JP6260191B2 - 電子楽器、プログラム及び発音音高選択方法 - Google Patents
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Description
このような電子楽器については、例えば特許文献1に記載がある。
例えば、レガート演奏を行う場合のように、前の音と次の音を続けて演奏する場合、前の音の鍵を離鍵する前に、次の音の鍵を押鍵する場合の発音に、不都合があった。
一方、ミスレガート判定時間を長くしすぎると、レガート演奏ではなく一部音を重ねることを意図した演奏であっても、前の鍵の離鍵時に再割り当てを行ってしまい、却って演奏者の意図と異なる発音になってしまうことが考えられる。
また、このような問題は、電子楽器が鍵盤楽器でない場合であっても、それぞれ音高と対応する複数の操作部の操作状態に応じて、発音する音高を選択する場合には、同様に生じ得るものである。
この発明は、装置として実現する他、プログラム、方法、システム、その他任意の形態で実現することができる。
〔第1実施形態:図1乃至図11〕
図1は、本発明の第1実施形態である電子楽器のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示すように、電子楽器10は、CPU11、ROM12、RAM13、記憶装置14、通信インタフェース(I/F)15、検出回路16、表示回路17、音源回路18を備え、これらをシステムバス19により接続している。また、電子楽器10は、CPU11に接続するタイマ21、検出回路16に接続する演奏操作子22及び設定操作子23、表示回路17に接続するディスプレイ24、音源回路18に接続するDAC(デジタルアナログ変換回路)25及びサウンドシステム26も備える。
なお、ROM12には、上記のプログラムの他、音色に対応する波形データなどの各種データファイル、各種パラメータ及び各種テーブル等も記憶する。
記憶装置14は、ハードディスク、半導体メモリ等の記録媒体とその駆動装置の組み合わせの少なくとも1つで構成される。
演奏操作子22は、検出回路16に接続され、ユーザの演奏動作に従い、演奏情報(演奏データ)を供給する。演奏操作子22は、ユーザの演奏操作を受け付けるための、それぞれ音高と対応する複数の操作部を備える。そして、該ユーザの操作部に対する操作開始タイミング及び終了タイミングを、それぞれユーザが操作した操作部に対応する音高の情報を含むキーオンデータ及びキーオフデータとして、検出回路16を通じてCPU11に供給する。また、演奏操作子22は、ユーザの演奏操作に応じてベロシティ値等の各種パラメータを供給することも可能である。なお、本実施例では、鍵盤型の演奏操作子22を備え、上記各操作部が鍵であるとして説明するが、これに限るものではない。
いずれにせよ、ユーザは、設定操作子23を用いて、各種入力及び設定、選択をすることができる。
ディスプレイ24は、電子楽器10の設定のための各種情報や、電子楽器10の動作状態等を表示するための表示手段であり、例えば液晶表示装置や発光ダイオード(LED)等により構成することができる。
以上の電子楽器10において、特徴的な点は、アサイナの動作に関する点である。そこで、次にアサイナの動作についてより具体的に説明する。
図2に示すように、電子楽器10は、発音指示受付部31、操作状態検出部32、割当制御部33、楽音生成部34、キーオフリトリガー制御部35、キーオフリトリガー設定部36、リトリガー解除操作受付部37、および出力部38を備える。これらのうち、発音指示受付部31及びリトリガー解除操作受付部37の機能は演奏操作子22及び検出回路16により実現され、楽音生成部34の機能は音源回路18により実現され、出力部38の機能はサウンドシステム26により実現される。他の各部の機能はCPU11により実現される。
さらに、操作状態検出部32は、キーオフデータを受信した場合に、その旨及びその音高をキーオフリトリガー制御部35に通知し、キーオフ操作に応じてアサイナASに発音する音高の選択を行わせる必要があるか否かを判定させる。この点については後述する。
