JP6267004B2 - 殺菌野菜の生産方法 - Google Patents

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Description

本発明は、殺菌野菜の生産方法に関する。
核家族化や共働きの増加を背景に、野菜を切ることなくそのまま調理したり食べたりすることができるカット野菜の需要が増している。カット野菜は、畑から収穫された野菜が切断されて生産されるが、収穫された野菜には、泥や塵等の汚れや生菌が付着している。そのため、畑から収穫された野菜を洗浄や殺菌した後、切断されてカット野菜を得ることが多い。そして、得られたカット野菜は、包装(袋詰め等)されて、製品として出荷される。
カット野菜の殺菌方法としては、大量調理施設衛生管理マニュアルに記載された、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いた方法がある。具体的には、野菜が次亜塩素酸ナトリウム水溶液に所定時間浸漬されることで、野菜の殺菌が行われる。しかし、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤を用いると、野菜に塩素臭が残存することがある。また、有機塩素系の副生成物が生成することがあり、これにより、副生成物を除去するため、野菜を大量の水でリンスしなければならないことがある。
そこで、強い殺菌力を有するオゾン水が近年注目されている。オゾンは、触媒等により速やかに分解され、残存しにくいという利点もある。そこで、オゾンガスを水に溶解させたオゾン水を用いた殺菌方法が知られている。具体的には、例えば特許文献1には、洗浄した後の葉野菜に対して、オゾン水を用いて殺菌することが記載されている。
特許第4381349号公報
オゾンは強い殺菌力(酸化力)を有するため、殺菌効果があるほか、野菜そのものへの影響があり得る。そのため、殺菌のためにオゾン水を用いる場合、野菜への影響を抑える観点から、オゾン水中のオゾン含有量の上限が制限されることがある。そのため、オゾンの有する強い殺菌力という特性が十分に活かされていない。
また、オゾン水を用いて殺菌を行うと、野菜の表面は、オゾンの強い殺菌力によって、少なからず損傷を受ける。そのため、殺菌後の野菜を保存しているとき、野菜の例えば切断面等において、褐変が生じ易くなることがある。また、損傷箇所を中心に、野菜細胞中の水分が漏出(離水)することがある。さらには、褐変の発生や離水によって消費者の食欲がそがれることもある。従って、褐変の様な品質劣化の発生を抑制することが望まれている。
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、オゾン水の有する殺菌力を十分に活かしつつ、褐変の発生を抑制可能な殺菌野菜の生産方法を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、以下の知見を見出した。即ち、本発明は、殺菌装置において、野菜をオゾン水に接触させて野菜を殺菌する殺菌工程と、ヒートショック装置において、前記殺菌工程において殺菌された野菜に対して、水道水又は井戸水を前記オゾン水よりも温度が高い40℃〜60℃に温めた温水を接触させてヒートショック処理を行うヒートショック工程と、混合装置において、前記殺菌工程で用いられたオゾン水から回収したオゾンを用いて、前記ヒートショック装置から排出された使用済みの温水を殺菌する温水殺菌工程と、前記温水殺菌工程で殺菌された前記使用済みの温水を前記ヒートショック装置へ循環させて再使用する循環工程と、を含むことを特徴とする、殺菌野菜の生産方法に関する。
本発明によれば、オゾン水の有する殺菌力を従来よりも活かしつつ、褐変の発生を抑制可能な殺菌野菜の生産方法を提供することができる。
第1実施形態の殺菌システムの系統図である。 第1実施形態の殺菌システムにおいて実行される、殺菌野菜の生産方法を説明するフローチャートである。 第2実施形態の殺菌システムの系統図である。 第3実施形態の殺菌システムの系統図である。 第4実施形態の殺菌システムの系統図である。 第5実施形態の殺菌システムの系統図である。 第6実施形態の殺菌システムの系統図である。 第7実施形態の殺菌システムの系統図である。 第8実施形態の殺菌システムの系統図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明実施するための形態(本実施形態)を説明する。
[1.第1実施形態]
図1は、本実施形態の殺菌システム100の系統図である。殺菌システム100は、予洗槽1と、殺菌槽2と、温水層3と、すすぎ槽4とを備える。カット野菜はこの順で各槽において処理されて、殺菌済みのカット野菜が得られる。殺菌システム100により殺菌可能なカット野菜としてはどのようなものでもよいが、褐変が特に生じ易いという観点から、本実施形態では、キャベツやレタス等の葉物野菜を対象として、殺菌を行っている。
