本発明の実施の形態は、外郭を構成する本体ハウジングと、前記本体ハウジングに設けられ、使用者の肌に接触して通電する電極部と、を有する美容装置において、前記電極部は、前記肌に食い込んで肌を押圧する食い込み部を有するものである。
これによって、食い込み部が肌に食い込んで、肌が押圧されることとなり、食い込み部によって肌を引っ掛けて押すことが可能となる。
したがって、食い込み部を肌に食い込ませた状態で美容装置を平行移動させた場合、食い込み部が肌を引っ張った状態で肌上を移動することとなるため、肌をリフトアップさせることができるようになる。このように、電極部に食い込み部を設けることで、肌の施術の際に、肌のたるみや目元のしわなどを解消するリフトアップ効果が得られるようになる。
また、前記本体ハウジングの一端に前記電極部が取り付けられており、前記本体ハウジングの他方側には、前記電極部の本体ハウジングへの取付方向と交差する方向に延在する把持部を有しているものである。そして、前記電極部の本体ハウジングへの取付方向が水平となるようにするとともに、前記把持部の先端が下端となるようにした状態で、前記電極部の上部に前記食い込み部が形成されているものである。
これによって、電極部が把持部の上方に位置する状態で、把持部を手で把持した際、すなわち、美容装置の通常の使用状態で、電極部の上部に食い込み部が存在することになる。こうすれば、力を入れやすい通常の使用状態での施術によって、肌をリフトアップさせやすくなるため、リフトアップさせるための動作が使用者の負担とならないようにすることができる。その結果、施術をより長時間にわたって行うことができるようになる。
また、前記電極部は、前記肌に当接する当接面と、柱状に形成される柱状部と、を有しており、前記当接面は、凸状に形成された凸状部を有しており、前記凸状部が、前記当接面における前記食い込み部側に形成されているものである。
これによって、電極部の当接面における凸状部以外の部位が、肌のどこかに当接する前に、凸状部を肌の施術予定部位に当接させることが可能となる。
特に、目元の施術の際には、電極部の当接面における凸状部以外の部位が、顔のどこかに当接する前に、凸状部を目元における特に下まぶたの膨らみに当接させることが可能となる。つまり、下まぶたの膨らみにのみ電極部(凸状部)を当接させることができるようになる。
したがって、下まぶたの膨らみ以外の部位に電極部を当接させることなく、目元に押圧をかけて施術することが可能となり、目元のしわをより効果的に解消することができるようになる。
さらに、前記食い込み部は、前記電極部の前記当接面における前記柱状部との境界に形成された湾曲部であり、前記凸状部は、断面視で前記湾曲部から連続するように形成された円弧部となっているものである。
これによって、当接面の凸状部以外の部位である食い込み部と凸状部とが滑らかに連続して形成されることとなり、食い込み部によるリフトアップ時に凸状部が骨などに引っ掛かってしまうのが抑制される。その結果、リフトアップ時に使用者が痛みを感じてしまうのが抑制され、よりスムーズにリフトアップを行うことができるようになる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
以下では、電極部の本体ハウジングへの取付方向を前後方向XまたはX方向として説明する。そして、本体ハウジングにおける電極部が配置されている側を前後方向Xの前方として説明する。
また、電極部の本体ハウジングへの取付方向(前後方向X)が水平となるようにするとともに、把持部の先端が下端となるように美容装置を配置した状態における上下方向を、上下方向ZまたはZ方向として説明する。なお、かかる状態における上方を上下方向Zの上方と規定する。
そして、前後方向Xに直交するとともに上下方向Zに直交する方向を幅方向YまたはY方向として説明する。
(実施の形態1)
図1〜図11に示すように、本実施の形態1にかかる美容装置1は、本体部10と、本体部10に連設され、使用者の手で把持することが可能な把持部20と、本体部10に設けられ、使用者の肌に接触して通電する電極部30と、を備えている。
本体部10は、中空部S1を有する本体ハウジング11を有しており、この本体ハウジング11が美容装置1の外郭を構成している。本実施の形態1では、本体ハウジング11は、略上下方向Zに延在する細長い円筒状をしている。すなわち、略上下方向Zに沿う方向が、本体ハウジング11の長手方向になっている。
そして、図1および図4に示すように、本体ハウジング11の一端(図1の前方かつ上方)11aに、電極部30が設けられている。
この電極部30は、導電性材料である金属を用いて形成することができる。このとき、人体に対する影響が低い金属を用いて形成するのが好ましい。本実施の形態1では、金属アレルギーの問題が生じてしまうのを抑制することが可能なチタンを用いて電極部30を形成している。
なお、電極部30は、使用者の肌に当接する当接面33を有しており、この当接面33は、図1に示す状態で、YZ平面にほぼ沿うように延在している。電極部30の当接面33をYZ平面にほぼ沿うようにすることで、当接面33のほぼ全面を使用者の肌(例えば、顔等)に対向させることが可能となる。
そして、本体ハウジング11は、電極部30が設けられている一端11aから前後方向Xの後方に向けて延在する後方延在部11bと、後方延在部11bに連設されて、後方かつ上方に凸の湾曲状に形成された湾曲部11cと、を備えている。
この後方延在部11bと湾曲部11cとの境界部分(連設部分)には、全周に亘って外方に突出するデザインリング15aが設けられており、このデザインリング15aによって美容装置1の意匠性が高められている。
さらに、本体ハウジング11は、湾曲部11cに連設されて、後方かつ下方に向けて延在する傾斜延在部11dを備えている。そして、図1における傾斜延在部11dの下端が先端(他端)11eとなっている。
本実施の形態1では、本体ハウジング11の後方延在部11bが本体部10の外郭を構成しており、湾曲部11cおよび傾斜延在部11dが、把持部20の外郭を構成している。そして、主に傾斜延在部11dが把持部20として用いられるようになっている。
したがって、本実施の形態1にかかる美容装置1は、電極部30の本体ハウジング11への取付方向(X方向)と交差する方向に延在する把持部20を有している。
このように、本実施の形態1では、本体ハウジング11に把持部20の機能を持たせ、本体ハウジング11が把持部20を兼ねるようにしている。
なお、本体ハウジング11が本体部10のみの外郭を構成し、本体ハウジング11とは別に把持部を構成するハウジングを設け、この把持部を構成するハウジングを本体ハウジング11に連設することで、把持部20を形成するようにしてもよい。すなわち、本体部10とは別体に把持部20を設けるようにしてもよい。
また、本体部10(デザインリング15aよりも前方の部位)が把持部20を兼ねるようにすることも可能である。この場合、例えば、図1における本体部10の側面部分(外周部分)を指で把持し、かかる状態で、電極部30を肌に当接させるような使用方法とすることが可能である。
