JP2011027796A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置における各種状況、或いは環境等に応じて、柔軟に濃度制御を行える画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本画像形成装置は、中間転写体の周長を測定する方式として、トップマーク検知方式及びパターンマッチング検知方式を採用する。さらに、本画像形成装置は、それぞれの周長検知方式の特徴を活かし、所定条件により、周長検知方式を切り替える。
【選択図】図13
【解決手段】本画像形成装置は、中間転写体の周長を測定する方式として、トップマーク検知方式及びパターンマッチング検知方式を採用する。さらに、本画像形成装置は、それぞれの周長検知方式の特徴を活かし、所定条件により、周長検知方式を切り替える。
【選択図】図13
Description
本発明は、電子写真方式によって画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
近年、電子写真方式を用いた画像形成装置の高画質化が進められ、画像形成装置が、自動で画像濃度を制御する機能を有していることが一般的となっている。
画像濃度制御では、一般に、像担持体上に、作像条件を変えながら形成された複数の試験用トナー像(パッチ)を画像形成装置内に配備した画像濃度検知器で検知し、それをトナー付着量に換算し、その換算結果を基に最適な作像条件が決定される。
光学式の画像濃度検知器における検知原理は、像担持体上にトナーが付着していない時の受光素子の出力と像担持体上にトナーが付着している時の受光素子の出力関係を基に実行される。
このとき、像担持体表面の反射率は、像担持体の位置によって異なる。よって、精度よくトナー付着量を演算するためには、像担持体上の同一の位置で、トナーの有り無しの出力を取得する必要がある。そこで、一般的には、トナーが付着していない時の受光素子の下地出力VBを特定の位置で取得した後、像担持体を少なくとも1周させ、同一の位置にパッチを作成して、受光素子のパッチ出力VPを取得する。このように、下地出力VBは、像担持体の下地からの反射光に対応し、パッチ出力VPはパッチからの反射光に対応している。なお、像担持体における同一の位置を特定するには、像担持体の周長の情報を用いる。
しかし、像担持体の周長は、部品のバラツキ、画像形成装置の雰囲気環境などにより変化してしまう。即ち、周長を固定値として取り扱えば、位置の特定に誤差が生じてしまう。そこで、像担持体の周長に関わる情報を動的に測定する必要がある。
このような中、特許文献1によれば、中間転写方式を採用している画像形成装置において、中間転写体の表面にマークを貼り、そのマークからの反射光を光学式センサで受光することにより像担持体の周長を測定する手法が提案されている。当該マークは、中間転写体の像形成に使用される像形成面ではなく、長手方向の端部に設置される。
しかしながら、従来技術においては以下に記載する問題がある。一般的に、特許文献1に記載のようなトップマーク検知を採用する画像形成装置では、像担持体上のトナーをクリーニングする際などにトナーが飛散してしまい、同じく周長検知マークが汚れることがある。像担持体上の周長検知マークが汚れてしまうと周長検知精度が悪化し、結果として濃度制御が上手くいかない場合が発生し得る。
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、画像形成装置における各種状況、或いは環境等に応じて、柔軟に濃度制御を行える画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、例えば、像形成に使用される回転体と、回転体からの光を検出する第1検出手段と、回転体上にパッチを形成するパッチ形成手段と、を備え、第1検出手段により検出されたパッチの検出結果と、パッチが検出された位置での回転体における下地の検出結果と、に基づき濃度情報を求める画像形成装置として実現できる。画像形成装置は、濃度情報を求めるべく、回転体の一部に設けられたマークを検出する第2検出手段に、マークを検出させ、検出結果に基づき、パッチの検出結果と回転体の下地検出結果とを対応付ける第1制御手段と、濃度情報を求めるべく、第1検出手段による検出に基づき取得される回転体の像形成領域に対応する表面についての第1波形データ及び第1波形データが検出された回転体の表面の少なくとも一部を検出対象にした第2波形データをマッチングすることで回転体の周長に関わる情報を求め、周長に関わる情報に基づき、パッチの検出結果と回転体の下地検出結果とを対応付ける第2制御手段と、所定条件に従い、第1制御手段及び第2制御手段の何れかを選択し、実行させる選択手段と、を備えることを特徴とする。
本発明は、例えば、画像形成装置における各種状況、或いは環境等に応じて、柔軟に濃度制御を行える。
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念及び下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
<第1の実施形態>
まず、図1乃至図13を参照して、第1の実施形態について説明する。本実施形態は、カラー画像形成装置に本発明を適用した事例である。なお、本発明は、モノクロ画像形成装置にも適用できる。画像形成装置は、例えば、印刷装置、プリンタ、複写機、複合機、ファクシミリである。また、ここでは、一例として、中間転写方式について説明する。しかし、本発明は、トナー画像をドラム状の像担持体に形成し、そのトナー像を記録材担持体である転写体上を搬送されてくる記録材に転写する方式にも適用できる。なお、記録材は、例えば、転写材、記録媒体、用紙、シート、転写紙と呼ばれることもある。
まず、図1乃至図13を参照して、第1の実施形態について説明する。本実施形態は、カラー画像形成装置に本発明を適用した事例である。なお、本発明は、モノクロ画像形成装置にも適用できる。画像形成装置は、例えば、印刷装置、プリンタ、複写機、複合機、ファクシミリである。また、ここでは、一例として、中間転写方式について説明する。しかし、本発明は、トナー画像をドラム状の像担持体に形成し、そのトナー像を記録材担持体である転写体上を搬送されてくる記録材に転写する方式にも適用できる。なお、記録材は、例えば、転写材、記録媒体、用紙、シート、転写紙と呼ばれることもある。
[画像形成装置システム]
図1は、第1の実施形態に係るカラー画像形成装置の概略断面図である。ここでは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)トナーに対応した4つの画像形成ステーションが設けられている。各画像形成ステーションの構成は、説明の便宜上、現像剤(トナー)の色を除いて共通であるものとする。
図1は、第1の実施形態に係るカラー画像形成装置の概略断面図である。ここでは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)トナーに対応した4つの画像形成ステーションが設けられている。各画像形成ステーションの構成は、説明の便宜上、現像剤(トナー)の色を除いて共通であるものとする。
プロセスカートリッジ32は、感光ドラム2、帯電器3、露光器4、現像器5及びクリーニングブレード6を備えている。これらプロセスカートリッジ(画像形成ステーション)32で形成したそれぞれ色の異なるトナー像が、一次転写ローラ14によって中間転写体である中間転写ベルト31上に順次に一次転写される。中間転写ベルト31は、像形成に使用される回転体の一例である。中間転写ベルト31上に形成された多色画像は、記録材S上に二次転写ローラ35によって二次転写される。記録材Sは、給紙ユニット15から搬送されてくる。その後、定着器18が記録材S上に多色画像を定着させる。なお、中間転写ベルト31に残存しているトナーは、クリーナ33によって回収される。
光学センサ104は、画像濃度制御、及び後述する中間転写ベルト31の実周長を求めるために(パターンマッチング検知方式)に用いられる光学検知センサである。光学センサ105は、同じく中間転写ベルト31の実周長を求めるために(トップマーク検知方式)に用いられる光学検知センサである。基準マーク12はトップマーク検知方式を実施する際の基準となるマークである。本実施形態では、基準マーク12は、反射率の高い白色のシールであり、中間転写ベルト31上の非画像形成部に設けられている。
感光ドラム2は、繰り返し使用される回転ドラム型の電子写真感光体であり、予め決められた周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。プロセススピードは、例えば、180mm/secである。感光ドラム2は、一次帯電器3の一次帯電ローラにより予め決められた極性・電位に一様に帯電処理される。露光器4は、例えば、レーザダイオード、ポリゴンスキャナ、レンズ群、等を備え、感光ドラム2を画像露光する。これにより、感光ドラム2には、静電潜像が形成される。