また、殺菌システム100は、ほかにも、殺菌槽2に供給されるオゾン水を調製するための冷却装置5及びオゾン水調製槽6、回収されたオゾンガスを貯蔵する回収オゾンガスタンク7、温水循環ラインにおいて循環する温水を調製するための加熱装置8及び混合装置9、並びに、すすぎ槽4に供給される冷水を調製するための冷却装置10を備えている。
給水源としては、水道水が用いられるほか、例えば殺菌処理が施された井戸水が殺菌システム100に給水される。殺菌システム100に給水された水は、そのまま予洗槽1に供給されるほか、冷却装置5や冷却槽10で冷却された後にオゾン水調製槽6やすすぎ槽4に供給される。また、図示はしないが、給水された水の一部は加熱装置8にも供給され、加熱された後、温水槽3に供給されて、温水循環ラインを通流する。
また、排水としては、予洗槽1で使用された後の水、殺菌槽2で使用された後に溶存オゾンガスが回収された後の水、すすぎ槽4で使用された後の水が、適宜廃水処理され、外部に排出される。また、図示はしないが、温水循環ラインを通流する温水は、その汚れ度合等に応じて、外部に排出される。
なお、図1では、主要な装置を図示し、各液体の送液に用いられるポンプや流量調整弁、搬送装置、流量計や温度計等の各種センサ等は、図示の簡略化のために図示していない。
予洗槽1は、殺菌対象物であるカット野菜を殺菌前の予備洗浄(以下、予洗という)をするものである。即ち、予洗槽1には、図示しない切断装置によって切断された野菜(カット野菜)が供給される。予洗は、水を用いて行われる。予洗槽1においては、カット野菜に付着している泥や埃等が洗浄される。そして、ある程度清浄なカット野菜が、殺菌槽2に供給されることになる。
殺菌槽2は、泥等の汚れが除去されたカット野菜に対して、殺菌処理を行うものである。具体的には、殺菌処理は、オゾンガスを溶解させた冷水(オゾン水)をカット野菜に浸漬(接触)させることで行われる。浸漬時間は、オゾン水のオゾン含有量やカット野菜の質量等に拠っても異なるが、例えば0.2分〜15分程度であり、好ましくは0.2分〜5分程度である。
オゾン水の温度は、カット野菜の鮮度を維持する観点から、例えば4℃〜20℃程度とすることが好ましい。ただし、オゾン水の温度は、例えば常温に近い20℃〜40℃程度としてもよい。ここで、オゾンガスの水への溶解量は、水の温度が低ければ低いほど、多くなる。そのため、このような温度範囲のオゾン水とすることで、オゾン水の溶解量を増加させることができ、より強力な殺菌処理が可能となる。
また、用いるオゾン水中のオゾンガス含有量は、例えば1mg/L〜30mg/Lである。従って、オゾン水調製槽6では、オゾンガスの含有量が例えばこの範囲になるように、オゾン水が調製される。ここで、殺菌槽2においてカット野菜をオゾン水に浸漬させる際、オゾン水からオゾンが分離して、オゾンガスが発生することがある。そのため、殺菌槽2で発生した、オゾン水から発生したオゾンガスは、回収オゾンガスタンク7に回収されるようになっている。
温水槽3は、殺菌槽2で殺菌された野菜に対して、ヒートショック処理を施すものである。また、温水槽3では、カット野菜が濯がれて、殺菌槽2で付着したオゾン水が除去される。カット野菜は、殺菌槽2でのオゾン水による殺菌処理により、ダメージを受けている。そこで、このダメージを回復するために、カット野菜を温水に浸漬させてカット野菜の温度を変えることで、ヒートショック処理が行われる。浸漬時間は、カット野菜の質量等によっても異なるが、例えば数十秒〜数分程度である。
温水の温度は、カット野菜に適切なヒートショック処理を施す観点から、前記のオゾン水の温度よりも高いことが好ましい。具体的には、温水の温度は、例えば40℃〜60℃程度とすることができ、中でも、45℃〜55℃程度とすることが好ましい。
ここで、オゾン水による殺菌後にヒートショック処理を行うことで得られる利点を説明する。省エネルギの観点からは、最終的なカット野菜の製品が低温下で保存されることを考慮すると、まずヒートショック処理を行って、その後に冷たいオゾン水による殺菌処理の順で行うことが好ましい。この殺菌処理は、ヒートショック処理により上昇したカット野菜の温度を下げる冷却処理も兼ねることになる。
しかし、本実施形態では、前記のように、まずオゾン水による殺菌処理を行って、その後にヒートショック処理が行われている。そして、詳細は後記するが、ヒートショック処理されたカット野菜について冷却が行われ、冷却後に製品としてカット野菜が出荷されることになる。ヒートショック処理をオゾン水による殺菌処理の後に行うことで優れた効果が得られる理由について、本発明者らが検討したところによると、以下のように考えられる。