また、把持部20として機能する傾斜延在部11dの背面(後面)11fには、電極パネル21が外部に露出するように設けられている。このように、外部に露出するように電極パネル21を設けることで、使用者が把持部20を手で把持した際に、使用者の掌を電極パネル21に接触させることが可能となる。
この電極パネル21は、例えば導電性樹脂等の導電材料で形成されており、電極部30とは反対の極となるものである。すなわち、電極部30がプラス極となる場合には、電極パネル21はマイナス極となり、電極部30がマイナス極となる場合には、電極パネル21はプラス極となる。
また、傾斜延在部11dの正面(前面)11gには、後述する各種スイッチの操作ボタンが設けられている。
このように、本体ハウジング11の形状を上述したような形状とすることで、図1に示す状態において、把持部20として用いられる傾斜延在部11dの全体を、電極部30の当接面33よりも後方に位置させることが可能となる。
その結果、傾斜延在部11dを把持した使用者の手が、当接面33よりも前方に位置してしまうのが抑制され、当接面を肌に接触させる際に、手が先に肌等に当たってしまうのを抑制することができるようになる。
さらに、本実施の形態1にかかる美容装置1は、コットンシートなどの施術用部材60を保持するシート保持具70を有している。施術用部材60は、例えば、美容液等を含浸させた状態で肌に当接させることで美容液等を肌に導入する際に用いられるものであり、市販品等公知のものを用いることができる。
また、施術用部材60は、電極部30の当接面33を覆った状態で、シート保持具70によって電極部30に保持されるものである。
シート保持具70は、ポリプロピレンなどの耐薬品性が強くかつ弾性を有する材料で形成するのが好ましい。
このシート保持具70は、図1、図2および図4に示す状態で、前方に位置し、YZ平面に沿って延在する前壁部71と、前壁部71に連設され、後方に向かうにつれて拡開するテーパ壁部72と、を備えている。
そして、前壁部71の中央部には、電極部30が挿通される挿通穴71aが形成されている。この挿通穴71aは、電極部30の正面視における輪郭形状よりも若干大きな穴となっており、挿通穴71aの内周面71bと電極部30との間に隙間d1ができるようになっている。そして、内周面71bと電極部30との間に施術用部材60が挟持されるようになっている。
また、シート保持具70を本体ハウジング11に取り付けた状態で、テーパ壁部72の内面72aと本体部10との間にも隙間d2が形成されるようになっている。
このように、シート保持具70を本体ハウジング11に取り付けた状態で、シート保持具70と電極部30や本体部10との間に隙間d1,d2が形成されるようにすることで、シート状の施術用部材60を無理なく保持できるようにしている。この隙間d1,d2は、約1.5mmとなるようにするのが好ましい。
かかる構成とすることで、シート保持具70を本体ハウジング11に取り付けた際に、コットンシートなどの施術用部材60が、シート保持具70によって圧縮されながら電極部30の外郭に沿う形状となって保持されることとなる。
ここで、本体部10は、後方に向かうにつれて拡開するテーパ状に形成されており、図1におけるZ方向上部よりも、Z方向下部のほうが、X方向とのなす角が大きくなるように形成されている。
また、テーパ壁部72も、図1におけるZ方向上部よりも、Z方向下部のほうが、X方向とのなす角が大きくなるように形成されている。
そして、本体部10の図1におけるZ方向上部と、テーパ壁部72の図1におけるZ方向上部とは、X方向とのなす角がほぼ等しくなっている。一方、本体部10の図1におけるZ方向下部よりも、テーパ壁部72の図1におけるZ方向下部のほうが、X方向とのなす角が大きくなっている。
したがって、シート保持具70を本体ハウジング11に取り付けた状態では、下部のほうが、テーパ壁部72の内面72aと本体部10との間の隙間d2が上部よりも大きくなる。
また、テーパ壁部72の幅方向Yの両側における上下方向Zの中央部よりも若干上方の位置には、シート保持具70を本体ハウジング11に取り付けた状態で、デザインリング15aよりも後方に位置する延設部72bがそれぞれ形成されている(図5参照)。
さらに、各延在部72bの内面72aには、内側に向けて突出する引っ掛け部72cがそれぞれ設けられている。そして、シート保持具70を本体ハウジング11に取り付ける際には、この引っ掛け部72cがデザインリング15aを乗り越え、デザインリング15aの後方側に引っ掛けられることになる。こうすることで、シート保持具70が本体ハウジング11に取り付けられるようにしている。
このように、引っ掛け部72cがデザインリング15aを乗り越えるようにすることで、使用者にクリック感を与えることができるようになって、シート保持具70が本体ハウジング11に取り付けられたか否かをより容易に判断することができるようになる。
ところで、テーパ壁部72の下端部72dと本体ハウジング11との間には、比較的大きな隙間(好ましくは5mm以上の隙間)d3が形成されている。そのため、指等で下端部72dを本体ハウジング11側に押すと、下端部72dが本体ハウジング11に近づくように移動することとなる。
すると、下端部72dの近傍の内面72aが本体部10に当接する。かかる状態で、下端部72dを指等で本体ハウジング11側にさらに押すと、下端部72dの近傍の内面72aと本体部10との当接部分を支点として、シート保持具70が図1の反時計回りに回動する(図2の矢印参照)。
その結果、デザインリング15aに引っ掛けられている引っ掛け部72cには、デザインリング15aから外れる方向(前方)に移動する力が生じる。そして、この力によって、引っ掛け部72cがデザインリング15aから外れ、引っ掛け部72cとデザインリング15aとの係止が解除される。
なお、下端部72dの近傍の内面72aが本体部10に当接する前に、下端部72dが本体ハウジング11に当接するような構成とすることも可能である。
このように、本実施の形態1では、梃子の原理を利用して、引っ掛け部72cとデザインリング15aとの係止を解除できるようにしている。このような構成とすることで、施術用部材60に触れることなく、シート保持具70を本体ハウジング11から取り外すことができる。その結果、手を汚すことなく(手に美容液等の含浸成分が付着することなく)施術用部材60を取り外すことが可能となる。
また、シート保持具70を本体ハウジング11から取り外す際に、引っ掛け部72c等に爪(付け爪含む)を引っ掛ける必要がなくなるため、爪が割れたり付け爪が外れたりしてしまうのを抑制することができるという利点もある。
本体ハウジング11は、例えば、合成樹脂で形成された複数の分割体を継ぎ合わせることで、内部に上述した中空部S1が形成されるようにすることが可能である。そして、この中空部S1内には、制御回路基板90や充電池92等、各種の電気製品が内蔵されることとなる。なお、本体ハウジング11を構成する複数の分割体は、ネジを用いたり、分割体同士を嵌合させたりすることで継ぎ合わせることができる。
本実施の形態1では、図2および図3に示すように、前側ハウジング12と後側ハウジング13とを継ぎ合わせることで筒状体が形成されるようになっている。
