JP2014169254A - 超微細ガス水を用いた消毒及び鮮度保持装置、消毒及び鮮度保持方法、消毒及び鮮度保持方法を施した生鮮食料品又は植物 - Google Patents

超微細ガス水を用いた消毒及び鮮度保持装置、消毒及び鮮度保持方法、消毒及び鮮度保持方法を施した生鮮食料品又は植物 Download PDF

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萩原信子
Shigemitsu Morita
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Abstract

【課題】超微細かつ時間経過によるオゾン濃度の低下を抑制したオゾン水を生成し、さらには鮮度保持ガス水を用いて生鮮食料品又は植物に対する効果的な消毒処理及び鮮度保持処理を行う消毒及び鮮度保持装置、消毒及び鮮度保持方法及び消毒及び鮮度保持方法を施された生鮮食料品又は植物を提供する。
【解決手段】ベンチュリ管231と、ガスを取り込むための気体供給パイプ239と、磁気回路243とを備え、ベンチュリ管231の小径路及びその近傍にてガスと被処理液が混合撹拌される際に磁場を印加することにより、超微細かつ濃度安定性に優れた超微細ガス水を生成する。超微細ガス水であるオゾン水を生鮮食料品の消毒処理に使用し、さらに鮮度保持ガス水を鮮度保持処理に使用することによって、安全かつ長時間にわたり鮮度が保持された生鮮食料品を提供することが可能である。
【選択図】図3

Description

本発明は、青果、鮮魚、精肉等の生鮮食料品及び花卉等の植物(いずれも店頭にて販売されているもののみならず、加工途上のもの、収穫直後のもの及び収穫前のもの等を含む。)の消毒及び鮮度保持に関するものである。
青果、鮮魚、精肉の生鮮食品及び畑の野菜、果物、花卉等の植物には微生物が少なからぬ量付着していることが通常のため、生鮮食料品に対しては食中毒防止及び鮮度保持等の観点から、収穫直後又はカット処理等の加工後速やかに消毒処理を行うことが望ましい。また、このオゾン水を生成する装置を農業が盛んな地域に配置することにより、各農家が当該オゾン水を噴霧器等に給水、畑で野菜に噴霧し、野菜のウイルス等による病気を防ぐことが望ましい。
消毒処理においては、残存する微生物のうち一般生菌数について10CFU/g(CFU:Colony Forming Unit、1gあたりの一般生菌数を意味する。)以下とする食品業界の自主規制値が設けられているほか、某大手外食チェーンでは10〜10CFU/gとすることが望ましいとされている。かかる基準を満たすべく従来から提案されている消毒方法として、塩素消毒、電解水消毒、紫外線消毒及びオゾン水消毒等が知られている。
このうち塩素消毒は、二酸化塩素ないし次亜塩素酸及びその塩類を対象物に添加して、対象物中に存する微生物を不活化する技術である。塩素は強力な酸化剤としての機能を有するものであり、上水道での消毒処理に広く使用されるなど、現在、我が国においては主流に用いられている消毒方法である。
また、電解水消毒は水に塩化ナトリウムや希塩酸などの導電物質を添加し電気分解することにより次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸イオンを生成させるものであり、消毒のメカニズムは塩素消毒となんら変わりがない。
また、紫外線消毒は、対象物に対して紫外線を照射することにより消毒処理を行う方法である。主に波長254nmの低圧紫外線や、220nmから可視光領域に至る幅広い波長領域の連続光(主波長は365nm)を発光する中・高圧紫外線が使用されるが、最近は強力なパルス紫外光を発するパルスドキセノンランプを使用する消毒方法についても研究されている。
また、一般的なオゾン水消毒は、たとえば水中にオゾンをスタティックミキサー法、ベンチュリ法、インペラせん断流法などで溶解させたオゾン水により消毒処理を行う方法である。具体的には、オゾンが有する強力な酸化力により消毒を行う方法である。
他方、生鮮食料品においては、消毒処理を行っても微生物を完全に滅失させることは困難であり、消毒処理を施した後も微生物が一定数残存し、これが増殖することにより腐敗に至るのが通常である。これは、消毒剤耐性を有する枯草菌、セレウス菌などの芽胞菌を従来の消毒法で十分に消毒することができないからである。このため、消毒処理後の一定期間にわたって生鮮食料品を新鮮な状態に維持するためには、消毒処理とは別に、鮮度保持処理を行う必要がある。
鮮度保持処理として従来から知られているのは、対象物を50℃程度の水道水に一定時間浸すというヒートショック処理である。50℃の水道水は、好気性細菌類を不活化する作用を有することから、ヒートショック処理を行うことにより微生物の増殖を抑制する。また、消毒対象物側もヒートショックにより特別な蛋白等が産出され、一定期間にわたって鮮度を維持することを可能にしている。
日本国特開2011−173858号公報 日本国特開2012−200640号公報
しかし、最も一般的に利用されている塩素消毒においては、塩素(次亜塩素酸ナトリウム溶液)が危険物に指定されており,塩素自体が人体に有害な物質であり取扱いに注意を要するほか、消毒処理の際に生鮮食料品等の表面を構成している有機物と塩素原子が結合することによって、新たに有毒な副生成物(Disinfection By Products:DBPs)である有機塩素化合物が生成される危険性が指摘されている。浄水処理においてはDBPsとして有名な発癌性物質のトリハロメタンが挙げられるが、生鮮食料品等を構成する有機物は多種多様であるため塩素消毒により様々な副生成物が生成される危険があり、具体的には肝毒性、腎毒性ないしは発癌性を示す物質の発生が懸念されている。
しかも、消毒効果とDBPs発生とはトレードオフの関係にある。すなわち、消毒効果を向上させるにはCT値(消毒作用物質の濃度と処理時間の積のことをいう。塩素消毒においては塩素濃度と消毒時間の積となる。)を増大させる必要があるところ、CT値が増大するにつれて副生成物の毒性が増加する事実が藻類培養試験やマイクロトクス試験によって判明している(水環境学会シンポジウム、2012年)。したがって、塩素消毒を実施する場合には、消毒効果を高めつつ安全性を確保するため、CT値をある程度高い値に維持しつつ、消毒処理後に残存する塩素及び有毒な副生成物を除去するための洗浄処理を行う必要があり、時間的・費用的な負担が大きいという問題がある。
また、塩素消毒に関しては近年、塩素に耐性を有するクリプトスポリジウム、ジアルジア、サイクロスポーラ等の新興・再興病原性微生物の存在が問題となっている。これらの微生物は、塩素消毒によって不活化させることはできないことから、より強力な別の消毒方法を用いなければならない。
次に、紫外線消毒の問題点について指摘する。紫外線消毒は、直進性に優れた電磁波たる紫外線を対象物に照射することによって行われる。例えばレタスのような葉野菜は葉が多数重なり合った状態で消毒する必要があるが、葉の重なった部分や紫外線が届きにくい葉脈等に存在する微生物については消毒作用を発揮できないという問題がある。すなわち、紫外線は対象物の表層に存する微生物に対しては有効な消毒作用を発揮するものの、影に存する微生物については、遮蔽ないしは減衰により十分な紫外線照射を行うことができないため、十分な消毒作用を発揮することができない。
さらに紫外線を照射して一度活性を失った微生物は、光回復・暗回復という遺伝子レベルの修復現象により一定の割合で活性を取り戻すという性質を有していることから(Morita et al.(2002))、照射線量を見積もるのが困難であり、過剰に照射しなければならないという問題点がある。
次に、従来のオゾン水消毒の問題点について指摘する。オゾン水消毒に関しては、塩素消毒、紫外線消毒について指摘した上述の問題点はないものの、従来のオゾン生成法で得られたオゾン水では十分な濃度及び半減期が得られないことから、消毒に必要なCT値を達成することができず、他の方法に比べ消毒効果が限定されるという問題がある。
すなわち、オゾンの溶解度は一般に1リットルあたり0.57g(20℃)とされ塩素よりも低く、超微細のオゾン水を生成すること自体困難であった。また、オゾンは容易に脱気するため、一旦水中に溶解させても短時間でオゾン濃度が低下するという特性を有している。さらに、水に溶解した状態ではガス態よりも半減期が短くなるという問題点がある。したがって、濃度と時間の積で規定されるCT値は低い値とならざるを得ず、他の方法と比較して消毒効果が限定されるという問題が生じ得る。
加えて、生鮮食料品の消毒処理は低温環境下で行う必要があるところ、従来のオゾン水では、温度が10℃低下した際に同等の消毒効果を発揮するためには、3倍ないし4.2倍のCT値が必要とされている(Rennecker et al.(1999)、Morita et
al.(2001))。もともと低濃度しか実現できない従来のオゾン水においては、低温環境下での消毒処理を行うことは極めて困難であった。
