JP6263968B2 - 集電体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池等の蓄電装置に用いられる集電体を製造する方法に関する。
蓄電装置の電極は、集電体と、当該集電体に積層された活物質とで構成されるのが一般的である。集電体は、導電性に優れる金属箔等(例えばアルミニウム箔)からなるのが一般的である。ところで、集電体は電解液と直接接触するため、蓄電装置の駆動時に電解液と反応して劣化する可能性があった。例えば集電体基材がアルミニウム製である場合には、蓄電装置の駆動時に、集電体の表面に酸化アルミニウムを主成分とする不動態皮膜が形成される。この不動態皮膜が存在することで、集電体の内部抵抗が増大し、電池性能、特に出力特性を向上させ難い場合がある。このため、近年では、蓄電装置用の集電体の表面にコート層を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。集電体基材の表面にコート層を設けることで、電解液との直接的な接触を抑制し、上述したような集電体基材の劣化を抑制できると考えられる。以下、特に説明のない場合には、集電体とはコート層を持つものを指し、コート層を持たない集電体を集電体基材と呼ぶ。換言すると、本明細書における集電体とは、集電体基材と、当該集電体基材の表面に設けられたコート層とを含むものを指す。
上述したように、コート層を設けることで、集電体の劣化を抑制することが可能だと考えられる。しかし、コート層が集電体基材から脱離すると、この劣化抑制効果が十分に発揮されない。したがって、コート層と集電体基材とは充分に密着する必要がある。しかし、特許文献1に紹介されているような従来の集電体においては、コート層と集電体とが充分に密着しているとは言い難く、集電体基材に対するコート層の密着性がより向上した集電体が望まれている。
特開2008−160053号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、集電体基材に対するコート層の密着性に優れる集電体を製造する技術を提供することを目的とする。
本発明の発明者等は、鋭意研究の結果、集電体基材とコート層とを含む集電体を製造する際に、集電体基材における表面の最大高さ粗さ、集電体基材の厚さ、集電体基材の表面に塗布したコート材の厚さ、当該コート材の固形分率、および、導電性粒子の凝集粒径を最適な関係することで、集電体基材に対するコート層の密着性に優れる集電体を製造し得ることを見出した。
すなわち、上記課題を解決する本発明の集電体の製造方法は、金属製の集電体基材の表面に凹凸を形成する表面加工工程と、
前記表面加工工程後の前記集電体基材の表面にコート材を塗布し、前記コート材を原料とするコート層を形成するコート工程と、を備え、
前記コート材は、水系溶媒と、前記水系溶媒に分散および/または溶解された導電性粒子と、を含み、
前記集電体基材における前記表面の最大高さ粗さをRz(μm)、前記集電体基材の厚さをt(μm)、前記表面加工工程で前記集電体基材の前記表面に塗布した前記コート材の厚さをZc(μm)、前記コート材の固形分率をNV(%)、および、前記導電性粒子の凝集粒径をXp(nm)としたときに、
前記Rzと前記tとの関係は、Rz<(t/2)を満たし、
前記Zc、前記NVおよび前記Rzの関係は、Zc×NV≦100Rzを満たし、かつ、
前記Xp、前記Zcおよび前記NVの関係は、Xp≦Zc×NVを満たす方法である。
本発明の集電体の製造方法によると、集電体基材に対するコート層の密着性の向上した集電体を得ることが可能である。
以下に、本発明を実施するための形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「a〜b」は、下限aおよび上限bをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
以下、必要に応じて、本発明の集電体の製造方法で得られた集電体を本発明の集電体と呼ぶ。また、当該集電体を含む電極を本発明の電極と呼ぶ。さらに、当該電極を含む蓄電装置を本発明の蓄電装置と呼ぶ。
<集電体>
本発明の集電体は、集電体基材と、コート層とを備える。
集電体基材は、蓄電装置の放電または充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子高伝導体である。集電体基材としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、またはその合金が例示される。例えば、ステンレス鋼などを選択することもできる。
