JP6265866B2 - エレベータードアの制御装置及びエレベータードアの制御方法 - Google Patents

エレベータードアの制御装置及びエレベータードアの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、エレベータードアの開閉を制御する制御装置とその制御方法に関するものである。
従来のエレベータードア(以下、単にドアと称することがある。)の制御装置では、ドアモータへの入力電圧および入力電流とモータ定数に基づいてモータ回転速度を推定し、フィードバック制御を行う。また、全閉・全開位置にスイッチが設けられており、スイッチがエレベータードアの全閉または全開の状態を検出すると、ドアモータへの入力電流または入力電圧を強制的に変化させ、その変化量から推定に使用するモータ定数を補正する機能を備えている。さらに、全閉・全開位置以外にもドアパネルの動きに連動して動作する位置検出スイッチが複数設けられており、位置検出スイッチの信号により異常速度検出や推定速度の補正を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−84189号公報
従来のエレベータードアの制御装置では、推定誤差に起因した誤動作が発生しないようにするためには、エレベータードアの位置を細かく検出するための多数の位置検出スイッチが必要になるという問題があった。
本発明は前記のような問題を解決するためになされたもので、位置検出スイッチを用いずにセンサレスでエレベータードアの制御を行うエレベータードアの制御装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、本発明によるエレベータードアの制御装置は、ドアパネルを駆動するドアモータと、前記ドアモータに印加する電圧指令値、前記ドアモータへ入力される電流、および、前記ドアモータの物理的特性を示すモータ定数から前記ドアモータの推定角速度を計算する速度推定部と、前記推定角速度の積分値から前記ドアパネルのドアパネル推定位置を計算する位置演算部と、前記ドアパネルの減速開始に関する減速基準位置を記憶している基準位置記憶部と、前記ドアパネルの開閉を指示する開閉指令および前記ドアモータのトルク電流指令値の少なくとも一方に基づいてドアの動作モードを出力する動作モード切替部と、前記動作モードと前記ドアパネル推定位置と前記減速基準位置から前記ドアモータの角速度指令値を出力する速度設定部と、前記角速度指令値と前記推定角速度と前記動作モードから前記トルク電流指令値を計算する指令電流演算器とを備え、前記動作モード切替部による前記動作モードの切替が、前記ドアパネルの開閉を指示する開閉指令に基づく戸閉モード又は戸開モードから、前記トルク電流指令値が予め決めた値を超えたときの過負荷モードへの切替であり、前記速度設定部は、前記動作モードが前記戸閉モード又は前記戸開モードから前記過負荷モードへ切り替わったことを検出したとき、前記過負荷モードへ切り替わる前のドア走行方向に基づき、前記ドアパネル推定位置が前記減速基準位置より前記ドア走行方向の開閉端に近いときは第一の角速度指令値を出力し、前記ドア走行方向とは反対の開閉端に近いときは前記第一の角速度指令値より小さい第二の角速度指令値を出力するものである。
また、本発明によるエレベータードアの制御方法は、ドアパネルを駆動するドアモータに印加する電圧指令値、前記ドアモータへ入力される電流、および、前記ドアモータの物理的特性を示すモータ定数から前記ドアモータの推定角速度を計算する第1ステップと、前記推定角速度の積分値から前記ドアパネルのドアパネル推定位置を計算する第2ステップと、前記ドアパネルの減速開始に関する減速基準位置を記憶する第3ステップと、前記ドアパネルの開閉を指示する開閉指令および前記ドアモータのトルク電流指令値の少なくとも一方に基づいてドアの動作モードを出力する第4ステップと、前記動作モードと前記ドアパネル推定位置と前記減速基準位置から前記ドアモータの角速度指令値を出力する第5ステップと、前記角速度指令値と前記推定角速度と前記動作モードから前記トルク電流指令値を計算する第6ステップとを備え、前記第4ステップによる前記動作モードの切替が、前記ドアパネルの開閉を指示する開閉指令に基づく戸閉モード又は戸開モードから、前記トルク電流指令値が予め決めた値を超えたときの過負荷モードへの切替であり、前記第5ステップは、前記動作モードが前記戸閉モード又は前記戸開モードから前記過負荷モードへ切り替わったことを検出したとき、前記過負荷モードへ切り替わる前のドア走行方向に基づき、前記ドアパネル推定位置が前記減速基準位置より前記ドア走行方向の開閉端に近いときは第一の角速度指令値を出力し、前記ドア走行方向とは反対の開閉端に近いときは前記第一の角速度指令値より小さい第二の角速度指令値を出力するものである。
本発明によれば、動作モードの切替時にドアパネル推定位置と減速基準位置とを比較し、ドアパネル推定位置が前記減速基準位置より戸閉端に近いか戸開端に近いかにより前記角速度指令値を変化させるので、動作モードが切り替わってもドアパネルの開端や閉端での戸当たりを防止して滑らかな開閉動作が実現できるとともにドアパネルの開閉時間を短縮することができる。
本発明に係るエレベータードアの制御装置及び制御方法を備えたかごドア装置の一部の構造を概略的に示した断面図である。 本発明の実施の形態1によるエレベータードアの制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1の「反転モード」における角速度指令値の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態1による動作モード切替部の構成を示したブロック図である。 本発明の実施の形態1の「停止モード」における励磁電流指令値の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態1の「過負荷モード」における角速度指令値とトルク電流指令値の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態1の「過負荷モード」を判定するための動作モード切替部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2による駆動制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2による判定信号演算部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2におけるモータ角速度、移動平均フィルタの出力、および、励磁電流指令値の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態3によるエレベータードアの制御装置及び制御方法の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3によるエレベータードアの制御装置及び制御方法の動作モード切替時の角速度指令値の変化を従来技術と比較して説明するためのグラフ図である。 本発明の実施の形態3によるエレベータードアの制御装置及び制御方法の「戸閉モード」から「戸開モード」に切り替わるときの減速基準位置を説明するためのグラフ図である。 本発明の実施の形態3によるエレベータードアの制御装置及び制御方法の「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わるときの速度設定部の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3によるエレベータードアの制御装置及び制御方法の「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わるときの速度指令値及び実角速度の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態3によるエレベータードアの制御装置及び制御方法の「戸閉モード」から「過負荷モード」へ切り替わるときの速度指令値及び実速度の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態3によるエレベータードアの制御装置及び制御方法の「戸閉モード」から「過負荷モード」へ切り替わるときの速度設定部の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3によるエレベータードアの制御装置及び制御方法の「戸開モード」から「過負荷モード」に切り替わるときの減速基準位置を説明するグラフ図である。 本発明の実施の形態3によるエレベータードアの制御装置及び制御方法の「戸開モード」から「過負荷モード」へ切り替わるときの速度設定部の処理を示すフローチャートである。
実施の形態1.