次いで、現像器5により、像担持体に形成された静電潜像へトナーを付着させるための現像処理が行われる。現像器5の現像ローラは感光ドラム2に対して順方向に回転しながら、感光ドラム2に対して接触するように配設されている。
中間転写ベルト31は、各感光ドラム2と接触しながら、感光ドラム2とほぼ同じ周速度をもって、駆動ローラ8の作用で回転駆動する。中間転写ベルト31の像形成に使用される像形成面(以下、表面と称する。)は、例えば、黒色で反射率が比較的に大きいとする。中間転写ベルト31は、ベルト製造時の公差(理想寸法値に対して±1.0mm程度)や、使用環境の温度・湿度による変動(15℃10%環境〜30℃80%環境で約5mm程度変動する)で伸び縮みする。しかし、テンションローラ10により張架されている為、中間転写ベルト31は、周長が変動したとしても、正常に回転移動出来る。
一次転写ローラ14は、例えば、10E7〜10E9Ωに抵抗調整されたソリッドゴムローラである。なお、一次転写後に感光ドラム2上に残留する残トナーは、クリーニングブレード6によって除去回収される。
給紙ユニット15から給紙された記録材Sは、予め決められたタイミングにて駆動回転するレジストローラ対17によって、中間転写ベルト31と二次転写ローラ35のニップ部に向けて給送される。続いて、二次転写ローラ35に印加した高圧による静電気の作用で、中間転写ベルト31上のトナー画像が記録材Sに転写される。
[画像形成装置の制御構成]
図2は、第1の実施形態に係る制御部の一例を示すブロック図である。CPU101は、ROM102に格納された各種制御プログラムに基づいてRAM103を作業領域に用い画像形成装置の各部を制御する。ROM102には、各種制御プログラム、各種データ、テーブルなどが格納されている。RAM103にはプログラムロード領域、CPU101の作業領域、各種データの格納領域などが確保される。なお、図2中のCPU101には、特に特徴的機能として、周長測定部111及び濃度制御部112が含まれている。
図2は、第1の実施形態に係る制御部の一例を示すブロック図である。CPU101は、ROM102に格納された各種制御プログラムに基づいてRAM103を作業領域に用い画像形成装置の各部を制御する。ROM102には、各種制御プログラム、各種データ、テーブルなどが格納されている。RAM103にはプログラムロード領域、CPU101の作業領域、各種データの格納領域などが確保される。なお、図2中のCPU101には、特に特徴的機能として、周長測定部111及び濃度制御部112が含まれている。
駆動制御部108は、CPU101からの命令にしたがって、感光ドラム2、帯電器3、露光器4、現像器5、中間転写ベルト31を駆動するためのモータや、帯電バイアスや現像バイアスなどを制御する。
不揮発メモリ109は、画像濃度制御実行時の光量設定データや中間転写ベルト31の周長の情報など、各種データを保存する記憶装置である。
周長測定部111は、光学センサ104、105により中間転写ベルト31から取得されたデータに基づいて、中間転写ベルト31の周長を測定する。光学センサ105は、トップマーク検知方式で中間転写ベルト31の周長を測定する際に、基準マーク12を検知するために用いられる。したがって、光学センサ105は、基準マーク12を検知できる簡易的なセンサであればよい。一方、光学センサ104は、パターンマッチング検知方式で中間転写ベルト31の周長を測定する際に、実周長に関わる情報を求めるために用いられる。また、光学センサ104は、濃度制御を行うためにも用いられる。光学センサ104の詳細については、図3を用いて後述する。周長測定部111は、回転体の実周長に関わる情報を求める上での演算手段の一例である。ここで、実周長に関わる情報とは、回転体が回転している中で、ある時間のある位置と同一の位置をある時間後に特定/検出する上で必要となってくる、何かしらの原因で変動する回転体の周長を把握する為の情報を意味する。例えば、回転体の公称(製造公差や環境変動がない場合の理想寸法値)の周長から経時変化により伸縮した長さ(後述するXプロファイル結果)や、回転体の1周分の実周長情報(後述の式3で表される実周長)がこれに相当する。また、情報の実体として、時間を表すデジタルデータ(カウント値)であっても良いし、長さを表すデジタルデータ(カウント値)であっても良い。
濃度制御部112は、光学センサ104を用いて取得したパッチ画像からの反射光量と、光学センサ104又は光学センサ105を用いて求められた中間転写ベルト31の実周長に関わる情報や基準マーク12の位置情報と、を用いて像形成条件を調整する。
また、本実施形態では、CPU101で周長測定や濃度制御を実行する例を説明する。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)やSOC(System On Chip)が画像形成装置に実装されている場合には、これらに周長測定や濃度制御の処理の一部或いは全てを実行させても良い。ここで、SOCとは、CPUとASICを一体化して同一パッケージに設けたチップを示す。このように、周長測定や濃度制御をASICで実行すればCPU101の処理負荷を低減させることができる。
[光学センサ]
図3は、光学センサ104の一例を示す図である。光学センサ104は、LEDなどの発光素子301、フォトダイオード等のふたつの受光素子302、303及びホルダーを備えている。発光素子301は、例えば、中間転写ベルト31上のパッチや下地に赤外光(波長950nm)を照射する。受光素子302、303は、そこからの反射光量を測定する。CPU101の濃度制御部112は、光学センサ104によって得られた反射光量に基づいて、濃度情報としてトナー付着量を演算する。
図3は、光学センサ104の一例を示す図である。光学センサ104は、LEDなどの発光素子301、フォトダイオード等のふたつの受光素子302、303及びホルダーを備えている。発光素子301は、例えば、中間転写ベルト31上のパッチや下地に赤外光(波長950nm)を照射する。受光素子302、303は、そこからの反射光量を測定する。CPU101の濃度制御部112は、光学センサ104によって得られた反射光量に基づいて、濃度情報としてトナー付着量を演算する。
パッチや下地からの反射光には正反射成分と乱反射成分が含まれている。受光素子302は、正反射成分と乱反射成分の両方を検出し、受光素子303は、乱反射成分のみを検出する。中間転写ベルト31上にトナーが付着すると、トナーによって光が遮断されるため、正反射光は減少する、即ち、受光素子302の出力は低下する。
一方、本実施形態で使用した950nmの赤外光を、黒トナーは吸収し、イエロー、マゼンタ、シアントナーは乱反射させる。よって、中間転写ベルト31上のトナー付着量が増大すると、イエロー、マゼンタ、シアンに関しては、受光素子303の出力が大きくなる。なお、受光素子302も、トナー付着量が増大したことによる影響を受ける。即ち、イエロー、マゼンタ、シアンに関しては、トナーで中間転写ベルト31を完全に遮断しても、受光素子302の出力はゼロにはならない。
本実施形態において、発光素子301の照射角度を15°、受光素子302の受光角度を15°、受光素子303の受光角度を45°に設定してある。これらの角度は、中間転写ベルト31の垂線と光軸とのなす角度である。なお、受光素子302のアパーチャ径(aperture diameter)は、受光素子303のアパーチャ径よりも小さくしてある。これは、乱反射成分の影響をできるだけ小さくするためである。
[画像濃度制御の必要性]
画像形成装置100では、中間転写ベルト31の対向部に光学検知手段としての光学センサ104が配置される。一般に、カラー画像形成装置では、消耗品の交換、環境の変化(温度、湿度、装置の劣化など)、印刷枚数等の諸条件によって、各ユニットや記録材の電気特性やトナーに対する付着力が変化する。特性の変化は、画像濃度の変動、色再現性の変化として顕在化する。
画像形成装置100では、中間転写ベルト31の対向部に光学検知手段としての光学センサ104が配置される。一般に、カラー画像形成装置では、消耗品の交換、環境の変化(温度、湿度、装置の劣化など)、印刷枚数等の諸条件によって、各ユニットや記録材の電気特性やトナーに対する付着力が変化する。特性の変化は、画像濃度の変動、色再現性の変化として顕在化する。
