JP6263357B2 - 表面処理用樹脂、複合粉体及びその用途 - Google Patents

表面処理用樹脂、複合粉体及びその用途 Download PDF

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本発明は、表面処理用樹脂及び当該樹脂を使用することで得られた水分散性に優れた複合粉体に関する発明である。
更に詳細には、水に分散させる時の粉体濃度を高くすることができ、沈降などの問題が起きにくい複合粉体に関するものである。本発明の複合粉体は、プラスチック、化粧料、繊維、塗料など多くの広い分野で使用でき、特に水分散系で使用する時に大きな効果がある。
無機粉体は体質顔料や着色顔料として、プラスチック、化粧料、繊維、塗料などの幅広い分野で多く使用されている。無機粉体は一般的にある程度の凝集をしている。よって、使用する際には、アトマイザーや乾式ジェットミルなどの乾式解砕及び乾式粉砕や、ディスパーや高速ポンプなどによる湿式解砕、ビーズミルや湿式ジェットミルによる湿式粉砕などの工程を含めるのが一般的である。また、無機粉体製造後に適切な溶媒に分散処理して、分散体として供給することも広く行なわれている。
近年、環境的な観点から揮発有機溶媒の使用量を低減させ、水を溶媒とした水性塗料が開発されている。また、化粧料においては瑞々しい感触を持つO/W型乳液の開発が進んでいる。これらの分野においては、無機粉体を水分散して使用することが必要となる。
特許文献1には微粒子酸化亜鉛の水分散体に関する発明が記載されている。特許文献1において、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウムを使用しているが、分散剤は系中に単独で存在するために、分散体を配合した際にこの分散剤が他の成分と干渉して目的とした性能を発揮できない恐れがあった。
また、特許文献2には二酸化チタンをシリカと水酸化アルミニウム、アルギン酸で表面処理をした粉体について記載されている。アルギン酸は粉体に強く固着していることが記載されているが、アルギン酸と水酸化アルミニウムの反応により固着していると予想され、汎用性に欠けることが推定される。また、他の酸が存在すると、アルギン酸が遊離し効果が低減することが予想される。シリカ処理を施すことにより水分散性を向上させようとする試みも報告されている。
特許文献3では分散剤として第4級アンモニウムを含むセルロースエーテルを使用している。分散剤を使用していることから、特許文献1と同様の問題が発生することがあると考えられる。
特許文献4ではシリカ処理を緻密にすることにより水分散性が向上していることが記載されている。しかし文献にはシリカ量が15〜40重量%のシリカが必要とされており、その分、基質の成分比率が低下してしまう問題がある。
特許文献5、6、7には無機粉体をポリマーで覆い、水分散性を向上させることが記載されている。しかし、いずれも無機粉体が分散している系中でポリマー重合及び被覆をしており、各原材料の物質により条件設定を調整する必要があったり、重合に時間が掛かったりといったように工程上の管理が複雑になってしまうおそれがあった。
特許文献8〜10においては、不飽和炭素結合を有するシラン化合物によって無機粉体の表面処理を行うことが記載されている。しかし、これらの文献においては、不飽和炭素結合を有するシラン化合物を重合して得られた樹脂によって無機粉体の表面処理を行うことは開示されていない。また、分子内に不飽和炭素結合を持つため、水分散時には水やその他の物質が付加反応する恐れが高いという点で課題を有するものである。
特許文献11,12においては不飽和結合を有するシラン化合物を使用して得られた重合体によって、無機粉体の表面処理を行うことが開示されている。これらはオルガノポリシロキサン系材料であり、水分散性を付与するには不利な材料である。
特開平6−239728号公報 特開2000−219819号公報 特開平10−130021号公報 特開2007−16111号公報 特開2007−8833号公報 特開2008−266283号公報 特表2008−533288号公報 特開2005−91690号公報 特開2010−265422号公報 特開2008−102486号公報 国際公開2002/100356号 特開2011−148784号公報
本発明の目的は、上記問題点を解決し、水分散性を向上させた複合粉体を提供することにある。
本発明は、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド及びアクロイルモルホリンからなる群から選択される少なくとも1の単量体(A)及び下記一般式(1)
(式中、Rは、炭素数2以下であるアルキル基を表す。Rは、炭素数2以下であるアルキル基を表す。Rは、H又はメチル基を表す。nは、2又は3である)
で表される単量体(B)を含むモノマー組成物を共重合させて得られた共重合体樹脂であり、
前記共重合体樹脂のモノマー比(重量比)が単量体(A)/単量体(B)で表した場合に、99/1〜50/50であり、
さらに前記単量体(A)及び単量体(B)以外の単量体の使用割合が50重量%以下である表面処理用樹脂によって形成された表面被覆を基材となる酸化亜鉛上に形成したことを特徴とする複合粉体である。
記複合粉体において、表面処理用樹脂は、複合粉体全量に対して1〜20重量%であることが好ましい
本発明は、単量体(A)と単量体(B)の共重合体樹脂を基材となる酸化亜鉛と混合する工程を有することを特徴とする上記複合粉体の製造方法でもある。
