JP6265111B2 - 車両用機能性成分の保管供給装置およびそのカートリッジ - Google Patents

車両用機能性成分の保管供給装置およびそのカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、乗員(運転者を含む)に対して注意喚起、覚醒、緊張緩和等を促す成分である機能性成分を安定して保管、供給できる車両用機能性成分の保管供給装置と、その機能性成分を収容した交換可能なカートリッジ(貯蔵体)に関する。
車室内環境の改善、乗員のリラックスやリフレッシュ等を目的に、芳香成分を自動車の車室内に放出させることがなされる。通常、揮発性の芳香成分を含む液体や固体等が収容された容体を車室内に設置し、自然に揮発させて芳香成分を車室内に充満させることが多い。この他、空調装置(エアコン)の送風等を利用して、芳香成分の放出時期、放出量、放出位置等を積極的に制御し、芳香による快適感の向上を図ることも提案されており、これに関連する記載が、例えば下記の特許文献にある。
特開2010−854号公報 特開2010−89685号公報
さらに最近では、芳香による乗員の単なる快適感の向上のみならず、乗員(特に運転者)の集中力や覚醒の向上、乗員の緊張緩和等を目的とした機能性成分を、時期、量、位置等を高精度に制御して車室内へ放出する研究や装置(機能性成分放出装置)の開発が盛んになされている。このような装置の実現には、機能性成分を長期に渡って保存できると共に、適切な濃度や圧力で安定的に機能性成分を供給できることが必要となる。
ところが、車内は、走行中の激しい振動や炎天下における高温など、厳しい環境下に曝される。このような車室内で、機能性成分の保管や供給を長期的に安定して行うことは容易ではない。また、機能性成分の放出装置や容器(貯蔵タンク、カートリッジ)等は、エアコン内やその周辺に配置され、高い信頼性も要求されるため、可能な限り、小型化できる簡素な構造であることも要求される。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、機能性成分の安定した保管および供給を可能とする車両用機能性成分の保管供給装置と、それに用いられる機能性成分を収容した交換可能な貯蔵体(カートリッジ)とを提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、本体に対して摺動する弁体により、機能性成分の保管状態から供給状態へ切り替えできるようにすると共に、その途中で一時的に機能性成分の容体(貯蔵体)を開放し、高濃度、高圧等となった機能性成分の一部を車室外へ放出させ、安定状態の機能性成分を供給できるようにすることを着想した。この着想を具体化させると共に発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《車両用機能性成分の保管供給装置》
(1)本発明の車両用機能性成分の保管供給装置は、貯蔵体に保持された機能性成分を車室内側へ導く第1ポートと該機能性成分を該車室外側へ導く第2ポートとを有する本体と、該貯蔵体と該第1ポートの間を開通させる第1ポジションと該第1ポートおよび該第2ポートを閉塞して該貯蔵体を密閉状態とする第2ポジションとの間を該本体に摺接しつつ変位する弁体とを備え、該弁体は、該第2ポジションから該第1ポジションへ変位する途中で、該第1ポートを閉塞しつつ該貯蔵体と該第2ポートの間を開通させることを特徴とする。
(2)本発明の車両用機能性成分の保管供給装置(単に「保管供給装置」という。)によれば、弁体を摺動させて二つのポジション間で切り替えるだけで、機能性成分の供給と保管を適切に行うことができる。具体的にいうと、先ず、弁体が第2ポジションにあるとき、本体の各ポートが閉塞されて機能性成分を収容保持した貯蔵体を密閉状態とすることができる。これにより激しい振動や高温等に曝される車室内に機能性成分の容体が設置される場合でも、機能性成分を長期間にわたって安定して保管でき、機能性成分が無駄に車室内側へ放出、漏洩等される状態を抑止できる。
次に、弁体が第2ポジションから第1ポジションへ変位する途中、第1ポートを閉塞しつつ、貯蔵体と第2ポートの間が一時的に開通される。これにより、機能性成分が車室環境の影響等を受けて高濃度、高圧等となっている場合でも、弁体が第1ポジションへ移動する前に、機能性成分は適当な濃度、圧力等に整えられる。そして弁体が第1ポジションへ移動すると、放出装置(車室内側へ機能性成分を放出する装置)等には、本体の第1ポートから比較的安定な状態の機能性成分が供給される。その結果、機能性成分は、放出装置等から適切な状態で車室内へ放出され易くなる。
そして本発明の保管供給装置では、このような機能性成分の安定した保管と供給を、弁体を二位置間で摺動変位(スイッチ)させることにより行っている。このため、本体と弁体の構造のみならず、弁体の駆動機構やその制御方法等も簡素化でき、ひいては装置の小型化や低コスト化等を図り易くなる。
《車両用機能性成分のカートリッジ》