集電体基材は、箔状、シート状、フィルム状、線状、棒状、メッシュ状などの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。さらに、コストや入手し易さ等を考慮すると、集電体基材はアルミニウム箔からなるのが好ましい。この場合、アルミニウム箔の材料はアルミニウム単体であっても良いし、アルミニウム合金であっても良い。
コート層は集電体基材の一表面にのみ形成しても良いし、二表面に形成しても良い。或いは、集電体基材の全体を覆っても良い。さらに、コート層は集電体基材の一表面の全体に形成しても良いし、集電体基材の一表面の一部にのみ形成しても良い。コート層を集電体基材の二表面以上に形成する場合にも同様に、集電体基材の表面の一部にコート層を形成しない部分を設けても良い。
コート層は導電性粒子を含む。また、コート層は導電性粒子以外にも、バインダ等の添加剤を含んでも良い。
導電性粒子は、粒子状をなす導電性材料を指す。導電性粒子は粒状であれば良くその形状は特に限定しない。導電性粒子の好ましい粒径については後述する。
導電性粒子を構成する導電性材料は、本発明の集電体の使用環境に応じて適宜選択すれば良いが、導電性酸化物、炭素材料、金属材料、導電性セラミックスの少なくとも一種を単独でまたは複数種併せて使用することが好ましい。具体的には、導電性酸化物としては、酸化スズ、酸化インジウム、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化銀、酸化亜鉛、酸化タングステンから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。炭素材料としては、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。金属材料としては、ニッケル、銀、金、白金から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。導電性セラミックスとしては、チタンカーバイトおよび/またはチタンナイトライドが挙げられる。
バインダは、上述した導電性粒子を集電体基材の表面に繋ぎ止める役割を果たすものである。バインダは、コート層に残存しても良いし、後述するコート材には含まれるがコート層には残存しなくても良い。つまり、バインダは、コート層が形成される際に揮発、燃焼等して消失しても良い。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、およびフッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、およびポリアクリロニトリル(PAN)等の熱可塑性樹脂、ポリイミドおよびポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂を例示することができる。
また、バインダとして、親水基を有するポリマーを採用してもよい。親水基を有するポリマーの親水基としては、カルボキシル基、スルホ基、シラノール基、アミノ基、水酸基、リン酸基などリン酸系の基などが例示される。
その他の添加剤としては、粘度調整材としてのカルボキシメチルセルロースが挙げられる。
<集電体の製造方法>
本発明の集電体の製造方法は、表面加工工程とコート工程とを備える。以下、本発明の集電体の製造方法を説明する。
〔表面加工工程〕
表面加工工程は、上記した集電体基材の表面に凹凸を形成する工程である。凹凸は如何なる形状であっても良いし、また、如何なる大きさ、深さ、間隔であっても良い。但し、後述するように、集電体基材表面の表面粗さRz(μm)は、集電体基材の厚さt(μm)、後述するコート工程で集電体基材の表面に塗布したコート材の厚さZc(μm)、当該コート材の固形分率NV(%)、および、導電性粒子の凝集粒径Xp(nm)との関係、つまり、後述する関係式(1)〜(3)を満たすように、一定の範囲内に定められる。以下、必要に応じて、集電体基材における表面の最大高さ粗さを、単に、集電体基材の表面粗さと略する。また、表面加工工程で集電体基材の表面に塗布したコート材の厚さを、単に、コート材の塗布厚さと略する。
なお、集電体基材の表面粗さとは、JIS B 0633(2001)における最大高さ粗さRzを指す。
また、コート材の固形分率とは、後述する導電性粒子および水系溶媒を含むコート材全体の質量を100質量%としたときに、当該コート材に含まれる固形分の質量の割合を指す。具体的には、コート工程で得られたコート層の質量を、当該コート層を形成するのに用いたコート材の質量で除し、100をかけた値である。更には、コート材に含まれる水系溶媒以外の成分を固形分とみなして、コート材に含まれる水系溶媒以外の成分の質量をコート材の質量で除し、100をかけた値を固形分量と扱っても良い。
