JP6261790B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザープリンタ、複写機、ファクシミリ等の電子写真記録方式を用いる画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真記録方式の画像形成装置として中間転写体を使用して画像を形成する中間転写方式の画像形成装置が知られている。中間転写方式では、一次転写工程として像担持体としての感光ドラム上に形成されたトナー像を、中間転写体としての中間転写ベルトに転写する。一次転写工程を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各画像形成ステーションのトナー像において繰り返し実行することにより、中間転写ベルト上に複数色が重畳されたトナー像を形成する。続けて、二次転写工程として、中間転写ベルト上に形成された複数色のトナー像を、記録材としての紙上に転写する。トナー像が二次転写された記録材は、定着手段によりトナー像が定着されることにより画像形成が終了する。
上記のような画像形成装置において、中間転写ベルトの周回時間を検知するために、中間転写ベルトの表面の凸凹に関する第1の波形データと少なくとも第1の波形データの一部を含む第2の波形データを取得する。そして、第1の波形データと第2の波形データとのマッチング結果に応じて周回時間に関わる情報を取得する方法が特許文献1に開示されている。
特開2010−9018
従来の中間転写ベルトの周回時間に関する情報を、濃度制御等のキャリブレーションにフィードバックすることが行われている。例えば、濃度制御を行う際には、中間転写ベルトの下地の検知結果と、中間転写ベルト上に形成されたテストパッチの検知結果を用いる。このとき、テストパッチの検知結果を下地の検知結果で補正する際に、テストパッチと下地の位置合わせのために中間転写ベルトの周回時間に関する情報が使われる。
しかしながら、濃度制御を行っている際には、中間転写ベルト上にテストパッチが形成されている。このため、中間転写ベルトと接触する感光ドラムとの間にトナー像が介在することで、感光ドラムと中間転写ベルトとの間に働く摩擦力が変動し、中間転写ベルトの回転速度が変動する可能性がある。従来の第1の波形データ及び第2の波形データを検知する際には、中間転写ベルトと感光ドラムの間には、トナー像が無い状態である。つまり、画像形成が行われていない状態での周回時間を取得していた。
よって、第1の波形データと第2の波形データから得られた周回時間と、濃度制御時の周回時間とが異なる可能性がある。濃度制御では、中間転写ベルトの下地検知領域とテストパッチを形成する領域を正確に合わせることで、検知精度を向上させることができる。周回時間に関わる情報が異なると、濃度制御の精度が低下する可能性がある。
本出願に係る発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであり、画像形成が行われている状態における中間転写ベルトの周回時間を精度良く取得することを目的とする。
上記目的を達成するために、回転体と、前記回転体に検知用パターンを形成する形成手段と、前記回転体からの反射光、又は前記検知用パターンからの反射光を検知する検知手段と、前記検知手段による検知結果に基づき、前記回転体の表面の第1領域についての第1の波形データを取得する第1の取得手段と、前記検知手段による検知結果に基づき、前記第1領域の少なくとも一部を含む前記回転体の表面の第2領域についての第2の波形データを取得する第2の取得手段と、前記取得された第1の波形データ及び前記第1の波形データの少なくとも一部を含む前記第2の波形データの比較結果に基づき、前記回転体の周長に関する情報を取得する制御手段と、を備え、前記回転体の回転方向において、前記第1領域の後端記第2領域の先端での第3領域は、前記検知用パターンが形成される領域であることを特徴とする。
本発明の構成によれば、画像形成が行われている状態における中間転写ベルトの周回時間を精度良く取得することができる。
カラー画像形成装置の概略構成図 画像形成装置の動作を制御するための制御ブロック図 光学センサ60の断面図 中間転写ベルト10の表面を検知した際の、1周目の波形データと2周目の波形データ 光学センサ60で1周目の波形データと2周目の波形データのサンプリングを行うタイミングを示したタイミングチャート 光学センサ60が中間転写ベルト10の下地検知と濃度制御用パターンの検知を行うタイミングを示したタイミングチャート 周回時間検知と濃度制御用パターンの検知を示したタイミングチャート 周回時間検知と濃度制御用パターンの検知と位置ずれ制御用パターンの検知を示したタイミングチャート 中間転写ベルト10上に形成された濃度制御用パターンと摩擦力調整用パターンを示す図
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
(第1の実施形態)
[画像形成装置の説明]
図1は、カラー画像形成装置の概略構成図である。本実施形態の画像形成装置は、第1〜第4の画像形成ステーションより構成され、第1ステーションはイエロー、第2ステーションはマゼンタ、第3ステーションはシアン、第4ステーションはブラックである。本画像形成装置は、感光体としての複数の感光ドラム1(1a,1b,1c,1d)を有する。夫々、矢印方向に不図示のモータにより感光ドラム1の直径が中心値である場合に表面速度が100mm/secとなるように回転駆動されつつ、順次回転体としての中間転写ベルト10に一次転写を行い、フルカラー画像を得るインライン方式プリンタである。
以下、説明の便宜上、第1ステーション(a)における画像形成動作について説明する。尚、他のステーションについても同様の構成である。感光ドラム1aは、帯電ローラ2aにより所定の電位に一様に帯電される。次に、露光手段3aによりレーザビームが照射される。これにより、カラー画像のイエロー色に対応した静電潜像が形成される。次に、静電潜像は現像位置において第1の現像器(イエロー現像器)4aにより現像され、イエロートナー像が可視化される。