本発明は、上記複合粉体を含有する化粧料でもある。
本発明は、上記複合粉体を含有する日焼け止め化粧料でもある。
本発明は、複合粉体を含有する塗料組成物でもある。
本発明は、上記複合粉体を含有する樹脂組成物でもある。
本発明の表面処理用樹脂によって、無機粉体を基材として水分散性が良好な複合粉体を得ることができる。また、分散体としたときにpH安定性においても優れた性能を有するものである。
本発明は、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド及びアクロイルモルホリンからなる群から選択される少なくとも1の単量体(A)と上記一般式(1)で表される単量体(B)を含むモノマー組成物を共重合させて得られたことを特徴とする表面処理用樹脂である。このような樹脂によって基材となる無機粉体を被覆することによって、水分散性に優れた複合粉体を得ることができる。
このような樹脂を使用して基材となる無機粉体を被覆すると水分散性が良好となる理由は明らかではないが、樹脂中のトリアルコキシシラン部が粉体表面と反応して化学結合をすることによって強く樹脂と粉体が結合された複合粉体が得られ、且つ、表面処理による立体反発、電荷反発により水分散性が良好となるものと推測される。
本発明において使用する単量体(A)は、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド及びアクロイルモルホリンからなる群から選択される少なくとも1の単量体である。当該単量体(A)は、水溶性が高いという性質を有するものであることから、共重合物へ水親和性を付与し処理粉体の水分散性を高めるという効果を得ることができる。上記単量体(A)のなかでも、ジメチルアクリルアミドが水分散性の観点で特に好適な効果が得られる点で好ましい。
本発明の表面処理用樹脂において使用する単量体(B)は、下記一般式(1)、
(式中、Rは、炭素数2以下であるアルキル基を表す。Rは、炭素数2以下であるアルキル基を表す。Rは、H又はメチル基を表す。nは、2又は3である)
であらわされる化合物である。より具体的には、(3−メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−メタクリロキシプロピル)トリエトキシシラン、(3−メタクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−メタクリロキシプロピル)メチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。当該単量体(B)は、水酸基と反応するという性質を有するものであることから、無機粉体の表面水酸基と反応させることで安定な化学結合で樹脂と無機粉体を結合させるという効果を得ることができる。上記単量体(B)のなかでも、(3−メタクリロキシプロピル)トリエトキシシランが反応性の観点で特に好適な効果が得られる点で好ましい。なお、上述した一般式(1)で表される化合物を2以上併用して使用するものであってもよい。
本発明においては、単量体(A)と単量体(B)のみからなる単量体組成物を重合させて得られる表面処理用樹脂であってもよいし、50重量%以下の割合でその他の単量体を含有する単量体組成物を重合することによって得られたものであってもよい。その他の単量体としては特に限定されず、上記単量体と重合可能な重合性エチレン性不飽和単量体であれば良い。例えば、(メタ)アクリル酸等のアニオン性不飽和単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル等の直鎖若しくは分岐鎖又は脂環式の炭化水素基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリセリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシテトラエチレングリコール、(メタ)アクリル酸エトキシジエチレングリコール等の(メタ)アクリル酸エステル、ジアセトンアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導体、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、ビニルピロリドン等を挙げることができる。
単量体(A)と単量体(B)との重量比は、99/1〜50/50の範囲内であることが好ましい。上記範囲よりも単量体(A)が多い場合は、基材となる無機粉体への被覆性が低下し水分散性が向上しないという問題を生じるおそれがあり、上記範囲よりも単量体(A)が少ない場合は、樹脂同士の反応性が高くなり基材となる無機粉体への被覆性が低下し水分散性が向上しないという問題を生じるおそれがある。上記範囲は、95:5〜55:45であることがより好ましく、90:10〜55:45であることが更に好ましい。
本発明の表面処理用樹脂の重合方法は特に限定されるものではなく、溶液重合、乳化重合等を挙げることができる。特に有機溶媒を溶媒とした溶液重合によって行うことが好ましい。また、開始剤としては特に限定されず、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル及び過酸化水素等に代表される過酸化物、並びに過硫酸アンモニウム及び過硫酸カリウム等に代表される過硫酸塩、並びに2,2'−アゾビスイソブチロニトリル及び2,2'−アゾビスイソバレロニトリル等に代表されるアゾ系化合物等を使用することができる。
