JP2019197197A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】センサ対向ローラの周長を精度良く検知することが可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成部40と、無端状のベルト31と、ベルトを張架する複数のローラと、ベルトを挟んで複数のローラのうちの一つであるセンサ対向ローラ8に対向して配置され、ベルトの表面に向けて光を照射して反射光を検知する光学センサ41と、光学センサの検知結果に基づく処理を行う制御部50と、を有する画像形成装置100は、ベルトは、光学センサが照射する光の少なくとも一部を透過する光透過性を有し、制御部は、光学センサにより、ベルトの表面に向けて光を照射し、センサ対向ローラの表面からの反射光を含む反射光を検知した結果に基づいて、センサ対向ローラの周長に関する情報を取得する構成とする。【選択図】図9
Description
本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に関するものである。
電子写真方式などを用いた画像形成装置では、像担持体に形成されたトナー像が転写される中間転写体、あるいは像担持体からトナー像が転写される記録材を担持して搬送する記録材担持体として、複数のローラに張架された無端状のベルトが用いられている。特に、カラー画像形成装置では、ベルトの表面の移動方向に沿って複数の像担持体が配置され、各像担持体に形成された異なる色のトナー像がベルト又はベルト上の記録材に重ね合わされるようにして転写されるタンデム方式が広く用いられている。
このような画像形成装置では、画像濃度や各色の印刷位置を調整するキャリブレーションのための試験用画像(以下、「テストパターン」ともいう。)がベルト上に形成されることがある。画像濃度のキャリブレーション(以下、単に「濃度制御」ともいう。)や、印刷位置のキャリブレーション(以下、単に「色ずれ補正」ともいう。)のためのテストパターンは、光学センサで検知される。以下、無端状のベルトで構成された中間転写体である中間転写ベルトを備えた中間転写方式の画像形成装置を例に説明する。
中間転写転写方式の画像形成装置では、テストパターンは中間転写体ベルト上に形成される。中間転写ベルトは光を透過しないものが多いが、中間転写ベルトの表面性を調整したり、製造コストの抑制を図ったりした結果、光を透過するものも存在する。
ここで、特許文献1は、濃度制御を精度良く行うために、中間転写ベルトの周長を検知する方法を開示している。具体的には、特許文献1に記載の方法では、テストパターンの検知結果を当該テストパターンが形成された中間転写ベルトの表面の検知結果で補正してテストパターンの濃度を求めている。ここで、中間転写ベルトの表面の、テストパターンが形成された位置を特定するためには中間転写ベルトの周長の情報が必要である。中間転写ベルトの周長は公称値からのずれを含む。そこで、特許文献1に記載の方法では、中間転写ベルトの周長を実測している。
また、光学センサは、中間転写ベルトとの距離を一定に保つために、一般に中間転写ベルトを張架するローラの1つ(以下、「センサ対向ローラ」ともいう。)に対向して配置される。このような構成であっても、センサ対向ローラの回転むらや、センサ対向ローラ上の付着物が光学センサの出力に影響することがある。
そこで、特許文献2は、センサ対向ローラの形状に起因する光学センサの出力の周期むらをセンサ対向ローラの周長として算出し、そのセンサ対向ローラの周長に基づいて濃度制御を行う方法を開示している。
また、特許文献3は、中間転写ベルトのメーカーを複数化した場合に、それぞれの材料や製造方法に対する制約を小さくするための技術を開示している。具体的には、センサ対向ローラの分光反射率を低く抑えることにより、分光透過率の高い中間転写ベルトであっても、分光透過率の低いベルトと同じように使用することを可能としている。
しかしながら、特許文献3の方法では、センサ対向ローラの形状や表面の分光反射率の影響を受け、キャリブレーションの精度が不十分になる場合がある。
また、特許文献2の方法でセンサ対向ローラの周長を検知するためには、センサ対向ローラの振れやローラ上に付着した異物などに起因する、光学センサの出力の小さなむらを捉える必要がある。しかし、本発明者の検討によると、実際には中間転写ベルトの表面自体の形状や光沢のむらにより、光学センサの出力のばらつきが大きく、センサ対向ローラの周長の検知が困難であることが多いことがわかった。また、このような条件でセンサ対向ローラの周長の検知精度を上げるためには、センサ対向ローラの回転数を増やしてデータを取得する必要がある。その結果、ダウンタイム(画像を出力できない期間)が増大してしまうことがある。
したがって、本発明の目的は、センサ対向ローラの周長を精度良く検知することが可能な画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部が形成する画像を直接又は記録材を介して担持して搬送する無端状のベルトと、前記ベルトを張架する複数のローラと、前記ベルトを挟んで前記複数のローラのうちの一つであるセンサ対向ローラに対向して配置され、前記ベルトの表面に向けて光を照射して反射光を検知する光学センサと、前記光学センサの検知結果に基づく処理を行う制御部と、を有する画像形成装置において、前記ベルトは、前記光学センサが照射する光の少なくとも一部を透過する光透過性を有し、前記制御部は、前記光学センサにより、前記ベルトの表面に向けて光を照射し、前記センサ対向ローラの表面からの反射光を含む反射光を検知した結果に基づいて、前記センサ対向ローラの周長に関する情報を取得することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、センサ対向ローラの周長を精度良く検知することが可能となる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像を形成することが可能な、中間転写方式を採用したタンデム方式のカラープリンタである。
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像を形成することが可能な、中間転写方式を採用したタンデム方式のカラープリンタである。
画像形成装置100は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成する第1、第2、第3、第4のステーション1Y、1M、1C、1Kを有する。各ステーション1Y、1M、1C、1Kにおいて同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを表す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して、総括的に説明することがある。ステーション1は、後述する感光ドラム2、帯電ローラ3、露光装置4、現像装置5、一次転写ローラ14、ドラムクリーニング装置6などを有して構成される。
ステーション1には、像担持体としての回転可能なドラム型(円筒形)の感光体(電子写真感光体)である感光ドラム2が設けられている。感光ドラム2は、図中矢印R1方向(反時計回り)に所定の周速度で回転駆動される。回転する感光ドラム2の表面は、帯電手段としてのローラ型の帯電部材である帯電ローラ3によって、所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に一様に帯電処理される。帯電工程時に、帯電ローラ3には、負極性の直流成分を含む所定の帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。帯電処理された感光ドラム2の表面は、露光手段としての露光装置4によって、各ステーション1に対応する色成分の画像情報に応じて走査露光され、感光ドラム2上に各色成分に対応した静電像(静電潜像)が形成される。本実施例では、露光装置4は、レーザダイオード、ポリゴンスキャナ、レンズ群などを有して構成されるレーザスキャナ装置である。感光ドラム2上に形成された静電像は、現像手段としての現像装置5によって、現像剤としてのトナーが供給されて現像(可視化)され、感光ドラム2上にトナー像(現像剤像)が形成される。本実施例では、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム2上の露光部(イメージ部)に、感光ドラム2の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーが付着する。現像工程時に、現像装置5が備える現像剤担持体としての現像ローラには、負極性の直流成分を含む所定の現像電圧(現像バイアス)が印加される。
