図1は本発明を適用したアクチュエータの第1実施形態を示す斜視図である。図2は図1中のA−A線矢視図である。なお、両図および以下の図では、アクチュエータの長手方向をX方向とし、アクチュエータの幅方向をY方向(X方向に直交する)とし、アクチュエータの高さ方向をZ方向(X方向およびY方向に直交する)とするXYZ直交座標軸を適宜示す。また、各座標軸の矢印側を正側と適宜称し、各座標軸の矢印の反対側を負側と適宜称する。
このアクチュエータ1は、単一の回転軸2と、回転軸2の回転に伴って移動する移動体3とを備えた単軸ロボットである。アクチュエータ1は、例えばステンレス鋼等の合金鋼あるいはアルミニウム等の金属(軽金属)で構成されたアクチュエータ本体10を備える。アクチュエータ本体10はX方向に延びる長尺プレート形状を有するベース部で構成されている。そして、アクチュエータ本体10の上面に回転軸2やモーターMをはじめとするアクチュエータ1の各構成部品が取り付けられている。
この回転軸2はX方向に平行な軸方向へ直線状に延びるボールネジなどの送りネジであり、アクチュエータ本体10の上面においてY方向の中央に配置されている。また、アクチュエータ本体10の上面では、軸受部材4U、4Dが互いにX方向に離間して固定され、それぞれ回転軸2のX方向の上流側端部および下流側端部を軸支している。このため、回転軸2はアクチュエータ本体10の上面から高さ方向Zに所定距離だけ離間した状態で回転自在に保持されている。
この回転軸2のX方向の下流側端部に対し、モーターMの回転駆動軸(図示省略)がカップリング(図示省略)を介して接続されている。このため、アクチュエータ1に与えられる駆動信号に応じてモーターMが作動すると、モーターMで発生する回転駆動力が回転軸2のX方向の下流側端部、つまり(+X)方向側端部に与えられ、回転軸2が軸方向Xに延びる回転中心線の周りで回転する。
この回転軸2には雄ネジが形成されており、回転軸2に対して送りナット31が螺合されるとともに、当該送りナット31に対してスライダ32が取り付けられている。このため、回転軸2の回転に伴って送りナット31およびスライダ32が移動体3として一体的に回転軸2に沿ってX方向へ移動する。また、この移動体3の移動を安定的に行うために、第1ガイド機構5がアクチュエータ本体10の上面に設けられている。
第1ガイド機構5は、レール固定台511、512と、2本のガイドレール521、522と、移動体用スライダ531、532と、サポート用スライダ54U、54D、55U、55Dとを有している。回転軸2に対して幅方向Yの上流側、つまり(−Y)方向側では、X方向に延びるレール固定台511がアクチュエータ本体10の上面に固定され、さらに当該レール固定台511上でガイドレール521がX方向に延設されている。そして、図1に示すように、ガイドレール521に対してモーターM側からサポート用スライダ54D、移動体用スライダ531およびサポート用スライダ54UがX方向に摺動自在に取り付けられている。一方、回転軸2に対して(+Y)方向側においても、(−Y)方向側と同様に、レール固定台512がアクチュエータ本体10の上面に固定され、当該レール固定台512上でガイドレール522がX方向に延設され、さらにガイドレール522に対してモーターM側からサポート用スライダ55D、移動体用スライダ532およびサポート用スライダ55UがX方向に摺動自在に取り付けられている。
そして、これらのスライダのうち移動体用スライダ531、532に対して移動体3が取り付けられている。より詳しくは、図1に示すように、移動体3を構成するスライダ32の(−Y)側端部および(+Y)側端部がそれぞれ移動体用スライダ531、532の上面に固定されている。そして、いわゆる両持ち状態で第1ガイド機構5に支持されながら、移動体3は第1ガイド機構5にX方向に案内されて往復移動自在となっている。