前側ハウジング12は後方および上方に開口しており、前側ハウジング12の上端には、電極部30が挿通される挿通穴12aが形成されている。また、挿通穴12aの周縁部には、フランジ部12bが形成されている。
そして、電極部30は、X方向後方から挿通穴12aに挿通して、電極部30のフランジ部31の前面を前側ハウジング12のフランジ部12bの後面に当接させることで、本体ハウジング11に取り付けられている。
また、前側ハウジング12は、略後方に向けて延在する周壁部12cと、周壁部12cに連設された奥壁部21dとを有している。そして、周壁部12cと奥壁部21dとで、略前方に開口して各種スイッチが収容されるスイッチ収容部12eが形成されている。
本実施の形態1では、スイッチ収容部12e内には、モード切替スイッチ81の操作ボタン81aと、レベル切替スイッチ82の操作ボタン82aと、温度切替スイッチ83の操作ボタン83aとが収容されている。
具体的には、図3に示すように、正面視で、スイッチ収容部12eの下部中央に、モード切替スイッチ81の操作ボタン81aが収容されている。そして、スイッチ収容部12eの上部左に、レベル切替スイッチ82の操作ボタン82aが収容されており、スイッチ収容部12eの上部右に、温度切替スイッチ83の操作ボタン83aが収容されている。
後述するように、レベル切替スイッチ82の操作ボタン82aを操作することで選択されたレベルおよび温度切替スイッチ83の操作ボタン83aを操作することで選択された温度は、電源をオフにした際に選択されている状態が記憶されるようになっている。したがって、美容装置1を使用する際には、モード切替スイッチ81の操作ボタン81aを操作する機会が、他の2つのボタンと較べて多くなる。
そのため、本実施の形態1では、把持部20を把持した際の親指に最も近くなるスイッチ収容部12eの下部中央に、モード切替スイッチ81の操作ボタン81aを収容するようにした。こうすれば、美容装置1の使い勝手をより向上させることができるようになる。
スイッチ収容部12eの開口は、スイッチハウジング14によって覆われており、このスイッチハウジング14によって、3つの操作ボタンが、本体ハウジング11の正面(前面)11g上でそれぞれ隔離されるようにしている。こうすれば、いずれかの操作ボタンを操作する際に、誤って他の操作ボタンも操作してしまうのを抑制することができるようになる。
後側ハウジング13は前方および下方に開口しており、上述した電極パネル21が設けられている。また、後側ハウジング13における電極パネル21で覆われる部位には、前方に向けて突出する筒部13aが設けられており、筒部13a内には、前後両方に開口した電極コイルバネ収容部13bが形成されている。
そして、電極コイルバネ収容部13b内には、電極コイルバネ16が圧縮した状態で収容されており、電極コイルバネ16の一端が電極パネル21の内面に当接するとともに、他端が、空間部S1内に配置された制御回路基板90に当接している。したがって、電極パネル21を後側ハウジング13に取り付けた状態で、制御回路基板90は、電極コイルバネ16によって前方に付勢されることとなる。
このとき、電極コイルバネ16の他端は、制御回路基板90に形成された回路パターンPに当接しており、電極パネル21と回路パターンPとが電極コイルバネ16を介して電気的に接続されている。
電極コイルバネ16は、電極パネル21に電気を通電させるものであるため、電解腐食が起き難い材料であるステンレス鋼を用いて形成するのが好ましい。
こうすれば、電極パネル21および電極コイルバネ16が腐食してしまうのが抑制され、導電性を比較的良好に保つことができるようになる。その結果、より確実に電極部30と電極パネル21とに通電することができるようになる。
また、電極コイルバネ16を用いて電極パネル21と回路パターンPとを電気的に接続させることで、端子やリード線を用いる必要がなくなり、コストの削減を図ることが可能となる。
また、本実施の形態1では、美容装置1が電極部30を温かくする機能を有するようにして、美容効果を高めることができるようにしている。
具体的には、美容装置1に加熱部40を設け、当該加熱部40によって電極部30が温められるようにしている。
加熱部40は、ヒータ41と、伝熱板42と、温度検知素子42と、を備えている。本実施の形態1では、電極部30の内側に、電極部30の内面形状と略同じ形状をした伝熱板42が伝熱剤を介して配置されており、電極部30の内側と伝熱板42との間には、温度を検知する温度検知素子43が挟み込まれている。
伝熱板42は、電極部30側(Z方向前側)とは反対側(Z方向後ろ側)の面が平坦面となっており、この平坦面にヒータ41が隙間なく当接できるようにしている。
さらに、ヒータ41は、電極保持板44に形成されたヒータ押さえバネ収容部44aに収容されたヒータ押さえバネ45の反力によって、前方(電極部30側)に付勢されている。
このヒータ押さえバネ45はコイルスプリングであり、ヒータ押さえバネ収容部44aに形成された突部44bに挿通された状態で、ヒータ41を前方(電極部30側)に付勢している。
電極保持板44は、YZ平面に延在する基底部44cと、基底部44cに連設された周壁部44dと、を有している。そして、この電極保持板44によって電極部30が固定されている。
具体的には、周壁部44dの前側が、電極部30の後方に開口する開口部30aから挿入されて、電極部30の柱状部32に嵌合されている。そして、電極部30のフランジ部31が、前側ハウジング12のフランジ部12bと基底部44cに形成されたフランジ部44eとで挟持されている。こうすることで、電極部30が電極保持板44によって固定されている。
なお、本実施の形態1では、Oリング15bを用いて、電極部30と電極保持板44の周壁部44dとの隙間から美容液等の液体が浸入しないようにしている。
また、電極保持板44は、周壁部44dの後側を本体ハウジング11(前側ハウジング12)の内面に嵌合させることで、本体ハウジング11に固定されている。
このとき、Oリング15cを用いて、本体ハウジング11と電極保持板44の周壁部44dとの隙間から美容液等の液体が浸入しないようにしている。
なお、前側ハウジング12と後側ハウジング13との継ぎ目、後側ハウジング13と電極パネル21との間の隙間、前側ハウジング12とスイッチハウジング14との隙間、および、スイッチハウジング14と各操作ボタンとの隙間からも、美容液等の液体が浸入しないようになっている。
こうすることで、美容装置1の内部に液体が侵入してしまうのを抑制することができるようになり、内蔵された電気製品が液体によって故障してしまうのを抑制することができるようになる。その結果、電気製品が内蔵された美容装置1の液体との併用が可能となる。
ヒータ41は、両面にある電極板に通電させて熱を発生するものであり、伝熱板42は熱伝導率がよいアルミ材で形成されている。
ところで、電極部30とヒータ41の電極板とが伝熱板42を介して通電してしまうのを抑制するためには、ヒータ41の電極板と伝熱板42のアルミとを絶縁させる必要がある。そこで、本実施の形態1では、ヒータ41が電極板とともにポリイミドシートで巻かれるようにしている。さらに、伝熱板42のアルミにはアルマイト処理を施している。