そこで、本実施形態では、常に正確な色再現性が得られるようにするため、非画像形成状態において、作像条件を変えながら、複数のパッチ(トナー像)を試験的に形成し、それらの濃度を光学センサ104で検知する。なお、作像条件の種類としては、帯電電圧、露光強度及び現像電圧等の条件や、ハーフトーン画像を形成する際のホスト側からの入力信号を出力画像データへ変換する際のルックアップテーブル設定等がある。使用する環境の変化や各種消耗品の使用履歴などにより色味は変動するため、常に色味を安定させるために、定期的にこの画像濃度制御を実行する必要がある。また、ここでの非画像形成状態とは、通常のユーザが作成したドキュメント等を画像形成していない状態を指す。そして、その検知結果を基に、濃度制御部112が画像濃度制御を実行する。画像濃度に影響を与える因子としては、帯電バイアス、現像バイアス、露光強度、ルックアップテーブル等がある。本実施形態では、ルックアップテーブルの補正により像形成条件を調整する例を説明する。画像濃度制御の具体的な動作については後述する。
[実周長に関わる情報の測定の必要性]
図4は、中間転写ベルト上の複数の位置における下地出力の変動とパッチ出力の変動とを例示した図である。各パッチは、同一のハーフトーン濃度で形成されたトナー像である。下地出力は、中間転写ベルトにパッチが形成されていないときに受光素子302によって検出された反射光の光量である。また、パッチ出力は、中間転写ベルトに形成されたパッチについて受光素子302によって検出された反射光の光量である。図4が示すように、受光素子302の出力は、本実施形態の像担持体(回転体)である中間転写ベルト31の表面反射率の影響を受ける。そのため、同一の濃度でパッチを形成したにもかかわらず、パッチ出力の値が異なっている。受光素子303に関しても同様である。
図4は、中間転写ベルト上の複数の位置における下地出力の変動とパッチ出力の変動とを例示した図である。各パッチは、同一のハーフトーン濃度で形成されたトナー像である。下地出力は、中間転写ベルトにパッチが形成されていないときに受光素子302によって検出された反射光の光量である。また、パッチ出力は、中間転写ベルトに形成されたパッチについて受光素子302によって検出された反射光の光量である。図4が示すように、受光素子302の出力は、本実施形態の像担持体(回転体)である中間転写ベルト31の表面反射率の影響を受ける。そのため、同一の濃度でパッチを形成したにもかかわらず、パッチ出力の値が異なっている。受光素子303に関しても同様である。
中間転写ベルト31の下地の反射率の影響を受けた状態で画像濃度制御を実行すると、印刷したハーフトーンの濃度データと受光素子302、303の出力との相関が小さくなる。よって、画像濃度制御の精度が低下してしまう。中間転写ベルト31表面の反射率の影響をキャンセルするには、中間転写ベルト31における同一の位置でのトナー有り無しに対応した受光素子302、303の反射光を測定する必要がある。中間転写ベルト31の表面(下地)の反射率の影響をキャンセルする演算手法に関しては後述する。
一方で、中間転写ベルト31は、製造公差、環境や通紙耐久(装置の長時間稼動)により周長が変動してしまう。中間転写ベルト31の同一位置でトナー有り無しのそれぞれに対応した反射光を測定するためには、中間転写ベルト31の周長を正確に把握する必要がある。伸縮後の周長や、どれだけ中間転写ベルトが伸縮したかを測定できれば、伸縮後の周長或いは伸縮量と、プロセススピードと、に基づき任意の位置が1周する時間を演算できる。演算された任意の位置が1周する時間は、中間転写ベルト31の上の任意の位置が光学センサ104の検知点を通過する周期に相当する。よって、中間転写ベルト31の周期をタイマーにて計時すれば、タイマーのカウント値が中間転写ベルト上の絶対位置を示すことになる。なお、本実施形態における周長測定の詳細な仕組みに関しては後述する。また、本実施形態における任意の位置とは、例えば複数の計測可能開始タイミングが予め定められており、計測開始の指示入力から、最も近い計測開始タイミングが到来した時に計測開始する場合の位置も含む。以下の説明において、「任意の位置」や、「任意のタイミング」なる、言葉を用いて説明を行なうが、今説明したような場合も、意味として含むものとする。
[画像濃度制御]
次に、本実施形態における画像濃度制御の具体例について図5、図6を用いて説明する。以下で説明する処理は、CPU101によってROM102に格納された制御プログラムがRAM103にロードされて実行される。
次に、本実施形態における画像濃度制御の具体例について図5、図6を用いて説明する。以下で説明する処理は、CPU101によってROM102に格納された制御プログラムがRAM103にロードされて実行される。
図5は、第1の実施形態に係る画像濃度制御の一例を示すフローチャートである。ステップS501で、濃度制御部112は、中間転写ベルト31の回転動作を開始する。ステップS501と並行したステップS502で、濃度制御部112は、不揮発メモリ109に格納された画像濃度制御実行時の光量設定で、光学センサ104を発光させる。
ステップS503で、濃度制御部112は、中間転写ベルト31を2周させるよう駆動制御部108に命令する。駆動制御部108は、中間転写ベルト31の駆動モータを制御して、中間転写ベルト31を2週させる。これにより、中間転写ベルト31上に付着したトナーがクリーナ33の作用で、除去される。ステップS503と並行したステップS504で、濃度制御部112は、受光素子302、303からの出力信号を監視し、光学センサ104の発光が安定するまで待機する。発光が安定したことを確認すると、ステップS505に進む。
ステップS505で、濃度制御部112は、中間転写ベルト31自体(即ち下地)からの反射光について受光素子302、303からの反射光信号Bb、Bcの取得を開始する。反射光信号Bbは、受光素子302から出力された下地出力に対応している。また、反射光信号Bcは、受光素子303から出力された下地出力に対応している。
ステップS506で、濃度制御部112は、中間転写ベルト31上に形成された低濃度から高濃度に至る各階調に対応したパッチ画像からの反射光信号Pb、Pcを取得する。反射光信号Pbは、受光素子302から出力されたパッチ出力に対応している。また、反射光信号Pcは、受光素子303から出力されたパッチ出力に対応している。具体的に説明すると、まず、濃度制御部112は、中間転写ベルト31がさらに1周回転するまで待機する。その後、濃度制御部112は、色毎のパッチ形成(図6)をするよう、各画像形成ステーションを制御する。なお、反射光信号Pb、Pcは、パッチ画像の中央部において反射された反射光に対応している。
図6は、発光タミング、中間転写ベルトの回転タイミング及びパッチ画像の形成タミングの一例を示した図である。発光素子の安定するまでの待機時間に中間転写ベルトのクリーニングが実行される。その後、下地出力が検出され、続いて、パッチ出力が検出される。パッチ画像は、各画像形成ステーションごとに、単色で形成される。ただし、各色のパッチ画像は濃度(画像形成条件)が異なっている。
なお、ステップS505とS506では、中間転写ベルト31上の同一位置で下地出力とパッチ出力とが取得されるよう、制御される。このような位置の制御は、上述したように、周長を用いたタイミング制御によって実現される。即ち、濃度制御部112は、任意の位置で下地を出力した時刻(タイミング)から、周長測定部111によって得られた周長に相当する時間が経過した時刻(タイミング)にパッチ出力を取得する。これによって、同一の位置で取得された下地出力とパッチ出力とを対応付けることができる。なお、時刻は、時計の時刻である必要は無く、タイマーによるカウント値で十分である。このように、濃度制御部112や周長測定部111は、回転体の周長の情報を用いて、回転体上における同一の位置を特定するよう機能する。
受光素子302、303による反射光信号Pb、Pcの取得がすべて完了すると、ステップS511に進み、濃度制御部112は、光学センサ104の発光素子301を消灯させる。
また、ステップS511と並行したステップS507で、濃度制御部112は、取得した各階調に対応したパッチ画像の検出結果であるパッチ出力及び対応する下地出力に基づきトナー付着相当量を算出する。トナー付着相当量は、概ね、中間転写ベルト上に付着したトナーの付着量(トナー付着量)の逆数になっている。なお、換算方法は、種々のものが考えられる。尚、このトナー付着相当量も、濃度に密接に関連する情報であり、濃度情報の1つとして捉えることができる。
例えば、Bb、Bc、Pb、Pcを用いて、以下のような式で演算することが可能である。
トナー付着相当量=(Pb−α*(Pc−Bc))/Bb ・・・(式1)
ここで、αは定数であり、ROM102、RAM103又は不揮発メモリ109に格納されているか、これらに格納されているデータから演算された値であってもよい。αは、機種ごとに異なる可能性があるため、実験やシミュレーションによって定められよう。
ここで、αは定数であり、ROM102、RAM103又は不揮発メモリ109に格納されているか、これらに格納されているデータから演算された値であってもよい。αは、機種ごとに異なる可能性があるため、実験やシミュレーションによって定められよう。
