JP6262759B2 - 蒸気滅菌後の水分指示方法及び物品 - Google Patents

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Description

本開示は、蒸気滅菌後の水分の検出のために、可逆性水分指示器を用いる方法及びパッケージに関する。
病院の中央滅菌(CS)部門内では、医療器具が洗浄され、組み立てられ、処理され、パッケージ化され、保管され、かつ患者の治療のために支給される。医療器具類は、手術室から受け取られ、CS部門の汚染除去区域の中へ入れられる。そこで、器具は、自動洗浄消毒器の中に配置される前に、手作業で洗浄かつ消毒され、清浄度を視覚的に評価される。洗浄消毒器内で一旦処理されると、器具は、パッキング及び滅菌器の中に配置される前に視覚的に検査される。滅菌後、器具は、手術室で必要とされるまで保管される。
滅菌から使用までの間の時間は、数分から数週間の範囲に及ぶ場合があるので、包装材料及び包装方法は、滅菌処理中に滅菌剤(すなわち、飽和蒸気)の侵入を可能し、並びに保管及び取扱い中に汚染から器具を保護しなければならない。滅菌包装によってもたらされる物理的な、微生物に対するバリアが易感染性である場合、器具のセットは汚染されているとみなされ、使用前に再処理されなければならない。器具のセットを再処理しなければならないことにより、CS部門における生産性の低減及び手術の遅延など望まれない結果を生じる場合がある。緊急の状況では、病院は、フラッシュ滅菌を使用する場合があり、この処理は、即使用のされる患者の治療アイテムの蒸気滅菌用に設計されているが、手術部位での感染の増加の危険に患者をさらす場合がある。したがって、器具を再処理することは、手術室にとってもCS部門にとっても同様に重要な問題であると考えられている。
「湿潤パック」は、パッケージ化された器具セットが非無菌で再処理が必要と思われ得る1つの理由である。器具セットは、蒸気滅菌サイクルが完了した後に、湿気、液滴、又は水たまりの形態の水分が剛性容器、不織布ラップ、剥離パウチ、又は器具などの滅菌パッケージ上又は滅菌パッケージ内で観察される場合に、湿っているとみなされる。非常に単純に、水分は、パック内部の微生物を運搬し、無菌器具を汚染する媒介者として作用する場合があり、湿潤パックは、無菌性を確実にする際に重要な問題となっている。
器具セットの不適切な前処理/配置、間違った包装材料又は方法、滅菌剤の不適切な充填、不十分な乾燥時間、不適切な冷却法、蒸気品質不良、不適切に排出される蒸気供給ライン、及び/又は不適切なサイクルの選択など、湿潤パックに関していくつかの潜在的な原因がある。パックの外側の水分は、通常、パッケージ化された器具が滅菌器から取り出されるとすぐに検出することができる。しかしながら、パック内部の水分は、パッケージ化された器具セットが使用される時点で開封されるまで検出されないままの場合がある。湿潤パックが最大の問題を示すのは、時間及び確実な無菌性が最重要課題である手術室における使用の時点で、潜伏する内部の水分が発見されるという実例においてである。
本開示は、蒸気滅菌後に水分のレベルを指示するための方法及びパッケージを目的とする。蒸気滅菌後の湿潤パックの早期指示を提供するための解決策へのニーズがある。
本開示の一態様では、水分を検出する方法が提供され、方法は、(a)可逆性水分指示媒体を含む物品を蒸気滅菌器内で蒸気滅菌にさらし、滅菌された物品を製造する工程と、(b)滅菌された物品を乾燥させ、滅菌された物品中の水分を低減する工程と、(c)滅菌された物品を蒸気滅菌器から取り出す工程と、(d)工程(c)後の滅菌された物品中の水分のレベルを、水分指示媒体の少なくとも1つの特性に基づいて判定する工程と、の連続的な工程を含む。
方法の一実施形態では、水分指示媒体が、CoCl、CoBr、Co(SCN)、CuCl、CuBr、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。方法の別の実施形態では、水分指示媒体が、固体金属酸化物支持体と、該支持体に結合されたビス(グリオキシム)−遷移金属錯体と、を含んでもよい。方法の更に別の実施形態では、水分指示媒体が、pH指示染料を含んでもよい。方法の別の実施形態では、物品が、第1の表面を有する水分不透過性層と、水分指示媒体を含む水分指示層と、を含む、蒸気滅菌後湿潤パック指示器を更に含み、水分指示層が、水分不透過性層の第1の表面上若しくはその近辺に配設され、この水分指示層が、水分不透過性層よりも寸法的に小さく、水分不透過性層の縁部が、水分指示層の縁部を超えて延在する。
本開示の別の態様では、空洞を画定するエンクロージャと、空洞と流体連通する可逆性蒸気滅菌互換性水分指示媒体と、を含む、パッケージが提供される。エンクロージャの少なくとも一部が、水分透過性材料を含み、空洞へのかつ空洞からの蒸気の透過を可能にする。
パッケージの一実施形態では、水分指示媒体が、CoCl、CoBr、Co(SCN)、CuCl、CuBr、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。パッケージの別の実施形態では、水分指示媒体が、固体金属酸化物支持体と、支持体に結合されたビス(グリオキシム)−遷移金属錯体と、を含んでもよい。パッケージの更に別の実施形態では、水分指示媒体が、pH指示染料を含んでもよい。
提示される方法及びパッケージにより、湿潤パックの早期指示など、蒸気滅菌後の滅菌されたパッケージ内の水分量の可逆的かつ定量的指示を提供することができる。
上記概要は、本発明のすべての実施のそれぞれ開示される実施形態を説明することを目的としたものではない。本発明の1つ以上の実施形態の詳細を以下の説明文においても記載する。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、その説明文及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
パッケージの例示的な実施形態の透視図である。 滅菌パッケージの例示的な実施形態の透視図である。 工程試験器具(process challenge device)パッケージの例示的な実施形態の断面透視図である。 本開示のある実施形態による湿潤パック指示器の平面透視図である。 本開示のある実施形態による湿潤パック指示器の断面図である。 本開示のある実施形態による、例示的なパッケージの透視図である。
以下の説明において、添付の一連の図面を参照するが、それらの図面は説明の一部をなすものであり、また、いくつかの特定の実施形態を実例として示すものである。本発明の範囲又は趣旨を逸脱することなく、他の実施形態が考えられ、また実施することが可能である点は理解されるべきである。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
特に断りがないかぎり、本明細書及び特許請求の範囲で使用される特徴の大きさ、量、及び物理的特性を表わすすべての数字は、いずれの場合においても「約」なる語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、そうでないことが示されないかぎり、上記の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、当業者が本明細書に開示される教示を用いて得ようとする所望の特性に応じて異なりうる近似値である。終点による数の範囲の使用は、その範囲内(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)の全ての数及びその範囲内の任意の範囲を含む。
本明細書において使用する場合、
「ビス(グリオキシム)−遷移金属錯体」とは、2つのグリオキシム部分が遷移金属に錯化した錯体を指し、本明細書に更に記載されるように、グリオキシム部分は、オルト位で水素に置換されるアルキル又はその他の基を有し得る。
「グリオキシム」は、置換された又は非置換のオルトケトンの隣接ジオキシムを指す。
「色相」は、0〜360の値(中間の全ての数を含む)に及び、刺激が、赤色、緑色、及び青色として記載される刺激と類似の又は異なるものとして記載されてもよく、かつ本明細書で更に記載される既知の数学的技法を使用して計算され得る、程度を指す。
「湿度」及び「水分」は、水の全ての形態、例えば、環境に存在する又は水分指示媒体の表面に吸着される水蒸気及び液体形態を含むよう互換的に使用される。
「水分透過性」、「水分浸透性」、「蒸気透過性」、及び「蒸気浸透性」は、本明細書では互換的に使用される。
「可視分光反射色強度変化」は、2つの色の状態の間で観察される差を指し、いくつかの実施形態では、色相の差として表現され得る。
「可視分光反射」とは、通常は電磁スペクトルの近UV可視領域、約350nm〜約830nmにある反射の測定値を指し、特定の組成物の実際の反射スペクトルが、溶媒、溶媒和、薄い表面コーティングの干渉、及び温度などその他の環境パラメータにより影響を受け得ることが理解される。
「光スペクトル」は、物体からのかつ/又は物体を通る近可視及び可視波長における、反射及び/又は透過された電磁放射のスペクトルを指す。場合によっては、光スペクトルの変化は、可視色の変化である。
「遷移金属」は、21〜30、39〜48、72〜80、及び104〜112の原子番号を有する任意の元素又は複数の元素を指す。例示的な遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ロジウム、イリジウム、白金、パラジウム、金、ニッケル、銅、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
特に明記しない限り、本明細書で使用される場合、全ての相対湿度値は、室温(22℃〜28℃)で測定される相対湿度を指す。
例えば、医療用器具、装置、包帯、及び設備を含むさまざまな製品及び物品は、使用前に滅菌して創傷部位、試料、器官等の生物学的汚染を防止する必要がある。典型的には、医療処置で使用される物品は、容器の中へ配置され、気体透過性材料から製造された可撓性のラップ(例えば、布又はシート)で包まれるか、又は物品は再利用可能な半密閉式剛性容器の中へ配置される。製品又は物品を滅菌剤と接触させることを伴う、多くの滅菌処理が用いられている。そのような滅菌剤の例には、蒸気、エチレンオキシド、過酸化水素等が挙げられる。蒸気滅菌は、単一の蒸気滅菌器を使用して物品の多数のバッチを24時間、滅菌条件に供することができることが少なくとも一部の理由で広く用いられている。しかしながら、蒸気滅菌サイクル又は包装に関する種々の条件により、滅菌後のパック内に水分が存在するという結果をもたらし、これによってパックの内容物の無菌性を危険にさらす場合がある。これらのいわゆる湿潤パックは、蒸気滅菌処置において問題であり続けている。
病院のCS部門では、蒸気滅菌後の湿潤パックの早期指示を提供するための解決策に対するニーズが存在する。早期に特定されると、湿潤パックは早期に再処理され、非易感染性の無菌パックが手術室に搬送されるようなる。
いくつかの非可逆性水分指示器を用いて、蒸気滅菌オートクレーブの稼働中の蒸気の存在を確認してきた。しかしながら、これらの水分指示器は、一旦滅菌サイクルを受けてしまうと、これらは、滅菌及び乾燥後の水分の有無に関する情報を一切提供することができなかった。更には、滅菌オートクレーブで使用される高温(しばしば、最大135℃)及び高圧力(しばしば最大2.8バール(280kPa))は、いくつかの水分指示器材料、特に比色水分指示器に好適ではない場合があり、このような指示器は、蒸気滅菌後に低温又は低圧力に再度さらされると、期待通りに実行することを妨げる場合がある。最終的に、水分指示器は、複雑な検出装置を必要とするか、又は検出することが難しい検出出力を有する場合がある。
蒸気滅菌の温度及び圧力に耐えることができ、広範囲の湿度レベルにわたって高視認性色を有し、湿度の変化と共に定性的及び/又は定量的に変化できる、可逆性比色水分センサを使用することにより、蒸気滅菌後の滅菌されたパック内に存在する水分量の信頼性の高い指示をすることができるので、湿潤パックの信頼性の高い早期的な指示をすることができることが発見された。
本開示は、全般的には、蒸気滅菌後の水分を検出するための方法を提供する。概ね、方法は、(a)可逆性水分指示媒体を含む物品を蒸気滅菌器内で蒸気滅菌にさらし、滅菌された物品を製造する工程と、(b)滅菌された物品を乾燥させ、滅菌された物品中の水分を低減する工程と、(c)滅菌された物品を蒸気滅菌器から取り出す工程と、(d)工程(c)後の滅菌された物品中の水分のレベルを、水分指示媒体の少なくとも1つの特性に基づいて判定する工程と、の連続的な工程を含む。
可逆性とは、水分指示媒体が湿度条件の1つのセットにさらされる場合、これが特定の特性(例えば、色、分光吸収、不透明度等)に関連付けられている元の値を有し、次いで湿度条件のセットが変化すると、組成物が変化し、特定の特性に関連付けられている別の第2の値をもたらし(例えば、組成物が色、不透明度を変化させる)、最終的に、組成物が湿度条件の初期のセットに戻ると、組成物が再び変化し、この特定の特性に関連付けられている第3の値をもたらすことを意味する。この得られた特定の特性の第3の値は、およそ元の値に戻る。いくつかの実施形態では、水分指示媒体は、完全な可逆性を示すこととなる。かかる可逆性水分指示媒体は、湿度条件の初期のセットに再びさらされると、特定の特性の元の値に実質的に戻る。したがって、完全に可逆性の水分指示媒体については、特定の特性の第3の値は、特定の特性の元の値に実質的に同等である。他の実施形態では、水分指示媒体は、部分的可逆性を示すこととなる。すなわち、組成物が湿度条件の初期のセットに戻ると、特定の特性の得られる第3の値は、第2の値よりも元の値に近くなる。いくつかの実施形態において、特定の特性における変化(色若しくは色相変化、又は不透明度の変化など)が、ヒトの目で容易に検出可能であることは重要である。これらの実施形態では、ヒトの目は、特定の特性の元の値と第2の値との間の差、並びに特定の特性の第2の値と第3の値との間の差を検出することができる。したがって、いくつかの実施形態では、元の色相番号と第2の色相番号との間の差、又は第2の色相番号と第3の色相番号との間の差は、いくつかの実施形態では少なくとも15であり、いくつかの実施形態では、少なくとも30、いくつかの実施形態では、少なくとも60である。色相番号0〜60、又は色相番号300〜60等、いくつかの色の範囲において、色相のより小さい差が検出可能である。色相番号60〜300等、他の色の範囲において、色相番号のより大きい差のみが検出可能であってもよい。色(又は色相)の元の値と第3の値との差が、もしあれば、人の目によって検出可能である必要はない。
広くは、滅菌処理は、水分指示媒体を滅菌器内に配置することを含む。いくつかの実施形態では、滅菌器は滅菌室を含み、こうした滅菌室は滅菌しようとする複数の物品を収容するようなサイズであってもよく、滅菌室から空気及び/又は他の気体を排気する手段、及び滅菌室に蒸気を加える手段を備えていてよい。水分指示媒体を含む物品は、滅菌することが最も難しい滅菌器の区域(例えば、蒸気滅菌器内のドレーンの上部)に位置付けられてもよい。あるいは、水分指示媒体を含む物品は、水分指示媒体を含む物品が滅菌室に位置付けられるとき、滅菌対象物に隣接して(又は概ね近接して)位置付けられてもよい。加えて、水分指示媒体を含む物品は、滅菌器で使用され得る工程試験器具内に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、水分指示媒体を含む物品は、手術用器具、医療装置、歯科用器具、移植片、手当用品、及び包帯などの滅菌対象物を更に含有してもよい。
方法は、水分指示媒体を含む物品を蒸気滅菌にさらすことを更に含む。蒸気は、滅菌室中に存在する任意の空気又は他の気体の少なくとも一部を滅菌室から排気した後に滅菌室に加えることができる。あるいは、蒸気は、滅菌室を排気せずに、滅菌室に加えられてもよい。一連の排気工程は、蒸気が、滅菌室内の全ての所望される区域に到達し、水分指示媒体を含む物品を含む、全ての所望の(複数の)滅菌対象物に確実に接触するように使用される。
物品がさらされる蒸気滅菌は、予備真空及び重力蒸気滅菌処理を含む当該技術分野において既知の従来の方法に従う蒸気滅菌処理のいずれかであってよい。少なくともいくつかの蒸気滅菌処理において、例えば、121℃、132℃、134℃、135℃等の高温が処理に含まれ、又は生じてもよい。加えて、高圧力、例えば2.8バール(280kPa)等が生じてもよい。例示的な真空の深さは、0.8バール(80kPa)等を含んでもよい。いくつかの実施形態では、蒸気暴露時間は、暴露温度に応じて、3分〜30分の範囲に及んでもよい。例示的な乾燥条件は、概ね100ミリバール(1×10Pa)のポストバキュームの深さ、及び当該技術分野において既知の従来の方法に従う他の乾燥条件を含む。いくつかの実施形態では、乾燥時間は、10分、20分、30分、40分、50分、60分、又はそれ以上を含んでもよい。
一般的に、一旦滅菌された物品が、蒸気滅菌器から取り出されると、滅菌された物品中の水分のレベルは、水分指示媒体の少なくとも1つの特性を目視観察することによって判定される。滅菌された物品中の水分のレベルを判定するための他の例示的な方法は、水分指示媒体の分光反射又は透過を観察することと、又は比色分析、反射光測定、ディジタル撮像、及び他の従来の光学撮像法などの他の測定法を使用することと、を含む。
いくつかの実施形態では、工程(c)の後の滅菌された物品中の水分のレベルを判定する際に使用される水分指示媒体の例示的な特性としては、色、色相、及び不透明度を挙げることができる。いくつかの実施形態では、水分指示媒体の少なくとも1つの特性は、水分指示媒体が位置する環境における水分の現行レベルに直接的に関連する。例えば、水分指示媒体の色は、水分指示媒体が位置する環境における水分の現行レベルに直接的に関連してもよい。水分指示媒体が位置する環境は、例えば、滅菌室、部屋、又はパッケージを含む、水分指示媒体を取り囲む区域であってもよい。直接的に関連するとは、その特性が、水分指示媒体が位置する環境における水分のレベルに関する情報を与えることを意味する。この情報は、おおよそであってもよく、又は水分指示媒体が位置する環境における水分のレベルに定量的に関連してもよい。水分のレベルを判定するために色が観察される場合、いくつかの実施形態では、水分指示媒体は、水分条件が変われば異なる色の変化を示すこととなる。例えば、水分指示媒体は、30%の相対湿度で緑色に見え、70%の相対湿度でピンク色に見える等、2つの異なるレベルの相対湿度で、2つの異なる色を示してもよい。色は、ヒトの目によって、又は分光光度計若しくは比色計等の測定デバイスの補助で、目視観察されてもよい。色相は、水分指示媒体が位置する環境における水分のレベルに定量的に関係してもよく、本明細書で更に記載される既知の数学的技法を使用して、測定された反射スペクトルを色相に変換することによって判定されてもよい。したがって、水分のレベルを判定する工程は、可逆性水分支持媒体の色を目視観察すること、又は水分指示媒体の可視反射又は透過スペクトルを測定することを含んでもよい。特に測定器具が、水分指示媒体の色の特性を観測するために使用される場合、あいまいな色の変化を示す水分指示媒体もまた有用であり得る。不透明度は、ヒトの目で目視により、又は測定装置の補助により観察されてもよい。