オゾン水を用いることで、その強い殺菌力により、短時間での処理や低温での処理でも、十分な殺菌が可能となる。また、オゾンは、分解されると酸素となるため、副生成物や残留物が少ないという利点もある。しかし、オゾンは酸化力が強いため、カット野菜をオゾン水に接触させることで、カット野菜の表面や切断面は、前記のようにダメージを受けてしまう。
しかし、その後にヒートショック処理を行うことで、カット野菜の表面に存在し得る蝋成分(例えばペクチン等)が熱によって溶け出し、ダメージを受けた部分を覆うように作用する。これにより、カット野菜のダメージを受けた部分が回復して、生体防御反応としての表面や切断面での褐変が抑制されると考えられる。また、ヒートショック処理により、カット野菜の温度を変化させることで、カット野菜中の褐変に関与するタンパク質等の生合成経路に変化が生じ、これにより、褐変が抑制されるとも考えられる。
このように、オゾン水による殺菌後にヒートショック処理を行うことで、例えばカット野菜の褐変を抑制することができる。従って、従来よりも強い酸化力を有するオゾン水、即ち、オゾン含有量が多いオゾン水を用いて殺菌しても、ヒートショック処理によりダメージが回復されるため、褐変を抑制することができる。そのため、オゾン水を用いた殺菌を従来よりも十分に行うことができ、オゾンの有する強い殺菌力をより十分に活かすことができる。そして、従来よりも、より確実に殺菌を行うことができるため、カット野菜の保存性を向上させたり、外観や風味、食感等を良好に維持したりすることができる。この点は、切断面のほか、洗浄中に装置内壁に擦れた部分で褐変や養分の漏出が生じ易い、キャベツやレタス等の葉物野菜の場合に特に優れた利点である。
さらに、本発明者らの検討により、オゾン水によりダメージを受けた野菜でも、ヒートショック処理により、野菜が水分を吸収し、野菜にハリがでることが見出された。また、褐変しにくくなることが見出された。そのため、ヒートショック処理によって、ハリが出て、日持ちが良くなると考えられる。
また、オゾン水は前記のように残留物が少ないという利点があり、殺菌後のカット野菜には殺菌性を有する成分が残存しないことになる。一方で、殺菌性を有する成分が残存しなければ、カット野菜を殺菌後に、生菌が増殖し始めた場合に、増殖速度が早くなることになる。しかしながら、本実施形態のように、残留物の少ないオゾン水を用いて殺菌を行い、その後にヒートショック処理を行った場合、ヒートショック後のカット野菜における生菌の増殖が抑えられることがわかった。その理由は明らかではないが、本発明者らの検討によると、以下のように考えられる。
本実施形態で行われるヒートショック処理は、通常は、殺菌力を十分に発揮できる条件で行われるものではない。従って、ヒートショック処理による殺菌効果というよりは、温水と接触させることでの生菌(蝋状物質に絡みついている菌を含む)の洗い流し効果が大きくなると考えられる。これにより、ヒートショック後のカット野菜に残存する生菌数を減少させることができ、カット野菜の出荷後に、生菌数が所定の基準値に到達するまでの時間を遅らせることができると考えられる。
また、温水と接触させることで、カット野菜の表面から、生菌の養分となる物質(切断面やオゾン水によるダメージを受けた部分から漏出する野菜の細胞液等)を除去することができると考えられる。よって、生菌が増殖するための栄養分が減少し、これにより、生菌の増殖を効果的に抑制することができると考えられる。
また、カット野菜の洗浄後の温水には、菌体が含まれていることになる。そして、この菌体は、前記のようにヒートショック処理に通常用いられる温度や時間程度では死滅しない。そこで、本実施形態では、再利用する温水について、オゾンガスを用いた殺菌が行われている。また、使用済みの温水を例えば75℃以上に加熱して1分以上処理したり、細菌が透過できない孔径の濾過膜を用いて除去したりすることも考えられる(これらの点は後記する)。そして、これらのような殺菌や除菌を行うことにより、使用済みの温水を再利用することができるようになる。
前記のように、温水槽3は、殺菌槽2で殺菌されたカット野菜に対してヒートショック処理を行うものである。そして、ヒートショック処理は、カット野菜を温水に浸漬させることで行われる。ここで、オゾン水による殺菌処理と、温水によるヒートショック処理とは、通常は、カット野菜の生産工場等において連続して行われることになる。このような工場では、生鮮食品である野菜を扱うため、工場内は低温で管理されることが多い。そのため、工場内に熱源が無いことがあり、温水の調製には多大なエネルギが必要となることがある。ここで、熱交換器を用いて排出された温水の熱を回収し、その熱を再利用することも可能である。しかし、熱を完全に回収することは不可能であるし、熱交換器のコストやメンテナンスがかかる。