一方、残りのスライダのうちサポート用スライダ54U、54Dに対してサポート61U、61Dがそれぞれ取り付けられている。これらのサポート61U、61Dは、移動体3に対してそれぞれ軸方向Xの上流側および下流側に位置している。そして、これら上流サポート61Uおよび下流サポート61Dは、第1ユニット62(図3を用いて後に詳述する)に保持された状態でX方向に一体的に移動自在となっている。また、サポート用スライダ55U、55Dに対してサポート71U、71Dがそれぞれ取り付けられている。これらのサポート71U、71Dは、移動体3に対してそれぞれ軸方向Xの上流側および下流側に位置している。そして、これら上流サポート71Uおよび下流サポート71Dは、第2ユニット72(図3を用いて後に詳述する)に保持された状態でX方向に一体的に移動自在となっている。これらのサポート61U、61D、71U、71Dは特許文献1に記載のサポートブラケットと同様に回転軸2の共振防止のために回転軸2を支持可能に構成されている。なお、これらのサポート61U、61D、71U、71Dの基本構成はいずれも同一であるため、次に図2を参照しつつサポート61Dの構成について説明する一方、その他のサポートについては同一または相当符号を付して構成説明を省略する。
このサポート61Dは、フレーム611および軸接触部612を有している。フレーム611は、例えばステンレス鋼等の合金鋼あるいはアルミニウム等の金属(軽金属)で構成され、上方からの平面視で略L字形状を有している。フレーム611では、基端部が上記したようにサポート用スライダ54Dの上面に取り付けられるとともに、当該基端部からY方向に突設した軸対向部の下面に軸接触部612が取り付けられている。
軸接触部612は、X方向の両側から軸対向部にネジ止めされた2個の分割ブッシュ612a、612bにより構成されている。各分割ブッシュ612a、612bは、一対の半円部材で構成されている。各半円部材は例えば樹脂製であり、半円状に切り欠けられた接触部分を有する。こうして対を成す2個の半円部材は接触部分で回転軸2に接触しつつ、Z方向の両側から回転軸2に係合する。このように、軸接触部612は、2個の分割ブッシュ612a、612bそれぞれの接触部分で回転軸2に接触しつつ、回転軸2に沿ってX方向へ移動可能となっている。ちなみに、分割ブッシュ612a、612bと回転軸2の間には若干のクリアランス(遊び)が設けられている。
また、サポート61Dは上記したように第1ガイド機構5によってX方向にガイドされながら往復移動自在となっているが、サポート61DのY方向側の下部、つまり分割ブッシュ612bが第1ユニット62に保持されている。なお、サポート61Uも、サポート61Dと同様に構成され、サポート61Dから(−X)方向に離間した位置でユニット62に保持されている。このため、次に説明するように第1ユニット62が移動体3の移動に連動してX方向に移動すると、サポート61Uおよびサポート61Dは一定の離間距離を維持したまま第1ユニット62と一体的にX方向に移動する。また、サポート71D、71Uも、サポート61D、61Uと同様に構成され、第1ユニット62に続いて説明するように第2ユニット72に保持されるとともに、移動体3の移動に連動してX方向に移動する。
図3は第1ユニットおよび第2ユニットの構成を示す図であり、同図(a)は第1ユニットおよび第2ユニットが第2ガイド機構を介してアクチュエータ本体10に取り付けられた状態を示す一方、同図(b)は取り付け前の状態を示している。また、図4はユニット本体の構成の一部を示す部分斜視図であり、同図(a)は(+Z)方向から見た図であり、同図(b)は(−Z)方向から見た図である。さらに、図5は第2ガイド機構へのユニット本体の取り付け状態を示す部分切欠図である。以下、図2ないし図5を参照しつつ第1ユニット62および第2ユニット72の構成について、この順序で説明する。
第1ユニット62は、図3に示しように、X方向に延びる長尺形状のユニット本体621と、X方向に互いに離間してユニット本体621に対して回転自在に設けられる一対のプーリ622、623と、一対のプーリ622、623間に掛架されるワイヤー624とを有している。ユニット本体621は、プーリ622を回転自在に軸支する第1プーリ支持部621aと、プーリ623を回転自在に軸支する第2プーリ支持部621bと、これらのプーリ支持部621a、621bを連結する連結部621cとを有している。これらの構成部品のうち、プーリ支持部621a、621bは、図2、図4および図5に示すように、YZ断面が略逆U字形状を有する長尺部材で構成されている。例えば薄板形状の金属プレートの幅方向Yの両端部を下方に折り曲げたものや樹脂材料を射出成形したものをプーリ支持部621a、621bとして用いることができる。一方、連結部621cは図4(b)に示すようにプーリ支持部621a、621bの裏面側に形成される凹部に入り込むスラブ形状を有しており、金属材料あるいは樹脂材料で形成されている。そして、プーリ支持部621a、621bの凹部に連結部621cを嵌め込んだ状態で複数のネジで連結部621cがプーリ支持部621a、621bと締結されて一体化され、全体としてX方向に延設された長尺形状のユニット本体621が形成されている。