最後に従来の鮮度保持処理の問題点について指摘する。従来のヒートショック処理による鮮度保持処理は、効果が必ずしも十分ではないという問題がある。具体的には、ある程度の期間(2、3日)の鮮度維持は可能であっても、例えば1週間にわたって微生物の増殖を抑制し、生鮮食料品の外観、味等を新鮮なまま維持することは困難とされている。なぜなら、50℃の温度では芽胞菌を消毒することはできないからである。
本発明は従来技術における以上の課題に鑑みてなされたものであり、超微細かつ時間経過によるオゾン濃度の低下を抑制したオゾン水を生成し、これを用いて生鮮食料品等に対する効果的な消毒処理及び鮮度保持処理を実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1にかかる消毒及び鮮度保持装置は、上流側から下流側に向かって被処理水を通過させるよう形成され、順に絞り傾斜路と小径路と開放傾斜路とを有する第1のベンチュリ管と、前記小径路に連通し、前記小径路に対し混合ガスとしてオゾンを供給する第1のガス供給機構と、前記ベンチュリ管のうち前記小径路及び前記小径路近傍領域に対し磁場を印加する第1の磁場回路と、を備えた第1の気液混合機構と、前記第1の気液混合機構にて生成されたオゾン水を生鮮食料品、栽培中の野菜、果実、花卉等の植物に接触させ、オゾン分子の酸化作用により対象物を消毒するオゾン水供給機構とを備えたことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項2にかかる消毒及び鮮度保持装置は、上記の発明において、上流側から下流側に向かって被処理水を通過させるよう形成され、順に絞り傾斜路と小径路と開放傾斜路を有する第2のベンチュリ管と、前記小径路に連通し、前記小径路に対し鮮度保持ガスを供給する第2のガス供給機構と、前記ベンチュリ管のうち前記小径路及び前記小径路近傍領域に対し磁場を印加する第2の磁場回路とを備えた第2の気液混合機構と、前記第2の気液混合機構にて生成された鮮度保持ガス水を生鮮食料品に接触させるガス水供給機構とを備えたことを特徴とする。なお、請求項2における第2のベンチュリ管、第2のガス供給機構、第2の気液混合機構及び鮮度保持水供給機構は、請求項1における第1のベンチュリ管、第1のガス供給機構、第1の気液混合機構及びオゾン水供給機構と共通のものとしても良い。
また、上記目的を達成するため、請求項3にかかる消毒及び鮮度保持装置は、上記の発明において、前記鮮度保持ガスとして、二酸化炭素、窒素、酸素あるいはこれらの混合ガス体を使用することを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項4にかかる消毒及び鮮度保持装置は、上記の発明において、前記オゾン水供給機構は、前記オゾン水を生鮮食料品に接触させることにより当該生鮮食料品の苦み成分を低減することを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項5にかかる消毒及び鮮度保持装置は、上記の発明において、前記第1、第2のベンチュリ管の少なくとも一方において、前記開放傾斜路内の前記小径路近傍に配置され、強磁性体によって形成された撹拌促進部材をさらに備えたことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項6にかかる消毒及び鮮度保持装置は、上記の発明において、前記オゾン水を15℃以下の温度にて保持する温度保持機構をさらに備えたことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項7にかかる消毒及び鮮度保持装置は、上記の発明において、前記オゾン水供給機構は、前記生鮮食料品及び栽培中の野菜等の植物に対し、5℃以下に保持した前記オゾン水を60秒以下接触させることにより消毒処理を行うことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項8にかかる消毒及び鮮度保持装置は、上記の発明において、前記オゾン水とは別の、酸化作用を有する液体を、前記オゾン水と別個かつ同時に生鮮食料品及び野菜・果実・花卉等の植物に接触させる酸化作用水供給機構をさらに備えたことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項9にかかる消毒及び鮮度保持装置は、上記の発明において、少なくとも前記オゾン水供給機構が配置され、前記オゾン水供給機構は、前記オゾン水を生育段階の野菜、果物、花卉の少なくともいずれかに散布することを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項10にかかる消毒及び鮮度保持装置は、上記の発明において、前記オゾン水供給機構は、前記オゾン水を生育段階の野菜、果物、花卉の少なくともいずれかに散布することにより、前記植物の表面に結合した農薬やセシウム、の放射性物質を分解・溶出させることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項11にかかる消毒及び鮮度保持方法は、上流側から下流側に向かって順に絞り傾斜路、小径路及び開放傾斜路を有する第1のベンチュリ管のうち前記小径路及び前記小径路近傍に磁場を印加しつつ当該第1のベンチュリ管において上流側から下流側に被処理液を通過させ、同時に前記小径路に対しオゾンを供給することにより生成するオゾン水を生鮮食料品及び野菜・果実・花卉等の植物に接触させることによって、当該生鮮食料品及び野菜・果実・花卉等の消毒処理を行うことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項12にかかる消毒及び鮮度保持方法は、上記の発明において、上流側から下流側に向かって順に絞り傾斜路、小径路及び開放傾斜路を有する第2のベンチュリ管のうち前記小径路及び前記小径路近傍に磁場を印加しつつ当該第2のベンチュリ管中において上流側から下流側に向けて被処理液を通過させ、同時に前記小径路に対し鮮度保持ガスを供給することにより生成する鮮度保持ガス水を生鮮食料品及び野菜・果実・花卉等に接触させることによって、前記生鮮食料品及び野菜・果実・花卉等の鮮度を保持することを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項13にかかる消毒及び鮮度保持方法は、上記の発明において、前記鮮度保持ガスとして、二酸化炭素、窒素、酸素あるいはこれらの混合ガスを使用することを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項14にかかる消毒及び鮮度保持方法は、上記の発明において、前記オゾン水を生鮮食料品に接触させることにより当該生鮮食料品の苦み成分を低減することを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項15にかかる消毒及び鮮度保持方法は、上記の発明において、前記第1、第2のベンチュリ管の少なくとも一方において、前記開放傾斜路内の前記小径路近傍に配置され、強磁性体によって形成された撹拌促進部材によって前記被処理液の撹拌を促進させることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項16にかかる消毒及び鮮度保持方法は、上記の発明において、前記オゾン水を15℃以下の温度にて保持することを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項17にかかる消毒及び鮮度保持方法は、上記の発明において、前記生鮮食料品及び野菜・果実・花卉等に対し、5℃以下に保持した前記オゾン水を60秒以下接触させることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項18にかかる消毒及び鮮度保持方法は、上記の発明において、前記オゾン水とは別の、酸化作用を有する液体を、前記オゾン水と別個かつ同時に生鮮食料品及び野菜・果実・花卉等に接触させることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項19にかかる消毒及び鮮度保持方法は、上記の発明において、前記オゾン水を生成する装置を配置し、生育段階の野菜、果物、花卉によりなる植物に散布することを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項20にかかる消毒及び鮮度保持方法は、上記の発明において、前記オゾン水を前記植物に散布することにより、前記植物の表面に結合した農薬やセシウム等の放射性物質を分解・溶出させることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項21にかかる生鮮食料品又は野菜・果実・花卉等の植物は、上流側から下流側に向かって順に絞り傾斜路、小径路及び開放傾斜路を有するベンチュリ管のうち前記小径路及び前記小径路近傍に磁場を印加しつつ前記ベンチュリ管中において上流側から下流側に向けて通過する被処理液と、これと同時に前記小径路に対し供給されたオゾンとが混合されることによって生成されたオゾン水と接触することによって消毒処理が施されたことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、請求項22にかかる生鮮食料品又は野菜・果実・花卉等の植物は、前記オゾン水との接触に加え、上流側から下流側に向かって順に絞り傾斜路、小径路及び開放傾斜路を有するベンチュリ管のうち前記小径路及び前記小径路近傍に磁場を印加しつつ前記ベンチュリ管中において上流側から下流側に向けて通過する被処理液と、これと同時に前記小径路に対し供給された鮮度保持ガスとが混合されることによって生成された鮮度保持ガス水と接触することによって鮮度保持処理が施されたことを特徴とする。
