JP6264030B2 - 高圧ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、調量弁装置を用いた高圧ポンプに関する。
従来、エンジンに燃料を供給する高圧ポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。一般にこの種の高圧ポンプは、プランジャの往復移動により加圧室に吸入した燃料を圧縮して吐出部から吐出するが、このとき加圧室に供給される燃料は、調量弁装置によって調量される。調量弁装置の吐出行程においては、可動コアが固定コアに当接し、弁部材のシート部が弁ボディの弁座に当接する。また、調量弁装置の吸入行程においては、可動コアが弁部材に当接し、弁部材がストッパに当接する。
特開2012−167697号公報
従来技術では、調量弁装置の動作において、可動コアが固定コアに当接し、弁部材のシート部が弁ボディの弁座に当接する際や、可動コアが弁部材に当接し、弁部材がストッパに当接する際に、衝撃音が発生し、その衝撃音は、時に運転者に違和感を抱かせるのに十分なほど大きなものとなるという問題があった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、動作の際に衝撃音が発生しない調量弁装置を用いた高圧ポンプを提供することにある。
本発明の高圧ポンプは、調量弁装置と、ポンプボディと、燃料吸入部と、プランジャと、燃料吐出部と、を備える。
調量弁装置は、調量室とアキュムレータ室と電磁界印加手段とを備える。
調量室は、流体を容積変動可能に収容する第1収容部と、電磁界の印加により粘度が可逆的に変化する機能性流体(smart fluid)を容積変動可能に収容する第2収容部と、を有する。第1収容部には、第1通路が連結し、第2収容部には、第2通路が連結する。第1収容部と第2収容部とを隔離する隔離部材は、第1収容部内の流体の内圧に応じて弾性変形を生じる容積変動部材からなる
アキュムレータ室は、調量室の第2通路を介して第2収容部に連結し、調量室内の機能性流体と連通する機能性流体を容積変動可能に収容する。
電磁界印加手段は、調量室内の機能性流体に電磁界を印加する。
容積変動部材は、ベローズ(bellows)、ダイアフラム(diaphragm)、又は風船(balloon)である。容積変動部材の内部が流体を容積変動可能に収容する第1収容部となり、容積変動部材の外部が機能性流体を容積変動可能に収容する第2収容部となる。
高圧ポンプのポンプボディは、加圧室を有する。この加圧室は、調量弁装置の調量室の第1収容部に第1通路を介して連結する。燃料吸入部は、燃料供給部から燃料を加圧室に供給する吸入通路を有する。この吸入通路には、吸入逆止弁が設置される。プランジャは、ポンプボディに形成されたシリンダ内に収容され、その往復移動により加圧室内の燃料を圧縮する。燃料吐出部は、加圧室内の圧縮された燃料を吐出する吐出通路を有する。この吐出通路には、吐出逆止弁が設置される。
調量弁装置の調量室内に収容される流体は、加圧室の燃料と連通する燃料である。
本発明の高圧ポンプによると、以下のような第1〜第3行程が繰り返される。第1、第2、第3行程は、調量行程、吐出行程、吸入行程に相当する。
即ち、第1行程においては、電磁界印加手段による電磁界の印加が停止された状態において、第1通路を通って第1収容部内に流体を流入させる圧力が生じると、第1収容部内の流体の内圧が増大し、隔離部材に所定の変位又は弾性変形が生じることにより、第1収容部の容積が増大すると共に第2収容部内の容積が縮小し、第2収容部内の機能性流体が第2通路を通ってアキュムレータ室内に流出する。
次に、第2行程においては、第1行程の所定の時点において、電磁界印加手段により調量室内の機能性流体に電磁界が印加されると、機能性流体の粘度が高くなって流動性が低下し、隔離部材の変位又は弾性変形を停止させることにより、流体の第1収容部内への流入が停止する。
次に、第3行程においては、第1通路を通って第1収容部内から流体を流出させる吸引力が生じ、電磁界印加手段による電磁界の印加が停止されると、第1収容部内の流体の内圧が減少し、隔離部材に第1行程の場合と逆方向の変位又は弾性変形が生じることにより、第1収容部内の流体の容積が縮小すると共に第2収容部内の容積が増大して、アキュムレータ室内の機能性流体が第2収容部内に流入する。
このように本発明の高圧ポンプに用いられる調量弁装置では部材同士が当接することはなく、従って、部材同士の当接に起因する衝撃音が発生しないようにすることができる。
具体的には、上記の機能性流体として、磁気粘性流体(Magneto Rheological Fluid;以下、「MR流体」という。)を用い、電磁界印加手段として、磁界を発生させるコイルを用いることができる。コイルは、例えば、調量室の第2収容部の周囲に設けられる。
或いは、上記の機能性流体として、電気粘性流体(Electro Rheological Fluid;以下、「ER流体」という。)を用い、電磁界印加手段として、電界を発生させる一対の電極を用いることができる。一対の電極は、例えば、調量室の第2通路を挟んで設けられる。
なお、その他の態様の調量弁装置では、第1収容部内の流体の内圧に応じて変位を生じる調量室の隔離部材として、例えば、第1収容部と第2収容部との間に移動可能に設置されたピストン(piston)が用いられる。この場合、好ましくは、ピストンの移動を付勢するスプリング(spring)が設置される
また、上記のアキュムレータ室は、例えば、機能性流体を収容する容器と、この容器内に設置される体積変動部材と、を有する。この体積変動部材は、容器内の機能性流体の圧力により体積が変動する。体積変動部材の例として、所定の圧力の気体が充填されたベローズ、ダイアフラム、又は風船が用いられる。
或いは、上記のアキュムレータ室は、容器と、この容器内に移動可能に設置されたピストンと、このピストンの一方の端面と容器の内壁面との間に設置されたスプリングと、を有する。そして、ピストンの他方の端面と容器の内壁面との間に、機能性流体を収容する。
さらに、上記のアキュムレータ室として、ベローズ、ダイアフラム、又は風船が用いられてもよい。
本発明の第1実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプを含む燃料供給装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプの調量行程における動作を説明するための模式図である。 本発明の第1実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプの吐出行程における動作を説明するための模式図である。 本発明の第1実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプの吸入行程における動作を説明するための模式図である。 本発明の第1実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプの各行程におけるプランジャの挙動とコイルへの通電とを示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプの吸入行程における動作を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプの吐出行程における動作を説明するための模式図である。 本発明の第3実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプの吸入行程における動作を説明するための模式図である。 本発明の第4実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプの吸入行程における動作を説明するための模式図である。 本発明の第5実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプの吸入行程における動作を説明するための模式図である。 本発明の第6実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプの吸入行程における動作を説明するための模式図である。 本発明の第6実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプの吐出行程における動作を説明するための模式図である。 従来の調量弁装置を用いた高圧ポンプの調量行程における動作を説明するための図である。 従来の調量弁装置を用いた高圧ポンプの吸入行程における動作を説明するための図である。 従来の調量弁装置を用いた高圧ポンプの各行程におけるプランジャの挙動とコイルへの通電と可動コアの挙動を示すタイムチャートである。 従来の調量弁装置を用いた高圧ポンプにおけるコイルへの通電と調量弁装置に発生する衝撃音とを測定したデータを示すグラフである。
