JP6263262B2 - 好中球除去カラム - Google Patents

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Description

本発明は、好中球除去カラムに関する。
好中球は、感染防御のファーストラインで中心的な役割を果たし、強力な細胞内殺菌作用を有している。好中球の細胞内殺菌作用として、侵入異物に走化していく走化能、オプソニン化された異物を付着させたり、血管内皮細胞に膠着する付着能、付着した異物や細菌を細胞内に取り込む貧食能、貧食した異物を破壊し消化する殺菌能があり、貪食能及び殺菌能が代表的機能である。
好中球は生体防御や創傷治癒において重要な役割を担っているが、その一方、リンパ球やマクロファージ等の他の免疫細胞に比べると自己と異物の識別能に劣るため、過剰な活性化や重要臓器への異常集積によって自己組織を障害し、臓器障害を引き起こす危険性もある。中でも、腸管や実質臓器の手術操作は臓器の虚血再灌流を招き、その際、好中球は、臓器障害の原因となりうる。
成人の末梢血内には概ね10の10乗個のオーダーの好中球が存在するとされ、体重50kgの場合でおおよそ80億個から300億個程度の好中球が存在する。血液内での好中球の寿命は1日以内、概ね10時間程とされ、組織内では数日である。また、血管壁や組織、脾臓や肝臓等にも末梢血内に匹敵する量の好中球が辺縁プールとして存在する。さらに骨髄には末梢血内の10から30倍もの量の貯留プールが存在し、生体内すべてでは10の11乗のオーダーで数千億個の好中球が存在する。
したがって、大きな貯留プールがある為、好中球を末梢血から除去しても貯留プール内の好中球が動員され、末梢血内の好中球数は速やかに増加する。
一方、血小板の寿命は、骨髄で産生されてから肝臓や脾臓等の臓器で処理されるまで8〜10日かかり、毎日1/8〜1/10が入れ替わっている。末梢の血小板のうち約1/3は脾臓にプールされている。通常の血液中には血小板が10万〜40万個/μL程度含まれており、血小板数が10万/μL未満になると出血時間の延長等が起こる。好中球と比較すると貯留プールが小さく、末梢血から血小板を除去すると血小板数が回復するのに時間がかかる。
消化器外科手術では腹部の切開創や腸管の吻合部が存在し、これらの部分で適切な創傷治癒が生じる必要がある。創傷治癒は血液凝固期、炎症期、増殖期、組織再構築期といった一連の過程からなるが、好中球は特に炎症期に創部に滲出する。
非感染性の高度外科侵襲では、末梢血中の好中球の機能、すなわち遊走能や貧食能、活性酸素産生能、殺菌能の抑制が見られ、該抑制が侵襲後の易感染性に関与すると報告されている。
例えば、特許文献1には、潰瘍性大腸炎(UC)患者は、高率にsurgical site infection(SSI)をはじめとする術後感染性合併症を来すことが開示されている。
UC患者は周術期のcytokine産生が克進しており、このcytokineは主に好中球で産生されており、好中球エラスターゼが高値であると術後SSI発症リスクが高いことが知られている(非特許文献1)。
UCの活動期における内科的治療として有効性が認められている白血球除去療法(Leukocytapheresis;LCAP)を術直後に導入し、SSI発症を抑制できる可能性が報告されている(非特許文献2及び3)。
特許第5048225号
Dig Surg.2006;23(3):179−85 日本消化器外科学会雑誌 2007;40(7):1007 Surg Today 2008;38:609−617
既存の白血球除去カラムでは、顆粒球、単球をほぼ100%除去する一方で、血小板を50%〜90%除去してしまうため、術直後に使用すると出血を助長する可能性があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、止血能を維持する範囲に体内循環血液中の血小板数をコントロールすることが可能であり、且つ体内循環血液中の好中球の生細胞率(全好中球に占めるviable好中球の割合)を高めることができる好中球除去カラムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、術直後の感染リスクの高い患者の末梢血顆粒球をフローサイトメーターで解析して、初期アポトーシス又は後期アポトーシスを起こした好中球が多数存在すること、好中球除去カラムで多数存在する初期アポトーシス又は後期アポトーシスを起こした好中球を取り除くとviable好中球が増えることを見出した。
そして、特定の繊維状担体が充填された好中球除去カラムで処理すると、止血能を維持する範囲に体内循環血液中の血小板数をコントロールしながら、体内循環血液中の好中球の生細胞率(全好中球に占めるviable好中球の割合)を高めることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)
親水性高分子を表面に有する繊維状担体が充填され、
繊維状担体の総表面積が10.5m以上であり、
繊維状担体は平均繊維径1.4μm以上の担体から構成される、体内循環血液の好中球の生細胞率を増加させるための好中球除去カラム。
(2)
顆粒球の除去率が80%以上であって、且つ血小板の通過率が75%以上である、(1)に記載の好中球除去カラム。
(3)
リンパ球の除去率が70%以下である、(2)に記載の好中球除去カラム。
(4)
周辺雰囲気の酸素濃度を1%以下とした状態で放射線滅菌されている、(1)〜(3)のいずれかに記載の好中球除去カラム。
(5)
前記親水性高分子が塩基性官能基と非イオン性親水基とを有する、(1)〜(4)のいずれかに記載の好中球除去カラム。
(6)
前記塩基性官能基がジメチルアミノエチルメタクリレート由来であり、且つ前記非イオン性親水基が2−ヒドロキシエチルメタクリレート由来である、(5)に記載の好中球除去カラム。
(7)
前記繊維状担体が平均繊維径1.4μm以上2.6μm以下の担体を含む、(1)〜(6)のいずれかに記載の好中球除去カラム。
(8)
前記繊維状担体が平均繊維径8μm以上14μm以下の担体をさらに含む、(7)に記載の好中球除去カラム。
(9)
前記繊維状担体が不織布である、(1)〜(8)のいずれかに記載の好中球除去カラム。
(10)
前記繊維状担体の臨界湿潤表面張力が生理的溶液の表面張力以上である、(1)〜(9)のいずれかに記載の好中球除去カラム。
(11)