図3には、4つのアサイナを用いる場合の例であり、各アサイナに設定する規則は、「対象押鍵」及び「優先方式」の項目からなる。「説明」の項目は、これらの項目の情報により定められる規則の内容の理解を助けるための説明であり、選択処理には用いない。
第2アサイナについては、押鍵数が3以下であれば、その押鍵の中で最も高い音高を選択することになる。押鍵数が4以上であれば、低音側3音の中で最も高い音高、すなわち下から3番目の音高を選択することになる。
第3アサイナについては、同様に、押鍵数が2以下であれば、その押鍵の中で最も高い音高を、押鍵数が3以上であれば、下から2番目の音高を選択することになる。
第4アサイナについては、押鍵中の音高全てのうち最も低い音高を選択する規則が設定されていることがわかる。
表にないアサイナについては機能が無効化されていると考えればよい。
また、複数のアサイナが同じ音高を選択しても問題ない。この場合、選択された音高について、複数の音色で発音することになる。
そして、楽音生成部34は、各発音chTCが生成した音響信号をミキシングして出力部38に供給し、楽音の出力を行わせる。
図5乃至図7は、その処理のフローチャートである。
CPU11は、検出回路16からキーオンデータ及び/又はキーオフデータを受信した場合に、所要のプログラムを実行することにより図5のフローチャートに示す処理を開始する。なお、所定閾値以内のタイミング差で行われた操作を同時操作とみなすことは上述の通りである。
次に、CPU11は、検出した操作にキーオン操作が含まれているか否か判断する(S12)。複数の操作を同時に検出した場合、その中に1つでもキーオン操作があればYesとなる。
ここでセットされていれば、CPU11は、第nアサイナAS−nについて設定されている規則に従い、操作中の鍵の音高の中から発音する音高を選択する(S23)。そして、ステップS23で選択した音高で、第nアサイナAS−nと対応する第nパートの発音を開始するよう、楽音生成部34に指示する(S24)。この場合、発音に用いる音色は、第nパートについて設定されている音色である。
ステップS22でNoの場合、第nアサイナについては音高の選択は行わないので、そのままステップS25に進む。
なお、図6の処理を始める前に、初めに全アサイナの発音割り当てフラグを確認し、フラグのあるアサイナについてのみステップS23及びS24を実行するようにしてもよい。この場合、フラグのあるアサイナがなければ、発音割り当て処理自体をスキップできる。
いずれの場合も、その後、CPU11は、現在処理したアサイナが最後のアサイナであるか否か判断し(S37)、最後でなければnを1加算して(S38)、ステップS32に戻って処理を繰り返す。
これらのうち図8乃至図10は、図3に示した4つのアサイナに対するキーオフリトリガーのON/OFF中の設定に応じて、演奏操作に従った各アサイナによる発音音高の選択がどのように異なるかを説明するための図である。いずれの場合も、リトリガー解除操作子の操作はないものとする。
この場合、初めのKON1,2,3のタイミングでは、n1,n2,n3の3つの音高の鍵が押鍵中の状態で各アサイナASが発音する音高を選択する。その結果、第1アサイナAS−1及び第2アサイナAS−2は最高音のn3を、第3アサイナAS−3は下から2番目のn2を、第4アサイナAS−4は最低音のn1を選択する。
次のKOFF1,2のタイミングでは、キーオフ操作された音高n1,n2の発音が停止される。その次のKOFF5のタイミングでは、キーオフ操作された音高n5の発音が停止される。これらのタイミングでも、キーオフリトリガーは行われない。
また、KOFF4のタイミングでも、全てのアサイナが発音させる音高の選択を行う。その結果、第2アサイナAS−2が最高音のn5を選択し、新たに発音を開始する。他のアサイナの選択は変化ないため、それまでの発音を継続する。
しかし、KOFF1,2のタイミングでも、全てのアサイナが発音させる音高の選択は行う。その結果、第1アサイナAS−1及び第2アサイナAS−2の選択は、前回のKOFF4における選択と変わらないものの、第3アサイナAS−3及び第4アサイナAS−4が、この時点で押鍵されている唯一の音高であるn5を選択し、新たに発音を開始する。
また、これに加えてリトリガー解除操作子を設けることにより、さらに演奏者の意図に合った発音を行いやすくなる。