感光ドラム1a上に形成されたイエロートナー像は、感光ドラム1aと中間転写ベルト10との当接部である一次転写部を通過する。この過程で、一次転写高圧電源7aにより一次転写ローラ6aに印加された一次転写電圧によって、中間転写ベルト10上すなわち回転体上に転写される。これを一次転写工程とも呼ぶ。感光ドラム1aの表面に残留した一次転写残留トナーは、クリーニング装置5aにより清掃される。引き続きプリントを継続する場合は、再び帯電以降の画像形成プロセスに戻る。以下、同様にして、第2色のマゼンタトナー像、第3色のシアントナー像、第4色のブラックトナー像が形成され、中間転写ベルト10上に順次重ねて転写されて、カラートナー像を得られる。
中間転写ベルト10上の4色のカラートナー像は、中間転写ベルト10と二次転写ローラ20との当接部である二次転写部を通過する。この過程で、二次転写高圧電源21により二次転写ローラ20に印加した二次転写電圧によって、給紙手段50に給紙された紙としての記録材Pの表面に一括転写される。これを二次転写工程とも呼ぶ。その後、4色のトナー像を担持した記録材Pは定着器30に搬送され、そこで加熱および加圧されることにより4色のトナーが溶融混色して記録材Pに定着される。以上の動作により、フルカラー画像が形成される。
一方、二次転写後の中間転写ベルト10上には、正極性トナーと負極性トナーの帯電極性が安定していない記録材Pに転写されなかった二次転写残留トナーが残留する。二次転写残留トナーは、導電性ブラシ16により均一に散らされ、且つ帯電される。導電性ブラシ16には導電性ブラシ高圧電源80より正極性電圧を印加することで、二次転写残留トナーを正極性に帯電する。さらに導電性ローラ高圧電源70により導電性ローラ17に、正極性電圧を印加することで二次転写残留トナーを更に正極性に帯電する。正極性に帯電された二次転写残留トナーは、一次転写部において、感光ドラム1に転写され、感光ドラム1に配置されたクリーニング装置5に回収される。
[中間転写ベルトの説明]
中間転写ベルト10は周長が中心値で650mmであり、駆動ローラ11、テンションローラ12、二次転写対向ローラ13の3軸で張架される。感光ドラム1を回転駆動するモータと同一のモータにより駆動ローラ11が回転されることによって、中間転写ベルト10は回転駆動される。なお、駆動ローラ11の直径が中心値である場合、中間転写ベルト10の表面速度は100mm/secとなるように設定されている。
このため、中間転写ベルト10の基準周回時間は6500msecとなるが、中間転写ベルト10の周回時間は中間転写ベルト10の周長公差の範囲内で変動する。また、後述するように駆動ローラ11、感光ドラム1の製造上発生する外径ばらつきによっても変動する。さらに、感光ドラム1と中間転写ベルト10との間にトナーが介在することによって、感光ドラム1と中間転写ベルト10との間の摩擦力が軽減することによっても変動する。これらの要因によって周回時間は±100msec変動する。このため、周回時間は、6500msec±100msecの範囲内となる。
[制御ブロック図の説明]
図2は画像形成装置の動作を制御するための制御ブロック図である。ホストコンピュータであるPC271は、画像形成装置272の内部にあるフォーマッタ273に対して印刷指令を出し、印刷画像の画像データをフォーマッタ273に送信する。フォーマッタ273はPC271からの画像データを露光データに変換し、DCコントローラ274内にある露光制御部277に転送する。露光制御部277はCPU276からの指示により、露光データのオンオフを制御することにより露光手段の制御を行なう。
CPU276はフォーマッタ273から印刷指令を受け取ると画像形成シーケンスをスタートさせる。DCコントローラ274にはCPU276、メモリ275等が搭載されており、予めプログラムされた動作を行う。CPU276は帯電高圧、現像高圧、転写高圧を制御して静電潜像の形成や、現像されたトナー像の転写等を制御することで画像形成を行う。
またCPU276はキャリブレーション時における光学センサ60からの信号を受ける処理も行う。キャリブレーション時は、中間転写ベルト10表面や、中間転写ベルト10上に形成したテストパッチからの反射光量を計測する。受光素子62、63で受光したテストパッチからの光信号がCPU276を介してAD変換された後、メモリ275に蓄えられる。キャリブレーション終了後に、検知した結果を用いて演算を行い、各種補正を行う。光学センサ60は通常の印字シーケンスでは動作せず、位置ずれ制御や濃度制御等のキャリブレーション時に動作する。
[光学センサの説明]
次に、光学センサ60について説明する。光学センサ60は、中間転写ベルト10の表面や、中間転写ベルト10上に形成されたテストパッチを検知する為のものである。テストパッチは中間転写ベルト10の回転方向に移動し、光学センサ60の照射領域を通過中に、発光素子61から照射された赤外光を拡散反射する。光学センサ60は、拡散反射光を受光素子62で検知することで、各色テストパッチの位置や濃度の検知を行う。
図3は、光学センサ60の断面図である。光学センサ60は、LED等の発光素子61、フォトトランジスタ等の受光素子62、63及びホルダーを備えている。発光素子61は、中間転写ベルト10に対して15°の傾きを持つように配置されており、中間転写ベルト10上のテストパッチや中間転写ベルト10の表面に赤外光(例えば波長950nm)を照射する。つまり、この赤外光が照射されている領域が検知対象である検知領域となる。受光素子62は、中間転写ベルト10に対して45°の傾きを持つように配置されており、テストパッチや中間転写ベルト10の表面から拡散反射された赤外光を受光する。受光素子63は、中間転写ベルト10に対して15°の傾きを持つように配置されており、テストパッチや中間転写ベルト10の表面から正反射、及び拡散反射された赤外光を受光する。