図1に示す本発明の実施の形態1によるエレベータードアの制御装置を備えたかごドア装置は、リンク駆動式の片開きかごドア装置である。図1に示されたかごドア装置は、かごの出入口に設置されたかごドアパネル10A、10Bを開閉する。ケタ1は、かご出入口の上部に設けられている。ドアレール2は、ケタ1の横方向(長手方向)に沿って設置されている。
ハンガローラ8A、8Bはドアハンガ9Aの上部に取り付けられ、ドアレール2の上面に転動可能に載置されている。ハンガローラ8C、8Dはドアハンガ9Bの上部に取り付けられ、ドアレール2の上面に転動可能に載置されている。
かごドアパネル10Aはドアハンガ9Aの下端部に接続され、かごドアパネル10Bはドアハンガ9Bの下端部に接続されている。つまり、一対のかごドアパネル10A、10Bは、一対のドアハンガ9A、9Bと複数のハンガローラ8A、8B、8C、8Dを介してドアレール2に吊り下げられており、ハンガローラ8A、8B、8C、8Dの転動によってドアレール2に沿って水平移動可能となっている。
2つの減速プーリー3A、3B、および、ドアモータ4は、ケタ1に設置されている。ドアモータ4の駆動は、ドア制御装置100によって制御されている。また、ドアモータ4は、例えば、誘導電動機である。ドアモータ4は駆動ベルト5Aを介して減速プーリー3Aに接続され、減速プーリー3Aは駆動ベルト5Bを介して減速プーリー3Bに接続されている。よって、減速プーリー3A、3Bは、ドアモータ4の駆動力によって回転する。
駆動リンク7Aは、減速プーリー3Bに取り付けられている。駆動リンク7Aの一方の端にはリンクおもり6が取り付けられており、駆動リンク7Aのもう一方の端には駆動リンク7B、7Cが回転自在に取り付けられている。駆動リンク7Bはドアハンガ9Bに連結されており、駆動リンク7Cはドアハンガ9Aに連結されている。
したがって、ドアモータ4の駆動力は、駆動ベルト5A、減速プーリー3A、駆動ベルト5B、減速プーリー3B、駆動リンク7A、7B、7C、および、ドアハンガ9A、9Bを介して、一対のかごドアパネル10A、10Bに伝わり、ドアモータ4の回転によってかごドアパネル10A、10Bが開閉移動(水平移動)する。
また、かごドア装置は、かごドア係合機構(図示せず)をさらに有しており、乗り場ドア装置(図示せず)の乗り場ドア係合機構と係合できるようになっている。かごドア系統機構と乗り場ドア係合機構とが係合することによって、かごドア装置のドアモータ4の駆動力が乗り場ドア装置に伝わり、乗り場ドア装置の乗り場ドアパネル(図示せず)も開閉移動される。すなわち、かごドア装置および乗り場ドア装置は、互いに連動してかご出入口および乗り場出入り口から成るエレベーター出入り口の開閉動作を行う。
図2に示すドア制御装置100は、動作モード切替部101、駆動制御部102、電力変換器103および電流検出器104で構成される。このドア制御装置100は、位置検出スイッチを用いずに制御を行うセンサレス制御を実現するものである。
動作モード切替部101には、開閉指令が入力される。開閉指令は、例えば、かごの運転を制御する運転制御装置(図示せず)から出力されるドアの開閉を指示する情報である。以下の説明では、ドアを開ける動作を戸開、ドアを閉める動作を戸閉と呼ぶ。
動作モード切替部101は、開閉指令と、後述する回転二軸座標(d−q軸)上の電圧指令値v 、v 、回転二軸座標(d−q軸)上の電流i、i、角速度指令値ω 、推定角速度ω^、および、トルク電流指令値i に基づいて、ドア動作モードを決定し、駆動制御部102の速度設定部107と指令電流演算器108に出力する。駆動制御部102では、入力されたドア動作モードを元に電圧指令値を演算し、電力変換器103に出力する。電力変換器103は、駆動制御部102からの電圧指令値を元に、ドアモータ4に電圧を印加する。
以下、回転二軸座標(d−q軸)のd軸を主磁束の方向とし、添字sで固定子を表し、添字rで回転子を表す。
駆動制御部102の動作について説明する。ドアモータ4に給電される相電流i、iは、電流検出器104によって検出され、駆動制御部102の電流座標変換器105に出力される。電流座標変換器105は、後述する電源回転角度θの情報を元に、電流検出器104から得た相電流i、iを電源周波数ωで回転する回転二軸座標(d−q軸)上の電流i、iに座標変換する。
速度推定部106は、電流座標変換器105から得られた回転二軸座標(d−q軸)上の電流i、iと、後述する回転二軸座標(d−q軸)上の電圧指令値v 、v と、ドアモータ4の物理的特性を示すモータ定数に基づいて、推定角速度ω^、回転二軸座標(d−q軸)上のd軸推定磁束φdr^、および、電源角周波数ωを出力する。さらに、積分部111は、電源角周波数ωを時間積分することにより電源回転角度θを計算して出力する。ここで、*は指令値(明細書全体を通して、単に、指令と称することがある。)を示しており、^は推定値を示している。また、実施の形態1においては、ドアモータ4の物理的特性を示すモータ定数は、速度推定部106に予め保存されているものとしているが、外部から入力するようにしてもよい。
速度設定部107は、動作モード切替部101から入力されたドア動作モードの情報と速度推定部106から入力された推定角速度ω^とに基づいて、ドアパネル10A、10Bの移動速度に対応するドアモータ4の角速度指令値ω および磁束指令値φdr を出力する。角速度指令値ω は、推定角速度ω^から推定されたドアパネル10A、10Bの位置に応じて設定される。ドアパネル10A、10Bの位置に応じて角速度指令値ω を設定することにより、ドアパネル10A、10Bの開閉動作を戸開端または戸閉端で十分に減速することができるため、滑らかな開閉動作が実現できる。
指令電流演算器108は、速度設定部107からドアパネル10A、10Bの移動速度に対応するドアモータ4の角速度指令値ω および磁束指令値φdr の情報を受け取り、速度推定部106からドアモータ4の推定角速度ω^および回転二軸座標(d−q軸)上のd軸推定磁束φdr^の情報を受け取る。さらに動作モード切替部101から動作モードの情報を受け取る。また、指令電流演算器108は、これらの受け取った情報を元に、推定角速度ω^が角速度指令値ω に一致するように、回転二軸座標(d−q軸)上のq軸電流指令値であるトルク電流指令値i を計算して、これを出力する。さらに、指令電流演算器108は、回転二軸座標(d−q軸)上のd軸推定磁束φdr^が磁束指令値φdr に一致するように、回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電流指令値である励磁電流指令値i を計算し、これを出力する。
電流制御器109は、指令電流演算器108から励磁電流指令値i およびトルク電流指令値i の情報を受け取り、電流座標変換器105から回転二軸座標(d−q軸)上の電流i、iの情報を受け取る。また、電流制御器109は、モータ電流iを励磁電流指令値i に一致させモータ電流iをトルク電流指令値i に一致させるように、回転二軸座標(d−q軸)上の電圧指令値v 、v を計算し、これを出力する。
電圧座標変換器110は、積分部111の出力である電源回転角度θの情報を元に、回転二軸座標(d−q軸)上の電圧指令値v 、v を静止座標系の電圧指令値v 、v 、v に変換し、これを出力する。
電力変換器103は、電圧座標変換器110からの静止座標系の電圧指令値v 、v 、v をドアモータ4に出力して、ドアパネル10A、10Bを開閉させるための駆動力をドアモータ4に発生させる。
ここで、速度推定部106の動作について説明する。速度推定部106は、以下の式(1)および式(2)に示すドアモータ4の数学モデルに基づく演算式(オブザーバ)を予め記憶している。
Figure 0006265866
Figure 0006265866
ここで、φds^は固定子に対する回転二軸座標(d−q軸)上のd軸推定磁束、φqs^は固定子に対する回転二軸座標(d−q軸)上のq軸推定磁束、φdr^は回転子に対する回転二軸座標(d−q軸)上のd軸推定磁束を表している。また、i^、i^は、回転二軸座標(d−q軸)上の推定電流を表している。さらに、式(1)および式(2)の行列要素は、それぞれ、以下の式で表される。