上述したように、トナー付着相当量の値が小さくなるほど、実際にはトナー付着量が多くなる。これは、トナー濃度が濃いと反射光が少なくなるためである。式1の分子であるBbは、パッチ画像に光を照射した際に受光素子302によって受光される正味の正反射光(乱反射成分を差し引いたもの)を意味している。さらに、このトナー付着相当量は、ROM102に内蔵してあるテーブル(図7)を用いて、トナー付着量や実際に紙へ印刷した際の実際の画像濃度に換算可能である。
図7は、トナー付着相当量と画像濃度との関係、及びトナー付着相当量とトナー付着量との関係を保持したテーブルの一例を示す図である。このテーブルを用いれば、演算されたトナー付着相当量を、さらに、トナー付着量や画像濃度へ換算できる。なお、上述の(式1)は濃度情報を求める為の演算式の一例であり、他の演算式により濃度情報を求めても良い。
ステップS508で、濃度制御部112は、各色において、各階調の検出結果のトナー付着相当量或いはトナー付着量又は画像濃度への換算結果が、本来の各諧調に対応した値となるようルックアップテーブルを更新する。このルックアップテーブルの更新により、記録材に設定通りの画像濃度を形成することが可能となる。
このように、濃度制御部112は、各下地データと各パッチの検出結果とに基づき、形成される画像の濃度制御を実行する手段の一例である。なお、各下地データは、回転体上における任意の位置を起点とした回転体の全周にわたる回転体の下地からの反射光のデータである。また、パッチの検出結果は、各下地データが取得された位置と同一の位置に別の周回においてトナーにより形成されたパッチからの反射光のデータである。
ステップS507と並行したステップS509で、濃度制御部112は、中間転写ベルト31上に形成したパッチ画像をクリーニングするよう駆動制御部108に命令する。このクリーニングは中間転写ベルト31の2周分行なわれる。クリーニングが完了すると、ステップS510で、濃度制御部112は、中間転写ベルト31の回転を停止するよう駆動制御部108に指示する。
上の説明では、ステップS507において、ステップS505で検出された中間転写ベルト31の下地検出結果と、下地と同一位置で取得されたステップS506のパッチ検出結果とを、対応付けた。そして、パッチ検出結果と、それに対応付けられた中間転写ベルト31の下地検出結果とに、基づき濃度情報を求めるよう説明した。以下、下地検出結果と、パッチ検出結果と、を対応付けて濃度情報を求める方式について幾つか説明する。
[トップマーク検知方式]
まず、中間転写ベルト31の周長を算出するために、基準マーク12を第2検出手段である光学センサ105を用いて複数回検出するトップマーク検知方式について説明する。図8は、第1の実施形態に係るトップマーク検知方式による中間転写ベルト31の周長検知を説明する図である。なお、以下で説明する周長測定部111は第1制御手段として機能する。
まず、中間転写ベルト31の周長を算出するために、基準マーク12を第2検出手段である光学センサ105を用いて複数回検出するトップマーク検知方式について説明する。図8は、第1の実施形態に係るトップマーク検知方式による中間転写ベルト31の周長検知を説明する図である。なお、以下で説明する周長測定部111は第1制御手段として機能する。
まず、CPU101において周長測定の基準となる基準クロックが生成される。次に、中間転写ベルト31の周回に伴い、光学センサ105により中間転写ベルト31上の基準マーク12が検知される。その際、周長測定部111には、光学センサ105から第1の検知信号(ホームポジション信号:HP信号)が入力され、図8に示すように、HP信号の立ち上がる最初の基準クロックからカウントを開始する。周長測定部111は、その後中間転写ベルト31が周回して光学センサ105により再度基準マーク12が検知され、第2の検知信号(HP信号)が入力される直前までの基準クロックの数(カウント値N)をカウントする。つまり、光学センサ105から得られる第1の検知信号から中間転写ベルト31の周回に伴い得られる第2の検知信号までの間の時間が計測される。さらに、周長測定部111は、カウント値Nと中間転写ベルト31の周回速度から、中間転写ベルト31の周長を基準クロックの分解能単位で測定する。そして、濃度制御部112は、ここで求められた中間転写ベルト31の周長の情報に基づき、先の図5のフローチャートにステップS505の下地出力検出結果とステップS506のパッチ画像検出結果とを対応付け、(式1)により濃度情報を求める。
また、トップマーク検知方式によって、濃度情報を求める形態として、上述の形態の他にも、以下の形態を挙げることができる。具体的には、まず、基準マーク12を光学センサ105で検知してからt秒後の下地出力を、光学センサ104により検出及び取得する。このとき、取得されたt秒後の下地出力をRAM103に保存する。また、濃度制御部112は、下地出力を検出した概ねの位置(前後を含む位置)にパッチ画像を形成するよう、各画像形成ステーションを制御する。そして、再度、基準マーク12を光学センサ105で検知してからt秒後に、パッチ画像を光学センサ104により検出・取得し、先にRAM103に保存した下地出力と対応付け、上述の(式1)により濃度情報を求めるようにしても良い。
このように、トップマーク検知方式は、周長の情報を用いて濃度情報を求める形態に限定されない。周長の情報を用いずとも、中間転写ベルト31の一部に設けられた基準マーク12を検出する光学センサ105に、基準マーク12を検出させ、検出結果に基づき、パッチ画像の検出結果と下地出力とを対応付け、濃度情報を求めることができる。
トップマーク検知方式では、基準マーク12がトナーの飛散などにより汚れると、検知精度が悪化し、最悪の場合、検知不能状態に陥ってしまう。したがって、トップマーク検知方式は、中間転写ベルト31の新品時に精度が高く、使用を重ねるにつれて段々精度が悪化するという特性を有する。
[パターンマッチング検知方式]
次に、中間転写ベルト31の周長を算出するために、中間転写ベルト31上における経時変化するパターンを第1検出手段である光学センサ104を用いて検知するパターンマッチング方式について説明する。また、パターンマッチング方式では、後述するように中間転写ベルト31の像形成面についての複数の波形データを検知し、検知した各パターンを用いて中間転写ベルト31の実周長に関わる情報を求める。なお、以下で説明する周長測定部111は第2制御手段として機能する。また、以下では、回転体として中間転写ベルト31の周長を算出する例について説明するが、本発明はこれに限定されず、例えば、回転体として感光ドラム2の周長や記録材担持体である転写体の周長を算出することもできる。感光ドラム2の場合、感光ドラム2の像形成面についての複数の波形データを検知し、感光ドラム2の実周長に関わる情報を求める。なお、ここで像形成面とは、図1において露光器4によって露光される感光ドラム2の表面、又は、感光ドラ2が当接し、かつ、感光ドラム2に形成されたトナー像が転写される中間転写ベルト31の表面を示す。つまり、像形成面とは、感光ドラム2又は中間転写ベルト31における像形成領域に対応した表面を示す。また、記録材担持体である転写体の場合は、記録材を搬送する搬送路の表面が上記像形成領域に対応した表面に相当する。
次に、中間転写ベルト31の周長を算出するために、中間転写ベルト31上における経時変化するパターンを第1検出手段である光学センサ104を用いて検知するパターンマッチング方式について説明する。また、パターンマッチング方式では、後述するように中間転写ベルト31の像形成面についての複数の波形データを検知し、検知した各パターンを用いて中間転写ベルト31の実周長に関わる情報を求める。なお、以下で説明する周長測定部111は第2制御手段として機能する。また、以下では、回転体として中間転写ベルト31の周長を算出する例について説明するが、本発明はこれに限定されず、例えば、回転体として感光ドラム2の周長や記録材担持体である転写体の周長を算出することもできる。感光ドラム2の場合、感光ドラム2の像形成面についての複数の波形データを検知し、感光ドラム2の実周長に関わる情報を求める。なお、ここで像形成面とは、図1において露光器4によって露光される感光ドラム2の表面、又は、感光ドラ2が当接し、かつ、感光ドラム2に形成されたトナー像が転写される中間転写ベルト31の表面を示す。つまり、像形成面とは、感光ドラム2又は中間転写ベルト31における像形成領域に対応した表面を示す。また、記録材担持体である転写体の場合は、記録材を搬送する搬送路の表面が上記像形成領域に対応した表面に相当する。
なお、本実施形態に係る光学センサ104は、好適な発光手段としてLEDを採用している。LEDが照射する光は、コヒーレント光を照射するレーザ等とは異なり、インコヒーレント光である。コヒーレント光は、光の波長や位相が揃っており、物体に反射して得られるスペックルパターンを計測することができ、例えば、物体表面の凹凸を観察する目的で使用される。このようなコヒーレント光を照射するレーザ等は、一般的に高価であるため、製品のコストを増大させてしまう。また、スペックルパターンを計測するには、イメージセンサを用いるのが一般的であり、このイメージセンサは、フォトダイオード等の受光素子を用いる場合と比べて非常に高価になってしまう。したがって、中間転写ベルト31の周長を測定するために、レーザ等と比較して安価なLEDを用いることができる点で有利であるといえよう。