本発明は上述した保管供給装置としてのみならず、上述した本体および弁体に着脱、交換が自在な貯蔵体(機能性成分が充填されたカートリッジ)としても把握できる。すなわち、本発明は、上述した車両用機能性成分の保管供給装置に用いられる貯蔵体となり、本体または弁体に着脱して交換可能であることを特徴とする車両用機能性成分のカートリッジでもよい。
なお、本発明の保管供給装置は、上述した本体と弁体を備えれば十分であり、貯蔵体自体は必須構成要素ではない。しかし、本体および弁体に貯蔵体(機能性成分を収容または保持する容体)を加えたものを本発明の保管供給装置と考えてもよい。この場合、本体、弁体および貯蔵体からなる保管供給装置自体を、別途設けられた機能性成分放出装置等に着脱自在で交換可能なカートリッジと考えてもよい。つまり、本体および弁体が付属している交換可能な貯蔵体(機能性成分が充填されている容体、容器等)を、本発明の保管供給装置またはカートリッジと考えてもよい。
本発明の第1実施例である保管供給装置を示す断面模式図であり、スライドバルブが閉位置にあって機能性成分を密閉保管する状態を示している。 そのスライドバルブが中間位置にあって、カートリッジ内の機能性成分を一時的に車室外へ排出するときを示す断面模式図である。 そのスライドバルブが開位置にあって、機能性成分を車室内側へ供給するときを示す断面模式図である。 液体状態の機能性成分を収容したカートリッジ(容体)内へ外気(搬送ガス)を導入して、機能性成分を導出(搬送)させる種々の形態を示す断面模式図である。 機能性成分を添着(吸収、吸着)させた多孔質体を収容したカートリッジ内へ外気(搬送ガス)を導入して、機能性成分を導出(搬送)させる種々の形態を示す断面模式図である。 本発明の第2実施例である保管供給装置を示す断面模式図であり、ディスクバルブが開位置にあって、機能性成分が車室内側へ供給される様子を示す。 本発明の第3実施例である保管供給装置を示す断面模式図であり、ディスクバルブが開位置にあって、2種類の機能性成分が車室内側へ供給される様子を示す。 本発明の第4実施例である保管供給装置を示す断面模式図であり、貯蔵体を内包したスライドバルブが閉位置にあって機能性成分を密閉保管する状態を示している。 そのスライドバルブが中間位置にあって、カートリッジ内の機能性成分を一時的に車室外へ排出するときを示す断面模式図である。 そのスライドバルブが開位置にあって、機能性成分を車室内側へ供給するときを示す断面模式図である。 本発明の第5実施例である保管供給装置を示す断面模式図であり、貯蔵体を内包したロータリーバルブが閉位置にあって機能性成分を密閉保管する状態を示している。 そのロータリーバルブが中間位置にあって、カートリッジ内の機能性成分を一時的に車室外へ排出するときを示す断面模式図である。 そのロータリーバルブが開位置にあって、機能性成分を車室内側へ供給するときを示す断面模式図である。 本発明の第6実施例である保管供給装置を示す断面模式図であり、スライドバルブが閉位置にあって機能性成分を密閉保管する状態を示している。 そのスライドバルブが中間位置にあって、カートリッジ内の機能性成分を一時的に車室外へ排出するときを示す断面模式図である。 そのスライドバルブが開位置にあって、機能性成分を車室内側へ供給するときを示す断面模式図である。
上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。本明細書で説明する内容は、本発明の保管供給装置のみならず、それに用いるカートリッジにも適宜該当し得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《本体と弁体》
(1)機能性成分の種類(特性)や貯蔵体の形態等に応じて異なるが、機能性成分を第1ポートから安定して供給するために、機能性成分が第1ポートから導出される際、貯蔵体へ外気が導入されると好ましい。そこで本発明に係る本体は、さらに、外気を貯蔵体へ導く第3ポートを有し、弁体は第1ポジションで貯蔵体と第3ポートの間を開通すると共に第2ポジションで第3ポートを閉塞すると好ましい。これにより、機能性成分の安定した供給と保管が可能となる。
弁体は、第1ポートと貯蔵体を連通させる第1連通路と、第2ポートまたは第3ポートと貯蔵体を連通させる第2連通路とを有すると好ましい。第1連通路と第2連通路を弁体に設けることにより、機能性成分や外気が流通する流路の形成自由度を高めることができる。また第2連通路により、貯蔵体と第2ポートの連通と、貯蔵体と第3ポートの連通との両方を行えるようにすることにより、本体と弁体の簡素化、ひいては保管供給装置の小型化等を図れる。
さらに、本体に設けるポート配置や弁体に設ける連通路形態等を工夫して、第1ポジションにおける貯蔵体と第1ポートの開通、第1ポジションと第2ポジションの中間位置における貯蔵体と第2ポートの開通、さらには第1ポジションにおける貯蔵体と第3ポートの開通を、弁体に設けた一つの連通路で行ってもよい。
なお、本体や弁体に設けるポートや(連)通路は、その形態(断面形状、長さ、大きさ等)を問わず、閉管状の他、摺動相手の摺動面により閉塞される溝状でもよい。