Figure 0006265866
ここで、M、L、L、R、Rはドアモータ4の物理的特性を示す定数であり、それぞれ、Mは相互インダクタンス、Lは固定子の自己インダクタンス、Lは回転子の自己インダクタンス、Rは固定子の抵抗値、Rは回転子の抵抗値である。それぞれの定数は、速度推定部106に予め記憶されている。
さらに、式(1)の演算に用いられるオブザーバゲインHは設計者が任意に決定できるものとし、以下の式によって表される。
Figure 0006265866
速度推定部106では、式(1)の演算を行うことにより、d軸推定磁束φds^、φdr^、および、q軸推定磁束φqs^を求め、d軸推定磁束φdr^を指令電流演算器108に出力する。また、推定磁束φds^、φqs^、φdr^の値から、回転二軸座標(d−q軸)上の推定電流i^、i^を求める。
さらに、速度推定部106では、式(1)および式(2)の演算から得られた推定磁束φds^、φqs^、φdr^と推定電流i^、i^から、以下の式を用いて、推定角速度ω^と電源角周波数ωを求める。
Figure 0006265866
Figure 0006265866
ここで、sはラプラス演算子であり、1/sは積分を表す。また、Kap、Kaiは設計者が任意に設定できるゲインである。このようにして求められた推定角速度ω^は、動作モード切替部101、速度設定部107、および、指令電流演算器108に出力され、電源角周波数ωは積分部111に出力される。
次に、各「動作モード」における動作モード切替部101および駆動制御部102の動作について説明する。この「動作モード」には、「反転モード」、「停止モード」、「過負荷モード」および「通常開閉モード」の4つがある。
「反転モード」
「反転モード」とは、ドアパネル10A、10Bが戸閉状態から戸開状態に変化するモードである。例えば、ドアが戸閉中にカゴ内の「開」ボタンが押されると、動作モード切替部101に入力される開閉指令が「戸閉」から「戸開」に変更されることになる。また、ドアパネル10A、10Bが戸閉状態のときに人や障害物を感知すると、ドアで人や障害物を挟むのを防ぐために戸閉状態から戸開状態に変更することになる。これらの状況を判断するため、動作モード切替部101では、速度設定部107から出力される角速度指令値ω の値、または、速度推定部106から出力される推定角速度ω^の値から、ドアパネル10A、10Bの反転動作の判断を行い、駆動制御部102へ「反転モード」を出力する。
図3は、「反転モード」における角速度指令値ω の変化の例を示している。図3の例では、ドアパネル10A、10Bが閉まる方向の角速度を正の値としている。角速度指令値ω は、戸開端状態から戸閉状態が進むにつれて、図3のV1に示されているように、その値が大きくなり、「反転モード」が入力されると、その値を急激に小さくする。その後、角速度指令値ω の値を負の値にして戸開状態に移り、ドアパネル10A、10Bが戸開端に到達するまで開き続ける。このとき、角速度指令値ω の値が正から負に変化するに伴い、推定角速度ω^の値も正から負に変化する。
従来の「反転モード」では、角速度指令値ω を図3のV2の様に変化させて、ドアパネル10A、10Bの戸開動作を行っていた。これは、例えば、ドアパネル10A、10Bの位置を検出し、戸開端に近づいたときに角速度指令値ω をゼロに近づけるように制御するものである。
しかしながら、実施の形態1におけるセンサレス制御においては、推定角速度ω^の値を元にドアパネル10A、10Bの位置を推定した場合、低速領域、すなわち、ドアモータ4の回転速度がゼロに近い領域では、ドア位置推定の精度が低くなる。低速領域とは、ドアモータ4の回転角速度がゼロに近い領域であるため、ドアモータ4の特性や、ドアモータ4とドアパネル10A、10Bがどの様に接続されているかによって、ドアパネル10A、10Bがどの様な位置でどの様な状態のときに低速領域になってドア位置推定精度が低くなるかが決まる。
そのため、エレベータードアのセンサレス制御において低速領域のドアの挙動を推定することが、非常に困難となる。特に、「反転モード」においては、ドアモータ4の回転速度がゼロとなる領域を必ず横切るため、ドア位置推定の誤差が大きくなることがある。例えば、実際のドアパネル10A、10Bの位置と推定角速度ω^の値から推定したドアパネル10A、10Bの位置とに誤差がある場合、図3のV2になるように制御したつもりが、戸開端の推定位置を誤った結果として図3のV4の様な制御をしてしまうことがある。この場合は、戸開端においてドアモータ4の戸閉速度が十分に遅くなっていないため、ドアパネル10A、10Bが戸開端に衝突し、騒音が生じたり、ドア装置が故障したりするおそれがある。
そこで、実施の形態1のエレベータードアの制御装置では、「反転モード」において角速度指令値ω を負の値にするときには、ドアパネル10A、10Bの位置に依存しない一定速度に設定し、図3のV3に示すような値にする。ここで、V3の値は、通常の開閉速度よりも遅い速度であり、この速度のまま戸開端に到達しても大きな衝撃が発生しない値とする。これにより、センサレス制御においてドアパネル10A、10Bの位置が正確に推定できなくても、ドアパネル10A、10Bが戸開端に衝突して、騒音が生じたり、ドア装置が故障したりすることがない。
また、低速でドアパネル10A、10Bが動くことにより利用者に故障を連想させたり不快感を与えたりしないように、反転後のV3の速度は、終端に進入しても大きな衝撃が発生しない範囲でできるだけ高く設定することが望ましい。
なお、戸開端に到達してドアパネル10A、10Bの位置が確定したときは、「反転モード」を解除し、ドアモータ4の角速度指令値ω は、通常の値に戻すものとする。ドアパネル10A、10Bの位置を確定させる方法は、例えば、ドアの両端にスイッチを設ける等、ドアパネル10A、10Bの位置を確定できる方法であればどの様なものでもかまわない。
図4は、「反転モード」を判定するための動作モード切替部101の構成例を示す図である。動作モード切替部101に入力された角速度指令値ω と推定角速度ω^は、それぞれ符号出力器201、202に入力され、それぞれの値の符号が判定されて出力される。符号出力器201、202から出力された符号情報は、符号判定器203、204に入力される。符号判定器203、204は、入力された符号が正から負に反転したときに「1」を出力し、それ以外のときは「0」を出力する。符号判定器203、204から出力された「1」または「0」の信号は、論理和演算器205に入力され、論理和演算器205の出力が動作モード切替部101の「反転モード」の信号として出力される。
以上のように、駆動制御部102は、「反転モード」においてドアモータ4の角速度指令値ω をドアパネル10A、10Bの位置に依存しない通常の開閉速度よりも遅い一定速度に設定することにより、ドアパネル10A、10Bの位置推定誤差に起因した誤動作を防止することができ、センサレス制御においてドアパネル10A、10Bが戸開端に衝突して、騒音が生じたり、ドア装置が故障したりすることがない。
なお、実施の形態1では、角速度指令値ω と推定角速度ω^の両方の符号に基づいて「反転モード」を判断したが、角速度指令値ω あるいは推定角速度ω^のどちらかの情報から判断してもよい。また、実施の形態1では戸閉反転について説明したが、戸開反転も同様の方法によってセンサレス制御で実現することができる。
「停止モード」
「停止モード」とは、エレベータードアの据付時あるいは保守時などにおいて、ドアパネル10A、10Bを任意の位置で静止させるモードである。動作モード切替部101は、開閉指令により「停止モード」の指令を受け取ると、「停止モード」であることを駆動制御部102に出力する。
駆動制御部102に「停止モード」が入力されると、速度設定部107は、角速度指令値ω をゼロに設定して出力する。ただし、磁束指令値φdr は、ゼロに設定しない。また、「停止モード」の信号は指令電流演算器108にも入力され、指令電流演算器108は励磁電流指令値i の値を増大させ、図5の励磁電流指令値i *’に示されているような値にして出力する。
電流制御器109は増大された励磁電流指令値i *’に励磁電流iが一致するように電圧指令値v 、v を計算して出力し、最終的にドアモータ4を駆動する。その結果、ドアモータ4は停止しているが、印加された電圧によって励磁された状態となる。