方法は、可逆性水分指示媒体の少なくとも1つの特性を、対応する所定の閾値と比較し、滅菌された物品が適切に乾燥しているかどうかを判定する工程を更に含んでもよい。適切に乾燥するとは、滅菌された物品が、その使用目的及びその使用目的の環境条件に許容されるのに十分に乾燥していることを意味する。例えば、適切に乾燥した物品は、微生物などの汚染物質を物品に侵入させるのには十分に湿潤状態ではないとみなされる物品であり得る。適切に乾燥した物品の別の例として、凝結の潜在性が低減した、物品を包囲する環境における所定のレベルの水分を含んでもよい。「対応する所定の閾値」とは、水分指示媒体の観察された特性及び所定の閾値が、同一の特性タイプのものであることを意味する。例えば、水分指示媒体の色が観察される場合、対応する所定の閾値は、ある温度でのある水分のレベルを示す、ある色及び色のチャートを含んでもよい。所定の閾値の色に対する水分及び温度範囲の所望の特定のレベルは、使用される特定の水分指示媒体、並びに方法が使用されている所望の用途に依存することとなるが、当業者によって決定されてもよい。例示的な対応する所定の閾値として、ある色、色相、不透明度、又は通常当該技術分野において既知の吸収の際の透明性若しくは光の強さの他の特定の測定値を含んでもよい。いくつかの実施形態では、所定の閾値は、定義された相対湿度値の指標である。いくつかの実施形態では、水分のレベルは、環境の相対湿度に直接的に相関してもよい。所定の閾値は、直接測定によって決定されてもよく、又は現況技術で一般的に既知のものであってもよい。いくつかの実施形態では、所定の閾値の色は、緑色、黄色、オレンジ色、ピンク、青色、紫色、及び白色を含んでもよい。所定の閾値の色相は、使用される特定の水分指示媒体、並びに方法が使用されている所望の用途に依存することとなるが、当業者によって決定されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、CoCl指示器の所定の閾値の色相は、180〜240及び280〜360の値を含んでもよい。同様に、所定の閾値の不透明度は、使用される特定の水分指示媒体、並びに方法が使用されている所望の用途に依存するが、当業者によって決定されてもよい。不透明度は、光伝送法又は光反射法を用いて測定することができ、多くの場合、百分率として表わすことができる。概ね、全ての特性(例えば、色、色相、不透明度等)の所定の閾値は、特定の水分指示媒体が明確な色変化を表す環境湿度のレベルなどの対応する特性における有意な変化に相関することとなる。
本方法で使用される物品は、水分指示媒体を含む。物品は、エンクロージャによって画定される空洞を更に含む。エンクロージャの少なくとも一部は、水分透過性材料を含み、空洞へのかつ空洞からの蒸気の浸透を可能にする。水分指示媒体は、空洞の内部又は外部に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、エンクロージャは、織布又は不織布ラップ、可撓性容器、剛性容器、剥離パウチ、高分子マトリックス、紙、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。本方法で使用される追加的で例示的な物品として、本明細書に記載されるパッケージが挙げられる。
いくつかの実施形態では、物品は、第1の表面を有する水分不透過性層と、水分指示媒体を含む水分指示層と、を含む、蒸気滅菌後湿潤パック指示器を更に含む。湿潤パック指示器のいくつかの実施形態では、水分指示層は、水分不透過性層の第1の表面上又はその近辺に配設される。
水分指示層は、水分不透過性層よりも寸法的に小さく、水分不透過性層の縁部は、水分指示層の縁部を超えて延在する。上又は近辺に配設されるとは、水分指示層が水分不透過性層上に直接的に配設されている実施形態、及び水分不透過性層と水分指示層との間に配設された1つ以上の任意の層が存在する実施形態が含まれる。水分不透過性とは、水分指示層に至る水分の大部分が、水分不透過性層を通過又は横切ることがないように、水分不透過性層が実質的に水分不透過性であることを意味する。
湿潤パック指示器の他の実施形態では、水分不透過性層は、陥凹部を含み、水分指示層は、陥凹部内に配設されている。本方法で使用される物品のいくつかの実施形態では、エンクロージャの少なくとも一部は、水分透過性材料を含み、水分透過性材料は、空洞の一部を画定する内面を有し、水分透過性材料は、外面を有し、蒸気滅菌後湿潤パック指示器は、水分透過性材料の外面上に位置する。
いくつかの実施形態では、本方法で使用される湿潤パック指示器は、水分不透過性層と水分指示層との間に配設された1つ以上の任意の中間層を更に含んでもよい。任意の中間層は、色増強層と、ウィッキング層と、接着剤と、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、湿潤パック指示器は、1つ以上の任意の基層を更に備えてもよい。任意の基層は、水分透過性材料、又はエンクロージャ若しくはエンクロージャの一部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本方法で使用される湿潤パック指示器は、1つ以上の任意の下層を更に含んでもよい。任意の下層は、水分不透過性層と反対側の水分指示層の表面上に配設されてもよく、水分指示層と1つ以上の基層との間に配設されてもよい。任意の下層は、接着剤と、色増強層と、ウィッキング層と、試験用層と、を含んでもよい。
任意の中間層及び下層は、水分指示層と同じ区域寸法を有してもよく、又は水分指示層よりも寸法的に大きい又は小さい区域であってもよい。いくつかの実施形態では、任意の中間層及び下層の区域は、水分不透過性層よりも寸法的に小さく、水分不透過性層の縁部は、任意の中間層及び下層の縁部を超えて延在する。任意の基層は、水分指示層若しくは水分不透過層と同じ区域寸法を有してもよく、又は水分指示層若しくは水分不透過層よりも大きい又は小さい区域寸法であってもよい。
いくつかの実施形態では、水分不透過性層は、基層(例えば、エンクロージャ)に周縁部で結合され、水分指示層が、水分不透過性層と基層との間に配設されている。周縁部で結合されるとは、水分指示層が、水分不透過性層と基層との間に完全に封入されるように、水分不透過性層の縁部が基層に完全に結合されていることを意味する。基層が、水分透過性である場合、水分は、他の経路よりはむしろ水分透過性基層を通って水分指示層に優先的に到達することが意図されている。
本明細書に記載される方法及びパッケージで使用される湿潤パック指示器のいくつかの実施形態では、水分指示層は、水分不透過性層に直接取り付けられている。いくつかの実施形態では、水分指示層と水分不透過性層との間に配設された1つ以上の任意の中間層は、水分指示層の水分不透過性層への取り付けを可能にするために、感圧性接着剤又は熱接着性接着剤を備えてもよい。いくつかの実施形態では、水分指示層は、水分不透過性層に直接押出成形される。いくつかの実施形態では、水分指示層及び水分不透過性層は、同時押出成形される。
いくつかの実施形態では、湿潤パック指示器は、基層に又は水分透過性材料を含むエンクロージャの一部に取り付けられる。湿潤パック指示器の基層又は水分透過性材料への取り付けは、一般的に、接着剤の使用による結合、押出成形プロセス、超音波ボンディング、又は当該技術分野において既知の他の適切な取付け機構によって容易に行える。取付け方法、具体的には接着剤は、蒸気滅菌と両立するべきである。
本明細書に記載される湿潤パック指示器、パッケージ、及び方法における使用に好適な接着剤としては、感圧性接着剤、再付着性接着剤、熱接着性接着剤、ホットメルト接着剤、及び当該技術分野において既知の他の接着剤を挙げることができる。例示的な感圧性接着剤は、好ましくは、架橋アクリル樹脂などの耐水性の感圧性接着剤、粘着付与ゴム接着剤(例えば、天然ゴムポリイソプレン・スチレン・ブタジエンゴム)等を含む。例示的な再付着性接着剤は、米国特許第6,905,763号に記載されるものを含む。他の例示的な接着剤としては、アクリル、ウレタン、及びシリコーンポリマー、ポリウレタン樹脂、スチレンブロックコポリマー、ポリカーボネート、フルオロポリマー、シリコーンゴム、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、並びにエチル−ビニルアセテートコポリマーを基剤とした接着剤が挙げられる。接着剤は、蒸気滅菌処理の温度、圧力、及び水分のレベルに耐えることができることが好ましい。いくつかの実施形態では、接着剤は水分透過性である。いくつかの実施形態では、接着剤はクリアであり、透明であり、又は透き通っている。当業者であれば、所望の使用に適切な接着剤を容易に選択することができる。
いくつかの実施形態では、方法は、可逆性水分指示媒体を含む物品を蒸気滅菌器内で蒸気滅菌にさらし、滅菌された物品を製造する工程(a)の前に、可逆性水分指示媒体を空洞と流体連通して配置する工程を更に含んでもよい。これは、例えば、水分指示媒体を、空洞の中へ直接配置することによって、又は水分指示媒体を、流体を自由にやりとりすることができる経路又はチューブを経由して、空洞に接続することによって、達成することができる。更に、いくつかの実施形態では、水分指示媒体は、これがエンクロージャの内部環境と流体連通したままでいる限りにおいて、エンクロージャの外面上に配置されてもよい。
別の態様では、空洞を画定するエンクロージャと、空洞と流体連通する可逆性蒸気滅菌互換性水分指示媒体とを含むパッケージであって、エンクロージャの少なくとも一部は、水分透過性材料を含み、空洞へのかつ空洞からの蒸気の透過を可能にする、パッケージが提供される。水分指示媒体は、空洞の内部又は外部に配置されてもよい。蒸気滅菌互換性水分指示媒体とは、水分指示媒体が、水分指示媒体の水分指示特性を著しく変更又は損なうことなく、蒸気滅菌を受けることができることを意味する。
いくつかの実施形態では、パッケージは、水分透過性材料上に配設された蒸気滅菌後湿潤パック指示器を更に含み、蒸気滅菌後湿潤パック指示器は、水分不透過性層と、水分指示媒体を含む水分指示層と、を含む。水分指示層が、水分透過性材料と水分不透過性層との間に配設されるように、湿潤パック指示器の水分不透過性層は、水分透過性材料に周縁部で結合されている。いくつかの実施形態では、水分透過性材料は、空洞の一部を画定する内面を有し、水分透過性材料は外面を有する。湿潤パック指示器の水分不透過性層は、水分透過性材料の外面に周縁部で結合されている。
いくつかの実施形態では、パッケージエンクロージャは、可撓性又は剛性のエンクロージャを含んでもよい。エンクロージャの材料は、蒸気滅菌と互換性があり、蒸気滅菌処理への暴露中又は暴露後に滅菌の完全性を維持するものであるべきである。いくつかの実施形態では、エンクロージャの材料は、蒸気に対して実質的に透過性であり、病原性微生物の、エンクロージャの通過を妨害するのに十分な濾過特性を有する任意の材料を含んでもよい。例示的な剛性エンクロージャは、金属、プラスチック、ガラス、セラミック、複合材料、ポリマー、及びこれらの組み合わせなどの材料を含む。例示的な可撓性エンクロージャは、金属、プラスチック、ポリマー、ラップ、及びこれらの組み合わせから製造された材料を含む。いくつかの実施形態では、手術用器具などのパッケージの内容物は、エンクロージャの空洞内に位置する器具トレイなどの内部容器内に収容されてもよい。
いくつかの実施形態では、パッケージのエンクロージャを含む材料の実質的な部分は、金属などの水分不透過性材料から構成される。いくつかのこのような実施形態では、エンクロージャの一部は、複数の開口部を含むガス抜き領域を備える。ガス抜き領域は、水分透過性フィルタを備え、ガス抜き領域内のフィルタ及び複数の開口部を通って、エンクロージャ内の空洞へのかつ空洞からの蒸気の透過を可能にする。フィルタは、容器と一体式でもよく、又は機械的方法により若しくは接着剤の使用により、ガス抜き領域において容器の外面若しくは内面のいずれかに取り付けられてもよい。他の実施形態では、剛性容器全体は、フィルタを使用するよりはむしろ、滅菌ラップで覆われている。いくつかの実施形態では、剛性パッケージ全体は、開口部において覆われてもよく、複数のフィルタを使用してもよく、又はフィルタを使用するよりはむしろ滅菌ラップで包まれてもよい。
滅菌ラップ又はフィルタは、典型的には、滅菌剤(例えば、蒸気)に対して透過性であり、滅菌ラップは、典型的には、微生物の侵入に対してバリアを与えることによって、再処理後に封入された物品の無菌性を維持する。例示的な可撓性ラップ及びフィルタは、概ね2つの主な部類、すなわち、再使用可能なもの及び使い捨てのものに分類されることが特徴付けられる。再使用可能なものは、その名が示唆するように、典型的には、水洗又は他の何らかの洗浄形態によって再び使用できる材料である。一方、使い捨てのものは、一度使用された後に廃棄又はリサイクルされる、通常は1回使用される品である。一般的に、布、リネン又は他の織布材料は、再使用可能な類別へ分類され、一方、使い捨てのものとしては、通常、紙、医療等級の紙、繊維状高分子不織布、並びにフィルムなど、天然繊維及び合成繊維のいずれか又は両方から作られる不織布材料が挙げられ、それらは蒸気などの滅菌剤を通過させ、細菌及び他の汚染物の透過を抑制することができる。
不織布材料は、エアレイプロセス、湿式プロセス、水流交絡プロセス、スパンボンド、メルトブローン、ステープル繊維カーディング及びボンディング、並びに溶液紡糸などだが、これらに限定されない様々なプロセスによって製造することができる。繊維自体は、セルロース、レーヨン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、他の多くの熱可塑性材料、前述の材料のいずれかの誘導体、又は前述の材料のいずれか2つ以上の組み合わせを含むがこれらに限定されない、種々の天然及び合成材料の両方から製造することができる。
エンクロージャはまた、不織布ラップに包まれた鋼製器具トレイ又は複数の開口部及び開口部を覆う水分透過性フィルタを有するガス抜き領域を備える鋼製容器などの可撓性及び剛性材料の組み合わせを含んでもよい。物品(すなわち、水分指示媒体及び/又は滅菌対象物)を包むことは、当該技術分野において既知の従来の方法に従って行うことができる。
いくつかの実施形態では、パッケージは、滅菌パッケージを含む。滅菌パッケージは、可撓性滅菌ラップ、可撓性容器、又は剛性容器を含むエンクロージャを含んでもよい。いくつかの実施形態では、パッケージ又は滅菌パッケージは、滅菌対象物を更に含んでもよい。滅菌対象物は、滅菌処理を受けるのに適切である任意の対象物であり得る。好適な対象物の非限定的な例としては、手術用器具、医療用装置、歯科用器具、移植片、手当用品、及び包帯が挙げられる。いくつかの実施形態では、滅菌対象物は、パッケージの空洞の内部に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、滅菌対象物は、滅菌パッケージ内の内部空間の内側に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、手術用器具などのパッケージ内容物は、エンクロージャの空洞内に据えられる器具トレイなどの内部容器に収容されてもよい。
いくつかの実施形態では、空洞は、滅菌パッケージの内部空間と流体連通する。いくつかの実施形態では、空洞内に位置付けられた水分指示媒体は、流体接続によって、滅菌パッケージの内部空間内の水分量を判定するために使用することができる。例示的な構成では、滅菌パッケージの内部空間は、空洞を含んでもよい。あるいは、滅菌パッケージの内部空間は、流体を自由にやりとりすることができる経路又はチューブを経由して空洞に接続されてもよい。
2012年11月14日に出願された米国仮特許出願第61/726,264号[3M整理番号69692US003号]に記載されるように、蒸気滅菌後に滅菌パッケージの内部環境の水分の存在及び湿潤パックの状態を指示するために、可逆性比色水分指示器を滅菌パッケージ及び試験用パックの内側に配置することができるが、いくつかの実施形態では、水分指示媒体は、その全体が本明細書に組み込まれる、2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第______号[3M整理番号71446US002号]に記載されるように、空洞内よりはむしろ滅菌パッケージの外面上に配置することができる湿潤パック指示器の一部であってもよい。
いくつかの実施形態では、パッケージは、様々なタイプの滅菌パッケージが経験する水分環境をシミュレートする工程試験器具又は試験用パックであってもよく、水分指示媒体は、工程試験器具内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、工程試験器具は、空洞内に位置付けられた、水分指示媒体を包囲する試験用バリア(challenge barriers)の層を含んでもよい。この層は、全て同一の材料から構成されてもよく、又はこれらはそれぞれ独立して異なる材料から構成されてもよい。
試験用層は、流体透過性の程度を変更することと、水分指示層及び/又は水分指示媒体周囲の環境を修正することと、を有してもよい(例えば、試験用層は、水分指示層又は媒体を乾燥させることがより困難であってもよく、かつ/又は水分指示層又は媒体を湿潤させることがより困難であってもよい)。本明細書で記載される湿潤パック指示器及び工程試験器具で有用な試験用層の例示的な材料としては、親水性又は疎水性材料、スポンジ、紙、織布、及び不織布が挙げられる。いくつかの実施形態では、蒸気滅菌室内の所与の条件の湿度で、低湿度又は高湿度である指示器周囲の環境を作り出すために、親水性又は疎水性材料が、水分指示媒体にごく近接して据えられてもよい。工程試験器具を作り出すために水分指示媒体の周囲の環境を修正するための他の例示的な方法は、封入の程度を変更すること(例えば、水分指示媒体の部分的封入、水分指示媒体上のコーティングの薄層、水分指示媒体をマトリックス内に深く埋没させること)と、封止材のマトリックス特性(例えば、疎水性、多孔性等)を変更することと、水分指示媒体近辺の包囲材料の熱容量を変更することと、水分指示媒体に向かうガス拡散経路の長さを変更すること(例えば、繊維性又は多孔性材料を、蒸気又は水蒸気源と水分指示媒体との間に配置すること、長いルーメン装置を蒸気又は水蒸気源と指示媒体との間に配置すること等)と、を含む。工程試験器具を作り出すために水分指示媒体周囲の環境を修正する際に有用な例示的な材料としては、疎水性材料、親水性材料、スポンジ、紙、医療等級の紙、織布、不織布、セルロース、レーヨン、可塑性ポリマー、前述の材料のいずれかの誘導体、又は前述の材料の任意の2つ以上の組み合わせが挙げられる。