(2)弁体の形状や摺動形式は種々考えられる。弁体は、例えば、第1ポジションと第2ポジションとの間を直線的に往復動するスライドバルブとすることができる。スライドバルブは、方形板やスティック等に連通路を設けるだけの簡素な構造とすることができ、直線的に往復動させるだけでよく、作動制御も容易である。また弁体は、第1ポジションと第2ポジションとの間を回転するディスクバルブとすることができる。ディスクバルブも円板等に連通路を設けるだけの簡素な構造とすることができ、回転または所定角度内の往復動させるだけでよく、作動制御も容易である。さらに弁体は、貯蔵体を内包して本体に内装された円筒体からなり、円筒体の延在軸周りに第1ポジションと第2ポジションとの間を回動するロータリーバルブとすることもできる。ロータリーバルブも、比較的簡素な構造で、延在軸周りの所定角度内で往復動または回転させるだけでよく、作動制御も比較的容易である。ロータリーバルブは貯蔵体を内包した状態とすることもできる。この場合、貯蔵体を内包したロータリーバルブ自体を、本体または弁体に着脱して交換可能なカートリッジとしてもよい。
弁体を駆動する駆動源の種類は問わない。例えば、2位置間で直線的な駆動をするソレノイドバルブ、モータ(サーボモータに限らず、連続回転する通常のモータでもよい)等が駆動源となる。また、このような駆動源と、適当なリンク機構や付勢手段(バネ等の弾性体)と組み合わせて、弁体を作動させてもよい。
本発明に係る弁体は、少なくとも2位置間を移動できればよく、第2ポートと貯蔵体を連通させる中間位置で、弁体が停止しても、しなくてもよい。その中間位置で弁体が停止するときは、その停止時間の調整等により、機能性成分の濃度や圧力等を調整することができる。弁体が停止しないときでも、弁体の移動速度等を調整することにより、同様に機能性成分の濃度や圧力等の調整が可能である。通常、高濃度または高圧となった機能性成分は、短時間開放されるだけで、所望範囲の濃度や圧力となり得る。なお、中間位置における連通は、弁体が第2ポジションから第1ポジションへ移動するときのみに限らず、独立してなされてもよい。例えば、機能性成分の保管時(機能性成分を車室内へ放出しないとき)でも、機能性成分を収容した容体内が過度に高圧等になったときは、弁体を第2ポジションから中間位置まで作動させて、一時的に機能性成分を開放し、その容体内の圧力を所定範囲内まで低下させてもよい。
なお、弁体の作動制御は、例えば、別に設けた電子制御装置(ECU)により、運転者に係る生体情報(緊張度、覚醒度等)、エアコンの稼働情報、車室内情報(室温、湿度、空気の汚染度等)、外界情報(外気温、路面状況等)、車両情報(速度、加速度、ブレーキやアクセルの操作情報等)、GPSやナビゲーションに基づく位置情報(移動情報)や地理情報、楽曲等のオーディオ情報等に基づいてなされる。
《機能性成分と貯蔵体》
本発明に係る機能性成分は、臭気の有無を問わず、鼻口等から摂取した乗員に何らかの作用を及ぼすものであれば足る。この機能性成分は、車室内環境を改善する単なる芳香成分や消臭成分等でもよいが、乗員に対して注意喚起したり、その集中力や覚醒を向上させたり、緊張を緩和させたりする効果等を発揮させるものでもよい。さらには、乗員に対してだけでなく車室内や貨物車の荷室で使用でき、機能性成分は、消臭、防腐、防カビ、除菌鮮度保持等に効果がある成分でもよい。また本発明の保管供給装置により供給される機能性成分は単種でも複数種でもよい。複数種の機能性成分は、それぞれ独立して供給されてもよいし、所定割合で混合されて供給されてもよい。また複数種の機能性成分は、特定効果を発揮する機能性成分と、その効果を打ち消す機能性成分とからなってもよい。
このような機能性成分は、通常、揮発成分として車室内へ導入されるが、貯蔵体により保持されている状態は、気体状態に限らず、固体状態または液体状態でもよい。機能性成分は、貯蔵体により、常温域で適切に保管、保存がなされる状態であればよい。なお、機能性成分が液体状態で保管されるときは、その漏出等を抑止するため、容体(貯蔵体)が縦置き状態となると好ましい。
貯蔵体による機能性成分の保持状態は機能性成分の種類により異なるが、メンテナンス性等を考慮すると、機能性成分は液体状態または固体状態で、多量または高濃度に保持された状態であると好ましい。なお、揮発性の低い機能性成分を供給する場合、前述した第3ポートから導入した外気(空気等)を積極的に利用して(バブリング等を生じさせて)、機能性成分の揮発を促してもよい。なお、貯蔵体が、本体または弁体に着脱して交換可能なカートリッジであると、機能性成分の効率的な供給やメンテナンス性の向上等を図れて好ましい。
なお、第2ポートから排出される機能性成分は、有害物質ではないため、単に車外へ放出してもよいが、活性炭等の吸着材で回収したり、さらにはエンジンの吸気管へ流入させて燃焼等させてもよい。
[第1実施例]
(1)構成