そこで、殺菌システム100では、温水槽3でヒートショック処理に用いられる温水は、使用後にそのまま排水するのではなく、再び使用されるようになっている。ただし、いったん使用された温水には、殺菌槽2で完全に死滅しなかった生菌が含まれていることがある。そこで、温水槽3から排出された温水は、オゾンガスとの混合装置9で殺菌が行われた後、加熱装置8により再加熱されて、処理温水として、再び温水槽3に供給されるようになっている。加熱装置8での加熱量は、温水槽3に野菜を浸漬したときに低下する熱量と等量とすることが好ましい。このように、殺菌システム100では、温水槽3、混合装置9及び加熱装置8により、温水循環ラインが形成されていることになる。
温水槽3から排出された温水に対する殺菌処理は、殺菌システム100内で生じた、余剰のオゾンガスを用いて行われる。具体的には、オゾン水調製槽6において冷水に溶解しなかった余剰のオゾンガス、殺菌槽2でカット野菜を処理するときに用いたオゾン水から発生したオゾンガス、及び、殺菌槽2から排出された使用済みオゾン水中の溶存オゾンガスが用いられる。即ち、まず、これらのオゾンガスが、回収オゾンガスタンク7に回収される。ここで、例えば溶存オゾンガスは、使用済みオゾン水に対して散気管を用いて空気を散気することで、溶存オゾンガスを回収することができる。そして、その回収されたオゾンガスが、混合装置9で温水槽3からの使用済み温水に接触(混合)されることで、使用済み温水が殺菌される。
従来、系内の余剰のオゾンガスや使用済みオゾン水中の溶存オゾンガスは、触媒等を用いて分解した後、酸素ガスとして大気中に放出していた。しかし、オゾンガスの製造は、手間やコストがかかる。また、外部に排出するために何らかの処理が必要となることがあり、手間やコストが必要となることがある。従って、そのような手間やコストをかけて製造したオゾンガスは、できるだけ系内で消費することで排出量を極力減らし、手間やコストをかけないようにすることが好ましい。そこで、殺菌システム100では、前記の回収したオゾンガスを用いて、温水槽3から排出される温水の殺菌が行われている。これにより、製造したオゾンガスを無駄にすることなく、利用することができる。しかも、前記のような、温水からの熱を回収するための熱交換器を別途用いるよりも、熱損失や手間を省くことができる。
また、本発明者らの検討によれば、オゾンによる殺菌効果は、固体に付着している菌体に対する殺菌効果よりも、液体中に存在する菌体に対する殺菌効果の方が大きいことが見出された。従って、系内で回収されたオゾンガスが少量である場合でも、回収したオゾンガスを使用済みの温水に接触(具体的には散気等)させることで、使用済み温水の殺菌を十分に行うことができる。これにより、温水を循環させて繰り返し使用することができる。
図1に戻って、殺菌システム100の構成の説明を引き続き行う。
すすぎ槽4は、温水槽3においてヒートショック処理が施されたカット野菜に対して、冷水を用いたすすぎを行うものである。すすぎ槽4は、ヒートショック処理が施されたカット野菜を冷却するものでもある。これにより、カット野菜の温度が低下させられる。この後は、カット野菜は、生菌の増殖やカット野菜の鮮度の維持を図るため、低温下で取り扱われることになる。なお、前記の殺菌槽2において殺菌されたカット野菜が、すすぎ槽としての役割もある温水槽3に供給されることで、すすぎ槽4でのすすぎ時間が短縮される。
すすぎ槽4において冷却されたカット野菜は、その後、図示しない遠心脱水機により脱水される。そして、脱水後のカット野菜は、袋詰めされて適宜保管された後、殺菌野菜として出荷される。
図2は、第1実施形態の殺菌システム100において実行される、殺菌野菜の生産方法を説明するフローチャートである。まず、工場に搬送された未切断の野菜は、表面の汚れが除去された後、図示しない切断装置により切断されてカット野菜となる(ステップS1)。そして、得られたカット野菜について、図1に示した殺菌システム100を用いて殺菌が行われる。
まず、カット野菜は、予洗槽1(図1参照、以下、他の装置において同様)において予洗される。これにより、未切断の状態では除去し切れなかった泥や汚れが除去される。次いで、予洗後のカット野菜は、殺菌槽2において、オゾン水によって殺菌される(ステップS3、殺菌工程)。これによって、カット野菜表面に付着した菌体の殺菌が行われる。特に、本実施形態では、前記のように温水を用いたヒートショック処理が行われるため、従来よりも高濃度のオゾン水を用いて殺菌することができ、より十分な殺菌が可能である。
殺菌されたカット野菜に対しては、温水槽3において、温水を用いたヒートショック処理が行われる(ステップS4、ヒートショック工程)。これにより、前記のオゾン水殺菌に伴って生じうる褐変等を抑制することができる。ヒートショック処理後、カット野菜は、すすぎ槽4において、すすぎ水によって濯がれるとともに、冷却される(ステップS5、冷却工程)。冷却後、カット野菜は遠心脱水の後に袋詰めされて、低温下で適宜保管された後、製品として出荷される(ステップS6)。