こうすることで、電極部30がヒータ41の電極板から絶縁されることとなるため、使用者が意図する操作以外の操作によって、電極部30が通電されてしまうのを抑制することができるようになる。
なお、ヒータ41は、セラミックヒータとすることもできるし、線ヒータとすることもできる。
また、電極保持板44は、ヒータ押さえバネ45と電極コイルバネ46と端子47を保持している。
電極コイルバネ46は、電極部30に当接して、当該電極部30に電気を通電するものである。この電極コイルバネ46には、制御回路91が搭載された制御回路基板90からリード線Hおよび端子47を介して電気が通電されるようになっている。すなわち、電極コイルバネ46は、リード線Hおよび端子47を介して制御回路基板90に電気的に接続されている。
そして、電極コイルバネ46と電極部30も電気的に接続されているため、電極部30にも電気が通電されることとなる。
なお、本実施の形態1では、電極コイルバネ46は、電極部30に電気を通電させるものであるため、電解腐食が起き難い材料であるステンレス鋼を用いて形成している。
これにより、電極部30および電極コイルバネ46が腐食してしまうのが抑制され、導電性を比較的良好に保つことができるようになる。その結果、より確実に電極部30と電極パネル21とに通電することができるようになる。
このように、本実施の形態1では、電極部30と電極パネル21とが電気的に接続されている。したがって、使用者の掌が電極パネル21に接触するように把持部20を手で把持し、電極部30の当接面33を使用者の肌に当接させることで、電極部30と電極パネル21とが使用者を介して導通状態となる。
また、本実施の形態1では、図4および図5に示すように、本体部10の内部に、振動を電極部30に付与する振動部50を設けている。
本実施の形態1では、モータ本体51aとモータ軸51bとを有するモータ51を用いることで振動部50を形成している。具体的には、モータ51のモータ軸51bに偏心錘52を設けることで振動部50を形成している。
偏心錘52は、モータ軸51bに挿入固定される円筒状の固定部52aと固定部の外周部に一体に形成された半円柱状の偏心部52bとで構成されている。この偏心錘52をモータ軸51bに取り付けた状態で、モータ軸51bを回転させると、モータ51に偏心錘52による遠心力が働き、この遠心力によって電極部30が振動することとなる。
さらに、本実施の形態1では、振動部50は、電極保持板44とモータ保持板48との間に挟持されている。
モータ51は、リード線Hを介して制御回路基板90に電気的に接続されており、制御回路91によって駆動が制御されている。
このように、上述したような振動部50を設けることで、電極部30を機械的に振動させることができるようになって、電極部30を肌に当接させた状態で、使用者が美容装置1を直接動かさなくても、肌に物理刺激を与えることができるようになる。
制御回路基板90には、制御回路91が搭載されている。この制御回路91は、電極部30にリード線Hを介して通電する電気を制御する回路と、温度検知素子43の信号をリード線Hを介して受け、電極部30に与える熱を制御する回路と、モータ51をリード線Hを介して回転させる電気制御回路と、を有している。
また、本実施の形態1では、本体ハウジング11の中空部S1内に充電池92が内蔵されており、充電池92から制御回路基板90に電気が供給されるようにしている。
充電池92は、電池基台93に形成された電池収容部93aに収容されている。このとき、電池収容部93aに設けられた電池陽極金具93bに充電池92の+極が、電池収容部93aに設けられた電池陰極金具93cに充電池92の−極が、それぞれ当接するように充電池92が電池収容部93aに収容される(図4参照)。
電池陽極金具93bおよび電池陰極金具93cは、制御回路基板90に電気的に接続されている。
そして、本体ハウジング11の先端(他端:下端)11e側には、ジャック(電源接続部)94が形成されており、このジャック94も、制御回路基板90に電気的に接続されている。
そして、ジャック94に、外部電源に接続されたプラグ(電源供給用接続部)を嵌め込むことで、充電池92が充電されるようになっている。
次に、電極部30の具体的な形状について、図12および図13を参照しながら説明する。
電極部30は、正面視(X方向から視た状態)で、上部に略水平に配置された直線状の上辺部30bと、上辺部30bのY方向両端からZ方向下方かつY方向中央に延在する傾斜辺部30c、30dと、を備えている。傾斜辺部30c、30dは、それぞれY方向外側に膨らむように若干湾曲している辺部である。
そして、上辺部30bのY方向一端と傾斜辺部30cの上端とを滑らかな曲線で連結することで頂点部30eが形成されている。また、上辺部30bのY方向他端と傾斜辺部30dの上端とを滑らかな曲線で連結することで頂点部30fが形成されている。そして、傾斜辺部30cの下端と傾斜辺部30dの下端とを滑らかな曲線で連結することで頂点部30gが形成されている。
このように、電極部30の正面視における輪郭形状は、上辺部30bおよび傾斜辺部30c、30dの3つの辺部、および、3つの頂点部30e、30f、30gとで形成される略逆三角形状をしている。こうすることで、通常の使用状態で、傾斜辺部30cや傾斜辺部30dを鼻と頬との境界部分により容易に当接させることができる。その結果、肌(使用者の顔面)の細部にわたって、きめ細かく施術を行うことができるようになる。このように、電極部30の正面視における輪郭形状を略逆三角形状とすることで、通常の使用状態で、電極部30の正面視における輪郭が鼻先等に当たってしまうことを抑制することができるようになる。
また、電極部30は、前側ハウジング12のフランジ部12bと基底部44cに形成されたフランジ部44eとで挟持されるフランジ部31を備えている。さらに、電極部30は、フランジ部31に連設されて、前方に向けて立ち上がるように延在する柱状部32と、柱状部32の前端に連設されて、使用者の肌に接触する当接面33と、を備えている。また、電極部30の後部には後方に開口する開口30aが形成されている。
当接面33は、柱状部32の前端に連設されて、前方かつ内側(正面視における電極部30の輪郭形状の内側)に向けて湾曲した湾曲部33aを備えている。この湾曲部33aは、正面視における電極部30の輪郭形状の全周に亘って、断面視における円弧の曲率半径がほぼ一定となるように形成されている。
また、本実施の形態1では、湾曲部33aは、柱状部32の前端に滑らかに連続するように連設されている。
具体的には、断面視で、湾曲部33aの柱状部32の前端との交点T1における円弧の接線が柱状部32の断面線と略一致するように、湾曲部33aを柱状部32の前端に連設している。
ここで、本実施の形態1では、電極部30の当接面33における柱状部32との境界に形成された湾曲部33aの少なくとも一部に、肌に接触させたときに肌に食い込む食い込み部としての機能を持たせるようにした。