本発明に係る第1実施例である車両用機能性成分の保管供給装置1(以下、単に「保管供給装置1」という。)の断面図を図1A〜図1Cに示した。図1Aは機能性成分fを密閉して保管する状態(第2ポジション)を示し、図1Bは機能性成分fを車外(大気中)へ排出する状態を示し、図1Cは機能性成分fを車室内へ放出する装置(機能性成分の放出装置/図略)へ、その機能性成分fを供給する状態(第1ポジション)を示している。なお、便宜上、図1Aに矢印で示す方向を、上下方向または左右方向とする。また、共通した部材には、同名称、同符号または類似符号を付して、適宜、それらに関する詳細な説明を省略した。これらの点は他の実施例でも同様である。
保管供給装置1は、方筒状の筐体11(本体)と、その筐体11の内筒に摺動可能に嵌入されたスティック状のスライドバルブ12(弁体)と、機能性成分f(液体)が充填された直方体状の容器からなるカートリッジ13(貯蔵体)と、スライドバルブ12を筐体11に対して直線的に往復動させるソレノイドバルブ(駆動源/図略)と、ソレノイドバルブを制御するECU(図略)とからなる。
筐体11は、上壁11aの中央左側に上下方向に貫通して放出装置に連通する導出ポート111(第1ポート)を有し、下壁11bの右側に車室外へ連通する排出ポート112(第2ポート)と、その左側に外気を導入する外気ポート113(第3ポート)と、排出ポート112と外気ポート113の間で導出ポート111と同軸上にあり下壁11bを上下方向に貫通してカートリッジ13に連通する主ポート114を有する。
スライドバルブ12は、中央右側に上下方向に貫通した主通路121(第1連通路)と、主通路121の左側に下面に開口した凹状溝からなる副通路122(第2連通路)を有する。
カートリッジ13は、機能性成分fを長期間安定して保存できるガスバリア性に優れた樹脂製の容器からなる。カートリッジ13は、その上面側の略中央に、筐体11の主ポート114へ連通する接続ポート134を有する。この接続ポート134を介して、カートリッジ13は筐体11の下壁11bに固定される。さらにカートリッジ13には、外気をカートリッジ13内へ導入する外気導入管14が上下方向に嵌挿されている。この外気導入管14の上端開孔は、スライドバルブ12の副通路122を介して、筐体11の外気ポート113に接続され得る。
(2)作用
先ず、図1Aに示すように、スライドバルブ12が右端側(閉位置/第2ポジション)にあるとき、スライドバルブ12は筐体11の導出ポート111、排出ポート112および外気ポート113を全て閉塞している。このためカートリッジ13は密閉状態となり、機能性成分fは漏出等することなくカートリッジ13内に安定的に保管された状態となる。
次に、図1Bに示すように、スライドバルブ12が筐体11の内壁面に摺接しつつ左方へ移動する途中(中間位置)にあるとき、スライドバルブ12は筐体11の導出ポート111および外気ポート113を閉塞しつつ、排出ポート112と主ポート114を副通路122を介して連通させる。このとき、振動や高温等に曝されてカートリッジ13内で高濃度または高圧となった機能性成分f(気体)が、接続ポート134、主ポート114および排出ポート112を通じて車室外へ排出される。こうしてカートリッジ13内の機能性成分fは、放出装置への供給前に、濃度や圧力が所定範囲内となる安定状態とされる。
さらに、図1Cに示すように、スライドバルブ12が筐体11の内壁面に摺接しつつ左端側(開位置/第1ポジション)へ移動すると、スライドバルブ12は筐体11の排出ポート112を閉塞しつつ、導出ポート111と主ポート114を主通路121を介して連通させると共に、外気ポート113と外気導入管14を副通路122を介して連通させる。これにより、安定状態にある機能性成分fが接続ポート134、主ポート114、主通路121および導出ポート111を通じて、放出装置へ供給される。また、外気ポート113と副通路122を通じて、外気導入管14の下端開孔からカートリッジ13内へ外気が導入されるため、機能性成分fは継続的に放出装置の安定供給される。
なお、機能性成分fの蒸気圧が小さい(機能性成分fが揮発し難い)場合などは、外気導入管14からカートリッジ13内へ外気を加圧、送気して積極的に導入してもよい。このとき、外気導入管14から供給される外気は、機能性成分fの搬送ガスともなる。
外気導入管14からカートリッジ13内への外気の導入形態は種々考えられる。例えば、図2A(a)に示すように、機能性成分fの液体中に、外気導入管141の下端開孔から外気を圧送してバブリングさせ、機能性成分fの揮発を促進してもよい。さらに、図2A(b)に示すように、外気導入管142の下端開孔付近に焼結材等からなる多孔質体152を設け、この多孔質体152の表面から放出される細かな気泡によりバブリングさせてもよい。また、機能性成分fが揮発性に優れる場合なら、外気導入管143の下端開孔をカートリッジ13の上方空間に配置して、そこに滞留しているヘッドスペースガスが接続ポート134および主ポート114へ流入し易いようにするだけでもよい。
