JP6265661B2 - 感温シート - Google Patents

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Description

本発明は、寝具や防寒具などに用いられ、電気ヒータやカイロなどの発熱体を用いずに人体などを加温する感温シートに関する。
冬などの寒冷時にベッドやふとんに入ると、寝具からヒンヤリとした冷たさを感じる。その後、人の体温により寝具が徐々に温められて、温かさを感じるようになるが、温かさを感じるまでにかなりの時間がかかる。そこで、従来から、人体を素早く温めるための感温シートが寝具の補助具として用いられている。
この種の感温シートとしては、例えば特許文献1に開示されているような、断熱性を有する断熱性シート上に樹脂発泡シートを積層したものが提案されている。この感温シートに人体などが触れると、最初は冷たいが、しばらくすると、人の体温から伝わる熱により樹脂発泡シートが有する気泡中の空気が温められる。この加温された空気の熱が人体に伝達されることで、人体に温かさを感じさせる。
特開2011−62960号公報
この特許文献1に記載の感温シートは、樹脂発泡シートに厚さ方向に貫通する多数の貫通孔が形成されている。しかしながら、樹脂発泡シートに多数の貫通孔が形成されていると、貫通孔に外気が混入するので、寒冷時に使用した場合、貫通孔に混入した冷気により感温シートに触れた際にヒンヤリとした冷たさを感じてしまうという問題がある。さらに、樹脂発泡シートに多数の貫通孔が形成されていると、貫通孔は樹脂発泡シートにおける空隙の体積が大きいので、人体が樹脂発泡シートに触れたとしても貫通孔の部分は速やかに温度が高くならず、よって十分な速暖性を得られないという問題がある。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、感温シートに人体などが触れた際の接触冷温感が少なく、また、感温シートに触れた後、体温で温められるまでの時間を短縮させて、素早く温かさを感じることができる速暖性が良好な感温シートを提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、断熱性を有する断熱性シートと、前記断熱性シートの一方面に積層される独立気泡構造の樹脂発泡シートと、前記樹脂発泡シートの一方面に積層される表地シートとを備え、前記表地シートには、前記樹脂発泡シートを露出させる複数の孔が形成されており、前記樹脂発泡シートは、厚さ方向に貫通する孔を有するものではなく、少なくとも一方面に気泡断面が露出している感温シートによって達成される。
本発明の好ましい実施態様においては、前記樹脂発泡シートは、超臨界状態の流体を発泡剤として発泡させたポリオレフィン系樹脂発泡体からなることを特徴としている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記樹脂発泡シートの気泡径が0.15mm〜1.5mmの範囲にある気泡の個数が、15個/25mm以上であることを特徴としている。なお、気泡の個数は、JIS K6767(1999付属書A)に規定される、長さ25mmあたりの平均セル数(個/25mm)に準拠した。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記表地シートは、合成樹脂繊維をラッセル織りしたメッシュシートからなることを特徴としている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記表地シート、前記樹脂発泡シート及び前記断熱性シートがキルティング縫製により一体化されていることを特徴としている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記断熱性シートの他方面に積層される裏地シートをさらに備え、前記裏地シートには、滑り止め用の突起が複数設けられていることを特徴としている。
本発明に係る感温シートよると、人体などが触れた際の人体が感じる接触冷温感を少なくでき、また、人体などが触れた直後に人体に対して素早く温かさを感じさせることができる。