具体的には、湾曲部33aの断面視における円弧の曲率半径を、肌への刺激が強くなりすぎてしまうのを抑制できる程度に大きくなるようにした。そして、湾曲部33aの断面視における円弧の曲率半径を、肌に食い込ませた際に、肌上を滑ってしまうのが抑制される程度に小さくなるようにした。
すなわち、湾曲部33aを肌に食い込ませた状態で湾曲部33aを平行移動させた際に、食い込ませた肌も所定距離だけ一緒に移動し、所定距離を超えた場合には、滑るようにして湾曲部33aから離れる程度の食い込み状態となるように、湾曲部33aの断面視における円弧の曲率半径を設定している。
なお、美容装置1の通常の使用の際には、肌にクリームや美容液が塗布されているため、何も塗布されていない肌に較べて滑りやすくなっている。そのため、上記の曲率半径R1は、滑りやすくなった肌に食い込ませて引き延ばすことができる程度の曲率半径となるように設定するのが好ましい。
上記の点を考慮し、本実施の形態1では、湾曲部33aの断面視における円弧の曲率半径が約2.0mmとなるようにしている。
そして、本実施の形態1では、正面視で上辺部30bとなる部位に形成された湾曲部33aを食い込み部としている。
このように、正面視で上辺部30bとなる部位に形成された湾曲部33aを食い込み部とすれば、下記の作用、効果を奏することができる。
まず、電極部30が上方に位置するように把持部20を把持した状態で、肌(顔面)に当接面33を当接させた際に、上辺部30bとなる部位に形成された湾曲部33aを肌に食い込ませる。
そして、上辺部30bとなる部位に形成された湾曲部33aを肌に食い込ませながら当接面33を上方に移動させることで、湾曲部33aの食い込みによって引っ掛けられた肌が湾曲部33aの移動に伴い上方に移動する。その後、湾曲部33aとともに移動した肌は、所定の距離だけ移動したら、滑るようにして元の位置(下方)に向かって移動する。この動作を繰り返し行うことで、肌を上方にリフトアップさせることができるようになる。
なお、本実施の形態1では、正面視で上辺部30bとなる部位に形成された湾曲部33aを食い込み部としている。しかしながら、上述したように、湾曲部33aは、正面視における電極部30の輪郭形状の全周に亘って、断面視における円弧の曲率半径がほぼ一定(約2.0mm)となるように形成されている。
そのため、正面視で上辺部30bとなる部位以外に形成された湾曲部33aも食い込み部としての機能を有している。ただし、上辺部30bとなる部位は、正面視で直線状に形成されているため、正面視で曲線状に形成されている部位よりも、肌を食い込ませて引っ張り上げやすくなっている。
また、正面視で上辺部30bとなる部位に形成された湾曲部33aを食い込み部としている。こうすることで、電極部30の本体ハウジング11への取付方向(X方向)が水平となるようにするとともに、把持部20の先端11eが下端となるようにした状態で、電極部30の上部に食い込み部(湾曲部33a)が形成されることとなる。
さらに、本実施の形態1では、当接面33は、凸状に形成された凸状部33bを有している。
具体的には、湾曲部33aの前端に連設される当接面33の湾曲部33a以外の面が平坦面ではなく前方に凸の湾曲面33cとなるように形成している。
そして、当接面33の湾曲部33a以外の面(湾曲面33c)を、1つの凸形状となるように形成している。このとき、当接面33の湾曲部33a以外の面の頂点Tが、正面視における電極部30の輪郭形状の重心よりも上方に位置するように当接面33の湾曲部33a以外の面を形成している。
なお、頂点Tは、当接面33の湾曲部33a以外の面のなかで、柱状部32の全周に亘る前端を含み、YZ平面に略平行な平面までの距離が最も大きい点のことである。
さらに、湾曲面33cは、湾曲部33aの前端との交点T2における湾曲面33c側の円弧との接線と、交点T2における湾曲部33a側の円弧との接線が略一致する(共通の接線となる)ように、湾曲部33aの前端に連設されている(図13参照)。
また、湾曲面33cの上側の円弧(曲率半径が小さい円弧)と下側の円弧(曲率半径が大きい円弧)とは、それぞれの円弧の頂点Tにおける接線が略一致する(共通の接線となる)ように、連設されている。
このように、本実施の形態1では、湾曲面33cは、全体的に滑らかに連続するように形成されており、湾曲部33aの前端にも、滑らかに連続するように連設されている。
また、図12に示すように、湾曲面33cは、頂点Tから頂点部30eに向かうように形成された稜線R1と、頂点Tから頂点部30fに向かうように形成された稜線R2と、頂点Tから頂点部30gに向かうように形成された稜線R3と、頂点Tから上辺部30bの中点に向かうように形成された稜線R4と、を有している。
稜線R1およびR2は、湾曲面33cをY方向一端から他端にかけてXZ平面で切断した断面における頂点の集合で形成される線である。また、稜線R3およびR4は、頂点Tから頂部30gにかけてXY平面で切断した断面における頂点の集合で形成される線である。
なお、稜線R1およびR2は、曲率半径がそれぞれ52.5mmとなるように形成されており、稜線R3は、曲率半径が97.5mmとなるように形成されており、稜線R4は、曲率半径が7.5mmとなるように形成されている。
そして、本実施の形態では、湾曲面33cにおける頂点Tを頂部とした頂点Tの周囲の領域を凸状部33bとしている。
このように、本実施の形態1では、凸状部33bが、当接面33における食い込み部側(上側)に形成されている。
また、上述したように、凸状部33bは、断面視で湾曲部33aから連続するように形成された円弧部となっている。
なお、凸状部33bは、上辺部30b側から見て三日月形状をしており、目元における特に下まぶたの膨らみに接触させるのにより適した形状となっている。
また、全周に亘る柱状部32の前端を含む平面(YZ平面に略平行な平面)と当接面33とで囲まれる空間内に存在する点の集合が凸集合となっている。すなわち、全周に亘る柱状部32の前端を含む平面(YZ平面に略平行な平面)と当接面33とで囲まれる空間内の任意の2点を結ぶ線分が当該空間内に存在するように、当接面33を凸状に形成している。
そして、本実施の形態1では、電極部30はチタンを用いて形成されている。なお、コットンシートなどの施術用部材60として市販されている流通品の中で最も小さいものの1つとされているサイズは、66mm×50mmである。
したがって、上記サイズ以上の施術用部材60を用いることができるように、電極部30は、略逆三角形のY方向幅が約35mm、Z方向の長さが約30mmとなるようにしている。また、電極部30の柱状部32の本体ハウジング11からの高さ(X方向の距離)を約7mmとしている。さらに、柱状部32の前端から凸状部33bまでの高さ(X方向の距離)を約3mmとしている。電極部30のサイズを上記のようにすることで、使用者が通常使用している市販の施術用部材60のほぼ全てを使用できるようになるため、美容装置1の使い勝手をより向上させることができる。
また、上述したように、制御回路91は、制御回路基板90に形成されており、制御回路基板90は、本体ハウジング11の中空部S1内に収容されている。