ちなみに、機能性成分fは、液体状態でカートリッジ13に収容(保存)されている場合に限らず、図2B(d)、(e)に示すように多孔質体154、155に添着または吸着等させた状態でカートリッジ13内に収容されていてもよい。その際、図2B(d)に示すように、外気導入管144の下端開孔を多孔質体154の下面側に配置すると、その外気導入管144から導入された外気が多孔質体154内を通過して、多孔質体154に添着等している機能性成分fの揮発が促進される。また、高揮発性の機能性成分fを多孔質体155に添着させている場合なら、図2A(c)の場合と同様に、外気導入管145の下端開孔をカートリッジ13の上方空間に配置して、そこに滞留しているヘッドスペースガスが接続ポート134および主ポート114へ流入し易いようにするだけでもよい。
[第2実施例]
(1)構成
本発明に係る第2実施例である車両用機能性成分の保管供給装置2を図3(a)〜(c)に示した。図3(a)は平面図であり、図3(b)は同図(a)に示すA−A断面図であり、図3(c)は同図(a)に示すB−B断面図である。なお、図3は、機能性成分fを放出装置へ供給する場合(弁体が第1ポジションにあるとき)を代表的に示している。
保管供給装置2は、上円板21aと下円板21bと車室外へ連通する排出ポート212(第2ポート)と外気を導入する外気ポート213(第3ポート)とを備える枠体21(本体)と、上円板21aと下円板21bに摺動可能に挟持された円板状のディスクバルブ22(弁体)と、機能性成分f(液体)が充填された有底円筒状の容体23と、ディスクバルブ22を枠体21に対して所定角度内で回転往復動させるモータ機構(駆動源/図略)と、モータ機構を制御するECU(図略)とからなる。なお、上円板21aおよび下円板21bとディスクバルブ22とは回転軸29により摺動可能に結合されている。具体的にいうと、回転軸29は上円板21aと下円板21bにより枢支され、ディスクバルブ22は回転軸29と一体的に回転し、モータ機構は回転軸29を介してディスクバルブ22を回転させる。
枠体21の上円板21aには、半径方向中央内側寄りで上下方向に貫通して放出装置に連通する導出ポート211(第1ポート)が形成されている。下円板21bには、半径方向中央外側寄りで上下方向に貫通して容体23に連通する主ポート214と副ポート215を有する。主ポート214と副ポート215は、周方向に所定角度分ずらした位置に配置されている。
ディスクバルブ22は、半径方向の中央付近で半径方向に延在し、上下方向に貫通した環状の主通路221(第1連通路)と、半径方向の外周側で半径方向に延在し、上下方向に貫通すると共に外周端が開溝した副通路222(第2連通路)を有する。なお、主通路221と副通路222の周方向の位相差は、主ポート214と副ポート215の周方向の位相差に対応している。
容体23もカートリッジ13と同様に、機能性成分fを長期間安定して保存できるガスバリア性に優れた樹脂製からなるが、その上部開口は、上述した主ポート214と副ポート215を有する下円板21bにより閉蓋されている。なお、本実施例では、枠体21とディスクバルブ22と容体23が一体的となってカートリッジを構成している場合を示したが、カートリッジ13と同様に容体23のみをカートリッジとして交換できるようにしてもよい。
(2)作用
ディスクバルブ22が図3に示す位置(開位置/第1ポジション)にあるとき、ディスクバルブ22は排出ポート212を閉塞しつつ、導出ポート211と主ポート214を主通路221を介して連通させると共に、外気ポート213と副ポート215を副通路222を介して連通させる。外気ポート213と副通路222を通じて副ポート215から容体23へ外気が導入されるため、機能性成分fは主ポート214、主通路221および導出ポート211を通じて放出装置へ安定供給される。
また、ディスクバルブ22が上記の開位置に至る前で、その副通路222と枠体21の排出ポート212が同位相となる位置(中間位置)にあるとき、ディスクバルブ22は枠体21の導出ポート211および外気ポート213を閉塞しつつ、排出ポート212と主ポート214を副通路222を介して連通させる。
このとき、振動や高温等に曝されて容体23内で高濃度または高圧となった機能性成分f(気体)が、主ポート214および排出ポート212を通じて車室外へ排出される。これにより容体23内の機能性成分fは濃度や圧力が安定な状態となる。この状態でディスクバルブ22が上述した開位置へ移行することにより、導出ポート211を通じて機能性成分fが放出装置へ安定的に供給される。
さらに、ディスクバルブ22が右回りに回転して副通路222と主ポート214が重畳しない位置(閉位置/第2ポジション)にくると、ディスクバルブ22は枠体21の導出ポート211、排出ポート212および外気ポート213を全て閉塞する。このため容体23は密閉状態となり、機能性成分fは漏出等することなく容体23内に安定的に保管される。
[第3実施例]
(1)構成
本発明に係る第3実施例である車両用機能性成分の保管供給装置3を図4(a)、(b)に示した。図4(a)はその平面図であり、図3(b)は同図(a)に示すA−A断面図である。図4は、機能性成分fを放出装置へ供給する場合(弁体が第1ポジションにあるとき)を代表的に示している。
保管供給装置3は、保管供給装置2の変形例であり、その基本的な構成や動作は保管供給装置2と同様であるが、ディスクバルブ32の開閉動作により、種類(特性)の異なる機能性成分f1と機能性成分f2の保管と供給を一度に取り扱えるようにしている。具体的な構成は次の通りである。