ウィッキング層は、湿潤パック指示器の水分指示層及び/又は本明細書に記載される方法及びパッケージの水分指示媒体の色変化挙動を、エンクロージャ内、工程試験器具内、又は滅菌パッケージ内の水分のレベルに対して修正する上で有用であり得る(例えば、ウィッキング層は、指示器を湿潤し易くしてもよく、水分指示層を乾燥しにくくしてもよい)。ウィッキング層は、吸湿性の塩などの水分を周囲から容易に吸収する材料を含有してもよい。塩の吸湿性は、概ね、周辺又は周囲の環境から水分を引き付け、吸収し、保持し、かつ移送するための塩の能力を指す。吸湿性の塩は、本発明に、単独で又は混合物で使用されてもよい。したがって、吸湿性の塩を含むウィッキング層は、単一の吸湿性の塩又は複数の吸湿性の塩の混合物から製造されたウィッキング層を指してもよい。いくつかの実施形態では、ウィッキング層は、ハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、及び水酸化物を含む群から選択されるアニオンを含む吸湿性の塩を含み、アンモニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び遷移金属を含む群から選択される陽イオンを含む。本明細書に記載されるウィッキング層での使用の例示的な吸湿性の塩としては、臭化リチウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、酢酸カリウム、臭化亜鉛、フッ化セシウム、塩化亜鉛、ヨウ化ナトリウム、フッ化カリウム、ヨウ化リチウム、臭化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。
本明細書で記載される方法で使用される指示器、パッケージ、及び物品のいくつかの実施形態では、湿潤パック指示器は、色増強層を含んでもよい。いくつかの実施形態では、任意の中間層、任意の下層、及び任意の基層は、色増強層を含んでもよい。いくつかの実施形態では、色増強層は、水分指示媒体の乾燥状態、水分指示媒体の湿潤状態に類似する色、又は別の色を有することができる。いくつかの実施形態では、色増強層は白色である。色増強層は、水分指示層にごく近接して位置し、水分指示層と色増強層との間の視覚による比較が容易に行い易い。例えば、いくつかの実施形態では、色増強層は、湿潤パック指示器の上面に(水分指示層がその上に配設される水分不透過性層の第1の表面と反対側の水分不透過性層の表面上に)配設される。いくつかの実施形態では、色増強層は、水分不透過性層と水分指示層との間に配設される。いくつかの実施形態では、色増強層は、水分不透過性層と反対側の水分指示層の表面上に配設される。いくつかの実施形態では、色増強層は、可視領域を作り出す孔又は透明な部分を含み、可視領域によって水分指示層が可視状態を維持する。いくつかの実施形態では、色増強層は、湿潤パック指示器を観察する人の観点から(例えば、滅菌パッケージに取り付けられた指示器の上面から、又は滅菌パッケージを剥がした後の指示器の底面から)裏材として見え、水分指示層及び色増強層の両方を見ることができるように、色増強層の少なくとも一部は、水分指示層の縁部を超えて延在する。いくつかの実施形態では、色増強層は、水分指示層の色を観察者により強烈に又はクリアに見えるようにする特性を含む透明な又は透き通るような層である。色増強層の役割は、水分指示媒体の湿潤状態と乾燥状態との間の色変化のよりクリアな視覚的指示をもたらすことである。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるパッケージは、空洞、水分指示媒体、滅菌パッケージの内部空間、又はこれらの組み合わせを見るための窓又は他の透明な機構を更に備えてもよい。
図面を参照すると、図1は、パッケージ(10)の例示的な実施形態の透視図を示す。エンクロージャ(11)は、その内部に水分指示媒体(13)が配置される空洞(12)を画定する。
図2は、滅菌パッケージ(20)の例示的な実施形態の透視図を示す。エンクロージャ(21)は、その内部に水分指示媒体(23)が配置される空洞(22)を画定する。滅菌対象物(24)、例えば、手術用器具もまた、空洞(22)内に配置される。
図3は、工程試験器具パッケージ(30)の例示的な実施形態の断面透視図を描写する。エンクロージャ(31)は、その内部に水分指示媒体(33)が配置される空洞(32)を画定する。試験用バリア(34)は、空洞(32)内に位置付けられ、水分指示媒体(33)を取り囲む。層(34)は、全てが同一の材料から構成されてもよく、又はこれらは、それぞれ独立して異なる材料から構成されてもよい。
図4Aは、本開示の湿潤パック指示器400の1つの実施形態の平面透視図を描写する。いくつかの実施形態では、湿潤パック指示器400は、滅菌パッケージの外面上で使用されてもよい。湿潤パック指示器400は、第1の表面を有する水分不透過性層410と、水分不透過性層410の第1の表面上に配設された水分指示層420と、を含む。水分指示層420の区域は、水分不透過性層410の区域よりも寸法的に小さく、水分不透過性層の縁部430が、水分指示層の縁部440を超えて延在する。いくつかの実施形態では、水分不透過性層410は、水分指示層420の色が、水分不透過性層410を介して可視であるように、透明であっても又は透き通るようであってもよい。いくつかの実施形態では、水分不透過性層410は、水分指示層420の色が水分不透過性層410を介して可視でないように、透明ではなく、不透明、又は単色で着色されていてもよい。水分不透過性層が、透明ではなく、不透明、又は単色で着色されている場合には、湿潤パック指示器の水分指示層は、(例えば、滅菌パッケージの外面から指示器を剥がした後に)湿潤パック指示器の底面側から目視観察されてもよい。
図4Bは、本開示のある実施形態による湿潤パック指示器400の断面図を描写する。湿潤パック指示器400は、第1の表面415を有する水分不透過性層410と、水分不透過性層410の第1の表面415上に配設された水分指示層420と、を含む。水分指示層420の区域は、水分不透過性層410の区域よりも寸法的に小さく、水分不透過性層の縁部430が、水分指示層の縁部を超えて延在する。指示器は、必要に応じて、剥離ライナー又は不織布、織布、色増強層、接着剤、試験用層、及びウィッキング層などの他の好適な材料を含む少なくとも1つの基層450を含んでもよい。いくつかの実施形態では、水分不透過性層410は、水分指示層420が基層450と水分不透過性層410との間に配設されるように、基層450に周縁部で結合されている。
図5は、滅菌ラップエンクロージャ510を含むパッケージ500を描写する。パッケージ500は、空洞505を画定するエンクロージャ(すなわち、ラップ)510と、エンクロージャ510の外面上に配設された本明細書に記載される1つ以上の湿潤パック指示器100と、を含む。エンクロージャ(すなわち、ラップ)は、接着剤ストリップ(例えば、オートクレーブテープ)などの締結具によって結合される。手術用器具530は、滅菌用のパッケージの空洞505内に配置される。
提供される方法、物品、及びパッケージで使用する水分指示媒体は、一般的に、可逆性比色水分指示器を含む。あるいは、水分指示媒体は、周囲の湿度レベルが変化すると不透明度において変化を示す可逆性水分指示器を含んでもよい。本明細書に記載される湿潤パック指示器の水分指示層は、水分指示媒体を含む。任意の好適な蒸気滅菌互換性水分指示媒体を使用することができるが、いくつかの例示的な水分指示媒体は、固体支持体に結合されたビス(グリオキシム)遷移金属錯体、並びにコバルト及び銅塩、及びpH指示染料を含む。
いくつかの実施形態では、水分指示媒体の色、反射スペクトル、又は透過スペクトルは、水分指示媒体が位置する環境における水分のレベルに定量的に関連する。いくつかの実施形態では、水分指示媒体は、約0%〜約90%の相対湿度の範囲の相対湿度で、色、反射スペクトル、又は透過スペクトルを定量的に変化させる。いくつかの実施形態では、水分指示媒体は、約30%〜約80%の相対湿度の範囲の相対湿度で、色、反射スペクトル、又は透過スペクトルを定量的に変化させる。いくつかの実施形態では、水分指示媒体は、約10%〜約90%の相対湿度で、色、反射スペクトル、又は透過スペクトルを定量的に変化させる。
水分指示媒体は、異なる構造的形態で存在することができる。いくつかの実施形態では、水分指示媒体は、連結バルク形状、モノリス、又はビーズ、ペレット、球体、顆粒、押出成形物、及び錠剤などの微粒子形態であってもよい。いくつかの実施形態では、水分指示媒体は、コーティング及び自立膜などのフィルム形態であってもよい。いくつかの実施形態では、水分指示媒体は、ヤーン、ロッド、及び針などの繊維の形態であってもよい。水分指示媒体は、金属錯体などの分子種の形態で存在してもよい。
水分指示媒体のこれら種々の形態は、塗布で直接使用されてもよい。例えば、水分指示媒体フィルムは、手術用器具トレイ上に直接コーティングされてもよい。あるいは、水分指示媒体は、他の媒体及び/又は収容デバイスと組み合わせて、複数の媒体による構成体にされてもよい。
例示的な複数の媒体による構成体としては、弛緩充填(loose-packed)指示器構成体(例えば、バイアル瓶に含有される、管に詰め込まれる、又は可撓性布地に包まれる粒子若しくは繊維)、弛緩非充填(loose, non-packed)指示器構成体(例えば、粒子装填ウェブ等、繊維ウェブ中に物理的に絡み合った水分指示媒体)、多層構成体(例えば、様々な程度の流体透過性を有し得る追加の材料層の上若しくは間の指示器フィルム、又は収容層の間に挟まれる、指示器粒子若しくは繊維)、又は部分的に埋め込まれた、若しくは封入された構成体(例えば、接着剤でコーティングされたフィルム又は繊維等、部分的にポリマーに埋め込まれた粒子又は繊維、連結バルク形状、フィルム、又は繊維等の複合体)が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、水分指示媒体粒子又は繊維はまた、多孔質マトリクスに含有されてもよい。いくつかの実施形態では、水分指示媒体は、固体(例えば、SiO上に支持されたCoCl)上に吸着及び/又は含浸されてもよく、又は溶媒中に分散若しくは溶解されてもよい。
いくつかの実施形態では、水分指示媒体は、当該技術分野において既知の従来の方法に従って、水分指示カード及びテープを作成するために、裏材又は担体材料上に配置されてもよい。例示的な裏材及び担体材料としては、紙、クラフト紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、又はこれらの材料のいずれかの複合体から製造されるものを含む。いくつかの実施形態では、裏材及び担体材料は、フルオロケミカル又はシリコーンなどの剥離剤でコーティングされてもよい。例示的なテープは、アクリル、ウレタン、及びシリコーンポリマーを含んでもよい。
水分指示媒体は、滅菌環境内の様々な位置に配置されてもよい。例示的な配置は、包まれた器具セット内の器具トレイ(例えば、トレイ内に配置された水分指示媒体を収容するバイアル瓶)内に水分指示媒体を配置することと、水分指示媒体を(例えば、コーティング又はテープとして)器具トレイの表面上に配置することと、水分指示媒体をラップと、包まれた器具セット内の器具トレイとの間(例えば、ラップとトレイとの間に配置されたバイアル瓶、トレイとラップとの間のトレイの外側に配置されたテープ、及びラップから引き抜くことによって、滅菌サイクル後に取り外すことができるトレイとラップとの間に配置された端部において指示器媒体を運ぶストリング)に配置することと、水分指示媒体をラップ内(例えば、粒子充填ウェブ形態などのラップの繊維の間)に配置することと、水分指示媒体をラップの繊維(例えば、複合繊維、繊維の表面に接着する媒体粒子)内に埋め込むか又は部分的に埋め込むことと、水分指示媒体をラップの繊維自体に製造すること(例えば、ラップを製造するために使用される繊維につくられるポリマー性指示器)と、を含む。いくつかの実施形態では、水分指示媒体は、包まれた器具セットの外部に配置され、包まれた器具セットの内部と流体連通してもよく(例えば、包まれた器具セットの内部に接続された管に取り付けられた指示器媒体を収容するバイアル瓶)、又は包まれた器具セットの外部−包まれた器具セットの内部で経験する湿気暴露をシミュレートする工程試験器具の内部に配置されてもよい(例えば、金属製容器内に配置され、包まれた器具セットと同様の方法で包まれた水分指示媒体)。上記配置のいずれにおいても、いくつかの実施形態では、水分指示媒体の色又は可視スペクトルは、(例えば、水分指示媒体の乾燥及び湿潤状態における色の差の判定を可能にするために十分な透明性をもたらすラップを使用して、包まれた器具セットのラップを開けるかつ/又は破壊することなく水分指示媒体の可視スペクトルを検出するための光スペクトル測定器具を使用して、又はラップ又はそれを介して水分指示媒体を見ることができる窓を含む容器を使用して)目視観察可能である。
いくつかの実施形態では、水分指示媒体、又は水分指示媒体を含む水分指示層を含む湿潤パック指示器が、滅菌対象であるエンクロージャ又はパッケージの外面上に配置されるように設計されると、エンクロージャ又はパッケージの外面は水分不透過性層と反対側の水分指示層の側にある。湿潤パック指示器は、エンクロージャの外面上に配置されているが、湿潤パック指示器は、エンクロージャの外面の水分透過性部分にわたって、エンクロージャの内部環境と流体連通したままであり、したがってエンクロージャの内部環境内の水分のレベルの正確な視覚的指示を提供することができる。一実施形態では、湿潤パック指示器は、空洞を画定するエンクロージャを含むパッケージの外面上に配置され、このエンクロージャは、空洞へのかつ空洞からの蒸気の透過を可能にする。
湿潤パック指示器は、エンクロージャ上の種々の位置に配置されてもよい。例示的な配置は、1つ以上の湿潤パック指示器を、包まれた滅菌パッケージの上部、底部若しくは側部の外面上、又は滅菌フィルタの外面上に配置することを含む。上記配置のいずれにおいても、水分指示層は、パッケージの内部空洞の環境と流体連通している。水分指示層の色又は可視スペクトルは、いくつかの実施形態では、(例えば、水分指示層の乾燥及び湿潤状態における色の差の判定を可能にするために十分な透明性をもたらす水分不透過性層を使用して、又は内部のパッケージの無菌性を危険にさらすことなく水分不透過性層と反対側からの観察のために、湿潤パック指示器をパッケージから取り外すことができるように湿潤パック指示器を構築することによって)目視観察可能である。
いくつかの実施形態では、本方法で使用する水分指示媒体は、固体支持体と、固体支持体に結合されたビス(グリオキシム)−遷移金属錯体と、を含んでもよい。固体支持体と、支持体に結合されたビス(グリオキシム)−遷移金属錯体と、を含む組成物は、比色水分又は湿度の測定に使用されてもよい。組成物によっては、センサが暴露されている大気の湿度レベルを定量的かつ可逆的に測定することができる水分指示媒体が構築されてもよい。
蒸気は、表面変化、具体的には金属酸化物(例えば、ヒドロキシル基)の表面における変化に大きく影響するので、蒸気の存在下では、このような表面に悪影響をもたらすことが示唆されている。出願者は、驚くべきことに、固体支持体、具体的には固体金属酸化物支持体に結合されたビス(グリオキシム)−遷移金属錯体などの水分指示媒体は、蒸気滅菌環境への暴露の後でも水分の存在を有利に、正確に、かつ定量的に検出することができることを見出した。
いくつかの実施形態では、組成物は、固体無機非金属酸化物支持体を含むよう提供される。無機非金属酸化物支持体は、その結晶構造で同定されるような多原子の、酸素含有アニオンを有する無機固体を含む。いくつかの実施形態では、無機非金属酸化物支持体は、水に不溶性又は僅かに可溶性であるに過ぎない。いくつかの実施形態では、無機非金属酸化物支持体は、1×10−3以下の溶解度積(Ksp)値を有する。例示的な固体無機非金属酸化物支持体としては、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、及び水酸化物支持体が挙げられる。いくつかの実施形態では、非金属酸化物無機支持体は、無水硫酸カルシウム、炭酸水酸化亜鉛、又はリン酸カルシウムを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、固体支持体は、有機高分子支持体を含んでもよい。広くは、遷移金属イオン及びそれらのビス(グリオキシム)錯体に結合する能力を有する親水性ポリマーが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ポリマーに結合された交換できるイオンを有するイオン交換ポリマーが使用されてもよい。本明細書では、イオン交換とは、概ね、ポリマーに取り付けたイオンの、本明細書に記載されるビス(グリオキシム)遷移金属錯体との交換を指す。いくつかの実施形態では、固体有機高分子支持体は、スルホン酸塩、リン酸塩、及びカルボン酸塩などの、遷移金属イオンに結合することができる官能基を有するポリマーを含んでもよい。好適な有機ポリマーは、天然又は合成であってもよい。いくつかの例示的な有機ポリマー支持体としては、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシルエチルセルロース、三酢酸セルロース、及びセルロース硫酸ナトリウム塩が挙げられる。
いくつかの実施形態では、固体有機高分子支持体は、強酸陽イオン交換樹脂である。本明細書で使用される場合、用語「強酸」は、水中で完全に解離する酸性基を指す。強酸は典型的に、4又は5未満のpKaを有する。強酸陽イオン交換樹脂は典型的に、スルホン酸基(−SO3H)、ホスホン酸基(−PO3H2)、又はそれらの塩などのイオン基を有する。塩として存在するとき、スルホン酸基は、スルホン酸アニオンとして存在し、ホスホン酸基は、ホスホン酸アニオンとして存在する。好適な塩はしばしば、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、リチウムイオン、若しくはカリウムイオン)、アルカリ土類金属イオン(例えば、カルシウム若しくはマグネシウム)、アンモニウムイオン、又は1つ以上のアルキル基、アリール基、若しくはこれらの組み合わせで置換されるアンモニウムイオンから選択される陽イオンを有する。