そして、この制御回路基板90には、美容装置1の動作モードを切り替えるモード切替スイッチ81のスイッチ部81bが形成されている。同様に、制御回路基板90には、電圧のレベル(電圧強度)を切り替えるレベル切替スイッチ82のスイッチ部、および、電極部30の温度を切り替える温度切替スイッチ83のスイッチ部が形成されている。
各スイッチ部は、制御回路基板90に形成された導電性の回路パターンPを介して制御回路91に電気的に接続されている。そして、各スイッチ部と対向する部位に操作ボタン(操作子)がそれぞれ設けられている。
さらに、制御回路基板90には、複数のLED84が実装されており、各LED84は、それぞれ、制御回路基板90に形成された導電性の回路パターンPを介して制御回路91に電気的に接続されている。
そして、各LED84と対向するように導光部が形成されており、この導光部は、本体ハウジング11に露出するように形成されている。
このとき、操作ボタン81a、操作ボタン82a、および、操作ボタン83aを光透過性を有する部材で形成し、これらの操作ボタンを導光部として機能させるようにすることができる。
この場合、各操作ボタンは、LED84から照射された光を外部に透過させる機能、すなわち、表示部としての機能も有することとなる。
また、操作ボタンを操作することで、モードやレベル、温度が切り替えられた際には、視認される光の状態(色、光量、点滅等の点灯時間)を変化させるようにするのが好ましい。
こうすれば、使用者が操作ボタン81aから透過される光を視認することで、美容装置1がいずれのモードで動作しているのかを確認することができる。
また、使用者が操作ボタン82aから透過される光を視認することで、電圧のレベル(電圧強度)がいずれのレベルとなっているのかを確認することができる。そして、使用者が操作ボタン83aから透過される光を視認することで、電極部30の温度がいずれの温度となっているのかを確認することができる。
なお、充電池92の電池残量が少なくなったときに、通常使用とは異なる色を照射したり、光量を減少させたりすることで、充電が必要か否かを使用者に報知できるようにしてもよい。
また、各操作ボタンとは別に導光部を設け、当該導光部に対向するようにLED84を制御回路基板90に実装してもよい。
モード切替スイッチ81は、美容装置1の動作モードを切り替えることができるスイッチである。また、レベル切替スイッチ82および温度切替スイッチ83は所定のモードが選択された場合に、使用者の好みに合わせた設定を行うことができるスイッチである。
そして、このモード切替スイッチ81は、操作ボタン81aを押圧することでスイッチ部81bが作動し、美容装置1の動作モードを順次切り替えることができるようになっている。
ここで、本実施の形態1では、美容装置1を作動させる際に、クレンジングモード、保湿モード、および、3種類の振動モードのうちから所望のモードを適宜選択できるようにしている。
具体的には、制御回路91に、クレンジングモード、保湿モード、振動モードA、振動モードB、振動モードCの各動作モードを記録させている。
そして、図15(a)に示すように、電源オフの状態で、操作ボタン81aを一回押圧してスイッチ部81bを作動させると、電源がオンになるとともに、クレンジングモードでの動作が行われることとなる。
また、クレンジングモードの状態で、操作ボタン81aを一回押圧してスイッチ部81bを作動させると、保湿モードでの動作が行われることとなる。すなわち、美容装置1の動作モードがクレンジングモードから保湿モードに切り替えられることとなる。
また、保湿モードの状態で、操作ボタン81aを一回押圧してスイッチ部81bを作動させると、美容装置1が振動モードAで振動することになる。すなわち、美容装置1の動作モードが保湿モードから振動モードAに切り替えられることとなる。
また、振動モードAの状態で、操作ボタン81aを一回押圧してスイッチ部81bを作動させると、美容装置1が振動モードBで振動することになる。すなわち、美容装置1の動作モードが振動モードAから振動モードBに切り替えられることとなる。
さらに、振動モードBの状態で、操作ボタン81aを一回押圧してスイッチ部81bを作動させると、美容装置1が振動モードCで振動することになる。すなわち、美容装置1の動作モードが振動モードBから振動モードCに切り替えられることとなる。そして、振動モードCの状態で、操作ボタン81aを一回押圧してスイッチ部81bを作動させると、電源がオフになる。
このように、本実施の形態1では、操作ボタン81aを押圧してスイッチ部81bを作動させる度に、美容装置1の動作モードは、電源オフ、クレンジングモード、保湿モード、振動モードA、振動モードB、振動モードC、電源オフのループで切り換わるようになっている。
このとき、モードの切り替えに合わせて、LED84の消灯、点灯も切り替えられるようにするのが好ましい。
上述したように、本実施の形態1では、操作ボタン81aを押圧することで、美容装置1の電源をオン・オフさせることもできるようになっている。すなわち、本実施の形態1では、電源がオン・オフされる現象も、美容装置の動作モードが切り替えられた結果生じるものであるとしている。なお、電源をオン・オフするスイッチおよび操作子をモード切替スイッチ81とは別に設けるようにしてもよい。
また、本実施の形態1では、美容装置1の動作モードがクレンジングモードもしくは保湿モードである場合に、電圧のレベル(電圧強度)を、弱、中、強のうちから適宜選択できるようにしている。
具体的には、制御回路91に、弱、中、強の各レベルを記録させている。
そして、図15(b)に示すように、初期状態では、電圧のレベル(電圧強度)は、弱に設定されている。すなわち、初めて使用する際に、電源をオンにして、クレンジングモードもしくは保湿モードを選択しただけの状態では、電圧のレベル(電圧強度)は、弱となっている。
また、電圧のレベル(電圧強度)が弱に設定されている状態で、操作ボタン82aを一回押圧してレベル切替スイッチ82のスイッチ部を作動させると、電圧のレベル(電圧強度)が、弱から中に切り替えられる。
また、電圧のレベル(電圧強度)が中に設定されている状態で、操作ボタン82aを一回押圧してレベル切替スイッチ82のスイッチ部を作動させると、電圧のレベル(電圧強度)が、中から強に切り替えられる。
また、電圧のレベル(電圧強度)が強に設定されている状態で、操作ボタン82aを一回押圧してレベル切替スイッチ82のスイッチ部を作動させると、電圧のレベル(電圧強度)が、強から弱に切り替えられる。
このように、本実施の形態1では、操作ボタン82aを押圧してレベル切替スイッチ82のスイッチ部を作動させる度に、電圧のレベル(電圧強度)は、弱、中、強、弱のループで切り換わるようになっている。
このとき、レベルの切り替えに合わせて、LED84の消灯、点灯も切り替えられるようにするのが好ましい。
なお、本実施の形態1では、一度設定したレベルが制御回路91に記憶される。そのため、いずれかのレベルを設定したまま、電源をオフにし、その後、再度使用する際に、電源をオンにした場合には、前回設定したレベルのままとなっている。
このように、レベル切替スイッチ82を設け、電極通電モードにおいて、電極部30を介して肌に通電させる電気の強さを変化させるようにすることで、使用者の好みに合うレベル(例えば、使用者が傷みを感じないレベル)で使用することができるようになる。