光学センサ60は中間転写ベルト10からの正反射光を受光素子63で検知することで、中間転写ベルト10の表面情報を検知する。また、中間転写ベルト10の回転方向に移動するテストパッチからの拡散反射光を受光素子63や受光素子62で検知する。テストパッチは、具体的には、画像の色ずれを検知するための色ずれ制御用パターンや、画像の濃度を検知するための濃度制御用パターンがある。
[周回時間検知方法の説明]
次に、中間転写ベルト10の周長に関する情報としての周回時間の検知方法について説明する。正反射光量が中間転写ベルト10の表面光沢ムラや微小な凹凸によって変動することを利用して、中間転写ベルト10の略同じ箇所の正反射光の出力波形を2回測定した時の波形の重なりを検知することで周回時間を求める。
図4は、中間転写ベルト10の表面を検知した際の、1周目の波形データと2周目の波形データを示している。波形データの取得範囲は、中間転写ベルト10の表面情報を得られればよいため、100mm程度に対応した範囲であればよい。1周目は1msec間隔で1000点サンプリングする。2周目のサンプリングは想定される周回時間の変動量を考慮して、1周目のサンプリング領域を包含できるよう、ずらし量Xだけ多くサンプリングを行う。具体的には、本実施形態では、見込まれる周回時間が6500msec±100msecであるため、ずらし量Xは、変動量200msecを考慮して、1200点サンプリングする。
なお、必ずしも1周目の波形データのすべてを2周目の波形データで包含することに限定されるものではなく、少なくとも一部の波形データが重なっていればマッチングを行うことが可能である。また、上述の説明とは逆に、1周目の波形データで2周目の波形データを包含するように、波形データの取得を行ってもよい。
また、一方の波形データで他方の波形データをすべて包含するためには、以下のように検知領域を設定するとよい。ひとつの方法として、中間転写ベルト10の1周における1周目の波形データの取得開始と取得終了のタイミングに対して、2周目の波形データの取得開始のタイミングは、1周目の波形データの取得開始のタイミングより早いものとする。且つ、2周目の波形データの取得終了のタイミングは、1周目の波形データの取得終了のタイミングより遅いものとする。これにより、1周目の波形データのすべてを2周目の波形データで包含することができる。
他の方法として、中間転写ベルト10の1周における1周目の波形データの取得開始と取得終了のタイミングに対して、2周目の波形データの取得開始のタイミングは、1周目の波形データの取得開始のタイミングより遅いものとする。且つ、2周目の波形データの取得終了のタイミングは、1周目の波形データの取得終了のタイミングより早いものとする。これにより、2周目の波形データのすべてを1周目の波形データで包含することができる。
図5は、光学センサ60で1周目の波形データと2周目の波形データのサンプリングを行うタイミングを示したタイミングチャートである。1周目の波形データのサンプリング開始タイミングを起点に1000点のサンプリングを行う。本実施形態においては、周回時間が公称下限値であった場合にも1周目の波形データのサンプリング領域を包含した領域をサンプリングするものとする。そのために、2周目の波形データのサンプリングは1周目の波形データのサンプリング開始から、公称下限周回時間Tminが経過したタイミングから開始する。また、周回時間が公称上限周回時間Tmaxであった場合にも1周目の波形データのサンプリング領域が2周目の波形データのサンプリング領域に包含されるように、2周目の波形データは1200点のサンプリングを行う。
1周目の周回時間検知領域の先端から、2周目の周回時間検知領域の先端までの距離がTminとなる。また、1周目の周回時間検知領域の後端から、2周目の周回検知領域の後端までの距離がTmaxとなる。尚、1周目の波形データのサンプリングが終了してから2周目の波形データのサンプリングが開始されるまでは、サンプリングを行わないブランク区間となる。
1周目の波形データと2周目の波形データのサンプリング終了後、周回時間を特定するために式(1)を用いて差分絶対値の積算を算出する。
式(1)のiは、i番目のサンプリングポイントを示しており、1≦i≦1000である。Xは、ずらし量であり自然数で、0≦X≦200の範囲を取る。V1周目(i)は、1周目の波形データのポイントiにおける正反射光の出力値を示しており、V2周目(i+X)は、2周目の波形データのポイントi+Xにおける正反射光の出力値を示している。I(X)は、差分絶対値の積算値である。
I(X)が最小値となるずらし量Xminとなったポイントが、1周目の波形データと2周目の波形データの夫々の波形が最も重なっているとポイントであると判断できる。つまり、このポイントが中間転写ベルト10が1周した後の波形であるといえる。そこで、Tmin+Xminが周回時間であるとする。以後、Tmin+XminをTiと称する。
[濃度制御方法の説明]
次に、濃度制御について説明する。濃度制御用パターンは、中間調パッチをイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色について順に並べたパターンであり、パターン長は200mmである。濃度制御用パターンは、受光素子63で検知した反射光で検知を行う。中間転写ベルト10上に形成された濃度制御用パターンの濃度が増加するほど、赤外光はトナー粒子によって拡散、あるいは吸収されるため、受光素子63で検知できる反射光量は減少する。このため、受光素子63で検知する反射光量から、濃度を算出することが可能となる。検知結果を元に、ルックアップテーブル(LUT)を用いてフィードバックすることにより、濃度補正を行う。