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。第5、第6実施形態が請求項に係る発明を実施するための形態に相当する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプを含む燃料供給装置を、図1〜図4を参照しつつ説明する。
図1に示すように、燃料供給装置は、高圧ポンプ10、高圧ポンプ10に低圧の燃料を供給する燃料供給部60、及び高圧ポンプ10から圧送されてくる高圧の燃料を蓄えて噴射手段に供給するコモンレール部70等を備えている。
先ず、高圧ポンプ10について説明する。
高圧ポンプ10は、外郭を構成するポンプボディ11、並びにポンプボディ11にそれぞれ形成される燃料吸入部20、プランジャ部30、調量弁装置40、及び燃料吐出部50等を備えている。
また、ポンプボディ11には、燃料供給部60から燃料吸入部20を介して供給される燃料を圧縮し、燃料吐出部50を介してコモンレール部70に吐出する加圧室12が設けられている。
燃料吸入部20は、ポンプボディ11に形成された吸入通路21と、この吸入通路21に設置された吸入逆止弁22とを備えている。
吸入通路21は、燃料供給部60に接続され、燃料供給部60からの燃料を加圧室12に供給するための燃料通路である。この吸入通路21の加圧室12近傍に、吸入逆止弁22が設置されている。
この吸入逆止弁22には、弁と弁座とスプリングとが設けられている。加圧室12内の燃料の圧力が高いときは、加圧室12側からの圧力とスプリングの付勢力とにより弁が弁座に当接し、吸入逆止弁22は閉状態となる。その結果、加圧室12から燃料供給部60への燃料の逆流が防止される。
他方、加圧室12内の燃料の圧力が低くなり、燃料供給部60側からの外圧が加圧室12側からの圧力とスプリングの付勢力とに打ち勝つと、弁が弁座から解離し、吸入逆止弁22は開状態となる。その結果、燃料供給部60から加圧室12へ燃料が供給される。
プランジャ部30は、プランジャ31、カム32、スプリング33等を備えている。
プランジャ31は、ポンプボディ11に形成されたシリンダ内に往復移動可能に収納されている。プランジャ31の加圧室12側と反対側の下端部には、カム32が設けられ、このカム32にプランジャ31の下端部を当接させるように付勢するスプリング33が設けられている。
このため、プランジャ部30は、カム32の回転により、プランジャ31がシリンダ内を往復移動し、加圧室12に吸入された燃料を圧縮する働きをする。
調量弁装置40は、ポンプボディ11に形成された調量室41と、この調量室41に連結するアキュムレータ室42とを備えている。
調量室41は、燃料を収容する第1収容部411と、MR流体を収容する第2収容部412とに区分される。また、調量室41は、第1収容部411を加圧室12に連結する第1通路413を有する。このため、第1収容部411の燃料は加圧室12内の燃料と連通している。また、調量室41は、第2収容部412をアキュムレータ室42に連結する第2通路414を有する。
また、調量室41は、第1収容部411と第2収容部412とを隔離する移動可能な「隔離部材」としてピストン415を備えている。このピストン415の第1収容部411側には、ピストン415の移動を付勢するスプリング416が設けられている。このスプリング416は、その伸縮力によりピストン415を第1収容部411側に引っ張ったり第2収容部412側に押したりする。
このため、ピストン415は、第1収容部411の燃料の内圧と第2収容部412のMR流体の内圧とスプリング416の伸縮力とのバランスにより、調量室41内を移動する。そして、このピストン415の移動に伴い、第1収容部411の容積と第2収容部412の容積とが変動する。
また、調量室41の第2収容部412の周囲には、「電磁界印加手段」としてのコイル43が設置されている。このコイル43は、所定の強さの磁界を発生させ、第2収容部412のMR流体に印加するためのものである。また、このコイル43には、コイル43に電流を流すタイミングを制御するECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)44が接続されている。
アキュムレータ室42は、MR流体を収容する容器421と、その容器421内に「体積変動部材」として設置された風船422とを備えている。
容器421は、調量室41の第2通路414を介して第2収容部412に連結されている。このため、容器421内のMR流体は、第2収容部412のMR流体と連通している。
また、風船422は、その内部に所定の気体が所定の圧力で充填されている。このため、風船422の体積は、容器421内のMR流体の内圧と風船422内の気体の内圧とのバランスにより収縮したり膨張したりする。そして、この風船422の収縮・膨張に伴い、容器421のMR流体を収容する容積も変動する。
燃料吐出部50は、ポンプボディ11に形成された吐出通路51と、この吐出通路51に設置された吐出逆止弁52とを備えている。
吐出通路51は、コモンレール部70に接続され、加圧室12において圧縮された高圧燃料をコモンレール部70に吐出するための燃料通路である。この吐出通路51の加圧室12近傍に、吐出逆止弁52が設置されている。
この吐出逆止弁52には、弁と弁座とスプリングとが設けられている。加圧室12内の燃料の圧力が低いときは、スプリングの付勢力とコモンレール部70側からの外圧とにより弁が弁座に当接し、吐出逆止弁52は閉状態となる。その結果、加圧室12からコモンレール部70への燃料の吐出を停止する。
他方、加圧室12内の燃料の圧力が高くなり、スプリングの付勢力とコモンレール部70側からの外圧とに打ち勝つと、弁が弁座から解離し、吐出逆止弁52は開状態となる。その結果、加圧室12からコモンレール部70へ高圧の燃料が吐出される。
次に、燃料供給部60及びコモンレール部70について説明する。
燃料供給部60は、燃料を貯留する燃料タンク61と、この燃料タンク61と燃料吸入部20の吸入通路21とを連結する低圧燃料通路62と、燃料タンク61内の燃料を汲み上げて低圧燃料通路62に送り出すフィードポンプ63を備えている。
このため、燃料タンク61内の燃料は、フィードポンプ63によって汲み出され、低圧燃料通路62、燃料吸入部20の吸入通路21及び吸入逆止弁22を通って加圧室12に供給される。
コモンレール部70は、高圧燃料を貯留するコモンレール71と、このコモンレール71と燃料吐出部50の吐出通路51とを連結する高圧燃料通路72と、コモンレール71に接続された例えば4個の直接噴射手段73とを備えている。
このため、加圧室12において圧縮された高圧燃料は、燃料吐出部50の吐出通路51及び吐出逆止弁52、並びに高圧燃料通路72を通ってコモンレール71に圧送され貯留される。そして、コモンレール71内に貯留された高圧燃料は、直接噴射手段73によって内燃機関のシリンダ内に直接噴射される。
次に、第1実施形態による高圧ポンプ10の作動、特に調量弁装置40の作動について、図1〜図5を参照しつつ説明する。
(I)調量行程