本発明の一実施形態に係る感温シートの断面図である。 図1の上面図である。 図1の底面図である。 図1の樹脂発砲シートを拡大して示す断面図である。
以下、本発明の実態形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る感温シート1の層構造を表す断面図である。また、図2及び図3は、図1の感温シート1の上面図及び底面図である。感温シート1は、下から、裏地シート2、断熱性シート3、樹脂発泡シート4及び表地シート5を順次積層した構成のものである。この感温シート1は例えば寝具とともに用いられるものであり、表地シート5側を上にした状態でベッドのマットや敷ふとんなどの上に敷かれ、人などが感温シート1上で横になることで、樹脂発泡シート4が人の体温で加温される結果、加温された樹脂発泡シート4の熱が人体に伝達して、人体に温かさを感じさせるものである。
断熱性シート3は、樹脂発泡シート4の人体と接する一方面側とは反対の他方面側に積層され、樹脂発泡シート4と外部雰囲気との断熱を行なうものであり、樹脂発泡シート4に蓄えられた熱の放出を防いで高い保温効果を奏する。断熱性シート3には、例えば、発泡ポリウレタン、発泡ポリオレフィン、発泡ポリ塩化ビニル(PVC)などからなる発泡樹脂シートを用いることができるが、断熱性シート3が断熱性かつ良好なクッション性を発揮するために、シート状の繊維綿を用いることが好ましい。繊維綿を構成する繊維としては、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアミド繊維、アクリロニトリル繊維などを挙げることができるが、耐熱性、耐候性、耐薬品性、嵩高性、熱セット性、形態安定性、圧縮復元性、へたりにくさなどが良好なうえ、吸湿性及び吸水性がほとんどなく、さらに廉価で安定的に入手できる点からポリエステル繊維がより好ましい。
断熱性シート3が繊維綿からなることで、断熱性シート3の通気性を良好にできるので、水蒸気などを外部に排出でき、使用時の感温シート1のムレを防止できる。加えて、樹脂発泡シート4はそのままでは力が加わると破れやすいので、断熱性シート3が良好なクッション性を有していることで、樹脂発泡シート4を破れにくくすることができる。また、樹脂発泡シート4に人体が触れた際、樹脂発泡シート4が断熱性シート3とともに接触する人体の形状に沿うように変形して人体に密着する。よって、樹脂発泡シート4により人体を良好に温めることができる。さらに、樹脂発泡シート4に人体が触れた際、快適なクッション感が得られるので、感温シート1の使用時の感触を良好なものにすることができる。断熱性シート3の厚みは、0.5mm〜50mm程度、好ましくは1mm〜5mm程度、とすることができる。厚みが0.5mm未満であると十分な断熱効果が得られない一方で、厚みが50mmより大きいと感温シート1の厚さが嵩み、使用時に不便さを感じるおそれがあるからである。
樹脂発泡シート4は、図4に示すように、多数の気泡(セル)40が互いにつながっておらず、独立して存在している独立気泡構造の樹脂発泡体からなる。また、独立気泡構造の樹脂発泡体の表面が切削、切断、研磨などの加工が施されていることで、樹脂発泡シート4の人体と接する少なくとも一方面42は気泡断面が露出した状態となっている。つまり、樹脂発泡体の表面を切断などすることで、樹脂発泡体の表面側に存在する気泡40の一部が分断され、分断された気泡40が樹脂発泡体の表面に存在している。この分断された気泡40によって、樹脂発泡シート4の一方面42は微細な凹凸状になっている。なお、図4では、樹脂発泡シート4の他方面43も気泡断面が露出した状態となっており、微細な凹凸状になっている。
上記構成の樹脂発泡シート4の一方面に人体が触れると、気泡40の分断により樹脂発泡シート4の一方面に存在する凹部41内の空気が人体により凹部41内に閉じ込められ、人の体温により直接温められることで、速やかに温度が上昇する。そして、この凹部41内の加温された空気の熱が人体に伝達されることで、人体は速やかに温かさを感じることができる。また、樹脂発泡シート4が独立気泡構造からなり、熱伝導率が小さく断熱性が良好であるため、加温された熱が樹脂発泡シート4内に溜まりやすい。よって、人の体温により上昇した空気の温度は低下しにくく、凹部41(又は気泡40)内の空気は長時間にわたり体温に近い温度が保たれるので、加温された状態が良好に保持される。