本発明によれば、超微細かつ時間経過によるオゾン濃度の低下を抑制したオゾン水を生成し、これを用いて生鮮食料品及び野菜・果実・花卉等に対する効果的な消毒処理及び鮮度保持処理を行う消毒及び鮮度保持装置、消毒及び鮮度保持処理方法、消毒及び鮮度保持処理を施された生鮮食料品及び野菜・果実・花卉等を提供することが可能である。
すなわち、上記した塩素消毒(電解法を含む)、紫外線消毒、一般的なオゾン水、ヒートショック処理では細菌やウイルスなどの微生物を破壊することはできないが、本発明によるオゾン水は懸濁する気泡サイズ(粒径50nm以下)が極めて小さいことから、消毒剤が細胞表面あるいは一部が細胞内部に浸透して生じるところの、生存しているが一次的に増殖できない状態である、所謂VBNC(Viable but non-culturable)を経ることなく、細胞壁、細胞膜、きょう膜、カプシド、芽胞までを短時間に破壊し、完全に殺菌することができる。
また、生産現場で野菜等に散布することにより、野菜、果物、花卉等の病気を防ぐことが可能となる。その結果、生産段階から安全な食料品、生鮮品を生産することができるようになる。
さらに、当該オゾン水を野菜に散布することにより、葉面や果実面に結合した農薬やセシウム等を分解・溶出させることも可能となる。
また、このオゾン水を生成する装置を配置することにより、各農家が当該オゾン水を噴霧器等に給水、畑で野菜に噴霧し、野菜のウイルス等による病気を防ぐことが可能となる。
このとき、当該オゾン水は野菜の表面で瞬間的に分解されることから、農地で重要な役割を果たす土壌細菌をはじめとする土壌生物に影響を与えることはない。
さらには、当該オゾン水を野菜に散布することにより、葉面や果実面に結合した農薬やセシウム等を分解・溶出させることも可能となる。
実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置の構成を示す模式図である。 消毒及び鮮度保持装置を構成する気液混合機構の構造を示す模式図である。 気液混合機構を構成するベンチュリ管の構造を示す模式図である。 ベンチュリ管に印加される磁場の具体的態様を示す模式図である。 ベンチュリ管に印加される磁場の具体的態様を示す模式図である。 消毒耐性菌に対する従来の消毒剤の作用を示す模式図である。 消毒耐性菌に対する超微細オゾン水の作用を示す模式図である。 クェルシトリンの化学反応について示す模式図である。 ラクチュコピコリンの化学反応について示す模式図である。 ビタミンCの化学反応について示す模式図である。 オゾン水の生成時間と濃度の相関関係を示すグラフである。 超微細オゾン水の濃度保持作用を示すグラフである。 5℃に保持した超微細オゾン水による消毒処理の結果を示すグラフである。 2℃に保持した超微細オゾン水による消毒処理の結果を示すグラフである。 消毒処理後の一般生菌数の時間変化について示すグラフである。 超微細二酸化炭素水による鮮度保持処理をおこなったものの一般生菌数の時間変化について示すグラフである。 変形例における気液混合機構の構成を示す模式図である。 変形例における気液混合機構によって生成したオゾン水の赤外線分光測定結果を示すグラフである。 水道水を濾過して生成した原水の赤外線分光測定結果を示すグラフである。 同一温度における測定結果について、原水に関する測定結果と、オゾン水に関する測定結果を比較したグラフである。
以下、図1等を参照しつつ、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置について説明する。本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置は、超微細オゾン水からなる消毒液及び鮮度保持ガス水を生成・供給する超微細ガス水生成装置201を具備し、超微細ガス水生成装置201から供給された消毒液及び鮮度保持ガス水を順次生鮮食料品等の対象物に供給して消毒処理及び鮮度保持処理を行うものである。
図1に示すとおり、超微細ガス水生成装置201は、貯留タンク202と、気体供給機構203と、貯留タンク202から取り出した被処理液を貯留タンク202に戻す循環機構204と、循環機構204の途中に設けた気液混合機構205と、ガスの溶解を促進させるための溶解促進槽206と、貯留タンク202の温度管理を行う温度保持機構207とを備え、循環機構204の途中に設けた超微細ガス水供給機構(図示省略)によって、生成した超微細ガス水を外部に放出する構成を有する。すなわち本実施の形態にかかる超微細ガス水生成装置は、外部から注入された原水を貯留タンク202にて一旦貯留のうえ、気体供給機構203から供給された気体を気液混合機構205にて混合することによって超微細ガス水を生成し、超微細ガス水供給機構によって外部に供給する機能を有している。
貯留タンク202は、取水した原水又は循環機構204を介して循環させた超微細ガス水の少なくとも一方を貯留するためのものである。具体的には、貯留タンク202は、取水バルブ202vと接続されており、取水バルブ202vを介して注入された被処理液を内部にて貯蔵する機能を有する。
温度保持機構207は、貯留タンク202に貯留された液体を、例えば1℃〜20℃、より好ましくは5℃〜15℃の範囲に保持するためのものである。この範囲に温度設定することにより、ヘンリー定数で説明される温度上昇に伴うオゾンの自己分解現象を抑制し、ガス溶解及びガス濃度上昇を効率よく行い、かつ溶解させたオゾンの濃度低下を抑制することが可能となる。なお本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置はオゾン以外のガスについても混合可能であるところ、オゾン以外のガスについては温度上昇による分解という特性をほとんど示さないが、その場合であっても水温を一定程度に保持することによって、水分子運動の安定性を保持し、その結果処理効率を高く維持できるという利点を有する。もっとも温度保持機構207は本発明に必須のものではなく省略することも可能であり、また温度保持機構207によって保持される温度の範囲も、被処理液(原水又は超微細ガス水)や気体(気体群)の種類・性質、さらに添加物の有無等を総合的に考慮して設定することが可能である。
温度保持機構207は、貯留タンク202から被処理液を取り出すためのポンプ211と、取り出した被処理液を冷却するための冷却機212とを含む(寒冷地等外気温が設定温度範囲を下回る場合は、ヒーター装置を付加することとしてもよい。)。ポンプ211、冷却機212及び貯留タンク202の間は、被処理液を通過させる配管213によって連結されている。
かかる構成により、貯留タンク202に貯留された被処理液は、ポンプ211により貯留タンク202から取り出され、冷却機212に送られる。冷却機212は被処理液を所定範囲の温度に冷却して貯留タンク202に戻す。ポンプ211は、図示を省略した温度計によって計測された貯留タンク202内の被処理液の温度が所定範囲を超え冷却の必要がある場合にのみ作動するよう構成されている。貯留タンク202を設けることにより、被処理液を安定状態におき、また冷却機212との組み合わせにより被処理液の温度を一定範囲に保持することが可能である。これにより、超微細ガス水に関して、被処理液におけるオゾン分子の状態を保持しつつ、被処理液および処理液の分子間に充填する作用によって溶解させることが可能である。
気体供給機構203は、被処理液に混合させるガスを生成し、これを気液混合機構205に供給するための装置である。気体供給機構203は、必要に応じて圧搾等を行ったうえでガスを気液混合機構205に供給する構成としてもよい。気体供給機構203によって生成されたガスは、気体供給管217の途中に設けた電磁バルブ218と逆止弁219を介して気液混合機構205に供給される。被処理液に混合する気体が例えば大気であれば、気体生成のための機構を設ける必要はなく、圧搾装置(コンプレッサー)等が気体供給機構203の主要な構成要素となる。複数種類の気体を混合する場合には、各気体を生成又は採取等する装置を用いる。
次に、気液混合機構205について図1ないし図5を参照しつつ説明する。気液混合機構205はエジェクターとも呼ばれ、図2に示すようにベンチュリ管231と、ガスを取り込むための気体供給パイプ239と、磁気回路243とを備える。ベンチュリ管231と気体供給パイプ239は透磁性のある物質、例えば合成樹脂によって形成され、好ましくは、両者は一体的に形成されている。