「停止モード」では、速度設定部107から出力される角速度指令値ω はゼロであるため、指令電流演算器108から出力されるq軸電流指令値であるトルク電流指令値i はゼロとなる。さらに、ドアモータ4に印加される電圧の電源角周波数も、ゼロとなる。
このとき、従来のセンサレス制御における速度推定部では、推定角速度ω^と電源角周波数ωを求めようとしても、正しい値を求めることができなかった。その結果、「停止モード」において、人物の接触などの外的要因によりドアパネル10A、10Bが動かされ、ドアモータ4が動かされたとしても、速度推定部106ではドアモータ4が動かされたことを検知できず、ドアパネル10A、10Bを停止させたままの状態で維持することができなかった。
実施の形態1におけるエレベータードアの制御装置では、ドアモータ4に印加される電圧の電源角周波数がゼロの状態においても励磁電流を流すことにより、直流励磁状態を発生させる。これにより、ドアモータ4は発電機と似た状態になり、電力を消費するために制動力が発生する。その結果、実施の形態1におけるエレベータードアの制御装置では、「停止モード」においてドアパネル10A、10Bを停止させたままの状態で維持することが可能となる。さらに、励磁電流指令値i の値を通常運行時の値よりも大きな値にすることにより、ドアモータ4の制動力を大きくすることができる。
なお、実施の形態1では、「停止モード」において励磁電流指令値i の値を増大させるとしたが、通常運行時の値であっても十分は制動力がある場合には、増大させなくてもよい。また、励磁電流指令値i の値を増大させるときには、電力変換器103やドアモータ4に対して過電流や過電圧とならない程度に増大させるものとする。さらに、「停止モード」の状態であるときに他の動作モードへの変更指示があったときには、指令電流演算器108は励磁電流指令値i の値を増大させることを止めて、通常の励磁状態に戻すものとする。
「過負荷モード」
「過負荷モード」とは、例えば、エレベーターの乗客の持ち物がドアパネル10A、10Bに引き込まれるなどして、ドアモータ4の負荷が大きくなったときの動作モードである。動作モード切替部101は、電流座標変換器105の出力である電流i、iの値、または、電流制御器109の出力である電圧指令値v 、v の値を元に、過負荷の判断を行い、過負荷を検出したときに駆動制御部102に「過負荷モード」を出力する。
図6は、「過負荷モード」における速度設定部107の出力である角速度指令値ω と、指令電流演算器108の出力であるq軸電流指令値のトルク電流指令値i の様子を示したものである。iq_limは、動作モード切替部101において設定されるq軸電流指令値のトルク電流指令値i の上限値を示している。iq_limの設定は、ドアモータ4に大電流が流れること、ドアモータ4が過大なトルクを出力することを防止する。
例えば、エレベーターの乗客の持ち物がドアパネル10A、10Bに引き込まれるなどしてドアモータ4の負荷が大きくなったとき、ドアモータ4の角速度が角速度指令値ω の値に追従するためには、指令電流演算器108がドアモータ4に対して過大なトルクを出力するように制御を行う。このときには、ドアモータ4が通常の戸開閉時に必要な大きさ以上のトルク電流指令値が必要となり、例えば、図6に示されたi *’の様な値となる。これらの値は動作モード切替部101に入力され、iq_limと比較される。動作モード切替部101において、トルク電流指令値i *’がiq_limを超えたことが検出されると、「過負荷モード」と判定される。
図7は、「過負荷モード」を判定するための動作モード切替部101の構成例を示す図である。動作モード切替部101に入力されたトルク電流指令値i は、加算器301に入力され、予め記憶されている上限値iq_limと比較される。トルク電流指令値i が上限値iq_limよりも小さな値のときは加算器301の出力値は正の値であり、トルク電流指令値i が上限値iq_limを超えたときは加算器301の出力値が正から負に変化する。符号判定器302は、加算器301の出力値の符号が正から負に変化したときに「1」を出力し、それ以外のときは「0」を出力する。符号判定器302の出力が、動作モード切替部101の「過負荷モード」の信号として出力される。
速度設定部107は、動作モード切替部101から「過負荷モード」の信号を受け取ると、角速度指令値ω として、図6のω *’に示すように一定時間の間はその値をゼロに設定し、その後、ドアパネル10A、10Bに依存せず通常戸開閉時よりも値の小さな一定値に設定する。これにより、一定時間の間はドアパネル10A、10Bが動かなくなり、ドアパネル10A、10Bに引き込まれた障害物を開放することができる。
ここで、指令電流演算器108は、「停止モード」と同様に、ドアモータ4の角速度指令値ω がゼロの間はq軸電流指令値であるトルク電流指令値i の値を大きくしてもよい。
従来の「過負荷モード」では、「停止モード」と同様に、速度設定部107から出力される角速度指令値ω がゼロのときは、人物がドアパネル10A、10Bを動かしたとしても、速度推定部106ではドアモータ4が動かされたことを検知できなかった。
実施の形態1におけるエレベータードアの制御装置では、ドアモータ4に印加される電圧の電源角周波数がゼロの状態においても励磁電流を流すことにより、直流励磁状態を発生させる。これにより、ドアモータ4は発電機と似た状態になり、電力を消費するために制動力が発生する。
その結果、実施の形態1におけるエレベータードアの制御装置では、「過負荷モード」においてドアパネル10A、10Bを停止させたままの状態で維持することが可能となる。さらに、励磁電流指令値i の値を通常運行時の値よりも大きな値にすることにより、ドアモータ4の制動力を大きくすることができる。
また、「過負荷モード」の状態であるときに、ドアパネル10A、10Bが戸開端や戸閉端に到達したときは、通常の励磁状態に戻すものとする。
なお、実施の形態1においては、トルク電流指令値i が正のときの過負荷の判定方法を示したが、負の値を取るときは、例えば、動作モード切替部101においてトルク電流指令値i の絶対値と上限値を比較すれば、同様の手法で過負荷を判定することができる。また、実施の形態1においては、トルク電流指令値i を用いて過負荷を判定する方法を示したが、q軸電圧指令値v 、q軸電流i、相電流i、i、i、相電圧指令値v 、v 、v 等に基づいて過負荷を判定してもよい。さらに、過負荷の判定方法は図7に示した方法に限るものではなく、予め設定した閾値を超えたことを判定するものであればどの様なものでも構わない。
以上のように、駆動制御部102は、「過負荷モード」においてドアモータ4の角速度指令値ω を一定時間の間はその値をゼロに設定し、その後、ドアパネル10A、10Bに依存せず通常戸開閉時よりも値の小さな一定値に設定することにより、例えば、ドアパネル10A、10Bに引き込まれた障害物を開放することができ、さらに、ドアパネル10A、10Bの位置推定誤差に起因した誤動作を防止することができ、センサレス制御においてドアパネル10A、10Bが戸開端に衝突して、騒音が生じたり、ドア装置が故障したりすることがない。実施の形態1では、戸開時の「過負荷モード」について説明したが、戸閉時も同様の方法で実現することができる。
「通常開閉モード」
動作モード切替部101は、上記で説明した「反転モード」、「停止モード」、「過負荷モード」を出力しないときは、「通常開閉モード」を出力するものとする。「通常開閉モード」では、速度設定部107は、通常戸開動作または通常戸閉動作に必要な角速度指令値ω と磁束指令値φdr を出力する。さらに、指令電流演算器108において、推定角速度ω^が角速度指令値ω に一致するようにトルク電流指令値i を出力し、d軸推定磁束φdr^が磁束指令値φdr に一致するように励磁電流指令値i を出力し、最終的には電圧座標変換器110において電圧指令値v 、v 、v を求めて電力変換器103を経由してドアモータ4へ電圧を印加する。ドアモータ4は、印加された電圧によって駆動され、ドアパネル10A、10Bを開閉する。
実施の形態2.