樹脂発泡シート4をなす樹脂発泡体の厚みは、0.5mm〜15mm程度であることが好ましく、1mm〜5mm程度であることがより好ましい。厚みが0.5mmより小さいと、破れやすくかつクッション性に乏しいため、衝撃吸収力の点で十分でない一方で、厚みが15mmより大きいと、感温シート1の厚さが嵩み、使用時に不便さを感じるおそれがあるからである。
樹脂発泡シート4をなす樹脂発泡体は、気泡40の気泡径が0.15mm〜1.5mm程度であることが好ましく、0.2mm〜0.6mm程度であることがより好ましい。気泡40の気泡径が0.15mmより小さいと、気泡の強度が不足して、気泡の形状保持が困難となるからである。すなわち、発泡状態ではなく高密度のソリッド成形体に近づく。一方で、気泡40の気泡径が1.5mmより大きいと、気泡40(凹部41)の体積が大きくなって、気泡40(凹部41)の内部の空気が温められるのに時間がかかり、速暖性の点で十分でないからである。また、気泡径が大きくなって気泡40の体積が大きくなると、樹脂発泡シート4内に気泡40を密に設けることができず、気泡40が設けられていない部分の体積が大きくなる。樹脂は、気泡40を構成する空気よりも熱伝導率が高いので、気泡40が設けられていない部分の体積が大きくなると、樹脂発泡シート4全体の熱伝導率が高くなるため、断熱性が低下するからである。一方で、気泡40の気泡径40を適度に小さくすることにより、樹脂発泡シート4内に気泡40を密に設けて、気泡40が設けられていない領域の体積を小さくすれば、気泡40内に溜められた空気の熱により樹脂発泡シート4に接する人体に対して万遍なく温かさを感じさせることができる。なお、樹脂発泡体における気泡40の気泡径が0.15mm〜1.5mm程度(又は0.2mm〜0.6mm程度)であるとは、気泡径が0.15mm〜1.5mm(又は0.2mm〜0.6mm)の範囲にある気泡の個数が、15個/25mm以上であることを指している。本明細書における気泡径は、ニコン社製のメジャースコープ10により測定した値である。なお、セル構造(セルの配向)に主方向がある場合、試験片はセルの両軸方向について測定が行えるように切り取り、任意の複数の直線について計測する。
樹脂発泡シート4をなす樹脂発泡体の素材としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などを挙げることができるが、これらの中では、衝撃吸収性、柔軟性、熱成形性などの点からポリオレフィン系樹脂が好ましい。
樹脂発泡シート4をなす樹脂発泡体の製造方法としては、(1)化学発泡剤又は物理的発泡剤を使用する発泡方法、(2)超臨界状態又は亜臨界状態の流体を利用する発泡方法などを挙げることができる。ただし、例えば窒素や二酸化炭素などの発泡剤を超臨界状態で発泡させる超臨界発泡法は、化学発泡法を用いた場合と比べて、樹脂発泡体中の気泡が微細になるとともに気泡の大きさが均一となり、独立気泡となりやすいので好ましい。また、超臨界発泡法は、樹脂発泡体中に微細な気泡(つまりは気泡径が小さい気泡)を密に設けることができるので、製造される樹脂発泡体が軽量となり低密度となるから、樹脂発泡体全体の熱伝導率を低く、断熱性をより良好にできるので好ましい。さらに、製造工程で用いた発泡剤は気体となるために分解残渣がなく、臭いの発生や人体に害を及ぼさないので、寝具や防寒具などに感温シート1を用いても非常に安全で衛生的であるため好ましい。