図2のプランジャ31に付した矢印及び図5のタイムチャートに示すように、プランジャ31がカム32の回転により下死点aから上死点bに向かって上昇すると、加圧室12の容積が減少し、加圧室12内の燃料が圧縮されて内圧が高くなる。
このとき、燃料吸入部20の吸入逆止弁22は加圧室12側からの圧力とスプリングの付勢力とにより閉状態となるため、加圧室12の燃料が燃料供給部60に逆流することはない。また、加圧室12内の燃料の内圧は未だ燃料吐出部50における吐出逆止弁52のスプリングの付勢力とコモンレール部70側からの外圧とに打ち勝つほど高くはなっていないため、吐出逆止弁52は閉状態を維持し、加圧室12内の燃料がコモンレール部70側に吐出されることもない。
また、第2収容部412の周囲に設けられているコイル43には、ECU44からの制御信号により、図5のタイムチャートに示すように電流が流れておらず、磁界が発生していないため、第2収容部412のMR流体は粘性が低く流動性が高い状態となっている。
このような状態において、加圧室12内の内圧が高くなった燃料は、調量室41の第1通路413を通って第1収容部411に流入する。このため、第1収容部411の燃料の内圧が高くなる。そして、この第1収容部411の燃料の内圧にスプリング416の付勢力も加わり、第2収容部412のMR流体の内圧より高くなると、図2のピストン415に付した矢印に示すように、ピストン415は第1収容部411側から第2収容部412側に移動する。
このようなピストン415の第2収容部412側への移動により、第2収容部412の容積が小さくなり、第2収容部412のMR流体が第2通路414を通ってアキュムレータ室42の容器421内に押し出される。
このとき、第2収容部412からのMR流体が加わった容器421内のMR流体はその内圧が高くなるため、容器421内に設置されている風船422は、図2に示すように収縮する。そして、この風船422の収縮により、容器421内に収容されるMR流体の容積が大きくなる。
(II)吐出行程
上記の調量行程が進行する所定の時点において、図5のタイムチャートに示すように、ECU44からの制御信号によりコイル43に電流が流れ始める。このコイル43への通電の開始により磁界が発生し、調量室41の第2収容部412のMR流体に印加される。このため、第2収容部412のMR流体は粘度が急速に高まり、流動性が失われる。このような第2収容部412のMR流体の硬化により、ピストン415は移動を停止する。また、風船422も、図3に示すように収縮したままの状態となる。
なお、第2収容部412のMR流体が硬化した状態を図3では多数のドットを付して表すことにする。
このような状態において、図3のプランジャ31に付した矢印及び図5のタイムチャートに示すように、プランジャ31は引き続き上死点bに向かって上昇する。このとき、調量室41内のピストン415が停止状態であるため、加圧室12内の燃料が調量室41の第1収容部411に流入できず、加圧室12内の燃料は更に圧縮され内圧は更に高くなる。
このようにして、加圧室12内の燃料の内圧が、燃料吐出部50における吐出逆止弁52のスプリングの付勢力とコモンレール部70側からの外圧との合計よりも大きくなると、吐出逆止弁52は開状態となる。その結果、加圧室12内で圧縮された高圧燃料が、燃料吐出部50の吐出通路51及び吐出逆止弁52を通ってコモンレール部70に吐出される。
(III)吸入行程
図4のプランジャ31に付した矢印及び図5のタイムチャートに示すように、上死点bに達したプランジャ31がカム32の回転により上死点bから下死点aに向かって下降すると、加圧室12の容積が増加して、加圧室12内の燃料の内圧が低下する。そして、加圧室12内の燃料の内圧が、燃料吐出部50の吐出逆止弁52のスプリングの付勢力とコモンレール部70側からの外圧との合計よりも低くなると、吐出逆止弁52が閉状態となり、加圧室12内の高圧燃料のコモンレール部70側への吐出が停止する。
また、図5のタイムチャートに示すように、プランジャ31の上死点bからの下降と同時に、ECU44からの制御信号によりコイル43への通電が停止される。このコイル43への通電の停止により、第2収容部412に発生していた磁界が消失する。このため、第2収容部412のMR流体は粘度が急速に低下し流動性が再び回復する。
このような状態において、加圧室12内の燃料の内圧の低下に伴い、調量室41の第1収容部411の燃料が第1通路413を通って加圧室12に流入する。このため、第1収容部411の燃料の内圧が低下する。そして、第1収容部411の燃料の内圧が、スプリング416の付勢力を加えても第2収容部412のMR流体の内圧より低くなると、図4のピストン415に付した矢印に示すように、ピストン415は第2収容部412側から第1収容部411側に移動する。
このようなピストン415の第1収容部411側への移動により、第2収容部412の容積が大きくなり、この第2収容部412に第2通路414を通ってアキュムレータ室42の容器421内のMR流体が流入する。このとき、容器421内のMR流体の内圧が低くなるため、風船422は、図4に示すように膨張する。そして、この風船422の膨張により、容器421内に収容されるMR流体の容積は小さくなる。
このようにして、加圧室12内の燃料の内圧が、燃料吸入部20の吸入逆止弁22のスプリングの付勢力を加えても、燃料供給部60側からの外圧より低くなると、吸入逆止弁22が開状態となる。その結果、燃料供給部60からの燃料が燃料吸入部20の吸入通路21及び吸入逆止弁22を通って加圧室12に吸入される。
以上の第1実施形態による高圧ポンプ10の効果を従来技術と対比しつつ説明する。
従来技術の高圧ポンプについて、図13〜図16を参照して説明する。
図13及び図14に示すように、従来技術の高圧ポンプにおける調量弁装置80は、ニードル81、固定コア82、可動コア83、コイル84、第1スプリング85、弁部材86、第2スプリング87、及びストッパ88等を備えている。
ニードル81は、略円柱状に形成され、ポンプボディ89に取り付けられたフランジ90の開口部に移動可能に設置されている。
固定コア82及び可動コア83は、磁性材料から形成され、コイル84の径方向内側に設けられている。可動コア83は、ニードル81に一体に固定されている。第1スプリング85は、固定コア82と可動コア83との間に設けられ、固定コア82と可動コア83とを互いに離す方向に付勢する。
弁部材86は、ニードル81とほぼ同径に形成される軸部を有し、ポンプボディ89に取り付けられた弁ボディ91の開口部に移動可能に設置されている。また、弁部材86は、軸部のニードル81側の第1端面861、この第1端面861と反対側の第2端面862、及びテーパ状のシート面863を有している。このシート面863は、弁ボディ91に設けられたテーパ状の弁座911に当接可能となっている。また、弁ボディ91には、燃料室と加圧室とを連通する燃料通路92が設けられている。
第2スプリング87は、弁部材86の第2端面862側に設けられ、弁部材86をニードル81側に付勢する。この第2スプリング87の付勢力により、弁部材86の第1端面861は、ニードル84の端面に当接可能となっている。
ストッパ88は、大径部と小径部とを有し、大径部の外壁は弁ボディ91に固定され、小径部の弁部材86側に規制面881を有している。弁部材86の第2端面862は、このストッパ88の規制面881に当接可能となっている。
次に、調量弁装置80の動作を、図13〜図16を参照して説明する。
(I)調量行程
カムの回転によりプランジャが下死点aから上死点bに向かって上昇すると、加圧室の容積が減少する。このとき、所定の時期まではコイル84への通電が停止されているため、第1スプリング85に付勢されたニードル81の付勢力によって弁部材86がストッパ88側に移動し、弁部材86のシート面863が弁ボディ91の弁座911から解離する。このため、弁部材86は開弁状態となる。そして、一度加圧室に吸入された低圧燃料は、燃料通路92を経由して燃料室側へ戻される。
(II)吐出行程