上記の実施の形態1の「停止モード」においては、励磁電流指令値i を増大させることによってドアモータ4の制動力を増大させたが、実施の形態2の「停止モード」では、外的要因によってドアパネル10A、10Bが動かされたときのみ励磁電流指令値i を増大させるものである。
図8は、実施の形態2における駆動制御部102の構成を示す図である。図8を、図1に示された実施の形態1における駆動制御部102の構成と比較すると、高周波電流源401、加算器402、および、判定信号演算部403が追加された点が異なっている。
図8における駆動制御部102の「停止モード」における動作について説明する。速度設定部107は、角速度指令値ω をゼロに設定し、磁束指令値φdr はゼロに設定しない。指令電流演算器108は、励磁電流指令値i を出力するが、トルク電流指令値i はゼロである。指令電流演算器108から出力された励磁電流指令値i は、加算器402に入力され、高周波電流源401の出力である高周波電流が加算され、電流制御器109に入力される。
電流制御器109は、高周波電流が重畳された励磁電流指令値i 、および、値がゼロのトルク電流指令値i の情報を受け取り、電圧指令値v 、v を計算してこれを出力する。電圧座標変換器110は、積分部111の出力である電源回転角度θの情報を元に、回転二軸座標(d−q軸)上の電圧指令値v 、v を静止座標系の電圧指令値v 、v 、v に変換し、最終的には、電力変換器103が電圧指令値v 、v 、v をドアモータ4に出力する。これにより、ドアモータ4は、直流励磁状態となる。
ドアモータ4に印加される電圧指令値v 、v 、v には高周波信号が重畳されており、その結果、電流検出器104によって検出される相電流i、iや、これらを電流座標変換器105によって変換した回転二軸座標(d−q軸)上の電流iについても、高周波信号が重畳されたものとなる。
次に、電流制御器109の出力であるd軸電圧指令値v および電流座標変換器105の出力であるd軸電流iは、判定信号演算部403に入力される。
図9は、判定信号演算部403の構造を示しており、判定信号演算部403に入力されたd軸電圧指令値v およびd軸電流iは乗算器501に入力され、積が求められる。乗算器501の出力であるd軸電圧指令値v とd軸電流iの積は、移動平均フィルタ502に入力される。移動平均フィルタ502では、入力に対して以下のフィルタ処理が実行され、高周波成分が除去される。
Figure 0006265866
ここで、nは移動平均を計算するデータの個数、z−1はシフトオペレータである。
移動平均フィルタ502の出力は、判定器503に入力される。判定器503では、移動平均フィルタ502の出力信号に基づいて、「停止モード」においてドアパネル10A、10Bが外的要因によって動かされたか否かを判定する。
図10は、判定器503の動作を説明するための図である。「停止モード」において励磁電流指令値i に高周波電流が重畳された状態でドアパネル10A、10Bが外的要因によって動かされた場合、モータ角速度ωは図10(a)に示された様な値となる。このとき、移動平均フィルタ502の出力は、図10(b)に示された様な値となる。判定器503は、図10(b)に示された移動平均フィルタ502の出力が「判定レベル」を超えたか否かを判定する。図10に示された例では、時刻A、B、CおよびDにおいて、「判定レベル」を超えたと判定されている。判定器503は、移動平均フィルタ502の出力が「判定レベル」を超えたと判定した場合、指令電流演算器108にd軸電流指令値である励磁電流指令値i を増大させる指令値を出力する。指令値を受け取った指令電流演算器108は、図10(c)に示すような励磁電流指令値i を出力する。「停止モード」において励磁電流指令i の値を増大させると、実施の形態1で示したように、ドアモータ4の制動力を大きくすることができる。
このように、ドアパネル10A、10Bが動かされたことを検出して励磁電流指令値i の値を増大させることにより、「停止モード」において制動力を高めることができる。また、「停止モード」において停止した状態を維持することができる。さらに、ドアパネル10A、10Bが動かされたときのみ励磁電流指令値i の値を増大させることにより、ドアモータ4に必要なときのみ増大させた電流を流すことが可能となり、ドアモータ4および電力変換器103の劣化を防止することができ、消費電力を抑えることもできる。
図10(c)においては、指令値を受け取った指令電流演算器108は、励磁電流指令値i を増大させ、一定時間の後に元の値に戻しているが、「停止モード」が解除されるまで励磁電流指令値i を増大させたままにしてもよい。また、指令電流演算器108は、実施の形態1に示したように「停止モード」の信号が入力されたときに励磁電流指令値i の値を増大させ、その後に判定信号演算部403から指令値を受け取ったときに励磁電流指令値i の値をさらに増大させるようにしてもよい。
本実施の形態2では、d軸電圧指令値v とd軸電流iの積を移動平均フィルタ502によって処理したが、d軸電圧指令値v とd軸電流iの積の時間軸方向のノイズを除去できる処理であればどの様なものでもかまわない。
また、本実施の形態2では、d軸電圧指令値v とd軸電流iの積を用いてドアパネル10A、10Bが動かされたことを検出したが、d軸電圧指令値v のみ、d軸電流iのみ、d軸電流iの位相を90°遅らせた信号とd軸電圧指令値v との積、q軸電圧指令値v とd軸電流iの積、d軸電流iの位相を90°遅らせた信号とq軸電圧指令値v との積などを用いてドアパネル10A、10Bが動かされたことを検出してもよい。
さらに、実施の形態2では、「停止モード」において励磁電流指令値i を増大させると下が、「過負荷モード」において同様の処理を行うことにより励磁電流指令値i を増大させるとしてもよい。
実施の形態3.