4個の感光ドラム2に対向するように、無端状のベルトで構成された中間転写体である中間転写ベルト31が配置されている。中間転写ベルト31は、複数の張架ローラ(支持部材)としての駆動ローラ8、テンションローラ10及び二次転写対向ローラ34に張架されている。中間転写ベルト31は、テンションローラ10の作用によって、所定のテンションが保たれる。また、中間転写ベルト31は、ベルト駆動手段としての駆動モータ80によって駆動ローラ8が回転駆動されることで、図中矢印R2方向(時計回り)に回転(周回移動)する。本実施例では、中間転写ベルト31は、各感光ドラム2の周速度とほぼ同じ周速度で、各感光ドラム2に接触しながら回転する。中間転写ベルト31の内周面側には、各感光ドラム2に対応して、一次転写手段としてのローラ型の一次転写部材である一次転写ローラ14が配置されている。一次転写ローラ14は、中間転写ベルト31を介して感光ドラム2に向けて押圧され、感光ドラム2と中間転写ベルト31とが接触する一次転写部(一次転写ニップ)N1を形成する。上述のように感光ドラム2上に形成されたトナー像は、一次転写部N1において、一次転写ローラ14の作用によって、回転している中間転写ベルト31上に一次転写される。一次転写工程時に、一次転写ローラ14には、トナーの正規の帯電極性(現像工程時の帯電極性)とは逆極性の直流電圧である一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。例えばフルカラー画像の形成時には、各感光ドラム2に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が、中間転写ベルト31上に重ね合わされるようにして順次転写される。
中間転写ベルト31の外周面側において、二次転写対向ローラ34に対向する位置には、二次転写手段としてのローラ型の二次転写部材である二次転写ローラ35が配置されている。二次転写ローラ35は、中間転写ベルト31を介して二次転写対向ローラ34に向けて押圧され、中間転写ベルト31と二次転写ローラ35とが接触する二次転写部(二次転写ニップ)N2を形成する。上述のように中間転写ベルト31上に形成されたトナー像は、二次転写部N2において、二次転写ローラ35の作用によって、中間転写ベルト31と二次転写ローラ35とに挟持されて搬送される紙(用紙)などの記録材(シート、転写材)S上に二次転写される。記録材Sは、カセット15から給送ローラ16によって送り出され、駆動が停止されているレジストローラ対17へと搬送される。この記録材Sは、レジストローラ対17によって、斜行が補正された後に、中間転写ベルト31上のトナー像とタイミングが合わされて二次転写部N2へと搬送される。
トナー像が転写された記録材Sは、定着手段としての定着装置18へと搬送される。定着装置18は、未定着のトナー像を担持した記録材Sを加熱及び加圧することで、記録材Sにトナー像を定着(溶融、固着)させる。トナー像が定着された記録材Sは、排出ローラ(図示せず)などによって、画像形成装置100の装置本体の外部に設けられたトレイ(図示せず)に排出(出力)される。
また、一次転写工程において中間転写ベルト31に転写されずに感光ドラム2上に残留したトナー(一次転写残トナー)は、感光体クリーニング手段としてのドラムクリーニング装置6によって、感光ドラム2上から除去されて回収される。また、二次転写工程において記録材Sに転写されずに中間転写ベルト31上に残留したトナー(二次転写残トナー)は、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置33によって、中間転写ベルト31上から除去されて回収される。
本実施例では、各ステーション1において、感光ドラム2と、これに作用するプロセス手段としての帯電ローラ3、現像装置5及びドラムクリーニング装置6とは、一体的に画像形成装置100の装置本体に対し着脱可能なプロセスカートリッジ32を構成する。本実施例では、画像形成装置100の装置本体内において、4個の独立したプロセスカートリッジ32は縦方向に並置される。
また、画像形成装置100は、濃度制御や色ずれ補正において中間転写ベルト31上に形成された試験用画像(試験用トナー像)であるテストパターン(パッチ)を検知するために、パターンセンサ41、42を有している。パターンセンサ41、42は、それぞれ光学検知手段である光学センサで構成されている。本実施例では、パターンセンサ41、42は、中間転写ベルト31を挟んで光学検知手段対向ローラ(センサ対向ローラ)としての駆動ローラ8に対向する位置に配置されている。また、画像形成装置100は、中間転写ベルト31の周長を検知するために、ベルト周長検知手段としてのベルト周長センサ43を有している。本実施例では、ベルト周長センサ43は、中間転写ベルト31を挟んで駆動ローラ8に対向するように、パターンセンサ41、42よりも駆動ローラ8の軸方向(長手方向)の端部側の位置に配置されている。ベルト周長センサ43は、光学検知手段である光学センサで構成されている。パターンセンサ41、42、ベルト周長センサ43については、後述して更に詳しく説明する。
ここで、本実施例では、中間転写ベルト31は、厚さ50〜150μm程度の無端のフィルム状部材で構成されている。また、本実施例では、中間転写ベルト31は、基材として高強度かつ分光反射率の比較的高いPENを用いて構成されている。また、本実施例では、中間転写ベルト31は、製造コストの抑制や、中間転写ベルト31の表面の平滑性の確保などのために、光透過性を低下させるためのカーボン粒子の混合量が比較的少なくされている。そのため、本実施例では、中間転写ベルト31は、赤外光(波長950nm)を約25%透過する(図2)。中間転写ベルト31を構成する材料は、強度や分光特性などの要件を満たせば、ポリイミド、PEEKなどのスーパーエンプラや、PETなどの汎用エンプラを用いてもよい。また、中間転写ベルト31は、画像形成装置100の構成に応じて、電気抵抗や表面の光沢度を調整するために、基材とは別の樹脂層、ゴム層などを有する複数層構成としてもよい。
2.制御態様
図3は、本実施の画像形成装置100の要部の制御態様を示すブロック図である。
図3は、本実施の画像形成装置100の要部の制御態様を示すブロック図である。
画像形成装置100に設けられたコントローラ61は、外部のホストコンピュータ60から画像信号を受信し、その画像信号に対して所定の処理を行う。そして、コントローラ61は、処理後の画像信号を、画像形成装置100に設けられた制御部50に出力する。なお、コントローラ61が行う所定の処理とは、ハーフトーン処理や、階調補正テーブルによる階調補正処理などである。制御部50は、コントローラ61から受信した画像信号に基づき、画像形成部40を制御して画像形成を行わせる。なお、本実施例では、画像形成部40は、上述の画像形成プロセスによって記録材Sに画像を形成して出力する画像形成装置100内の機器の総称である。
制御部50は、演算制御手段としてのCPU51と、記憶手段としてのメモリ52と、を有する。なお、メモリ52は、RAM、NVRAM、ROMなどの総称であり、CPU51が実行するプログラムや、プログラムの実行の際に使用するデータを格納している。また、メモリ52は、CPU51がプログラムを実行して処理を行う際に、一時的なデータの格納領域としても使用される。
本実施例との関係では、CPU51がプログラムを実行することで、濃度制御を行う濃度制御部53、色ずれ補正を行う色ずれ補正部54、及び中間転写ベルト31や駆動ローラ8の周長を算出する周長算出部55が実現される。濃度制御部53、色ずれ補正部54は、それぞれ濃度制御用、色ずれ補正用のテストパターンを中間転写ベルト31上に形成させる。そして、濃度制御部53、色ずれ補正部54は、パターンセンサ41、42によりテストパターンを検知した結果に基づいて、画像形成条件の調整を行う。また、周長算出部55は、ベルト周長センサ43の検知結果に基づいて中間転写ベルト31の周長を算出すると共に、パターンセンサ41、42の検知結果に基づいて駆動ローラ8の周長を算出する。
3.パターンセンサ
次に、本実施例におけるパターンセンサ41、42につい更に説明する。図4は、パターンセンサ41、42の概略構成を示す模式図である。
次に、本実施例におけるパターンセンサ41、42につい更に説明する。図4は、パターンセンサ41、42の概略構成を示す模式図である。