この場合、KOFF5のタイミングで第1アサイナAS−1及び第2アサイナAS−2は音高の選択を行い、押鍵中の音高n1,n2のうち最高音のn2を選択して、新たに発音を開始することになる。
しかし、演奏者がリトリガー解除操作子を操作した状態でKOFF5のタイミングを迎えれば、第1アサイナAS−1及び第2アサイナAS−2は音高の選択を行わない。従って、図10を用いて説明したような、演奏者の意図に合った演奏を行うことが可能となる。
このように、アサイナ毎のキーオフリトリガーの設定を最適なものとしたとしても、常に好適な結果を得られるとは限らないため、リトリガー解除操作子による更なる調整を可能とすることが好ましい。
次に、この発明の第2実施形態の電子楽器について説明する。
この第2実施形態は、ユーザの設定に従ってキーオフリトリガーの有無を決定することに代えて、キーオフ操作の際にアサイナが選択していた音高と、キーオフ操作後の演奏操作子の操作状態に応じてそのアサイナが選択すると予測される音高との音高差が所定値以上である場合にキーオフリトリガーを行わないようにした点が第1の実施形態と異なるのみである。そこで、この相違点についてのみ説明し、第1実施形態と同じ又は対応する構成には、第1実施形態と同じ符号を用いる。
図12の処理において、CPU11はまず、今回キーオフ操作された音高Nの発音をしていたパートと対応するアサイナASが何番目のアサイナであるかの情報を取得する(S41)。これは、キーオフ操作の時点で、発音する音高として音高Nを選択していたアサイナASを探索することに該当する。複数のアサイナが該当すれば、それら全てのアサイナの情報を取得する。この探索は、各アサイナASが保持している、自身が最後に選択した音高の情報に基づき行うことができる。
次に、CPU11は、処理対象のアサイナASについて、図3に示したように設定されている選択規則に従い、(キーオフ操作後の状態で)操作中の鍵の音高の中から、発音すべき音高を選択し、これを音高Mとする(S44)。この音高Mは、キーオフ操作後の演奏操作子の操作状態に応じてアサイナが選択する音高の予測値である。
いずれの場合も、その後、CPU11は、現在処理したアサイナがステップS41で取得した最後のアサイナであるか否か判断し(S50)、最後でなければnを1加算して(S51)、ステップS43に戻って処理を繰り返す。
図13の例において、キーオン操作及びキーオフ操作の順は、図8乃至図10と同じである。ただし、音高n2とn3の間は、図12のステップS45における所定範囲よりも音高差が大きいとする。また、各アサイナと対応するキーオフリトリガーの設定はない。
まず、KOFF3のタイミングでのキーオフリトリガーは、ここでキーオフ操作された音高n3を選択している第2アサイナAS−2が検討対象となる。そして、キーオフ後の操作状態に従い第2アサイナAS−2が選択する音高の予測値は、この時点の最高音のn4である。n3とn4との音高差が所定範囲内であるとすると、CPU11は、第2アサイナAS−2はキーオフリトリガーを行うと決定し、第2アサイナAS−2は音高n4を選択して新たに発音を開始する。
KOFF4のタイミングについても同様であり、n4とn5との音高差が所定範囲内であるとすると、CPU11は、第2アサイナAS−2はキーオフリトリガーを行うと決定し、第2アサイナAS−2は音高n5を選択して新たに発音を開始する。
しかし、全てのアサイナASについてステップS44及びS45の処理を行い、キーオフリトリガーを行うか否かの検討対象とすることも妨げられない。
次に、この発明の第3実施形態の電子楽器について説明する。
この第3実施形態は、キーオフ操作があった場合に、その操作がどの奏法の操作であるか推定し、その推定結果の奏法に基づきキーオフリトリガーを行うか否かを決定するようにした点が第1の実施形態と異なるのみである。そこで、この相違点についてのみ説明し、第1実施形態と同じ又は対応する構成には、第1実施形態と同じ符号を用いる。
なお、ここで説明する例では、検出したキーオフ操作を含む押鍵がレガート奏法の操作か、スタッカート奏法の操作か、それ以外かを推定するようにしている。しかし、これらの一方の奏法のみ考慮したり、その他の奏法について考慮したりしてもよい。
