であってよい。光学接着剤の厚さは、LCDアセンブリにベゼルが使用されるならば、そのようなベゼルを受け入れるような(such to accommodate)厚さであってよい。したがって、ベゼルがLCDアセンブリを保持するために使用されているが、オーバレイは、ベゼルを使用することなく保持される。さらに、表示装置が2つだけ図示されているが、実質的に任意の数のさまざまな表示装置を同じオーバレイへと光学的に接合させることができることを、理解すべきである。表示装置は、同じまたは異なる種類および／またはサイズであってよい。

図13は、オーバレイ、接着剤、および表示アセンブリを備える表示システムを構成するために実施することができる方法1500のフロー図を示している。いくつかの例では、このようにして構成される表示システムが、図9に示した表示システムと同様であってよい。他の例では、方法1500を、別の適切な表示システムを構成するために使用することができる。

最初にステップ1512において、LCDアセンブリを構成することができる。いくつかの例では、LCDアセンブリを、図7に示したように、LCDセルおよび／またはバックライトユニットを取り付け構造に配置し、ベゼルによってLCDセルおよびバックライトユニットを部分的に囲むことができるようにすることによって構成することができる。他の例では、追加の構成部品を、取り付け構造に配置することができる。さらに、LCDセルが、液晶層の上下に位置する（すなわち、液晶層を挟んでいる）2枚のガラスシートを備えることができる。さらに、他の例では、これらに限られるわけではないが、OLED、電子ペーパー表示装置、LED、または他のさまざまな表示アセンブリなど、別の適切な表示アセンブリを使用することができる。

次に、ステップ1514において、光学接着剤を、少なくともオーバレイの第1の透明な部位へと塗布することができる。オーバレイの第2の部位を、このステップにおいてカスタマイズすることができ、あるいはオーバレイを表示アセンブリに組み合わせた後にカスタマイズしてもよい。オーバレイの第2の部位のカスタマイズとして、センサ（例えば、タッチスイッチ）を貼り付けるなど、1つ以上のアクセサリの接着や、第2の部位の少なくとも一部分へのコーティングの適用などを挙げることができる。

図示のとおり、いくつかの実施の形態においては、光学接着剤を、表示アセンブリの視認可能部分の外形よりも大きい外形を有するオーバレイへと塗布することができる。表示アセンブリの視認可能部分は、表示アセンブリのうちの光を発することができる部分を含むことができる。いくつかの例では、光学接着剤が、上述のように、表示アセンブリの1つ以上の部位または層ならびに／あるいはオーバレイと同様の屈折率を有する透明な接着剤であってよい。この例では、光学接着剤が、オーバレイの透明な部位と同様の屈折率を有している。別の例では、光学接着剤を、表示アセンブリへと塗布することができる。

次に、ステップ1516において、光学接着剤およびオーバレイを、予備的に硬化させることができる。次に、ステップ1518において、オーバレイの透明な部位が、表示アセンブリの視認可能部分に整列させられる。オーバレイの透明な部位を表示アセンブリの視認可能部分に整列させることは、オーバレイの第2の部位がオーバレイの透明な部位の少なくとも1辺を超えて広がるように、表示アセンブリを配置することを含むことができる。

次に、1520において、オーバレイが表示アセンブリへと接合させられる。接合は、オーバレイおよび／または表示アセンブリを、オーバレイの少なくとも一部分と表示アセンブリとが表示システムを形成すべく組み合わせられるように扱うことを含むことができる。

以上の開示は、別個独立の有用性を有する複数の別々の発明を包含すると考えられる。それらの発明のそれぞれを、その好ましい形態にて開示したが、本明細書において開示または図示されたとおりの具体的な実施の形態は、多数の変種が可能であるため、本発明を限定する意味に解釈されるべきではない。本発明の主題は、本明細書に開示したさまざまな構成要素、特徴、機能、および／または特性のあらゆる新規かつ非自明な組み合わせまたは部分的組み合わせを包含する。そのような請求項は、異なる発明に向けられていても、同じ発明に向けられていても、技術的範囲に関して元のいずれかの請求項と相違しても、より広くても、より狭くても、あるいは同じであっても、やはり本明細書の開示の発明の主題に含まれると考えられる。

Claims (17)