ベンチュリ管231は、上流側(図2における右側)から送られてきた被処理液を下流側(図2における左側)へ通過させるためのパイプ状の外観を有し、被処理液は上流側から下流側に沿った軸線方向(ベンチュリ管231の長手方向)に流れる。
図3は、ベンチュリ管231及びその周辺部材の具体的構造について示す模式図である。図3に示すように、ベンチュリ管231の中空部は、上流側から下流側に向かって順に上流側大径路232、絞り傾斜路233、小径路234、開放傾斜路235及び下流側大径路236が連通した状態に形成されている。
絞り傾斜路233は、上流側大経路232と、上流側大経路よりも断面積の小さい小径路234とを連通するためのものであり、上流側から下流側にかけて、徐々に断面積が狭まる錐形状の部材により形成されている。例えば、絞り傾斜路233は、気体供給パイプ239の軸線方向(ベンチュリ管231の軸線方向に垂直な方向)に対して50度傾斜するよう徐々に断面積が狭まる形状を有する。
開放傾斜路235は、小径路234と、小径路234よりも断面積の大きい下流側大経路236を連通するためのものであり、上流側から下流側にかけて、徐々に断面積が大きくなる錐形状の部材によって形成されている。例えば、開放傾斜路235は、気体供給パイプ239の軸線方向に対して30度傾斜するよう徐々に断面積が大きくなる形状を有する。絞り傾斜路233の傾斜角と開放傾斜路235の傾斜角は、前者が大きくなるよう構成することが好ましい。
気体供給パイプ239は、その軸線方向とベンチュリ管231の軸線方向が垂直に交わるように配置され、小径路234の軸線方向中央において、ベンチュリ管231と連通するよう形成されている。また、気体供給パイプ239は、他方で気体供給管217と連通した構成を有し、これにより、気体供給機構203から供給されるガスを、ベンチュリ管231に対して供給する機能を有する。
図4及び図5は、磁気回路243の構成及び機能を説明するための模式図である。図4に示すとおり、磁気回路243は、ベンチュリ管231を挟んで対向する一方の磁石片245と他方の磁石片246と、磁石片245、246を連結すると共に、ベンチュリ管231に対し磁石片取り付け機能を有する断面U字形状の連結部材248とによって構成される。磁石片245、246によって磁気回路が形成されることによって、専ら両者の間で磁界が生じることとなり、その他の部分にて余分な磁界が生じることを防いでいる。磁気回路243は、小径路234及び/又はその近傍(特に小径路234の下流側)に磁界(磁力線)が発生するよう配置され、小径路234及び/又はその近傍(特に小径路234の下流側)を流れる流体全体に最も強い磁界が生じるよう配置することが望ましい。後述するとおり、小径路234等を通過する被処理液とガスの双方に磁力を作用させることによって、被処理液に対し最も効率的にガスを溶解させることができるためである。
磁石片245、246は、例えばネオジム磁石等によって形成されるが、磁場を形成しうるものであれば、これに限定する必要はない。連結部材248は、磁束漏れを抑制して磁力作用が被処理液及びガスになるべく集中するように、透磁率(μ)の大きな部材(鉄など)によって形成される。
かかる構成の磁気回路243を具備することにより、ベンチュリ管231を通過する被処理液に対し、図4、図5にて図示する態様の磁力線が印加されることとなる。
溶解促進槽206は、被処理液に対するガスの溶解を促進させるためのものである。具体的には、溶解促進槽206は、配管274を介して気液混合機構205と接続された構成を有し、内部に被処理液を保持するための円筒形状の部材を具備する。
気液分離機構265は、被処理液と、被処理液から脱気したガスとを分離排出するためのものである。気液分離機構265によって分離されたガスは、気体分解機構267に送出され、無害化処理が施された上で外部に放出される。
循環機構204は、気液混合機構205を通過した超微細ガス水を再度気液混合機構205に流入させ、再度の気液混合処理を行わせるためのものである。一旦処理が行われた被処理液に対し再度ガスを注入する工程を繰り返すことによってガスの濃度をさらに高めるために循環機構204が設けられている。循環機構204は、ポンプ271を駆動源とし、貯留タンク202と溶解促進槽206を主要な構成要素とする。すなわち、ポンプ271は貯留タンク202から配管270を介して取り出した被処理液を、逆止弁272及び配管273を介して気液混合機構205に圧送する機能を有する。圧送によって気液混合機構205を通過した被処理液は、配管274及び溶解促進槽206を抜け配管275を介して貯留タンク202に戻され、以後同様の処理が所定回数(生成しようとする超微細ガス水のオゾン濃度等によって決められる。)にわたって循環機構204により行われる。なお、配管275の途中にはバルブ276が設けられており、バルブ276の開閉により気液混合機構205の小径路234を通過する被処理液の水圧が制御されている。
超微細ガス水供給機構(図示省略)は、生成された超微細ガス水(超微細オゾン水及び超微細二酸化炭素水、窒素水、酸素水あるいはこれらの混合ガス水)を対象物に対し供給(例えば噴霧)するためのものである。超微細ガス水供給機構の具体的構成は既知の構造を用いることとしてよく、好ましい態様として、超微細ガス水供給機構は溶解促進槽206とバルブ276の間において、配管275と連通した構成にて配置されることが望ましい。
なお、超微細ガス水供給機構は、対象物に対し直接的に超微細ガス水を噴霧等する構成としてもよいが、例えば、別途消毒槽の容器を備え、当該消毒槽に超微細ガス水を供給し、別途対象物を消毒槽に浸漬することによって消毒処理を行う等の構成としてもよい。
なお、必須ではないが、超微細ガス水供給機構は、別途生成した過酸化水素水等酸化作用を有する液体を超微細オゾン水とともに噴霧する機構を備え、生鮮食料品に対し噴霧作用を行う際に、超微細オゾン水と過酸化水素水を個別且つ同時に対象物に噴霧する構成とすることも好ましい。かかる構成を採用した場合、促進酸化反応が生じてより効率的に消毒処理を行うことが可能となるためである。この場合、過酸化水素水の濃度は10ppmから500ppm程度とすることが好ましい。
また、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置の構成および両者の生成メカニズムは混合する気体の種別のみ相違し、他は同様であることから、単一の超微細ガス水生成装置について、適宜原料ガスを交換して使用する構成とすることが好ましい。
また、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置の構成として、生成供給する超微細オゾン水及び超微細二酸化炭素水、窒素水、酸素水あるいはこれらの混合ガス水のそれぞれに対して専用の超微細ガス水生成装置を設けてもよい。
(超微細ガス水生成作用)
次に、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置の作用について説明する。まず、気液混合機構205による超微細ガス水の生成機能について説明する。
気液混合機構205を構成するベンチュリ管231に入った被処理液は、絞り傾斜路233を通過し小径路234を通過する際にベンチュリ効果によって移動速度が急激に上昇する。かかる小径路234に気体成分を混入することにより被処理液と気体成分が混合し攪拌された後、引き続き開放傾斜路235にて流路が急拡大することによって乱流が生じ、攪拌される。この攪拌時に被処理液(及び混合された気体)に対し磁場を印加することにより、攪拌作用と磁力作用が相乗効果を生じた結果、ガスの気泡が細分化(発明者らが確認したところ、気泡の粒径が少なくとも50nm以下、長時間処理することによって10nm以下となることが明らかとなっている。)されることによって、超微細かつ時間経過による濃度低下が抑制された超微細ガス水が形成される。本実施の形態では、循環機構204の作用により、被処理液を何度も気液混合機構205を通過させる構成となっており、繰り返し上述の気液混合処理を行うことによって、さらにガス濃度を高める機能を有している。
(超微細ガス水の作用)
次に、消毒及び鮮度保持装置から供給される超微細ガス水の機能について説明する。本実施の形態では超微細ガス水として、超微細オゾン水及び超微細二酸化炭素水、窒素水、酸素水あるいはこれらの混合ガス水を生成することとしており、超微細オゾン水については対象物に付着した微生物を不活化する消毒剤等として、超微細二酸化炭素水、窒素水、酸素水あるいはこれらの混合ガス水については対象物における微生物の増殖を抑制し長期にわたって鮮度を保持する鮮度維持剤として機能するものである。
(超微細オゾン水の消毒作用)