陽イオン交換樹脂は典型的に、種々のエチレン性不飽和モノマーから調製される架橋ポリマー材料である。ポリマー材料は通常、主に、スチレン、スチレンの誘導体(例えば、α−メチルスチレン)、(メタ)アクリレート、又はこれらの組み合わせに基づく。ポリマー材料は典型的に、必要な量の硬度を提供するように架橋される。陽イオン交換樹脂は、ビーズ、フィルム、繊維の形態、又は任意の他の望ましい形態であってもよい。
いくつかの実施形態では、陽イオン交換樹脂は、スチレン、又はスチレンの誘導体から調製されるポリマー材料である。ジビニルベンゼンは一般的に、架橋剤として使用される。酸性基は、酸性基を有するモノマーを含むことによって、重合プロセス中に導入され得る。酸性基を有する好適なモノマーとしては、例えば、4−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、又はモノマー混合物中のそれらの塩が挙げられる。あるいは、酸性基は、スルホン化剤でポリマー材料を処理することによって、重合プロセス後に導入され得る。
他の実施形態では、陽イオン交換樹脂は、(メタ)アクリレートモノマーから調製されるポリマー材料に基づく。複数の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが、架橋剤として使用され得る。酸性基は、スルホン酸基(例えば、N−アクリルアミドメタンスルホン酸、2−アクリルアミドエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及び2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、若しくはそれらの塩)を有するモノマーを含むことによって、又はホスホン酸基(例えば、2−アクリルアミドエチルホスホン酸、及び3−メタクリルアミドプロピルホスホン酸、若しくはそれらの塩)を有するモノマーを含むことによって、重合プロセス中に導入され得る。好適な(メタ)アクリレート系強陽イオン交換樹脂は、米国特許第7,098,253号(Rasmussen et al.)、同第7,683,100号(Rasmussen et al.)、及び同第7,674,835号(Rasmussen et al.)に更に記載される。
強酸陽イオン交換樹脂は、複数の供給元から市販されている。例としては、Dow Chemical(Midland,MI)から商品名AMBERLYST(例えば、AMBERLYST 15、AMBERLYST 35、AMBERLYST 40、及びAMBERLYST 70)で、商品名DOWEX(例えば、DOWEX MARATHON及びDOWEX MONOSPHERE)で、商品名AMBERJET(例えば、AMBERJET 1000H)で、並びに商品名AMBERLITE(例えば、AMBERLITE IR120H)で市販されている、陽イオン交換樹脂が挙げられる。
強酸陽イオン交換樹脂は、ゲル型樹脂又はマクロ孔質(すなわち、マクロ網状)樹脂であってもよい。本明細書で使用される場合、用語「マクロ孔質」は、乾燥状態においてさえ永続的な多孔質構造を有する粒子を指す。樹脂は、溶媒に接触した時に膨潤し得るが、多孔質構造によって粒子の内部に接近することを可能にするために膨潤の必要性がない。対照的に、ゲル型樹脂は、乾燥状態において永続的な多孔質構造を有しないが、粒子の内部への接近を可能にするために、好適な溶媒によって膨潤されなければならない。多くの実施形態では、強酸陽イオン交換樹脂はマクロ孔質である。マクロ孔質樹脂は、ゲル型樹脂と比較して、より高い架橋密度を有する傾向がある。
陽イオン交換樹脂のイオン交換容量はしばしば、少なくとも0.2当量/リットル、少なくとも0.5当量/リットル、少なくとも1当量/リットル、又は少なくとも2当量/リットルである。容量はしばしば、最大で10当量/リットル、最大で8当量/リットル、又は最大で5当量/リットルである。容量は例えば、0.1〜10当量/リットルの範囲、0.5〜10当量/リットルの範囲、又は0.5〜5当量/リットルの範囲であってもよい。高い容量は、ビス(グリオキシム)−遷移金属錯体の一部である遷移金属イオンのより多くを、陽イオン交換樹脂上に吸着させるために望ましい場合が多い。
いくつかの実施形態では、固体支持体は、固体金属酸化物支持体を含んでもよい。固体金属酸化物支持体は、比較的無色(例えば、透明、白色等)であってもよく、発色団種を吸収し又は発色団種に結合することができる。いくつかの実施形態では、提供される固体金属酸化物支持体は、シリコン、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、又はこれらの組み合わせの酸化物を含む。好適な金属酸化物の非限定的な例としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、ランタ二ド(「希土類」)酸化物、及びこれらの混合物が挙げられる。金属酸化物支持体はまた、脱ヒドロキシル化粘土などの反応性固体アルミノケイ酸塩源の、MacKenzieら著、Materials Letters、63、230〜232(2009)に記載されるものなどのアルカリケイ酸塩溶液との反応によって形成される無機ポリマー(ジオポリマー)を含むことができる。いくつかの実施形態では、提供される固体金属酸化物支持体には、アルミナ若しくはシリカゲル、ビーズ、又は固体支持体を挙げることができる。他の例示的な金属酸化物支持体としては、酸化ジルコニウムペレット及び酸化チタン(IV)ペレットを含む。いくつかの実施形態では、固体金属酸化物支持体は、ビーズ、ペレット、球体、顆粒、押出成形物、錠剤、ナノ粒子、繊維、ロッド、針、織布、又は不織布を含んでもよい。いくつかの実施形態では、金属酸化物支持体は、コーティング及び自立膜などのフィルム形態であってもよい。
水分指示媒体のいくつかの実施形態では、ビス(グリオキシム)−遷移金属錯体は、固体支持体に結合されている。結合されたとは、ビス(グリオキシム)−遷移金属錯体と固体支持体との間に吸引相互作用があることを意味する。吸引相互作用としては、共有結合、イオン結合、配位結合、金属結合、水素結合、ファンデルワールス力、静電気力、化学吸着、物理吸着、又はビス(グリオキシム)−遷移金属錯体を固体支持体に引きつける任意の他の相互作用を挙げることができる。例えば、水不溶性又はわずかに水溶性であるビス(グリオキシム)−遷移金属錯体が固体支持体に結合されるとき、それは典型的には、水によって連続的又は持続的に濯ぐことによって除去されない。いくつかの実施形態では、吸引相互作用は、水素結合を含む。
ビス(グリオキシム)−遷移金属錯体は、遷移金属と錯体を形成する2つのグリオキシム部分を含む。ビス(グリオキシム)−遷移金属錯体は概して、式(I)の構造を有する。
Figure 0006262759
(式中、
Mは遷移金属であり、
Rは、エチル及びメチルなどのアルキル、フェニルなどのアリール、チオフェニルなどのチオアリール、並びにピペリジン及びモルホリンなどの複素環基からなる群から独立して選択される。)
一般的なグリオキシム部分には、例えば、ジメチルグリオキシム及びジエチルグリオキシムなどのジアルキルグリオキシムが挙げられる。提供される組成物にもまた有用であり得る一般的なグリオキシムには、ジフェニルグリオキシム及びビス(チオフェニル)グリオキシムが挙げられる。更に、モルホリン及びピペリジンを抗クロログリオキシム(anti-chloroglyoxime)と反応させて、モルホリングリオキシム及びピペリジングリオキシムを得た。遷移金属イオンはグリオキシム種のへテロ原子(例えば、窒素及び酸素)と錯化するため、グリオキシム分子上のその他の置換基が、2つのグリオキシム部分の、遷移金属イオンと錯化する能力を妨害しないのであれば、有用な組成物であり得ることが想到される。錯化すると、ビス(グリオキシム)−遷移金属錯体は、通常、平面正方形配位を有する。いくつかの実施形態では、ビス(グリオキシム)−遷移金属錯体は、ジメチルグリオキシム等のグリオキシム部分と平面正方形配位の錯体を形成することが当業者に周知である、ロジウム、イリジウム、白金、パラジウム、金、ニッケル又は銅のイオンを含むことができる。水分指示媒体で使用するための例示的なビス(グリオキシム)−遷移金属錯体は、ニッケルジメチルグリオキシムである。例示的なニッケルビス(ジメチルグリオキシム)錯体であるビス−(ジメチルグリオキシマト)ニッケル(II)の構造は、以下の式(II)に示される。
Figure 0006262759
上で同定された組成物のいくつかを使用して、比色水分指示媒体を構築することができる。例えば、固体金属酸化物支持体が、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、又はこれらの組み合わせであり、ビス(グリオキシム)−遷移金属錯体が、ニッケル及び2つのジメチルグリオキシム部分(式(II)で示される錯体)を含むときに、可逆的な比色水分指示センサを形成することができる。
具体化された水分指示センサの色は、センサと接触している水分(例えば、液状水、凝結物、湿度、又は相対湿度)の量に応じて定量的かつ可逆的に変化することができる。例えば、ビス(グリオキシム)−遷移金属錯体(ビス−(ジメチルグリオキシマト)−ニッケル(II))を含む提供された組成物は、約460nm〜約570nmの波長で強い吸収を有し、約520nmの波長でピークである。組成物の460nm〜560nmの波長範囲での可視分光反射強度及び(色相で表される)色は、組成物と接触している水分(例えば、液状水、凝結物、湿度、又は相対湿度)の量に応じて定量的かつ可逆的に変化する。定量的とは、460nm〜560nmの波長範囲での反射強度及び色で表される色相が、湿気の量に対して1対1の相関関係があることを意味する。可逆的とは、組成物がある湿度条件のセットに曝露されたとき、それが特定の吸収を有することを意味する。その湿度条件のセットが変わると、組成物は色を変えて、異なる特定の反射スペクトルをもたらす。そして、組成物が初期の湿度条件のセットに戻ると、分光反射スペクトル(即ち、色)は、元の特定の吸収に戻る。平面正方形配位を有する多くのその他のビス(グリオキシム)−遷移金属錯体の可視光吸光度のピーク又は反射の谷部分は周知である。
比色水分センサが曝露されている水分量は、例えば反射により分光的に測定することができる。提供される比色水分表示センサは固体であるため、色の変化は、その固体の表面で光を反射させ、表面により吸収される波長の強度損失を測定することにより測定することができる。いくつかの実施形態では、所与の波長での吸光度は、反射分光法用に構成された光学分光システムを用いて測定することができる。この測定に好適である例示的な光学分光システムは、Ocean Optics(Dunedin,FL)から入手可能なModel Jaz−EL350である。典型的に、反射強度を測定するときの参照スペクトルとして、1片の白い紙又は白い粉末からのスペクトルを使用することができる。
いくつかの実施形態では、水分指示媒体は、固体金属酸化物支持体と、支持体に結合されたビス(グリオキシム)−遷移金属錯体と、固体金属酸化物支持体の表面上の少なくとも1つのヒドロキシル基とのシラノール結合を介して固体金属酸化物支持体に結合されたシリル含有化合物と、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、支持体の表面ヒドロキシル基の約50%以下が、シリル含有化合物に結合されている。ビス(グリオキシム)−遷移金属錯体及び固体金属酸化物支持体は、上述されている。
ヒドロキシル基又は加水分解性基を有するシリル含有化合物は、金属酸化物の表面ヒドロキシル基と反応してもよく、シリル含有化合物上のヒドロキシル基又は加水分解性基を置換し、共有結合性の−Si−O−M−結合(Mは金属又はSi)を形成することができる。このシリル化によって、金属酸化物の表面は、シリル含有基により覆われ得る。変性された金属酸化物の表面の特性は、シリル含有基の特質を少なくとも部分的に反映する。
固体金属酸化物支持体のシラン変性は、種々の既知の方法で達成することができる。いくつかの実施形態では、固体金属酸化物支持体が、シリル含有化合物に接触し、シラン変性された固体金属酸化物支持体を形成することができる。いくつかの実施形態では、金属酸化物支持体の表面ヒドロキシル基の約50%以下が、シリル含有化合物に結合される。いくつかの実施形態では、金属酸化物支持体の表面ヒドロキシル基の40%以下、30%以下、20%以下、又は10%以下が、シリル含有化合物に結合される。
いくつかの実施形態では、固体金属酸化物支持体は、シリル含有化合物と酸とを含む変性組成物に混合されるか又は接触される。シリル含有化合物は、変性組成物の総重量に対して、約0.01重量%〜約10重量%(例えば、0.1重量%〜10重量%、0.5重量%〜5重量%、又は1重量%〜3重量%)の範囲に及ぶ量で概ね存在する。酸は、有機酸又は無機酸であってもよい。例示的な有機酸としては、酢酸、クエン酸、及びギ酸が挙げられる。例示的な無機酸としては、硫酸、塩酸、及びリン酸が挙げられる。酸は、一般的に、変性組成物の総重量に対して、約0.005〜10重量%(例えば、0.01〜10重量%、又は0.05〜5重量%)の量で変性組成物中に含まれることとなる。いくつかの実施形態では、変性組成物は、水を更に含む。いくつかの実施形態では、水の量は、変性組成物の総重量に対して、0.1〜99.9重量%(例えば、0.5%〜95重量%、0.5%〜90重量%等)である。
いくつかの実施形態では、固体金属酸化物支持体は、シリル含有化合物と、溶媒と、を含む、変性組成物に混合されるか又は接触する。シリル含有化合物は、変性組成物の、約0.1重量%〜約10重量%(例えば、0.05重量%〜5重量%又は1重量%〜3重量%)の範囲に及ぶ量で変性組成物に概ね存在する。一般に溶媒は有機溶媒である。例示的な溶媒としては、トルエン、アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール等)、テトラヒドロフラン、及び炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン等)が挙げられる。溶媒は、一般的に、変性組成物の総重量に対して、約0.5重量%〜99.9重量%(例えば、1重量%〜99.5重量%、又は90重量%〜99重量%等)の量で変性組成物中に含まれることとなる。
いくつかの実施形態では、固体金属酸化物支持体及びシリル含有化合物は、高温にてオーブン内で反応させてもよい。オーブンの温度は、50℃〜150℃(例えば、50℃〜90℃、100℃〜130℃、110℃〜120℃等)の範囲に及んでもよい。オーブンの反応時間は、10時間〜20時間(例えば、12時間〜18時間又は14時間〜16時間)の範囲に及んでもよい。いくつかの実施形態では、固体金属酸化物支持体及びシリル含有化合物は、蒸着によって反応させてもよい。
種々のシリル含有化合物が、固体金属酸化物支持体を変性するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、シリル含有化合物は、式(III)の化合物である。
−Si(R3−x(R
(III)
(式中、Rは、アルキル基、フルオロアルキル基、アミノ基で置換されたアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルカリール基であり、それぞれのRは、独立してヒドロキシル基又は加水分解性基であり、それぞれのRは、独立して非加水分解性基であり、xは、0、1、又は2に等しい整数である。)いくつかの実施形態では、シリル含有化合物は、式(IV)の化合物である。
(R(R3−xSi−R−Si(R3−x(R
(IV)
(式中、Rは、アルキレン、アリーレン、又はこれらの組み合わせであり、それぞれのRは、独立してヒドロキシル基又は加水分解性基であり、それぞれのRは、独立して非加水分解性基であり、xは、0、1、又は2に等しい整数である。)
いくつかの実施形態では、加水分解性基としては、アルコキシ、アリールオキシ、ハロ、−N(R、又は−NH−Si(Rを挙げることができ(式中、Rはアルキルである)、非加水分解性基としては、アルキル、アリール、アラルキル、又はアルカリールを挙げることができる。いくつかの実施形態では、非加水分解性基は、アルキル、アリール、アラルキル、又はアルカリールである。
「加水分解性基」とは、大気圧の条件下でpH 1〜10を有する水と反応することができる、シリル基中のケイ素原子に結合された1つ以上の基を指す。加水分解性基は、多くの場合、それが反応するとき、ヒドロキシル基に変換される。ヒドロキシル基は、多くの場合、金属酸化物支持体の表面上のヒドロキシル基との反応など、更なる反応を行う。例示的な加水分解性基としては、アルコキシ、アシルオキシ、ハロ、−N(R、又は−NH−Si(R(式中、Rはアルキルである)が挙げられるが、これらに限定されない。
「非加水分解性基」とは、大気圧の条件下でpH 1〜10を有する水と反応することができる、シリル基中のケイ素原子に結合された1つ以上の基を指す。これらの基は、典型的には、金属酸化物支持体の表面上のヒドロキシル基との反応などの反応を行わない。例示的な非加水分解性基としては、アルキル、アリール、アラルキル、及びアルカリールが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキル」とは、アルカンのラジカルである一価の基を指す。アルキル基は、1〜40個の炭素原子を有することができる。アルキル基は、直鎖、分枝状、環式、又はこれらの組み合わせであってもよい。アルキルが直鎖である場合、このアルキル基は、1〜40個の炭素原子、1〜30個の炭素原子、1〜20個の炭素原子、又は1〜10個の炭素原子を有することができる。アルキルが分岐状又は環式である場合、このアルキル基は、3〜40個の炭素原子、3〜30個の炭素原子、3〜20個の炭素原子、又は3〜10個の炭素原子を有することができる。