図15のタイムチャートに示すように、プランジャが上昇する途中の所定の時期に、コイル84に駆動電流が流れ始める。このコイル84への通電の開始により、固定コア82と可動コア83との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力が所定のタイムラグをもって第1スプリング85の付勢力より大きくなると、可動コア83及びニードル81が固定コア82側に移動する。その結果、図13のA1部に示すように、可動コア83の固定コア82側端面が固定コア82の可動コア83側端面に当接する。
また、弁部材86に対するニードル81の付勢力が解除され、第2スプリング87の付勢力によって弁部材86の第2端面がストッパ88の規制面881から離れ、弁部材86はるニードル81側に移動する。その結果、図13のA2部に示すように、弁部材86のシート部が弁ボディ91の弁座に当接する。このため、弁部材86は閉弁状態となる。
弁部材86が閉弁した後、加圧室の燃圧は、プランジャの上昇と共に高くなる。加圧室の燃圧が吐出部の吐出弁に作用する力が、所定の力よりも大きくなると、吐出弁が開弁する。これにより、加圧室で圧縮された加圧燃料は吐出口から吐出される。
以上のように調量弁装置80の吐出行程においては、可動コア83が固定コア82に当接し、弁部材86のシート部861が弁ボディ91の弁座911に当接するが、これらの部材の当接の際に、図16の測定データのAに示されるような衝撃音が発生する。
(III)吸入行程
図15のタイムチャートに示すように、カムの回転によりプランジャが上死点bから下死点aに向かって下降するとき、コイル84への通電が停止される。このため、可動コア83を固定コア82側に移動させようとする磁気吸引力が消失し、可動コア83及びニードル81は第1スプリング85の付勢力により弁部材86側に移動する。その結果、図14のB1部に示すように、ニードル81の端面が弁部材86の第1端面861に当接する。
また、ニードル81が弁部材86を付勢する。その結果、図14のB2部に示すように、弁部材86の第2端面862がストッパ88の規制面881に当接する。
このとき、加圧室の容積が増加し、燃料が減圧され、吐出部の吐出弁が吐出口を閉塞する。また、弁部材86のシート部が弁ボディ91の弁座から離れて開弁状態となる。これにより、燃料通路92を経由して加圧室に燃料が吸入される。
以上のように調量弁装置80の吸入行程においては、可動コア83が弁部材86に当接し、弁部材86がストッパ88に当接するが、これらの部材の当接の際に、図16の測定データのBに示されるような衝撃音が発生する。
上述のように従来技術では、調量弁装置80の動作において、可動コア83が固定コア82に当接し、弁部材86のシート部が弁ボディ91の弁座に当接する際や、可動コア83が弁部材86に当接し、弁部材86がストッパ88に当接する際に、衝撃音が発生し、その衝撃音は、時に運転者に違和感を抱かせるのに十分なほど大きなものとなるという問題があった。
以上のような従来技術に対し、第1実施形態による高圧ポンプ10は、燃料を収容する第1収容部411とMR流体を収容する第2収容部412とを隔離する移動可能なピストン415及びピストン415を付勢するスプリング416を有する調量室41、MR流体を収容する容器421とその容器421に内蔵した風船422を有すアキュムレータ室42、並びに第2収容部412に磁界を発生させるコイル43等を備えた調量弁装置40を用いて、調量行程、吐出行程、及び吸入行程を繰り返すことにより、燃料供給部60から吸入した低圧燃料を圧縮し、その圧縮した高圧燃料をコモンレール部70に吐出する。
このとき、調量弁装置40の動作において、部材同士が当接することはなく、従って部材同士の当接に起因する衝撃音も発生しない。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプを、図6及び図7を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態による高圧ポンプの構成と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第1実施形態におけるアキュムレータ室42がMR流体を収容する容器421に風船422を内蔵した構造となっているのに対して、第2実施形態においては、アキュムレータ室42として蛇腹構造を有するベローズ423が用いられる。
即ち、第1実施形態におけるアキュムレータ室42が風船422の収縮・膨張により容器421内に収容するMR流体の容積を変動させるのに対して、第2実施形態は、アキュムレータ室42としてのベローズ423の蛇腹構造を利用して、ベローズ423内に収容するMR流体の容積を変動させる点に特徴がある。
従って、第2実施形態による高圧ポンプ10の作動、特に調量弁装置40の作動は、以下のような態様で行われる。
(I)吸入行程
図6のプランジャ31に付した矢印に示すように、プランジャ31が上死点bから下死点aに向かって下降すると、加圧室12内の燃料の内圧が低下する。このとき、燃料吐出部50の吐出逆止弁52が閉状態となる。
また、プランジャ31の上死点bからの下降と同時に、コイル43への通電が停止される。このコイル43への通電の停止により、磁界が消失するため、調量室41の第2収容部412のMR流体は粘度が急速に低下し流動性が回復した状態となる。
このような状態において、加圧室12内の燃料の内圧の低下に伴い、調量室41の第1収容部411の燃料が第1通路413を通って加圧室12に流入する。そして、第1収容部411の燃料の内圧が、スプリング416の付勢力を加えても第2収容部412のMR流体の内圧より低くなると、図6のピストン415に付した矢印に示すように、ピストン415は第2収容部412側から第1収容部411側に移動する。
このようなピストン415の第1収容部411側への移動により、第2収容部412の容積が大きくなり、この第2収容部412に第2通路414を通ってアキュムレータ室42としてのベローズ423内のMR流体が流入する。
このとき、ベローズ423内のMR流体の内圧が低くなるため、ベローズ423の蛇腹構造は、図6に示すように縮短する。そして、このベローズ423の蛇腹構造の縮短により、ベローズ423内に収容されるMR流体の容積は小さくなる。
また、加圧室12内の燃料の内圧の低下に伴い、燃料吸入部20の吸入逆止弁22が開状態となる。その結果、燃料供給部60からの燃料が燃料吸入部20の吸入通路21及び吸入逆止弁22を通って加圧室12に吸入される。
(II)調量行程
プランジャ31が下死点aから上死点bに向かって上昇すると、加圧室12内の燃料が圧縮されて内圧が高くなる。このとき、燃料吸入部20の吸入逆止弁22は閉状態となる。また、吐出逆止弁52も閉状態を維持している。また、コイル43への通電は停止されたままであるため、第2収容部412のMR流体は流動性が高い状態となっている。
このような状態において、加圧室12内の内圧が高くなった燃料は、調量室41の第1収容部411に流入する。このため、ピストン415は第1収容部411側から第2収容部412側に移動する。このようなピストン415の第2収容部412側への移動により、第2収容部412のMR流体がアキュムレータ室42としてのベローズ423内に押し出される。
このとき、ベローズ423内のMR流体の内圧が高くなるため、ベローズ423は、その蛇腹構造が伸長する。そして、このベローズ423の蛇腹構造の伸長により、ベローズ423内に収容されるMR流体の容積が大きくなる。
(III)吐出行程
上記の調量行程が進行する所定の時点において、コイル43への通電が開始され、発生した磁界が調量室41の第2収容部412のMR流体に印加されるため、第2収容部412のMR流体は粘度が急速に高まり、流動性が失われる。このような第2収容部412のMR流体の硬化により、ピストン415は移動を停止する。また、ベローズ423の蛇腹構造も、図7に示すように伸長したままの状態で伸縮も停止する。
なお、第2収容部412のMR流体が硬化した状態を図7では多数のドットを付して表すことにする。