パターンセンサ41、42は、実質的に同一の構成とされている。そして、パターンセンサ41、42はそれぞれ、中間転写ベルト31の表面の移動方向(搬送方向)と略直交する方向における画像形成幅の中心に対して±100mmの位置(検知位置)の中間転写ベルト31上のトナーを検知するように配置されている。なお、画像形成幅は、トナー像が形成され得る領域である画像形成領域の幅である。以下、パターンセンサ41、42の構成について、一方のパターンセンサ41を例に説明する。
パターンセンサ41は、700nm以上の波長域に分光感度を有する。パターンセンサ41は、波長950nmの赤外光を発光するLEDなどの発光素子(発光部)41a、フォトダイオードなどの2個の受光素子(受光部)41b、41c、及びホルダー45を有する。パターンセンサ41は、中間転写ベルト31を挟んで駆動ローラ8に対向して配置されている。パターンセンサ41は、発光素子41aからの赤外光を中間転写ベルト31、及び中間転写ベルト31上のテストパターンに照射し、その反射光を受光素子41b、41cで検知する。その検知結果に基づいて、制御部50(より詳細には色ずれ補正部54、濃度制御部53)は、テストパターンの位置やテストパターンのトナー量(濃度)を算出することができる。ここで、本実施例では、受光素子41b、41cの最大出力電圧は3.3Vである。そのため、本実施例では、濃度制御動作中の受光素子41b、41cの出力電圧が3.3V未満に収まるように、発光素子41aからの発光量を調整する。具体的には、データのばらつきを加味して、正反射光量が最大となる中間転写ベルト31の下地からの反射光に対する受光素子41b、41cの出力電圧の平均値が2.7Vとなるように、発光素子41aからの発光量を調整する。
テストパターンからの反射光には、正反射成分と拡散反射成分とが含まれている。パターンセンサ41は、正反射光用の受光素子41bでは正反射成分と拡散反射成分の両方を含んだ反射光を検知し、拡散反射光用の受光素子41cでは拡散反射成分のみを検知するように構成されている。中間転写ベルト31の表面は光沢性を有しており、中間転写ベルト31上にトナーが付着すると、トナーによって光が遮断されて、正反射光が減少し、正反射光用の受光素子41bの出力は低下する。一方、波長950nmの赤外光に対して、ブラックトナーは光を吸収し、イエロー、マゼンタ、シアントナーは拡散反射する特徴を有する。そのため、中間転写ベルト31上のトナーの付着量が増大すると、イエロー、マゼンタ、シアンに関しては、拡散反射光用の受光素子41cの出力が大きくなる。本実施例では、正反射光用の受光素子41bの出力を拡散反射光用の受光素子41cの出力を用いて補正して得られる正味の正反射光量に応じて、中間転写ベルト31上のトナーの付着量(テストパターンの濃度)を算出する。
4.色ずれ補正、画像濃度制御
本実施例の画像形成装置100は、濃度制御や色ずれ補正を、所定のタイミング、あるいはユーザやサービス担当者などの操作者の指示に応じて、適宜行う。これは、消耗品の交換、画像形成装置100の使用環境の変化(温度、湿度、装置の劣化など)、プリント枚数などの諸条件によって、トナーや上述の各キーパーツの特性が変化した場合であっても、安定して高画質が得られるようにするためである。濃度制御や色ずれ補正は、記録材Sに転写して出力する画像を形成している画像形成時以外の期間である非画像形成時に実行される。非画像形成時としては、画像形成前の準備動作である前回転動作時、複数の記録材Sに連続して画像を形成する際の記録材Sと記録材Sとの間に対応する紙間時、画像形成後の整理(準備)動作である後回転動作時などが挙げられる。
本実施例の画像形成装置100は、濃度制御や色ずれ補正を、所定のタイミング、あるいはユーザやサービス担当者などの操作者の指示に応じて、適宜行う。これは、消耗品の交換、画像形成装置100の使用環境の変化(温度、湿度、装置の劣化など)、プリント枚数などの諸条件によって、トナーや上述の各キーパーツの特性が変化した場合であっても、安定して高画質が得られるようにするためである。濃度制御や色ずれ補正は、記録材Sに転写して出力する画像を形成している画像形成時以外の期間である非画像形成時に実行される。非画像形成時としては、画像形成前の準備動作である前回転動作時、複数の記録材Sに連続して画像を形成する際の記録材Sと記録材Sとの間に対応する紙間時、画像形成後の整理(準備)動作である後回転動作時などが挙げられる。
図5は、本実施例におけるテストパターンの概略図である。本実施例では、テストパターンは、濃度制御用のテストパターンと、色ずれ補正用のテストパターンと、を含んでいる。ただし、画像形成装置100は、濃度制御用のテストパターンと、色ずれ補正用のテストパターンと、をそれぞれ独立して形成するように構成されていてもよい。
まず、本実施例における色ずれ補正について説明する。色ずれ補正は、中間転写ベルト31上に形成されたテストパターンをパターンセンサ41、42で検知し、各色の画像形成開始位置及び倍率を調整して、各色の相対的な画像形成位置を調整するものである。ここでは、一方のパターンセンサ41を例に説明する。
本実施例では、色ずれ補正用のテストパターンは、各色のトナーで形成された、各々が幅約2mm、長さ約20mmの直線状のトナー像(細線パッチ)を、長さ方向が中間転写ベルト31の表面の移動方向に対し斜めになるように配置したテストパターンである。このテストパターンによって、副走査方向(中間転写ベルト31の表面の移動方向と略平行な方向)及び主走査方向(中間転写ベルト31の表面の移動方向と略直交する方向)の色ずれを検知することが可能である。
図6は、色ずれ補正用のテストパターンの位置を検知する方法を説明するためのグラフ図である。本実施例では、トナーが付着していない中間転写ベルト31の下地と比較して、パターンセンサ41の受光素子41bの出力が低下した位置を、テストパターンが形成された位置と判定する。受光素子41bからの信号は、コンパレータ44(図3)に入力されて、コンパレータ44によって所定の閾値レベルTHと比較される。色ずれ補正用のテストパターンの検知時には、受光素子41bからの信号は、閾値レベルTH=THcと比較される。
本実施例では、色ずれ補正用のテストパターンの検知時の閾値レベルTHcは1.5Vである。コンパレータ44により、受光素子41bからの信号レベルが所定の閾値レベルTHc以上の場合は1(オン)、所定の閾値レベルTHc未満の場合は0(オフ)に変換され、そのオンオフ信号が制御部50(より詳細には色ずれ補正部54)に入力される。制御部50は、コンパレータ44の出力から、各テストパターンの先端を検知したタイミングT1と、後端を検知したタイミングT2と、を求め、タイミングT1、T2に基づいてテストパターンの重心位置T3を判定する。そして、制御部50は、上述の方法によって算出された各色のテストパターンの位置間の位置ずれを補正するように、各色の画像形成位置や倍率の調整を行う。
次に、本実施例における濃度制御について説明する。濃度制御は、各色の最大濃度を一定に保つ最大濃度制御と、ハーフトーンの階調特性を画像信号に対してリニアに保つ階調制御と、を含んでいる。階調制御は、画像形成装置100の入出力特性(ガンマ特性)によって、入力される画像信号に対して出力濃度がずれ、不自然な画像が形成されることを抑制するために行われる。このため、階調制御では、異なる値の画像信号による複数の濃度のトナー像を含むテストパターンを中間転写ベルト31上に形成して、このテストパターンをパターンセンサ41、42で検知し、画像信号と画像濃度との関係を取得する。そして、入力された画像信号に対して所望の画像濃度が出るように、入力された画像信号の値を、画像形成に使用する画像信号値に変換する階調補正テーブルを生成する。ここでは、一方のパターンセンサ41を例に説明する。
最大濃度制御と階調制御とのうち、最大濃度制御では、テストパターンを用いることなく、画像形成装置100の使用環境や消耗品の使用状況に応じて最大濃度に影響を与える帯電バイアス、現像バイアス、露光強度などを調整する。
一方、階調制御では、作像条件を変えながら複数のテストパターンを中間転写ベルト31上に形成し、それらのテストパターンの濃度をパターンセンサ41で検知する。そして、制御部50(より詳細には濃度制御部53)は、その検知結果に基づいて階調補正テーブルを生成する。図5中の中間転写ベルト2回転目におけるK、C、M、Yは、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のテストパターンを示す。また、図5中の中間転写ベルト2回転目におけるW(破線)は、後述するテストパターンの検知結果を補正するための、中間転写ベルト31の下地検知用の領域である。また、図5中の中間転写ベルト1回転目では、少なくとも2回転目におけるW、K、C、M、Yから成る領域(1回転目に破線で示す)の中間転写ベルト31の表面の移動方向における長さ以上に渡って、中間転写ベルト31の下地検知を行う。中間転写ベルト31の表面の分光反射率のむらによるテストパターンの検知誤差をキャンセルするためである。階調制御については、後述して更に詳しく説明する。