「アルキレン」とは、アルカンのラジカルである二価の基を指す。アルキレン基は、1〜40個の炭素原子を有することができる。アルキレン基は、直鎖、分枝状、環式、又はこれらの組み合わせであってもよい。アルキレンが直鎖である場合、このアルキレン基は、1〜40個の炭素原子、1〜30個の炭素原子、1〜20個の炭素原子、又は1〜10個の炭素原子を有することができる。アルキレンが分岐状又は環式である場合、このアルキレン基は、3〜40個の炭素原子、3〜30個の炭素原子、3〜20個の炭素原子、又は3〜10個の炭素原子を有することができる。
「アリール」とは、芳香族炭素環化合物のラジカルである一価の基を指す。アリール基は、少なくとも1つの芳香族炭素環を有し、この芳香族炭素環に接続する又は融合される1〜5個の任意の環を有することができる。追加の環としては、芳香族環、脂肪族環、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。アリール基は、通常5〜20個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アリール基はフェニルである。
「アリーレン」とは、芳香族炭素環化合物のラジカルである二価の基を指す。アリーレン基は、少なくとも1つの芳香族炭素環を有し、この芳香族炭素環に接続する又は融合される1〜5個の任意の環を有することができる。追加の環としては、芳香族環、脂肪族環、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。アリール基は、通常5〜20個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アリーレンはフェニレンである。
「アルコキシ」とは、式−ORの1価の基を指し、式中、Rは上で定義されたようにアルキルである。いくつかの実施形態では、アルコキシは、メトキシ、エトキシ、又はプロポキシである。
「フルオロアルキル」とは、フルオロで置換された少なくとも1つの水素原子を有するアルキルを指す。
「アリールオキシ」とは、式−OArの一価の基を指し、式中、Arはアリール基である。
「アシルオキシ」とは、式−O(CO)Raの一価の基を指し、式中、Raは、アルキル、アリール、アラルキル、又はアルカリールである。いくつかの実施形態では、アシルオキシは、−O(CO)CH(アセトキシ)である。
「ハロ」とは、ハロゲン原子のラジカルである一価の基を指す。ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードであり得る。いくつかの実施形態では、ハロはクロロである。
「アラルキル」とは、少なくとも1つのアリール基で置換されたアルキル基を指す。アラルキル基は、6〜40個の炭素原子を含有する。アラルキル基は、多くの場合、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基と、5〜20個の炭素原子を有するアリール基と、を含有する。
「アルカリール」とは、少なくとも1つのアルキル基で置換されたアリール基を指す。アルカリール基は、6〜40個の炭素原子を含有する。アルカリール基は、多くの場合、5〜20個の炭素原子を有するアリール基と、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基と、を含有する。
「アミノ」とは、式−N(R)の一価の基を指し、式中、Rは水素又はアルキルである。
特定のシリル含有化合物は、最終的な水分指示組成物が鮮鋭な色変化をするべきである所望の相対湿度に基づいて選択され得る。シリル含有化合物の特性(疎水性、親水性等)は、一般的に、最終的な水分指示組成物が有意な色変化を示す相対湿度に相関する。1つのシリル含有化合物又は2つ以上のシリル含有化合物の混合物を使用して、固体金属酸化物支持体を変性し、水分指示組成物の色応答を調整してもよい。いくつかの実施形態では、シリル含有化合物は、疎水性であってもよい。例えば、式(III)の疎水性化合物は、基Rに加えて任意の非加水分解性基Rが疎水性である化合物を含む。別の例として、式(IV)の疎水性化合物は、基Rに加えて任意の非加水分解性基Rが疎水性である化合物を含む。
固体金属酸化物支持体に結合されてもよい例示的なシリル含有化合物は、アセトキシトリメチルシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、シクロヘキシルメチジクロロシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、1,3−ジ−n−ブチルテトラメチルシラザン、ジエトキシメチルシラン、(ジエチルアミノ)トリメチルシラン、(ジメチルアミノ)トリメチルシラン、ジイソプロピルジクロロシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルメチルジクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサネチルジシラザン、ヘキシルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソオクチルトリエトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、n−オクタデシルジメチルクロロシラン、n−オクタデシルトリクロロシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリクロロシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、フェネチルトリメトキシシラン、フェニルジメチルクロロシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルジメチルクロロシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−プロピルトリクロロシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロクチルジメチルクロロシシラン、(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン、ビス(トリエチオキシシリル)エタン、及び1(トリエトキシシリル)−2−(ジエトキシメチルシリル)−エタンが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、水分指示媒体は、コバルト及び銅塩を含んでもよい。いくつかの実施形態では、塩は、周囲環境において特定の水分のレベルにさらされると、可視の色の変化を呈することとなる。あるいは、塩は、周囲環境において特定の水分のレベルにさらされると、不透明度、色相、又は反射スペクトルにおいて測定可能な変化を呈することとなる。本明細書に記載される方法、物品、及びパッケージにおいて水分指示媒体として使用することができる例示的な塩としては、CoCl、CoBr、Co(SCN)、CuCl、CuBr、及びこれらの組み合わせが挙げられる。1つの例示的な実施形態では、水分指示媒体は、CoClを含む。
いくつかの実施形態では、水分指示媒体は、pH指示染料を含んでもよい。理論に束縛されるものではないが、周囲環境からの水(例えば、液状水、凝結物、水蒸気、湿気、又は相対湿度等)は、pH指示組成物を希釈し、これらの組成物のpHを中性に近づけさせるために、pH指示染料は水分指示器として稼動すると考えられている。pH指示組成物が乾燥するにつれて、pH指示薬の周囲環境は、特定の組成物に対して酸性又は塩基性になるので、組成物中のpH指示染料の色を変化させ、pHの変化を指示する。例えば、フェノールフタレイン系のpH指示組成物は、pH指示組成物が中性(希釈)から塩基性状態(乾燥)に乾燥するにつれてピンク色から無色に変わるので、pH指示組成物の周囲環境における水分のレベルを反映している。当該技術分野において既知のpH指示染料は、本明細書に記載される方法、物品、及びパッケージにおける水分指示媒体として有用である。本明細書に記載される方法、物品、及びパッケージにおける水分指示媒体として有用ないくつかの例示的なpH指示染料としては、リトマス、シアニジン、ニュートラルレッド、アリザリン、アルカリブルー、チモールフタレイン、フェノールフタレイン、クリスタルバイオレット、クロロフェノールレッド、クレゾールレッド、チモールブルー、m−クレゾールパープル、及びp−キシレノールブルーが挙げられる。
以下は、本発明の態様に従う、水分を検出する方法及びそこで使用されるパッケージの例示的な実施形態である。
実施形態1は、
(a)可逆性水分指示媒体を含む物品を
蒸気滅菌器内で蒸気滅菌にさらし、滅菌された物品を製造する工程と、
(b)滅菌された物品を乾燥させ、
滅菌された物品中の水分を低減する工程と、
(c)滅菌された物品を蒸気滅菌器から取り出す工程と、
(d)工程(c)の後の滅菌された物品中の水分のレベルを、水分指示媒体の少なくとも1つの特性に基づいて
判定する工程と、の連続的な工程を含む、水分を検出する方法である。
実施形態2は、可逆性水分指示媒体の少なくとも1つの特性が、色及び不透明度を含む群から選択される、実施形態1に記載の方法である。
実施形態3は、水分指示媒体の少なくとも1つの特性が、水分指示媒体が位置する環境における水分の現行レベルに直接的に関連する、実施形態1又は2に記載の方法である。
実施形態4は、滅菌された物品中の水分のレベルを判定する工程が、水分指示媒体を目視観察することを含む、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態5は、滅菌された物品中の水分のレベルを判定する工程が、水分指示媒体の色を観察することを含む、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態6は、水分指示媒体の色が、水分指示媒体が位置する環境における水分の現行レベルに直接的に関連する、実施形態5に記載の方法である。
実施形態7は、水分指示媒体の色を観察することが、水分指示媒体の色相を決定することを含む、実施形態5に記載の方法である。
実施形態8は、色相が、水分指示媒体が位置する環境における水分の現行レベルに定量的に関連する、実施形態7に記載の方法である。
実施形態9は、
(e)滅菌された物品が、適切に乾燥しているかどうか判定するために、
可逆性水分指示媒体の少なくとも1つの特性を対応する所定の閾値と比較する工程を更に含む、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態10は、水分のレベルを判定する工程が、可逆性水分指示媒体の色を目視観察することを含む、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態11は、水分の現行レベルを決定する工程が、水分指示媒体の可視反射又は透過スペクトルを測定することを含む、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態12は、物品が、エンクロージャによって画定される空洞を更に含む、実施形態1〜11のいずれか一つに記載の方法である。
実施形態13は、可逆性水分指示媒体を、工程(a)の前に、空洞と流体連通して配置することを更に含む、実施形態12に記載の方法である。
実施形態14は、工程(a)の前に、物品を蒸気滅菌器に配置することを更に含む、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態15は、物品が、
第1の表面を有する水分不透過性層と、
水分指示媒体を含む水分指示層と、を含む、蒸気滅菌後湿潤パック指示器を更に含み、
水分指示層が、水分不透過性層の第1の表面上若しくはその近辺に配設されるか、又は水分不透過性層が、陥凹部を含み、水分指示層が、陥凹部内に配設され、
水分指示層が、水分不透過性層よりも寸法的に小さく、水分不透過性層の縁部が、水分指示層の縁部を超えて延在する、実施形態1〜14のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態16は、可逆性水分指示媒体が、空洞内に配設される、実施形態12又は13に記載の方法である。
実施形態17は、エンクロージャの少なくとも一部が、水分透過性材料を含み、水分透過性材料が、空洞の一部を画定する内面を有し、水分透過性材料が、外面を有し、蒸気滅菌後湿潤パック指示器が、水分透過性材料の外面上に位置する、実施形態15に記載の方法である。
実施形態18は、水分指示層がエンクロージャの水分透過性部分と水分不透過性層との間に配設されるように、蒸気滅菌後湿潤パック指示器の水分不透過性層が、水分透過性材料の外面に周縁部で結合されている、実施形態17に記載の方法である。
実施形態19は、物品が、剛性容器、可撓性容器、不織布ラップ、剥離パウチ、高分子マトリックス、紙、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態20は、可逆性水分指示媒体が、固体支持体と、支持体に結合されたビス(グリオキシム)−遷移金属錯体と、を含む、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態21は、固体支持体が、無機支持体又は有機高分子支持体を含む、実施形態20に記載の方法である。
実施形態22は、固体支持体が、有機高分子支持体を含み、有機高分子支持体が、強酸陽イオン交換樹脂である、実施形態21に記載の方法である。
実施形態23は、固体支持体が無機支持体であり、無機支持体が、固体金属酸化物支持体である、実施形態21に記載の方法である。
実施形態24は、可逆性水分指示媒体が、固体金属酸化物支持体の表面上の少なくとも1つのヒドロキシル基とのシラノール結合を介して、固体金属酸化物支持体に結合されたシリル含有化合物を更に含む、実施形態23に記載の方法である。
実施形態25は、シリル含有化合物が、疎水性である、実施形態24に記載の方法である。
実施形態26は、シリル含有化合物が、式(III)の化合物であり、
−Si(R3−x(R
(III)
式中、
が、アルキル、フルオロアルキル、アミノ基で置換されたアルキル、アリール、アラルキル、又はアルカリールであり、
それぞれのRが、独立して、ヒドロキシル又は加水分解性基であり、
それぞれのRが、独立して非加水分解性基であり、
xが、0、1、又は2に等しい整数である、実施形態24又は25に記載の方法である。
実施例27は、シリル含有化合物が、式(IV)の化合物であり、
(R(R3−xSi−R−Si(R3−x(R
(IV)
式中、
が、アルキレン、アリーレン、又はこれらの組み合わせであり、
それぞれのRが、独立して、ヒドロキシル又は加水分解性基であり、
それぞれのRが、独立して非加水分解性基であり、
xが、0、1、又は2に等しい整数である、実施形態24、又は25に記載の方法である。
実施形態28は、加水分解性基が、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、ハロ、−N(R、又は−NH−Si(Rであり、式中、Rはアルキルである、実施形態26又は27に記載の方法である。
実施形態29は、非加水分解性基が、アルキル、アリール、又はアルカリールである、実施形態26〜28のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態30は、シリル含有化合物が、ジエトキシメチルシラン、ヘキサネチルジシラザン、n−オクタデシルトリクロロシラン、1H 1H 2H 2H パーフルオロクチルジメチルクロロシラン、及び(3−アミノプロピル)トリエトキシシランからなる群から選択される、実施形態24〜29のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態31は、支持体の表面ヒドロキシル基の約50%以下が、シリル含有化合物に結合されている、実施形態24〜30のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態32は、ビス(グリオキシム)−遷移金属錯体が、ニッケルジメチルグリオキシムを含む、実施形態20〜31のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態33は、可逆性水分指示媒体が、CoCl、CoBr、Co(SCN)、CuCl、CuBr、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1〜15のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態34は、可逆性水分指示媒体が、CoClを含む、実施形態33に記載の方法である。
実施形態35は、可逆性水分指示媒体が、pH指示染料を含む、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態36は、可逆性水分指示媒体が、フェノールフタレインを含む、実施形態35に記載の方法である。
実施形態37は、水分指示媒体が、約0%〜約90%の相対湿度の範囲に及ぶ相対湿度で、反射又は透過スペクトルを定量的に変化させる、実施形態1〜36のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態38は、水分指示媒体が、約30%〜約80%の相対湿度の範囲に及ぶ相対湿度で、反射又は透過スペクトルを定量的に変化させる、実施形態1〜37のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態39は、水分指示媒体が、裏材上に配置される、実施形態1〜38のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態40は、裏材が、紙、アクリル系ポリマー、ウレタンポリマー、及びシリコーンポリマーのうちの少なくとも1つを含む、実施形態39に記載の方法である。
実施形態41は、パッケージであって、
空洞を画定するエンクロージャと、
空洞と流体連通する可逆性蒸気滅菌互換性水分指示媒体と、を含む、パッケージであって、
エンクロージャの少なくとも一部が、水分透過性材料を含み、空洞へのかつ空洞からの蒸気の透過を可能にする、パッケージである。
実施形態42は、エンクロージャが、剛性容器、可撓性容器、不織布ラップ、織布ラップ、剥離パウチ、高分子マトリックス、紙、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、実施形態41に記載のパッケージである。
実施形態43は、パッケージの少なくとも一部が、紙、スポンジ、織布、不織布、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む、実施形態41又は42に記載のパッケージである。