このような状態において、図7のプランジャ31に付した矢印に示すように、プランジャ31は引き続き上死点bに向かって上昇する。このとき、調量室41内のピストン415が停止状態であるため、加圧室12内の燃料が調量室41の第1収容部411に流入できず、加圧室12内の燃料は更に圧縮され内圧は更に高くなる。
このようにして、加圧室12内の燃料の内圧が高くなると、燃料吐出部50の吐出逆止弁52は開状態となる。その結果、加圧室12内で圧縮された高圧燃料が、燃料吐出部50の吐出通路51及び吐出逆止弁52を通ってコモンレール部70に吐出される。
以上のように、第2実施形態による高圧ポンプ10は、第1実施形態におけるMR流体を収容する容器421とその容器421に内蔵された風船422とを有すアキュムレータ室42の代わりに、MR流体を収容するベローズ423をアキュムレータ室42とする調量弁装置40を用いて、吸入行程、調量行程、及び吐出行程を繰り返すことにより、燃料供給部60から吸入した低圧燃料を圧縮し、その圧縮した高圧燃料をコモンレール部70に吐出する。
このとき、調量弁装置40の動作において、部材同士が当接することはなく、従って部材同士の当接に起因する衝撃音も発生しない。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプを、図8を参照しつつ説明する。なお、第1及び第2実施形態による高圧ポンプの構成と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態がアキュムレータ室42として蛇腹構造のベローズ423を用いているのに対して、第3実施形態は、ベローズ423の代わりに、その一部に弾性膜を有するダイアフラム424をアキュムレータ室42として用いている。
即ち、第2実施形態におけるアキュムレータ室42としてのベローズ423が、その蛇腹構造の伸縮によりベローズ423内に収容するMR流体の容積を変動させるのに対して、第3実施形態におけるアキュムレータ室42としてのダイアフラム424は、その弾性膜の伸縮によりダイアフラム424内に収容するMR流体の容積を変動させる点に特徴がある。
従って、第3実施形態による高圧ポンプ10の作動、特に調量弁装置40の作動は、以下のような態様で行われる。
(I)吸入行程においては、図8のプランジャ31に付した矢印に示すように、プランジャ31が上死点bから下死点aに向かって下降すると、加圧室12内の燃料の内圧が低下する。このとき、燃料吐出部50の吐出逆止弁52が閉状態となる。また、コイル43への通電の停止により磁界が消失するため、調量室41の第2収容部412のMR流体は高い流動性を維持する。
このような状態において、加圧室12内の燃料の内圧の低下に伴い、調量室41の第1収容部411の燃料が加圧室12に流入し、図8のピストン415に付した矢印に示すように、ピストン415が第2収容部412側から第1収容部411側に移動する。このようなピストン415の移動により、容積が大きくなった第2収容部412にアキュムレータ室42としてのダイアフラム424内のMR流体が流入する。
このとき、第2実施形態におけるベローズ423がその蛇腹構造を縮小する場合と類似して、第3実施形態においては、図8に示すようにダイアフラム424がその弾性膜を縮短する。そして、このダイアフラム424の弾性膜の縮短により、ダイアフラム424内に収容されるMR流体の容積は小さくなる。
また、加圧室12内の燃料の内圧の低下に伴い、燃料吸入部20の吸入逆止弁22が開状態となる。その結果、燃料供給部60からの燃料が燃料吸入部20の吸入通路21及び吸入逆止弁22を通って加圧室12に吸入される。
(II)調量行程においては、プランジャ31が下死点aから上死点bに向かって上昇すると、加圧室12内の燃料が圧縮されて内圧が高くなる。このとき、燃料吸入部20の吸入逆止弁22は閉状態となる。また、吐出逆止弁52も閉状態を維持している。また、コイル43への通電は停止されたままであり、第2収容部412のMR流体は流動性が高い状態となっている。
このような状態において、加圧室12内の内圧が高くなった燃料は、調量室41の第1収容部411に流入し、ピストン415が第1収容部411側から第2収容部412側に移動するため、第2収容部412のMR流体がアキュムレータ室42としてのベローズ423内に押し出され、ベローズ423内のMR流体の内圧が高くなる。
このとき、第2実施形態におけるベローズ423がその蛇腹構造を伸長する場合と類似して、第3実施形態においては、ダイアフラム424がその弾性膜を伸長する。そして、このダイアフラム424の弾性膜の伸長により、ダイアフラム424内に収容されるMR流体の容積が大きくなる。
(III)吐出行程においては、上記の調量行程が進行する所定の時点において、コイル43への通電が開始され、発生した磁界が調量室41の第2収容部412のMR流体に印加されるため、第2収容部412のMR流体は流動性が失われる。このような第2収容部412のMR流体の硬化により、調量室41のピストン415は移動を停止する。また、アキュムレータ室42としてのダイアフラム424の弾性膜も、伸長したままの状態で伸縮を停止する。
このような状態において、プランジャ31が引き続き上死点bに向かって上昇すると、調量室41のピストン415が停止状態であり、加圧室12内の燃料が第1収容部411に流入できないため、加圧室12内の燃料が更に圧縮されて内圧が更に高くなる。
このようにして、加圧室12内の燃料の内圧が高くなると、燃料吐出部50の吐出逆止弁52は開状態となる。その結果、加圧室12内で圧縮された高圧燃料が、燃料吐出部50の吐出通路51及び吐出逆止弁52を通ってコモンレール部70に吐出される。
以上のように、第3実施形態による高圧ポンプ10は、第2実施形態におけるMR流体を収容するベローズ423をアキュムレータ室42とする代わりに、MR流体を収容するダイアフラム424をアキュムレータ室42とする調量弁装置40を用いて、吸入行程、調量行程、及び吐出行程を繰り返すことにより、燃料供給部60から吸入した低圧燃料を圧縮し、その圧縮した高圧燃料をコモンレール部70に吐出する。
このとき、調量弁装置40の動作において、部材同士が当接することはなく、従って部材同士の当接に起因する衝撃音も発生しない。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプを、図9を参照しつつ説明する。なお、第1〜第3実施形態による高圧ポンプの構成と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第1実施形態におけるアキュムレータ室42が容器421に風船422を内蔵した構造となっているのに対して、第4実施形態におけるアキュムレータ室42は、容器421内に移動可能なピストン425を設置した構造となっている。そして、容器421の調量室41側の内壁とピストン425とによって区画される空間に、MR流体が容積変動可能に収容される。この容器421内に収容されるMR流体は、調量室41の第2通路414を介して第2収容部412のMR流体と連通している。また、ピストン425のMR流体を収容する側と反対の側には、スプリング426が設けられている。このスプリング426は、MR流体を収容する側にピストン425を付勢する。
即ち、第1実施形態におけるアキュムレータ室42が風船422の収縮・膨張により容器421内に収容するMR流体の容積を変動させるのに対して、第4実施形態におけるアキュムレータ室42は、ピストン425とスプリング426を利用して、ピストン425の移動により容器421内に収容するMR流体の容積を変動させる点に特徴がある。
従って、第4実施形態による高圧ポンプ10の作動、特に調量弁装置40の作動は、以下のような態様で行われる。
(I)吸入行程においては、図9のプランジャ31に付した矢印に示すように、プランジャ31が上死点bから下死点aに向かって下降すると、加圧室12内の燃料の内圧が低下する。このとき、燃料吐出部50の吐出逆止弁52が閉状態となる。また、コイル43への通電の停止により磁界が消失するため、調量室41の第2収容部412のMR流体は高い流動性を維持する。