第3実施形態の電子楽器10も、ハードウェアは図1に示した第1実施形態のものと共通である。
図14に示す通り、第3実施形態の電子楽器10は、第1実施形態におけるキーオフリトリガー設定部36に代えて、操作履歴保存部39を備える。
そして、操作状態検出部32は、演奏操作子22の操作を検出する度に、その操作の内容及びその操作を反映させた操作状態の情報を操作履歴保存部39に供給し、操作内容及び操作状態の履歴を保存させる。
図15の内容については発明が解決しようとする課題の項で説明したのでここでは再度の説明は省略する。
ここで、操作履歴保存部39は、操作状態検出部32から操作内容及び操作状態の情報を受け取る度に、新たな情報を操作履歴テーブルに追加する。このとき、レガート奏法に関する推定を行うだけであれば、各時刻は正確に計時する必要はなく、順序が特定されていればよい。しかし、スタッカート奏法に関する推定を行う場合には、各操作の時刻を正確に計時して記録する。図16の例では、時刻の欄に、t(1)から始まってt(2)、t(3)、・・・のように、順序を示す変数nを用いてt(n)で各時点の時刻を示しているが、実際の内容を、単なる順序を示す情報とするか、正確な時刻とするかは、どの奏法についてどのような推定を行うかに基づき定めればよい。
操作内容の項目には、操作状態検出部32から通知された操作内容の情報を、操作された鍵の音高を用いて登録する。この操作内容の履歴を時系列的に参照することにより、鍵の操作順を把握することができる。
次に、KON3のタイミングで音高n3の鍵がキーオン操作されたことに対応して、次の時刻t(2)において押鍵中の音高がn1、n2、n3及びn4であり、この時点の操作内容がn3のキーオンであることを登録する。以降も同様にKOFF4、KOFF1,2、KOFF3の時点の情報を、時刻t(3)、t(4)及びt(5)の時点情報として登録する。
なお、図16に示した押鍵状態と操作内容の情報は、一方が時系列的に参照可能であれば、他方の情報は、上記一方の情報に基づき作成可能である。従って、必ずしも両方の履歴を保存しておく必要はない。また、後述のように、この履歴は、直近の時点から大きく遡って参照するものではないので、記憶容量を圧迫しないよう、適当な数のデータを残して古いものは随時削除してしまって差し支えない。
ここで、図17に、第3実施形態におけるリトリガー設定処理のフローチャートを示す。なお、キーオフ操作が複数あった場合には、その各キーオフ操作について、リトリガー設定処理を行う。
次に、CPU11は、操作履歴テーブルを参照して、今回検出したキーオフ操作が、所定の条件を満たすか否か判断する(S62〜S65)。これらの判断は、今回検出したキーオフ操作がレガート奏法の操作であるか否かを推定するためのものである。
また、音高Mと音高Nの間の音高の鍵が操作中でないという条件(音高順の条件)は、レガート演奏の特性を考慮したものである。すなわち、図15のような操作が行われるのは典型的にはレガート演奏の場合であるが、この場合、続けて押鍵される2つの鍵の間の音高で、押鍵が移行するタイミングに他の鍵が押鍵されることは希である。そこで、間で他の鍵が押鍵されていれば、それはレガート演奏ではなく、音数を変えることを意図した演奏であると解釈し、発音音高の再選択を行わないようにすることが好ましい。
レガート演奏の場合、続けて押鍵される2つの鍵の音高が大きく離れることは希であるが、メロディーと伴奏であれば、通常は押鍵される鍵の音高はある程度離れていると考えられるためである。
ステップS62〜S65で用いる条件は、上記の操作順の条件と音高順の条件を、操作履歴テーブルの登録内容と直接対応するようにより具体的なものとした一例である。
i)時刻t(a-1)において検出した操作にキーオンがある、
ii)時刻t(a-1)にキーオン操作された音高Mと、今回キーオフ操作を検出した
音高Nとの間に時刻t(a-1)時点で押鍵中の鍵がない、
iii)時刻t(a-2)において音高Nの鍵が押鍵中、
iv)時刻t(a)において音高Mの鍵が押鍵中、
の全てが成り立つか否か判断する。
いずれの場合も、ステップS70又はS71の後、元の処理に戻る。
この点について、図18乃至図21を用いて説明する。