次に、濃度制御のための下地検知について説明する。濃度制御用パターンからの反射光は、トナーによる反射光と中間転写ベルト10からの反射光との混合光である。中間転写ベルト10からの反射光量は、位置によって異なるため、同じ階調のテストパッチでも中間転写ベルト10上の形成位置によって、反射光量が異なる。そこで、中間転写ベルト10の下地検知として、濃度制御用パターンを形成する領域と同様の領域における中間転写ベルト10表面からの反射光を検知しておく。そして、濃度制御用パターンからの反射光と、中間転写ベルト10の下地からの反射光との比を算出することで、下地からの反射光成分を除去する。精度良く下地からの反射光成分を除去するためには、濃度制御用パターンが形成された中間転写ベルト10上の位置と下地検知位置を精度良く特定して演算を実施する必要がある。
次に、濃度制御用パターンの検知結果と下地の検知結果との位置合わせについて説明する。ここでいう位置合わせとは、濃度制御用パターンの中間転写ベルト10上の位置と同じ中間転写ベルト10上の位置における下地検知位置を特定することであり、周回時間Tiを利用する。図6は、光学センサ60が中間転写ベルト10の下地検知と濃度制御用パターンの検知を行うタイミングを示したタイミングチャートである。
濃度制御を開始すると、まず濃度制御用パターンの形成領域を包含するように、下地検知を行う。本実施形態においては、公称周回時間の変動量分、すなわち200msecだけ濃度制御用パターンより広い領域を下地検知領域とする。濃度制御用パターンは200mmであるため、中心周回時間である場合、検知時間は2000msec要する。さらに、公称周回時間変動量の200msecを考慮して、下地検知は2200msec行う。
同様に、濃度制御用パターンの検知も、公称周回時間の変動量分、すなわち200msecだけ濃度制御用パターンより長い2200msec行う。また、先に検知した下地検知領域が濃度制御用パターンの形成領域を包含するように濃度制御用パターンを検知する。そのために、下地検知の開始タイミングから公称下限周回時間Tminが経過したタイミングで濃度制御用パターン検知を開始する。濃度制御用パターンは、濃度制御用パターンの検知領域のいずれかに位置する。
下地検知領域と濃度制御用パターンとの位置合わせは、濃度制御用パターンの先端に対応した中間転写ベルト10の位置Aと下地検知領域の位置Aを揃えることで行う。そのために、濃度制御用パターン先端位置Aと濃度制御用パターンの先端から周回時間検知で得られた周回時間Tiを遡ることで、対応する下地検知位置を特定する。尚、本実施形態では、濃度制御によって検知するサンプリング間隔は1msecとしている。
[周回時間検知中にトナーを介在させることの作用]
次に、中間転写ベルト10の速度変動について説明する。感光ドラム1と駆動ローラ11は同一のモータによって回転駆動される。そして、感光ドラム1と駆動ローラ11の直径がそれぞれ公差の中心値である時に、中間転写ベルト10と感光ドラム1の回転速度が略同一となるように設定される。このため、感光ドラム1と駆動ローラ11の直径が製造時のばらつきで中心値からずれている場合、感光ドラム1と中間転写ベルト10の表面速度に速度差が生じることになる。
次に、感光ドラム1と中間転写ベルト10との間で速度差が生じる場合における中間転写ベルト10の周回時間について説明する。例えば、感光ドラム1の直径が中心値よりも大きく、駆動ローラ11の直径が中心値である場合、感光ドラム1の表面速度が中間転写ベルト10の表面速度より速くなる。速度差が生じたことによる感光ドラム1と中間転写ベルト10との間に働く摩擦力により、感光ドラム1が中間転写ベルト10の駆動をアシストする。その結果、駆動ローラ11単体で中間転写ベルト10を駆動している場合と比較して、中間転写ベルト10の表面速度が速くなり、中間転写ベルト10の周回時間が短くなる。
このような場合、中間転写ベルト10には、感光ドラム1により中間転写ベルト10の搬送方向の下流側に向けて押し込む力がかかることになる。その結果、中間転写ベルト10の弛みや駆動ローラ11を駆動するギア間の緩みなどが生じる。この状態でトナー像を形成すると、感光ドラム1上に形成されたトナー像が一次転写部に移動されることで感光ドラム1と中間転写ベルト10との間の摩擦力が低減する。そのため、感光ドラム1が中間転写ベルト10を下流側に押し込む力が減少する。感光ドラム1からの下流側に押し込む力を受けなくなると、中間転写ベルト10の弛みや駆動ローラ11を駆動するギア間の緩みを解消するまで、中間転写ベルト10に駆動力をかけることができない。その結果、弛みが解消するまでの時間、一次転写部では、中間転写ベルト10の速度が駆動ローラ11単体による回転速度よりも低下する。従って、この状態においては、濃度制御時の周回時間が周回時間検知時より長くなる。
一方、感光ドラム1の直径が中心値よりも小さく、駆動ローラ11の直径が中心値である場合、感光ドラム1の表面速度が中間転写ベルト10の表面速度より遅くなる。速度差が生じたことによる感光ドラム1と中間転写ベルト10との間に働く摩擦力により、感光ドラム1が中間転写ベルト10の駆動の負荷となる。その結果、駆動ローラ11単体で中間転写ベルト10を駆動している場合と比較して、中間転写ベルト10の表面速度が遅くなり、中間転写ベルト10の周回時間が長くなる。
このような場合、中間転写ベルト10には、感光ドラム1により中間転写ベルト10の搬送方向の上流側に向けて引っ張る力がかかることになる。その結果、駆動ローラ11単体で中間転写ベルト10を駆動する場合より、駆動ローラ11を駆動するギアに歪みが生じる。この状態でトナー像を形成すると、感光ドラム1上に形成されたトナー像が一次転写部に移動されることで感光ドラム1と中間転写ベルト10との間の摩擦力が低減する。そのため、感光ドラム1が中間転写ベルト10を上流側に引っ張る力が減少する。感光ドラム1からの上流側に引っ張る力を受けなくなると、駆動ローラ11を駆動するギアの歪みが緩和されることによって、中間転写ベルト10は回転方向の下流側に押し込まれる。その結果、歪みが解消するまでの時間、中間転写ベルト10の駆動速度が駆動ローラ11単体による駆動速度よりも増加することになる。従って、この状態においては、濃度制御上の周回時間が周回時間検知時より短くなる。