上記の実施の形態1では、ドア位置の推定精度が悪化するようなモードにおいて、推定誤差に起因した誤動作を防止するために速度指令値を一定の低速度に制限した。これに対し、本実施の形態3では、開閉時間をより短縮できる速度指令値の設定方法について述べる。
図11は、本実施の形態3におけるドア制御装置100を示す。その基本的な構成は、図2に示したドア制御装置100と比べて、位置演算部112および基準位置記憶部113が追加されている点と、動作モード切替部101が開閉指令と指令電流値i のみを入力する点と、が異なっている。
すなわち、本実施の形態3においては、動作モード切替部101は、開閉指令とトルク電流指令値i に基づいて、ドア動作モードを決定し、駆動制御部102の速度設定部107と指令電流演算器108に出力する。また、速度推定部106で求められた推定角速度ω^は、指令電流演算器108ととともに位置演算部112に出力されるようになっている。
位置演算部112は、速度推定部106から推定角速度ω^を受け取り、一定時間積分することで、ドアモータ4の推定回転位置を計算する。なお、積分の初期値は、戸閉端又は戸開端を基準値として設定する。そして、位置演算部112は、計算したドアモータ4の推定回転位置と、図1に示したようなドアの機構により決定されるリンク比やギア比とに基づいてドアパネル10A、10Bのドアパネル推定位置を計算して速度設定部107に出力する。
基準位置記憶部113は、減速基準位置を予め記憶しており、この減速基準位置は速度設定部107へ出力される。減速基準位置とは、戸開、戸閉動作においてドアパネル10A、10Bがどの位置に来たら減速を開始すればよいかを予め定めたものである。減速基準位置を適切に決めることで急減速や減速遅れを防止し、ドアを滑らかに動作させることができ、且つ戸当たりを防止することできる。なお、減速基準位置の決め方については、後述する。
速度設定部107は、動作モード切替部101から入力したドア動作モードの情報と位置演算部112により計算されたドアパネル推定位置と基準位置記憶部113に記憶された減速基準位置とに基づいて、ドアパネル10A、10Bの移動速度に対応するドアモータ4の角速度指令値ω および磁束指令値φdr を出力する。角速度指令値ω は、位置演算部112により計算されたドアパネル10A、10Bの位置に応じて設定される。ドアパネル10A、10Bの位置に応じて角速度指令値ω を設定することにより、ドアパネル10A、10Bの開閉動作を戸開端または戸閉端で十分に減速することができるため、滑らかな開閉動作が実現できる。
次に、各「動作モード」における動作モード切替部101および駆動制御部102の動作について説明する。この場合の「動作モード」には、「戸開モード」、「戸閉モード」および「過負荷モード」がある。
「戸開モード」
「戸開モード」とは、ドアパネル10A、10Bが戸開端へ向けて動作するときの動作モードである。例えば、エレベーターのかごが目的階に着床し、乗客を乗せる、または乗客を降ろすとき、又は、エレベーターのかご内の「開」ボタンが押されたときに開閉指令はドア制御装置100に対して戸開指令を出力し、動作モード切替部101は戸開モードを出力する。
「戸閉モード」
「戸閉モード」とは、ドアパネル10A、10Bが戸閉端へ向けて動作するときの動作モードである。例えば、エレベーターのかご内にいる乗客が、ドアを閉めるために「閉」ボタンを押すと、開閉指令はドア制御装置100に対して戸閉指令を出力し、動作モード切替部101は戸閉モードを出力する。
次に、動作モード切替部101の出力が、「戸閉モード」から「戸開モード」に切り替わったときのドア制御装置100の動作について説明する。
動作モード切替部101の出力が、「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わるような状況は、例えば、エレベーターのかご内で乗客が「閉」ボタンを押した後、「開」ボタンを押した場合であり、このときのドアの動作は、上記の実施の形態1で説明した反転動作に相当する。
図12は、「戸閉モード」、「戸開モード」、および「戸閉モード」から「戸開モード」に切り替わったときにおけるモータ角速度指令値ω の変化の一例を示している。「戸閉モード」において、角速度指令値ω は、図12のV1に示されているように、戸開端から戸閉状態が進むにつれて、その値が大きくなり、戸閉端が近づくと徐々に減速する。「戸開モード」においても「戸閉モード」と同様、角速度指令値ω は、図12のV2に示されているように、戸閉端から戸開状態が進むにつれて、その値が大きくなり、戸開端が近づくと徐々に減速する。
「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わったときには、角速度指令値ω は「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わるとその値を急激に小さくする(速度V1→V3)。その後、角速度指令値ω の値を負から正の値にして戸開状態(V2)に移り、ドアパネル10A、10Bが戸開端に到達するまで開き続ける(点線部分)。このとき、角速度指令値ω の符号が反転するのに伴い、推定角速度ω^の符号も反転する。
従来、「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わったときには、上記のとおり角速度指令値ω を図12のV3の様に変化させて、ドアパネル10A、10Bの戸開動作を行っていた。これは、ドアパネル10A、10Bの位置を検出し、検出した位置に基づいて「戸閉モード」の速度指令値V1から「戸開モード」の速度指令値V2へ滑らかに切り替えることで反転動作を滑らかに実施するためである。
しかしながら、本実施の形態3におけるセンサレス制御、すなわち、上記の数式(1)〜(6)に示した速度推定方法において、位置演算部112が推定角速度ω^の積分値を元にドアパネル10A、10Bの位置を推定するような場合、低速領域、すなわち、ドアモータ4の回転速度がゼロに近い領域では、ドア位置推定の精度が低くなる。低速領域とは、ドアモータ4の回転角速度がゼロに近い領域であるため、ドアモータ4の特性や、ドアモータ4とドアパネル10A、10Bがどの様に接続されているかによって、ドアパネル10A、10Bがどの様な位置でどの様な状態のときに低速領域になってドア位置推定精度が低くなるかが決まる。そのため、エレベータードアのセンサレス制御において低速領域のドアの挙動を推定することが非常に困難である。
特に、「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わる場合においては、ドアモータ4の回転速度がゼロとなる領域を必ず横切るため、ドア位置推定の誤差が大きくなることがある。例えば、ドアパネル10A、10Bの実際の位置と位置演算部112が計算したドアパネル10A、10Bの推定位置とに誤差がある場合、図12のV3になるように制御したつもりが、戸開端の推定位置を誤った結果として図12のV4の様な制御をしてしまうことがある。この場合は、戸開端においてドアモータ4の戸閉速度が十分に遅くなっていないため、ドアパネル10A、10Bが戸開端に衝突し、騒音が生じたり、ドア装置が故障したりする恐れがある。
そこで、本実施の形態3のエレベータードアの制御装置では、「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わったときには、位置演算部112の計算するドアパネル推定位置と基準位置記憶部113が記憶している減速基準位置との比較結果に基づいて、速度指令値ω を選択するようにし、図12におけるV4のような挙動による開閉動作を防止し、且つ、開閉時間の遅延を防止するものである。
速度設定部107は、動作モード切替部101から「戸開モード」、「戸閉モード」を受け取っており、動作モードが「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わったとする。このときの速度設定部107が指令角速度ω を選択する処理について、図13及び14を参照して以下に説明する。