5.パターンセンサによるテストパターンの検知精度
次に、パターンセンサ41、42によるテストパターンの検知精度について説明する。ここでは、パターンセンサ41を例に説明する。
次に、パターンセンサ41、42によるテストパターンの検知精度について説明する。ここでは、パターンセンサ41を例に説明する。
パターンセンサ41の受光素子41bの出力は、検知対象面である中間転写ベルト31の表面の色味や形状の、製造時のむら、あるいは経時による変化により、ばらつきを有している。したがって、テストパターンが形成された位置によって、算出されるテストパターンの濃度にずれが生じる。そのため、本実施例では、パターンセンサ41によるテストパターンの検知結果を、パターンセンサ41によるテストパターンが形成された位置の中間転写ベルト31の下地の検知結果(以下、単に「下地情報」ともいう。)を用いて補正する。
制御部50(より詳細には周長算出部55)は、テストパターンの検知結果を下地情報で補正するのに必要な中間転写ベルト31の周長の検知結果(以下、単に「ベルト周長情報」ともいう。)を、毎回の濃度制御の実行時に取得する。本実施例では、中間転写ベルト31は、幅方向(表面の移動方向と略直交する方向)の端部に中間転写ベルト31よりも高い分光反射率(正反射率)を有するベルトマーカー70(図5)を有する。制御部50は、このベルトマーカー70を、ベルト周長センサ43を用いて検知した結果に基づいて、中間転写ベルト31の周長を算出する。概略、制御部50は、1回目にベルトマーカー70が検知されてから2回目にベルトマーカー70が検知されるまでの時間(回転周期)と、中間転写ベルト31の周速度と、に基づいて、中間転写ベルト31の周長を算出することができる。本発明では、ベルト周長情報の取得方法としては、利用可能な任意の方法を用いることができる。本実施例では、中間転写ベルト31の表面の移動方向におけるベルトマーカー70の長さは約8mmである。ここで、ベルト周長センサ43は、パターンセンサ41の拡散反射光用の受光素子41cを取り除いたものに相当する。制御部50は、中間転写ベルト31の下地よりも正反射光量の高い領域(ベルトマーカー70)を検知し、中間転写ベルト31の周長を算出することができる。ベルトマーカー70の位置の検知方法は、前述した色ずれ補正用のテストパターンの位置の検知方法と同様である。なお、ベルト周長情報の取得と下地情報の取得とは同時に実行することができる。
ここで、前述のように、本実施例における中間転写ベルト31の赤外光(波長950nm)に対する分光透過率は25%と高い。したがって、パターンセンサ41の検知結果は、中間転写ベルト31の表面性だけでなく、駆動ローラ8からの影響も受けることになる。
つまり、テストパターンの濃度の検知精度を向上させるためには、センサ対向ローラの形状、及び表面の光学的なむらの影響を極力抑制することが望まれる。また、ベルトが光透過性を有する場合、ベルトが不透明な場合と比較して、受光素子が受光する光量のうちベルトの表面からの反射光成分が相対的に減少するため、トナー量の検知精度が低下する可能性がある。この観点からは、ベルトの分光透過率やセンサ対向ローラの分光反射率は低い方がよい。
一方、前述のように、製造コストの抑制や、ベルトの表面の平滑性の確保などのために、光透過性の高いベルトの使用が望まれる場合がある。本実施例では、中間転写ベルト31の光透過性が高いことを利用して、センサ対向ローラとしての駆動ローラ8の表面の光沢むら、色むらなどに起因する光学的情報としての反射光量プロファイルを、パターンセンサ41を用いて検知することができる。これにより、駆動ローラ8の周長を精度良く検知することができる。以下、更に詳しく説明する。
6.センサ対向ローラの周長の検知
まず、本実施例におけるセンサ対向ローラとしての駆動ローラ8の構成について説明する。本実施例では、駆動ローラ8は、SUS(ステンレス鋼)製であり、ブラスト処理により表面が粗面化され、中間転写ベルト31との摩擦力が向上させられて、中間転写ベルト31の周速度の安定性の向上が図られている。なお、駆動ローラ8の表面加工の方法は、ブラスト処理に限定されるものではなく、所定の粗さに管理できる方法であれば他の処理方法を用いてもよい。なお、本実施例では、駆動ローラ8の外径は15mmである。
まず、本実施例におけるセンサ対向ローラとしての駆動ローラ8の構成について説明する。本実施例では、駆動ローラ8は、SUS(ステンレス鋼)製であり、ブラスト処理により表面が粗面化され、中間転写ベルト31との摩擦力が向上させられて、中間転写ベルト31の周速度の安定性の向上が図られている。なお、駆動ローラ8の表面加工の方法は、ブラスト処理に限定されるものではなく、所定の粗さに管理できる方法であれば他の処理方法を用いてもよい。なお、本実施例では、駆動ローラ8の外径は15mmである。
図7は、本実施例における駆動ローラ8の概略斜視図である。本実施例では、駆動ローラ8の中間転写ベルト31との接触部は、駆動ローラ8の周方向(回転方向)の幅は約1mm、軸方向の幅は駆動ローラ8の軸方向の全域に渡る。そして、本実施例では、駆動ローラ8の表面(周面)の周方向の一部に、周囲のベース部8bと分光反射率(正反射率)の異なる、駆動ローラ8の周長を検知するためのマーカー部8aを有する。本実施例では、マーカー部8aとして、駆動ローラ8の表面に黒色のめっき処理を行い、マーカー部8aの分光反射率を周囲のベース部8bの分光反射率よりも低下させている。本実施例では、駆動ローラ8aの表面のベース部8bの分光反射率が70%程度であるのに対し、駆動ローラ8の表面の黒色のマーカー部8aの分光反射率は約5%と低く抑えられている。
本実施例では、マーカー部8aは、駆動ローラ8の軸方向の略全域に渡って設けられている。ただし、駆動ローラ8の軸方向におけるマーカー部8aの位置、長さは、それぞれ確実にパターンセンサ41からの照射光が当たる位置、長さであればよい。また、本実施例では、駆動ローラ8の周方向におけるマーカー部8aの幅は1mmである。ただし、駆動ローラ8の周方向におけるマーカー部8aの幅は、十分な精度でマーカー部8aの位置を検知できる幅であればよい。また、マーカー部8aは、線状に限らず、四角形を含む多角形、円形、楕円形など任意の形状でよい。マーカー部8aのより簡易な形成方法として、駆動ローラ8の表面の周方向の一部において、駆動ローラ8の表面の粗し処理の度合を周囲のベース部8bとは変化させて、分光反射率を変化させるなどしてもよい。マーカー部8aとして、駆動ローラ8の表面粗さを部分的に小さくする(分光反射率を高くする)場合には、中間転写ベルト31との摩擦力が低下するため、駆動ローラ8の軸方向の長さはできるだけ短くするとよい。また、マーカー部8aの形成方法は、上述の方法に限定されず、酸化被膜を成長させる、レーザーで焼成する、罫書き線を引く、塗料で線引くなどの他の方法を用いてもよい。
次に、駆動ローラ8の周長を検知する方法について説明する。前述のように、中間転写ベルト31の表面からの反射光量はばらつきを有しており、周方向において反射光量の変動量は10%程度ある。そして、例えば、駆動ローラ8に起因する、中間転写ベルト31の表面からの反射光量の数%の検知ずれを補正して、濃度制御の精度を向上させることが望まれる。しかし、従来は、この駆動ローラ8に起因する検知ずれは、中間転写ベルト31自体に起因する反射光量のばらつきに埋もれてしまい、駆動ローラ8の周期の反射光量のばらつきを捉えることは困難であった。
これに対し、本実施例では、中間転写ベルト31の分光透過率が高く、駆動ローラ8の表面の周方向の一部に分光反射率が周囲と大きく異なる領域(マーカー部8a)が設けられている。そのため、本実施例によれば、中間転写ベルト31を介していても、駆動ローラ8の表面の光学的情報に基づいて駆動ローラ8の周長を精度良く検知することができる。