図9は、第1の実施形態における、2つの波形データをCPU101に取得させ、その2つの波形データのマッチング処理に基づき中間転写ベルトの実周長に関わる情報を求める処理を示したフローチャートである。以下で説明する処理は、CPU101によってROM102に格納された制御プログラムがRAM103にロードされて実行される。
まず、ステップS901で、CPU101の周長測定部111は、周長測定を行うべきか否かを判断する。この周長測定を行なうか否かの判断条件としては、以下のような例がある。これは画像濃度制御を行なうか否かの判断に相当する。
・前回の周長測定時からの通紙枚数が所定枚数以上である場合。
・前回の周長測定時の環境から所定値以上の環境パラメータ変動がある場合。
・最後のプリントジョブからの放置時間が所定時間以上の場合。
・プロセスカートリッジが交換された場合。
・前回の周長測定時からの通紙枚数が所定枚数以上である場合。
・前回の周長測定時の環境から所定値以上の環境パラメータ変動がある場合。
・最後のプリントジョブからの放置時間が所定時間以上の場合。
・プロセスカートリッジが交換された場合。
次に、ステップS902で、周長測定部111は、中間転写ベルト31を駆動するよう駆動制御部108に命令する。これにより、中間転写ベルト31の駆動が開始される。
ステップS903で、周長測定部111は、光学センサ104の発光素子301を画像濃度制御時と同等の光量で発光させる。発光素子301から出力された光は、下地で反射され、その反射光が受光素子302によって受光される。受光素子302は、反射光の光量に応じて信号を出力する。
ステップS904で、周長測定部111は、受光素子302が受光した反射光の出力値についての、1周目のサンプリングを実行する。各サンプリングポイントにおける反射光出力値は1周目の波形プロファイル(第1波形データ)としてRAM103に格納される。即ち、周長測定部111は、パターンを波形プロファイルとして取得する取得手段の一例である。また後述で説明するが、この周長測定部111は、波形プロファイルを複数回取得するので、夫々のタイミングでの取得を第1取得、第2取得などと呼ぶこともできる。なお、1周目の波形プロファイルは、任意の位置からサンプリングが開始されるため、回転体上の任意の区間における反射光の任意プロファイルといえよう。以下の説明においては、波形プロファイルという言葉を用いて説明を行なうが、波形プロファイルとは計測された波形データの特性又は特徴を意味する。
このサンプリングは、例えば、0.1mm周期で、1000データを取得する。これは、100mmに相当する。公称の周長が約800mmであることを考慮すると、100mmは、全体の約1/8の長さとなる。なお、1周目の測定開始タイミングは、任意のタイミングである。即ち、従来のように、特定のマークが検知点に到来するまで、中間転写ベルトを回転させる必要がない。これは、ダウンタイムの短縮に繋がる。また、このサンプリングでは、中間転写ベルト31の1周分のデータを取得する必要はなく、全体の約1/8の長さのデータを取得するだけでよいため、取得したデータを格納するためのメモリ消費量を低減させることができる。
図10は、RAM103から取得される2つの波形データについて、各サンプリングポイントと反射光出力値の関係の一例を示す図である。図10によれば、1周目の波形プロファイルと、2周目の波形プロファイルとが示されている。2周目の波形プロファイルに含まれるサンプル値が1周目の波形プロファイルに含まれるサンプル値よりも多いのは、ずらし領域が存在するからである。ずらし領域は、公称の周長に対するずらし量を求めるために設けられたマージンである。ずらし領域は、中間転写ベルト31の周長変動量(伸縮特性)の最大値である最大周長変動分を考慮して決定される。
周長測定部111は、1周目の波形データの検出タイミングを基準に(例えばサンプリングの開始と同時に)2周目のサンプリング開始タイミングを決定するためのタイマーを起動させる。2周目の波形データのサンプリングは、1周目、2周目の波形データのうち、何れか一方の波形データの像形成面の区間が、他方の波形データに対応する像形成面の区間に含まれるように、行なわれる。言い換えれば、周長測定部111がRAM103から2つの波形データを取得した場合、一方の波形データに対応する像形成面での区間が、他方の像形成面での区間に包含されていることになる。従って、1周目の波形データの検出タイミングを基準として、中間転写ベルト31が1周長だけ回転する為に必要な予め定められた基準時間から所定時間調整されたタイミングで2周目の波形データのサンプリングが行なわれ、それがRAM103に格納される。そして、図9の場合では、タイマーには、公称の1周長から最大周長変動分の半分の値を差し引いて得られた値が設定される。なお、タイマーを設定する際に公称の1周長から差し引かれる値は、最大周長変動分の半分の値に限定されることはない。計測エラーが頻繁に出ない程度であれば、所定の値を設定するようにしても良い。そして、タイマーに従ったタイミングが到来すると、ステップS905に進む。
また、図10に示されるように、RAM103から取得される波形データは、回転体としての中間転写ベルト31の一部の区間に対応するものであり、サンプリングにおいてRAM103に格納すべきデータ量を少なくでき、メモリ使用量を抑えることができる。
ステップS905で、周長測定部111は、受光素子302が受光した反射光の出力値についての、2周目のサンプリングを実行する。ここでは、2周目のサンプリング数は、1周目のサンプリング数よりも多く長い検出時間に対応したものとなっている。この一方の波形データが他方の波形データよりも長いサンプリング時間(検出時間)に対応したものとするのは、公称の周長に対するズレ量(ずらし量)を考慮しているからである。
図11は、1周目のサンプリング開始タイミングt1から2周目のサンプリング終了タイミングt6を説明するための図である。なお、t1は、1周目のサンプリング開始タイミング(第1タイミング)を示している。t2は1周目のサンプリング終了タイミング、t3は2周目のサンプリング開始タイミング(第2タイミング)を示している。また、t4はt1を起点として公称の周長に対応したタイミング、t5は周長の伸び量が最大となったときのタイミングである。
t1からt2までの時間は、1周目のサンプリング期間(第1期間)を示す。また、t3からt6までの時間は、2周目のサンプリング期間(第2期間)を示す。
t1からt3までの時間は、中間転写ベルト31の周長が変動により最短となる場合に、中間転写ベルトが1周するのに必要となる最短時間に相当する。即ち、t1からt3までの時間は、中間転写ベルトの公称の周長から、最大周長変動分の半分を差し引いた長さをプロセススピードで除算することで得られた時間である。これは1周目のサンプリング開始点が2周目の波形プロファイルを取得した区間に含まれるようにすることを目的としている。従って、多少余分にサンプリングを行なうのであれば、t1からt3までの時間を更に短くしても良い。
また、t1からt4までの時間は、中間転写ベルト31の公称の周長をプロセススピードで除算することで得られる時間である。即ち、t1からt4までの時間は、中間転写ベルト31が公称の周長である場合の1回転するために必要となる基準時間を示す。
2周目のサンプリング間隔は、1周目と同様に0.1mm間隔である。ただし、2周目のサンプリング数は1周目のサンプリング数よりもずらし量の分だけ多い。1周目のサンプリング数が1000ポイントで、ずらし量が100ポイントであれば、2周目のサンプリング数は1100ポイントとなる。ここでは、最大周長変動分を10mmとしている。2周目の波形プロファイル(第2波形データ)もRAM103に格納される。各サンプリングポイントと反射光出力値との関係は、図10に示したとおりである。
なお、図9のフローチャートでは、サンプリングしたデータの全てを波形データとして取り扱うよう説明するが、これに限定されるものでない。要は、後述のパターンマッチング演算の為のデータを取得できれば良い。例えば、サンプリングを、上で説明した開始及び又は終了タイミングに対して余分に行い、その中から、パターンマッチング演算に必要な2つの波形データをメモリから取得するような形態でも良い。以下の説明では、好適な場合として、パターンマッチング演算に用いる分のみのサンプリングを行なう例を説明する。