本実施形態では、1周目の波形データと2周目の波形データを検知する間の領域に濃度制御用パターンを形成する。これにより、製造時のばらつきで中心値からはずれた感光ドラム1や駆動ローラ11が組み合わさった場合でも、感光ドラム1と中間転写ベルト10との間の摩擦力を、濃度制御時と同等し、濃度制御時と周回時間検知時の周回時間を揃えることができる。
[シーケンスの説明]
図7は、本実施形態における、周回時間検知と濃度制御用パターンの検知を示したタイミングチャートである。図7に基づき、本実施形態のシーケンスを説明する。まず、図7(a)を用いて、本実施形態のシーケンスにおける、光学センサ60の各種検知タイミングを説明する。時刻A(0msec)のタイミングで、濃度制御における下地検知を開始する。公称周回時間の変動量を考慮しても濃度制御用パターンの検知領域を包含するために、下地検知は2200msec行い、時刻Bで検知を終了する。次に、時刻C(3950msec)のタイミングで、周回時間検知における1周目の波形データの検知を開始する。1周目の波形データの検知は、中間転写ベルト10上で濃度制御用パターン検知領域とは重畳しない領域で行う。1周目の波形データの検知は1msecのサンプリング間隔で1000点、すなわち1000msec行い、時刻D(4950msec)で終了する。
次に、濃度制御用パターンの検知を行う。濃度制御用パターンの検知領域は、中間転写ベルト10上に形成した濃度制御用パターンを包含するように制御する。そのため、下地検知の開始タイミングである時刻Aから、下限周回時間であるTmin(6400msec)経った時刻E(6400msec)から濃度制御用パターンの検知を開始する。濃度制御用パターンは200mmであるため、基準検知時間2000msecに公称周回時間の変動量200msecを加えて、濃度制御用パターン検知は2200msec行い、時刻F(8600msec)で検知を終了する。尚、濃度制御用パターンは、濃度制御用パターンの検知領域のいずれかに位置する。
次に、時刻G(10350msec)は、2周目の波形データの検知開始タイミングである。ここでは、一例として1周目の波形データの検知領域を2周目の波形データの検知領域で包含するように制御する。そのため、1周目の波形データの検知開始タイミングである時刻Cから下限周回時間であるTmin(6400msec)が経過した時刻G(10350msec)から検知が開始される。また、上限周回時間であった場合にも1周目の波形データの検知領域を2周目の波形データの検知領域で包含するように制御する。そのため、2周目の波形データの検知は、時刻Gを起点に1200msec行い、時刻H(11550msec)で終了する。
全ての検知が終了すると、CPU276によって各ずらし量Xに対して式(1)が計算され、中間転写ベルト10の周回時間を求める。そして、得られた周回時間に基づき、濃度制御用パターンの検知結果と下地の検知結果との位置合わせを行う。
次に、図7(b)を用いて、濃度制御用パターンの検知結果と下地の検知結果との位置合わせについて説明する。ここでいう位置合わせとは、濃度制御用パターンの先端位置Aと下地検知領域における中間転写ベルト10の位置Aを合わせることを意味する。本実施形態では、1周目の波形データと2周目の波形データとの検知の間に濃度制御用パターンを形成した。これにより、中間転写ベルト10の周長検知時の周回時間Tiは濃度制御時の周回時間Trと近似された値となっている。
下地の検知領域における中間転写ベルト10上の位置Aは、理想的には濃度制御用パターンの先端位置Aから濃度制御時の周回時間Trだけ遡った位置に対応する。実際の位置合わせは、周回時間検知で得られた周回時間Tiに基づき行う。濃度制御用パターンの先端位置Aから周回時間Tiだけ遡った位置を位置Dとすると、下地の検知領域における位置Dと濃度制御用パターンの先端位置Aとを対応させることができる。本実施形態では、周回時間Tiは周回時間Trに近似できるため、位置Dと位置Aは精度良く対応させることができる。よって、濃度制御用パターンの検知結果と、それに対応する下地の検知結果を精度良く対応させることができるため、濃度制御用パターンの検知結果から精度よく下地の検知結果の影響を除去できる。
このように、1周目の波形データの検知領域と2周目の波形データの検知領域の間に濃度制御用パターンを形成するように制御した。これにより、周回時間検知時における感光ドラム1と中間転写ベルト10との間の摩擦力を軽減し、周回時間検知によって得られる周回時間を濃度制御時の周回時間に近づけることができる。その結果、濃度制御用パターンと下地との位置合わせを精度よく行うことができる。
また、1周目の波形データの検知領域と2周目の波形データの検知領域の間に濃度制御用パターンを形成するように制御した。これにより、中間転写ベルト10上を効率的に使用してキャリブレーションを行うことができるようになった。その結果、従来のキャリブレーションにかかる時間より、本実施形態におけるキャリブレーションにかかる時間を短くすることができ、ダウンタイムの削減という効果も得ることができた。
なお、本実施形態の制御によって精度良く位置合わせを行うことは、光学センサ60で検知する中間転写ベルト10からの正反射光の変動が大きい程有効である。例えば、中間転写ベルト10の表面の凹凸が大きい場合や光沢ムラが大きい場合には、正反射光量の変動が大きくなるため、本実施形態の制御が有効に作用する。また、画像形成装置を使用するにつれて中間転写ベルト10の光沢度が低下する場合にも、正反射光量の変動が大きくなるため、本実施形態の制御が有効に作用する。