物質に照射した光の分光反射率R、分光吸収率A、分光透過率Tの関係は、R+A+T=1であることが知られている。なお、従来の分光透過率が低い中間転写ベルト31を用いる場合は、R+A≒1である。本実施例では、パターンセンサ41が検知する反射光は、中間転写ベルト31の表面からの反射光と、中間転写ベルト31を透過し、駆動ローラ8の表面で反射されて、再度中間転写ベルト31を透過した反射光と、の和である。つまり、中間転写ベルト31の分光反射率をRb、分光透過率をTb、駆動ローラ8の分光反射率をRrとすると、パターンセンサ41からの照射光量のうち、パターンセンサ41が反射光として検知する割合は、下記式(1)で表される。
Rb+Tb×Tb×Rr ・・・(式1)
Rb+Tb×Tb×Rr ・・・(式1)
図2は、本実施例における中間転写ベルト31の分光透過率を測定した結果を示す。前述のように、本実施例では、赤外領域(波長950nm)における中間転写ベルト31の分光透過率Tbは約25%である。一方、本実施例では、赤外領域(波長950nm)における中間転写ベルト31の分光反射率Rbは約10%、分光吸収率Abは約65%である。また、本実施例では、赤外領域(波長950nm)における駆動ローラ8の表面のベース部8bの分光反射率Rr_bsは約70%、マーカー部8aの分光反射率Rr_mkは約10%である。したがって、中間転写ベルト31に照射された光のうち、中間転写ベルト31の表面で反射された反射光量の割合が約10%であるのに対し、駆動ローラ8の表面のベース部8bで反射された反射光量の割合は、25%×25%×70%=4.4%となる。また、駆動ローラ8の表面のマーカー部8aで反射された反射光量の割合は、25%×25%×10%=0.6%となる。つまり、照射された光のうち、中間転写ベルト31からの直接反射光量と駆動ローラ8の表面からの反射光量とを合わせた総反射光量の割合は、照射位置が駆動ローラ8のベース部8bの場合には約14.4%、マーカー部8aの場合には10.6%となる。また、前述のように、照射位置がベース部8bの場合のパターンセンサ41の出力電圧を2.7V(中間転写ベルト31からの直接反射成分:約1.9V、駆動ローラ8からの反射成分:約0.8V)に調整するものとする。
この場合、照射位置がマーカー部8aの場合のパターンセンサ41の出力電圧は約2.0Vとなる。そのため、中間転写ベルト31の表面からの反射光量ばらつきに起因する出力電圧のばらつき10%(±約0.1V)を加味しても、駆動ローラ8上のマーカー部8aの位置を精度良く検知することが可能となる。ここで、テストパターンの濃度の検知精度を確保するうえで、中間転写ベルト31からの直接反射成分は少なくとも1.5V以上あることが望ましい。一方、上述の式(1)によれば、中間転写ベルト31の分光透過率が低すぎると、駆動ローラ8の表面の光学的特徴が抽出できなくなる可能性がある。一例をあげて説明すると、分光透過率が10%の場合には、駆動ローラ8の表面の分光反射率が100%であっても、照射光の1%しか反射光として検知されない。このような条件でマーカー部8aとベース部8bとを区別するためには、中間転写ベルト31の表面からの反射光量を低くして、相対的に駆動ローラ8からの反射光量を増やす必要があり、結果的にテストパターンの濃度の検知精度が低下する可能性がある。このように、テストパターンの濃度の検知精度を確保するのに十分な中間転写ベルト31の表面からの反射光量を得つつ、駆動ローラ8の表面の光学的特徴を抽出できるような十分な光透過性を有する中間転写ベルト31を用いるのが望ましい。
図8は、本実施例の構成における中間転写ベルト31及び駆動ローラ8の分光特性の関係性を示すグラフ図である。横軸は、中間転写ベルト31の表面の分光反射率に対する分光透過率の比率であり、縦軸は、パターンセンサ41が検知する反射光のうちの中間転写ベルト31の表面からの直接反射成分の比率である。駆動ローラ8の表面の分光反射率が100%の場合の関係を実線で示す。一方、駆動ローラ8の表面の分光反射率が0%の場合は、パターンセンサ41が検知する反射光は100%中間転写ベルト31の表面からの直接反射成分となる(図示せず)。この差が、照射位置がベース部8bの場合とマーカー部8aの場合とでの、パターンセンサ41が検知する反射光量の最大コントラストである。この最大コントラストは、中間転写ベルト31の分光特性に応じて変化する。最大コントラストが得やすい構成ほど、駆動ローラ8の周長の検知がしやすい構成であると言える。
前述のように、照射位置がベース部8bの場合のパターンセンサ41の出力電圧が2.7Vの条件で、濃度検知精度を確保するためには、中間転写ベルト31からの直接反射成分は少なくとも1.5V以上であることが望ましい。つまり、中間転写ベルト31からの直接反射成分の比率は56%以上であることが望ましい(図8中の点線)。図8から、中間転写ベルト31の分光透過率が高い場合は、駆動ローラ8の表面の分光反射率を低く抑えて濃度検知精度が落ちないようにする必要があることがわかる。一方、図8から、中間転写ベルトの分光透過率が低い場合は、ベース部8bとマーカー部8aとでの分光反射率差(最大コントラスト)が小さくなり、駆動ローラ8の周長の検知がしにくくなることがわかる。本実施例におけるベース部8bの光学特性は図8中の点A、マーカー部8aの光学特性は図中の点Bで示される。
図9は、駆動ローラ8の周長を検知する実験の結果を示すグラフ図である。横軸は時間、縦軸はパターンセンサ41の出力電圧を示す。本実施例では、制御部50(より詳細には周長算出部55)は、ローラ周長検知手段を兼ねるパターンセンサ41の出力電圧に基づいて、駆動ローラ8の周長を算出することができる。なお、本実施例では、中間転写ベルト31の周速度(表面の移動速度)は240mm/secである。中間転写ベルト31上にトナーが付着していない状態において、少なくとも駆動ローラ8が2周回転する間に、パターンセンサ41は、発光素子41aから光を照射し、受光素子41bによって反射光を検知する。マーカー部8aの位置の検知方法は、前述した色ずれ補正用のテストパターンの位置の検知方法と同様である。つまり、ベース部8bと比較して受光素子41bの出力が低下した位置を、マーカー部8aの位置と判定する。受光素子41bからの信号は、コンパレータ44(図3)に入力されて、コンパレータ44によって所定の閾値レベルTHと比較される。マーカー部8aの位置の検知時には、受光素子41bからの信号は、閾値レベルTH=THf1と比較される。
本実施例では、マーカー部8aの位置の検知時の閾値レベルTHf1は2.2Vである。コンパレータ44により、受光素子41bからの信号レベルが所定の閾値レベルTHf1以上の場合は1(オン)、所定の閾値レベルTHf1未満の場合は0(オフ)に変換され、そのオンオフ信号が制御部50(より詳細には周長算出部55)に入力される。制御部50は、コンパレータ44の出力から、マーカー部8aの先端を検知したタイミングT1と、後端を検知したタイミングT2と、を求め、T1、T2に基づいてマーカー部8aの重心位置T3を判定する。駆動ローラ8が2周回転する間に少なくとも2回マーカー部8aが検知される。したがって、制御部50は、1回目に位置T3が検知されてから2回目に位置T3が検知されるまでの時間(回転周期)と、駆動ローラ8の周速度(中間転写ベルト31の周速度に対応)と、に基づいて、駆動ローラ8の周長を算出することができる。
なお、中間転写ベルト31の分光特性に応じて、閾値レベルTHf1を選択することができる。また、中間転写ベルト31の表面からの反射光量のばらつきが大きい場合、あるいは中間転写ベルト31や駆動ローラ8の分光特性により閾値レベルTHf1を十分下げられない場合などには、次のようにしてもよい。つまり、マーカー部8aの検知時の駆動ローラ8の回転数を3回転以上に増やして、駆動ローラ8の周長の検知制度が低下することを抑制してもよい。
また、前述のように、色ずれ補正では閾値レベルTHc=1.5Vとされてテストパターンの位置の検知が行われる。駆動ローラ8上のマーカー部8aによってパターンセンサ41が検知する光量が低下しすぎると、この色ずれ補正用の閾値レベルTHc未満となり、色ずれ補正制御において存在しないテストパターン(細線パッチ)が検知されることになる。テストパターンのレイアウトやテストパターン検知方法の工夫により影響を回避できるものの、制御の複雑化やダウンタイムの増加を招きかねない。そのため、本実施例のように、駆動ローラ8上のマーカー部8aによって反射光量が低下しすぎないような構成にするなどして、マーカー部8aとテストパターンとの区別がつく構成にすることが好ましい。例えば、本実施例のようにマーカー部8a、色ずれ補正用のテストパターンを検知する際にパターンセンサ41の出力が低下する構成の場合、THc<THf1とした場合に十分にマーカー部8aを検知できるように構成すればよい。
7.階調制御
次に、本実施例における階調制御について更に説明する。ここでは、一方のパターンセンサ41を例に説明する。