実施形態44は、空洞が、滅菌パッケージの内部空間と流体連通する、実施形態41〜43のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態45は、パッケージが、水分透過性材料上に配設された蒸気滅菌後湿潤パック指示器を更に含み、
蒸気滅菌後湿潤パック指示器が、
水分不透過性層と、
水分指示媒体を含む水分指示層と、を含み、
水分指示層が水分透過性材料と水分不透過性層との間に配設されるように、湿潤パック指示器の水分不透過性層が、水分透過性材料に周縁部で結合されている、実施形態41〜44のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態46は、水分透過性材料が、空洞の一部を画定する内面を有し、水分透過性材料が外面を有し、
湿潤パック指示器が、水分透過性材料の外面に周縁部で結合されている、実施形態45に記載のパッケージである。
実施形態47は、可逆性蒸気滅菌互換性水分指示媒体が、固体支持体と、固体支持体に結合されたビス(グリオキシム)−遷移金属錯体と、を含む、実施形態41〜46のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態48は、固体支持体が、無機支持体又は有機高分子支持体を含む、実施形態47に記載のパッケージである。
実施形態49は、固体支持体が、有機高分子支持体を含み、有機高分子支持体が、強酸陽イオン交換樹脂である、実施形態48に記載のパッケージである。
実施形態50は、固体支持体が、無機支持体であり、無機支持体が、固体金属酸化物支持体である、実施形態48に記載のパッケージである。
実施形態51は、可逆性蒸気滅菌互換性水分指示媒体が、固体金属酸化物支持体の表面上の少なくとも1つのヒドロキシル基とのシラノール結合を介して、固体金属酸化物支持体に結合されたシリル含有化合物を更に含む、実施形態44に記載のパッケージである。
実施形態52は、シリル含有化合物が、疎水性である、実施形態51に記載のパッケージである。
実施形態53は、シリル含有化合物が、式(III)の化合物であり、
−Si(R3−x(R
(III)
式中、
が、アルキル、フルオロアルキル、アミノ基で置換されたアルキル、アリール、アラルキル、又はアルカリールであり、
それぞれのRが、独立して、ヒドロキシル又は加水分解性基であり、
それぞれのRが、独立して非加水分解性基であり、
xが、0、1、又は2に等しい整数である、実施形態51又は52に記載のパッケージである。
実施形態54は、シリル含有化合物が、式(IV)の化合物であり、
(R(R3−xSi−R−Si(R3−x(R
(IV)
式中、
が、アルキレン、アリーレン、又はこれらの組み合わせであり、
それぞれのRが、独立して、ヒドロキシル又は加水分解性基であり、
それぞれのRが、独立して非加水分解性基であり、
xが、0、1、又は2に等しい整数である、実施形態51又は52に記載のパッケージである。
実施形態55は、加水分解性基が、アルコキシ、アリールオキシ、ハロ、−N(R、又は−NH−Si(Rであり、式中、Rがアルキルである、実施形態53又は54に記載のパッケージである。
実施形態56は、非加水分解性基が、アルキル、アリール、アラルキル、又はアルカリールである、実施形態53〜55のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態57は、シリル含有化合物が、ジエトキシメチルシラン、ヘキサネチルジシラザン、n−オクタデシルトリクロロシラン、1H 1H 2H 2H パーフルオロクチルジメチルクロロシラン、及び(3−アミノプロピル)トリエトキシシランからなる群から選択される、実施形態51〜56のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態58は、支持体の表面ヒドロキシル基の約50%以下が、シリル含有化合物に結合される、実施形態51〜57のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態59は、ビス(グリオキシム)−遷移金属錯体が、ニッケルジメチルグリオキシムを含む、実施形態47〜58のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態60は、可逆性蒸気滅菌互換性水分指示媒体が、CoCl、CoBr、Co(SCN)、CuCl、CuBr、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、実施形態41〜46のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態61は、可逆性蒸気滅菌互換性水分指示媒体が、塩化コバルトを含む、実施形態60に記載のパッケージである。
実施形態62は、可逆性水分指示媒体が、pH指示染料を含む、実施形態41〜46のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態63は、可逆性水分指示媒体が、フェノールフタレインを含む、実施形態62に記載のパッケージである。
実施形態64は、パッケージが、滅菌パッケージである、実施形態41〜63のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態65は、パッケージが、少なくとも1つの滅菌対象物を更に含む、実施形態41〜64のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態66は、パッケージが、手術用器具、医療装置、歯科用器具、移植片、手当用品、及び包帯からなる群から選択される少なくとも1つの対象物を更に含む、実施形態41〜65のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態67が、パッケージが、手術用器具を更に含む、実施形態41〜66のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態68は、パッケージが、工程試験器具である、実施形態41〜63のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態69は、パッケージが、試験用層を更に含む、実施形態68に記載のパッケージである。
実施形態70は、試験用層が、水分指示媒体を取り囲む、実施形態69に記載のパッケージである。
実施形態71は、試験用層が、全て同一の材料から構成される、実施形態69又は70に記載のパッケージである。
実施形態72は、試験用層が、それぞれ独立して異なる材料から構成される、実施形態69又は70に記載のパッケージである。
実施形態73は、試験用層が、親水性又は疎水性スポンジ、紙、織布、及び不織布のうちの少なくとも1つから構成される、実施形態69〜72のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態74は、空洞、水分指示媒体、又はこれらの組み合わせを見るための窓を更に含む、実施形態41〜73のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態75は、水分指示媒体が、約0%〜約90%の相対湿度の範囲に及ぶ相対湿度で、反射又は透過スペクトルを定量的に変化させる、実施形態41〜74のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態76は、水分指示媒体が、約30%〜約80%の相対湿度の範囲に及ぶ相対湿度で、反射又は透過スペクトルを定量的に変化させる、実施形態41〜75のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態77は、水分指示媒体が、裏材上に配置される、実施形態41〜76のいずれか1つに記載のパッケージである。
実施形態78は、裏材が、紙、アクリル系ポリマー、ウレタンポリマー、及びシリコーンポリマーのうちの少なくとも1つを含む、実施形態77に記載のパッケージである。
本発明の目的及び利点は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に本発明を過度に制限するものと解釈されるべきではない。
光電子測定
水分指示器の色変化を、分光システムを用いて観察した。反射光学プローブ(Ocean Optics(Dunedin,Floirda)製Model QR400−7−UV−VIS)の一方の端部を光源(Ocean Opticsから入手可能なModel HL−2000−FHSA)に接続し、他方の端部を分光計(Ocean Opticsから入手可能なJaz−EL350)に接続した。プローブは、水分指示器を収容するバイアル瓶に接して配置した。白色Al球体(Tonerdekugel(Sasol Germany GmbH)、−1,8−210、1.78mm、207m/g)を収容するバイアル瓶からのスペクトルを、反射強度の基準スペクトル用に得た。スペクトルの波長範囲は、340.6nm〜1031.1nmであった。得られた反射スペクトルを、以下の通り色(色相)に表した。測定された反射スペクトルは、CIE 1931 2°標準観測者関数と一致する色を用いて、国際照明委員会(又は「CIE」)XYZ色空間に構成した。CIE XYZ色空間は、National Television System Committee(NTSC)色空間色度座標(x=0.67,y=0.33.x=0.21,y=0.71,x=0.14,y=0.08)を用いて、NTSC RGB空間に線形変換した。次いで、色の主要特性の1つである色相をRGB値から算出した。色相は、刺激が、赤、緑、及び青として説明される刺激と類似するか又は異なるとして説明されることができる度合いを定義する。色は、0度〜360度の色相環内の位置(色相)と相関させることができる。0度の色は、360度の色と等しい。色が、10度から350度に変化すると、連続的な色変化を示すために、350度は、−10度(=350〜360)として表示される。全ての数学的処理は、カスタマイズされたLABVIEWプログラム(National Instruments(Austin,Texas)から入手可能なソフトウェア)により行われた。スペクトルから色相への変換は、既知の色相を有する色印刷紙からスペクトルを測定し、スペクトルから色相を算出し、スペクトルからの色相を色印刷紙の既知の色相と比較することにより、確認した。スペクトルからの色相は、色印刷紙の既知の色相と一致した。
蒸気滅菌処理
以下の実施例のいくつかに関する滅菌処理の条件を以降に記載する。これらの条件に対するいずれの例外も、個々の実施例の説明で特記される。水分指示材料を、バイアル瓶(VWR(Radnor,PA)から入手されたカタログ番号66011−020、フェノール樹脂キャップを備えた簡易型)に移した。滅菌前後の指示器の色変化を観察するために、指示器を、市販の蒸気滅菌器を用いて滅菌した。水分指示材料を収容するバイアル瓶を、キャップを幾分開いた状態で、滅菌器の主チャンバ内部に配置した。3つの異なる温度121℃、132℃、及び135℃で3つの異なる滅菌処理を使用した。蒸気滅菌器(Getinge(Rochester,New York)から入手されたModel 410 AC1)を、121℃及び135℃で指示器を滅菌するために使用した。121℃の滅菌処理については、121℃の蒸気の暴露時間は、重力式滅菌処理に基づいて10分であった。ポストバキュームの深さは、1バール(100kPa)であった。乾燥サイクル時間は、1分であった。135℃の滅菌処理については、滅菌前に3サイクルの真空パルスを用いた。135℃の蒸気の暴露時間は、3分であった。ポストバキュームの深さは、0.062バール(6.2kPa)であった。乾燥サイクル時間は、1分であった。別の蒸気滅菌器(Steris(Mentor,Ohio)から入手されたModel AMSCO 3013C)を、132℃で指示器を滅菌するために使用した。132℃の滅菌処理については、滅菌前に4サイクルの真空パルスを使用した。132℃の蒸気の暴露時間は、4分であった。乾燥時間は、1分であり、乾燥真空は10インチHg(34kPa)であった。
実施例1−Ni2+/ジメチルグリオキシム/Alビーズの調製
20.01グラムのAl球体(Tonerdekugel(Sasol Germany GmbH)、−1,8−210、1.78mm、207m/g)に40.37グラムの酢酸ニッケル四水和物(EM Science(Gibbstown,NJ))の5重量%水溶液を加え、混合物を12分間かき混ぜて、ニッケルをアルミナ基板の表面に吸着させた。次いで、混合物をWhatman #5濾紙上で真空濾過し、脱イオン水で洗浄し、粒子を被覆する液体層内の残留遊離ニッケルイオンを一切除去した。次いで、淡緑色に着色したビーズを、断続的に混合しながら、110℃の空気中で15分間、ガラス製ペトリ皿の上で乾燥させた。その後、部分的に乾燥した淡緑色のビーズを冷却し、その後すぐに40.06グラムの塩基性ジメチルグリオキシム溶液(28.39グラムの脱イオン水中、0.12グラムのジメチルグリオキシム(Mallinckrodt Chemical Works(New York,NY))及び1.55グラムの水酸化カリウムの1Mの水溶液(BDH Chemicals,West(Chester,PA))に加えた。混合後数秒以内で、ビーズは淡緑色から明るいピンク色に変色した。混合物を2分かき混ぜて、明るいピンク色のビーズと僅かにピンク色に着色した溶液を得た。固体をWhatman #5濾紙の上で真空濾過し、脱イオン水で洗浄し、ビーズから残留するニッケルグリオキシムの沈殿物を除去した。遊離ニッケルグリオキシムは、濾過中にビーズを覆う溶液の表面上に薄膜を形成する場合が多い。ビーズへの非変色材料(固体ニッケルグリオキシム)の取り込みを最小化するために、表面からこの薄膜をすくい取った。次いで、洗浄及び濾過された固体をガラス製ペトリ皿に移し、110℃のオーブンで一晩、空気中でおよそ2時間乾燥させた。乾燥させた材料は、色が茶色〜黄色であり、20.05グラムの重量であった。
上記のNi2+/ジメチルグリオキシム/Alビーズに、3つの異なる滅菌処理(121℃、132℃、及び135℃)をした。蒸気滅菌後の乾燥サイクル時間は1分であった。表1は、滅菌前、滅菌(及び乾燥サイクル)後、並びに滅菌に続いて水中に浸漬した後の水分指示媒体の目視による色及び外観を要約する。滅菌後に、Ni2+/ジメチルグリオキシム/Alビーズの殆どが緑色であった。しかしながら、乾燥サイクル(1分)が、典型的な商業利用の乾燥サイクル(20分)よりも短かったために、特に132℃及び135℃で滅菌された試料の場合に、いくつかのビーズで少量のピンク色がかった色が存在した。ビーズを水の中へ浸漬した後に、全てのビーズはピンク色に変わった。表1の色の結果は、Ni2+/ジメチルグリオキシム/Alビーズの比色水分指示官能性は、滅菌処理を通して維持されたことを示す。
Figure 0006262759
実施例2
市販の塩化コバルト系シリカ乾燥材(EMD(Rockland,Massachusetts)から入手されたカタログ番号DX0017−1,t.h.e Desiccant)を、実施例1に記載される通りに、3つの異なる蒸気滅菌処理(121℃、132℃、及び135℃)にさらした。滅菌の乾燥サイクル時間は1分であった。表2は、滅菌前、滅菌後、及び滅菌後に、次いで水中の浸漬を行った指示器の色応答を示す。ビーズの殆どは、滅菌後に青色〜紫色に変わった。ビーズを水中へ浸漬した後、全てのビーズは紫色に変わった。
Figure 0006262759
実施例3
指示器の顕著な色変化を示す水凝縮量を相関させるために、以下の系統的実験を行った。Ni2+/ジメチルグリオキシム/Alビーズを、20分の乾燥時間で、135℃の蒸気滅菌処理にさらした。実施例2に記載されるように、滅菌後の全てのビーズは緑色であった。0.50グラムの量のNi2+/ジメチルグリオキシム/Alビーズを各バイアル瓶に移した。種々の量の水を各バイアル瓶に注入した。水注入後に、手作業でバイアル瓶を振ることによってビーズをよく混合させた。バイアル瓶にきつく蓋をして、120℃のオーブン内で10分間加熱し、水を指示器媒体の表面上に均質に再分布させた。比較のために、500μLの水をビーズを含まないバイアル瓶の中へ加えることによって、これらの条件下のバイアル瓶からの水の理論上の喪失を求めた。次いで、バイアル瓶にきつくふたをして、120℃のオーブン内で10分間加熱した。加熱後の重量喪失は、0.0170グラムであった。これは、水の3.4%のみの損失に相当する。
表3は、水を含まない場合と、40μL及び200μLの水を含む場合と、の例示的なNi2+/ジメチルグリオキシム/Alビーズの反射強度(%)データを示す。同様の輝度を得るために、850nmで観察される最大反射強度を100%に設定することにより、全ての反射スペクトルを正規化した。実施例3は、光の可視スペクトルにわたる反射強度(%)の最大の変化が、最大量の水で処理された試料で観察されることを論証した。
Figure 0006262759
下表4は、0.5グラムのNi2+/ジメチルグリオキシム/Alビーズに加えられた水の量の関数としての実施例3の色相を示す。水を含まない試料の色相は、およそ80であり(黄色〜緑色に相当する)、一方200μLの水を添加された試料は、およそ0である(赤色〜ピンク色に相当する)。0.5グラムのNi2+/ジメチルグリオキシム/Alビーズに加えられた100μLの水の量は、20重量パーセントの水(水の重量/ビーズの重量)に相当し、同様の赤ピンク色を産生する。
Figure 0006262759
(実施例4)
カスタマイズされた加熱ブロック、加熱棒、熱電対、及びフィードバックループ温調器(Custom Heat LLC(Danvers,Massachusetts)から入手されたModel AEO 000−149)を用いて同様の蒸気滅菌条件をシミュレートすることによって、蒸気滅菌処理中の指示器の可逆性色変化特性の定量的測定を得た。加熱ブロックは、アルミニウム製であり、加熱棒は加熱ブロックの内部に埋め込まれた。加熱ブロックの温度は、熱電対によって監視され、加熱棒を通る電流は、フィードバックループ温度制御によって目的の温度を維持するよう制御された。ガラス製バイアル瓶を加熱ブロックに挿入し、指示器材料の色変化を窓を介して観察した。加熱ブロックの動作温度は121℃であった。