本発明は上記表面処理用樹脂によって形成された表面被覆を有することを特徴とする複合粉体でもある。このような複合粉体は、水分散性が特に良好である点で好ましいものである。
本発明における基材となる無機粉体は、一般に工業的に使用される無機粉体であれば任意のものを使用することができる。例えば、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウムといった難水溶性の無機塩類、窒化ホウ素、炭化ホウ素といったホウ素化合物、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セシウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、酸化マグネシウムといった無機酸化物及びその水和物、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸リチウムといった複合酸化物などが挙げられる。ただし、水に容易に溶ける物質は水分散時に溶解して消失してしまう恐れがあるために好ましくない。
上記の基材となる無機粉体は、触媒活性や水への溶出を防ぐなどの目的で既知の無機表面処理を施したものであっても良い。例えば、シリカや水酸化アルミニウム、酸化チタンなどでの表面処理が挙げられる。こういった無機表面処理は単一物質による処理であっても良いし、複数の材料による処理であっても良い。
上記既知の無機表面処理としては、シリカや水酸化アルミニウムなどの酸化物や水酸化物での無機表面処理が特に好ましい。上記無機粉体が無機塩類やホウ素化合物である場合は、このような処理は、表面処理剤のアルコキシシラン部との反応部位を増やすことができる点で好ましいものである。水に容易に溶ける物質に上記のような表面処理を施すことで難溶性を付与した場合は、これを基材として用いることができる。
上記シリカや水酸化アルミニウムなどの酸化物や水酸化物での事前の処理の方法は特に限定されるものではないが、例えば、基材となる無機粉体の表面にテトラアルコキシシランやケイ酸ナトリウムなどのSi源化合物や、Al源化合物を存在させて、加水分解や加熱分解などによりSiOをまたはAlを粉体表面に析出させる方法が挙げられる。上記湿式法は、乾式法と比較して、SiOが無機粉体表面で析出しやすく、均一にSiOを析出することができるため、処理後において粉体の凝集を抑制することができる。上記Si源化合物及び/又はAl源化合物としては、テトラアルコキシシランやその加水分解縮合物、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、アルミニウムアルコキシドやその加水分解縮合物、アルミン酸ナトリウム等、容易にSiOやAl(OH)、Alに変換する化合物が好ましい。また、2種以上の化合物を併用してもよい。
上記加水分解としては特に限定されないが、硫酸、塩酸、酢酸、硝酸などの酸を使用した方法が挙げられる。この水分散体を用いたシリカの処理方法における中和方法は、分散体に酸を入れてからSi源化合物及び/又はAl源化合物を添加する方法、分散体にSi源化合物及び/又はAl源化合物を入れてから酸を添加する方法、分散体にSi源化合物及び/又はAl源化合物と酸を同時に添加する方法のいずれでも良い。
上述した本発明の表面処理剤を用いた表面処理の方法は、表面処理方法として一般的に知られている方法であれば良く、例えば、基材となる無機粉体と表面処理剤をミキサーで混合した後に加熱して表面処理する乾式法や、基材となる無機粉体と表面処理剤をアルコールや水などに均一に分散させた後に溶媒を留去して処理する湿式法などが挙げられる。
アクリル系モノマー及び3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランを共重合させた表面処理剤の処理量は、無機表面処理剤を含む処理後の複合粉体の重量100部に対して、3〜15部であることが好ましい。3部より少ないと水分散性の向上が乏しく、15部より多いと処理の効果が飽和してしまうためである。
本発明の複合粉体は、水中での分散安定性に加えて、pH安定性にも優れる。この理由はポリマーにアミド結合を有し、その窒素原子により金属原子がトラップされるためと考えられる。
本発明の複合粉体は、化粧料、樹脂組成物、塗料組成物等に配合することができる。また、化粧料、樹脂組成物、塗料組成物等に配合される任意の粉体に対してこのような処理を行うことによって粉体の水への分散能を改善することができる。本発明は上記複合粉体を含有する化粧料、樹脂組成物及び塗料組成物でもある。
上記化粧料としては特に限定されず、このような複合粉体に、必要に応じて化粧品原料を混合することによって、サンスクリーン剤等の紫外線防御用化粧料;ファンデーション等のベースメイク化粧料;口紅等のポイントメイク化粧料等を得ることができる。
上記化粧料は、油性化粧料、水性化粧料、O/W型化粧料、W/O型化粧料の任意の形態とすることができる。なかでも、サンスクリーン剤等の日焼け止め化粧料において特に好適に使用することができる。