また、集電体基材の厚さtとは、表面加工工程前、つまり、凹凸を形成する前の集電体基材の平均厚さを指す。
また、導電性粒子の凝集粒径とは、導電性粒子の二次粒子径を指し、動的光散乱式粒度分布測定法およびレーザー回折式粒度分布測定法で測定することが可能である。
表面加工工程においては、集電体基材の表面に公知の方法で凹凸を形成する。例えば、集電体基材と同材からなる粒子状材料を集電体基材の表面に凸状に固着して凹凸を形成する方法も採用可能である。しかし、蓄電装置における集電体は比較的薄肉であるため、表面加工工程においては集電体基材の表面を凹状に加工して凹凸形状を形成するのが現実的である。具体的には、やすりやショットブラスト法等の機械的方法を用いて、集電体基材の表面に機械的に凹凸を形成することもできる。或いは、化学エッチングの化学的方法を用いることもできる。具体的には、希硫酸、シュウ酸、ホウ酸等の腐食剤を用いて集電体基材の表面を腐食させて凹凸を形成することも可能である。
表面加工工程で形成する凹状の部分つまり凹部は、行き止まり孔状であっても良いし、溝状であっても良いが、後述するコート材との濡れ性を考慮すると、凹部は微細な孔状ではなく溝状であるのが好ましい。さらに、コート層と集電体基材との密着性を考慮すると、凹部は複数であり、かつ、互いに交叉する方向に延びるのが好ましい。凹部にはコート材が入り込む。つまりコート層は、凹部の内部にも存在する。したがって、このような凹部であれば、凹部内に入り込んだコート層のアンカー効果が多方向に発揮され、コート層が集電体基材からより一層剥離し難くなる。
何れの場合にも、集電体基材の厚さtは5μm以上100μm以下であるのが好ましく、5μm以上50μm以下であるのがより好ましく、5μm以上20μm以下であるのが特に好ましい。集電体基材の厚さtが5μmに満たないと、加工条件によっては凹凸形成時に集電体基材が破損する可能性がある。また、集電体基材の厚さtが過大であると、単位体積に占める集電体の割合が増加し、電池容量の低下を招く可能性がある。
〔コート工程〕
コート工程においては、上記した表面加工工程後の集電体基材の表面に、コート材を塗布する。そして、当該コート材を原料とするコート層を形成する。
コート材は、水系溶媒と導電性粒子とを含み、上述したように、バインダ等の添加剤をさらに含んでも良い。
水系溶媒は、水を含むとともに導電性粒子を分散および/または溶解可能なものである。水系溶媒は、水以外の極性溶媒を含み得る。極性溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、n−プロパノール、アセトン、ジオキサン等の極性の高いものを挙げることができる。なお、水系溶媒は50体積%以上の水を含むのが好ましい。
導電性粒子の凝集粒径Xpは、10nm以上1000nm以下であるのが好ましく、20nm以上500nm以下であるのがより好ましく、50nm以上200nm以下であるのが特に好ましい。コート層には、互いに隣接する複数の導電性粒子による導電パスが形成される。導電性粒子の凝集粒径Xpが過小であれば、充分な厚さのコート層を形成するのに必要な導電性粒子の量が過大になる。また、導電性粒子の凝集粒径Xpが過大であれば、好ましい厚さのコート層に含まれる導電性粒子の量が過小になり、コート層に充分な量の導電パスを形成し難い。
水系溶媒と導電性粒子との配合割合は特に限定しないが、コート材の塗布厚さおよびコート材の固形分率が、後述する関係式(1)〜(3)を満たすように適宜設定すれば良い。
コート材の塗布厚さZcは、500nm以上20μm以下であるのが好ましく、1μm以上15μm以下であるのがより好ましく、1μm以上8μm以下であるのが特に好ましい。コート材の塗布厚さZcが500nmに満たないと、均一または略均一な厚さのコート層を形成し難い。コート材の塗布厚さZcが過大であると、電気伝導性が低下し蓄電装置の充放電特性に影響する可能性がある。
コート材の固形分率NVは、3%以上50%以下であるのが好ましく、3%以上25%以下であるのがより好ましく、3%以上10%以下であるのが特に好ましい。コート材の固形分率が3%に満たないと、得られるコート層の厚さが過小になったり、コート材の塗布厚さを過大にしたりする必要があるため、あまり好ましくない。コート材の固形分率が過大であると均一かつ適当な厚さのコート層を形成し難い場合がある。
集電体の表面にコート材を塗布するには、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの公知の方法を用いれば良い。