図18は、図15に示した操作に応じて図5、図6及び図17に示した処理を実行し、図3に示した4つのアサイナにより発音する音高を選択させた場合の発音の様子を示す、図8等と対応する図である。
次のKON3のタイミングでは、n1,n2,n3,n4の4つの音高の鍵が押鍵中の状態で各アサイナASが発音する音高を選択する。その結果、第2アサイナAS−2は下から3番目のn3の選択に変わる。他の3つのアサイナの選択は、KON1,2,4のタイミングにおける選択と変わらない。
その結果、図18に示すように、アサイナ毎にキーオフリトリガーの有無を設定しなくても、レガート奏法による音高n3の押鍵に応じて、その前の音高n4の押鍵の時と同じ第1及び第2アサイナAS−1,2と対応する音色T1,T2での発音が可能となる。
この場合、KOFF4のタイミングで第1アサイナAS−1が音高n3を選択することがないので、第1アサイナAS−1と対応する音色での発音は、KOFF4のタイミングで停止されたままとなる。このため、音高n3の押鍵と対応する発音は、第2アサイナAS−2と対応する音色T2のみとなる。
従って、音高n3の押鍵と対応する発音は、音高n4の押鍵と対応する発音と異なる音色でなされることになり、演奏者の意図に合わないものとなってしまう。逆に言えば、図17のリトリガー判定処理を行うことにより、このような不具合を防止することができる。
この場合、初めのKON1,2,3-1のタイミングでは、n1,n2,n3の3つの音高の鍵が押鍵中の状態で各アサイナASが発音する音高を選択する。その結果、第1アサイナAS−1及び第2アサイナAS−2は最高音のn3を、第3アサイナAS−3は下から2番目のn2を、第4アサイナAS−4は最低音のn1を選択する。
この場合、第1アサイナAS−1及び第2アサイナAS−2は、リトリガー時点で最高音のn2を選択し、新規に発音を開始してしまう。そして、その後の音高n3におけるキーオン操作のタイミングで、再度音高n3を選択してまた新規に発音を開始する。従って、演奏者はスタッカート奏法で同じ音を続けて演奏しているにも関わらず、発音される音は、音高n2と音高n3をめまぐるしく繰り返す音となってしまう。
この場合、音高n3におけるキーオフ操作のタイミング(KOFF3-1,
KOFF3-2, KOFF3-3)ではキーオフリトリガーは起こらない。従って、第1アサイナAS−1及び第2アサイナAS−2と対応する音色TG1及びTG2の楽音は、演奏者の意図した演奏内容に合うように、音高n3で若干の間隔を開けて3度発音される。
なお、図17の処理では、キーオフ操作の時点で、発音する音高として音高Nを選択していたアサイナASのみを、キーオフリトリガーを行うか否かの検討対象とし、他のアサイナはキーオフリトリガーを行わないようにした。これは、押鍵中の鍵と対応する音高の発音をそのまま続けられるようにするためである。
以上で実施形態の説明を終了するが、装置の構成、演奏操作子を始めとする操作子の構成、処理に用いるデータの構成、具体的な処理の手順等が上述の実施形態で説明したものに限られないことはもちろんである。
例えば、図17に示したリトリガー判定処理において、レガート奏法と推定する条件を、時刻t(a-1)にキーオンがない場合でも、図17の説明で述べた操作順の条件と音高順の条件が満たされていれば、発音割り当てフラグのセットを行うようにすることも考えられる。その他、図17の説明で述べたi)〜iv)の条件を一部のみ考慮するようにするなど、どのような発音をさせたいかという意図に合わせて、任意に異なる条件を採用可能である。
なお、第1実施形態においては、キーオフ操作が行われたときに、全アサイナASについてステップS32以降の処理を行うようにしていたが、キーオフ操作が行われた音高を選択していたアサイナASについてのみステップS32以降の処理を行うようにしてもよい。
なお、第1実施形態でこのように処理した場合、キーオフ操作された音高で発音していたパートについてのみ図4のリトリガー設定に沿って発音割り当てフラグが立てられ、その他のパートではそもそも発音割り当てフラグが立たなくなる。