潰瘍性大腸炎、大腸穿孔、食道癌、直腸癌開腹術後患者であって創分類クラス2以上の患者若しくは手術侵襲の高い患者、又は感染症を有している患者のための、(1)〜(10)のいずれかに記載の好中球除去カラム。
本発明の好中球除去カラムは、止血能を維持する範囲に体内循環血液中の血小板数をコントロールすることが可能で、且つ体内循環血液中の好中球の生細胞率(全好中球に占めるviable好中球の割合)を増加させることができる。
繊維状担体の総表面積と顆粒球の除去率との関係を示す。横軸が繊維状担体の総表面積を表し、縦軸が顆粒球の除去率を表す。◆は各実施例を表し、■は各比較例を表す。 繊維状担体の総表面積と血小板の通過率との関係を示す。横軸が繊維状担体の総表面積を表し、縦軸が血小板の通過率を表す。◆は各実施例を表し、■は各比較例を表す。 繊維状担体の総表面積とリンパ球の除去率との関係を示す。横軸が繊維状担体の総表面積を表し、縦軸がリンパ球の除去率を表す。◆は各実施例を表し、■は各比較例を表す。
以下、本発明を実施する形態(以下、「実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を限定するものではない。
本実施形態の好中球除去カラムは、親水性高分子を表面に有する繊維状担体が充填され、繊維状担体の総表面積が10.5m以上であり、かつ、繊維状担体は平均繊維径1.4μm以上の担体から構成され、体内循環血液の好中球の生細胞率を増加させるために使用される。
本実施形態の好中球除去カラムは、特定の繊維状担体を充填していることにより、好中球に対して親和性が高く、血小板に対して親和性が低い好中球除去カラムとすることができる。
そして、本実施形態の好中球除去カラムは、血液循環用カラムとして用いることができる。
本実施形態において、血液循環用カラムとは、全血を通過させることが可能なカラムであって、体内を循環する血液を体外に取り出して該カラムに通し、再び体内に戻すことが可能なカラムをいう。
本実施形態の好中球除去カラムは、具体的には、通液される血液の入口と出口を有する容器と、該容器に充填された繊維状担体から構成される。
本実施形態において、繊維状担体とは、水不溶性であって、繊維状基材からなる担体である、織布、不織布、綿状、糸状、束状等の繊維構造体を意味する。中でも、血液細胞の吸着性、分離材としての取り扱い性からみて、織布、不織布が好ましく、中でも血液細胞との多点的な接触が可能である点で不織布がより好ましい。
本実施形態において、繊維状担体は、繊維状基材と、該繊維状基材の表面に固着された親水性高分子を有する。
繊維状基材として、血液を濾過し得るものであればよく、血液細胞にダメージを与えにくいものであれば特に限定されるものではないが、有機高分子材料が切断等の加工性に優れるため好ましい。
有機高分子材料としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ弗化ビニル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリスルホン、ポリ弗化ビニリデン、ポリトリフルオロクロロビニル、弗化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリエーテル−ポリアミドブロック共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロース、セルロースアセテート等が挙げられる。
有機高分子材料としては、容易に繊維状基材とすることができるため、好ましくはポリエステル、ポリオレフィンであり、より好ましくはポリエステルである。
繊維状担体は、その表面に親水性高分子を有する。
本実施形態においては、繊維状担体が、親水性高分子を表面に有し、繊維状担体の総表面積が10.5m以上であり、かつ繊維状担体が平均繊維径1.4μm以上の担体から構成されることにより、顆粒球の除去率が80%以上であり、血小板の通過率は75%以上となる。
血小板の通過率が75%以上であれば、カラム施行後も止血能を維持する範囲に体内循環血液中の血小板数をコントロールできるので出血を助長するリスクが低く、感染リスクの高い患者(感染症を有している患者を含む)にも安全に好中球除去カラムを用いた好中球除去を施行することができる。
親水性高分子の固着量は、繊維状担体1g当たり1mg〜90mgの範囲であれば好ましく、より好ましくは繊維状担体1g当たり4mg〜50mgである。
本実施形態における親水性高分子としては、繊維状基材表面に固着できる親水性の高分子であれば特に限定されるものではないが、非イオン性親水基と塩基性官能基とを有している化合物であることが好ましい。
非イオン性親水基とは、極めてイオン化し難く、親水性の高い形態の構造を有する官能基を意味する。
非イオン性親水基としては、例えば、水酸基、エチレンオキシド鎖、アミド基等が挙げられ、中でも、水酸基が好ましい。水酸基には補体が活性化されて生成したC3bが結合し、C3bの受容体CR1(CD35)を有する好中球を吸着する。非イオン性親水基が繊維状基材表面に存在すると、繊維状担体が血液と接触したときに濡れ易くなるため、血液の片流れを防止する効果があり、その結果、繊維状担体における血液の流れ面積が増加し、好中球除去能向上にも寄与することができる。
塩基性官能基とは、正の荷電を有する官能基を意味する。
塩基性官能基としては、例えば、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、四級アンモニウム基等のアミノ基、及びピリジル基、イミダゾール基等の含窒素芳香族基等が挙げられ、中でも、アミノ基が好ましい。
塩基性官能基は正の荷電を有しているため、生理的条件下で負に荷電している好中球を静電的な相互作用によって吸着する効果がある。
繊維状基材表面への親水性高分子の固着方法としては、例えば、放射線グラフトやプラズマグラフト等のグラフト法、ポリマーによるコーティング法等が挙げられる。
操作が簡便で、製造性に優れることから、コーティング法が好ましい。
コーティング法に用いることのできるポリマーは、ビニル基等の重合性官能基を有するモノマーより通常のラジカル重合、アニオン重合等によって合成することができる。また、2種又はそれ以上の複数種の異種モノマーをランダム共重合、ブロック共重合させて合成してもよい。
コーティング用ポリマーを合成しうるモノマーとしては、例えば、非イオン性親水基を有する2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等が挙げられるが、中でも、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましい。