なお、水系溶媒はコート層中には含まれないか、或いは、ほぼ含まれない。つまり、コート工程において水系溶媒の一部または大部分は気化しコート層から脱離する。したがって、コート工程においては、集電体基材の表面に塗布されたコート材を加熱するのが好ましい。このときの温度および時間は特に限定しないが、80℃〜120℃程度で10分間〜12時間加熱するのが好ましい。
ところで、集電体基材の表面粗さRz(μm)、集電体基材の厚さt(μm)、コート材の塗布厚さZc(μm)、コート材の固形分率NV(%)、および、導電性粒子の凝集粒径Xp(nm)は、下記の関係式(1)〜(3)の全てを満たす。なお、関係式(1)はRzとtとの関係を表す式であり、関係式(2)はZc、NVおよびRzの関係を表す式であり、関係式(3)はXp、ZcおよびNVの関係を表す式である。
Rz<(t/2)…関係式(1)
Zc×NV≦100Rz…関係式(2)
Xp≦Zc×NV…関係式(3)
実施例の欄で詳しく説明するが、関係式(1)は集電体の強度、より具体的には集電体基材の強度に大きく関係する。また、関係式(2)は集電体基材とコート材との濡れ性、および、集電体基材とコート層との密着性に大きく関係する。また、関係式(3)はコート層の膜厚と導電性粒子との幾何学的な制限により設定された関係式である。
さらに、上記関係式(1)および(2)を基に導かれた集電体基材の表面粗さRzの好ましい範囲は、0.3μm以上10μm以下である。より好ましくは、集電体基材の表面粗さRzは0.3μm以上5μm以下であるのが良く、さらに好ましくは0.3μm以上2μm以下であるのが良い。
<電極>
本発明の電極において、集電体上には、活物質層が設けられる。活物質層は、蓄電装置における電荷担体を吸蔵および放出可能な活物質を含む。例えば蓄電装置が非水電解質二次電池等の二次電池であれば、活物質は正極活物質または負極活物質である。活物質層は、活物質を含むとともに、必要に応じてバインダ、導電助材等の添加剤を含む。以下、本発明の電極を負極と正極とに分けて説明する。
〔正極〕
正極は、上述したように、集電体と集電体上に設けられている正極活物質層とを含む。正極活物質層は、上述したように、正極活物質を含むとともに、バインダや導電助剤等の添加剤を含み得る。
正極活物質としては、蓄電装置の正極に用いられるものを選択すれば良い。例えば蓄電装置がリチウムイオン二次電池であれば、正極活物質として、層状化合物のLiNiCoMn(0.2≦a≦1.2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、S、Si、Na、K、Al、Zr、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、Laから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦2.1)、LiMnOを挙げることができる。また、正極活物質として、LiMn、LiMn等のスピネル、およびスピネルと層状化合物の混合物で構成される固溶体、LiMPO、LiMVOまたはLiMSiO(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物を挙げることができる。さらに、正極活物質として、LiFePOFなどのLiMPOF(Mは遷移金属)で表されるタボライト系化合物、LiFeBOなどのLiMBO(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。正極活物質として用いられるいずれの金属酸化物も上記の組成式を基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも使用可能である。また、正極活物質として、充放電に寄与するリチウムイオンを含まない正極活物質材料、たとえば、硫黄単体(S)、硫黄と炭素を複合化した化合物、TiSなどの金属硫化物、V、MnOなどの酸化物、ポリアニリンおよびアントラキノン並びにこれら芳香族を化学構造に含む化合物、共役二酢酸系有機物などの共役系材料、その他公知の材料を用いることもできる。さらに、ニトロキシド、ニトロニルニトロキシド、ガルビノキシル、フェノキシルなどの安定なラジカルを有する化合物を正極活物質として採用してもよい。
なお、正極活物質が電荷担体を含まない場合には正極および/または負極に電荷担体を予め添加しておくのが良い。例えば、本発明の蓄電装置がリチウムイオン二次電池である場合、リチウムを含まない正極活物質材料を用いる場合には、正極および/または負極に、公知の方法により、予め電荷担体としてのリチウムイオンを添加しておく必要がある。リチウムは、イオンの状態で添加しても良いし、金属等の非イオンの状態で添加しても良い。例えば、リチウム箔を正極および/または負極に貼り付けるなどして一体化しても良い。