次に、本実施例における階調制御について更に説明する。ここでは、一方のパターンセンサ41を例に説明する。
階調制御動作が開始されると、中間転写ベルト31にトナーが付着しない状態で中間転写ベルト31が回転させられ、中間転写ベルト31の周長Lbと、駆動ローラ8の周長Lrと、が検知される。同時に、中間転写ベルト31の周方向の全域に渡り、パターンセンサ41により中間転写ベルト31の下地の検知が行われる。次に、中間転写ベルト31の2回転目において、少なくとも駆動ローラ8の1周以上の中間転写ベルト31の下地、及び各色n個の異なる濃度の画像を含む濃度制御用のテストパターンがパターンセンサ41によって検知される。中間転写ベルト31の2回転目で得られたk番目(k=1〜nの整数)のテストパターンの検知結果を、1回転目で得られた同位相の中間転写ベルト31の下地の検知結果で除した、パターンセンサ41の出力の比較値をP(k)とする。
中間転写ベルト31の1回転目と2回転目とでは、中間転写ベルト31の同位相に対し、中間転写ベルト31の周長Lbを駆動ローラ8の周長Lrで除して得られた剰余分、駆動ローラ8の位相がずれる。
中間転写ベルト31の1回転目と2回転目との同位相において得られた中間転写ベルト31の下地に対するパターンセンサ41の出力の比較値は、駆動ローラ8の表面の周方向の光学的情報のむらに起因するものである。ここでは、このパターンセンサ41の出力の比較値を「補正用比較値」と呼ぶ。そして、中間転写ベルト31の2回転目における駆動ローラ8の位相が上記k番目の階調テストパターンと同位相の時の補正用比較値をW(k)とする。このとき、次式、P(k)/W(k)によって、中間転写ベルト31の表面のむらだけでなく、駆動ローラ8の表面のむらも相殺したテストパターンの検知結果が得られる。なお、テストパターンの形成位置に対応する中間転写ベルト31の位相は、ベルトマーカー70の位置と、中間転写ベルト31の周長(回転周期)と、に基づいて特定することができる。また、テストパターンの形成位置に対応する駆動ローラ8の位相は、マーカー部8aの位置と、駆動ローラ8の周長(回転周期)と、に基づいて特定することができる。
このように、本実施例では、パターンセンサ41から中間転写ベルト31に照射された光が光透過性を有する中間転写ベルト31を透過し、更に駆動ローラ8の表面で反射されて得られる駆動ローラ8の表面の光学的情報を利用する。これにより、本実施例では、駆動ローラ8の周長をより正確に検知することができる。したがって、テストパターンの濃度の検知精度を向上させることができる。
図10は、本実施例における階調制御の手順の概略を示すフローチャート図である。まず、周長算出部55は、中間転写ベルト31の周長Lb及び駆動ローラ8の周長Lrを算出する(S10)。次に、周長算出部55は、Lb及びLrに基づいて、濃度制御用のテストパターンに対応する駆動ローラ8の位相を特定する(S11)。次に、周長算出部55は、テストパターンに対するパターンセンサ41の出力の比較値P(k)を、中間転写ベルト31の下地の検知結果から得られた補正用比較値W(k)を用いて補正し、各テストパターンの濃度を求める(S12)。
このように、本実施例の画像形成装置100は、光学センサ41の検知結果に基づく処理を行う制御部50を有する。また、本実施例では、ベルト31は、光学センサ41が照射する光の少なくとも一部を透過する光透過性を有する。そして、本実施例では、制御部50は、光学センサ41により、ベルト31の表面に向けて光を照射し、センサ対向ローラ8の表面からの反射光を含む反射光を検知した結果に基づいて、センサ対向ローラ8の周長に関する情報を取得する。本実施例では、センサ対向ローラ8の表面は、センサ対向ローラ8の軸方向における光学センサ41から光が照射される領域に、センサ対向ローラ8の周方向において分光反射率が異なる第1の領域と第2の領域とを有する。ここで、第1の領域の分光反射率の方が第2の領域の分光反射率よりも低い。そして、制御部50は、光学センサ41の検知結果に基づいて取得した第1の領域又は第2の領域の位置に関する情報を基準として、センサ対向ローラ8の周長に関する情報を取得する。特に、本実施例では、上記基準に対応する第1の領域又は第2の領域は、少なくともセンサ対向ローラ8の軸方向における光学センサ41から光が照射される領域におけるセンサ対向ローラ8の周方向の一部に形成されたマーカー部8aである。特に、本実施例では、センサ対向ローラ8は、少なくともセンサ対向ローラ8の軸方向における光学センサ41から光が照射される領域におけるセンサ対向ローラ8の周方向の一部に、周囲よりも分光反射率が低いマーカー部8aが形成されている。また、特に、本実施例では、マーカー部8aは、金属製のセンサ対向ローラ8の表面の一部が黒色に着色された領域である。
また、本実施例では、制御部50は、光学センサ41の出力と、所定の閾値と、を比較して、第1の領域又は第2の領域の位置に関する情報を取得する。また、本実施例では、光学センサ41は、画像形成部40が形成する複数色の画像間の色ずれを補正するための試験用画像を検知するためにも用いられる。このとき、制御部50は、光学センサ41の出力と、上記閾値とは異なる別の閾値と、を比較して、ベルト31上の色ずれ補正用の試験画像の位置に関する情報を取得する。本実施例では、光学センサ41は、波長が700nm以上の赤外領域に分光感度を有する。また、本実施例では、ベルト31は、光学センサ41からの特定波長の光に対して25%以上の分光透過率を有する。加えて、本実施例では、光学センサ41からベルト31に向けて光を照射した際に光学センサ41により検知される反射光のうちベルト31の表面からの直接反射光の比率は56%以上である。また、本実施例では、制御部50は、取得したセンサ対向ローラ8の周長に関する情報に基づいて、画像形成部40が画像を形成する際の画像形成条件を制御する。また、本実施例では、光学センサ41は、画像形成部40が形成する画像の濃度を制御するための試験用画像の濃度に関する情報を取得するためにも用いられる。そして、制御部50は、画像形成条件としての画像の濃度を制御する際に、光学センサ41による濃度制御用の試験用画像の濃度に関する情報の取得結果をセンサ対向ローラ8の周長に関する情報に基づいて補正する。
以上説明したように、本実施例では、パターンセンサ41を用いて、光透過性を有する中間転写ベルト31を透過し、更に駆動ローラ8の表面で反射された光を検知して、駆動ローラ8の表面の光学的情報を取得する。そして、その光学的情報に基づいて、駆動ローラ8の周長を検知する。また、その駆動ローラ8の周長の検知結果に基づいて、濃度制御の結果の補正を行う。これによって、階調性に優れる高画質の画像を形成することができる。
なお、本実施例では、センサ対向ローラが駆動ローラ8である場合を例に説明したが、センサ対向ローラは駆動ローラ8に限定されず、中間転写ベルト31を張架する他のローラであってもよい。
また、本実施例におけるマーカー部8aの構成によると、マーカー部8aの位置は反射光量が急激に変化する。そのため、テストパターンの検知精度の点で、階調補正用のテストパターンはマーカー部8aの位置にかからないようにタイミングを調整して形成することが望ましい。あるいは、テストパターンがマーカー部8aの位置にかかってもよいように、センサ対向ローラの分光反射率が比較的緩やかに変化するような構成としてもよい。
また、本実施例では、センサ対向ローラ上のマーカー部8aを検知した際の正反射光量の変化に基づいた制御について説明したが、各部材の材料や表面性などの違いによる拡散反射光量の変化に基づいた制御としてもよい。
また、本実施例では、センサ対向ローラの周長の検知精度を高めることのできる好ましい態様として、センサ対向ローラ上に明確なマーカー部8aを設け、センサ対向ローラの表面から特徴的な光学的情報を得る場合を例に説明した。しかし、必ずしも明確なマーカー部8aを設けなくてもよい。例えば、本実施例よりも、中間転写ベルト31の表面の光沢むらが小さい場合や、中間転写ベルト31の分光透過率が高い場合には、次のような態様としてもよい。つまり、センサ対向ローラ上に明確なマーカー部8aを設けることなく、研磨むらなど、ローラを製造する過程で生じる表面の光沢むら、色むらをマーカー部として利用して、センサ対向ローラの周長を検知してもよい。例えば、中間転写ベルト31の分光透過率が本実施例よりも高い場合には、光学センサが検知する光量のうち、センサ対向ローラの表面からの反射光量が占める割合が大きくなる。その結果、マーカー部8aを設ける場合と比較して反射光量差が小さい場合であっても、中間転写ベルト31を介して得られるセンサ対向ローラの表面からの光学的情報としての反射光量プロファイルを用いて、センサ対向ローラの周長を求めることができる。