また、コーティング用ポリマーを合成しうるモノマーとしては、例えば、塩基性官能基を有するジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体等が挙げられるが、中でも、ジメチルアミノエチルメタクリレートが好ましい。
親水性高分子としては、非イオン性親水基及び重合性官能基を有するモノマーと、塩基性官能基及び重合性官能基を有するモノマーとの共重合体であってもよく、例えば、非イオン性親水基を有する(メタ)アクリル酸誘導体と、塩基性官能基を有する(メタ)アクリル酸誘導体との共重合体が挙げられる。
繊維状担体は、繊維状担体の総表面積が10.5m以上となるように、好中球除去器に充填される。
繊維状担体の総表面積がこの範囲にあると、顆粒球の除去率は80%以上となる。顆粒球の90%から95%は好中球である。顆粒球の除去率が80%以上であれば、体内循環血液中に存在する初期アポトーシス、ネクローシス、後期アポトーシスを起こしている好中球(以上をまとめて、non−viable好中球という)が除去され、体内貯留プールから体内循環血液中に好中球が動員されて、体内循環血液の好中球の生細胞率が増加する。体内循環血液の好中球の生細胞率が増加すると、感染リスクの高い患者の細菌感染抵抗性が増し、感染リスクが低下する。また、既に感染の起こっている患者では、対内循環血液中のnon−viable好中球の数が多いが、好中球除去カラムを用いて好中球除去を施行することにより、non−viable好中球の数は減少し、生細胞率が増加して感染菌の排除効率が著しく上がる。Non−viable好中球はPropidium
Iodide(PI)又はAnnexin Vを結合するので、PIと、蛍光標識又はビオチン標識したAnnexin Vで二重染色した好中球をフローサイトメーターで分析することにより測定できる。
血小板の通過率を75%以上とする観点では、繊維状担体の総表面積を21m以下とすることがより好適である。
本実施形態において、繊維状担体の総表面積は、実施例に記載の方法により測定することができる。
好中球除去カラムに充填される繊維状担体はどのような形状であってもよいが、血液の体外循環治療中に繊維状担体が目詰まりを起こさずに十分な量の顆粒球を除去するためには、顆粒球を選択的に除去するためのフィルタとして、繊維状担体が、平均繊維径1.4μm以上の担体から構成される。
本実施形態において、平均繊維径1.4μm以上の担体からなるとは、平均繊維径1.4μm未満の担体を含まないことを意味する。
本実施形態において、繊維状担体は、繊維状基材からなるが、1種類の繊維状基材からなっていてもよく、2種類以上の繊維状基材からなっていてもよい。繊維状担体を構成する各担体は、各担体間で、平均繊維径が異なっていてもよい。
平均繊維径が1.4μm以上であるとは、繊維状担体を構成する担体1つ1つにおいて、平均繊維径が1.4μm以上であり、繊維状担体を構成する担体単位ごとに平均繊維径が1.4μm以上であることを意味している。
したがって、2種類以上の担体からなる場合、構成する担体の平均繊維径は異なることがあるが、平均繊維径が異なる場合でも、各担体において平均繊維径は1.4μm以上である。
本実施形態においては、繊維状担体を1つ1つの担体に分離した後、各担体の平均繊維径を測定し、最小の平均繊維径が1.4μm以上である場合に、繊維状担体が、平均繊維径1.4μm以上の担体からなるといえる。
繊維状担体において、最小平均繊維径が1.4μm以上であることにより、血液が通過するに伴う圧力損失の増大を抑制し血液を流し続けることが可能になる。
好中球除去カラムのリンパ球除去性能を抑え、より顆粒球を選択的に除去するために、平均繊維径が2.0μm以上の担体からなることが好ましい。
リンパ球の除去性能として、リンパ球の除去率が70%以下であれば、免疫記憶を司るリンパ球に重大な障害を与えることはないので、感染症発症抑制の観点からはより好ましい。
繊維状担体は顆粒球の除去性能を高めるために、平均繊維径2.6μm以下の繊維状担体を含むことが好ましい。繊維状担体の平均繊維径は、好ましくは1.4μm以上2.6μm以下であり、より好ましくは2.0μm以上2.6μm以下である。
また、好中球除去カラムは好中球を除去するためのフィルタに加え、凝集物を除去するためのプレフィルタとして平均繊維径8μm以上14μm以下の比較的目の粗い担体をさらに含むことがより好ましい。好中球除去カラムは、好中球を除去するためのフィルタとして平均繊維径が好ましくは1.4μm以上2.6μm以下、より好ましくは2.0μm以上2.6μm以下の担体と、凝集物を除去するためのプレフィルタとして平均繊維径が8μm以上14μm以下の担体とを組み合わせて含んでいてもよい。
本実施形態において、平均繊維径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態において、好中球除去カラムがプレフィルタを含む場合は、プレフィルタが容器の血液入口側に配置され、好中球を除去するためのフィルタは容器の血液出口側に配置されることが好ましい。
繊維状担体の臨界湿潤表面張力(CWST)は好中球除去カラムをプライミングする際に使用する生理的溶液の表面張力以上であることが好ましい。生理的溶液の表面張力は、表面をアルコールランプ等で充分に赤熱し清浄化した白金プレートを用意し、この白金プレートを生理的溶液に浸漬して引き出す時の抵抗を測定する、いわゆるWilhelmy法を用いて測定する。表面張力計としては、例えば、FACE SURFACE TENSIOMETER CBVP−A3(協和界面科学社株式会社)を用いることができる。
本方法で生理的溶液の表面張力を測定すると、例えば、生理食塩液や、チトラミン(扶桑薬品工業株式会社)、ACD−A液(テルモ株式会社)、フサン(登録商標:鳥居薬品株式会社)等の抗凝固剤を含む生理食塩液の表面張力は、72dyn/cmとなる。
本実施形態において、繊維状担体のCWSTは72dyn/cm以上であることが好ましく、より好ましくは72dyn/cm以上115dyn/cm以下である。
本実施形態において、繊維状担体のCWSTは、以下の方法によって求められる値をいう。