1. 表示システムであって、
   ・第1のサイズの表示領域を有する第１表示アセンブリと、
   ・前記第１表示アセンブリの前記表示領域のサイズに対応する第１の実質的に透明な部位を有している連続的なオーバレイと、
   ・少なくとも１つの追加の層を含むカスタマイズされた部位であり、前記少なくとも１つの追加の層は、不透明なコーティングである部位と、
   および
   ・前記オーバレイと前記第１表示アセンブリとの間に配され、前記第１表示アセンブリを前記オーバレイへと光学的に接合させる光学層と、を備え、
   前記オーバレイは、前記第１表示アセンブリにベゼルを使用することなく直接固定され、前記第１表示アセンブリのベゼルは前記光学層内に進入する進入部を有し、当該進入部と前記オーバレイの間に前記光学層が介在し、
   前記光学層は、屈折率が前記オーバレイおよび前記第１表示アセンブリの表示領域の外表面の一方、または両方と実質的に同様であるよう、屈折率を整合させた材料を含む、表示システム。
2. 前記光学層は、予備形成物を形成するために予備的に硬化されている光学接着剤である請求項１に記載の表示システム。
3. 前記第１表示アセンブリが、液晶表示装置、有機発光ダイオード表示装置、および電子ペーパー表示装置のうちの１つである請求項１又は２に記載の表示システム。
4. 前記光学層は、固体、ゲルまたは液体の接着剤である請求項１−３のいずれかに記載の表示システム。
5. 前記光学層は、組み合せ接着剤、シリコン主体の接着剤、２液硬化型のシリコン接着剤、ウレタン由来の材料、アクリル由来の材料、ウレタン誘導体およびシリコン誘導体（および／またはアクリル誘導体）の混合物、およびエポキシ誘導体のうちの１つを備える請求項１−４のいずれかに記載の表示システム。
6. オーバレイへと光学的に接合させる第２表示アセンブリまたはオーバレイへと光学的に接合させるアクセサリを更に備える請求項１−５のいずれかに記載の表示システム。
7. 前記オーバレイは、少なくとも１つの不透明な領域を含む第２のカスタマイズされた部位を有している請求項１−６のいずれかに記載の表示システム。
8. 前記オーバレイは、少なくとも１つの追加の層を含む第２のカスタマイズされた部位を有し、
   前記少なくとも１つの追加の層は、反射防止コーティング、防眩用のコーティング、汚れ防止のコーティング、またはＥＭＩフィルタである請求項１−７のいずれかに記載の表示システム。
9. 前記光学層が、前記オーバレイの前記第１の実質的に透明な部位および前記第１表示アセンブリの前記表示領域の外表面の一方と実質的に同様な屈折率を有している請求項１−８のいずれかに記載の表示システム。
10. 前記オーバレイは、少なくとも２辺において前記第１の実質的に透明な部位を超えて広がっている第２のカスタマイズされた部位を有している請求項１に記載の表示システム。
    
11. 前記オーバレイは、前記第１の実質的に透明な部位から離れて位置する第２の実質的に透明な部位をさらに備えている請求項１−１０のいずれかに記載の表示システム。
12. 前記第１表示アセンブリは、前記オーバレイを覆う機械的なベゼルを用いずに、前記オーバレイの前記第１の実質的に透明な部位へと光学的に接合される請求項１−１１のいずれかに記載の表示システム。
13. 表示システムを構成するための方法であって、
    ・オーバレイの第１の実質的に透明な部位、及び少なくとも１つの不透明な領域を含むオーバレイの第２の部位に、光学接着剤を塗布するステップ、ここで第１表示アセンブリに使用されるベゼルは前記光学接着剤内に進入する進入部を有し、当該進入部と前記オーバレイの間に前記光学接着剤が介在し、
    ・前記オーバレイの前記第１の実質的に透明な部位を前記第１表示アセンブリの視認可能部分に整列させるステップ、
    ・前記オーバレイの前記第１の実質的に透明な部位を前記第１表示アセンブリの前記視認可能部分に整列させるステップに先立って、前記光学接着剤を予備的に硬化させるステップ、および、
    ・前記予備的に硬化された光学接着剤によって、前記オーバレイの前記第１の実質的に透明な部位と前記第１表示アセンブリとを光学的に接合させるステップを含んでいる方法。
    
14. 前記オーバレイの第２の部位へとセンサ、および／または、タッチスイッチを貼り付けるステップを更に含んでいる請求項１３に記載の方法。
15. 前記オーバレイの第２の部位の少なくとも一部分へとコーティングを適用するステップを更に含んでいる請求項１３又は１４に記載の方法。
16. 前記オーバレイの前記第１の実質的に透明な部位を前記第１表示アセンブリの視認可能部分に整列させるステップが、前記オーバレイの第２の部位が前記オーバレイの前記第１の実質的に透明な部位の少なくとも１辺を超えて広がるように、前記第１表示アセンブリを位置させるステップを含んでいる請求項１３−１５のいずれかに記載の方法。
17. 前記予備的に硬化された光学接着剤によって、前記オーバレイの第２の部位と、第２表示アセンブリまたはアクセサリとを光学的に接合させるステップを更に含んでいる請求項１３に記載の方法。

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