また、本実施例では、駆動ローラ8の周長の検知について、2個設けられたパターンセンサ41、42のうち一方のパターンセンサ41を例に説明した。ただし、この一方のパターンセンサ41に代えて又は加えて、他方のパターンセンサ42を用いて上記同様にして駆動ローラ8の周長を検知することができる。複数(例えば2個)の光学センサを用いて、センサ対向ローラの軸方向の異なる位置でセンサ対向ローラの周長を検知する場合には、各光学センサによる検知結果を、各光学センサの検知位置でのテストパターンの検知結果の補正に用いることができる。あるいは、各光学センサによるセンサ対向ローラの周長の複数の検知結果を平均化処理するなどして、センサ対向ローラの周長の代表値を求め、この代表値を各光学センサの検知位置でのテストパターンの検知結果の補正に用いることができる。なお、光学センサが複数設けられている場合であっても、いずれか一つの光学センサを用いてセンサ対向ローラの周長を求めることができる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1では、駆動ローラ8として、表面をブラスト処理したSUS製のローラを用いた。これに対し、本実施例では、駆動ローラ8は、図11(a)に示すように、SUS製の基材8cの表面に、厚さ1mmのウレタンゴムで構成された弾性層8eを有して構成されている。これにより、画像形成装置100の長寿命化のために、長期に渡って高い中間転写ベルト31の駆動力を得ることができるようになっている。
駆動ローラ8の回転速度は、中間転写ベルト31の表面がほぼ画像形成プロセス速度(感光ドラム2の周速度に対応)で移動するように調整される。本実施例では、実施例1と同様に、駆動ローラ8の外径は15mmであり、±0.03mmの公差を有している。また、想定される画像形成装置100の設置環境や連続使用時の駆動ローラ8の温度上昇を考慮すると、駆動ローラ8はその温度が10℃〜45℃の範囲で使用されることになる。ウレタンゴムの線熱膨張率は凡そ0.0002であるため、温度差(35℃)での駆動ローラ8の外径の変化量は0.014mmある。つまり、製造のばらつきと駆動ローラ8の表層のゴムの熱膨張を考慮すると0.074mmの外径のばらつきがある可能性があり、結果として中間転写ベルト31の移動速度には0.5%のばらつきが生じる可能性がある。さらに、使用に伴い弾性層8eの摩耗が生じ、外径の減少も起こる。前述のように画像形成装置100は中間転写ベルト31の表面の移動速度(周速度)=画像形成プロセス速度として動作しており、駆動ローラ8の外径のばらつきは中間転写ベルト31の表面の移動方向における画像の伸び、縮みとして顕在化する。また、中間転写ベルト31と接触して回転する感光ドラム2は、中間転写ベルト31との間の表面の移動速度の差が大きい場合には、その表面が摩耗し、摩耗痕が画像上に顕在化する場合がある。
本実施例では、駆動ローラ8の周長を検知し、その検知結果に基づいて、駆動ローラ8の回転速度を制御する。具体的には、制御部50は、検知された駆動ローラ8の周長が長いほど、駆動ローラ8の回転速度(単位時間当たりの回転回数)を小さくするように、駆動モータ80の回転速度を調整する。これにより、上述のような中間転写ベルト31の周速度が変化することによる不具合を抑制することができる。
図11(b)は、本実施例における駆動ローラ8の概略斜視図である。本実施例では、ベルト周長センサ43が駆動ローラ8の周長検知手段を兼ねる。そして、本実施例では、ベルト周長センサ43が対向する駆動ローラ8の軸方向の端部において、駆動ローラ8の周方向の一部に、駆動ローラ8のSUS製の基材8cを露出させて形成したマーカー部8aが設けられている。本実施例では、駆動ローラ8の周方向におけるマーカー部8aの幅は1mmである。本実施例では、駆動ローラ8の弾性層8eの表面(以下、「ゴム部」ともいう。)8dの分光反射率は約1%、マーカー部8aを構成するSUS製の基材8cの表面の分光反射率は約80%である。
駆動ローラ8の周長の検知方法は、実施例1と同様である。ただし、本実施例では、マーカー部8aに対するベルト周長センサ43の出力が、ゴム部8dに対するベルト周長センサ43の出力よりも大きくなる。実施例1と同様の計算によれば、照射位置がゴム部8dの場合は照射光のうち約10%、照射位置がマーカー部8aの場合は照射光のうち約15%が、正反射光量としてベルト周長センサ43に検知される。
図12は、本実施例におけるマーカー部8aの位置を検知する方法を説明するためのグラフ図である。本実施例では、所定の閾値レベルTHf2よりもベルト周長センサ43の出力が高い位置をマーカー部8aの位置と判定し、駆動ローラ8の周長の検知する。本実施例では、ベルト周長センサ43の出力は、照射位置がマーカー部8aの場合、及び照射位置がゴム部8dの場合に、実施例1におけるパターンセンサ41の場合と同様に2.7Vになるように調整されている。本実施例では、マーカー部8aに対するベルト周長センサ43の出力はゴム部8dに対するベルト周長センサ43の出力の約1.5倍になる。そのため、マーカー部8aに対するベルト周長センサ43の出力は、通常、最大出力3.3Vに張り付くことになる。本実施例では、中間転写ベルト31の周長検知用、駆動ローラ8の周長検知用の閾値はいずれも3.2Vとし、その幅(中間転写ベルト31の表面の移動方向)の違いにより、ベルトマーカー70と駆動ローラ8のマーカー部8aとを判別する構成としている。
ここで、本実施例では、駆動ローラ8のマーカー部8aに対応する中間転写ベルト31の端部にはトナー像は形成されない。そのため、ベルトマーカー70がベルト周長センサ43の検知位置を通過する時以外は、任意の期間に駆動ローラ8の周長情報を取得することができる。駆動ローラ8の周長情報は、例えば、所定の頻度(毎回でもよい)で非画像形成としての前回転動作時に取得してもよいし、画像形成時か非画像形成時かによらず定期的に取得してもよい。
このように、本実施例では、ベルト31の表面には、ベルト31の周長を検知するための、ベルト31の表面とは分光反射率が異なるベルトマーカー70が設けられている。そして、センサ対向ローラ8の周長を検知するための光学センサ43は、ベルトマーカー70を検知するためにも用いられる。また、本実施例では、センサ対向ローラ8は、ベルト31を駆動する駆動ローラである。そして、制御部50は、画像形成条件としてのセンサ対向ローラ8の回転速度を、センサ対向ローラ8の周長に関する情報に基づいて制御する。また、本実施例では、センサ対向ローラ8は、周囲よりも分光反射率が高いマーカー部8aが形成されている。また、本実施例では、マーカー部8aは、金属製の基材8cの表面に弾性層8eが設けられたセンサ対向ローラ8の弾性層8eの一部が設けられておらず基材8cが露出した領域である。
以上説明したように、本実施例では、ベルト周長センサ43を用いて、光透過性を有する中間転写ベルト31を透過し、更に駆動ローラ8の表面で反射された光を検知して、駆動ローラ8の表面の光学的情報を取得する。そして、その光学的情報に基づいて、駆動ローラ8の周長を検知する。また、その駆動ローラ8の周長の検知結果に基づいて、駆動ローラ8の回転速度を調整する。これにより、中間転写ベルト31の表面の移動速度を、駆動ローラ8の製造ばらつき、熱膨張、長期使用による摩耗などによらず、ほぼ一定に保つことができる。その結果、画像の伸びや縮みが抑制された高画質の画像を形成できると共に、感光ドラム2の摩耗を抑制して画像形成装置の長寿命化を図ることができる。
なお、本実施例では、マーカー部8aは、単に駆動ローラ8の基材8cを露出させる構成としたが、マーカー部8aの検知精度及び中間転写ベルト31の耐久性の観点で、できるだけゴム部との段差が少なくなるように構成することが望ましい。例えば、駆動ローラ8の周方向における分光反射率むらを設ける手段として、ゴム材料の色が不均一(マーブル状)になるよう、材料の混ぜ方を工夫してもよい。また、本実施例では、マーカー部8aとして駆動ローラ8の基材8cを露出させたが、駆動ローラ8の周長を検知するのに十分な光学的情報が得られるように、駆動ローラ8の表層に凹みを設けてもよい。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
上述の実施例では、センサ対向ローラの周長を検知するための光学センサは、テストパターンを検知する光学センサやベルトマーカーを検知する光学センサを兼用したが、センサ対向ローラの周長を検知するための特別の光学センサを設けてもよい。