1周目及び2周目のサンプリング終了後、ステップS906でずらし量を示す変数Xをゼロに初期化する。なお、周長測定部111は、2周目の波形プロファイルの中でそれぞれ異なるずらし量だけずらされてなる1周目の波形プロファイルと同じ長さの複数の波形プロファイル(第3波形データ)と、1周目の波形プロファイルとを後述のように比較する。即ち、第3波形データは、1周目の波形プロファイルが取得された区間の開始位置を起点として公称の1周長に基づく基準位置からそれぞれ異なるずらし量でずらされた複数の区間における反射光の比較プロファイルといえる。
ステップS907で、2つの波形データのパターンマッチング処理を行なうべく、周長測定部111は、1周目の波形プロファイルと2周目の波形プロファイル(第3波形データ)とについて差分絶対値の積算を実行する。積算は、例えば、以下の式に基づいて実行する。
ここで、I(X)は、ずらし量がXのときの積算値を示している。V1周目(i)は1周目のポイントiにおける反射光出力値を示している。V2周目(i+X)は2周目のポイントi+Xにおける反射光出力値を示している。なお、X=0,1,2,…,100である。
ステップS908で、周長測定部111は、積算値I(X)をRAM103に格納する。ステップS909で、周長測定部111は、Xの値を1つ増分する。ステップS910で、周長測定部111は、Xの値が最大ずらしを超えたか否かを判定する。超えていなければ、ステップS907に戻る。超えていれば、ステップS911に進む。このようにして、X=0からX=100となるまですべてのXに対する積算値I(X)が演算される。
ステップS911で、周長測定部111は、演算した複数の積算値I(X)のうち最小値を決定する。この最小積算値を求める処理により、2つの波形データの一方であるV1周目(i)を基準の波形データとした場合に、そのV1周目(i)にマッチングする波形データを抽出することができるのである。また同じくステップS911では、最小の積算値Iに対応するそのときのXを抽出する。この特定されたXは、予め定められた公称の周長を基準とし、当該基準からのずれ(伸縮)を示すので、基準の波形データとしてのV1周目(i)と、積算値Iが最小になった時のXに対応する波形データと、の間隔に応じた情報(間隔情報)に相当する。つまり、基準の波形データと、積算値Iが最小になった時のXに対応する波形データとの間隔が離れれば、Xの値は大きくなり、他方、狭まればXの値は小さくなる。
図12は、第1の実施形態に係る1周目と2周目の各波形プロファイルと積算値との関係を示す図である。ここでは、2つの波形プロファイル間の相関が最大となるときに積算値が最小になることを示している。これは、同一の地点から検出された反射光出力値は極めて類似しているという事実に基づいている。一方で、異なる位置同士では相関が低く波形プロファイルが類似しないため、積算値は相対的に大きなものとなる。このように、周長測定部111は、複数の比較プロファイルのうち任意プロファイルに最も近い比較プロファイルを抽出する機能を備える。このように、式2により1周目と2周目の波形の相関が高い箇所を特定することにより、中間転写ベルト31の周長に関わる情報が算出される。
ステップS912で、周長測定部111は、中間転写ベルトの周長を把握する為の情報であって、波形データの間隔に応じた情報(間隔情報)である、実周長を演算し、RAM103又は不揮発メモリ109に格納する。よって、RAM103又は不揮発メモリ109は、測定された実周長を示す情報を記憶する記憶手段の一例である。実周長は、例えば、最小の積算値を与えたXの値を用いて次式により演算できる。次式では、抽出された波形データと、基準の波形データとの比較より得られたずらし量と公称の周長とから回転体の実周長を求めている。
実周長=(Xプロファイル結果−XITB理想)*0.1+公称の周長 ・・・式3
ここで、Xプロファイル結果はステップS911で求められた積算値が最小のXを示す。XITB理想はITB周長が公称値であるときのX(ここではX=50)を示す。また、公称の周長は、ITB周長に製造公差や環境変動がない場合の理想寸法値(本実施形態の中間転写ベルト31では792.1mmとなる。)を示す。なお、式3中の(Xプロファイル結果−XITB理想)*0.1の項に関しては、測定された中間転写ベルト31の周長が製造公差や環境変動がない場合の理想寸法値からのずれ(単位:mm)を表す。なお、「*0.1」については、0.1mm間隔でサンプリングした場合に対応し、例えば0.2mm間隔でサンプリングした場合には、0.2を乗算すれば良い。
ここで、Xプロファイル結果はステップS911で求められた積算値が最小のXを示す。XITB理想はITB周長が公称値であるときのX(ここではX=50)を示す。また、公称の周長は、ITB周長に製造公差や環境変動がない場合の理想寸法値(本実施形態の中間転写ベルト31では792.1mmとなる。)を示す。なお、式3中の(Xプロファイル結果−XITB理想)*0.1の項に関しては、測定された中間転写ベルト31の周長が製造公差や環境変動がない場合の理想寸法値からのずれ(単位:mm)を表す。なお、「*0.1」については、0.1mm間隔でサンプリングした場合に対応し、例えば0.2mm間隔でサンプリングした場合には、0.2を乗算すれば良い。
なお、求められた実周長を把握する為の情報を記憶する場合には、時間に換算した情報としても良いし、長さとして記憶しても良い。要は、図7で説明したように、中間転写ベルト31が正確に1周する時間を経過するのを監視する場合に利用できる形態の情報であれば良い。このように、周長測定部111は、抽出された比較プロファイルに対応するずらし量と公称の周長とから回転体の実周長を算出する算出手段としても機能する。
ステップS912で確定した中間転写ベルト31の実周長に関わる情報としての式3で求められた値を用いて、CPU101の濃度制御部112は、上述した画像濃度制御を実行する。なお、実周長に関わる情報として、最小の積算値を与えたXから50を減算した値から伸縮量を求め、当該求められた伸縮量に基づき任意の位置が1周する時間を演算しても良い。この場合、より具体的には、公称の中間転写ベルト31が1周に要する時間に、求められた伸縮量分の時間(負の値の場合には負の値を加算)を加算すれば、画像濃度制御を正確に行なうこともできる。
そして、画像濃度制御実行後、CPU101は、再度ステップS901に戻り、周長測定条件が成立した場合に、図9に示されるフローチャートを実行する。
また、パターンマッチング検知方式では、中間転写ベルト31の新品時において、ベルト表面状態に特徴が出にくく、検出精度が落ちてしまう。したがって、パターンマッチング検知方式は、中間転写ベルト31の新品時に精度が悪く、使用を重ねるにつれてベルト表面状態に特徴が出やすくなり、段々精度が向上するという特性を有する。つまり、上述したトップマーク検知方式の特性と比較すると、パターンマッチング検知方式は、相反する特性を有するといえる。本実施形態に係る画像形成装置は、これら2つの周長検知方式の特性を活かすように、所定の条件(現在の状況)に基づき、最適な周長検知方式を選択して回転体の実周長を測定する。
[周長測定方法の詳細]
次に、図13を参照して、本実施形態におけるトップマーク検知方式及びパターンマッチング検知方式を利用した中間転写ベルト31の周長測定方法の詳細について説明する。上述したように、トップマーク検知方式には、装置の使用を重ねていくにつれて、中間転写ベルト31上に設けられた基準マーク12が汚れてしまい、検知が難しくなり得る。しかし、本実施形態によれば、このような場合に対応し、上述したパターンマッチング検知方式に切り替えることで対応する。しかしながら、パターンマッチング検知方式においても、ある程度の特徴的なムラが形成面上に必要なため、ベルトの材質/製造方法によっては、中間転写ベルト31の表面性が良い新品状態や使用初期では検知不良が生じやすくなることもあり得る。
次に、図13を参照して、本実施形態におけるトップマーク検知方式及びパターンマッチング検知方式を利用した中間転写ベルト31の周長測定方法の詳細について説明する。上述したように、トップマーク検知方式には、装置の使用を重ねていくにつれて、中間転写ベルト31上に設けられた基準マーク12が汚れてしまい、検知が難しくなり得る。しかし、本実施形態によれば、このような場合に対応し、上述したパターンマッチング検知方式に切り替えることで対応する。しかしながら、パターンマッチング検知方式においても、ある程度の特徴的なムラが形成面上に必要なため、ベルトの材質/製造方法によっては、中間転写ベルト31の表面性が良い新品状態や使用初期では検知不良が生じやすくなることもあり得る。
つまり、中間転写ベルト31の使用状況が初期の状態では、トップマーク検知方式の方に検知不良が少なく、中間転写ベルトの耐久が進んだ末期の状態では、パターンマッチング検知方式の方に検知不良が少なくなる。したがって、本実施形態では、中間転写ベルト31の耐久状況に応じて、周長検知方式を適する方式に切り替えることで、検知不良の発生を抑制する。