上記化粧料は、化粧品分野において使用することができる任意の水性成分、油性成分を併用するものであってもよい。上記水性成分及び油性成分としては特に限定されず、例えば、油剤、界面活性剤、保湿剤、高級アルコール、金属イオン封鎖剤、天然及び合成高分子、水溶性及び油溶性高分子、紫外線遮蔽剤、各種抽出液、有機染料等の色剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤、各種粉体等の成分を含有するものであってもよい。
上記油剤は特に限定はないが、例えば、天然動植物油脂(例えば、オリーブ油、ミンク油、ヒマシ油、パーム油、牛脂、月見草油、ヤシ油、ヒマシ油、カカオ油、マカデミアナッツ油等);蝋(例えば、ホホバ油、ミツロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等);高級アルコール(例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール等);高級脂肪酸(例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ラノリン脂肪酸等;高級脂肪族炭化水素例えば、流動パラフィン、固形パラフィン、スクワラン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等);合成エステル油(例えば、ブチルステアレート、ヘキシルラウレート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルセバケート、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテートイソプロピルミリステート、セチルイソオクタノエート、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール);シリコーン誘導体(例えば、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等のシリコーン油)などが例示できる。さらに、油溶性のビタミン、防腐剤、美白剤などを配合することもできる。
上記界面活性剤としては、親油性非イオン界面活性剤、親水性非イオン界面活性剤等を挙げることができる。上記親油性非イオン界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等を挙げることができる。
親水性非イオン界面活性剤としては特に限定されず、例えば、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンテトラオレエート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレエート、POEソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEモノジオレエート、システアリン酸エチレングリコール等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEジノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、ブルロニック等のプルアロニック型類、POE・POPセチルエーテル、POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POEノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等を挙げることができる。
その他の界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン、高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、アルキルエーテル硫酸エステル塩等のアニオン界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体等のカチオン界面活性剤、及び、イミダゾリン系両性界面活性剤、ベタイン系界面活性剤等の両性界面活性剤を安定性及び皮膚刺激性に問題のない範囲で配合してもよい。
上記保湿剤としては特に限定されず、例えば、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサイヨバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等を挙げることができる。
上記高級アルコールとしては特に限定されず、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等を挙げることができる。
金属イオン封鎖剤としては特に限定されず、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1− ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸等を挙げることができる。
上記天然の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子を挙げることができる。
半合成の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子等を挙げることができる。
合成の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体共重合系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリグリセリン、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムメタクリル酸ベヘネス−25)クロスポリマー等を挙げることができる。