2ないし4dyn/cmずつ表面張力が変化するように水酸化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸ナトリウム、酢酸及びエタノールの濃度の異なる水溶液を調整する。各水溶液の表面張力(dyn/cm)は、水酸化ナトリウム水溶液で94〜115、塩化カルシウム水溶液で90〜94、硝酸ナトリウム水溶液で75〜87、純粋な水で72.4、酢酸水溶液で38〜69、エタノール水溶液で22〜35のものが得られる(「化学便覧 基礎編II」改訂2版、日本化学会編、丸善、164(1975))。また、水酸化ナトリウムで、表面張力が74〜100dyn/cmの水溶液を調製してもよい。このようにして得られた表面張力が2ないし4dyn/cm異なる水溶液を表面張力が低いものから順番にフィルタ材上に10滴ずつ乗せ10分間放置する。10分間放置後、10滴中9滴以上がフィルタ材に吸収された場合に湿潤した状態であると定義し、吸収が10滴中9滴未満である場合に非湿潤状態であると定義する。このようにしてフィルタ材上に表面張力が小さい液体から順次測定していくと湿潤状態と非湿潤状態が出現する。この時湿潤状態を観察した液体の表面張力の値と非湿潤状態を観察した液体の表面張力の値の平均値をそのフィルタ材のCWST値とする。
例えば、64dyn/cmの表面張力を有する液体で湿潤し、66dyn/cmの表面張力を有する液体で非湿潤であった場合、そのフィルタ材のCWST値は65dyn/cmとなる。
本実施形態において、繊維状担体は、同一のフィルタ材からなっていてもよく、異なるフィルタ材からなっていてもよい。
本実施形態において好中球除去カラムの容器内容積は、血液を体外循環処理する血液浄化器として使用できる範囲内であれば特に限定されないが、通常、50mL〜500mLであり、好ましくは70mL〜400mLであり、より好ましくは90mL〜300mLである。
本実施形態の好中球除去カラムは、放射線滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、オートクレーブ滅菌のいずれかの方法で滅菌されていることが好ましい。安全性、環境負荷、熱によるカラムへの影響の観点から放射線滅菌されていることがより好ましい。
好中球除去カラムを放射線滅菌する場合は、繊維状担体が酸素濃度1%以下の雰囲気にある状態で放射線滅菌されることが好ましい。
滅菌に使用される放射線としては、例えば、γ線、電子線、X線等が挙げられ、線種は特に限定されない。
好中球除去カラムの好中球の除去性能や血小板の透過性への影響の観点から、滅菌後も繊維状担体が酸素濃度1%以下の雰囲気の中に維持されていることが好ましい。
本実施形態の好中球除去カラムは、血液循環用途において、体内循環血液の好中球の生細胞率を増加させるために用いられる。
本実施形態の好中球除去カラムを用いて血液を体外循環処理する際には、抗凝固剤を使用してもよいし、体外循環回路内で血液が凝固する恐れがなければ抗凝固剤を使用しなくてもよい。
血液の抗凝固剤としては、ヘパリン等の抗トロンビン活性を示すもの、クエン酸及びその塩等の二価金属イオンと錯体を形成することによって抗凝固活性を示すもの、メシル酸ナファモスタット(Nafamostat Mesilate)等の蛋白分解酵素阻害剤等のいずれも使用できるが、好ましくは二価金属イオンと錯体を形成する抗凝固剤であり、より好ましくはクエン酸及びその塩を含む抗凝固剤である。
クエン酸及びその塩を主成分とする抗凝固剤としては、例えば、チトラミン(扶桑薬品工業株式会社)、ACD−A液(テルモ株式会社)等が挙げられる。
本実施形態の好中球除去カラムを、UC、大腸穿孔、食道癌、直腸癌開腹術後患者等感染リスクの高い患者や感染症を有している患者に対して使用すると、体内循環血液中の好中球生存率を増加させ、好中球の感染防御機能を正常化させるので、感染リスクが低下し、あるいは感染菌排除の効率が著しく高まるので有用である。
UC、大腸穿孔、食道癌、直腸癌開腹術後患者等感染リスクの高い患者として、UC、大腸穿孔、食道癌、直腸癌開腹術後患者の内、創分類クラス2以上の患者、栄養状態及び/又は全身状態が不良の患者、手術侵襲が高い患者等が挙げられる。
ここで創分類クラス2以上の患者とは、清潔創1段階以外の準清潔創(クラス2)、汚染創(クラス3)、感染・不潔創(クラス4)の患者を指す。
また、本実施形態の好中球除去カラムを、感染症を有している患者で、末梢血中のアポトーシス細胞の割合が正常値より高い患者に施行すると、viable好中球の割合が増え、アポトーシス好中球の割合が減少し、viable好中球/アポトーシス好中球の割合が顕著に増加するので、好中球機能が正常化し、感染菌の排除効率が著しく上がるので有用である。
以下、本発明を実施例によって、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。本実施例における測定法は以下のとおりである。
(1)血球性能及び圧力損失
7質量%となるように、ACD−A液(テルモ株式会社)を添加した豚血を調整し、血液分析装置(シスメックス株式会社 TX−1800i)により、カラム通過前の顆粒球、リンパ球及び血小板の各濃度を測定した。
豚血を37±1℃に加温して、血液ポンプにて50mL/minの流速で、2Lの加温した豚血をカラムに流し、カラム出口から流出した血液を全て捕集した。捕集した血液について、顆粒球、リンパ球及び血小板の各濃度を測定した。
カラム通過前後での各成分の除去率又は通過率を求めた。
2Lの血液を処理した時点のカラム入口圧とカラム出口圧を測定し、入口圧から出口圧を引いた値を圧力損失とした。
(2)繊維状担体の総表面積
好中球除去カラムに充填された繊維状担体の総表面積は、繊維状担体の平均繊維径から算出される繊維状担体の比表面積と、充填される繊維状担体の重量との積の合計として算出した。複数種のフィルタ材を用いて繊維状担体としている場合には、各フィルタ材ごとに表面積を算出して、その総和を繊維状担体の総表面積とした。
繊維状担体の比表面積(m/g)は、平均繊維径をD(μm)、繊維状担体の基材密度をρとすると、4/(ρ×D)で算出した。繊維状担体の基材密度は、JIS Z 8807:2012に従って測定する。
(3)親水性高分子のコート量
親水性高分子をコートした繊維状担体を、フィルタ材ごとに、一定量採取し、重量(W0)を測定した。
親水性高分子を溶解し、かつ基材を溶解しない溶媒に、重量測定後の繊維状担体を浸漬し5分間振盪撹拌した。撹拌後、溶媒を交換し、再度5分間振盪撹拌した。溶媒の交換と振盪撹拌を計3回繰り返した後、溶媒を廃棄し、繊維状担体を24時間50℃で真空乾燥した。乾燥後の重量(W1)を測定した。