上円板31aと下円板31bと車室外へ連通する排出ポート3121、3122(第2ポート)と外気を導入する外気ポート3131、3132(第3ポート)とを備える枠体31(本体)と、上円板31aと下円板31bに摺動可能に挟持された円板状のディスクバルブ32(弁体)と、機能性成分f1(液体)と機能性成分f2がそれぞれ有底半円筒状の容室331、332に充填されており全体として有底円筒状をした容体33と、ディスクバルブ32を枠体31に対して所定角度内で回転往復動させるモータ機構(駆動源/図略)と、モータ機構を制御するECU(図略)とからなる。なお、上円板31aおよび下円板31bとディスクバルブ32とは回転軸39により摺動可能に結合されている。具体的にいうと、回転軸39は上円板31aと下円板31bにより枢支され、ディスクバルブ32は回転軸39と一体的に回転し、モータ機構は回転軸39を介してディスクバルブ32を回転させる。
枠体31の上円板31aには、半径方向中央内側寄りで上下方向に貫通して放出装置に連通する導出ポート3111、3112(第1ポート)が形成されている。下円板31bには、半径方向中央外側寄りで上下方向に貫通して容室331、332にそれぞれ連通する主ポート3141、3142と副ポート3151、3152を有する。主ポート3141、3142と副ポート3151、3152は、それぞれ周方向に所定角度分ずらして配置されている。
ディスクバルブ32は、半径方向の中央付近で半径方向に延在して上下方向に貫通した環状の主通路3211、3212(第1連通路)と、半径方向の外周側で半径方向に延在し、上下方向に貫通して外周端が開溝した副通路3221、3222(第2連通路)を有する。なお、主通路3211、3212と副通路3221、3222の周方向の位相差は、それぞれ、主ポート3141、3142と副ポート3151、3152の周方向の位相差に対応している。
容体33は、主ポート3141、3142と副ポート3151、3152を有する下円板31bにより上部開口が閉蓋されており、容室331の機能性成分f1と容室332の機能性成分f2とが混合しないようになっている。
ディスクバルブ32の回転によって、機能性成分f1、f2はそれぞれ、放出装置へ供給されたり、容室331、332に密閉保存される。このときの動作は、保管供給装置2の場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
[第4実施例]
(1)構成
本発明に係る第4実施例である車両用機能性成分の保管供給装置4の断面図を図5A〜図5Cに示した。保管供給装置4は、保管供給装置1のスライドバルブ12とカートリッジ13を一体化した変形例である。図5Aは機能性成分fを密閉して保管する状態(第2ポジション)を示し、図5Bは機能性成分fを車外(大気中)へ排出する状態を示し、図5Cは機能性成分fを放出装置へ供給する状態(第1ポジション)を示している。
保管供給装置4は、方筒状の筐体41(本体)と、その筐体41の内筒に摺動可能に嵌入されると共に機能性成分fが添着された多孔質体43を内包する方筒状のスライドバルブ42(弁体)と、スライドバルブ42を筐体41に対して直線的に往復動させるソレノイドバルブ(駆動源/図略)と、ソレノイドバルブを制御するECU(図略)とからなる。
筐体41は、上壁41aの中央左側に上下方向に貫通して放出装置に連通する導出ポート411(第1ポート)と、その右側に車室外へ連通する排出ポート412(第2ポート)とを有し、下壁41bの右側に外気を導入する外気ポート413(第3ポート)を有する。
スライドバルブ42は、中央側上面を貫通した主開口421(第1連通路)と、右側下面を貫通した副開口422(第2連通路)を有する。スライドバルブ42は、機能性成分fを添着された多孔質体43の容体を兼ね、それ自体が交換可能なカートリッジを構成する。なお、スライドバルブ42内の機能性成分fは、スライドバルブ42の往復動によって振動を受けるが、多孔質体43に添着されているため、他の実施例の場合と同様に安定的に供給と保存がなされる。
(2)作用
先ず、図5Aに示すように、スライドバルブ42が右端側(閉位置/第2ポジション)にあるとき、スライドバルブ42は筐体41の導出ポート411、排出ポート412および外気ポート413を全て閉塞している。このためスライドバルブ42は密閉状態となり、そこに内包されている機能性成分fは漏出等することなく安定的に保管された状態となる。
次に、図5Bに示すように、スライドバルブ42が筐体41の内壁面に摺接しつつ左方へ移動する途中(中間位置)にあるとき、スライドバルブ42は筐体41の導出ポート411および外気ポート413を閉塞しつつ、排出ポート412と主開口421を連通させる。このとき、振動や高温等に曝されてスライドバルブ42内で高濃度または高圧となった機能性成分f(気体)が主開口421および排出ポート412を通じて車室外へ排出される。こうしてスライドバルブ42内の機能性成分fは、放出装置への供給前に、濃度や圧力が所定範囲内となる安定状態とされる。