まず、超微細オゾン水の消毒作用について説明する。超微細オゾン水は、液中に含まれるオゾンの酸化力が非常に強く、また、連鎖分解の過程でオゾン自体よりも強い酸化力を有する水酸化ラジカルを生成することから、微生物の分解ないし不活化を強力に行えるという機能を有する。例えば、図6左側に示すように、DNAがタンパク質によって被覆された構造を有する芽胞菌等の消毒耐性菌については、次亜塩素酸ナトリウム等の従来の消毒剤は内部に作用を及ぼすことができず、芽胞菌を死滅させることは困難である。しかし、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置にて生成した超微細オゾン水であれば、図6右側にて示すように、消毒耐性菌と同様にタンパク質によって被覆されたウイルスの外套膜を完全に破壊できることが既に実証されており、図7に示すとおり消毒耐性微生物についてもタンパク質で被覆された部分を破壊し内部のDNAに消毒作用を施すことが可能となるため、従来と比較して飛躍的に強力な消毒作用を施すことが可能である。
また、本実施の形態における超微細オゾン水は、オゾン濃度が従来のオゾン水よりも遥かに高い値となっていることに加え、水中のオゾン粒径が小さく、液中で安定的に存在し脱気が抑制されるという特徴を有する。このため、濃度と時間の積で規定されるCT値を大きくすることも可能であり、従来のオゾン水と比較してより優れた消毒作用を発揮することが可能である。実際にも、後述のとおり発明者らが超微細オゾン水を用いて消毒処理を行ったところ、次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いた消毒処理と比較して、残存する一般生菌数が10000分の1以下になるという実験結果が得られている。
さらに、本実施の形態における超微細オゾン水は、次亜塩素酸ナトリウム溶液等と異なり消毒処理により副生成物が生成されることはなく、また、消毒処理時に有機物と反応して酸素となる。このため、消毒処理によって人体に危険な物質が生じることもなく、従来消毒処理後に行われていた洗浄処理を省略することが可能であり、安全かつ効果的な消毒処理を行うことが可能である。理論上は、オゾンが有機物と反応することによりアルデヒド、ケトン、アルコール、カルボン酸等が生成しうるものの、これは下水のように有機マトリクスが大量に含まれる物質とオゾンを反応させた際に生じるものであり、生鮮食料品の場合にはこれらの物質が生成されることはない。
むしろオゾンを用いた場合、CT値が大きくなることにより、既存の毒性物質が分解されることが藻類培養試験やマイクロトクス試験により明らかにされている(水環境学会シンポジウム、2012)。
また、有機物と反応後は酸素に分解され、塩素のように残留しないことから本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置を使用した場合、消毒処理後の洗浄処理が不要となることが明らかである。
(超微細オゾン水の食味改善作用)
さらに、超微細オゾン水の強力な酸化力は、生鮮食料品に対する消毒作用のみならず、生鮮食料品中の苦み成分を構成する物質を分解し食味を改善するという食味改善作用を発揮する。生鮮食料品中には、例えばレタスにはラクチュコピクリン、ピーマンにはクェルシトリン、ニンジンには6−メトキシメレインといった苦み成分が含まれているところ、消毒処理中に超微細オゾンがこれら苦み成分を構成する物質に作用することにより、その栄養成分、生理活性物質を損なうことなく苦みを低減することが可能である。
図8は、オゾンの作用によるクェルシトリンの化学反応について示す模式図である。図8に示すとおり、ピーマンの苦み成分を構成するクェルシトリンは、オゾンの作用によってフラボノイドのクェルセチンとデオキシ糖のL−ラムノースに分離するため、ピーマンに超微細オゾン水を作用させた場合には苦みが減少することとなる。なお、新たに生じるクェルセチンは、クェルシトリンと同様に抗炎症作用及び動脈硬化予防効果を有していることから、オゾンの作用によってピーマンの栄養成分、生理活性成分が損なわれることはない。また、新たに生ずるL−ラムノースはデオキシ糖の一種であることから明らかなとおり、甘味成分として機能するものである。すなわち、本実施の形態における超微細オゾン水は、ピーマンの栄養成分、生理活性成分を損なうことなく、苦み成分を低減し、かつ甘味成分を増大させることによって、食品としての価値を高める作用を有する。
図9は、オゾンの作用によるラクチュコピコリンの化学反応について示す模式図である。図9に示すとおり、レタスの苦み成分を構成するラクチュコピコリンは、オゾンの作用によって8−デオキシラクツシンに変化する。8−デオキシラクツシンは、ラクチュコピコリンと比較して苦みが弱い物質である一方、ラクチュコピコリンと同様に抗酸化活性作用及び細胞増殖活性作用を有する物質であり、オゾンが作用することによってレタスの栄養成分、生理活性成分が損なわれることはない。すなわち、本実施の形態における超微細オゾン水は、レタスの栄養成分、生理活性成分を損なうことなく苦み成分を低減でき、食品としての価値を高める作用を有している。
さらに、生鮮食料品にはビタミンCが豊富に含まれているところ、本実施の形態の超微細オゾン水は、ビタミンCを体内に取り込みやすい形態に変化させる作用も有する。図10は、オゾンの作用によるビタミンCの化学反応について示す模式図である。図10に示すとおり、ビタミンCと一般に称されるアスコルビン酸は、一旦モノデヒドロアスコルビン酸に変化し、さらにデヒドロアスコルビン酸に変化する。デヒドロアスコルビン酸は、一般にDHAという名称で知られており、ビタミンCと比較して体内に取り込まれやすい性質を有するほか、皮膚中のメラニン発生を抑制し皮膚の質感を向上させる美容効果、抗ウイルス効果、脳内へのアスコルビン酸の取り込みを促進し脳機能障害を抑制する効果を有していると考えられる。
(超微細二酸化炭素水、窒素水、酸素水あるいはこれらの混合ガス水の鮮度保持作用)
次に、超微細二酸化炭素水、窒素水、酸素水あるいはこれらの混合ガス水からなる鮮度保持の作用について説明する。一般に、鮮度保持処理においては、消毒処理後に一定数残存する芽胞菌の増殖を抑制することが重要となる。なぜならば、芽胞菌以外の微生物については消毒処理により高い効率で死滅させることができるため、増殖する微生物の絶対量はさほど問題とならないのに対して、芽胞菌は周囲がタンパク質によって被覆されており消毒剤の作用が及びにくいことから、初期濃度が極めて高いと消毒処理後もある程度の数だけ残存し、一旦増殖を開始すると微生物の絶対数は膨大なものとなるためである。
このため、本実施の形態においては、消毒処理後の対象物に対し、鮮度保持のため超微細の二酸化炭素水、窒素水、酸素水あるいはこれらの混合ガス水を使用し、特に芽胞菌などの消毒剤耐性微生物の増殖を抑制することとしている。すなわち、超微細の二酸化炭素水、窒素水、酸素水あるいはこれらの混合ガス水には、消毒耐性微生物の増殖を抑制する作用があり、例えば芽胞菌は、発芽して通常の増殖・代謝能力を有する栄養型となることができず、新たな細胞分裂等を行うことができない芽胞の状態を維持する。かかる作用によって、超微細の二酸化炭素水、窒素水、酸素水あるいはこれらの混合ガス水は、芽胞菌の増殖を抑制し、対象物の鮮度を長時間保持するという機能を発揮するのである。
(実験結果)
発明者らは、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置が上述の作用を奏することを、実験により確認している。
(超微細ガス水の物性)
本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置を構成する超微細ガス水生成装置201によって生成された超微細ガス水が従来と比較して超微細であり、かつ、安定していることを示す。なお以下においては超微細オゾン水の物性について示すが、生成メカニズムが共通である以上、それ以外の気体を使用して超微細ガス水を生成した場合も同様である。
まず、超微細ガス水生成装置201によって生成された超微細ガス水の濃度について示す。図11は、オゾン水の生成時間と濃度の相関関係を示すグラフである。本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置を用いて生成した超微細オゾン水(本件オゾン水)と、これとの比較のため、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置において磁場を印加する場所を変化させた上で生成したオゾン水(両側磁気オゾン水、上流側磁気オゾン水、下流側磁気オゾン水。なお、「上流」、「下流」はそれぞれベンチュリ管231に対する位置関係を示しており、具体的にはそれぞれ配管273、配管274上にて磁場を印加している。)、磁場を一切印加せずに生成したオゾン水(磁気なしオゾン水)について示している。なお、オゾン水を生成する際の被処理液の温度は5℃に維持され、周囲環境の温度は17℃、周囲環境の湿度は36%〜43%であった。
図11に示すとおり、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置によって生成した超微細オゾン水(本件オゾン水)は、他と比較してオゾン濃度が極めて高く、生成時間を35分とした場合の濃度は20ppmに及ぶ。なお図11のグラフからも予想されるように、より長時間にわたって超微細オゾン水を生成すると(すなわち、気液混合機構205による気体混入及び攪拌処理を行う回数を増やすと)オゾン濃度はより高い値になる。現に発明者らは、少なくとも60ppmの高濃度超微細オゾン水を生成できる事実を確認している。