コート量を(W1−W0)/W0により算出した。
(4)平均繊維径
フィルタ材ごとに、走査電子顕微鏡を用いて拡大倍率2500倍で、合計本数が100本を超えるまで視野を変えながら繊維状担体の写真を撮影した。撮影した、それぞれの繊維の繊維軸に直角な繊維の幅を、その繊維の直径として測定した。測定した繊維の直径の総和を、直径を測定した繊維の総本数で割った値を平均繊維径として算出した。
(5)CWST
繊維状担体をフィルタ材ごとに、100mm四方に切断した。表面張力が86dyn/cmから100dyn/cmの範囲で、2dyn/cmずつ異なる水酸化ナトリウム水溶液を表面張力が低いものから順番にフィルタ材上に10滴ずつ乗せ10分間放置した。10分放置後、10滴中9滴以上がフィルタ材に吸収された場合に湿潤状態であるとし、吸収が10滴中9滴未満である場合に非湿潤状態であるとして、湿潤状態であると観察された内で水酸化ナトリウム水溶液の最大の表面張力値と、非湿潤状態であると観察された内で水酸化ナトリウムの最小の表面張力値を平均し、繊維状担体のCWST値として測定した。
(6)好中球画分の測定法
遠心チューブに血球分離溶液を入れ、同量の採取した血液を重層した。遠心し、多核顆粒球浮遊液を採取した。リン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered
saline,PBS)を加えて混和し、再度遠心して、上清を除去し、残った多核顆粒球をPBSで懸濁して検体とした。
次に検体にPropidium iodide(PI)とFITC標識したAnnexin−Vを加えて反応、染色した。フローサイトメーターでPI及びAnnexin−Vともに陰性の細胞(PI及びAnnexin−Vのいずれでも染色されない細胞)の割合を測定し、それを生細胞率(viability)とした。
また、PI陰性且つAnnexin−V陽性の細胞を初期アポトーシス好中球、PI陽性且つAnnexin−V陰性の細胞をネクローシス好中球、PI及びAnnexin−Vともに陽性の細胞を後期アポトーシス好中球とした。
(7)感染リスクの高い患者又は感染症を有している患者に対する好中球除去カラムの使用
好中球除去カラムをUC、大腸穿孔、食道癌、直腸癌開腹術後患者等感染リスクの高い患者や感染症を有している患者に対して施行し、患者好中球の機能を評価する非盲検試験を実施した。
感染リスクの高い患者又は感染症を有している患者とは、1)選択基準のいずれかに該当し、2)除外基準のいずれにも該当しない患者のことである。
1)選択基準
・UC、大腸穿孔、食道癌、直腸癌開腹術後患者の内、創分類クラス2以上の患者
・UC、大腸穿孔、食道癌、直腸癌開腹術後患者の内、栄養状態及び/又は全身状態が不良の患者
・UC、大腸穿孔、食道癌、直腸癌開腹術後患者の内、手術侵襲が高い患者
・感染症を有している患者
2)除外基準
・心疾患(発症後6ヶ月以内の急性心筋梗塞、虚血性心疾患、加療を要する不整脈)の患者
・脳梗塞・脳出血等の脳血管障害の合併、既往を有する患者
・低血圧症又は収縮期血圧80mmHg以下の患者
・妊娠中、授乳中の女性、妊娠している可能性のある女性
・認知症の患者
・体外循環治療中にショックの既往歴を有する患者
・アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬を服用しており、体外循環施行に先立って服用中止が困難な患者
ここで創分類クラス2以上の患者とは、清潔創1段階以外の準清潔創(クラス2)、汚染創(クラス3)、感染・不潔創(クラス4)の患者を指す。
実施の選択は手術予定症例では術前、感染症発生症例では感染症治療実施中に本試験の説明を行い、好中球除去カラム使用の同意が得られた場合には実施群、使用には同意が得られないものの、好中球機能評価について同意が得られた場合には非実施群(対照群)とした。
施行時期は術直後とし、実施回数は1回とした。抗凝固剤としてはチトラミン(扶桑薬品工業株式会社)を用い、血流の6%で添加した。施行条件は血液流量30〜50mL/分、体外循環時間約60分、目標血液処理量3,000mLとした。
<親水性高分子の合成>
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とジメチルアミノエチルメタクリレート(DM)とをモル比で97:3の割合で混合し、エタノール中の総モノマー濃度を1.0モル/Lとして、1/200モル/Lのアゾビスイソブチロニトリルの重合開始剤の存在下、60℃で8時間、溶液ラジカル重合することによって親水性高分子(以下、HM−3と略称する)を合成した。
<繊維状担体の作成>
HM−3濃度が0.4質量%となるように、HM−3を50%エタノール水溶液に溶解した。得られた溶液に、平均繊維径12μm、目付100g/m、厚み0.47mmのポリエチレンテレフタレート製不織布を浸漬し、余分な液を除去した後に、50℃で20分間乾燥して、フィルタ材(A)を得た。ポリエチレンテレフタレートの密度は、1.38g/cmであった。
フィルタ材(A)のCWST値は95dyn/cmであった。フィルタ材(A)の親水性高分子のコート量を、溶媒に50%エタノール水溶液を用いて測定したところ、繊維状担体1g当たり17mgであった。
HM−3濃度が0.4質量%となるように、HM−3を50%エタノール水溶液に溶解した。得られた溶液に、平均繊維径12μm、目付30g/m、厚み0.20mmのポリエチレンテレフタレート製不織布を浸漬し、余分な液を除去した後に50℃で20分間乾燥して、フィルタ材(B)を得た。
フィルタ材(B)のCWST値は95dyn/cmであった。フィルタ材(B)の親水性高分子のコート量を、溶媒に50%エタノール水溶液を用いて測定したところ、繊維状担体1g当たり8mgであった。
HM−3濃度が0.4質量%となるように、HM−3を50%エタノール水溶液に溶解した。得られた溶液に、平均繊維径2.3μm、目付60g/m、厚み0.30mmのポリエチレンテレフタレート製不織布を浸漬し、余分な液を除去した後に50℃で20分間乾燥して、フィルタ材(C)を得た。
フィルタ材(C)のCWST値は95dyn/cmであった。フィルタ材(C)の親水性高分子のコート量を、溶媒に50%エタノール水溶液を用いて測定したところ、繊維状担体1g当たり32mgであった。