なお、図2では図示していないが、本実施形態では、温水槽3でのヒートショック処理に使用された使用済み温水は、システム100内で回収されたオゾンガスを用いて、殺菌される(温水処理工程)。そして、温水処理工程を経て得られた温水は、再び温水槽3に供給される。
以上の殺菌システム100によれば、ヒートショック処理によってダメージを受けた野菜を回復できるため、従来よりも高濃度のオゾン水を用いて殺菌することができる。そのため、従来よりも、より確実に殺菌することができ、殺菌野菜の保存性や日持ち性が向上する。また、褐変等を抑制することができるため、外観や風味、食感等を良好に維持することができる。
[2.第2実施形態]
次に、図3を参照しながら、第2実施形態の殺菌システム200を説明する。殺菌システム200では、前記の殺菌システム100と同様のものについては同様の符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。
前記の殺菌システム100では、殺菌槽2に供給される冷水を調製するための冷却装置5と、すすぎ槽4に供給される冷水を調製するための冷却装置10とが備えられていた。また、温水循環ラインの途中に、温水の温度を維持するための加熱装置8が備えられていた。しかし、殺菌システム200では、これらが備えられない代わりに、給水源から給水された水の有する熱が温水槽3からの使用済み温水に対して供給される、ヒートポンプ11が備えられている。
即ち、殺菌システム200では、温水槽3からの使用済み温水は、温水循環ラインの途中に備えられたヒートポンプ11に供給される。そして、ヒートポンプ11に供給された温水は、給水源から給水された水を冷水の温度まで冷却する際に回収される熱を用いて、加熱されるようになっている。この加熱された温水は、温水循環ライン(より具体的には、ヒートポンプ11と温水槽3との間に形成された温水供給ライン)を経由して、再び温水槽3に供給される。このように、ヒートポンプ11を用いることで、冷却装置5,10を用いずとも冷水が得られ、また、加熱装置8を用いずとも温水が得られるようになっている。これにより、よりいっそうの省エネルギ化を図ることができる。なお、給水源には、温水槽3から持ち込まれる加温された野菜を冷やすためにすすぎ槽4で使われ、温度が上昇した冷水を転用し、すすぎ水の再利用を図ってもよい。
[3.第3実施形態]
次に、図4を参照しながら、第3実施形態の殺菌システム300を説明する。殺菌システム300では、前記の殺菌システム100,200と同様のものについては同様の符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。なお、図4では、図3に示した殺菌システム200に対する変形例を示している。
前記の殺菌システム100,200では、殺菌槽2から排出されたオゾン水のうちのオゾン除去後の冷水や、すすぎ槽4から排出された冷水は、外部にそのまま排水されていた。しかし、殺菌システム300では、これらの冷水をそのまま排水するのではなく、それらの冷水が有する冷熱を利用している。具体的には、殺菌システム300には、給水源から給水された水を、それらの冷水が有する冷熱によって冷却するための熱交換器12が備えられている。
即ち、ヒートポンプ11により冷却された後にすすぎ槽4に供給された冷水や、冷水を用いてオゾン水調製槽6で調製されたオゾン水は、殺菌槽2及びすすぎ槽4で使用された後でも、依然として十分に低温状態である。そこで、使用済みのオゾン水や冷水は、必要に応じて含まれるオゾンが回収された後、熱交換器12に供給されるようになっている。そして、熱交換器12では、供給された冷水によって、給水源から給水された水が冷却され、その冷却された水が、ヒートポンプ11及びオゾン水調製槽6に供給されるようになっている。
即ち、殺菌システム300では、熱交換器12及びヒートポンプ11により冷却された水を用いて、オゾン水調製槽6でオゾン水が調製される。そして、その調製されたオゾン水が、オゾン水調製槽6と殺菌槽2とを接続するオゾン水供給ラインを経由して、殺菌槽2に供給されるようになっている。このようにすることで、殺菌システム300での熱エネルギをより無駄なく利用することができ、消費エネルギをより一層削減することができる。
[4.第4実施形態]
次に、図5を参照しながら、第4実施形態の殺菌システム400を説明する。殺菌システム400では、前記の殺菌システム100〜300と同様のものについては同様の符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。なお、図5では、図4に示した殺菌システム300に対する変形例を示している。
前記の殺菌システム100〜300では、温水槽3からのカット済み野菜は、すすぎ槽4で冷水により濯がれ、冷却されていた。しかし、殺菌システム400では、冷水による冷却ではなく、空冷により冷却する空冷槽13が備えられている。