バインダは、上記正極活物質及び導電助剤を集電体に繋ぎ止める役割を果たす。結着剤として、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンおよびフッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリ酢酸ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリイミドおよびポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、並びにスチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴムを用いることができる。
導電助剤は、必要に応じて電極の導電性を高めるために添加される。導電助剤として、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(登録商標)(KB)、気相法炭素繊維(VGCF)等を単独でまたは二種以上組み合わせて使用することができる。導電助剤の使用量については、特に限定的ではないが、例えば、正極に含有される活物質100質量部に対して、1質量部〜30質量部程度とすることができる。
正極は、正極活物質および結着剤、並びに必要に応じて導電助剤を含む正極活物質層形成用組成物を調製し、さらにこの組成物に適当な溶剤を加えてペースト状にしてから、リチウムイオン二次電池正極用集電体のコート層の表面に塗布後、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成することができる。
正極活物質層形成用組成物の塗布方法としては、ロールコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いればよい。
粘度調整のための溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メタノール、メチルイソブチルケトン(MIBK)などが使用可能である。
<負極>
負極は、集電体本体と、集電体本体の表面に結着させた負極活物質層を有する。負極活物質層は、負極活物質、バインダを含み、必要に応じて導電助剤を含む。集電体本体、バインダ、導電助剤は正極用集電体及び正極で説明したものと同様である。
負極活物質としては、電荷担体を吸蔵及び放出可能なものを使用できる。例えば、リチウムイオン二次電池であれば、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素系材料、リチウムと合金化可能な元素、リチウムと合金化可能な元素を有する元素化合物、あるいは高分子材料などを用いることができる。
炭素系材料としては、難黒鉛化性炭素、人造黒鉛、コークス類、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭あるいはカーボンブラック類が挙げられる。ここで、有機高分子化合物焼成体とは、フェノール類やフラン類などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。
リチウムと合金化可能な元素は、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Ti、Ag、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Biの少なくとも1種を有するとよい。中でも、リチウムと合金化可能な元素は、珪素(Si)または錫(Sn)であるとよい。
リチウムと合金化可能な元素を有する元素化合物としては、例えば、ZnLiAl、AlSb、SiB、SiB、MgSi、MgSn、NiSi、TiSi、MoSi、CoSi、NiSi、CaSi、CrSi、CuSi、FeSi、MnSi、NbSi、TaSi、VSi、WSi、ZnSi、SiC、Si、SiO、SiO(0<v≦2)、SnO(0<w≦2)、SnSiO、LiSiO あるいはLiSnOなどが使用できる。リチウムと合金化可能な元素を有する元素化合物は珪素化合物または錫化合物であることがよい。珪素化合物は、SiO(0.5≦x≦1.5)であることがよい。錫化合物は、例えば、スズ合金(Cu−Sn合金、Co−Sn合金等)などが使用できる。
高分子材料としては、ポリアセチレン、ポリピロールなどが使用できる。
<蓄電装置>