また、本実施の形態1では、美容装置1の動作モードが全モードの場合(クレンジングモード、保湿モード、振動モードA、振動モードB、振動モードCである場合)において、電極部30の温度を、低、高、切のうちから適宜選択できるようにしている。
具体的には、制御回路91に、低、高、切の場合における電極部30の温度を記録させている。
そして、図15(c)に示すように、初期状態では、電極部30の温度は、低に設定されている。すなわち、初めて使用する際に、電源をオンにした状態(動作モードはいずれであっても構わない)では、電極部30の温度は、低となっている。
また、電極部30の温度が低に設定されている状態で、操作ボタン83aを一回押圧して温度切替スイッチ83のスイッチ部を作動させると、電極部30の温度が、低から高に切り替えられる。
また、電極部30の温度が高に設定されている状態で、操作ボタン83aを一回押圧して温度切替スイッチ83のスイッチ部を作動させると、電極部30の温度が、高から切に切り替えられる。
また、電極部30の温度が切に設定されている状態で、操作ボタン83aを一回押圧して温度切替スイッチ83のスイッチ部を作動させると、電極部30の温度が、切から低に切り替えられる。
このように、本実施の形態1では、操作ボタン83aを押圧して温度切替スイッチ83のスイッチ部を作動させる度に、電極部30の温度は、低、高、切、低のループで切り換わるようになっている。
このとき、温度の切り替えに合わせて、LED84の消灯、点灯も切り替えられるようにするのが好ましい。
なお、本実施の形態1では、一度設定した温度が制御回路91に記憶される。そのため、いずれかの温度を設定したまま、電源をオフにし、その後、再度使用する際に、電源をオンにした場合には、前回設定したレベルのままとなっている。
このように、温度切替スイッチ83を設け、電極部30の温度を変化させるようにすることで、使用者の好みや周囲温度に合わせて、電極部30の温度を適宜設定することができるようにしている。
以上のように構成された美容装置1について、以下では、その動作、作用の一例を説明する。
まず、イオン導出によるクレンジングを行うために、シート保持具70を用い、コットンシートなどの施術用部材60を、電極部30の当接面33を覆った状態で、電極部30に保持する。その後、施術用部材60に美容液が十分に浸透するまで含浸させる。こうして、美容装置1を使用する前の準備が完了する。
そして、操作ボタン81aを一回押圧してスイッチ部81bを作動させる。すると、美容装置1の電源がオンとなり、クレンジングモードに入る。
なお、電源をオンにしたばかりの状態では電極部30の温度は冷えているため、クレンジングモードが選択されると、まず、1分間の予熱モードが開始される。この予熱モード時に、LED84を点滅させるようにすれば、予熱モードであることを使用者に報知することができる。
そして、予熱モードが終了した後、LED84が常時点灯に移行する。かかる状態で、電極パネル21に触れながら電極部30を肌に当接させると、イオン導出によるクレンジングが開始される。このクレンジングモードは、クレンジング開始されてから3分後に終了する。
なお、予熱モードが完了する前に、使用者が電極パネル21に触れながら電極部30を肌に約3秒間当接させた場合には、予熱モードは終了される。その後、イオン導出によるクレンジングが開始される。この場合もクレンジングモードは、クレンジングが開始されてから3分後に終了する。
クレンジングモード終了後、モード切替スイッチ81の操作ボタン81aを1回押すと、1分間の予熱モード後、保湿モードに入る。保湿モードにおいても、クレンジングモードと同様に電極パネル21に触れながら電極部30を肌に当接させると、イオン導入による保湿が開始される。この保湿モードは、イオン導入による保湿が開始されてから3分後に終了する。
また、予熱モードが完了する前に、使用者が電極パネル21に触れながら電極部30を肌に約3秒間当接させた場合には、予熱モードは終了される。その後、イオン導入による保湿が開始される。この場合も保湿モードは、イオン導入による保湿が開始されてから3分後に終了する。
図16(a)は、クレンジングモードが選択された状態での通電時における通電特性を示す図である。
図16(a)に示すように、クレンジングモードが選択された場合に、電極パネル21と電極部30とが通電されると、パルス状の電圧が印加されることとなる。本実施の形態では、周波数3kHz、デューティ比50%のパルス状の電圧が印加される。このとき、所定時間(25ms)経過する度に、+と-が逆転するように、+Aボルトの電圧と-Aボルトの電圧が交互に印加されることになる。
このように、所定時間(25ms)経過する度に、+と-が逆転するように、+Aボルトの電圧と-Aボルトの電圧を交互に印加することで、肌と電極部30との間に電位差を生じさせ、肌の汚れを浮き上がらせたり、美容液を肌に浸透させたりすることができる。こうして、肌のクレンジングが行われる。
なお、クレンジング中、-Aボルトの電圧のみを印加するようにして、主に肌の汚れを浮き上がらせるようにすることも可能である。
図16(b)は、保湿モードが選択された状態での通電時における通電特性を示す図である。
図16(b)に示すように、保湿モードが選択された場合に、電極パネル21と電極部30とが通電されると、パルス状の電圧が印加されることとなる。本実施の形態では、周波数3kHz、デューティ比50%のパルス状の電圧が印加される。このとき、保湿が行われている間中、+Aボルトの電圧のみが印加されるようにしている。
このように、+Aボルトの電圧のみが印加されるようにすることで、肌と電極部30との間に電位差を生じさせ、美容液を肌に浸透させることができる。こうして、肌の保湿が行われる。
ところで、使用者によって人体における抵抗値が異なっており、同じ強度の電圧を印加した場合の感じ方は人それぞれである。すなわち、同じ強度の電圧を印加した場合であっても、痛みを感じる人もいれば、あまり痛みを感じない人もいる。また、人の通電に対する嗜好性も様々である。
そこで、上述したように、本実施の形態1では、クレンジングモードや保湿モードにおいては、通電レベルを切替えることにより、使用者が不快とならない強、中、弱の3段階のレベルを設定できるようにしている。
この通電レベルは、例えば、強が10ボルト、中が7.5ボルト、弱が5ボルトとなるように設定することができる。
そして、保湿モードが完了した後に、モード切替スイッチ81の操作ボタン81aを1回押すと、振動モードAに入る。
ここで、本実施の形態1では、振動部50を作動させる際に、3種類のモードのうちから所望のモードを適宜選択できるようにしている。
具体的には、保湿モードの状態で、操作ボタン81aを一回押圧してスイッチ部81bを作動させると、振動部50が振動モードAで振動することになる。また、振動モードAの状態で、操作ボタン81aを一回押圧してスイッチ部81bを作動させると、振動部50が振動モードBで振動することになる。すなわち、振動部50が振動モードAから振動モードBに切り替えられることとなる。