即ち、殺菌システム400では、すすぎ槽4は備えられていない。そして、ヒートポンプ11により得られた冷水は、オゾン水調製槽6にのみ供給されて、殺菌槽2でのみ使用される。一方で、温水槽3でヒートショック処理が行われたカット野菜は、空冷槽13において、空気(冷風等)によって冷却される。従って、例えば高原地域や冬期間等、涼しい環境で殺菌システム400を運転する場合には、冷水を用いずとも、例えば外気等の比較的温度の低い空気によってカット野菜を冷却することができる。また、すすぎ槽4に冷水を供給する必要が無く、殺菌槽2のみに冷水を供給すればよい。そのため、殺菌槽2に対して、十分な量の冷水をより確実に供給することができる。
[5.第5実施形態]
次に、図6を参照しながら、第5実施形態の殺菌システム500の説明をする。殺菌システム500では、前記の殺菌システム100〜400と同様のものについては同様の符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。なお、図6では、図1に示した殺菌システム100に対する変形例を示している。
前記の殺菌システム100では、システム内のオゾンガスが回収され、そのオゾンガスを用いて、温水槽3から排出された使用済み温水が殺菌されていた。しかし、図6に示す殺菌システム500では、使用済みの温水を加熱して殺菌する加熱殺菌装置14(温水処理装置)が備えられている。そして、加熱殺菌装置14が使用済み温水の一部又は全部を十分に加熱して殺菌し、その殺菌後の温水が温水槽3に再び供給されるようになっている。
加熱殺菌装置14での加熱温度は、例えば60℃〜150℃である。また、加熱時間は、加熱温度によっても異なるが、加熱殺菌装置14での滞留時間として、例えば1秒〜30分とすることができる。加熱殺菌装置14での加熱は、蒸気や熱水を加熱源とした熱交換器を用いて行うことができる。また、電気ヒータによる加熱、マイクロ波加熱、誘電加熱も適用可能である。
加熱殺菌装置14が備えられることで、加熱装置8に供給される温水は、十分に高い温度になっている。そのため、加熱装置8で与える熱量を低減することができる。また、加熱装置8において加熱しなくても十分に温度の高い温水を温水槽3に供給することができる場合には、加熱装置8の設置を省略することもできる。従って、加熱殺菌装置14が備えられることで、使用済み温水の殺菌を行うことができるともに、新たな加熱を行わずに(又は供給熱量を低減させて)、温水槽3に適温の温水を供給することができる。
[6.第6実施形態]
次に、図7を参照しながら、第6実施形態の殺菌システム600の説明をする。殺菌システム600では、前記の殺菌システム100〜500と同様のものについては同様の符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。なお、図7では、図6に示した殺菌システム500に対する変形例を示している。
前記の殺菌システム500では、使用済み温水を加熱殺菌する加熱殺菌装置14が備えられていた。しかし、図7に示す殺菌システム600では、使用済み温水から菌体(生菌や死菌の双方を含む)や夾雑物を濾過して除去する濾過装置15(温水処理装置)が備えられている。これにより、使用済み温水は、濾過装置15で菌体や夾雑物が除去されて、濾過液となる。そして、この濾過液が、加熱装置8で加熱された後、再び温水槽3に供給されるようになっている。一方で、濾過装置15で透過されなかった水は、図示しない配管等を経由して、外部に排水されるようになっている。
濾過装置15は、例えば濾過膜等を備えて構成されている。具体的には、濾過装置15は、いずれも図示しないが、温水槽3からの使用済み温水を貯水する水槽や、濾過膜とハウジングとを備えて構成される濾過ユニット等を備えて構成されている。なお、必要に応じて、孔径の異なる複数の濾過膜が設けられるようにしてもよい。また、濾過装置15は、同じくいずれも図示しないが、水槽と濾過ユニットとを結ぶ配管、濾過ユニットに使用済み温水を送る送水ポンプ、送水量を測る流量計、送水圧力を測る圧力計等を備えて構成されている。
使用する濾過膜としては、例えば精密濾過膜、限外濾過膜、逆浸透膜が適用可能である。また、濾過膜の孔径は、例えば精密濾過膜を用いる場合には、0.1μm以下が好ましい。濾過方式は、デッドエンド濾過方式、クロスフロー濾過方式の何れを選択してもよく、クロスフロー濾過方式の場合、濾過ユニットで濾過されなかった供給液の一部を水槽に戻す配管で結ぶ循環ラインが構築される。
濾過装置15が備えられることで、使用済み温水に対して、殺菌のほか、夾雑物の除去を行うことができる。そのため、より清澄な温水を、温水槽3に供給することができる。
[7.第7実施形態]