無機の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、ベントナイト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等を挙げることができる。
紫外線遮蔽剤としては特に限定されず、例えば、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル等の安息香酸系紫外線遮蔽剤;ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線遮蔽剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線遮蔽剤;オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等のケイ皮酸系紫外線遮蔽剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3− カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線遮蔽剤;3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等を挙げることができる。
その他薬剤成分としては特に限定されず、例えば、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸DL−α−トコフェロール、アルコルビン酸リン酸マグネシウム、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類;エストラジオール、エチニルエストラジオール等のホルモン;アルギニン、アスパラギン酸、シスチン、システイン、メチオニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸;アラントイン、アズレン等の抗炎症剤、アルブチン等の美白剤、;タンニン酸等の収斂剤;L−メントール、カンフル等の清涼剤やイオウ、塩化リゾチーム、塩化ピリドキシン等を挙げることができる。
各種の抽出液としては特に限定されず、例えば、ドクダミエキス、オウバクエキス、メリロートエキス、オドリコソウエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、キナエキス、ユキノシタエキス、クララエキス、コウホネエキス、ウイキョウエキス、サクラソウエキス、バラエキス、ジオウエキス、レモンエキス、シコンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、スギナエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、キイチゴエキス、メリッサエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、モモエキス、桃葉エキス、クワエキス、ヤグルマギクエキス、ハマメリスエキス、プラセンタエキス、胸腺抽出物、シルク抽出液、甘草エキス等を挙げることができる。
上記各種粉体としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラスフレーク等の光輝性着色顔料、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、二酸化チタン、シリカ等の無機粉末やポリエチレン末、ナイロン末、架橋ポリスチレン、セルロースパウダー、シリコーン末等の有機粉末等を挙げることができる。好ましくは、官能特性向上、化粧持続性向上のため、粉末成分の一部又は全部をシリコーン類、フッ素化合物、金属石鹸、油剤、アシルグルタミン酸塩等の物質にて、公知の方法で疎水化処理して使用される。また、本発明に該当しない他の複合粉体を混合して使用するものであてもよい。
本発明の複合粉体を塗料に配合する場合、塗料中の樹脂は硬化性を有するものであっても、硬化性を有さないものであっても良い。塗料は、水中に樹脂が溶解又は分散した水系、乳化系のものに使用することが好ましい。
本発明の複合粉体を塗料組成物への添加成分として使用する場合は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の塗膜形成樹脂;着色顔料、体質顔料、光輝性顔料等の各種顔料;硬化触媒、表面調整剤、消泡剤、顔料分散剤、可塑剤、造膜助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等と併用して使用することができる。
本発明の複合粉体は、樹脂組成物中に添加することができる。この場合も、樹脂への分散能に優れたものである点で好ましい。本発明の複合粉体を添加する樹脂としては特に限定されず、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよく、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチル、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、液晶樹脂(LCP)、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と上記複合粉体とを溶融状態で混練することによって得られた熱成型用の樹脂組成物;熱硬化性樹脂と上記複合粉体とを混練後、加熱硬化させることによって得られた樹脂組成物;等のいずれの形態であってもよい。