また、本実施形態では、プーリ支持部621aには、締結用ネジを挿入するためのネジ穴としてX方向に延びた長穴621dが設けられ、連結部621cに対してプーリ支持部621aをX方向に移動自在に取り付け可能なっている。このため、連結部621cに対するプーリ支持部621aのX方向位置を調整した上で第1プーリ支持部621aを連結部621cに取り付けることができ、当該位置調整によって第1プーリ支持部621aおよび第2プーリ支持部621bの間隔を調整することができ、その結果、ワイヤー624の張力を調整することが可能となっている。
第2ユニット72は、図3に示すように、第2プーリ支持部721bの長さが第1ユニット62のそれに比べて短い点を除き、第1ユニット62と同一である。つまり、第2ユニット72では、第1プーリ支持部721aと第2プーリ支持部721bとが連結部723によって連結されてX方向に延びる長尺形状のユニット本体721が形成されている。そして、これらのプーリ支持部721a、721bの上面に対してプーリ722、723がそれぞれ回転自在に取り付けられるとともに、これら一対のプーリ722、723間にワイヤー724が掛架されている。
このように構成された第1ユニット62および第2ユニット72はY方向に配列された状態でそれぞれ第2ガイド機構8の樹脂スライダ811、812に支持される。この第2ガイド機構8は、図2に示すように、回転軸2とアクチュエータ本体10とに挟まれた空間に設けられている。より詳しくは、第2ガイド機構8は、X方向に延びるガイドレール82がレール固定台511、512に挟まれるようにアクチュエータ本体10の上面に固定されている。このガイドレール82には、2本のガイド溝821、822が上方に開口しながらX方向に延設されている。これらのガイド溝821、822はY方向に配列して設けられており、ガイド溝821はサポート71D、71Uの(−Y)側端部の直下に位置する一方、ガイド溝822はサポート61D、61Uの(+Y)側端部の直下に位置している。
各ガイド溝821、822は図2に示すようにY方向における開口寸法が溝内部寸法よりも狭い形状を有している。一方、樹脂スライダ811、812は、YZ断面が略T字形状を有する長尺部材で構成されており、ガイド溝821、822のX方向端面側からガイド溝821、822に嵌入自在となっている。より詳しくは、樹脂スライダ811、812は、下方端部、中間部および上方端部の3つのパートを有しており、図5に示すように、各パートの寸法はX方向においては同一であるものの、Y方向においては相互に異なっている。すなわち、樹脂スライダ811、812では、下方端部のY方向寸法はガイド溝821、822の溝内部寸法よりも若干狭く、かつ開口寸法よりも広くなっている。また、中間部のY方向寸法はガイド溝821、822の開口寸法よりも狭く、上方端部のY方向寸法はガイド溝821、822の開口寸法よりも広くなっている。そして、上方端部をガイド溝821から上方に突出させるとともに下方端部および中間部をそれぞれガイド溝821の溝内部および開口部に嵌入させた状態で2本の樹脂スライダ811がガイド溝821に嵌入され、当該ガイド溝821に沿ってX方向に摺動自在となっている。また、2本の樹脂スライダ812が、樹脂スライダ811と同様の状態でガイド溝822に嵌入され、当該ガイド溝822に沿ってX方向に摺動自在となっている。したがって、樹脂スライド811、812はそれぞれガイド溝821、822としっかりと係合した状態でガイド溝821、822に沿って移動可能となっている。このため、アクチュエータ本体10の下面が水平面上に取り付けられる場合はもちろんのこと、垂直面や天井面に取り付けられる場合であっても、樹脂スライド811、812はそれぞれガイド溝821、822から外れることなく、ガイド溝821、822にガイドされながら摺動する。