電解液は、有機溶媒に支持電解質(支持塩)を溶解させたものを用いれば良く、特に限定されない。本発明の蓄電装置における電解液は、蓄電装置、正極活物質および負極活物質等の種類に応じて適宜選択可能である。例えば蓄電装置がリチウムイオン二次電池の場合には、有機溶媒として、環状エステル類、鎖状エステル類、エーテル類が使用できる。環状エステル類として、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等が使用できる。鎖状エステル類として、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等が使用できる。エーテル類として、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等が使用できる。また、支持電解質としては、有機溶媒に可溶なリチウム金属塩を用いるのが良く、例えば、LiPF、LiBF、LIASF、LiI、LiClO、LiCFSOからなる群から選ばれる少なくとも一種を用いるのが好適である。支持電解質は、有機溶媒に0.5mol/l〜1.7mol/l程度の濃度で溶解させるのが好ましい。
蓄電装置には必要に応じてセパレータが用いられる。セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド(Aromatic polyamide)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂、セルロース、アミロース等の多糖類、フィブロイン、ケラチン、リグニン、スベリン等の天然高分子、セラミックスなどの電気絶縁性材料を1種若しくは複数用いた多孔体、不織布、織布などを挙げることができる。また、セパレータは多層構造としても良い。
上述した正極および負極に、必要に応じてセパレータを挟装させ電極体とする。電極体は、正極、セパレータおよび負極を重ねた積層型、または、正極、セパレータおよび負極を捲いた捲回型の何れの型にしても良い。正極の集電体および負極の集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に電解液を加えることで蓄電装置を得ることが可能である。また、本発明の蓄電装置は、二次電池やキャパシタ等、種々の蓄電装置として適用可能である。また、本発明の蓄電装置は、電極に含まれる活物質の種類に適した電圧範囲で充放電を行えば良い。
本発明の蓄電装置の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
本発明の蓄電装置の用途は特に限定されず、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器など、電力で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器、車両等が挙げられる。
(実施例)
以下に、試験例及び参考試験例を示し、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、これらの試験例等によって限定されるものではない。以下において、特に断らない限り、「部」とは質量部を意味し、「%」とは質量%を意味する。
(試験1)
試験1の集電体の製造方法は、集電体基材としてアルミニウム箔を用い、導電性粒子として酸化スズ(SnO)を用いたものである。以下、試験1の集電体の製造方法を詳説する。
〔表面加工工程〕
厚さ20μmのアルミニウム箔からなる集電体基材を準備し、この集電体基材を#15,000の研磨紙で研磨することで、集電体基材の一表面に凹凸を形成した。このときの集電体基材の表面粗さRzは0.3μmであった。なお、上述したように集電体基材の厚さtは20μmであった。
〔コート工程〕
上記した表面加工工程で凹凸が形成された集電体基材の表面に、コート材を塗布した。コート材は、5質量部の酸化スズ粉末と、0.5質量部のバインダとを、94.5質量部のイオン交換水に投入し略均一になるように混合したものである。酸化スズ粉末、すなわち導電性粒子の凝集粒径Xpは100nmであった。また、バインダとしてはポリアクリル酸を用いた。
上記の方法で得られた液状のコート材を、上記のドクターブレード法によって、集電体基材の表面に塗布した。コート材の塗布厚さZcは6μmであった。このとき、集電体基材がコート材を弾いたか否か、塗布されたコート材にかすれが生じたか否かを目視により確認した。なお、実施例における各試験において、弾きやかすれの大きかったものは、後述するコート可否(濡れ性)の評価でコート不可(×)と評価した。弾きやかすれのなかったもの、および弾きやかすれの小さかったものは、コート可否の評価でコート可(○)と評価した。
その後、80℃で10分間加熱した。このとき水は蒸発し、コート層には導電性粒子とバインダ成分が残存した。以上の工程で試験1の集電体を得た。