HM−3濃度が0.4質量%となるように、HM−3を50%エタノール水溶液に溶解した。得られた溶液に、平均繊維径1.4μm、目付66g/m、厚み0.40mmのポリエチレンテレフタレート製不織布を浸漬し、余分な液を除去した後に50℃で20分間乾燥して、フィルタ材(D)を得た。
フィルタ材(D)のCWST値は91dyn/cmであった。フィルタ材(D)の親水性高分子のコート量を、溶媒に50%エタノール水溶液を用いて測定したところ、繊維状担体1g当たり27mgであった。
HM−3濃度が0.4質量%となるように、HM−3を50%エタノール水溶液に溶解した。得られた溶液に、平均繊維径1.1μm、目付40g/m、厚み0.24mmのポリエチレンテレフタレート製不織布を浸漬し、余分な液を除去した後に50℃で20分間乾燥して、フィルタ材(E)を得た。
フィルタ材(E)のCWST値は87dyn/cmであった。フィルタ材(E)の親水性高分子のコート量を、溶媒に50%エタノール水溶液を用いて測定したところ、繊維状担体1g当たり17mgであった。
[実施例1]
フィルタ材(C)を18枚積層し、その上にフィルタ材(A)を9枚、フィルタ材(B)を4枚重ねてシート状フィルタを作成した。シート状フィルタを97mm四方に切断して、液体の第1出入口と第2出入口とをそれぞれ対向の頂角部に有する容量125mLの四角形状扁平型容器へ、フィルタ材(A)が第2出入口側になるように充填して、超音波溶着を行うことで扁平型のカラムを作製した。カラムを脱酸素剤(三菱瓦斯化学株式会社、エージレス(登録商標)SS200)と共にナイロン、アルミ、ポリエチレンの積層フィルムによって作られた包装袋に入れ、包装袋をヒートシールすることで密閉した。
包装袋内の酸素濃度を酸素濃度計(飯島電子工業株式会社、RO−102−SDP)を用いて測定し、酸素濃度が1%以下になった後、25kGyのγ線を照射し滅菌を行い、好中球除去カラムを得た。
[実施例2]
フィルタ材(D)を18枚積層し、その上にフィルタ材(A)を9枚、フィルタ材(B)を4枚重ねてシート状フィルタを作成した。シート状フィルタを97mm四方に切断して、液体の第1出入口と第2出入口とをそれぞれ対向の頂角部に有する容量125mLの四角形状扁平型容器へ、フィルタ材(A)が第2出入口側になるように充填して、超音波溶着を行うことで扁平型のカラムを作製した。カラムを脱酸素剤(三菱瓦斯化学株式会社、エージレス(登録商標)SS200)と共にナイロン、アルミ、ポリエチレンの積層フィルムによって作られた包装袋に入れ、包装袋をヒートシールすることで密閉した。
包装袋内の酸素濃度を酸素濃度計(飯島電子工業株式会社、RO−102−SDP)を用いて測定し、酸素濃度が1%以下になった後、25kGyのγ線を照射し滅菌を行い、好中球除去カラムを得た。
[実施例3]
フィルタ材(C)を13枚積層し、その上にフィルタ材(A)を9枚、フィルタ材(B)を4枚重ねてシート状フィルタを作成した。シート状フィルタを97mm四方に切断して、液体の第1出入口と第2出入口とをそれぞれ対向の頂角部に有する容量125mLの四角形状扁平型容器へ、フィルタ材(C)が第2出入口側になるように充填して、超音波溶着を行うことで扁平型のカラムを作製した。カラムを脱酸素剤(三菱瓦斯化学株式会社、エージレス(登録商標)SS200)と共にナイロン、アルミ、ポリエチレンの積層フィルムによって作られた包装袋に入れ、包装袋をヒートシールすることで密閉した。
包装袋内の酸素濃度を酸素濃度計(飯島電子工業株式会社、RO−102−SDP)を用いて測定し、酸素濃度が1%以下になった後、25kGyのγ線を照射し滅菌を行い、好中球除去カラムを得た。
[実施例4]
フィルタ材(C)を18枚積層し、シート状フィルタを作成した。シート状フィルタを97mm四方に切断して、液体の第1出入口と第2出入口とをそれぞれ対向の頂角部に有する容量125mLの四角形状扁平型容器へ充填して、超音波溶着を行うことで扁平型のカラムを作製した。カラムを脱酸素剤(三菱瓦斯化学株式会社、エージレス(登録商標)SS200)と共にナイロン、アルミ、ポリエチレンの積層フィルムによって作られた包装袋に入れ、包装袋をヒートシールすることで密閉した。
包装袋内の酸素濃度を酸素濃度計(飯島電子工業株式会社、RO−102−SDP)を用いて測定し、酸素濃度が1%以下になった後、25kGyのγ線を照射し滅菌を行い、好中球除去カラムを得た。
[実施例5]
フィルタ材(C)を27枚積層し、シート状フィルタを作成した。シート状フィルタを97mm四方に切断して、液体の第1出入口と第2出入口とをそれぞれ対向の頂角部に有する容量125mLの四角形状扁平型容器へ充填して、超音波溶着を行うことで扁平型のカラムを作製した。カラムを脱酸素剤(三菱瓦斯化学株式会社、エージレス(登録商標)SS200)と共にナイロン、アルミ、ポリエチレンの積層フィルムによって作られた包装袋に入れ、包装袋をヒートシールすることで密閉した。
包装袋内の酸素濃度を酸素濃度計(飯島電子工業株式会社、RO−102−SDP)を用いて測定し、酸素濃度が1%以下になった後、25kGyのγ線を照射し滅菌を行い、好中球除去カラムを得た。
[実施例6]
フィルタ材(C)を18枚積層し、その上にフィルタ材(A)を9枚、フィルタ材(B)を4枚重ねてシート状フィルタを作成した。シート状フィルタを97mm四方に切断して、液体の第1出入口と第2出入口とをそれぞれ対向の頂角部に有する容量125mLの四角形状扁平型容器へ、フィルタ材(A)が第2出入口側になるように充填して、超音波溶着を行うことで扁平型のカラムを作製した。カラムをナイロン、アルミ、ポリエチレンの積層フィルムによって作られた包装袋に入れ、包装袋をヒートシールすることで密閉した。25kGyのγ線を照射し滅菌を行い、好中球除去カラムを得た。
[比較例1]
フィルタ材(C)を12枚積層し、その上にフィルタ材(A)を9枚、フィルタ材(B)を4枚重ねてシート状フィルタを作成した。シート状フィルタを97mm四方に切断して、液体の第1出入口と第2出入口とをそれぞれ対向の頂角部に有する容量125mLの四角形状扁平型容器へ、フィルタ材(C)が第2出入口側になるように充填して、超音波溶着を行うことで扁平型のカラムを作製した。カラムを脱酸素剤(三菱瓦斯化学株式会社、エージレス(登録商標)SS200)と共にナイロン、アルミ、ポリエチレンの積層フィルムによって作られた包装袋に入れ、包装袋をヒートシールすることで密閉した。
包装袋内の酸素濃度を酸素濃度計(飯島電子工業株式会社、RO−102−SDP)を用いて測定し、酸素濃度が1%以下になった後、25kGyのγ線を照射し滅菌を行い、好中球除去カラムを得た。