上記したような、気泡径が0.15mm〜1.5mm程度、好ましくは、0.2mm〜0.6mm程度であり、超臨界発泡法により製造される樹脂発泡体の好適な実施例として、具体的には、(株)イノアックコーポレーション製のPEライトZ(品番LD−15)を挙げることができる。この(株)イノアックコーポレーション製のPEライトZ(品番LD−15)は、以下の表1の「樹脂発泡体A」に示されているように、気泡径が0.2mm〜0.6mm程度と適度に小さく、これに伴い密度が0.015g/cmと小さいことから、熱伝導率(20℃)も0.034W/mKと、その他の気泡径が0.2mm〜0.6mmよりも大きな「樹脂発泡体B〜D」の熱伝導率よりも小さくなっている。このように、気泡径が0.15mm〜1.5mm程度、好ましくは、0.2mm〜0.6mm程度の樹脂発泡体を樹脂発泡シート4として用いると、樹脂発泡シート4全体の熱伝導率を小さくでき、断熱性を向上できるので、樹脂発泡シート4内に蓄熱された熱を良好に保持することができ、人体に対して長時間温かさを感じさせることができる。
Figure 0006265661
なお、熱伝導率は、JIS A1412−2に準拠する熱流計法(HFM法)により測定した。熱伝導率測定装置としては、英弘精機(株)製のHC−072型を用い、測定した。樹脂発泡体A〜Dの寸法は、200mm×200mmとした。熱板設定は、10℃及び38℃とし、目標温度を23℃とした。また、「樹脂発泡体B」は、古河電気工業(株)製のフォームエース(登録商標、品番SN−2000)であり、「樹脂発泡体C」は、酒井化学工業(株)製のミナフォーム(登録商標、品番♯110)であり、「樹脂発泡体D」は、(株)イノアックコーポレーション製のPEライト(品番B−4)である。
また、「樹脂発泡体A」の物性としては、見掛け密度(ISO7214:1998に準拠)が15kg/m3であり、引張強度(ISO7214:1998に準拠)が245kPaであり、25%圧縮硬さ(ISO7214:1998に準拠)は45kPaであり、圧縮永久歪(24時間)(ISO7214:1998に準拠)は7%であり、伸びは110%である。なお、樹脂発泡シート4は、上記した物性値のものに限定されるわけではない。
裏地シート2は、断熱性シート3の他方面に積層されており、断熱性シート3の汚れを防ぐためのカバーとして機能する。裏地シート2の素材としては、柔軟性及び通気性を有していれば、不織布、職布、編物など、特に限定されない。裏地シート2の断熱性シート3が積層されていない側の他方面には、滑り止め用の突起20が複数設けられている。この突起20は、例えばホットメルト接着剤を熱により溶かして裏地シート2の他方面に凸状にして接着させることで形成される。裏地シート2に多数の突起20が設けられていることで、感温シート1をベッドのマットや敷ふとんなどの上に敷いて使用する際に、感温シート1が動いて使用に適切な位置からずれてしまうことを防止できる。
表地シート5は、樹脂発泡シート4の一方面に積層されており、樹脂発泡シート4の汚れを防ぐためのカバーとして機能するうえ、樹脂発泡シート4を覆って空気の流動を抑制するので、樹脂発泡シート4の速暖性を向上することができる。また、表地シート5には、樹脂発泡シート4の一方面を露出させる複数の孔50が形成されている。これにより、人体を孔50を介して樹脂発泡シート4に直接接触させることができるので、樹脂発泡シート4が人の体温により速やかに温められて昇温する。よって、人体を速やかに温めることができるうえ、感温シート1に触れたときの温感が冷たくなることを防止できる。また、孔50により表地シート5の通気性が良好となり、水蒸気などを外部に排出できるので、使用時の感温シート1のムレを防止できる。
本実施形態の表地シート5は、合成樹脂繊維をラッセル織りしたメッシュシートにより構成されている。これにより、表地シート5を弾力性及び強度を有するものにできるとともに、表地シート5の触り心地を良好なものとすることができる。メッシュシートを構成する合成樹脂繊維としては、ポリエステル繊維、ポリエステル及びレーヨンの混合繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維などの種々の繊維を挙げることができる。なお、メッシュシートのメッシュ目(孔50)の形状は、菱形や六角形など種々の形状とすることができる。また、メッシュシートの織り方としては、ラッセル織りに限定されるものではなく、他の種々の織り方でメッシュシートとすることができる。また、表地シート5は、メッシュシートに限定されるものではなく、孔50を多数有していて下層の樹脂発泡シート4の一方面を露出させるものであれば、織布、不織布、編物であっても構わない。