速度設定部107は、図14のフローチャートに基づき、「戸閉モード」の動作中において「戸開モード」へ切り替わったかどうかを判断する(ステップS141)。「戸開モード」へ切り替わっていないときは(ステップS141の“No”)、この判断処理を継続して行う。速度設定部107は「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わったと判断した場合(ステップS141の“Yes”)、位置演算部112からの出力であるドアパネル推定位置と基準位置記憶部113からの出力である減速基準位置とを比較し、「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わったときのドアパネル推定位置が反転前減速基準位置よりも戸閉端側であるか否かを判断する(ステップS142)。反転前減速基準位置については、後述する。
「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わったときのドアパネル推定位置が反転前減速基準位置よりも戸開端側の場合(ステップS142の“No”;図13、14の(1))、速度設定部107は速度指令値として図13に示すVo1を選択し(ステップS145)、速度指令値を選択する処理を終了する。
一方、「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わったときのドアパネル推定位置が反転前減速基準位置よりも戸閉端側の場合(ステップS142の“Yes” ;図13、14の(2))、速度設定部107は速度指令値として図13に示すVo1よりも高いVo2を選択する(ステップS143)。
次に、「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わった後のドアパネル推定位置が、反転後減速基準位置よりも戸開端側であるか否かを判断する(ステップS144)。なお、「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わったとき、モータは低速領域を横切り速度が反転するため、ドアパネル推定位置は推定誤差を含む。反転後減速基準位置については、後述する。
ドアパネル推定位置が戸閉端側の場合(ステップS144の“No” ;図13、14の(4))、速度設定部107は速度指令値としてVo2を出力し続ける(ステップS143)。
一方、ドアパネル推定位置が戸開端側の場合(ステップS144の“Yes” ;図13、14の(3))、速度設定部107は、速度指令値として図13に示すVo2よりも低いVo1を選択し(ステップS145)、速度指令値を選択する処理を終了する。
なお、図13における速度指令値Vo1は、通常の戸開モードにおける速度指令値V2の戸開端に近い部分の速度と同等に設定し、速度指令値Vo2は、Vo1よりも大きく、通常の速度指令値V2よりも小さい範囲で設定する。
次に、減速基準位置の設定について図13を参照して説明する。反転前減速基準位置は、通常の「戸開モード」における速度指令値V2が減速を開始する位置と同じ位置に設定する。反転後減速基準位置は、通常の「戸開モード」における減速基準位置、すなわち反転前減速基準位置よりも戸閉端側に設定する。反転前減速基準位置と反転後減速基準位置が異なり且つ反転後減速基準位置の方が戸閉端側に設定される理由は、反転動作を行うときに低速領域を横切ることに起因してドアパネル推定位置に誤差が発生するため、その分のマージンを設け反転後に減速が遅れないようにするためである。したがって、反転後減速機基準位置は、発生し得る最大のドアパネル推定位置の誤差を見込んで、反転前減速基準位置に加算することで設定される。
図15は、反転前減速基準位置よりも戸閉端側で「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わった場合の速度指令値と速度の時間履歴を示している。速度指令値は、V1→Vo2→Vo1のように変化して行く。このとき、実際の速度は図中の破線で示したように指令速度に対して遅れをもって追従する。特に、速度指令値を急激に反転させてもドアパネル10A、10Bの慣性により、ドアは戸閉端側へ流れてしまう。
従って、反転を実際に開始する位置は、「戸閉モード」が「戸開モード」に切り替わった場所ではなく、それよりも戸閉端側となる。したがって、「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わったときのドアパネル推定位置に基づき速度指令値を選択するようにすると、実際に反転を開始した位置よりも戸開端側の位置にドアパネル10A、10Bがあると仮定した速度設定になるため、本実施の形態においては速度を低い側に設定することになり、速度が高い状態で戸開端に侵入することを防止でき戸当たりを防ぐことができるようになる。
また、反転前減速基準位置よりも戸閉端に近い場合は、戸開端に近い場合に比べ速度を高く設定することで開閉時間の短縮も実現できる。さらにまた、反転後減速基準位置を推定誤差を考慮して設定することで、反転後に減速が遅れ戸当たりすることを防止できるようになる。したがって、推定誤差が発生するような反転動作をセンサレス制御により実施しても、ドアパネル10A、10Bが戸開端に衝突して、騒音が生じたり、ドア装置が故障したりすることがなく、かつ開閉時間も短くできるため、利用者に故障を連想させたり不快感を与えることもない。
なお、戸開端に到達してドアパネル10A、10Bの位置が確定したときは、ドアモータ4の角速度指令値ω は、通常の値に戻すものとする。ドアパネル10A、10Bの位置を確定させる方法は、例えば、ドアの両端にスイッチを設ける等、ドアパネル10A、10Bの位置を確定できる方法であればどの様なものでも構わない。
本実施の形態3では戸閉反転について説明したが、戸開反転も同様の方法によってセンサレス制御で実現することができる。このとき反転前減速基準位置は、通常戸閉モードにおける速度指令値V1が減速を開始する位置と同じ位置に設定すればよい。
「過負荷モード」
動作モード切替部101は、実施の形態1の図6、7で説明した方法と同様の方法で「過負荷モード」を判定する。速度設定部107は、動作モード切替部101から「過負荷モード」の信号を受け取ると、角速度指令値ω として、図16の実線に示すように、速度指令値V1の後、一定時間の間はその値をゼロに設定する。これにより、一定時間の間はドアパネル10A、10Bが動かなくなり、ドアパネル10A、10Bに引き込まれた障害物を開放することができ、継続して過負荷状態となることを防止する。なお、図16は戸閉モード中に過負荷を検出した場合の速度指令値と実際の速度を示している。また、過負荷モードにおいても、反転動作のときと同様に、低速領域を横切るため、ドアパネル推定位置に推定誤差が発生することになる。
速度設定部107は、「過負荷モード」が入力されると、「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わったときと同様に、位置演算部112が計算したドアパネル推定位置と基準位置記憶部113が記憶している減速基準位置との比較結果に基づいて、速度指令値ω を選択する。「過負荷モード」においては、過負荷を検出したときに速度指令値を0に設定すること以外は「戸閉モード」から「戸開モード」へ切り替わったときの上記の図14における動作と同じである。
「戸閉モード」において過負荷を検出し「過負荷モード」へ切り替わった場合には、速度指令値を一定時間ゼロに設定し、一定時間経過後は「過負荷モード」に切り替わったときのドアパネル推定位置と「戸開モード」の速度指令値を元に設定された減速基準位置との比較結果に基づき、速度指令値を選択する。ドアパネル推定位置と減速基準位置の比較と速度指令値の選択は、図17に示したフローチャートに従って実施される。
図17のフローチャートは、図14のフローチャートと基本的に同じであり、ステップS171の判断処理が「戸開モード」から「過負荷モード」に変更されているだけである。その他の処理内容については、図14と同じであるため説明は省略する。また、減速基準位置の設定方法も図13と同じである。
一方、「戸開モード」中に過負荷を検出し「過負荷モード」へ切り替わった場合も同様に、速度指令値を一定時間ゼロに設定し、一定時間経過後は「過負荷モード」に切り替わったときのドアパネル推定位置と「戸閉モード」の速度指令値を元に設定された減速基準位置との比較結果に基づき、速度指令値を選択する。
図18は、「戸開モード」において「過負荷モード」へ切り替わった時に参照する減速基準位置を示すものである。基本的な考え方は、図14と同様である。すなわち、「戸開モード」から「過負荷モード」へ切り替わるときに参照する反転前減速基準位置は、通常の「戸閉モード」における速度指令値V1が減速を始める位置として設定する。さらに、反転後減速基準位置は、発生し得る最大のドアパネル推定位置の誤差を見込んで、反転前減速基準位置に加算することで設定される。