[比較例2]
平均繊維径2.3μm、目付60g/m、厚み0.30mmのポリエチレンテレフタレート製不織布を18枚積層し、その上に平均繊維径12μm、目付100g/m、厚み0.47mmのポリエチレンテレフタレート製不織布9枚、平均繊維径12μm、目付30g/m、厚み0.20mmのポリエチレンテレフタレート製不織布4枚を重ねてシート状フィルタを作成した。シート状フィルタを97mm四方に切断して、液体の第1出入口と第2出入口とをそれぞれ対向の頂角部に有する容量125mLの四角形状扁平型容器へ、平均繊維径2.3μmの不織布が第2出入口側になるように充填して、超音波溶着を行うことで扁平型のカラムを作製した。カラムを脱酸素剤(三菱瓦斯化学株式会社、エージレス(登録商標)SS200)と共にナイロン、アルミ、ポリエチレンの積層フィルムによって作られた包装袋に入れ、包装袋をヒートシールすることで密閉した。
包装袋内の酸素濃度を酸素濃度計(飯島電子工業株式会社、RO−102−SDP)を用いて測定し、酸素濃度が1%以下になった後、25kGyのγ線を照射し滅菌を行い、好中球除去カラムを得た。
[比較例3]
フィルタ材(E)を18枚積層し、その上にフィルタ材(A)を9枚、フィルタ材(B)を4枚重ねてシート状フィルタを作成した。シート状フィルタを97mm四方に切断して、液体の第1出入口と第2出入口とをそれぞれ対向の頂角部に有する容量125mLの四角形状扁平型容器へ、フィルタ材(A)が第2出入口側になるように充填して、超音波溶着を行うことで扁平型のカラムを作製した。カラムを脱酸素剤(三菱瓦斯化学株式会社、エージレス(登録商標)SS200)と共にナイロン、アルミ、ポリエチレンの積層フィルムによって作られた包装袋に入れ、包装袋をヒートシールすることで密閉した。
包装袋内の酸素濃度を酸素濃度計(飯島電子工業株式会社、RO−102−SDP)を用いて測定し、酸素濃度が1%以下になった後、25kGyのγ線を照射し滅菌を行い、好中球除去カラムを得た。
得られた好中球除去カラムの顆粒球/リンパ球の除去率、血小板の通過率、圧力損失を測定し、繊維状担体の総表面積を算出した。結果を表1に示す。
表1から、親水性高分子を表面に有し、総表面積が10.5m以上で平均繊維径が1.4μm以上のフィルタ材から構成される好中球除去カラムであれば、顆粒球の除去率が80%以上で血小板の通過率が75%以上となることがわかる。
Figure 0006263262
繊維状担体の総表面積と顆粒球の除去率との関係、繊維状担体の総表面積と血小板の通過率との関係、及び繊維状担体の総表面積とリンパ球の除去率との関係をそれぞれ図1から図3に示す。
図1から、顆粒球の除去率を80%以上にする観点から繊維状担体の総表面積は10.5m以上であることが好ましい。
白血球除去療法(LCAP)は、末梢血液中の炎症や免疫機能の悪循環を改善させる機能も有する。本機能を得るにはリンパ球の除去率を30%以上にする必要があり、リンパ球の除去率の機能からも繊維状担体の総表面積が10.5m以上であることが好ましい。
顆粒球の除去率及びリンパ球の除去率の観点から、親水性高分子を表面に有し、且つ平均繊維径が1.4μm以上からなる繊維状担体から構成される好中球除去カラムにおいては、繊維状担体の総表面積が10.5m以上である必要性が分かる。
また、図2から、血小板の通過率を75%以上にする観点から繊維状担体の総表面積を21m以下にすることが好ましい。
[実施例7]
40才男性、創分類クラス2、栄養状態良好、ASA分類1のクローン患者に対して、待機手術を行った。
ここで、ASA (American Society of. Anesthesiologists)分類とはアメリカ麻酔科学会における全身状態分類のことである。ASA分類1は、器質的、生理的、生化学的あるいは精神的な異常がなく、手術の対象となる疾患は局在的であって、全身的(系統的)な障害を惹き起こさないものである。ASA分類2は、軽度〜中程度の系統的な障害があるものをいう。その原因は、外科的治療の対象となった疾患、又は、それ以外の病態生理学的な原因によるものである。ASA分類3は、重症の系統的疾患があるものをいう。この場合,系統的な障害を起こす原因は何であってもよいし、はっきりした障害の程度を決められない場合でも差し支えない。ASA分類4は、それによって生命がおびやかされつつあるような高度の系統的疾患があって、手術をしたからといって、その病変を治療できるとは限らないものである。ASA分類5は、瀕死の状態の患者で助かる可能性は少ないが、手術をしなければならないものをいう。ASA分類6は脳死患者を指す。
手術は内視鏡下手術で、手術時間は439分であった。手術侵襲のやや高い患者であり、輸血は無かった。手術終了68分後に、実施例1で作製した好中球除去カラムを用いて好中球除去を開始した。抗凝固剤としてチトラミン(扶桑薬品工業株式会社)を使用し、血液処理量は3.0L、施行時間は79分であった。
好中球除去施行前後で末梢血を採取し、末梢血好中球の生細胞率、後期アポトーシス好中球、及び血小板数を測定した。
[実施例8]
47才女性、創分類クラス2、栄養状態良好、ASA分類1のクローン患者に対して、待機手術を行った。手術時間は277分で、手術侵襲のやや高い患者であった。輸血は無かった。手術終了72分後に、実施例1で作製した好中球除去カラムを用いて好中球除去を開始した。抗凝固剤としてチトラミン(扶桑薬品工業株式会社)を使用し、血液処理量は3.0L、施行時間は60分であった。
好中球除去施行前後で末梢血を採取し、末梢血好中球の生細胞率、後期アポトーシス好中球、及び血小板数を測定した。
[実施例9]
44才男性、創分類クラス3、栄養状態やや不良、ASA分類3の全大腸炎型UC患者に対して、待機手術を行った。手術時間は276分で、手術侵襲のやや高い患者であった。輸血はMAP4単位であった。手術終了77分後に、実施例1で作製した好中球除去カラムを用いて好中球除去を開始した。抗凝固剤としてチトラミン(扶桑薬品工業株式会社)を使用し、血液処理量は3.0L、施行時間は80分であった。
好中球除去施行前後で末梢血を採取し、末梢血好中球の生細胞率、後期アポトーシス好中球、及び血小板数を測定した。
[実施例10]
53才男性、創分類クラス3、栄養状態良好、ASA分類2の腹腔内膿瘍患者に対して、待機手術を行った。手術時間は137分で、手術侵襲のやや高い患者であった。輸血は無かった。手術終了66分後に、実施例1で作製した好中球除去カラムを用いて好中球除去を開始した。抗凝固剤としてチトラミン(扶桑薬品工業株式会社)を使用し、血液処理量は3.0L、施行時間は75分であった。