図13は、第1の実施形態に係る画像濃度制御及び中間転写ベルト31の周長測定の制御手順を示すフローチャートである。以下で説明する処理は、CPU101によってROM102に格納された制御プログラムがRAM103にロードされて実行される。また、本フローチャートは、画像濃度制御の起動条件が成立した場合に実行される。画像濃度制御の起動条件としては、上述した図9のステップS901の判断条件と同様に、前回実行時からの通紙枚数、環境変動、最後のプリントジョブからの放置時間などが想定される。例えば、前回実行時からの通紙枚数が1000枚以上、環境変動が8℃以上、最後のプリントジョブからの放置時間12時間以上である。
まず、ステップS1301において、CPU101は、中間転写ベルト31の現在の状況として累積周回数を確認し、累積周回数が100000回(閾値)に達しているか否かを判定する。つまり、CPU101は、パラメータである累積周回数が閾値と同じか又は閾値を超えるか否かを判定する。なお、累積周回数100000回は一例であり、基準マーク12が汚れてしまい、検知不能状態に陥ってしまう前の枚数を実験的に設定すればよい。中間転写ベルト31の累積周回数は、RAM103に格納されている。したがって、CPU101は、RAM103の所定の値を参照することにより、この判定を行う。ここで、累積周回数が100000回以上であればステップS1303に進み、CPU101は、周長検知方式としてパターンマッチング検知方式を選択し、周長検知を実施する。一方、累積周回数が100000回に達していなければ、ステップS1302に進み、CPU101は、周長検知方式としてトップマーク検知方式を選択し、周長検知を実施する。なお、ここでは、中間転写ベルト31の累積周回数を一例として説明しているが、画像形成装置の記録材への稼動量を示すパラメータであればよい。例えば、画像形成装置の記録材への稼動量を示すパラメータとは、記録材への画像形成枚数、中間転写ベルト31の累積駆動時間、感光ドラム2の累積駆動時間、又は感光ドラム2の累積周回数であってもよい。
次に、ステップS1303において、CPU101は、いずれかの周長検知方式を実施して得られた実周長に関わる情報に基づき、中間転写ベルト31の実周長を算出する。続いて、ステップS1305において、CPU101は、ステップS1304で算出された中間転写ベルト31の実周長を用いて画像濃度制御を行う。画像濃度制御については上述の図5に説明した通りである。また、トップマーク検知方式によって、周長の情報を用いずに濃度情報を求める場合には、ステップS1302の後に、ステップS1305を実行すればよい。
以上説明したように、本画像形成装置は、画像形成装置の累積稼動情報に応じて、トップマーク検知方式とパターンマッチング検知方式とのうち何れか適切な方式を選択し、濃度情報を求める。これにより、基準マーク12が汚れてしまい、検知不能状態に陥って、濃度制御が上手く実行できないという事態を防ぐことができる。また、検知精度が良くなった状態で、パターンマッチング検知方式に切り替えることができる。そして、画像形成装置における各種状況、或いは環境等に応じて、柔軟に濃度制御を行える。
上述の実施形態では、画像形成装置の記録材への稼動量に係る所定条件に応じて、トップマーク検知方式とパターンマッチング検知方式とを選択的に実行する方法について説明した。これは、上記2つの周長検知方式が上記所定条件において、それぞ検知精度が異なるという特徴を利用したものである。具体的には、回転体の新品時や使用初期においてはトップマーク検知方式の検知精度が高く、使用を重ねるにつれてパターンマッチング検知方式の検知精度が高くなるという特徴を利用したものである。しかしながら、本発明は、トップマーク検知方式及びパターンマッチング検知方式に限定されず、特徴の異なる第1方式及び第2方式を所定条件に従って選択的に実行する構成であればよい。
<第2の実施形態>
次に、図14を参照して、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、まず、トップマーク検知方式において、光学センサ105を用いて基準マーク12を検知し、当該基準マーク12が検知できなかった場合にパターンマッチング検知方式を用いて周長検知を行う。なお、本実施形態で使用する画像形成装置、トップマーク検知方式、パターンマッチング検知方式は、第1の実施形態と同様である。したがって、共通な構成、及び方式の説明については省略する。
次に、図14を参照して、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、まず、トップマーク検知方式において、光学センサ105を用いて基準マーク12を検知し、当該基準マーク12が検知できなかった場合にパターンマッチング検知方式を用いて周長検知を行う。なお、本実施形態で使用する画像形成装置、トップマーク検知方式、パターンマッチング検知方式は、第1の実施形態と同様である。したがって、共通な構成、及び方式の説明については省略する。
図14は、第2の実施形態に係る画像濃度制御及び中間転写ベルト31の周長測定の制御手順を示すフローチャートである。以下で説明する処理は、CPU101によってROM102に格納された制御プログラムがRAM103にロードされて実行される。
まず、ステップS1401において、CPU101は、1回目の周長検知方式の選択時にはトップマーク検知方式を選択して周長検知を実施し、光学センサ105によって基準マーク12を検知する。続いて、ステップS1402において、CPU101は、基準マーク12の検知が成功したか否かを判定する。成功した場合は、ステップS1404に進む。一方、失敗した場合は、ステップS1403に進み、CPU101は、パターンマッチング検知方式を選択して周長検知を実施し、ステップS1404に進む。
次に、ステップS1404において、CPU101は、いずれかの周長検知方式を実施して得られた実周長に関わる情報に基づき、中間転写ベルト31の実周長を算出する。続いて、ステップS1405において、CPU101は、ステップS1304で算出された中間転写ベルト31の実周長を用いて画像濃度制御を行う。画像濃度制御については上述の図5に説明した通りである。また、トップマーク検知方式によって、周長の情報を用いずに濃度情報を求める場合には、まず、光学センサ105によって基準マーク12を検知する。そして、ステップS1402でCPU101がYESと判定した後に、ステップS1405を実行すればよい。
以上説明したように、本画像形成装置は、基準マーク12の検知が成功したか否かに応じて、トップマーク検知方式とパターンマッチング検知方式とのうち何れか適切な方式を選択し、濃度情報を求める。これにより、基準マーク12が汚れてしまい、検知不能状態に陥って、濃度制御が上手く実行できないという事態を防ぐことができる。また、検知精度が良くなった状態で、パターンマッチング検知方式に切り替えることができる。そして、画像形成装置における各種状況、或いは環境等に応じて、柔軟に濃度制御を行える。
<第3の実施形態>
次に、図15を参照して、第3の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態及び第2の実施形態を組み合わせた形態について説明する。具体的には、第2の実施形態における基準マーク12の検知が失敗した回数をカウントし、当該カウント数を第1の実施形態における累積周回数の代わりに用いる。
次に、図15を参照して、第3の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態及び第2の実施形態を組み合わせた形態について説明する。具体的には、第2の実施形態における基準マーク12の検知が失敗した回数をカウントし、当該カウント数を第1の実施形態における累積周回数の代わりに用いる。
図15は、第3の実施形態に係る画像濃度制御及び中間転写ベルト31の周長測定の制御手順を示すフローチャートである。以下で説明する処理は、CPU101によってROM102に格納された制御プログラムがRAM103にロードされて実行される。なお、以下の説明で用いる”N”は、基準マーク12の検知が失敗した回数を示す。
まず、ステップS1501において、CPU101は、現在の状況として失敗回数Nが3回に到達したか否かを判定する。ここで、到達していない場合は、ステップS1502に進み、トップマーク検知方式を選択して周長検知を実施し、光学センサ105によって基準マーク12を検知する。続いて、ステップS1503において、CPU101は、基準マーク12の検知が成功したか否かを判定する。成功した場合は、ステップS1504に進み、失敗回数Nを0でクリアし、ステップS1507に進む。一方、失敗した場合は、ステップS1505に進み、CPU101は、失敗回数Nに1を加算し、ステップS1501に戻る。
また、ステップS1501で失敗回数Nが3回(閾値)に到達したと判定した場合、ステップS1506に進み、CPU101は、パターンマッチング検知方式を選択して周長検知を実施し、ステップS1507に進む。