次に、図8を参照しながら、第7実施形態の殺菌システム700の説明をする。殺菌システム700では、前記の殺菌システム100〜600と同様のものについては同様の符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。なお、図8では、図6に示した殺菌システム500に対する変形例を示している。
前記の殺菌システム500では、使用済み温水を加熱殺菌する加熱殺菌装置14が備えられていた。しかし、図8に示す殺菌システム700では、紫外線を用いて殺菌する紫外線殺菌装置16(温水処理装置)が備えられている。これにより、温水槽3からの使用済み温水は、紫外線が照射されることで、殺菌される。そして、この殺菌後の温水が、加熱装置8で加熱された後、再び温水槽3に供給されるようになっている。
紫外線照射装置16では、例えば253.7nmの波長の光が使用済み温水に照射される。この紫外線により、温水中の生菌のDNAが切断され、殺菌が行われる。
紫外線照射装置16が備えられることで、処理対象となる使用済み温水が大量であっても、効率よく殺菌処理を行うことができる。
[8.第8実施形態]
次に、図9を参照しながら、第8実施形態の殺菌システム800の説明をする。殺菌システム800では、前記の殺菌システム100〜700と同様のものについては同様の符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。なお、図9では、図6に示した殺菌システム500に対する変形例を示している。
前記の殺菌システム500では、使用済み温水を加熱殺菌する加熱殺菌装置14が備えられていた。しかし、図9に示す殺菌システム800では、薬剤を用いて使用済み温水を殺菌する薬剤殺菌装置17(温水処理装置)が備えられている。薬剤殺菌装置17には薬剤槽18が接続されており、薬剤槽18に貯留している薬剤が薬剤殺菌槽17に添加されるようになっている。これにより、温水槽3からの使用済み温水が殺菌され、殺菌後の温水が、加熱装置8で加熱された後、再び温水槽3に供給されるようになっている。
添加される薬剤としては、例えば、過酸化水素溶液、エタノール、過酢酸溶液等が挙げられる。これらは適宜混合して用いられてもよい。また、薬剤として例えば過酢酸溶液を用いる場合、添加された過酢酸溶液が除去された後の温水が温水槽3に供給されることが好ましい。
薬剤殺菌装置17が備えられることで、より大量の使用済み温水に対して、より確実な殺菌処理を行うことができる。
なお、図示はしないが、薬剤殺菌装置17で殺菌した後、殺菌後の温水に対して紫外線を照射することもできる。このようにすることで、紫外線照射によって未反応の薬剤が活性化される。そのため、生菌への殺菌作用が促進され、より強力な殺菌を行うことができる。
また、同じく図示はしないが、薬剤殺菌装置17で殺菌した後、殺菌後の温水を加熱することができる。このようにすることで、前記の紫外線照射と同様、加熱によって薬剤が活性化され、より強力な殺菌を行うことができる。さらに、添加した薬剤が揮発性の場合、加熱することによって、温水中の未反応の薬剤を気化させることができ、温水槽3に供給される温水の残留薬剤を容易に低減することができる。
[9.変形例]
以上、本実施形態を8つの実施形態を挙げて具体的に説明したが、本実施形態は前記の例に何ら限定されるものではない。即ち、本発明は、前記の実施形態に適宜変更を加えて、また、前記の実施形態を適宜組み合わせて実施することができる。
例えば、第1実施形態〜第4実施形態では、オゾン水調製槽6からの余剰のオゾンガス、殺菌槽2で発生したオゾンガス、及び、殺菌槽2から排出されたオゾン水中のオゾンガスの3つが回収されているが、いずれか1つ又は2つのオゾンガスが回収されるようにしてもよい。即ち、これらのオゾンガスは、殺菌槽2で殺菌のために用いられるオゾン水から回収したオゾンガスに相当する。また、これらの他にも、殺菌槽2で殺菌のために用いられるオゾン水から回収されたオゾンガスであれば、どのようなオゾンガスを回収してもよい。
さらに、オゾン水調製槽6では、オゾンガスを冷水に供給してオゾンガスが調製されているが、オゾン水を調製する方法はこれに限られない。従って、オゾン水は、例えばいわゆる電解オゾン水方式により調製されてもよい。電解オゾン水方式とは、オゾン水調製槽6内の水に電極を作用させて、水から直接オゾン水が生成される方式である。この場合には、生成したオゾン水からの余剰オゾンガスは無視できるほど少量である、殺菌槽2からの排気ガスである余剰ガスや流出液からのオゾンガスを回収オゾンガスタンク7に回収すればよい。
また、温水槽3からの使用済み温水を殺菌する方法として、第1実施形態〜第4実施形態では、オゾンガスが混合装置9で混合されている。さらに、第5実施形態では加熱殺菌装置14が、第6実施形態では濾過装置15が、第7実施形態では紫外線殺菌装置16が、第8実施形態では薬剤殺菌装置17が用いられている。従って、これらの各装置は、いずれも、使用済み温水を殺菌又は除菌する温水処理装置である。しかし、温水処理装置はこれらに限られず、使用済み温水に対して殺菌及び除菌のうちの少なくとも一方を行って、殺菌等を行った使用済み温水(即ち処理温水)を得ることができる装置であれば、どのようなものでもよい。