次に、超微細ガス水生成装置201によって生成された超微細ガス水の濃度が安定しており、時間経過による濃度低下が抑制されていることを、図12を参照しつつ示す。図12は、生成されたオゾン水の濃度の時間経過を示すグラフである。
一般にオゾン水の半減期は数分であるが、図12に示すとおり、超微細ガス水生成装置201によって生成された超微細オゾン水の半減期は25時間と極めて長い。すなわち、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置によれば、従来のオゾン水よりも数10倍から数百倍長時間にわたってオゾンを液中に保持し続けることが可能である。
(消毒効果)
次に、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置によって生成された超微細オゾン水の消毒効果について説明する。発明者らは、生鮮食料品の一例としてレタスを使用して超微細オゾン水による消毒処理を行い、残存する菌数を測定することにより、従来手法(次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いた消毒)よりも飛躍的に優れたな消毒効果を発揮することを確認している。
具体的な実験方法は次の通りである。まず、新鮮なレタス一玉から茎を切り落としたものを50×20mm程度の大きさにカットしたうえで、10g程度のものを消毒対象物として用意し、超微細ガス水生成装置201によって生成した60ppm、20ppmの超微細オゾン水(20ppmの超微細オゾン水については、60ppmのものを希釈したものを用いている。)各2リットルを消毒液とした消毒処理を行った。実験中における消毒液の温度を5℃、2℃の2通りに設定し、また、消毒時間については60秒、120秒、300秒の3通りに設定した。なお、消毒処理は、消毒液を入れたビーカー中にレタス片を混入した後、ゆるやかに攪拌することによって行っている。
消毒効果を確認するための、消毒後の残存一般生菌数の測定方法は次のとおりである。すなわち、消毒液による撹拌処理を行った後にレタス片をビーカーから取り出し、滅菌済リン酸塩緩衝液90mLと混合し、ストマッカーにて粉砕・均質化する。粉砕・均質化が完了したサンプルについて、1mL分を普通寒天培地で混釈し、35℃の恒温器内で48時間培養する混希培養した後に菌量を測定している。
図13は、消毒液を5℃に保持しつつ消毒処理した結果について示すグラフである。図13のグラフの縦軸は1gあたりの一般生菌数を示し、横軸において「未処理」とは消毒処理を行わなかったサンプルを意味し、「ナノピコオゾン水」とは本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置を用いて生成した超微細オゾン水を意味する。
図13に示すように、濃度60ppm、20ppmの超微細オゾン水にて消毒処理を行った場合は、未処理状態で10CFU/g程度であった一般生菌数が、1分の攪拌処理により10CFU/gないしそれ以下にまで減少している。すなわち、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置を用いて消毒処理を行ったところ、一般生菌の数は実に10000分の1にまで減少している。
なお、図13では比較のため、150ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液を消毒液として、それ以外の条件を同一にして行った消毒処理の結果についても示している。図13を見れば明らかなとおり、次亜塩素酸ナトリウム溶液を使用した従来の消毒処理では、10分間にわたって攪拌処理を行っても一般生菌数は10分の1程度にしかならない。すなわちCT値にして25倍又は75倍の消毒処理を行ったとしても、従来の消毒処理は本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置による消毒処理の1000分の1程度の効果しか発揮し得ないのである。かかる試験結果から、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置が従来と比較して顕著な消毒効果を示すことが明らかである。
また、超微細オゾン水を2℃に保持しつつ攪拌処理を行った場合は、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置はさらに優れた消毒効果を発揮する。図14は、2℃で攪拌処理を行った場合の消毒効果を示すグラフであり、図14に示すとおり、消毒処理を行った後は一般生菌について一切検出できなかった。実験によって誤差が生じる可能性は皆無でないものの、少なくとも2℃の超微細オゾン水にて消毒処理を行うことによって一般生菌がほぼ完全に消毒できることが明らかであり、従来の消毒方法と比較して極めて顕著な効果を有することが明白である。
(食味改善効果)
次に、本実施の形態の超微細オゾン水による食味改善作用についての試験結果について示す。発明者らは、レタス、ピーマン、ニンジンについて、60ppmの超微細オゾン水に30秒間浸漬し、その前後における食味の変化について、12名の被験者からアンケートをとった。結果、12名中11名が、超微細オゾン水による処理後の方が、えぐ味等の苦みが減少した又は甘みが増加したと回答し、1名についてはニンジンの味は変化を感じとれなかったが、レタス、ピーマンについてはえぐ味等の苦みが減少したと回答している。サンプル数が少なく完全に客観的な試験とまでは認められないものの、12名全員が概ね食味が改善したと回答している点に鑑みれば、客観的にも食味改善作用が生じたものと推測される。
(鮮度維持効果)
まず、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置を用いて消毒処理を行った場合、図13、図14に示すように顕著な消毒効果を発揮することから、その反射的効果として増殖する微生物の絶対数を低い値に抑制でき、長期にわたる鮮度維持が可能である。図15は、超微細オゾン水を用いて2℃で消毒処理を行ったものについて、保管温度を2℃に設定したうえで時間経過に伴う一般生菌数の変化を示すグラフである。なお、消毒処理及び菌量測定処理は、図13、図14に示す測定時とほぼ同一条件にて行っている。
図15に示すとおり、消毒処理から3日間は、一般生菌は一切検出されなかった。消毒処理から5日経過後に初めて一般生菌の存在が確認され、7日経過後においても同様の結果が得られている。微生物を培養してその数を測定する場合、計数値が1プレート(培養単位)あたり30から300でなければ統計学的な誤差が問題となり定量的な評価ができないとされている。図15に示す実験では、5日目の計数値が2CFU/プレートと14CFU/プレート、7日目の計数値が6CFU/プレートと1.5CFU/プレートと30CFU/プレートを著しく下回っており、5日経過後、7日経過後にこれまでと異なり一般生菌の存在自体は確認できるものの、どの程度増殖したかに関する定量的な評価はできない。本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置による消毒作用は、消毒処理後1週間経過した段階での一般生菌の増殖数が、定量的評価ができない程度に抑制されている事実を示しており、そのこと自体、極めて優れた鮮度維持作用を発揮していることを示している。
また、もし具体的な数値をそのまま信頼したとしても、1プレートに使用する試料が1gである点に鑑みれば、その算定値は5日目において20CFU/g、140CFU/gであり、7日目の算定値は60CFU/g、15CFU/gに過ぎない。これは、消毒処理から7日経過した後においても、食品業界の自主規制値である10CFU/gを大幅に下回る値であることは勿論、より望ましい値とされる10CFU/gの10分の1程度の値であって、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置が、消毒処理のみによっても極めて優れた鮮度保持作用を発揮することが明らかである。
同様に大腸菌群の定量も行っているが、同消毒後に大腸菌群が検出されたことはこれまで一度もない。大腸菌のようなグラム陰性の桿菌は消毒剤耐性が低いことが明らかにされており、一般生菌数を制御できている状態で大腸菌を含む大腸菌群が問題となることはない。
次に、鮮度維持剤として超微細二酸化炭素水を使用することによる効果について、図16に示す。図16は、レタスに対し、超微細オゾン水による消毒処理を行った後、超微細二酸化炭素水による鮮度保持処理を行ったものと、消毒処理後に50℃の水道水によってヒートショック処理を行ったものについて、一般生菌数の増殖速度を調べたものである。なお、本測定においては、定量的な評価を可能とする目的で消毒処理を軽微に行うにとどめ、鮮度保持処理直後の一般生菌数を10〜10CFU/g程度となるよう調整している。