このような状態において、加圧室12内の燃料の内圧の低下に伴い、調量室41の第1収容部411の燃料が加圧室12に流入し、図9のピストン415に付した矢印に示すように、ピストン415が第1収容部411側に移動する。このようなピストン415の移動により、容積が大きくなった第2収容部412にアキュムレータ室42の容器421内のMR流体が流入する。
このとき、第1実施形態における風船422が容器421内のMR流体の内圧に勝って膨張する場合と類似して、第4実施形態においては、スプリング426に付勢されたピストン425がMR流体を収容する側に移動する。そして、このピストン425の移動により、容器421内に収容されるMR流体の容積は小さくなる。
また、加圧室12内の燃料の内圧の低下に伴い、燃料吸入部20の吸入逆止弁22が開状態となる。その結果、燃料供給部60からの燃料が燃料吸入部20の吸入通路21及び吸入逆止弁22を通って加圧室12に吸入される。
(II)調量行程においては、プランジャ31が下死点aから上死点bに向かって上昇すると、加圧室12内の燃料が圧縮されて内圧が高くなる。このとき、燃料吸入部20の吸入逆止弁22は閉状態となる。また、吐出逆止弁52も閉状態を維持している。また、コイル43への通電は停止されたままであり、調量室41の第2収容部412のMR流体は流動性が高い状態となっている。
このような状態において、加圧室12内の内圧が高くなった燃料は、調量室41の第1収容部411に流入し、ピストン415が第1収容部411側から第2収容部412側に移動するため、第2収容部412のMR流体がアキュムレータ室42の容器421内に押し出され、容器421内のMR流体の内圧が高くなる。
このとき、第1実施形態における風船422が容器421内のMR流体の内圧を受けて収縮する場合と類似して、第4実施形態においては、容器421内のMR流体の内圧がスプリング426の付勢力に勝ってピストン425がMR流体を収容する側と反対側に移動する。そして、このピストン425の移動により、容器421内に収容されるMR流体の容積が大きくなる。
(III)吐出行程においては、上記の調量行程が進行する所定の時点において、コイル43への通電の開始によって発生する磁界により、調量室41の第2収容部412のMR流体が硬化し、ピストン415は移動を停止する。また、アキュムレータ室42の容器421内のピストン425も移動を停止する。
このような状態において、プランジャ31が引き続き上死点bに向かって上昇すると、調量室41のピストン415が停止状態であるため、加圧室12内の燃料が更に圧縮されて内圧が更に高くなり、燃料吐出部50の吐出逆止弁52は開状態となる。その結果、加圧室12内で圧縮された高圧燃料が、燃料吐出部50の吐出通路51及び吐出逆止弁52を通ってコモンレール部70に吐出される。
以上のように、第4実施形態による高圧ポンプ10は、第1実施形態におけるMR流体を収容する容器421とその容器421に内蔵された風船422を有すアキュムレータ室42の代わりに、MR流体を収容する容器421とその容器421内に設置されたピストン425及びスプリング426を有すアキュムレータ室42を備えた調量弁装置40を用いて、吸入行程、調量行程、及び吐出行程を繰り返すことにより、燃料供給部60から吸入した低圧燃料を圧縮し、その圧縮した高圧燃料をコモンレール部70に吐出する。
このとき、調量弁装置40の動作において、部材同士が当接することはなく、従って部材同士の当接に起因する衝撃音も発生しない。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプを、図10を参照しつつ説明する。なお、第1〜第4実施形態による高圧ポンプの構成と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態における調量室41が第1収容部411と第2収容部412とを隔離するピストン415とこのピストン415の移動を付勢するスプリング416を備えているのに対して、第5実施形態における調量室41は、第1収容部411と第2収容部412とを隔離する「隔離部材」且つ「容積変動部材」としてベローズ417を備えている。そして、このベローズ417の内部が加圧室12内の燃料と第1通路413を介して連通する燃料を収容する第1収容部411となる。また、ベローズ417の外部がアキュムレータ室42としてのベローズ423内のMR流体と第2通路414を介して連通するMR流体を収容する第2収容部412となる。
即ち、第2実施形態における調量室41がピストン415の移動により第1収容部411の容積と第2収容部412の容積を変動させるのに対して、第5実施形態の調量室41は、ベローズ417の蛇腹構造の伸縮により、ベローズ417の内部の第1収容部411の容積とベローズ417の外部の第2収容部412の容積を変動させる点に特徴がある。
従って、第5実施形態による高圧ポンプ10の作動、特に調量弁装置40の作動は、以下のような態様で行われる。
(I)吸入行程においては、図10のプランジャ31に付した矢印に示すように、プランジャ31が上死点bから下死点aに向かって下降すると、加圧室12内の燃料の内圧が低下する。このとき、燃料吐出部50の吐出逆止弁52が閉状態となる。また、コイル43への通電の停止により磁界が消失するため、第2収容部412のMR流体は高い流動性を維持する。
このような状態において、加圧室12内の燃料の内圧の低下に伴い、調量室41のベローズ417の内部の第1収容部411の燃料が加圧室12に流入し、図10に示すように、ベローズ417の蛇腹構造は縮短する。このベローズ417の蛇腹構造の縮短により、容積が大きくなったベローズ417の外部の第2収容部412にアキュムレータ室42としてのベローズ423内のMR流体が流入する。
このとき、アキュムレータ室42としてのベローズ423内のMR流体の内圧が低くなるため、ベローズ423の蛇腹構造は第2実施形態の図6に示す場合と同様に縮短する。そして、このベローズ423の蛇腹構造の縮短により、ベローズ423内に収容されるMR流体の容積は小さくなる。
また、加圧室12内の燃料の内圧の低下に伴い、燃料吸入部20の吸入逆止弁22が開状態となる。その結果、燃料供給部60からの燃料が燃料吸入部20の吸入通路21及び吸入逆止弁22を通って加圧室12に吸入される。
(II)調量行程においては、プランジャ31が下死点aから上死点bに向かって上昇すると、加圧室12内の燃料が圧縮されて内圧が高くなる。このとき、燃料吸入部20の吸入逆止弁22は閉状態となる。また、吐出逆止弁52も閉状態を維持している。また、コイル43への通電は停止されたままであり、調量室41のベローズ417の外部の第2収容部412のMR流体は流動性が高い状態となっている。
このような状態において、加圧室12内の内圧が高くなった燃料は、調量室41のベローズ417の内部の第1収容部411に流入し、第1収容部411の燃料の内圧が高くなるため、ベローズ417の蛇腹構造は伸長する。このベローズ417の蛇腹構造の伸長により、調量室41のベローズ417の外部の第2収容部412の容積が小さくなり、第2収容部412のMR流体がアキュムレータ室42としてのベローズ423内に押し出される。
このとき、ベローズ423内のMR流体の内圧が高くなるため、ベローズ423の蛇腹構造が伸長する。そして、このベローズ423の蛇腹構造の伸長により、ベローズ423内に収容されるMR流体の容積が大きくなる。
(III)吐出行程においては、上記の調量行程が進行する所定の時点において、コイル43への通電の開始によって発生する磁界により、調量室41のベローズ417の外部の第2収容部412のMR流体が硬化するため、ベローズ417の蛇腹構造の伸縮が停止する。また、アキュムレータ室42としてのベローズ423の蛇腹構造も、伸長したままの状態で伸縮も停止する。