さらに、オゾン水調製槽6で調製されたオゾン水の一部を混合装置9に供給するようにしてもよい。この場合、オゾン水調製槽6内のオゾン水に溶解したオゾンガスの一部が、混合装置9において、温水循環ラインの循環する温水に接触したと考えることができる。即ち、殺菌槽2において野菜を殺菌するために用いられるオゾン水(溶存するオゾンガスを含む)が、オゾン水を送液(回収)する送液ポンプ(オゾンガス回収装置)により混合装置9に送液されることで、そのオゾン水中のオゾンガスが温水と接触することになる。
また、殺菌槽2において、オゾン水を用いて野菜を殺菌するときのオゾン水の使用形態は、前記のような浸漬に限られない。即ち、例えば、オゾン水を野菜に対して噴霧することで、野菜の殺菌が行われるようにしてもよい。同様に、温水槽3でのヒートショックも、温水に野菜を浸漬させる形態に限られず、例えば温水を野菜に対して噴霧することで、野菜にヒートショック処理が行われるようにしてもよい。さらに、同様に、混合装置9での温水の殺菌の形態も、前記のような混合に限られず、回収したオゾンガスを循環する温水に接触させて殺菌できれば、どのような形態にしてもよい。
すすぎ槽4における冷却方法も同様であり、冷水を接触させる形態として、冷水に浸漬させる方法に限定されず、例えば冷水を噴霧する方法等も挙げられる。さらに、オゾン水調製槽6を設ける代わりに、外部から供給されるオゾン水を利用するようにしてもよい。
さらに、前記の実施形態では、オゾンガス回収装置として回収オゾンガスタンク7を備えているが、オゾンガスを回収可能な装置であれば、タンクの形態に限られない。また、オゾンガスを回収するために必要な装置を、適宜設けることもできる。
また、例えば、前記の実施形態では、予洗槽1やすすぎ槽4等が備えられているが、これらの装置は備えられて無くてもよい。さらに、前記の実施形態では、オゾン水調製槽6に供給する冷水と、すすぎ槽4に供給する冷水とは、別個の冷却装置5,10により調製されている。しかし、これらを一つに纏めて、一つの冷却装置により調整された冷水が分岐してこれらに供給されるようにしてもよい。また、前記の実施形態では、予洗槽1や殺菌槽2、すすぎ槽4からの排水は、必要に応じて冷熱が回収された後に外部に放出されている。しかし、この水を例えば給水源まで戻して、再利用するようにしてもよい。
さらに、殺菌対象の野菜はカット野菜に限られず、未切断の野菜であってもよい。
2 殺菌槽(殺菌装置)
3 温水槽(ヒートショック装置)
4 すすぎ槽(冷却装置)
6 オゾン水調製槽
7 回収オゾンガスタンク
9 混合装置(温水処理装置)
11 ヒートポンプ
12 熱交換器
14 加熱殺菌装置(温水処理装置)
15 濾過装置(温水処理装置)
16 紫外線殺菌装置(温水処理装置)
17 薬剤混合装置(温水処理装置)
18 薬剤槽
100 殺菌システム
200 殺菌システム
300 殺菌システム
400 殺菌システム
500 殺菌システム
600 殺菌システム
700 殺菌システム
800 殺菌システム

Claims (4)

  1. 殺菌装置において、野菜をオゾン水に接触させて野菜を殺菌する殺菌工程と、
    ヒートショック装置において、前記殺菌工程において殺菌された野菜に対して、水道水又は井戸水を前記オゾン水よりも温度が高い40℃〜60℃に温めた温水を接触させてヒートショック処理を行うヒートショック工程と、
    混合装置において、前記殺菌工程で用いられたオゾン水から回収したオゾンを用いて、前記ヒートショック装置から排出された使用済みの温水を殺菌する温水殺菌工程と、
    前記温水殺菌工程で殺菌された前記使用済みの温水を前記ヒートショック装置へ循環させて再使用する循環工程と、
    を含むことを特徴とする、殺菌野菜の生産方法。
  2. 前記ヒートショック工程においてヒートショック処理が施された野菜に対して、冷却装置を用いて冷却を行う冷却工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の殺菌野菜の生産方法。
  3. 前記野菜は葉物野菜であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の殺菌野菜の生産方法。
  4. 前記オゾンを用いて殺菌された温水を、温水処理装置を用いて殺菌する温水処理工程を含むことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の殺菌野菜の生産方法。
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