0.5グラムの量のNi2+/ジメチルグリオキシム/Alビーズをバイアル瓶(VWR(Radnor,PA)から入手されたカタログ番号66011−020、フェノール樹脂キャップを備えた簡易型)に加えた。加熱ブロックを121℃に予備加熱し、実験の間中、この温度を保持した。指示器材料の温度を121℃に上昇させるために、指示器材料を収容するバイアル瓶を、ふたをせずに加熱ブロックに挿入した後、10分間放置した。次に、蒸気滅菌処理でのような水分条件への暴露をシミュレートするために、バイアル瓶の中へ300μLの水を注入した。Ocean Optics分光計を用いて、乾燥処理の間ずっと色を継続的に監視した。表5に示すように、Ni2+/ジメチルグリオキシム/Alビーズは、水の注入(蒸気中の水分含量をシミュレートする)の12分後に明確な色(色相)変化を示し、その後、水注入後36〜40分に、結局、全ての水は指示器材料から蒸発した。この実験に基づくと、0.5グラムの指示器材料から300μLの水を蒸発させるのにおよそ25〜30分を要した。この実施例は、高温におけるNi2+−dmg/Al指示器材料の可逆性色変化特性は、シミュレートされた蒸気滅菌(及び乾燥)処理を表すことを実証している。
Figure 0006262759
(実施例5)
指示器の色応答と指示器の周囲の結露との間の相関を検討するために、蒸気滅菌器(Getinge(Rochester,New York)から入手されたModel 410 AC1)での2つの異なる乾燥時間及びポストバキュームの深さの条件を用いて蒸気滅菌処理の湿潤負荷条件及び乾燥負荷条件を意図的に生成した。両方の湿潤及び乾燥負荷条件のために、滅菌前の圧力/真空パルスの3つのサイクル及び135℃における3分の蒸気暴露時間を使用した。湿潤負荷条件において、ポストバキュームの深さは1バール(100kPa)であり、乾燥時間は1秒であった。乾燥負荷条件において、ポストバキュームの深さは0.328バール(32.8kPa)であり、乾燥時間は35分であった。2つの異なるタイプの滅菌器容器(A及びB)を使用した。容器Aは、ふたを備えるアルミニウム製の有孔の手術器具用オートクレーブバスケット(Aesculap Inc.USA(Center Valley,PA)から入手。3.8キログラム、およその寸法:60cm×28cm×13cm)であった。容器Aを使い捨て滅菌ラップ(Kimberly Clark(Dallas,TX)から入手された140cmのKC−600 KIMGUARD)で包んだ。容器Bは、不織布フィルタを備える剛性のアルミニウム製滅菌容器(Aesculap Inc.(USA)から入手可能である、1つのトレイ、底型#JN740、保持プレート及び型#JK789のふたを備える有孔底部を有する3/4のサイズのDBP STERILCONTAINERで、およその寸法:43cm×28cm×11cm)であって、これは、意図的に微生物バリアのための付加的な滅菌ラップが不要であった。両方の器具トレイ、すなわち、容器A及び容器Bは、手術用器具(24個の器具の組み合わせ:ステンレス鋼製手術用はさみ及び鉗子)を収容した。およそ0.3gのNi2+/ジメチルグリオキシム/Alビーズを収容するふたを閉めていないバイアル瓶を、容器A(包まれた器具トレイ)の内部に、容器B(フィルタを備える、包まれていない剛性の器具トレイ)の内部に、かつ容器A及びBの外部に配置し、更に滅菌室の内部に配置した。表6は、湿潤及び乾燥負荷条件における指示器の目視観察及び色応答を示す。指示器の色応答は、滅菌環境の種々の位置での液状水の目視観察と一致した。乾燥負荷条件下の容器A内部の指示器は、殆ど(70%)が緑色であって、これは乾燥条件を示す。この同じ試料では、水がバイアル瓶又はビーズと直接接触していなかったにも関わらず、部分的にピンク色の色合いを示す数個のビーズが存在し、これは、包まれた環境内の物理的に分離された場所における液状の水の存在に起因する。表6中の実施例5の結果は、湿潤パック水分指示器のこの実施形態が、蒸気滅菌条件後の実際の湿潤パック(不適格)と適切に乾燥されたパック(適格)とを識別することができることを示している。
Figure 0006262759
(実施例6)
滅菌器容器内部の水分条件をシミュレートするために試験用パックを使用した。評価のために使用された試験用パック構成体は、3M ATTEST 41382/41382F Rapid 5 Steam−Plus Test Pack(3M Company(St.Paul,MN)から入手可能)であった。この製品は、パックの幾何学中心において、中央部にダイカットされた空洞を有し、この中へ滅菌処理指示器が配置されている。水分指示器を、これらの試験用パック内に配置した。水分指示材料を、プラスチックキャップを備えた半透明のプラスチック容器内に配置した。容器及びキャップは、ATTEST 41382/41382F Test Packについてくる3M ATTEST 1292 Rapid Readout Biological Indicatorバイアル瓶を用いることにより得られた。バイアル瓶は、内部の内容物を空にした(円筒形バイアル瓶の寸法は、およそ5.1cm(長さ)×0.8cm(直径)であり、キャップの寸法は、1.6cm(長さ)×1cm(直径)であった)。濾紙片がキャップの6つのガス抜き穴を覆うように維持された。Ni2+/ジメチルグリオキシム/Alビーズ(約0.3g)を収容するプラスチック容器を、試験用パックの中央空洞内に配置し、次いで、(水分指示器を内部に含む)いくつかの試験用パックもまた、容器Aの内部に配置し、実施例5の通りに包み、一方他の試験用パックを容器Aの外部に配置し、更に滅菌室の内部に配置した。試験用パック及び包まれた容器Aを、ポストバキュームの深さが0.0625バール(6.25kPa)及び乾燥時間が以下に記載される乾燥負荷条件において45分であったことを除けば、135℃において、実施例5に記載されるものと同一の滅菌処理条件にさらした。表7は、湿潤及び乾燥負荷条件についての試験用パック内部の及び容器A内の包まれた試験用パック内部の実施例6の試料指示器の色応答を示す。これら結果は、湿潤パック水分指示器が、上記記載の試験用パック構成体の内部に配置される場合、蒸気滅菌条件後の実際の湿潤パック(不適格)と適切に乾燥されたパック(適格)とを識別することができることを実証した。
Figure 0006262759
(実施例7)
実施例7a:Ni2+/ジメチルグリオキシム/HMDS−変性Alビーズの調製
Sasolの1.8mmのアルミナビーズ(3.1438g、Tonerdekugel(Sasol Germany GmbH)、−1,8−210、1.78mm、207m/g)を、小型の23mLの容量のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)オートクレーブライナーカップに加え、次いでより小型の1mLのアルミナカップをPTFEライナーカップ内のビーズの上面に配置した。より小型のアルミナカップに、0.3820グラムのヘキサメチルジシラザン(HMDS)(Alfa Aesar(Ward Hill,MA))を加えた。PTFEのふたをPTFEライナーカップに固定し、組立品全体をステンレス鋼製オートクレーブ反応器(4749 General Purpose Bomb、23mL 250℃、1800psig、Parr Instruments Co.(Moline,IL))に注意深く配置した。オートクレーブ反応器を固定/締付けた後に、オートクレーブ組立品全体を、110℃に保持したオーブンにおよそ64時間配置した。次いで、オートクレーブ反応器の高さの半分に等しいレベルまでの水で満たしたアルミナパンに反応器を配置することにより、反応器を冷却した。反応器を7時間冷却し、その後開けた。冷却されたビーズは、3.5761グラムの重量であった。
40mLのガラス製バイアル瓶内で、2.4921gの(上記のように調製された)HMDS変性Alビーズを、酢酸ニッケル四水和物(EM Science(Gibbstown,NJ))の5重量%水溶液5.0454グラムにおよそ12分間浸漬した。ビーズを最初に加えると、溶液の表面にビースが浮遊した。ビーズを沈降させるために、旋回による更なる混合が必要であった。次いで、水洗浄/デカントサイクルによってビーズを十分に洗浄し、残留するニッケル溶液の大部分を除去した。次いで、ビーズを#5 Whatman濾紙上で真空濾過し、最終洗浄し、その後ガラス製ペトリ皿上で、110℃で5分間乾燥させた。次いで、次の工程の前に、自由に回転するビーズを小型アルミニウムパンで少なくとも10分間冷却した。冷却された緑色のビーズを、4.99グラムの塩基性ジメチルグリオキシム溶液(配合:脱イオン水28.34グラム中、ジメチルグリオキシム(Mallinckrodt Chemical Works(New York,NY)0.12グラムと水酸化カリウムの1M水溶液(BDH Chemicals(West Chester,PA))11.54グラム)に素早く加え、混合物を120秒間連続的に混合し、その後、水洗浄/デカントサイクルによってビーズを十分に洗浄し、ビーズの表面から残留するピンク色/赤色の固体及び溶液を除去した。溶液中のわずか少量の残渣及びピンク色の色合いが観察された。次いで、ビーズを#5 Whatman濾紙上で真空濾過し、ビーズの上部の濾過溶液の表面から残存する残渣をすくい取った。濾過後に、濾紙上ではピンクの色合いはほとんど又は全く観察されなかった。洗浄したビーズを、その後、空気中で110℃で30分間乾燥し、均一に暗黄色に着色したビーズを得た。
実施例7b:Ni2+/ジメチルグリオキシム/DEDMS−変性Alビーズの調製
小型のガラス製広口瓶で、1.0120グラムのジエトキシジメチルシラン(DEDMS)(Alfa Aesar(Ward Hill,MA))を、50.0372グラムの希酢酸水溶液(pH約5.5〜6、約0.01mM)に加え、まず初めにエマルジョンを形成した。渦流混合及び旋回、並びに超音波発生装置を用いる簡単な脱ガスのおよそ2分後に、無色透明の溶液を得た。この溶液に、5.0306グラムのAlビーズ(Tonerdekugel(Sasol Germany GmbH)、−1,8−210、1.78mm、207m/g)を加えた。混合物を手作業で5分間混合し、その後ビーズを洗浄し、少なくとも3回デカントして、ビーズの表面から残留する溶液を除去した。次いで、ビーズを#5 Whatman濾紙上で真空濾過し、ガラス製ペトリ皿上で、110℃で10分間乾燥させた。
40mLのガラス製バイアル瓶内で、2.5040グラムの(上記のように調製された)DEDMS変性Alビーズを、酢酸ニッケル四水和物(EM Science(Gibbstown,NJ))の5重量%水溶液5.0335グラムの中へおよそ12分間浸漬させた。浮遊するビーズは観察されなかった。次いで、ビーズを水洗浄/デカントサイクルによって十分に洗浄し、残留するニッケル溶液の大部分を除去した。次いで、ビーズを#5 Whatman濾紙上で真空濾過し、最終洗浄し、その後ガラス製ペトリ皿上で、110℃で5分間乾燥させた。次いで、次の工程の前に、自由回転するビーズを小型アルミニウムパンで少なくとも10分間冷却した。ビーズを、5.00グラムの塩基性ジメチルグリオキシム溶液(配合:脱イオン水28.34グラム中、ジメチルグリオキシム(Mallinckrodt Chemical Works(New York,NY))0.12グラムと水酸化カリウムの1M水溶液(BDH Chemicals(West Chester,PA))11.54グラム)に素早く加え、混合物を120秒間連続的に混合し、その後、水洗浄/デカントサイクルによってビーズを十分に洗浄し、ビーズの表面から残留するピンク色/赤色の固体及び溶液を除去した。溶液中のわずか少量の残渣及びピンク色の色合いが観察された。次いで、ビーズを#5 Whatman濾紙上で真空濾過し、ビーズ上部の濾過溶液の表面から残存する残渣をすくい取った。濾過後に、濾紙上ではピンク色の色合いはほとんど又は全く観察されなかった。洗浄したビーズを、その後、空気中で110℃で30分間乾燥し、均一に淡黄色に着色したビーズを得た。
実施例7c:Ni2+/ジメチルグリオキシム/DEDMS−変性SiOマイクロビーズの調製
ジエトキシジメチルシラン(DEDMS)(0.53g、Alfa Aesar(Ward Hill,MA))を、25.07グラムのおよそ0.01Mの酢酸水溶液(pH約6)に加え、まず初めにエマルジョン(約2.07重量%のDEDMS)を形成した。渦流混合及び旋回のおよそ3分後に、無色透明の溶液を得た。この溶液に、2.52グラムのシリカゲル60(150〜230メッシュ、Alfa Aesar(Ward Hill,MA))を加えた。手作業で5分混合した後に、ビーズに3回の脱イオン水洗浄/デカントサイクルを行い、ビーズの表面から残留する溶液を除去した。次いで、ビーズを#5 Whatman濾紙上で真空濾過し、濾紙上で更に数回洗浄し、その後、ガラス製ペトリ皿上で、110℃のオーブン内で10分間乾燥させた。
次いで、乾燥したビーズを室温まで冷やし、その後、5.08グラムの酢酸ニッケル四水和物の5重量%水溶液(EM Science(Gibbstown,NJ))を加え、10分間浸漬を続けた。次いで、ビーズを3回水洗浄/デカントし、ビーズの表面上の過剰溶液を除去し、#5 Whatman濾紙上で真空濾過し、更なる水洗浄をした。湿ったビーズを大型ガラス製広口瓶に移し、これに、10.15グラムの塩基性ジメチルグリオキシム溶液(配合:脱イオン水28.34グラム中、ジメチルグリオキシム(Mallinckrodt Chemical Works(New York,NY))0.12グラムと水酸化カリウムの1M水溶液(BDH Chemicals(West Chester,PA))11.56グラム)を素早く加えた。混合物を60秒間混合させて、その後、十分な洗浄/デカントサイクルを行い、残留物及びピンクに着色した溶液の大部分を除去した。次いで、湿ったビーズをガラス製ペトリ皿に移し、空気中110℃で2時間乾燥させて、淡黄色の均一に着色したビーズを得た。
実施例7d:Ni2+/ジメチルグリオキシム/OTS−変性SiOマイクロビーズの調製
1.9983グラムのSiOゲル60(Alfa Aesar、150〜230メッシュ、500〜600m/g、ロット番号I08W033)を、トルエン中1%(v/v)のn−オクタデシルトリクロロシラン(OTS)(Alfa Aesar、ロット番号10136042)溶液4mL中に浸漬させた。混合物を5分間緩やかに振盪し、ビーズをトルエンで3回、次いで脱イオン水で5回超洗浄した。#1 Whatman濾紙を用いてビーズを濾過し、110℃のオーブンで30分間乾燥した。
5.09グラムの量の酢酸ニッケル四水和物(EM Science(Gibbstown,NJ))の5重量%水溶液を、1.51グラムの(上記のように調製された)OST−変性シリカゲルに加えた。最初の手作業による混合の後に、ビーズを室温で10分間浸漬させた。次いで、ビーズを3回水洗浄/デカントし、ビーズの表面上の過剰溶液を除去し、その後、5.30グラムの塩基性ジメチルグリオキシム溶液(配合:脱イオン水28.32グラム中、ジメチルグリオキシム(Mallinckrodt Chemical Works(New York,NY))0.12グラムと水酸化カリウムの1M水溶液(BDH Chemicals(West Chester,PA))11.56グラム)に直接、素早く加えた。混合物を60秒間混合させて、その後、十分な洗浄/デカントサイクルを行い、残留物及びピンクに着色した溶液の大部分を除去し、続いて#5 Whatman濾紙上で真空濾過し、表面をすくい取って浮遊する残渣を除去した。次いで、湿ったピンク色のビーズをガラス製ペトリ皿に移し、空気中110℃で1時間乾燥させて、淡黄色の均一に着色したビーズを得た。
(実施例8)
実施例8a:ガラス上のpH指示薬ベースの水分指示器
市販の補修材DRYDEX(DAP Products Inc.(Baltimore MD)製)は、色が変化するpH指示薬(フェノールフタレイン)を含有する。pH指示薬を有する補修材が乾燥し、pH指示薬がピンク色(塩基性)から無色(中性)に色を変化させると、DRYDEXは、弱塩基性から中性に近づく。pH指示薬ベースの水分指示器材料を有する補修材DRYDEXを、スライドガラス(予備洗浄されたマイクロスライド、カタログ番号48300−025、VWR)に塗布した。実施例8aの色は、指示薬を有さない補修材は白色であったので、最初に塗布されたときのピンク色(濡れた状態)から乾燥の際の白色に変化した。
実施例8b:高分子フィルム上のpH指示薬ベースの水分指示器
pH指示薬ベースの水分指示器を有する補修材DRYDEXを、高分子フィルム(DuPont Teijin Films(Hopewell,VA)から入手されたTeonex Q51/200ポリエチレンナフタレート(PEN))に塗布した。実施例8bの色は、ピンク色から乾燥の際に白色に変化した。
実施例8c:紙上のpH指示薬ベースの水分指示器
pH指示薬ベースの水分指示器を有する補修材DRYDEXを、Whatman Ltd.(Maidstone,England)から入手された#1 Whatman濾紙に塗布した。実施例8cの色は、ピンク色から乾燥の際に白色に変化した。
実施例5に記載される蒸気滅菌器を用いて、実施例7a〜7d及び8a〜8cに135℃の蒸気滅菌処理をした。水分指示材料をバイアル瓶に移した。水分指示材料を収容するバイアル瓶を、キャップをせずに滅菌器の主チャンバ内部に配置した。135℃の滅菌処理については、滅菌前に3サイクルの真空パルスを使用した。135℃の蒸気の暴露時間は3分であった。ポストバキュームの深さは0.062バール(6.2kPa)であった。乾燥サイクル時間は、20分であった。表8は、実施例7a〜7d及び8a〜8cの試験結果を要約する。滅菌前、滅菌(及び乾燥サイクル)後、及び滅菌、続いて水中での浸漬後の水分指示媒体の視覚的な色の外観。指示器を水の中へ浸漬した後、全ての指示器は、湿潤状態の指示器の色を反映するピンク色に変化した。
Figure 0006262759
実施例9
比色水分指示媒体:Ni2+/ジメチルグリオキシム/Alの調製
40.15グラムの酢酸ニッケル四水和物(EM Science(Gibbstown,NJ))の5重量%水溶液に、20.10グラムのBioRad AG(登録商標)7中性アルミナマイクロビーズ、100〜200メッシュ(Berkeley,CA)を加えた。混合物を広口瓶で12分間転がし、その後デカントし、脱イオン水で3回洗浄した。次いで、混合物をブフナー漏斗内の#5 WHATMAN濾紙上で真空濾過し、脱イオン水で更に洗浄した。採集した固体を110℃の空気中で15分間乾燥した。熱いビーズを、塩基性ジメチルグリオキシム水溶液(配合:脱イオン水28.37グラム中、ジメチルグリオキシム(Mallinckrodt Chemical Works(New York,NY))0.12グラムと水酸化カリウムの1M水溶液(BDH Chemicals(West Chester,PA))11.58グラム)に、直接素早く(オーブンから取り出して20秒以内に)移した。ビーズは、残留する赤色/ピンク色に着色した材料及びピンク色の溶液の形成と共に、明るいピンク色に迅速に変化した。混合の2分後に、混合物をデカントし、脱イオン水で3回洗浄して、残留物の大部分を除去した。次いで、混合物をブフナー漏斗内の#5 WHATMAN濾紙上で真空濾過し、脱イオン水で更に洗浄した。採集した固体を、110℃の空気中で70分間乾燥させた。乾燥させた固体は、淡い黄色であった。