表地シート5及び裏地シート2の間に樹脂発泡シート4及び断熱性シート3を配置し、各シート2〜5が重ねられてなる積層体にキルティング縫製を施して一体化することで、感温シート1が形成される。なお、積層体の周縁部だけでなく、積層体の全面に間隔をあけて複数のキルト6を交差するように配して、積層体が複数の単位格子に分割されるように、キルティング縫製を施すことが好ましい。これにより、表地シート5、裏地シート2、樹脂発泡シート4及び断熱性シート3がより強固に一体化されるので、各シートが自由に動いて一方へ偏ることを防止できる。なお、裏地シート2は、必ずしもキルティング縫製により一体化されている必要はなく、表地シート5、樹脂発泡シート4及び断熱性シート3をキルティング縫製により一体化し、この一体化された各シート3〜5の積層体に対して、裏地シート2をキルティング縫製以外の縫製により一体化させてもよい。
上記構成の感温シート1によれば、樹脂発泡シート4は、人体と接する一方面に気泡断面が露出しているうえ、表地シート5は、樹脂発泡シート4の一方面を露出させる複数の孔50が形成されているので、感温シート1に人体が触れると、樹脂発泡シート4の一方面に存在する凹部41内の空気が人体により凹部41内に閉じ込められる。これにより、人の体温により凹部41内の空気が直接温められるので、速やかに空気の温度が上昇する。そして、この凹部41内の加温された空気の熱が人体に伝達されることで、人体に対して速やかに温かさを感じさせることができる。また、樹脂発泡シート4が独立気泡構造からなり、熱伝導率が小さく断熱性が良好であるため、加温された熱が樹脂発泡シート4内に溜まりやすい。よって、人の体温により上昇した凹部41や気泡40内の空気の温度は低下しにくく、凹部41や気泡40内の空気は長時間にわたり体温に近い温度が保たれるので、加温された状態を良好に保持できる。
また、樹脂発泡シート4が超臨界発泡法により製造されていて、気泡径が適度に小さいことから、まず、凹部41や気泡40の体積が小さく、凹部41や気泡40の内部の空気を温めるのに要する時間が少なくてすむ。よって、凹部41や気泡40の内部の空気をより速やかに温めることができるので、感温シート1の速暖性が向上し、感温シート1に人体が触れた直後に人体を温めることができる。また、気泡径が適度に小さいことにより、樹脂発泡シート4内に凹部41や気泡40を密に設けることができるので、凹部41や気泡40が設けられていない領域の体積を小さくでき、感温シート1に触れた人体に対して万遍なく温かさを感じさせることができる。また、気泡径が適度に小さいことにより、樹脂発泡シート4の密度を小さくすることができるので、樹脂発泡シート4全体の熱伝導率を小さくでき、断熱性を向上できる。よって、樹脂発泡シート4内に蓄熱された熱を良好に保持することができ、人体に対して長時間温かさを感じさせることができる。さらに、上述した通り、分解残渣がなく、臭いの発生や人体に影響を及ぼさないので、使用者が表地シート5の孔50を介して樹脂発砲シート4に触れても、安全で衛生的に使用することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、裏地シート2に多数の滑り止め用の突起20を設けているが、突起20は必ずしも必要ではない。また、上記実施形態では、複数のキルト6を感温シート1の全面に間隔をあけて交差するように配して各シートを一体化しているが、キルティング縫製の方法は特に限定されるものではない。また、上記実施形態では、感温シート1を寝具の補助具として用いることを想定しているが、防寒具、防寒具のインナー、靴の中敷き又は座布団などとして用いることもできる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明が、以下の実施例に限定されるものではない。