好中球除去施行前後で末梢血を採取し、末梢血好中球の生細胞率、及び後期アポトーシス好中球を測定した。
[実施例11]
30才女性、創分類クラス2、栄養状態良好、ASA分類2のUC患者に対して、待機手術を行った。手術時間は525分で、手術侵襲の高い患者であった。輸血は無かった。手術終了73分後に、実施例1で作製した好中球除去カラムを用いて好中球除去を開始した。抗凝固剤としてチトラミン(扶桑薬品工業株式会社)を使用し、血液処理量は3.0L、施行時間は67分であった。
好中球除去施行前後で末梢血を採取し、末梢血好中球の生細胞率、及び後期アポトーシス好中球を測定した。
[比較例4]
49才男性、創分類クラス2、ASA分類1の全大腸炎型UC患者に対して、待機手術を行った。手術は内視鏡下手術で、手術時間は396分、手術侵襲のやや高い患者であった。輸血は無かった。
手術終了1時間後及び2時間後に末梢血を採取し、末梢血好中球の生細胞率、後期アポトーシス好中球、及び血小板数を測定した。
[比較例5]
61才男性、創分類クラス2、ASA分類2の食道癌患者に対して、待機手術を行った。手術は内視鏡下手術で、手術時間は910分、手術侵襲の高い患者であった。輸血は無かった。
手術終了1時間後及び2時間後に末梢血を採取し、末梢血好中球の生細胞率、後期アポトーシス好中球、及び血小板数を測定した。
以上の結果をまとめて表2に示す。
UC患者1例、クローン病患者2例の計3例で、好中球除去の施行後、好中球の生細胞率(viability)は増加し、後期アポトーシス好中球数は減少し、血小板数は術前の90%以上に維持されていた
好中球除去カラムを用いた好中球除去の施行により、患者末梢血中の血小板数は止血機能を維持する範囲にコントロールされつつ、好中球の生細胞率は増加することが示された。特に、施行前のviable好中球の割合が90%未満の症例では、好中球の生細胞率の増加が顕著であった。また、好中球除去の施行により、患者末梢血中の後期アポトーシス好中球の数が減少することも確認された。
Figure 0006263262
[実施例12]
74才男性、栄養状態良好の腹腔内膿瘍・腸腰筋膿瘍患者(手術は無し、感染症を有している)に対して、実施例1で作製した好中球除去カラムを用いて好中球除去を開始した。抗凝固剤としてチトラミン(扶桑薬品工業株式会社)を使用し、血液処理量は2.0L、施行時間は40分であった。
好中球除去施行前、及び好中球除去施行1日後に末梢血を採取し、末梢血中のviable好中球数、初期アポトーシス好中球数、ネクローシス好中球数、後期アポトーシス好中球数を測定した。結果を表3に示す。
本症例は感染症を有している患者であり、好中球除去の施行前の末梢血中の初期アポトーシス好中球の割合は85%に達しており、viable好中球の割合はわずか9.1%であった。この割合が好中球除去の施行1日後に劇的に変化して、初期アポトーシス好中球の割合は0.8%、viable好中球の割合は95.2%となった。viable好中球の割合が低い(アポトーシス好中球の割合が高い)患者に好中球除去を施行すると、施行1日後にはviable好中球数が増え、アポトーシス好中球数が減少し、viable好中球/アポトーシス好中球の割合が顕著に増加することがわかった。
Figure 0006263262
本発明の好中球除去カラムを用いて感染リスクの高い患者の末梢血を体外循環処理すると、末梢血中の好中球の生細胞率が増加し、感染リスクを低下させることができる。また、本発明の好中球除去カラムを用いて既に感染の起こっている患者の末梢血を体外循環処理すると、末梢血中の好中球の生細胞率が増加し、感染菌の排除効率を著しく上げることができる。さらに、本発明の好中球除去カラムを用いると、血小板の通過率が高く、止血能を維持する範囲に体内循環血液中の血小板数をコントロールすることができる。
本出願は、2014年6月20日出願の日本特許出願(特願2014−127710号)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の好中球除去カラムは、血液循環用カラムとして産業上の利用可能性を有する。

Claims (9)

  1. 親水性高分子を表面に有する繊維状担体が充填され、
    繊維状担体の総表面積が10.5m2以上21m 2 以下であり、
    繊維状担体は平均繊維径1.4μm以上の担体から構成され
    前記親水性高分子が塩基性官能基と非イオン性親水基とを有し、
    好中球カラムの容器内容積が50mL以上500mL以下であり、
    顆粒球の除去率が80%以上であり、
    リンパ球の除去率が70%以下である、体内循環血液の好中球の生細胞率を増加させるための好中球除去カラム。
  2. 血小板の通過率が75%以上である、請求項1に記載の好中球除去カラム。
  3. 周辺雰囲気の酸素濃度を1%以下とした状態で放射線滅菌されている、請求項1又は2に記載の好中球除去カラム。
  4. 前記塩基性官能基がジメチルアミノエチルメタクリレート由来であり、且つ前記非イオン性親水基が2−ヒドロキシエチルメタクリレート由来である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の好中球除去カラム。
  5. 前記繊維状担体が平均繊維径1.4μm以上2.6μm以下の担体を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の好中球除去カラム。
  6. 前記繊維状担体が平均繊維径8μm以上14μm以下の担体をさらに含む、請求項に記載の好中球除去カラム。
  7. 前記繊維状担体が不織布である、請求項1〜のいずれか1項に記載の好中球除去カラム。
  8. 前記繊維状担体の臨界湿潤表面張力が生理的溶液の表面張力以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載の好中球除去カラム。
  9. 潰瘍性大腸炎、大腸穿孔、食道癌、直腸癌開腹術後患者であって創分類クラス2以上の患者若しくは手術侵襲の高い患者、又は感染症を有している患者のための、請求項1〜のいずれか1項に記載の好中球除去カラム。
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