さらに、振動モードBの状態で、操作ボタン81aを一回押圧してスイッチ部81bを作動させると、振動部50が振動モードCで振動することになる。すなわち、振動部50が振動モードBから振動モードCに切り替えられることとなる。そして、振動モードCの状態で、操作ボタン81aを一回押圧してスイッチ部81bを作動させると、電源がオフになる。
上述した3種類の振動モードのシーケンス図をそれぞれ、図17(a)、図17(b)、図17(c)に示している。
各図の縦軸は、振動部50の動作(動作がオンであるかオフであるか)を示している。そして、横軸は時間(単位はms)を示している。
振動モードAは、図17(a)に示すように、75ms周期で動作のオン・オフが繰り返されている(オン時間が20msでオフ時間が55ms)。
このようなモードで振動部50を振動させると、単調な振動が繰り返されることとなる。
一方、振動モードBでは、図17(b)に示すように、動作がオフとなっている時間とオンとなっている時間をあわせると50msとなっている。すなわち、50ms周期で一回の動作のオン・オフが行われている。
そして、0msから500msまでは、動作をオンにしている時間が1つ前の動作オン時間と同じか増加(この場合、動作をオフにしている時間が減少する)している。一方、500msから1000msまでは、動作をオンにしている時間が1つ前の動作オン時間と同じか減少(この場合、動作をオフにしている時間が増加する)している。
このように、振動モードBでは、1000ms周期で、動作をオンにしている時間を増加させたり・減少させたりしている。
このようなモードで振動部50を振動させると、振動の強弱が穏やかに変化するリズム振動となる。
そして、振動モードCは、図17(c)に示すように、動作がオフとなっている時間とオンとなっている時間を合わせた時間が242ms(オン時間が100msでオフ時間が142ms)で、一回のオン・オフの動作が長い場合がある。
また、動作がオフとなっている時間とオンとなっている時間を合わせた時間が91ms(オン時間が25msでオフ時間が66ms)で、一回のオン・オフの動作が短い場合がある。そして、長い場合と短い場合とが交互に現れるようにしている。
このようなモードで振動部50を振動させると、振動の強弱が激しく変化するリズム振動となる。
人の振動に対する嗜好性は様々であるため、1種類の振動モードで多くの人の嗜好性に対応させるようにすることは困難である。しかしながら、本実施の形態1のように、3種類の著しく異なった振動モードを持ち合わせるようにすることで、より多くの人の嗜好性に対応することができるようになる。
そして、マッサージクリーム、美容液、アイクリームなどの剤を肌に塗布したのち、いずれかの振動モードを選択した状態で、肌を施術する。このとき、電極部30の食い込み部で肌のリフトアップを行ったり、凸状部で目もとの膨らみを施術したりすることができる。こうすることで、肌のたるみや目もとのしわを解消することができるようになる。
以上、説明したように、本実施の形態1では、美容装置1は、外郭を構成する本体ハウジング11と、本体ハウジング11に設けられ、使用者の肌に接触して通電する電極部30と、を有している。そして、電極部30は、肌に食い込んで肌を押圧する食い込み部(湾曲部33a)を有している。
これにより、食い込み部(湾曲部33a)が肌に食い込んで、肌が押圧されることとなるため、食い込み部(湾曲部33a)によって肌を引っ掛けて押すことが可能となる。
したがって、食い込み部(湾曲部33a)を肌に食い込ませた状態で美容装置1を平行移動させた場合、食い込み部(湾曲部33a)が肌を引っ張った状態で肌上を移動することとなるため、肌をリフトアップさせることができるようになる。このように、電極部30に食い込み部(湾曲部33a)を設けることで、肌の施術の際に、肌のたるみや目元のしわなどを解消するリフトアップ効果が得られるようになる。
また、本実施の形態1では、本体ハウジング11の一端11aに電極部30が取り付けられており、本体ハウジング11の他方側には、電極部30の本体ハウジング11への取付方向(X方向)と交差する方向に延在する把持部20を有している。
そして、電極部30の本体ハウジング11への取付方向(X方向)が水平となるようにするとともに、把持部20の先端が下端となるようにした状態で、電極部30の上部に食い込み部(湾曲部33a)が形成されている。
これにより、電極部30が把持部20の上方に位置する状態で、把持部20を手で把持した際、すなわち、美容装置1の通常の使用状態で、電極部30の上部に食い込み部(湾曲部33a)が存在することになる。
こうすれば、力を入れやすい通常の使用状態での施術によって、肌をリフトアップさせやすくなるため、リフトアップさせるための動作が使用者の負担とならないようにすることができる。その結果、施術をより長時間にわたって行うことができるようになる。
また、本実施の形態1では、電極部30は、肌に当接する当接面33と、柱状に形成される柱状部32と、を有しており、当接面33は、凸状に形成された凸状部33bを有している。そして、凸状部33bが、当接面33における食い込み部(湾曲部33a)側に形成されている。
これにより、電極部30の当接面33における凸状部33b以外の部位が、肌のどこかに当接する前に、凸状部33bを肌の施術予定部位に当接させることが可能となる。
特に、目元の施術の際には、電極部30の当接面33における凸状部33b以外の部位が、顔のどこかに当接する前に、凸状部33bを目元における特に下まぶたの膨らみに当接させることが可能となる。つまり、下まぶたの膨らみにのみ電極部30(凸状部33b)を当接させることができるようになる。
したがって、下まぶたの膨らみ以外の部位に電極部30を当接させることなく、目元に押圧をかけて施術することが可能となり、目元のしわをより効果的に解消することができるようになる。
さらに、食い込み部は、電極部30の当接面33における柱状部32との境界に形成された湾曲部33aであり、凸状部33bは、断面視で湾曲部33aから連続するように形成された円弧部となっている。
これにより、当接面33の凸状部33b以外の部位である食い込み部(湾曲部33a)と凸状部33bとが滑らかに連続して形成されることとなり、食い込み部(湾曲部33a)によるリフトアップ時に凸状部33bが骨などに引っ掛かってしまうのが抑制される。その結果、リフトアップ時に使用者が痛みを感じてしまうのが抑制され、よりスムーズにリフトアップを行うことができるようになる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態1では、美容装置1の使用方法として施術用部材60を電極部30に固定した状態で使用する方法を例示した。しかしながら、美容装置1を使用する際に、施術用部材60を電極部30に固定する必要はなく、施術用部材60を取り外して使用することも可能である。
例えば、使用者の好みにあわせて、施術用部材60を電極部30に装着したり、電極部30から外したりすることも可能である。
また、本体ハウジングや把持部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。