また、中間転写ベルト10の回転速度の変動は、駆動ローラ11を駆動するギア間の弛みや歪みが解消される際に変動する量が支配的である。よって、1周目の波形データの検知領域と2周目の波形データの検知領域の間に形成するパターンは、必ずしも濃度制御用パターンである必要はなく、トナー像であればよい。また、形成するトナー像の長さも必ずしも濃度制御用パターンと同じ長さにしなくともよい。また、感光ドラム1と中間転写ベルト10との間に働く摩擦力は、トナーの介在によって低減するが、トナー量にはあまり依存しないため、必ずしも濃度制御用パターンと同じ量のトナー像を形成しなくともよい。
また、本実施形態では、1周目の波形データを検知してから2周目の波形データを検知するまでの間にトナー像を形成する方法について説明したが、これに限られるものではない。例えば、1周目の波形データを検知する前にトナー像を形成しておき、1周目の波形データを検知後、2周目の波形データを検知するまでにトナー像がなくなっていないような状況とすることができれば、摩擦力を低減させることができる。
また、本実施形態では、中間転写ベルトを使用した画像形成装置について説明したが、これに限られるものではない。記録材としての紙を回転駆動された無端上の記録材搬送体上に坦持し、感光ドラムから各色トナー像を順次記録材上に転写する所謂直接転写方式にも適応可能である。直接転写方式においては、記録材搬送体上にテストパッチを形成するため、濃度制御用パターンと下地との位置合わせは必要であり、本実施形態の制御を実施することは有効である。
(第2の実施形態)
本実施形態においては、キャリブレーションにかかる時間をさらに短縮するために、濃度制御における下地検知と周回時間検知における中間転写ベルト10の表面検知を兼ねて行う。また、1周目の波形データの検知領域と2周目の波形データの検知領域の間に各色トナーの位置ずれを補正するための位置ずれ制御用パターンを形成する。これにより、周回時間検知を行っている際の感光ドラム1と中間転写ベルト10との間に働く摩擦力を軽減させる。なお、先の第1の実施形態と同様の構成については、ここでの説明は省略する。
[位置ずれ制御方法の説明]
位置ずれ制御では、向きが逆となる平行四辺形の位置ずれ制御用パターンを二つ一組として色毎に形成する。イエローの位置ずれ制御用パターンを基準として、同じ向きの平行四辺形のマゼンタ、シアン、ブラックの位置ずれ制御用パターンが光学センサ60を通過するタイミングを検知する。これにより、イエローに対するマゼンタ、シアン、ブラックの副走査方向の基準位置からのずれ量を検知し、検知したずれ量に応じて画像形成の際の副走査方向の補正を行う。また、同じ色で互いに逆向きの平行四辺形の位置ずれ制御用パターンが光学センサ60を通過するタイミングを検知する。これにより、イエローが通過するタイミングに対するマゼンタ、シアン、ブラックが通過するタイミングのずれ量を検知し、検知したずれ量に応じて画像形成の際の主走査方向の補正を行う。
なお、ここでは一例として平行四辺形の位置ずれ制御用パターンを用いて位置ずれ制御を行うことを説明したが、これに限られるものではない。例えば、副走査方向と平行な直線のパターンと副走査方向に対して45°の傾きをもつ斜めのパターンを複数の色毎に形成し、直線のパターンと斜めのパターンを検知したずれ量に応じて、副走査方向及び主走査方向の補正を行うことも可能である。
[シーケンスの説明]
図8は、本実施形態における、周回時間検知と濃度制御用パターンの検知と位置ずれ制御用パターンの検知を示したタイミングチャートである。図8に基づき、本実施形態のシーケンスを説明する。なお、先の第1の実施形態の図7で説明した部分と同様の制御については、ここでの説明は省略する。
図8を用いて、本実施形態のシーケンスにおける、光学センサ60の各種検知タイミングと、各種パターンが導電性ブラシ16、導電性ローラ17を通過するタイミングと、導電性ブラシ16と導電性ローラ17への電圧印加タイミングを説明する。時刻A(0msec)のタイミングで周回時間検知における1周目の波形データの検知を開始し、時刻B(1000msec)で検知を終了する。次に、時刻C(4100msec)のタイミングで、位置ずれ制御用パターンの検知を開始する。本実施形態では、位置ずれ制御用パターンは200mmであるため、公称中心値として、位置ずれ制御用パターンの検知には2000msecを要する。さらに、公称周回時間の変動量200msecを加えて、2200msecの検知を行い、時刻D(6300msec)で検知を終了する。
1周目の波形データの検知領域と2周目の波形データの検知領域の間に、濃度制御用パターンと同じパターン長の位置ずれ制御用パターンを形成する。これにより、濃度制御用パターンを形成時における感光ドラム1と中間転写ベルト10との間の摩擦力を周回時間検知時においても近似できる。尚、位置ずれ制御用パターンの長さは、感光ドラム1と中間転写ベルト10との間の摩擦力を低減することができればよく、必ずしも濃度制御用パターンと同じ長さでなくともよい。
次に、時刻E(6400msec)は、2周目の波形データの検知と下地検知を開始するタイミングである。ここでは、一例として1周目の波形データの検知領域を2周目の波形データの検知領域で包含するように制御する。そのため、1周目の波形データの検知開始タイミングである時刻Aから下限周回時間Tmin(6400msec)が経過した時刻E(6400msec)から検知が開始される。また、上限周回時間であった場合にも1周目の波形データの検知領域を2周目の波形データの検知領域で包含するように制御する。そのため、2周目の波形データの検知は1周目の波形データの検知に対して、公称周回時間の変動量200msecを加味した1200msec行う。