上記実施形態に示した感温シート(実施例)及び比較例1〜3の感温シートを用いて、5人の人(試験者A〜E)が感温シートに手で触れたときの官能評価を行った。官能評価としては、(1)感温シートに触れたときの接触冷温感の評価、(2)感温シートに触れた直後の温かさ(速暖性)の評価、(3)−28℃の雰囲気内で感温シートに触れた直後の温かさ(速暖性)の評価、(4),(5)試験者A〜Eのうち、特に感度の悪かった試験者B及び試験者Cによる感温シートに触れた直後の温かさ(速暖性)の評価を行った。また、(1)〜(5)の官能評価を、それぞれ感温シートに強く触れた場合(Hard)と、やさしく触れた場合(Soft)とについて行った。実施例1の感温シート(総厚み9.10mm)としては、下から、裏地シートとしてポリエステル繊維による織布、断熱性シートとしてポリエステル繊維綿、樹脂発泡シートとして(株)イノアックコーポレーション製のPEライトZ(品番LD−15)、表地シートとしてポリエステル繊維のメッシュシートを積層した。また、比較例1の感温シート(総厚み2.66mm)としては、下から、ポリエステル繊維による織布、化学発泡によるポリエチレン系樹脂発泡シート、ポリエステル繊維による織布(起毛)が積層されている。また、比較例2の感温シート(総厚み5.87mm)としては、下から、ポリエステル繊維による織布、ポリエチレン系樹脂発泡シート、ポリエステル繊維綿、化学発泡によるポリエチレン系樹脂発泡シート、ポリエステル繊維による織布が積層されている。また、比較例3の感温シート(総厚み4.32mm)としては、下から、ポリエステル繊維による織布(起毛)、ポリエステル製のキュプラ、ポリエステル繊維綿、化学発泡によるポリエチレン系樹脂発泡シート、ポリエステル繊維による織布が積層されている。比較例1〜3は、実施例とは異なり、いずれも樹脂発泡シートの上に孔50を有さない織布が積層されている。なお、各官能評価(1)〜(5)の評価結果は、(4)及び(5)以外は、全ての試験者A〜Eの結果を総合して、最も評価の高いものを1とし、評価が悪くなるに連れて2,3,4と順位付けをし、(1)〜(5)の各順位を集計した上で最も小さい数字のものを総合的な順位の1とした。
以下の表2に示すように、実施例の感温シートは、ほとんどの官能評価(1)〜(5)において最も高い評価1を受けており、感温シートに触れた際の接触冷温感及び感温シートに触れた直後の温かさ(速暖性)に優れていることが確認された。なお、官能評価(4)及び(5)を除いた(1)〜(3)のみに限定した場合であっても、実施例の感温シートが最も優れていることが確認された。
Figure 0006265661
1 感温シート
2 裏地シート
3 断熱性シート
4 樹脂発泡シート
5 表地シート
20 突起
50 孔
d 気泡径

Claims (6)

  1. 断熱性を有する断熱性シートと、
    前記断熱性シートの一方面に積層される独立気泡構造の樹脂発泡シートと、
    前記樹脂発泡シートの一方面に積層される表地シートと、を備え、
    前記表地シートには、前記樹脂発泡シートを露出させる複数の孔が形成されており、
    前記樹脂発泡シートは、厚さ方向に貫通する孔を有するものではなく、少なくとも一方面に気泡断面が露出している感温シート。
  2. 前記樹脂発泡シートは、超臨界状態の流体を発泡剤として発泡させたポリオレフィン系樹脂発泡体からなる請求項1に記載の感温シート。
  3. 前記樹脂発泡シートの気泡径が0.15mm〜1.5mmの範囲にある気泡の個数が、15個/25mm以上(JIS K6767(1999付属書A)準拠)である請求項1又は2に記載の感温シート。
  4. 前記表地シートは、合成樹脂繊維をラッセル織りしたメッシュシートからなる請求項1〜3のいずれかに記載の感温シート。
  5. 前記表地シート、前記樹脂発泡シート及び前記断熱性シートがキルティング縫製により一体化されている請求項1〜4のいずれかに記載の感温シート。
  6. 前記断熱性シートの他方面に積層される裏地シートをさらに備え、
    前記裏地シートには、滑り止め用の突起が複数設けられている請求項1〜5のいずれかに記載の感温シート。
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