また、各アサイナについて設定する音高選択の規則につき、図22に示すように、押鍵数毎に異なる挙動を示すものとしてもよい。図22では第2アサイナと第3アサイナについて押鍵数4までしか規則を規定していないが、5以上の場合について規定してもよい。
また、キーオフリトリガーを一時的に無効にすることを指示するための操作子に代えて、又はこれに加えて、キーオフリトリガーを一時的に有効にすることを指示するための操作子を設けてもよい。この操作子が操作されている間にキーオフ操作があった場合には、全てのアサイナAS、あるいはキーオフ操作が行われた音高を選択していた全てのアサイナASに、強制的に、キーオフリトリガーを行わせることが考えられる。
また、これらの操作子の操作に応じてキーオフリトリガーを一時的に無効にするあるいは有効にするアサイナの範囲を、ユーザが設定できるようにすることも考えられる。
また、汎用コンピュータのキーボードや、タッチパネルに表示したGUI(グラフィカルユーザインタフェース)を、演奏操作子として用いることも考えられる。この場合において、汎用コンピュータに図2等に示した各部の機能を実現させることにより、電子楽器として機能させることができる。また、いずれの場合でも、図2等に示した各部の機能を、複数の装置に分散して設け、それらを協働させて電子楽器10の機能を実現させることもできる。
そして、このようなプログラムをコンピュータに実行させることにより、上述したような効果を得ることができる。
また、以上説明してきた実施形態及び変形例の構成は、相互に矛盾しない限り任意に組み合わせて実施可能であることは勿論である。
従って、この発明を適用することにより、電子楽器の利便性を向上させることができる。
Claims (4)
- それぞれ音高と対応する複数の操作部の操作状態に応じて、発音する音高を選択する1又は複数の選択手段と、
前記選択手段毎に、前記操作部の発音停止操作に応じて該選択手段に発音する音高の選択を行わせるか否かを決定する決定手段と、
前記操作部の発音停止操作があった場合に、前記決定手段が音高の選択を行わせると決定した選択手段に、該発音停止操作後の前記複数の操作部の操作状態に応じて発音する音高を選択するよう指示する制御手段とを備え、
前記決定手段は、ユーザが各選択手段について行った、発音停止操作に応じた発音音高の選択有無の設定に基づき、前記決定を行うことを特徴とする電子楽器。 - 請求項1に記載の電子楽器であって、
前記決定手段は、特定の操作子が操作されている期間は、前記各選択手段のうち予め定めた選択手段について、強制的に、前記発音停止操作に応じた音高の選択を行わせない又は行わせるのうちいずれか一方に決定することを特徴とする電子楽器。 - コンピュータを、
それぞれ音高と対応する複数の操作部の操作状態に応じて、発音する音高を選択する1又は複数の選択手段と、
前記選択手段毎に、前記操作部の発音停止操作に応じて該選択手段に発音する音高の選択を行わせるか否かを決定する決定手段と、
前記操作部の発音停止操作があった場合に、前記決定手段が音高の選択を行わせると決定した選択手段に、該発音停止操作後の前記複数の操作部の操作状態に応じて発音する音高を選択するよう指示する制御手段として機能させるためのプログラムであって、
前記決定手段は、ユーザが各選択手段について行った、発音停止操作に応じた発音音高の選択有無の設定に基づき、前記決定を行うことを特徴とするプログラム。 - 発音を指示する複数の操作部の操作状態に応じて1又は複数の選択手段がそれぞれ発音する音高を選択する選択手順と、
前記選択手段毎に、前記操作部の発音停止操作に応じて該選択手段に発音する音高の選択を行わせるか否かを決定する決定手順と、
前記操作部の発音停止操作があった場合に、前記決定手順で音高の選択を行わせると決定した選択手段に、該発音停止操作後の前記複数の操作部の操作状態に応じて発音する音高を選択するよう指示する制御手順とを備え、
前記決定手順は、ユーザが各選択手段について行った、発音停止操作に応じた発音音高の選択有無の設定に基づき、前記決定を行う手順であることを特徴とする発音音高選択方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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