また、濃度制御としての下地検知は2200msecが必要となる。よって、ここでの中間転写ベルト10の表面検知の時間は、2200msecとする。これにより、2周目の波形データの検知時間は、下地検知の時間に包含されることになる。その結果、2周目の波形データの検知時間に要する1200msecだけ、キャリブレーションにかかる時間を削減することが可能となる。
中間転写ベルト10上に形成され、光学センサ60によって検知された位置ずれ制御用パターンは、導電性ブラシ16、導電性ローラ17によって正極性に帯電されて、感光ドラム1に再転写されることでクリーニングされる。そのため、位置ずれ制御用パターンの先端が導電性ブラシ16、導電性ローラ17に到達する前に、導電性ブラシ16、導電性ローラ17への正極性電圧印加を完了させておく。
このように、位置ずれ制御用パターンの清掃を行うのであるが、一部の位置ずれ制御用パターンが中間転写ベルト10上に残留してしまう場合がある。時刻G(10500msec)は、下限周回時間であった場合に、位置ずれ制御用パターンの残留トナー先端が光学センサ60に到達するタイミングであり、時刻CからTmin経過後となる。また、時刻H(12700msec)は、上限周回時間であった場合に、位置ずれ制御用パターンの残留トナー後端が光学センサ60を通過するタイミングであり、時刻Gから2200msec経過後となる。
位置ずれ制御用パターンの形成領域によっては、残留トナーが下地検知(2周目の波形データの検知領域)、又は濃度制御用パターンと重なることが考えられる。しかし、位置ずれ制御用パターンと濃度制御用パターンは中間転写ベルト10上で互いに重ならない位置に形成される。位置ずれ制御用パターンの残留トナーと濃度制御用パターンが重なった場合、中間転写ベルト10の表面や濃度制御用パターンからの反射光に加えて、位置ずれ制御用パターンの残留トナーからの反射光も検知してしまう。これにより、位置ずれ制御用パターンの残留トナーからの反射光がノイズとなってしまい、濃度検知精度や周回時間検知精度が低下する要因となってしまう。位置ずれ制御用パターンの残留トナーによる検知精度の低下を防止するために、本実施形態においては、位置ずれ制御用パターンと濃度制御用パターンは中間転写ベルト10上で互いに重ならない位置に形成させている。これにより、位置ずれ制御用パターンの残留トナーによる検知精度の低下を抑制することができる。
時刻I(12800msec)は、濃度制御用パターンの検知開始タイミングであり、濃度制御用パターン長と周回時間の変動量を考慮して、2200msecの検知を行い、時刻J(15000msec)で検知を終了する。最後に、濃度制御用パターンの残留トナーは、導電性ブラシ16、導電性ローラ17に正極性電圧を印加することで正極性に帯電され、感光ドラム1に再転写されることでクリーニングされる。これにより、シーケンスは終了する。
次に、濃度制御用パターンの検知結果と下地の検知結果との位置合わせについて説明する。ここでいう位置合わせとは、濃度制御用パターンの先端位置Aと下地検知領域における中間転写ベルト10の位置Aを合わせることを意味する。本実施形態では、1周目の波形データと2周目の波形データとの検知の間に位置ずれ制御用パターンを形成した。これにより、中間転写ベルト10の周回検知時の周回時間Tiは濃度制御時の周回時間Trと近似された値となっている。その結果、濃度制御用パターン先端位置Aから周回時間Tiだけ遡った位置に対応する下地位置は、周回時間Trだけ遡った位置と近似できる。よって、濃度制御における下地位置と濃度制御用パターンの位置を精度良く対応させることができる。
このように、1周目の波形データの検知領域と2周目の波形データの検知領域の間に位置ずれ制御用パターンを形成するように制御した。これにより、周回時間検知時における感光ドラム1と中間転写ベルト10との間の摩擦力を軽減し、周回時間検知によって得られる周回時間を濃度制御時の周回時間に近づけることができる。その結果、濃度制御用パターンと下地との位置合わせを精度よく行うことができる。また、中間転写ベルト10上を効率的に使用してキャリブレーションを行うことができるようになった。その結果、従来のキャリブレーションにかかる時間より、本実施形態におけるキャリブレーションにかかる時間を短くすることができ、ダウンタイムの削減という効果も得ることができた。
また、本実施形態では、2周目の波形データの検知領域と濃度制御の下地検知領域を兼ねることで、キャリブレーションにかかる時間を短縮することが可能となった。なお、ここでは一例として2周目の波形データの検知領域と濃度制御の下地検知領域を兼ねたがこれに限られるものではない。1周目の波形データの検知領域と濃度制御の下地検知領域を兼ねることも可能である。なお、下地検知も周回時間検知もサンプリング間隔は1msecであるため、適切なサンプリング領域で検知できていれば、記憶手段としてのメモリ275に記憶させ、メモリ275に格納されている一方の検知データを他方の演算に利用することもできる。
また、本実施形態においては、周回時間検知も下地検知もサンプリング間隔は1msecであった。しかし、これに限られるものではなく、サンプリング間隔が異なる場合は、それぞれのサンプリング間隔の最大公約数となるサンプリング間隔でサンプリングを行い、検知結果をメモリ275に格納しておくのが好ましい。そして、それぞれの演算で必要となるサンプリング間隔にデータを平均化して使用することで、波形データの検知領域と下地検知領域を兼ねることが可能となる。
(第3の実施形態)
本実施形態においては、さらに濃度制御用パターンと下地との位置合わせを精度よく行うために、キャリブレーションを実行中に、摩擦力調整用パターンを中間転写ベルト10上に形成する。なお、先の第1、第2の実施形態と同様の構成については、ここでの説明は省略する。
[摩擦力調整用パターンの説明]