以下、本発明を実施例によってより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(重合体の製造方法)
還流冷却器、温度計、窒素置換用管、滴下ロート及び撹拌機を取り付けた1リットル五つ口フラスコに、エタノール150部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1部を入れ、窒素気流下、昇温する。還流状態(約80℃)にてジメチルアクリルアミド/3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランを所定の重量比で計200部を入れた滴下ロートより2時間掛け全量を加える。滴下終了からさらに6時間還流を保ち重合させる。その後、溶媒回収を行い、固形分約70wt%に調整する。
[実施例1]
超微粒子酸化亜鉛(堺化学工業製FINEX−50、平均粒子径20nm)200gとジメチルアクリルアミド/3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン共重合体エタノール溶液(ジメチルアクリルアミドとシランの比率は90/10、ポリマー71wt%)28gとイソプロパノール50gをミキサーで強く混合した。次いで、乾燥機を用いて150℃で1晩加熱することにより、複合粉体1を得た。
[実施例2]
ジメチルアクリルアミド/3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン共重合体のモノマー比率(ジメチルアクリルアミド/シラン比)を95/5、そのエタノール溶液のポリマー濃度を69wt%、このエタノール溶液添加量を29gとした以外は、実施例1と同様に複合粉体2を得た。
[実施例3]
ジメチルアクリルアミド/3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン共重合体のモノマー比率(ジメチルアクリルアミド/シラン比)を80/20、そのエタノール溶液のポリマー濃度を72wt%とした以外は、実施例1と同様に複合粉体3を得た。
[比較例1]
超微粒子酸化亜鉛(堺化学工業製FINEX−50)200gとジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル共重合体液(互応化学工業製プラスサイズL−2700。ポリマー70wt%)29gとイソプロパール50gをミキサーで強く混合した。次いで、乾燥機を用いて150℃で1晩加熱することにより、粉体4を得た。
[比較例2]
ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル共重合体液の代わりにアクリル樹脂アルカノールアミン液(互応化学工業製プラスサイズL−9909B。ポリマー40wt%)としてこの液の添加量を50gとした以外は、比較例1と同様に粉体5を得た。
[比較例3]
ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル共重合体液の代わりにメタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(互応化学工業製プラスサイズL−450。ポリマー40wt%)としてこの液の添加量を50gとした以外は、比較例1と同様に粉体6を得た。
[比較例4]
ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル共重合体液の代わりにアクリル酸/アクリル酸ブチル/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸ラウリル共重合体(互応化学工業製AR−1019)と3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランとの共重合体液(共重合体比率90/10。ポリマー50wt%)としてこの液の添加量を40gとした以外は、比較例1と同様に粉体7を得た。
[比較例5]
超微粒子酸化亜鉛(堺化学工業製FINEX−50)200gと3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン20gとイソプロパール50gをミキサーで強く混合した。次いで、乾燥機を用いて150℃で1晩加熱することにより、粉体8を得た。
〈分散体粘度、pH〉
粉体40gと水60gをマヨネーズ瓶に入れ、更にφ0.5mmのジルコニアビーズを100g入れて、ペイントシェーカーを用いて60min分散した。その後、ビーズを取り除いて分散体を得、その初期粘度をB型粘度計で測定した。また、この分散体を1週間20℃で静置した時のpHとよく振盪した後の粘度を測定した。その結果を表1に示す。
表1の結果より、本発明の複合粉体の水分散体は、粘度の増減が少なく、粘度安定性に優れていることが分かる。また、1週間静置後のpHも7付近と低いことが分かる。このpHが低い理由は、表面処理によって溶出する酸化亜鉛量が少なくなったためと、ポリマーに含まれるアミド結合部分に溶出したZnイオンがトラップされたためと考えられる。
(耐ケーキング性)