さらに、図5Cに示すように、スライドバルブ42が筐体41の内壁面に摺接しつつ左端側(開位置/第1ポジション)へ移動すると、スライドバルブ42は筐体41の排出ポート412を閉塞しつつ、導出ポート411と主開口421を連通させると共に、外気ポート413と副開口422を連通させる。これにより、安定状態にある機能性成分fが主開口421および導出ポート411を通じて、放出装置へ供給される。また、外気ポート413と副開口422を通じてスライドバルブ42内へ外気が導入されるため、機能性成分fは継続的に放出装置の安定供給される。
[第5実施例]
(1)構成
本発明に係る第5実施例である車両用機能性成分の保管供給装置5の断面図を図6A〜図6Cに示した。保管供給装置5は、保管供給装置4のスライドバルブ42をロータリーバルブ52とした変形例である。図6Aは機能性成分fを密閉して保管する状態(第2ポジション)を示し、図6Bは機能性成分fを車外(大気中)へ排出する状態を示し、図6Cは機能性成分fを放出装置へ供給する状態(第1ポジション)を示している。
保管供給装置5は、円筒状の筐体51(本体)と、その筐体51の内筒に摺動可能に嵌入されると共に機能性成分fが添着された多孔質体53を内包する円筒状のロータリーバルブ52(弁体)と、ロータリーバルブ52を筐体51に対して、その延在軸周りに往復回動させるモータ機構(駆動源/図略)と、それを制御するECU(図略)とからなる。
筐体51は、上方周壁51aの中央左側に上下方向に貫通して放出装置に連通する導出ポート511(第1ポート)と、その右側に車室外へ連通する排出ポート512(第2ポート)とを有し、下方周壁51bの右側に外気を導入する外気ポート513(第3ポート)を有する。
ロータリーバルブ52は、中央付近の周側面を周方向に沿って貫通した主開口521(第1連通路)と、中央右方の周側面を貫通した副開口522(第2連通路)を有する。ロータリーバルブ52も、スライドバルブ42と同様に、機能性成分fを添着された多孔質体53の容体を兼ね、それ自体が交換可能なカートリッジを構成する。
(2)作用
先ず、ロータリーバルブ52が図6Aに示すような位置(閉位置/第2ポジション)にあるとき、ロータリーバルブ52は筐体51の導出ポート511、排出ポート512および外気ポート513を全て閉塞している。このためロータリーバルブ52は密閉状態となり、そこに内包されている機能性成分fは漏出等することなく安定的に保管された状態となる。
次に、図6Bに示すように、ロータリーバルブ52が筐体51の内周壁面に摺接しつつ所定の角度範囲内で回転した位置(中間位置)にあるとき、ロータリーバルブ52は筐体51の導出ポート511および外気ポート513を閉塞しつつ、排出ポート512と副開口522を連通させる。このとき、振動や高温等に曝されてロータリーバルブ52内で高濃度または高圧となった機能性成分f(気体)が副開口522と排出ポート512を通じて車室外へ排出される。これによりロータリーバルブ52内の機能性成分fは、放出装置への供給前に、濃度や圧力が所定範囲内となる安定状態とされる。
さらに、図6Cに示すように、ロータリーバルブ52が筐体51の内周壁面に摺接しつつ所定の角度位置(開位置/第1ポジション)まで回転すると、ロータリーバルブ52は筐体51の排出ポート512を閉塞しつつ、導出ポート511と主開口521を連通させると共に、外気ポート513と副開口522を連通させる。これにより、安定状態にある機能性成分fが主開口521および導出ポート511を通じて、放出装置へ供給される。また、外気ポート513と副開口522を通じてロータリーバルブ52内へ外気が導入されるため、機能性成分fは継続的に放出装置の安定供給される。
なお、上述した作用となるように、筐体51の導出ポート511、排出ポート512および外気ポート513の配置と、ロータリーバルブ52の主開口521および副開口522の配置とは整合している。例えば、図6Bまたは図6Cに示すように、ロータリーバルブ52の延在軸周りの位相を観ると、筐体51の導出ポート511と排出ポート512は同位相であり、外気ポート513はそれらに対して180°位相がずれており、これらに対応して主開口521と副開口522も延在軸周りの位相が180°ずれている。そして排出ポート512と外気ポート513は、そのいずれか一方だけが副開口522と重畳するように、延在軸方向に関して同位置に配置されている。
[第6実施例]
(1)構成
本発明に係る第6実施例である保管供給装置6の断面図を図7A〜図7Cに示した。図7Aは機能性成分fを密閉して保管する状態(第2ポジション)を示し、図7Bは機能性成分fを車外(大気中)へ排出する状態を示し、図7Cは機能性成分fを放出装置へ供給する状態(第1ポジション)を示している。保管供給装置6は、保管供給装置1を簡略化した変形例である。
保管供給装置6は、方筒状の筐体61(本体)と、その筐体61の内筒に摺動可能に嵌入されたスティック状のスライドバルブ62(弁体)と、機能性成分f(液体)が充填された直方体状のカートリッジ63と、スライドバルブ62を筐体61に対して直線的に往復動させるソレノイドバルブ(駆動源/図略)と、ソレノイドバルブを制御するECU(図略)とからなる。