図9は、中間転写ベルト10上に形成された濃度制御用パターンと摩擦力調整用パターンを示す図である。光学センサ60の検知領域に形成された濃度制御用パターンと、周回時間検知及び濃度制御は先の第1の実施形態と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。本実施形態では、中間転写ベルト10上の副走査方向の中央付近に、摩擦力調整用パターンをさらに形成している。
摩擦力調整用パターンを形成することで、周回時間検知及び濃度制御を行っている間、感光ドラム1と中間転写ベルト10との間には常にトナーが介在している状態とすることができる。トナーが介在していることで、感光ドラム1と中間転写ベルト10との間の摩擦力は軽減され、中間転写ベルト10の回転駆動に対する感光ドラム1の駆動力の影響を抑制することができる。つまり、中間転写ベルト10の回転駆動は、駆動ローラ11単体による駆動の場合と略等しい状態とすることができ、周回時間検知中も濃度制御中も、中間転写ベルト10の周回時間は略等しくなる。その結果、濃度制御における下地と濃度制御用パターンとの位置合わせを精度よく実施することができる。
なお、本実施形態においては、周回時間検知及び濃度制御に並行して摩擦力調整用パターンを形成したが、これに限られるものではない。例えば、周回時間検知及び位置ずれ制御に並行する等、テストパッチと並行して摩擦力調整用パターンを形成すれば、同様の効果を得ることができる。
1 感光ドラム
10 中間転写ベルト
60 光学センサ
276 CPU

Claims (10)

  1. 回転体と、
    前記回転体に検知用パターンを形成する形成手段と、
    前記回転体からの反射光、又は前記検知用パターンからの反射光を検知する検知手段と、
    前記検知手段による検知結果に基づき、前記回転体の表面の第1領域についての第1の波形データを取得する第1の取得手段と、
    前記検知手段による検知結果に基づき、前記第1領域の少なくとも一部を含む前記回転体の表面の第2領域についての第2の波形データを取得する第2の取得手段と、
    前記取得された第1の波形データ及び前記第1の波形データの少なくとも一部を含む前記第2の波形データの比較結果に基づき、前記回転体の周長に関する情報を取得する制御手段と、を備え、
    前記回転体の回転方向において、前記第1領域の後端記第2領域の先端での第3領域は、前記検知用パターンが形成される領域であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記検知用パターンは、画像の濃度を制御するための濃度制御用パターンであり、
    前記制御手段は、前記検知手段により検知された前記濃度制御用パターンが形成されていない状態における前記第3領域の第1検知結果と、前記濃度制御用パターンが形成されている状態における前記第3領域の第2検知結果とに基づき、前記形成手段によって形成される画像の濃度を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1領域、又は前記第2領域と、前記濃度制御用パターンが形成される領域は、少なくとも一部が重畳した領域であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記少なくも一部が重畳した領域の検知結果を記憶する記憶手段を備え、
    前記第1の取得手段、又は前記第2の取得手段は、前記記憶手段に記憶された検知結果に基づき、前記第1の波形データ、又は前記第2の波形データを取得することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記回転体の周長に関する情報に基づき、前記第1検知結果と、前記第2検知結果との位置合わせを行うことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記位置合わせを行った結果に基づき、前記第2検知結果を前記第1検知結果によって補正することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記検知用パターンは、画像の位置ずれを制御するための位置ずれ制御用パターンであり、
    前記検知手段は、位置ずれ制御用パターンからの反射光を検知し、
    前記制御手段は、前記位置ずれ制御用パターンの検知結果に基づき、前記形成手段によって形成される画像の位置ずれを制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、前記形成手段により複数の検知用パターンが互いに重畳しないように、前記第3領域に前記複数の検知用パターンを形成させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  9. 前記制御手段は、前記形成手段により前記検知用パターンを形成させるとともに、前記回転体と感光体との摩擦を調整するための摩擦力調整用パターンを前記回転体に形成させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 回転体と、
    前記回転体に画像を形成する形成手段と、
    前記回転体からの反射光を検知する検知手段と、
    前記検知手段による検知結果に基づき、前記回転体の表面の第1領域についての第1の波形データを取得する第1の取得手段と、
    前記検知手段による検知結果に基づき、前記第1領域の少なくとも一部を含む前記回転体の表面の第2領域についての第2の波形データを取得する第2の取得手段と、
    前記取得された第1の波形データ及び前記第1の波形データの少なくとも一部を含む前記第2の波形データの比較結果に基づき、前記回転体の周長に関する情報を取得する制御手段と、を備え、
    前記回転体の回転方向において、前記第1領域の後端記第2領域の先端での第3領域は、前記画像が形成される領域であることを特徴とする画像形成装置。
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