次に、ステップS1507において、CPU101は、いずれかの周長検知方式を実施して得られた実周長に関わる情報に基づき、中間転写ベルト31の実周長を算出する。続いて、ステップS1508において、CPU101は、ステップS1304で算出された中間転写ベルト31の実周長を用いて画像濃度制御を行う。画像濃度制御については上述の図5に説明した通りである。また、トップマーク検知方式によって、周長の情報を用いずに濃度情報を求める場合には、まずステップS1502で、光学センサ105によって基準マーク12を検知し、ステップS1503でCPU101は検知成功を判定する。そしてステップS1503でYESと判定した後に、ステップS1504、ステップS1508を実行すればよい。
なお、ここでは、パターンマッチング検知方式を選択する条件として、トップマーク検知方式の失敗回数が3回に到達した場合とした。しかし、本発明はこれに限定されず、画像形成装置の種類や使用環境等により任意の値を設定してよい。
以上説明したように、本画像形成装置は、回転体の実周長に関わる情報を検知するための周長検知方式として、トップマーク検知方式とパターンマッチング検知方式とを選択して実行し、検知された情報に基づき回転体の実周長を算出する。また、本画像形成装置は、基準マーク12の検知失敗回数に応じて、トップマーク検知方式とパターンマッチング検知方式とのうち何れか適切な方式を選択し、濃度情報を求める。これにより、基準マーク12が汚れてしまい、検知不能状態に陥って、濃度制御が上手く実行できないという事態を防ぐことができる。また、検知精度が良くなった状態で、パターンマッチング検知方式に切り替えることができる。そして、画像形成装置における各種状況、或いは環境等に応じて、柔軟に濃度制御を行える。
<第4の実施形態>
また、上述の実施形態(特に第1、第4の実施形態)では、回転体の実周長に関わる情報を求めるにあたり、少なくとも、片方の波形データ(第1波形データ)の一部を含む他方の波形データ(第2波形データ)を取得するよう説明してきた。言い換えれば、回転体表面を検出し、少なくとも片方の波形データ(第1波形データ)の検出区間の一部を検出対象とした他方の波形データ(第2波形データ)を取得し、実周長に関わる情報を求めるよう説明してきた。以下、この変形例を説明する。
また、上述の実施形態(特に第1、第4の実施形態)では、回転体の実周長に関わる情報を求めるにあたり、少なくとも、片方の波形データ(第1波形データ)の一部を含む他方の波形データ(第2波形データ)を取得するよう説明してきた。言い換えれば、回転体表面を検出し、少なくとも片方の波形データ(第1波形データ)の検出区間の一部を検出対象とした他方の波形データ(第2波形データ)を取得し、実周長に関わる情報を求めるよう説明してきた。以下、この変形例を説明する。
まず、前提として、上述の実施例と同様に、1周目の下地サンプリングにおいて、例えば0.1mm周期で1000データを検出及び取得するものとする。そして変形例として、2周目の下地サンプリングにおいても、0.1mm周期で1000データを検出及び取得し、実周長を求めても良い。この場合には、実周長を求めるにあたり、まず、I(X)を以下の式4のように定義する。
周長測定部111は、X=0からX=100となるまで、全てのXに対する積算値I(X)を演算し、演算した積算値I(X)のうちから最小値を決定する。さらに周長測定部111は、I(X)が最小値となるときのXを抽出して、以下の式5により実周長を求める。
実周長=(X−50)×0.1+(公称の周長) (mm)・・・式5
ここで、1周目の波形データの取得結果(図16の2301)と、2周目の波形データの取得結果(図16の2302、2303及び2304)を図16に示す。この図16に示される1周目、2周目の波形データも、上述の実施形態と同様に、光学センサ104により検出され、RAM103に格納され、CPU101の周長測定部111により取得されたものである。
ここで、1周目の波形データの取得結果(図16の2301)と、2周目の波形データの取得結果(図16の2302、2303及び2304)を図16に示す。この図16に示される1周目、2周目の波形データも、上述の実施形態と同様に、光学センサ104により検出され、RAM103に格納され、CPU101の周長測定部111により取得されたものである。
図16の2302に示されるケースは、出願人が想定する、回転体の実周長が最短の場合のサンプリングデータの取得様子である。2303は回転体の実周長が公称値の場合のサンプリングデータの取得様子であり、2304は回転体の実周長が最長の場合のサンプリングデータの取得様子である。
図16に示される如く、回転体の実周長が公称の周長よりも短い場合には、I(X)が最小となるXは0に近い値を取る。一方、回転体の実周長が公称の周長の時には、I(X)が最小となるXは50となる。さらに、回転体の実周長が公称の周長よりも長い場合には、I(X)が最小となるXは100に近い値を取る。
そして、図16で説明した演算方法によっても、I(X)が最小となるXをもって、一定の高精度なレベルで回転体の実周長を求めることができる。
また、式4は波形プロファイルの計算を差分絶対値の積算にて行っているが、更なる別の演算方法として、標準偏差による演算によっても、周長測定部111により、実周長を、一定の高精度なレベルで求めることができる。この場合、以下の式6を用いて演算する。
上記式6に従う演算により、周長測定部111は、X=0からX=100に変化させた場合夫々のσ(X)を求める。そしてσ(X)が最小となるときのXを求め、式5により、実周長を演算する。なお、標本数Xiが、X=0からX=100にかけて1000から900と変化することになるが、σ(X)が最小となるXをもって、一定の高精度なレベルで実周長を求めることができる。
101…CPU、102…ROM、103…RAM、104、105…光学センサ、106…環境センサ、108…駆動制御部、109…不揮発メモリ、111…周長測定部、112…濃度制御部
Claims (5)
- 像形成に使用される回転体と、前記回転体からの光を検出する第1検出手段と、前記回転体上にパッチを形成するパッチ形成手段と、を備え、前記第1検出手段により検出された前記パッチの検出結果と、前記パッチが検出された位置での前記回転体における下地の検出結果と、に基づき濃度情報を求める画像形成装置であって、
濃度情報を求めるべく、前記回転体の一部に設けられたマークを検出する第2検出手段に、前記マークを検出させ、該検出結果に基づき、前記パッチの検出結果と前記回転体の下地検出結果とを対応付ける第1制御手段と、
濃度情報を求めるべく、前記第1検出手段による検出に基づき取得される前記回転体の像形成領域に対応する表面についての第1波形データ及び前記第1波形データが検出された前記回転体の表面の少なくとも一部を検出対象にした第2波形データをマッチングすることで前記回転体の周長に関わる情報を求め、該周長に関わる情報に基づき、前記パッチの検出結果と前記回転体の下地検出結果とを対応付ける第2制御手段と、
所定条件に従い、前記第1制御手段及び前記第2制御手段の何れかを選択し、実行させる選択手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記選択手段は、
画像形成装置の記録材への稼動量のパラメータが閾値を超えるか否かを判定する手段を備え、
前記パラメータが前記閾値と同じ又は前記閾値を超える場合には前記第2制御手段を選択して実行させ、前記パラメータが前記閾値を超えない場合には前記第1制御手段を選択して実行させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記選択手段は、
前記第1制御手段により前記周長に関わる情報を求める処理が成功したか失敗したかを判定する判定手段を備え、
前記判定手段により失敗したと判定されたことに応じて、前記第2制御手段を選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記第2制御手段は、
前記第1検出手段による検出に基づく前記回転体の像形成領域に対応した表面についての前記第1波形データを取得する第1取得手段と、
前記第1検出手段による検出に基づく前記回転体の像形成領域に対応した表面についての第2波形データであって、前記第1波形データが検出された前記回転体の表面の少なくとも一部を検出対象にした第2波形データを取得する第2取得手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。 - 前記回転体は、像担持体である感光体若しくは中間転写体、又は、記録材担持体である転写体であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
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-
2009
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