同様に、水相に供給するガスとして、空気よりも酸素ガスの濃度を下げて生育活性を低下された状態で栄養成分が減少しないように二酸化炭素濃度を上昇させ、二酸化炭素、窒素,酸素ガス体積比を5:85:10で混合したガスを用いた場合も食感の保持期間に鮮度保持効果が表れた。もっとも、鮮度保持がみられるのはこのガス混合比に限定されるものではなく、本発明は上記混合比以外の混合ガスを用いたものも当然に含んでいる。
図16にも示すとおり、鮮度保持処理を行った直後における一般生菌数は、ヒートショック処理を行ったものが超微細二酸化炭素水により処理したものよりも低くなっている(具体的な値はそれぞれ1.5×10CFU/g、1.1×10CFU/gであった。)。他方、ヒートショック処理を行ったものは日数経過に伴い徐々に一般生菌数が増加するのに対し、超微細二酸化炭酸水による処理を行ったものについては、8日経過するまでの間、一般生菌数は一切増加することはなかった。
また、8日経過以降はヒートショック処理、超微細二酸化炭素水による処理いずれについても一般生菌数は増加したものの、その増加速度(グラフにおける傾き)は、超微細二酸化炭素水による処理を行ったものの方が小さいことが示されている。
以上のとおり、超微細二酸化炭素水を用いて鮮度保持処理を行うことによって、従来よりも一般生菌等の増殖速度を抑制できることが示されている。かかる機能を発揮できたのは、残存する一般生菌のうち芽胞菌等の消毒耐性微生物に対して、増殖を抑制したことが大きな要因と考えられる。
以上実験結果について示したとおり、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置は、超微細かつ濃度安定性に優れた超微細ガス水を生成することが可能であり、超微細オゾン水により消毒処理を行うことによって従来の1000倍もの消毒効果を実現できるほか、超微細二酸化炭素水、窒素水、酸素水あるいはこれらの混合ガス水を用いて鮮度保持処理を行うことによって、従来よりも微生物の増殖を抑制できるという効果を奏することが確認されている。また、超微細オゾン水によって対象物のうち苦み成分の構造を適宜変化させ、栄養成分、生理活性成分を維持しつつ苦みを減少させて食味を改善するという効果を奏することも明らかである。
また、当該オゾン水を生成する装置をガソリンスタンドのように配置することにより、農業が盛んな地域に各農家が当該オゾン水を噴霧器等に給水、移動し、畑で野菜、果物、花卉に噴霧し、病気を防ぐことが可能となる。
一般のオゾン水では、生成して短時間のうちに脱気することからこのような形態での運用は不可能である。
さらには、当該オゾン水を野菜に散布することにより、葉面や果実面に結合した農薬やを分解・溶出させることも可能となる。農薬をオゾンで分解できることは明らかとなっており、さらに酸化剤を併用することにより効果の増強も期待できる。
果実の軸部や葉野菜に再沈着したセシウムを当該オゾン水で除去できることも実証済みである。
また、花卉を消毒した場合、切断面を殺菌することができ、鮮度保持期間を延長することができる。
(変形例)
なお、気液混合機構について、ベンチュリ管231の内部に棒状部材からなるスーパーキャビテーション作用部を新たに配置した構成とすることも好ましい。かかる構成を採用することにより、生成される超微細ガス水の粒径がさらに小さくなり、かつ濃度を向上できることが明らかとなっており、本変形例によって超微細オゾン水及び超微細鮮度保持ガス水を生成した場合、さらに優れた消毒作用、食味改善作用及び鮮度保持作用を発揮するものと思われる。
図17は、本実施の形態の変形例における気液混合機構205aの構成を示す模式図である。図17に示すように、気液混合機構205aは、本実施の形態と同様にベンチュリ管231と、気体供給パイプ239と、磁気回路243を備え、ベンチュリ管231の内部にスーパーキャビテーション作用部237すなわち攪拌促進部材が新たに配置された構成を有する。
スーパーキャビテーション作用部237は、その軸線方向がベンチュリ管231の軸線方向に一致するよう配置され、小径路234近傍に配置され、その断面積が徐々に大きくなる錐形状を有する拡大部237aと、拡大部237aよりも下流側に配置され拡大部237aと一体的に形成され、基本的に一様な断面形状を有する本体部237bとによって形成される。拡大部237a、本体部237b共に鉄等の強磁性体を含んで形成されている。拡大部237aのうち、小径路234側の面(ベンチュリ管231の軸線方向に垂直になるよう形成されている)である平面部237cは、開放傾斜路235及び下流側大経路236の断面に対し同心円を構成するよう形成されている。
スーパーキャビテーション作用部237を具備することにより、ベンチュリ管を通過する被処理液中の気泡は、スーパーキャビテーション作用部237に備わる平面部237cに衝突する。そして、気液混合液中の微細化された気泡は平面部237cとの衝突による衝撃作用と、強磁性体を含んで形成されたスーパーキャビテーション作用部237に向かう磁力線による磁力作用とにより、気体分子群は爆発的に粉砕され外周に向けて放射され、分子単位での拡散運動を起こす。放射された気体分子群は周囲の水分子中に分子単位で広く拡散し、水分子の摩擦抵抗により水中の所定の位置に留まり、さらには水分子間の水素結合を一定割合で破壊して空間を生成すると共に、当該空間中に留まるものと考えられている。
実際に、発明者らが変形例にかかる消毒及び鮮度保持装置を用いて実験したところ、本実施の形態にかかる消毒及び鮮度保持装置によって生成された超微細ガス水よりも高濃度かつ安定的な超微細ガス水を生成することができており、かかる構成を採用した消毒及び鮮度保持装置も、本発明の効果を実現できることは明らかである。
発明者らは、気液混合機構205aにおいて流入側の液送水圧を0.4MPaとし、通水速度を23m/秒とし、通水量を15リットル/分とし、ガス供給量を3リットル/分に設定し、磁気回路243については、表面磁束密度2720ガウス/吸着力35kgの磁石片を使用し、小径路234及びその近傍における磁束密度が4248ガウスとなるものを使用し、被処理液の温度を20℃としたうえで、オゾン水を生成しその物性について調べている。
図18は、上記条件にて生成したオゾン水の赤外線分光測定結果を示すグラフである。10本の線はそれぞれ下から液温0℃、1℃、・・・10℃のオゾン水の赤外線分光測定結果を示す。グラフの横軸はカイザー(cm−1)であり、赤外線の振動数に対応する。グラフの縦軸は相対的なエネルギー強度である。混入したオゾンに関しては、95%濃度の酸素を無性放電によりオゾン化したものを使用している(封入オゾンガス濃度:気相 45g/Nm)。なお、オゾン濃度は18mg/lであった。
図19は、比較のため水道水を濾過した原水の赤外線分光測定結果を示すグラフである。図18と同様に、10本の線はそれぞれ下から液温0℃、1℃、・・・10℃における赤外線分光測定結果を示す。
図20は、同一温度における測定結果について、原水に関する測定結果と、変形例におけるオゾン水に関する測定結果を比較したグラフである。具体的には、図20における3本の曲線のうち、一番上の曲線が原水に関する測定結果を示し、真ん中の曲線が変形例にかかるオゾン水に関する測定結果を示し、一番下の曲線が両者の差分値を示す。
差分値に関する曲線から明らかなとおり、本変形例において原水にオゾンを混入することによって、水成分の構造に関して、3200カイザー付近のエネルギー値が顕著に減少し、3600カイザー付近のエネルギー値が増加していることが示されている。3200カイザーは水素結合エネルギーに対応するエネルギー値であることから、かかるエネルギー値の減少は、すなわち水成分において水素結合が生じている割合(水素結合率)が減少していることを示すものに他ならない。従来のオゾン水において、オゾン混入前と比較して水成分の赤外線分光解析結果に図20に示すような変化は生じることがないことから、本変形例にかかる分子水和オゾン水が、従来のオゾン水と異なる構造を有していることは明らかである。そして、水成分における水素結合率の減少は、水素結合を通じて個々の水分子同士が緩やかに結合した水分子群(クラスター)が微細化され、原水では水分子群の一部を形成した領域が非物質空間に転換されたものと推測される。そして、新たに生じた非物質空間に分子レベルにまで微細化されたオゾン分子ないしオゾン分子群が配置されることによって、超微細のオゾンを含有した分子水和オゾン水が生成されたものと思われる。
かかる変形例におけるオゾン水も、従来のオゾン水と比較して、超微細かつ濃度の時間変化が抑制されているという特性を有しており、より具体的には、本実施の形態におけるオゾン水よりもこれらの特性において優れた値を示すことが判明している。したがって、実施の形態と同様に生鮮食料品に対し安全かつ効果的な消毒処理を行うことが可能である。なお、変形例においてはオゾン水を生成した場合についてのみ示したが、本変形例においても、オゾン水のみならず二酸化炭素水等を生成することが可能であり、これを用いて鮮度保持処理を行うことによって、従来よりも効果的に鮮度保持を行うことが可能である。