先の分散体を作製直後にサンプル瓶(アズワン株式会社製ラボランスクリュー管瓶No.7、50ml、口内径φ20mm×胴径35mm×高さ78mm)に入れ、1週間静置後に沈降したケーキの厚みを測定した。その結果を表2に示す。
表2の結果より、本発明の複合粉体は水分散体に加工した時の沈降速度が遅く、耐ケーキング性に優れることが分かる。
[実施例4]
シリカ処理後に水酸化アルミニウム処理を施した超微粒子酸化亜鉛(堺化学工業製NANOFINE−50A、平均粒子径23nm)200gとジメチルアクリルアミド/3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン共重合体エタノール溶液(ジメチルアクリルアミドとシランの比率は90/10、ポリマー71wt%)28gと水50gをミキサーで強く混合した。次いで、乾燥機を用いて120℃で1晩加熱することにより、複合粉体9を得た。
[実施例5]
ジメチルアクリルアミド/3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン共重合体のモノマー比率(ジメチルアクリルアミド/シラン比)を95/5、そのエタノール溶液のポリマー濃度を69wt%、このエタノール溶液添加量を29gとした以外は、実施例4と同様に複合粉体10を得た。
(分散体粘度)
所定量で粉体と水をマヨネーズ瓶に配合し、更にφ0.5mmのジルコニアビーズを100g入れて、ペイントシェーカーを用いて60min分散した。その後、ビーズを取り除いて分散体を得、その初期粘度をB型粘度計で測定した。その結果を表3に示す。
表3の結果より、本発明の複合粉体は分散体粘度を大きく低減し、分散体使用時のハンドリングなどの問題を大きく解消することが示された。
参考例6]
シリカ処理後にアルミナ処理された硫酸バリウム(堺化学工業製B−30、平均粒子径100nm)100gとジメチルアクリルアミド/3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン共重合体エタノール溶液(ジメチルアクリルアミドとシランの比率は90/10、ポリマー71wt%)7gと水50gをミキサーで強く混合した。次いで、乾燥機を用いて120℃で1晩加熱することにより、複合粉体11を得た。
参考例7]
ジメチルアクリルアミド/3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン共重合体のモノマー比率(ジメチルアクリルアミド/シラン比)を80/20、そのエタノール溶液のポリマー濃度を72wt%とした以外は、参考例6と同様に複合粉体12を得た。
参考例8]
ジメチルアクリルアミド/3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン共重合体のモノマー比率(ジメチルアクリルアミド/シラン比)を70/30、そのエタノール溶液のポリマー濃度を74wt%とした以外は、参考例6と同様に複合粉体13を得た。
(分散体粘度)
粉体20gと水80gをマヨネーズ瓶に入れ、更にφ0.5mmのジルコニアビーズを100g入れて、ペイントシェーカーを用いて30min分散した。その後、ビーズを取り除いて分散体を得、サンプル瓶(アズワン株式会社製ラボランスクリュー管瓶No.7、50ml、口内径φ20mm×胴径35mm×高さ78mm)に入れた。その初期粘度をB型粘度計で測定した。また、この分散体を96時間60℃で静置後の粘度を測定した。また、その時の沈降したケーキの厚みを測定した。その結果を表4に示す。

表4の結果より、本発明の複合粉体は分散体粘度を大きく低減し、また、沈降速度も低下し、分散体使用時のハンドリングなどの問題を大きく解消することが示された。
本発明の表面処理用樹脂を使用して得られた複合粉体は、化粧料、樹脂組成物、塗料組成物等に配合して使用することができる。

Claims (7)

  1. アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド及びアクロイルモルホリンからなる群から選択される少なくとも1の単量体(A)及び下記一般式(1)
    (式中、Rは、炭素数2以下であるアルキル基を表す。Rは、炭素数2以下であるアルキル基を表す。Rは、H又はメチル基を表す。nは、2又は3である)
    で表される単量体(B)を含むモノマー組成物を共重合させて得られた共重合体樹脂であり、
    前記共重合体樹脂のモノマー比(重量比)が単量体(A)/単量体(B)で表した場合に、99/1〜50/50であり、
    さらに前記単量体(A)及び単量体(B)以外の単量体の使用割合が50重量%以下である
    表面処理用樹脂によって形成された表面被覆を基材となる酸化亜鉛上に形成したことを特徴とする複合粉体。
  2. 表面処理用樹脂は、複合粉体全量に対して1〜20重量%である請求項記載の複合粉体。
  3. 単量体(A)と単量体(B)の共重合体樹脂を基材となる酸化亜鉛と混合する工程を有することを特徴とする請求項1又は2記載の複合粉体の製造方法。
  4. 請求項1又は2の複合粉体を含有する化粧料。
  5. 請求項1又は2の複合粉体を含有する日焼け止め化粧料。
  6. 請求項1又は2の複合粉体を含有する塗料組成物。
  7. 請求項1又は2の複合粉体を含有する樹脂組成物。
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