このような状態において、プランジャ31が引き続き上死点bに向かって上昇すると、調量室41のベローズ417の蛇腹構造の伸縮が停止状態であるため、加圧室12内の燃料が更に圧縮されて内圧が更に高くなり、燃料吐出部50の吐出逆止弁52は開状態となる。その結果、加圧室12内で圧縮された高圧燃料が、燃料吐出部50の吐出通路51及び吐出逆止弁52を通ってコモンレール部70に吐出される。
以上のように、第5実施形態による高圧ポンプ10は、第2実施形態における第1収容部411と第2収容部412とを隔離する移動可能なピストン415等を有する調量室41の代わりに、第1収容部411と第2収容部412とを隔離する蛇腹構造のベローズ417を有する調量室41を備えた調量弁装置40を用い、吸入行程、調量行程、及び吐出行程を繰り返すことにより、燃料供給部60から吸入した低圧燃料を圧縮し、その圧縮した高圧燃料をコモンレール部70に吐出する。
このとき、調量弁装置40の動作において、部材同士が当接することはなく、従って部材同士の当接に起因する衝撃音も発生しない。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態による調量弁装置を用いた高圧ポンプを、図11及び図12を参照しつつ説明する。なお、第1〜第5実施形態による高圧ポンプの構成と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第5実施形態が、調量室41の第2収容部412及び第2通路414内並びにアキュムレータ室42内にMR流体を収容し、第2収容部412の周囲にコイル43を設けているのに対して、第6実施形態は、調量室41の第2収容部412及び第2通路414並びにアキュムレータ室42内にER流体を収容し、第2通路414を挟んで「電磁界印加手段」としての一対の電極45を設けている。そして、この一対の電極45は、スイッチ46を介して電源47に接続されている。また、スイッチ46は、スイッチ46を開閉するタイミングを制御するECU44に接続されている。
即ち、第5実施形態が、吐出行程においてコイル43に通電し磁界を発生させ、調量室41の第2収容部412のMR流体を硬化することにより、ベローズ417の蛇腹構造の伸縮を停止し加圧室12内の燃料の第1収容部411への流入を阻止するのに対して、第6実施形態は、吐出行程において一対の電極45に所定の電圧を印加して電界を発生させ、調量室41の第2通路414内のER流体を硬化することにより、ベローズ417の蛇腹構造の伸縮を停止し、加圧室12内の燃料の第1収容部411への流入を阻止する点に特徴がある。
以下に、第6実施形態による高圧ポンプ10の作動、特に調量弁装置40の作動について説明する。なお、第1〜第5実施形態による高圧ポンプの構成と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(I)吸入行程
図11のプランジャ31に付した矢印に示すように、プランジャ31が上死点bから下死点aに向かって下降すると、加圧室12内の燃料の内圧が低下する。このとき、燃料吐出部50の吐出逆止弁52は閉状態となる。また、ECU44からの制御信号によりスイッチ46が開状態となり、一対の電極45への電圧印加が停止されているため、電界は発生しておらず、調量室41の第2通路414内のER流体は高い流動性を保持した状態となっている。
このような状態において、加圧室12内の燃料の内圧の低下に伴い、調量室41のベローズ417の内部の第1収容部411の燃料が第1通路413を通って加圧室12に流入する。このため、第1収容部411の燃料の内圧が低下し、図11に示すように、ベローズ417の蛇腹構造が縮短する。
このようなベローズ417の蛇腹構造の縮短により、ベローズ417の外部の第2収容部412の容積が大きくなり、この第2収容部412に第2通路414を通ってアキュムレータ室42としてのベローズ423内のER流体が流入する。このとき、ベローズ423内のER流体の内圧が低くなるため、ベローズ423の蛇腹構造は図11に示すように縮短する。そして、このベローズ423の蛇腹構造の縮短により、ベローズ423内に収容されるER流体の容積は小さくなる。
また、加圧室12内の燃料の内圧の低下に伴い、燃料吸入部20の吸入逆止弁22が開状態となる。その結果、燃料タンク61内の燃料が燃料吸入部20の吸入通路21及び吸入逆止弁22を通って加圧室12に吸入される。
(II)調量行程
プランジャ31が下死点aから上死点bに向かって上昇すると、加圧室12内の燃料が圧縮されて内圧が高くなる。このとき、燃料吸入部20の吸入逆止弁22は閉状態となる。また、燃料吐出部50の吐出逆止弁52も閉状態を維持している。また、スイッチ46は開状態で、一対の電極45への電圧印加は停止されたままであるため、調量室41の第2通路414内のER流体は高い流動性を保持した状態となっている。
このような状態において、加圧室12内の内圧が高くなった燃料は、調量室41のベローズ417の内部の第1収容部411に流入する。このため、第1収容部411の燃料の内圧が高くなり、ベローズ417の蛇腹構造は伸長する。このようなベローズ417の蛇腹構造の伸長により、ベローズ417の外部の第2収容部412の容積が小さくなり、第2収容部412のER流体が第2通路414を通ってアキュムレータ室42としてのベローズ423内に押し出される。
このとき、ベローズ423内のER流体の内圧が高くなるため、ベローズ423の蛇腹構造は伸長する。そして、このベローズ423の蛇腹構造の伸長により、ベローズ423内に収容されるER流体の容積が大きくなる。
(III)吐出行程
上記の調量行程が進行する所定の時点において、ECU44からの制御信号によりスイッチ46が閉状態となり、一対の電極45への電圧印加が開始され、電界が発生して調量室41の第2通路414内のER流体に印加される。このため、第2通路414内のER流体は粘度が急速に高まり、流動性が失われる。このような第2通路414内のER流体の硬化により、ベローズ417の蛇腹構造の伸縮は停止する。また、アキュムレータ室42としてのベローズ423の蛇腹構造も、図12に示すように伸長したままの状態で伸縮を停止する。
なお、第2通路414内のER流体が硬化した状態を図12では多数のドットを付して表すことにする。
このような状態において、図12のプランジャ31に付した矢印に示すように、プランジャ31が引き続き上死点bに向かって上昇する。このとき、調量室41内のベローズ417の蛇腹構造の伸縮が停止状態であるため、加圧室12内の燃料が調量室41の第1収容部411に流入できず、加圧室12内の燃料は更に圧縮され内圧は更に高くなる。
このようにして、加圧室12内の燃料の内圧が高くなると、燃料吐出部50の吐出逆止弁52は開状態となる。その結果、加圧室12内で圧縮された高圧燃料が、燃料吐出部50の吐出通路51及び吐出逆止弁52を通ってコモンレール部70に吐出される。
以上のように、第6実施形態による高圧ポンプ10は、第5実施形態における調量室41の第2収容部412及び第2通路414内並びにアキュムレータ室42内にMR流体を収容し、第2収容部412の周囲にコイル43を設ける代わりに、調量室41の第2収容部412及び第2通路414内並びにアキュムレータ室42内にER流体を収容し、第2通路414を挟んで一対の電極45を設ける調量弁装置40を用いて、吸入行程、調量行程、及び吐出行程を繰り返すことにより、燃料供給部60から吸入した低圧燃料を圧縮し、その圧縮した高圧燃料をコモンレール部70に吐出する。
このとき、調量弁装置40の動作において、部材同士が当接することはなく、従って部材同士の当接に起因する衝撃音も発生しない。
(その他の実施形態)
(ア)第1〜第5実施形態では、磁界を発生させる「電磁界印加手段」としてのコイル43が調量室41の第2収容部412の周囲に設けられているが、このコイル43の設置位置は、第6実施形態における一対の電極45の場合に類似して、調量室41の第2通路414の周囲であってもよい。但し、MR流体は、比較的弱い磁界でも硬化するため、MR流体を収容する容積の大きい第2収容部412の周囲に設けることが好ましい。