図19は、「戸開モード」から「過負荷モード」へ切り替わったときのドアパネル推定位置と減速基準位置の比較と速度指令値の選択方法を示すフローチャートである。図19のフローチャートも図14や図17と同様のものであり、参照する減速基準位置と設定する速度指令値が「戸閉モード」から「過負荷モード」へ切り替わる場合と違うだけであるため、詳細な説明は省略する。
なお、速度指令値Vc1は、通常の「戸閉モード」における速度指令値V1の戸開端に近い部分の速度と同等に設定し、速度指令値Vc2は、Vc1よりも大きく、通常の速度指令値V2よりも小さい範囲で設定する。
なお、戸開端に到達してドアパネル10A、10Bの位置が確定したときは、ドアモータ4の角速度指令値ω は、通常の値に戻すものとする。ドアパネル10A、10Bの位置を確定させる方法は、例えば、ドアの両端にスイッチを設ける等、ドアパネル10A、10Bの位置を確定できる方法であればどの様なものでも構わない。
「過負荷モード」の判定方法は、トルク電流指令値i が正のときの過負荷の判定方法を示したが、負の値を取るときは、例えば、動作モード切替部101においてトルク電流指令値i の絶対値と上限値とを比較すれば、同様の手法で過負荷を判定することができる。
また、実施の形態1においては、トルク電流指令値i を用いて過負荷を判定する方法を示したが、q軸電圧指令値v 、q軸電流i、相電流i、i、i、相電圧指令値v 、v 、v 等に基づいて過負荷を判定してもよい。さらに、過負荷の判定方法は図7に示した方法に限るものではなく、予め設定した閾値を超えたことを判定するものであればどの様なものでも構わない。
以上のように、駆動制御部102は、「過負荷モード」においてドアモータ4の角速度指令値ω を一定時間の間はその値をゼロに設定し、その後は過負荷モードに切り替わったときのドアパネル推定位置と減速基準位置との比較結果に基づき、速度指令値を選択することで、ドアパネル10A、10Bが戸開端に衝突して、騒音が生じたり、ドア装置が故障したりすることがなく、かつ開閉時間も短くできるため、利用者に故障を連想させたり不快感を与えることもなく過負荷検出後の動作を実施できる。
なお、上記の実施の形態1〜3においては、ドアモータ4を誘導電動機として説明したが、例えば、永久磁石同期電動機などの交流式のモータであれば適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
さらに、エレベータードアの制御装置を備えたかごドア装置の例として図1のようなリンク駆動式の片開きかごドア装置を示したが、リンク駆動式の両開きドアやベルト駆動式のドアなど、交流式のドアモータを使用するエレベーターのドアであれば適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
1 ケタ、2 ドアッレール、3A,3B 減速プーリー、4 ドアモータ、5A,5B駆動ベルト、6 リンクおもり、7A〜7C 駆動リンク、8A〜8D ハンガローラ、9A,9Bドアハンガ、10A,10B かごドアパネル、100 ドア制御装置、101 動作モード切替部、102 駆動制御部、103 電力変換器、104 電流検出器、105 電流座標変換器、106 速度推定部、107 速度設定部、108 指令電流演算部、109 電流制御器、110 電圧座標変換器、112 位置演算部、113 基準位置記憶部、401 高周波電流原、403 判定信号演算部。

Claims (6)

  1. ドアパネルを駆動するドアモータと、
    前記ドアモータに印加する電圧指令値、前記ドアモータへ入力される電流、および、前記ドアモータの物理的特性を示すモータ定数から前記ドアモータの推定角速度を計算する速度推定部と、
    前記推定角速度の積分値から前記ドアパネルのドアパネル推定位置を計算する位置演算部と、
    前記ドアパネルの減速開始に関する減速基準位置を記憶している基準位置記憶部と、
    前記ドアパネルの開閉を指示する開閉指令および前記ドアモータのトルク電流指令値の少なくとも一方に基づいてドアの動作モードを出力する動作モード切替部と、
    前記動作モードと前記ドアパネル推定位置と前記減速基準位置から前記ドアモータの角速度指令値を出力する速度設定部と、
    前記角速度指令値と前記推定角速度と前記動作モードから前記トルク電流指令値を計算する指令電流演算器とを備え、
    前記動作モード切替部による前記動作モードの切替が、前記ドアパネルの開閉を指示する開閉指令に基づく戸閉モード又は戸開モードから、前記トルク電流指令値が予め決めた値を超えたときの過負荷モードへの切替であり、
    前記速度設定部は、前記動作モードが前記戸閉モード又は前記戸開モードから前記過負荷モードへ切り替わったことを検出したとき、前記過負荷モードへ切り替わる前のドア走行方向に基づき、前記ドアパネル推定位置が前記減速基準位置より前記ドア走行方向の開閉端に近いときは第一の角速度指令値を出力し、前記ドア走行方向とは反対の開閉端に近いときは前記第一の角速度指令値より小さい第二の角速度指令値を出力する
    エレベータードアの制御装置。
  2. 前記速度設定部は、前記戸閉モードから前記過負荷モードへ切り替わったことを検出したとき、前記角速度指令値を一定時間ゼロに設定した後、前記ドアパネル推定位置が前記減速基準位置より戸閉端に近いときは第一の角速度指令値を出力し、戸開端に近いときは前記第一の角速度指令値より小さい第二の角速度指令値を出力する
    請求項に記載のエレベータードアの制御装置。
  3. 前記速度設定部は、前記戸開モードから前記過負荷モードへ切り替わったことを検出したとき、前記角速度指令値を一定時間ゼロに設定した後、前記ドアパネル推定位置が前記減速基準位置より戸開端に近いときは第一の角速度指令値を出力し、戸閉端に近いときは前記第一の角速度指令値より小さい第二の角速度指令値を出力する
    請求項に記載のエレベータードアの制御装置。
  4. ドアパネルを駆動するドアモータに印加する電圧指令値、前記ドアモータへ入力される電流、および、前記ドアモータの物理的特性を示すモータ定数から前記ドアモータの推定角速度を計算する第1ステップと、
    前記推定角速度の積分値から前記ドアパネルのドアパネル推定位置を計算する第2ステップと、
    前記ドアパネルの減速開始に関する減速基準位置を記憶する第3ステップと、
    前記ドアパネルの開閉を指示する開閉指令および前記ドアモータのトルク電流指令値の少なくとも一方に基づいてドアの動作モードを出力する第4ステップと、
    前記動作モードと前記ドアパネル推定位置と前記減速基準位置から前記ドアモータの角速度指令値を出力する第5ステップと、
    前記角速度指令値と前記推定角速度と前記動作モードから前記トルク電流指令値を計算する第6ステップとを備え、
    前記第4ステップによる前記動作モードの切替が、前記ドアパネルの開閉を指示する開閉指令に基づく戸閉モード又は戸開モードから、前記トルク電流指令値が予め決めた値を超えたときの過負荷モードへの切替であり、
    前記第5ステップは、前記動作モードが前記戸閉モード又は前記戸開モードから前記過負荷モードへ切り替わったことを検出したとき、前記過負荷モードへ切り替わる前のドア走行方向に基づき、前記ドアパネル推定位置が前記減速基準位置より前記ドア走行方向の開閉端に近いときは第一の角速度指令値を出力し、前記ドア走行方向とは反対の開閉端に近いときは前記第一の角速度指令値より小さい第二の角速度指令値を出力する
    エレベータードアの制御方法。
  5. 前記第5ステップは、前記戸閉モードから前記過負荷モードへ切り替わったことを検出したとき、前記角速度指令値を一定時間ゼロに設定した後、前記ドアパネル推定位置が前記減速基準位置より戸閉端に近いときは第一の角速度指令値を出力し、戸開端に近いときは前記第一の角速度指令値より小さい第二の角速度指令値を出力する
    請求項に記載のエレベータードアの制御方法。
  6. 前記第5ステップは、前記戸開モードから前記過負荷モードへ切り替わったことを検出したとき、前記角速度指令値を一定時間ゼロに設定した後、前記ドアパネル推定位置が前記減速基準位置より戸開端に近いときは第一の角速度指令値を出力し、戸閉端に近いときは前記第一の角速度指令値より小さい第二の角速度指令値を出力する
    請求項に記載のエレベータードアの制御方法。
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