ところで、試験1の集電体の製造方法において、集電体基材の表面粗さRzは0.3μmであり、集電体基材の厚さtは20μmであり、コート材の塗布厚さZcは6μmであり、コート材の固形分率NVは5%であり、導電性粒子の凝集粒径Xpは100nmであった。したがって、試験1の集電体の製造方法において、Rz、t、Zc、NV、および、Xpは下記の関係式(1)〜(3)の全てを満たした。
Rz<(t/2)…関係式(1)
Zc×NV≦100Rz…関係式(2)
Xp≦Zc×NV…関係式(3)
(試験2)
試験2の集電体の製造方法は、集電体基材の表面粗さRzが1.0μmとなるように表面加工工程において集電体基材に凹凸を形成したこと以外は、試験1の集電体の製造方法と同じ方法であった。具体的には、#1,500の研磨紙で研磨した。試験2の集電体は、集電体基材の表面粗さRzが1.0μmであったこと以外は、試験1の集電体と同じものであった。
なお、試験2の製造法においては、集電体基材の表面に対するコート材の接触角は29.8度であり、集電体基材の表面とコート材との濡れ性の評価は○であり、集電体基材に対するコート層の密着性は0.56N/cmであった。試験2の集電体の製造方法においても、Rz、t、Zc、NV、および、Xpは関係式(1)〜(3)の全てを満たした。
(試験3)
試験3の集電体の製造方法は、集電体基材の表面粗さRzが2.0μmとなるように表面加工工程において集電体基材に凹凸を形成したこと以外は、試験1の集電体の製造方法と同じ方法であった。具体的には、#800の研磨紙で研磨した。試験3の集電体は、集電体基材の表面粗さRzが2.0μmであったこと以外は、試験1の集電体と同じものであった。
なお、試験3の製造法においては、集電体基材の表面に対するコート材の接触角は23度であり、集電体基材の表面とコート材との濡れ性の評価は○であり、集電体基材に対するコート層の密着性は0.566N/cmであった。試験3の集電体の製造方法においても、Rz、t、Zc、NV、および、Xpは関係式(1)〜(3)の全てを満たした。
(試験4)
試験4の集電体の製造方法は、集電体基材の表面粗さRzが5.0μmとなるように表面加工工程において集電体基材に凹凸を形成したこと以外は、試験1の集電体の製造方法と同じ方法であった。具体的には、#240の研磨紙で研磨した。試験4の集電体は、集電体基材の表面粗さRzが5.0μmであったこと以外は、試験1の集電体と同じものであった。
なお、試験4の製造法においては、集電体基材の表面に対するコート材の接触角は22.5度であり、集電体基材の表面とコート材との濡れ性の評価は○であり、集電体基材に対するコート層の密着性は0.533N/cmであった。試験4の集電体の製造方法においても、Rz、t、Zc、NV、および、Xpは関係式(1)〜(3)の全てを満たした。
(試験5)
試験5の集電体の製造方法は、集電体基材の表面粗さRzが10.0μmとなるように表面加工工程において集電体基材に凹凸を形成したこと以外は、試験1の集電体の製造方法と同じ方法であった。具体的には、#60の研磨紙で研磨した。試験5の集電体は、集電体基材の表面粗さRzが10.0μmであったこと以外は、試験1の集電体と同じものであった。なお、試験5の製造法においては、集電体基材の表面に対するコート材の接触角は23.3度であり、集電体基材の表面とコート材との濡れ性の評価は○であった。
なお、試験5の製造方法においては、集電体基材の表面粗さRzを10.0μmと非常に大きくした。このため、試験5の集電体における集電体基材の強度は比較的低い。したがって、試験5の集電体の密着性を評価した際に集電体基材が破損した。このため試験5の集電体については密着性の評価はできなかった。なお、試験5の集電体の製造方法において、Rz、t、Zc、NV、および、Xpは、関係式(2)および(3)を満たすものの、関係式(1)は満たさなかった。
(試験6)
試験6の集電体の製造方法は、集電体基材の表面粗さRzが0.01μmとなるように、表面加工工程においてプラズマエッチングにより集電体基材の凹凸を低減したこと以外は、試験1の集電体の製造方法と同じ方法であった。試験6の集電体は、集電体基材の表面粗さRzが0.01μmであったこと以外は、試験1の集電体と同じものであった。
なお、試験6の製造法においては、集電体基材の表面に対するコート材の接触角は71.2度であり、集電体基材の表面とコート材との濡れ性の評価は×であった。つまり、試験6の集電体の製造方法によると、集電体基材の表面に均一または略均一なコート層を形成できなかった。したがって、試験6の集電体についても密着性の評価はできなかった。試験6の集電体の製造方法において、Rz、t、Zc、NV、および、Xpは、関係式(3)を満たしたものの、関係式(1)および(2)は満たさなかった。
(試験7)