湿潤パック指示器の構成体
湿潤パック指示器(WPI)を、以下の方法で調製した。透明ポリプロピレンフィルムテープ片(3M Company(St.Paul,MN,USA)から入手可能なSCOTCH 3750 Commercial Performance Packaging Tape)を、1平方センチメートルの寸法に切断し、次いで、上記で調製された比色水分指示媒体の粒子を手作業でコーティングした。粒子のほぼ単層が、テープの1平方センチメートル片の感圧接着剤(PSA)側に接着されるように、テープを完全に覆った。次いで、このコーティングされたテープ片を、同じタイプのテープの第2のより大きな正方形片の中央に配置し、これによって、第2のテープ片のPSA側が、第1のテープ片のポリプロピレン裏材に接触した。第2の正方形のテープ片は、各辺がおよそ2.5センチメートルであり、総面積が6.25平方センチメートルであった。これは、比色水分指示媒体でコーティングされた第1のテープ片の周囲に、約0.75センチメートルの幅を有する「PSAボーダ」を作り出した。Avery Dennison(Pasadena,CA,USA)から入手可能なLaser Printers 5165用の1枚のAVERY White Full−Sheet Shipping Labelから剥離ライナーを採取することによって剥離ライナーを入手し、第2の正方形のテープ片に嵌合するために、それを2.5cm×2.5cmの寸法の正方形に切断した。剥離ライナーを、第2のテープ片の露出したPSAの上に配置し、第1のテープ片の比色水分指示媒体も覆った。このSCOTCH 3750 Commercial Performance Packaging Tapeは、その高温耐性のために選択された。このテープはまた、接着剤が有意な層間剥離をすることなく蒸気滅菌器内の湿気、温度及び圧力条件に耐えるのに十分強靭であるために選択された。剥離ライナーは、以下に記載される滅菌パッケージラップ又はフィルタ表面の外側表面にWPIを配置するより前に取り除かれる。
記載されるようなWPIの構成体は、媒体を覆うフィルムが、WPIの構成体がその上に配置されることとなる滅菌布地よりも蒸気/水蒸気透過性を確実に低下させる。この構成体は、まず初めにラップ布地を通過してパッケージの内部空洞の中へ入り、次いで比色水分指示媒体の位置よりも下でラップ布地を通過して戻ることによって、蒸気/水蒸気が、担体テープの下で媒体に到着することを要する。このように、媒体が指示している湿度のレベルは、パッケージの内側空洞内の湿度レベルに関連していた。
蒸気滅菌条件
蒸気滅菌器(Getinge USA,Inc.(Rochester,New York)から入手されたGETINGE Model 410 AC1)を、135℃におけるシミュレートされた乾燥負荷及び誘導された湿潤負荷条件下で、WPIを試験するために使用した。滅菌前に3サイクルの真空パルスを使用した。135℃の蒸気への暴露時間は3分であった。乾燥負荷については、ポストバキュームの深さは32.8kPa(0.328バール)であり、乾燥時間は40分であった。湿潤負荷については、ポストバキュームの深さは90kPa(0.9バール)であり、乾燥時間は1秒であった。
Figure 0006262759
Figure 0006262759
滅菌容器
2つのタイプの滅菌パッケージ化容器をこれらの実験で使用した。容器Aは、3M Company(St.Paul,MN,USA)から入手可能である、ハンドル及び36.4×22.2×9.4センチメートル(14.25×8.75×3.75インチ)の寸法の内部トレイを備えた有孔の蝶番式のふたのステンレス鋼製ケースである3M M306 AUTOCLAVE CASEであった。容器Aにステンレス鋼製の医療器具を装填し、青色の不織布滅菌ラップである、KIMGUARD ONE STEP STERILIZATION ARAP KC400(Kimberly−Clark(Irving,Tx)から入手可能)で完全に包んだ。KC400ラップの各シートは、実際は、縁部で結合された2枚のSMS布地である。容器Bは、アルマイト製の、寸法28×58×15センチメートル(11×23×6インチ)を有するV.Mueller Genesis Sterilization Containerであった。容器Bはまた、4つの平坦な組込み式のフィルタ区画を有し、それぞれ2つずつが、容器の上面及び底面にあった。KC400ラップを1枚引き離して、SMS材料の2枚の別個のシートにした。この単一のSMSシートを定寸法に切り、容器Bの4つのフィルタ区画用のフィルタ材料として使用した。
WPIの使用
それぞれのWPIについては、ライナーを取り外し、接着剤ボーダが指示器媒体の縁部の周囲に十分に封着したことを確認して、WPIを目的の位置に適用した。WPIを、容器AのKC400滅菌ラップの外側表面及び容器Bで使用したSMSフィルタ材料の外側対向面に接着した。WPIは、以下の特定の場所に配置した。2つのWPIを、包まれた容器Aの底面に、1つのWPIを容器Aの側面に配置した。1つのWPIを、2つずつが容器Bの上面及び底面にある、容器Bの4つの組込み式フィルタ区画の中へ配置された4つのフィルタのそれぞれに配置した。容器Aを、2つのシェルフを有するオートクレーブチャンバの上部シェルフに配置し、容器Bを、底部シェルフに配置した。この2つのパッケージを蒸気滅菌器の中へ配置し、乾燥負荷の上述された蒸気滅菌処理を行った。2つの追加の同じパッケージを、同一の方法で調製し、湿潤負荷処理条件にさらした。パッケージを滅菌器から取り出し、それぞれのWPIの色を目視検査し、滅菌処理後にパッケージ内に残存する水分のレベルを判定した。
実施例9の結果
全ての結果に関して、WPIの色の目視観察は、乾燥負荷及び湿潤負荷蒸気滅菌処理サイクルへの曝露の前後で行われた。用語「淡い」は、観察された色の比較的明るい又はより浅い変形例の視覚認知を示すために用いられた。例えば、結果「淡い黄色」は、黄色の比較的明るい変形例、又はより浅い黄色と考えられる。同様に、「淡いピンク色」は、ピンク色の比較的明るい変形例、又はより浅いピンク色と考えられる。ピンク色自体は、例えば、赤色の塗料と白色の塗料の混合が、ピンク色の塗料を結果的にもたらすために、赤色のより明るい変形例、又はより浅い赤色として概ねみなされる。任意の水分にさらされる前には、それぞれの乾燥したWPIは、色が淡い黄色に見えた。水に濡れると、WPIは、色がピンク色になった。
Figure 0006262759
乾燥負荷滅菌条件への暴露後に、容器Aは、金属容器の底面と内側ラップ表面との間に残存する液状水を有するように見え、パッケージングの底面に配置されたWPIのピンク色の色合いをもたらした。しかしながら、パッケージの側面におけるWPIは、乾燥状態のパッケージを指示した。したがって、WPIの正確な配置は、所望される指示レベルに応じて重要である。使用される処理条件が所与である場合、40分の乾燥時間であってもラップ(容器)の内部から全ての水分を蒸発させるのに十分ではなかったことは明らかである。WPIが、ラップの外部に取り付けられたにもかかわらず、WPIはラップの内部の水分環境を示す事に成功した。
Figure 0006262759
容器Bを乾燥負荷滅菌条件にさらした後、フィルタを含む容器の外部及び内部は完全に乾燥しているように見えた。それぞれのWPIもまた、滅菌後に、乾燥状態のパッケージを指示する淡い黄色になった。蒸気滅菌条件への暴露の前に、調製されたWPIは全て淡い黄色に見えた。水分を感知する指示器の能力の検証として、蒸気滅菌条件への暴露後に、1つのWPIに少量の水を意図的に加えたところ、淡い黄色から強烈なピンク色に直ちに変化した。
Figure 0006262759
容器Aを湿潤負荷条件にさらした後に、結露が容器の側面では観察されなかったにもかかわらず、容器の底面のラップは、深刻な結露を有した。WPIの色は、側面部位については淡い黄色(滅菌前のもの)から淡いオレンジ色に、2つの底面部位については淡いピンク色に変化し、これは、容器Aの周囲の異なる場所で検出される水分量の増加を示している。
Figure 0006262759
容器Bを湿潤負荷条件にさらした後、容器を開けたところ、容器Bの底の内側に溜まった水が観察された。WPIのピンク色は、この湿潤状態を正確に指示した。
本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本発明の様々な改変及び変更が当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書に記載される例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではない点、また、こうした実施例及び実施形態はあくまで例示を目的として示されるにすぎないのであって、本発明の範囲は本明細書において以下に記載する特許請求の範囲によってのみ限定されるものである点は理解すべきである。本開示で引用したすべての参考文献は、参照によってそのすべてが本明細書に組み込まれる。本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[31]に記載する。
[1]
水分を検出するための方法であって、
(a)可逆性水分指示媒体を含む物品を蒸気滅菌器内で蒸気滅菌にさらし、滅菌された物品を製造する工程と、
(b)該滅菌された物品を乾燥させ、該滅菌された物品中の水分を低減する工程と、
(c)該滅菌された物品を該蒸気滅菌器から取り出す工程と、
(d)工程(c)後の該滅菌された物品中の水分のレベルを、該水分指示媒体の少なくとも1つの特性に基づいて判定する工程と、の連続的な工程を含む、方法。
[2]
前記物品が、エンクロージャによって画定される空洞を更に含む、項目1に記載の方法。
[3]
工程(a)の前に、前記可逆性水分指示媒体を前記空洞と流体連通して配置する工程を更に含む、項目2に記載の方法。
[4]
前記物品が、
第1の表面を有する水分不透過性層と、
前記水分指示媒体を含む水分指示層と、を含む、蒸気滅菌後湿潤パック指示器を更に含み、該水分指示層が、該水分不透過性層の第1の表面上若しくはその近辺に配設されるか、又は該水分不透過性層が、陥凹部を含み、該水分指示層が、該陥凹部内に配設され、該水分指示層が、該水分不透過性層よりも寸法的に小さく、該水分不透過性層の縁部が、該水分指示層の縁部を超えて延在する、項目1〜3のいずれか一項に記載の方法。
[5]
前記可逆性水分指示媒体が、前記空洞内に配設される、項目2又は3に記載の方法。
[6]
前記エンクロージャの少なくとも一部が、水分透過性材料を含み、該水分透過性材料が、前記空洞の一部を画定する内面を有し、該水分透過性材料が、外面を有し、前記蒸気滅菌後湿潤パック指示器が、該水分透過性材料の該外面上に位置する、項目4に記載の方法。
[7]
前記水分指示層が前記エンクロージャの前記水分透過性部分と前記水分不透過性層との間に配設されるように、前記蒸気滅菌後湿潤パック指示器の前記水分不透過性層が、前記水分透過性材料の前記外面に周縁部で結合されている、項目6に記載の方法。
[8]
前記物品が、剛性容器、可撓性容器、不織布ラップ、剥離パウチ、高分子マトリックス、紙、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、項目1〜7のいずれか一項に記載の方法。
[9]
前記可逆性水分指示媒体が、固体支持体と、該固体支持体に結合されたビス(グリオキシム)−遷移金属錯体と、を含む、項目1〜8のいずれか一項に記載の方法。
[10]
前記固体支持体が、強酸陽イオン交換樹脂を含む、項目9に記載の方法。
[11]
前記固体支持体が、固体金属酸化物支持体を含む、項目9に記載の方法。
[12]
前記可逆性水分指示媒体が、前記固体金属酸化物支持体の前記表面上の少なくとも1つのヒドロキシル基とのシラノール結合を介して、前記固体金属酸化物支持体に結合されたシリル含有化合物を更に含む、項目11に記載の方法。
[13]
前記シリル含有化合物が、式(III)の化合物であり、
1 −Si(R 2 3-x (R 3 x
(III)
式中、
1 が、アルキル、フルオロアルキル、アミノ基で置換されたアルキル、アリール、アラルキル、若しくはアルカリールであり、
それぞれのR 2 が、独立して、ヒドロキシル若しくは加水分解性基であり、
それぞれのR 3 が、独立して非加水分解性基であり、
xが、0、1、若しくは2に等しい整数であり、又は、
前記シリル含有化合物が、式(IV)の化合物であり、
(R 3 x (R 2 3-x Si−R 4 −Si(R 2 3-x (R 3 x
(IV)
式中、
4 が、アルキレン、アリーレン、若しくはこれらの組み合わせであり、
それぞれのR 2 が、独立して、ヒドロキシル若しくは加水分解性基であり、
それぞれのR 3 が、独立して非加水分解性基であり、
xが、0、1、若しくは2に等しい整数である、項目12に記載の方法。
[14]
前記ビス(グリオキシム)−遷移金属錯体が、ニッケルジメチルグリオキシムを含む、項目9〜13のいずれか一項に記載の方法。
[15]
前記可逆性水分指示媒体が、CoCl 2 、CoBr 2 、Co(SCN) 2 、CuCl 2 、CuBr 2 、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、項目1〜8のいずれか一項に記載の方法。
[16]
前記可逆性水分指示媒体が、pH指示染料を含む、項目1〜8のいずれか一項に記載の方法。
[17]
パッケージであって、
空洞を画定するエンクロージャと、
該空洞と流体連通する可逆性蒸気滅菌互換性水分指示媒体と、を含む、パッケージであって、該エンクロージャの少なくとも一部が、水分透過性材料を含み、該空洞へのかつ該空洞からの蒸気の透過を可能にする、パッケージ。
[18]
前記エンクロージャが、剛性容器、可撓性容器、不織布ラップ、織布ラップ、剥離パウチ、高分子マトリックス、紙、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、項目17に記載のパッケージ。
[19]
前記パッケージの少なくとも一部が、紙、スポンジ、織布、不織布、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む、項目17又は18に記載のパッケージ。
[20]
前記空洞が、滅菌パッケージの内部空間と流体連通する、項目17〜19のいずれか一項に記載のパッケージ。
[21]
前記パッケージが、前記水分透過性材料上に配設された蒸気滅菌後湿潤パック指示器を更に含み、該蒸気滅菌後湿潤パック指示器が、
水分不透過性層と、
前記水分指示媒体を含む水分指示層と、を含み、該水分指示層が前記水分透過性材料と該水分不透過性層との間に配設されるように、該湿潤パック指示器の該水分不透過性層が、前記水分透過性材料に周縁部で結合されている、項目17〜20のいずれか一項に記載のパッケージ。
[22]
前記水分透過性材料が、前記空洞の一部を画定する内面を有し、前記水分透過性材料が、外面を有し、前記湿潤パック指示器が、前記水分透過性材料の前記外面に周縁部で結合されている、項目21に記載のパッケージ。
[23]
前記可逆性蒸気滅菌互換性水分指示媒体が、固体支持体と、該固体支持体に結合されたビス(グリオキシム)−遷移金属錯体と、を含む、項目17〜22のいずれか一項に記載のパッケージ。
[24]
前記固体支持体が、強酸陽イオン交換樹脂を含む、項目23に記載のパッケージ。
[25]
前記固体支持体が、固体金属酸化物支持体を含む、項目23に記載のパッケージ。
[26]
前記可逆性蒸気滅菌互換性水分指示媒体が、前記固体金属酸化物支持体の前記表面上の少なくとも1つのヒドロキシル基とのシラノール結合を介して、前記固体金属酸化物支持体に結合されたシリル含有化合物を更に含む、項目25に記載のパッケージ。
[27]
前記シリル含有化合物が、式(III)の化合物であり、
1 −Si(R 2 3-x (R 3 x
(III)
式中、
1 が、アルキル、フルオロアルキル、アミノ基で置換されたアルキル、アリール、アラルキル、又はアルカリールであり、
それぞれのR 2 が、独立して、ヒドロキシル若しくは加水分解性基であり、
それぞれのR 3 が、独立して非加水分解性基であり、
xが、0、1、若しくは2に等しい整数であり、又は、
前記シリル含有化合物が、式(IV)の化合物であり、
(R 3 x (R 2 3-x Si−R 4 −Si(R 2 3-x (R 3 x
(IV)
式中、
4 が、アルキレン、アリーレン、若しくはこれらの組み合わせであり、
それぞれのR 2 が、独立して、ヒドロキシル若しくは加水分解性基であり、
それぞれのR 3 が、独立して非加水分解性基であり、
xが、0、1、若しくは2に等しい整数である、項目26に記載のパッケージ。
[28]
前記ビス(グリオキシム)−遷移金属錯体が、ニッケルジメチルグリオキシムを含む、項目23〜27のいずれか一項に記載のパッケージ。
[29]
前記可逆性蒸気滅菌互換性水分指示媒体が、CoCl 2 、CoBr 2 、Co(SCN) 2 、CuCl 2 、CuBr 2 、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、項目17〜22のいずれか一項に記載のパッケージ。
[30]
前記可逆性水分指示媒体が、pH指示染料を含む、項目17〜22のいずれか一項に記載のパッケージ。
[31]
前記パッケージが、手術用器具を更に含む、項目17〜30のいずれか一項に記載のパッケージ。

Claims (1)

  1. 水分を検出するための方法であって、
    (a)可逆性水分指示媒体を含む物品を蒸気滅菌器内で蒸気滅菌にさらし、滅菌された物品を製造する工程と、
    (b)該滅菌された物品を乾燥させ、該滅菌された物品中の水分を低減する工程と、
    (c)該滅菌された物品を該蒸気滅菌器から取り出す工程と、
    (d)工程(c)後の該滅菌された物品中の水分のレベルを、該水分指示媒体の少なくとも1つの特性に基づいて判定する工程と、の連続的な工程を含む、方法。
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