筐体61は、上壁61aの中央左側に上下方向に貫通して放出装置に連通する導出ポート611(第1ポート)と、下壁61bの右側に車室外へ連通する排出ポート612(第2ポート)と、下壁61bを上下方向に貫通してカートリッジ63に連通する主ポート614を有する。スライドバルブ62は、中央付近に貫通した主通路621(第1連通路)を有する。主通路621は上方から下方に向けて拡径(または拡幅)しており、その上端側開孔径は導出ポート611の開孔径と同様であるが、その下端側開孔径は主ポート614の開孔径よりも大きくなっている。
機能性成分fが充填されたカートリッジ63は、その上面側の略中央に、筐体611の主ポート614へ連通する接続ポート634を有し、この接続ポート634により筐体611の下壁61bに固定され得る。
(2)作用
先ず、図7Aに示すように、スライドバルブ62が右端側(閉位置/第2ポジション)にあるとき、スライドバルブ62は筐体61の導出ポート611および排出ポート612を閉塞している。このためカートリッジ63は密閉状態となり、機能性成分fは漏出等することなくカートリッジ63内に安定的に保管された状態となる。
次に、図7Bに示すように、スライドバルブ62が筐体61の内壁面に摺接しつつ左方へ移動する途中(中間位置)にあるとき、スライドバルブ62は筐体61の導出ポート611を閉塞しつつ、排出ポート612と主ポート614を下端側開孔が拡幅している主通路621によって連通させる。これにより振動や高温等に曝されてカートリッジ63内で高濃度または高圧となった機能性成分f(気体)は、接続ポート634、主ポート614主通路621および排出ポート612を通じて車室外へ排出されて、放出装置への供給前に、濃度や圧力が所定範囲内となる安定状態とされる。
さらに、図7Cに示すように、スライドバルブ62が筐体61の内壁面に摺接しつつ左端側(開位置/第1ポジション)へ移動すると、スライドバルブ62は筐体61の排出ポート612を閉塞しつつ、導出ポート611と主ポート614を主通路621を介して連通させる。これにより、安定状態にある機能性成分fが接続ポート634、主ポート614、主通路621および導出ポート611を通じて、放出装置へ供給される。機能性成分fが揮発し易い場合等に保管供給装置6が用いられると、装置全体の簡素化や小型化等を図れて好ましい。
1 車両用機能性成分の保管供給装置
11 筐体(本体)
111 導出ポート(第1ポート)
112 排出ポート(第2ポート)
113 外気ポート(第3ポート)
12 スライドバルブ(弁体)
121 主通路(第1連通路)
122 副通路(第2連通路)
13 カートリッジ(貯蔵体)

Claims (8)

  1. 貯蔵体に保持された機能性成分を車室内側へ導く第1ポートと該機能性成分を該車室外側へ導く第2ポートとを有する本体と、
    該貯蔵体と該第1ポートの間を開通させる第1ポジションと該第1ポートおよび該第2ポートを閉塞して該貯蔵体を密閉状態とする第2ポジションとの間を該本体に摺接しつつ変位する弁体とを備え、
    該弁体は、該第2ポジションから該第1ポジションへ変位する途中で、該第1ポートを閉塞しつつ該貯蔵体と該第2ポートの間を開通させることを特徴とする車両用機能性成分の保管供給装置。
  2. 前記本体は、さらに、外気を前記貯蔵体へ導く第3ポートを有し、
    前記弁体は、前記第1ポジションで該貯蔵体と該第3ポートの間を開通し、前記第2ポジションで該第3ポートを閉塞する請求項1に記載の車両用機能性成分の保管供給装置。
  3. 前記弁体は、前記第1ポートと前記貯蔵体を連通させる第1連通路と、前記第2ポートまたは前記第3ポートと該貯蔵体を連通させる第2連通路とを有する請求項2に記載の車両用機能性成分の保管供給装置。
  4. 前記弁体は、前記第1ポジションと前記第2ポジションとの間を直線的に往復動するスライドバルブからなる請求項1〜3のいずれかに記載の車両用機能性成分の保管供給装置。
  5. 前記弁体は、前記第1ポジションと前記第2ポジションとの間を回転するディスクバルブからなる請求項1〜3のいずれかに記載の車両用機能性成分の保管供給装置。
  6. 前記弁体は、前記本体に内装された円筒体からなり、該円筒体の延在軸周りに前記第1ポジションと前記第2ポジションとの間を回動するロータリーバルブからなる請求項1〜3のいずれかに記載の車両用機能性成分の保管供給装置。
  7. 前記貯蔵体は、前記本体または前記弁体に着脱して交換可能である請求項1〜6のいずれかに記載の車両用機能性成分の保管供給装置。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の車両用機能性成分の保管供給装置に用いられる貯蔵体となり、前記本体または前記弁体に着脱して交換可能であることを特徴とする車両用機能性成分のカートリッジ。
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