また、上述の実施例では、ベルトとして中間転写ベルトを例に説明した。しかし、テストパターンの担持体として機能するベルトであれば、直接転写方式の画像形成装置において記録材担持体として用いられるベルトに関しても本発明を適用することができ、本実施例と同様の効果を得ることができる。なお、直接転写方式の画像形成装置は、当業者には周知のように、概略、上述の実施例における中間転写ベルトの代わりに、記録材を担持して搬送する記録材担持体としての無端状のベルトで構成された転写ベルトを有する。そして、画像形成時には、各感光ドラムに形成されたトナー像は、転写ベルトに担持されて搬送される記録材上に直接転写される。直接転写方式の画像形成装置においても、上述の実施例の画像形成装置と同様に、濃度制御、色ずれ補正などの画像形成条件の調整のために、転写ベルトにテストパターンが形成されることがある。
2 感光ドラム
8 駆動ローラ
8a マーカー部
31 中間転写ベルト
41、42 パターンセンサ(光学センサ)
43 ベルト周長センサ(光学センサ)
8 駆動ローラ
8a マーカー部
31 中間転写ベルト
41、42 パターンセンサ(光学センサ)
43 ベルト周長センサ(光学センサ)
Claims (14)
- 画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部が形成する画像を直接又は記録材を介して担持して搬送する無端状のベルトと、
前記ベルトを張架する複数のローラと、
前記ベルトを挟んで前記複数のローラのうちの一つであるセンサ対向ローラに対向して配置され、前記ベルトの表面に向けて光を照射して反射光を検知する光学センサと、
前記光学センサの検知結果に基づく処理を行う制御部と、
を有する画像形成装置において、
前記ベルトは、前記光学センサが照射する光の少なくとも一部を透過する光透過性を有し、
前記制御部は、前記光学センサにより、前記ベルトの表面に向けて光を照射し、前記センサ対向ローラの表面からの反射光を含む反射光を検知した結果に基づいて、前記センサ対向ローラの周長に関する情報を取得することを特徴とする画像形成装置。 - 前記センサ対向ローラの表面は、前記センサ対向ローラの軸方向における前記光学センサから光が照射される領域に、前記センサ対向ローラの周方向において分光反射率が異なる第1の領域と第2の領域とを有し、前記第1の領域の分光反射率の方が前記第2の領域の分光反射率よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記光学センサの検知結果に基づいて取得した前記第1の領域又は前記第2の領域の位置に関する情報を基準として、前記センサ対向ローラの周長に関する情報を取得することを特徴とすることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記基準に対応する前記第1の領域又は前記第2の領域は、少なくとも前記センサ対向ローラの軸方向における前記光学センサから光が照射される領域における前記センサ対向ローラの周方向の一部に形成されたマーカー部であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記光学センサの出力と、所定の閾値と、を比較して、前記第1の領域又は前記第2の領域の位置に関する情報を取得することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記光学センサは、前記画像形成部が形成する複数色の画像間の色ずれを補正するための試験用画像を検知するためにも用いられ、
前記制御部は、前記光学センサの出力と、前記閾値とは異なる別の閾値と、を比較して、前記ベルト上の前記色ずれ補正用の試験画像の位置に関する情報を取得することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記ベルトの表面には、前記ベルトの周長を検知するための、前記ベルトの表面とは分光反射率が異なるベルトマーカーが設けられており、
前記光学センサは、前記ベルトマーカーを検知するためにも用いられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記光学センサは、波長が700nm以上の赤外領域に分光感度を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記ベルトは、前記光学センサからの特定波長の光に対して25%以上の分光透過率を有し、かつ、前記光学センサから前記ベルトに向けて光を照射した際に前記光学センサにより検知される反射光のうち前記ベルトの表面からの直接反射光の比率は56%以上であるすることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、取得した前記センサ対向ローラの周長に関する情報に基づいて、前記画像形成部が画像を形成する際の画像形成条件を制御することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記光学センサは、前記画像形成部が形成する画像の濃度を制御するための試験用画像の濃度に関する情報を取得するためにも用いられ、
前記制御部は、前記画像形成条件としての前記画像の濃度を制御する際に、前記光学センサによる前記濃度制御用の試験用画像の濃度に関する情報の取得結果を前記センサ対向ローラの周長に関する情報に基づいて補正することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。 - 前記センサ対向ローラは、前記ベルトを駆動する駆動ローラであり、
前記制御部は、前記画像形成条件としての前記センサ対向ローラの回転速度を、前記センサ対向ローラの周長に関する情報に基づいて制御することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。 - 画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部が形成する画像を直接又は記録材を介して担持して搬送する無端状のベルトと、
前記ベルトを張架する複数のローラと、
前記ベルトを挟んで前記複数のローラのうちの一つであるセンサ対向ローラに対向して配置され、前記ベルトの表面に向けて光を照射して反射光を検知する光学センサと、
を有する画像形成装置において、
前記ベルトは、前記光学センサが照射する光の少なくとも一部を透過する光透過性を有し、
前記光学センサは、前記ベルトの表面に向けて光を照射し、前記センサ対向ローラの表面からの反射光を含む反射光を検知し、
前記センサ対向ローラは、少なくとも前記センサ対向ローラの軸方向における前記光学センサから光が照射される領域における前記センサ対向ローラの周方向の一部に、周囲よりも分光反射率が低い又は高いマーカー部が形成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記マーカー部は、金属製の前記センサ対向ローラの表面の一部が黒色に着色された領域であるか、又は金属製の基材の表面に弾性層が設けられた前記センサ対向ローラの前記弾性層の一部が設けられておらず前記基材が露出した領域であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018092619A JP2019197197A (ja) | 2018-05-11 | 2018-05-11 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018092619A JP2019197197A (ja) | 2018-05-11 | 2018-05-11 | 画像形成装置 |
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Family Applications (1)
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JP2018092619A Pending JP2019197197A (ja) | 2018-05-11 | 2018-05-11 | 画像形成装置 |
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-
2018
- 2018-05-11 JP JP2018092619A patent/JP2019197197A/ja active Pending
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