以上、実施の形態を用いて本発明について説明したが、もとより本発明は実施の形態及び変形例に示したものに限定されるものではない。実施の形態として記載したもの以外であっても、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、明細書の記載及び公知の技術に基づいて、当業者が様々な変更・応用することも本発明の予定するところであり、権利範囲に含まれることは勿論である。
例えば、実施の形態ないしその変形例において、鮮度保持ガスとして二酸化炭素のみに限定して解釈する必要はなく、微生物の増殖を抑制する物質であれば、如何なるものを用いてもよい。また、対象物たる生鮮食料品についても、野菜類に限定して解釈する必要はなく、鮮魚、精肉、花卉も含まれる概念と解すべきである。これらのものについても鮮度保持処理は極めて重要であり、かつ、本実施の形態ないしその変形例を用いて消毒処理及び鮮度保持処理を行うことにより、安全かつ長時間鮮度を保持することが可能となるためである。さらに、花卉に関しては、実施の形態にて示したように超微細オゾン水に浸漬することにより消毒処理を行い、超微細二酸化炭素水等の鮮度保持ガス水に浸漬することにより鮮度保持処理を行うこととしてもよいが、例えば切り口についてのみ消毒処理を行い、その後切り口を介して継続的に鮮度保持ガス水を供給することにより鮮度保持処理を行うこととしてもよい。かかる態様も本発明における「消毒処理」及び「鮮度保持処理」に含まれることを念のため確認しておく。
本発明は、野菜、鮮魚、精肉及び花卉等の生鮮食料品又は植物の消毒処理及び鮮度保持処理に関し利用可能である。
201 気体混合液生成装置
202 貯留タンク
203 気体供給機構
204 循環機構
205、205a 気液混合機構
206 溶解促進槽
207 温度保持機構
231 ベンチュリ管
232 上流側大経路
233 絞り傾斜路
234 小径路
235 開放傾斜路
236 下流側大経路
237 スーパーキャビテーション作用部
239 気体供給パイプ
243 磁気回路
245、246 磁石片
265 気液分離機構
267 気体分解機構
300 赤外線分光分析装置
301 L字型鏡
302 プリズム
303 検体配置用台座
304 保持器

Claims (22)

  1. 上流側から下流側に向かって被処理水を通過させるよう形成され、順に絞り傾斜路と小径路と開放傾斜路とを有する第1のベンチュリ管と、
    前記小径路に連通し、前記小径路に対し混合ガスとしてオゾンを供給する第1のガス供給機構と、
    前記ベンチュリ管のうち前記小径路及び前記小径路近傍領域に対し磁場を印加する第1の磁場回路と、
    を備えた第1の気液混合機構と、
    前記第1の気液混合機構にて生成されたオゾン水を生鮮食料品又は植物に接触させ、オゾン分子の酸化作用により生鮮食料品又は植物を消毒するオゾン水供給機構とを備えたことを特徴とする消毒及び鮮度保持装置。
  2. 上流側から下流側に向かって被処理水を通過させるよう形成され、順に絞り傾斜路と小径路と開放傾斜路を有する第2のベンチュリ管と、
    前記小径路に連通し、前記小径路に対し鮮度保持ガスを供給する第2のガス供給機構と、
    前記ベンチュリ管のうち前記小径路及び前記小径路近傍領域に対し磁場を印加する第2の磁場回路と、
    を備えた第2の気液混合機構と、
    前記第2の気液混合機構にて生成された鮮度保持ガス水を生鮮食料品又は植物に接触させ、鮮度保持作用により生鮮食料品又は植物の鮮度を保持する鮮度保持ガス水供給機構と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の消毒及び鮮度保持装置。
  3. 前記鮮度保持ガスとして、二酸化炭素、窒素、酸素あるいはこれらの混合ガスを使用したことを特徴とする請求項2に記載の消毒及び鮮度保持装置。
  4. 前記オゾン水供給機構は、前記オゾン水を生鮮食料品に接触させることにより当該生鮮食料品の苦み成分を低減することを特徴とする請求項1に記載の消毒及び鮮度保持装置。
  5. 前記第1、第2のベンチュリ管の少なくとも一方において、前記開放傾斜路内の前記小径路近傍に配置され、強磁性体によって形成された撹拌促進部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の消毒及び鮮度保持装置。
  6. 前記オゾン水を15℃以下の温度にて保持する温度保持機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の消毒及び鮮度保持装置。
  7. 前記オゾン水供給機構は、前記生鮮食料品又は植物に対し、5℃以下に保持した前記オゾン水を60秒以下接触させることにより消毒処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の消毒及び鮮度保持装置。
  8. 前記オゾン水とは別の、酸化作用を有する液体を、前記オゾン水と別個かつ同時に生鮮食料品又は植物に接触させる酸化作用水供給機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の消毒及び鮮度保持装置。
  9. 少なくとも前記オゾン水供給機構が配置され、前記オゾン水供給機構は、前記オゾン水を生育段階の野菜、果物、花卉の少なくともいずれかに散布することを特徴とする請求項1記載の消毒及び鮮度保持装置。
  10. 前記オゾン水供給機構は、前記オゾン水を生育段階の野菜、果物、花卉の少なくともいずれかに散布することにより、前記植物の表面に結合した農薬やセシウム等の放射性物質を分解・溶出させることを特徴とする請求項9に記載の消毒及び鮮度保持装置。
  11. 上流側から下流側に向かって順に絞り傾斜路、小径路及び開放傾斜路を有する第1のベンチュリ管のうち前記小径路及び前記小径路近傍に磁場を印加しつつ当該第1のベンチュリ管において上流側から下流側に被処理液を通過させ、同時に前記小径路に対しオゾンを供給することにより生成するオゾン水を生鮮食料品又は植物に接触させることによって、当該生鮮食料品又は植物の消毒処理を行うことを特徴とする消毒及び鮮度保持方法。
  12. 上流側から下流側に向かって順に絞り傾斜路、小径路及び開放傾斜路を有する第2のベンチュリ管のうち前記小径路及び前記小径路近傍に磁場を印加しつつ当該第2のベンチュリ管中において上流側から下流側に向けて被処理液を通過させ、同時に前記小径路に対し鮮度保持ガスを供給することにより生成する鮮度保持ガス水を生鮮食料品又は植物に接触させることによって、前記生鮮食料品又は植物の鮮度を保持することを特徴とする請求項11に記載の消毒及び鮮度保持方法。
  13. 前記鮮度保持ガスとして、二酸化炭素、窒素、酸素あるいはこれらの混合ガスを使用したことを特徴とする請求項12に記載の消毒及び鮮度保持方法。
  14. 前記オゾン水を生鮮食料品に接触させることにより当該生鮮食料品の苦み成分を低減することを特徴とする請求項11に記載の消毒及び鮮度保持方法。
  15. 前記第1、第2のベンチュリ管の少なくとも一方において、前記開放傾斜路内の前記小径路近傍に配置され、強磁性体によって形成された撹拌促進部材によって前記被処理液の撹拌を促進させることを特徴とする請求項11または12に記載の消毒及び鮮度保持方法。
  16. 前記オゾン水を15℃以下の温度にて保持することを特徴とする請求項11に記載の消毒及び鮮度保持方法。
  17. 前記生鮮食料品に対し、5℃以下に保持した前記オゾン水を60秒以下接触させることを特徴とする請求項11に記載の消毒及び鮮度保持方法。
  18. 前記オゾン水とは別の、酸化作用を有する液体を、前記オゾン水と別個かつ同時に生鮮食料品又は植物に接触させることを特徴とする請求項11に記載の消毒及び鮮度保持方法。
  19. 前記オゾン水を生成する装置を配置し、生育段階の野菜、果物、花卉によりなる植物に散布することを特徴とする請求項11に記載の消毒及び鮮度保持方法。
  20. 前記オゾン水を前記植物に散布することにより、前記植物の表面に結合した農薬やセシウム等の放射性物質を分解・溶出させることを特徴とする請求項11に記載の消毒及び鮮度保持方法。
  21. 上流側から下流側に向かって順に絞り傾斜路、小径路及び開放傾斜路を有するベンチュリ管のうち前記小径路及び前記小径路近傍に磁場を印加しつつ前記ベンチュリ管中において上流側から下流側に向けて通過する被処理液と、これと同時に前記小径路に対し供給されたオゾンとが混合されることによって生成されたオゾン水と接触することによって消毒及び鮮度保持処理が施されたことを特徴とする生鮮食料品又は植物。
  22. 前記オゾン水と接触させた生鮮食料品又は植物に、上流側から下流側に向かって順に絞り傾斜路、小径路及び開放傾斜路を有するベンチュリ管のうち前記小径路及び前記小径路近傍に磁場を印加しつつ前記ベンチュリ管中において上流側から下流側に向けて通過する被処理液に前記小径路において供給された鮮度保持ガスとが混合されることによって生成された鮮度保持ガス水と接触することによって鮮度保持処理が施されたことを特徴とする請求項21に記載の生鮮食料品又は植物。
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