(イ)第6実施形態では、電界を発生させる「電磁界印加手段」としての一対の電極45が調量室41の第2通路414を挟んで設けられているが、この一対の電極45の設置位置は、第1〜第5実施形態におけるコイル43の場合に類似して、調量室41の第2収容部412を挟む位置であってもよい。但し、電界をより効果的に発生させるためには、一対の電極45間の距離が近くなる第2通路414に設けることが好ましい。
(ウ)第1〜第4実施形態では、第1収容部411と第2収容部412とを隔離し、第1収容部411の燃料の容積と第2収容部412のMR流体の容積を変動させる「隔離部材」として、調量室41内にピストン415を備え、このピストン415の移動を付勢するスプリング416を第1収容部411側に設けているが、このスプリング416は第2収容部412側に設けてもよい。第2収容部412側に設けたスプリングも、第1収容部411側に設けた場合と同様に、ピストン415の移動を付勢する機能を発揮することができる。
更に言えば、スプリング416は必ずしも設けなくてもよい。但し、この場合、ピストン415は第1収容部411の燃料の内圧と第2収容部412のMR流体の内圧とのバランスのみにより調量室41内を移動することになる。
(エ)第5実施形態では、第1収容部411と第2収容部412とを隔離し、第1収容部411の燃料の容積と第2収容部412のMR流体の容積を変動させる「容積変動部材」として、ベローズ417を用いているが、このベローズ417の代わりに、風船やダイアフラムを用いてもよい。
(オ)第6実施形態では、第1収容部411と第2収容部412とを隔離し、第1収容部411の燃料の容積と第2収容部412のER流体の容積を変動させる「容積変動部材」としてベローズ417を用いているが、このベローズ417の代わりに、風船やダイアフラム等の容積変動部材を用いてもよいし、ピストンやピストンとスプリングとの組合せを用いてもよい。
(カ)第1実施形態では、アキュムレータ室42における容器421内のMR流体の容積を変動させる手段として、「体積変動部材」としての風船422を用い、第4実施形態では、同じくピストン415とスプリング426との組合せを用いているが、これら風船422やピストン415とスプリング426との組合せの代わりに、例えばベローズやダイアフラム等を体積変動部材として用いてもよい。
(キ)第2、第3、第5実施形態では、収容するMR流体の容積を変動させるアキュムレータ室42としてベローズ423、ダイアフラム424を用いているが、これらベローズ423やダイアフラム424の代わりに、風船等をアキュムレータ室42として用いてもよい。
(ク)第6実施形態では、収容するER流体の容積を変動させるアキュムレータ室42としてベローズ423を用いているが、このベローズ423の代わりに、例えば風船やダイアフラム等をアキュムレータ室42として用いてもよいし、アキュムレータ室42のER流体を収容する容器内に風船やベローズやダイアフラムやピストンとスプリングとの組合せ等を設置してもよい。
(ケ)第1〜第5実施形態では、図1〜図4、図6〜図11に示すように、第2収容部412の内壁に凹凸が形成されていないが、調量室41内でのピストン415の移動やベローズ417の伸縮を阻害しない範囲で、第2収容部412の内壁に凹凸を形成することが好適である。この場合、第2収容部412の周囲に設けられているコイル43への通電により磁界を発生させて第2収容部412のMR流体を硬化する際に、MR流体の硬化がより容易に進行するという効果を奏する。
(コ)第6実施形態では、図11及び図12に示すように、第2通路414の内壁に凹凸が形成されていないが、第2通路414の内壁に凹凸を形成することが好適である。この場合、第2通路414を挟んで設けられている一対の電極45への電圧印加により電界を発生させて第2通路414内のER流体を硬化する際に、ER流体の硬化がより容易に進行するという効果を奏する。
(サ)第1〜第6実施形態における調量弁装置40は、低圧燃料を圧縮して高圧燃料を吐出する高圧ポンプ10に用いられる場合を説明したが、本願発明の「調量弁装置」はこのような用途に限定されるものではなく、燃料のみならず、他の液体や気体等の流体を対象とする高圧ポンプにも広く利用することが可能である。
更に言えば、本願発明の「調量弁装置」は、液体や気体等の流体を対象とする調量弁装置自体として、高圧ポンプ以外にも広く利用することが可能である。
以上のように、本発明は上記のような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
10 ・・・高圧ポンプ、
40 ・・・調量弁装置、 41 ・・・調量室、
411 ・・・第1収容部、 412 ・・・第2収容部、
413 ・・・第1通路、 414 ・・・第2通路、
415 ・・・ピストン(隔離部材)、 416 ・・・スプリング、
417 ・・・ベローズ(隔離部材、容積変動部材)、
42 ・・・アキュムレータ室、
421 ・・・容器、 422 ・・・風船(体積変動部材)、
423 ・・・ベローズ、 424 ・・・ダイアフラム、
425 ・・・ピストン、 426 ・・・スプリング、
43 ・・・コイル(電磁界印加手段)、
45 ・・・電極(電磁界印加手段)。

Claims (5)

  1. 流体を容積変動可能に収容する第1収容部(411)と、電磁界の印加により粘度が可逆的に変化する機能性流体を容積変動可能に収容する第2収容部(412)と、前記第1収容部に連結する第1通路(413)と、前記第2収容部に連結する第2通路(414)と、前記第1収容部と前記第2収容部とを隔離し、前記第1収容部の前記流体の内圧に応じて弾性変形を生じる容積変動部材(417)からなる隔離部材と、を有する調量室(41)と、
    前記調量室の前記第2通路を介して前記第2収容部に連結し、前記調量室内の前記機能性流体と連通する機能性流体を容積変動可能に収容するアキュムレータ室(42)と、
    前記調量室内の前記機能性流体に電磁界を印加する電磁界印加手段(43、45)と、
    を備え、前記容積変動部材は、ベローズ(417)、ダイアフラム、又は風船であり、前記容積変動部材の内部が前記第1収容部となり、前記容積変動部材の外部が前記第2収容部となる調量弁装置(40)を用いた高圧ポンプ(10)であって、
    前記調量弁装置と、
    前記調量弁装置の前記調量室の前記第1収容部に前記第1通路を介して連結する加圧室(12)を有するポンプボディ(11)と、
    前記加圧室に燃料供給部から燃料を供給する吸入通路(21)と、前記吸入通路に設置される吸入逆止弁(22)と、を有する燃料吸入部(20)と、
    前記ポンプボディに形成されたシリンダ内に収容され、往復移動により前記加圧室内の燃料を圧縮するプランジャ(31)と、
    前記加圧室内の圧縮された燃料を吐出する吐出通路(51)と、前記吐出通路に設置される吐出逆止弁(52)と、を有する燃料吐出部(50)と、
    を備え、
    前記調量弁装置の前記調量室内に収容される前記流体は、前記加圧室の燃料と連通する燃料であることを特徴とする高圧ポンプ。
  2. 前記機能性流体は、磁気粘性流体であり、前記電磁界印加手段は、磁界を発生させるコイル(43)であることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ
  3. 前記コイルは、前記調量室の前記第2収容部の周囲に設けられることを特徴とする請求項2に記載の高圧ポンプ
  4. 前記機能性流体は、電気粘性流体であり、前記電磁界印加手段は、電界を発生させる一対の電極(45)であることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ
  5. 前記一対の電極は、前記調量室の前記第2通路を挟んで設けられることを特徴とする請求項4に記載の高圧ポンプ
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