試験7の集電体の製造方法は、集電体基材の表面粗さRzが0.1μmとなるように、表面加工工程においてプラズマエッチングにより集電体基材の凹凸を低減したこと以外は、試験1の集電体の製造方法と同じ方法であった。試験7の集電体は、集電体基材の表面粗さRzが0.1μmであったこと以外は、試験1の集電体と同じものであった。
なお、試験7の製造法においては、集電体基材の表面に対するコート材の接触角は61度であり、集電体基材の表面とコート材との濡れ性の評価は×であった。つまり、試験7の集電体の製造方法によっても、集電体基材の表面に均一または略均一なコート層を形成できなかった。したがって、試験7の集電体についても密着性の評価はできなかった。試験7の集電体の製造方法においても、Rz、t、Zc、NV、および、Xpは、関係式(3)を満たしたものの、関係式(1)および(2)は満たさなかった。
(試験8)
試験8の集電体の製造方法は、集電体基材の表面粗さRzが0.2μmとなるように、表面加工工程においてプラズマエッチングにより集電体基材の凹凸を低減したこと以外は、試験1の集電体の製造方法と同じ方法である。試験8の集電体は、集電体基材の表面粗さRzが0.2μmであったこと以外は、試験1の集電体と同じものである。
なお、試験8の製造法においては、集電体基材の表面に対するコート材の接触角は50.2度であり、集電体基材の表面とコート材との濡れ性の評価は×であった。つまり、試験8の集電体の製造方法によっても、集電体基材の表面に均一または略均一なコート層を形成できなかった。したがって、試験8の集電体についても密着性の評価はできなかった。試験8の集電体の製造方法においても、Rz、t、Zc、NV、および、Xpは、関係式(3)を満たしたものの、関係式(1)および(2)は満たさなかった。
試験1〜試験8の集電体およびその製造方法の評価を表1に示す。
Figure 0006263968
表1に示すように、関係式(1)〜(3)の全てを満たす試験1〜試験4の集電体の製造法で製造した試験1〜試験4の各集電体は、集電体基材とコート層との密着性に優れる。一方、関係式(1)〜(3)の一部のみを満たし全てを満たさない試験5〜試験8の集電体の製造方法で製造した試験5〜試験8の集電体は、集電体基材とコート層との密着性に劣る。この結果から、関係式(1)〜(3)の全てを満たす集電体の製造方法、つまり、本発明の集電体の製造方法によると、集電体基材とコート層との密着性に優れた集電体を製造できることがわかる。

Claims (7)

  1. 金属製の集電体基材の表面に凹凸を形成する表面加工工程と、
    前記表面加工工程後の前記集電体基材の表面にコート材を塗布し、前記コート材を原料とするコート層を形成するコート工程と、を備え、
    前記コート材は、水系溶媒と、前記水系溶媒に分散および/または溶解された導電性粒子と、を含み、
    前記集電体基材における前記表面の最大高さ粗さをRz(μm)、前記集電体基材の厚さをt(μm)、前記コート工程で前記集電体基材の前記表面に塗布した前記コート材の厚さをZc(μm)、前記コート材の固形分率をNV(%)、および、前記導電性粒子の凝集粒径をXp(μm)としたときに、
    前記Rzと前記tとの関係は、Rz<(t/2)を満たし、
    前記Zc、前記NVおよび前記Rzの関係は、Zc×NV≦100Rzを満たし、かつ、
    前記Xp、前記Zcおよび前記NVの関係は、Xp≦Zc×(NV/100)を満たし、
    前記集電体基材における前記表面の最大高さ粗さRzは、0.3μm以上5.0μm以下である集電体の製造方法。
  2. 前記集電体基材はアルミニウム箔からなる請求項1に記載の集電体の製造方法。
  3. 前記集電体基材の厚さtは、5μm以上100μm以下である請求項1または請求項2に記載の集電体の製造方法。
  4. 前記コート工程で前記集電体基材の前記表面に塗布した前記コート材の厚さZcは、1μm以上20μm以下である請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の集電体の製造方法。
  5. 前記コート材の固形分率NVは、3%以上50%以下である請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の集電体の製造方法。
  6. 前記導電性粒子の凝集粒径Xpは、0.01μm以上1μm以下である請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の集電体の製造方法。
  7. 前記表面加工工程において、前記集電体基材の表面に、溝状をなし互いに交叉する方向に延びる複数の凹部を形成する請求項1〜請求項の何れか一項に記載の集電体の製造方法。
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