そして、このように構成された2本の樹脂スライダ811に対してユニット本体621が取り付けられている。特に、一方の樹脂スライダ811は、図3(b)に示すように、一対のプーリ622、623の間でユニット本体621に取り付けられ、他方の樹脂スライダ811はプーリ623の近傍位置に取り付けられている。このユニット本体621は回転軸2の雄ネジ形成領域、つまり移動体3の移動ストロークの約2/3程度の長さを有しており、X方向上流端部およびX方向下流端部の上面にサポート61U、61Dがそれぞれ固定されている。そして、2つの樹脂スライダ811によって第1ユニット62およびサポート61D、61Uが一体的にX方向に移動自在となっている。
また、2本の樹脂スライダ812に対してユニット本体721が取り付けられている。これらの樹脂スライダ812はいずれも図3(b)に示すように一対のプーリ722、723の間でユニット本体721に取り付けられている。このユニット本体721はユニット本体621よりも短く、移動体3の移動ストロークの約1/3程度の長さを有しており、X方向上流端部およびX方向下流端部の上面にサポート71U、71Dがそれぞれ固定されている。そして、樹脂スライダ812によって第2ユニット72およびサポート71D、71Uが一体的にX方向に移動自在となっている。なお、本実施形態では、ガイドレール82に対して2本のガイド溝821、822を設けているが、ガイドレール82の代わりに1本のガイド溝を形成したガイドレールを2本設けてもよい。この点については、後で説明する第2実施形態においても同様である。また、本実施形態では、第1ユニット62および第2ユニット72のいずれについても、2本の樹脂スライダで支持されているが、樹脂スライダの本数はこれに限定されるものではなく、任意である。
このように第1ユニット62および第2ユニット72はそれぞれ独立してX方向に移動可能となっているが、サポート61D、61U、71D、71Uにより回転軸2の共振を効果的に防止するために、移動体3、第1ユニット62、第2ユニット72およびアクチュエータ本体10は次のように接続されている。以下、図3、図6および図7を参照しつつ接続関係および移動体の移動に伴う各部の動作について説明する。
図6は第2ユニットと移動体との接続関係を示す部分斜視図である。また図7は、第1ユニット、第2ユニット、アクチュエータ本体および移動体の接続関係および動作を模式的に示す図である。なお、図7において、符号CPは第2ユニット72と移動体3との接続位置を示し、縦方向は時間経過を示し、横方向はX方向における位置を示しており、各点線は(−X)方向への移動体3の移動に応じた各部の動きを示している。特に、点線の傾きは移動速度に相当しており、傾きが急峻になるにしたがって移動速度が遅くなることを示している。
図3および図7に示すように、第1ユニット62および第2ユニット72は軸方向Xと直交する配列方向Yに配列されている。そして、第1ユニット62では、一対のプーリ622、623に対して配列方向Yの上流側、つまり(−Y)方向側でワイヤー624の一部が固定金具11によってアクチュエータ本体10に固定されている。また、第2ユニット72では、一対のプーリ722、723に対して配列方向Yの下流側、つまり(+Y)方向側でワイヤー724の一部(符号CPの位置に相当)が図6に示すように連結金具12によって移動体3のスライダ32と連結されている。また、第1ユニット62および第2ユニット72は互いに隣接しており、配列方向Yにおいて上流側に位置している第1ユニット62では一対のプーリ622、623に対して配列方向Yの下流側、つまり(+Y)方向側でワイヤー624の一部が連結金具13によって第2ユニット72のユニット本体721に連結されるとともに、第2ユニット72では一対のプーリ722、723に対して配列方向Yの上流側、つまり(−Y)方向側でワイヤー724の一部が連結金具14によって第1ユニット62のユニット本体621に連結されている。
このように構成された第1ユニット62および第2ユニット72は、回転軸2の回転により移動体3が例えば(−X)方向に移動すると、図7の紙面において一対のプーリ722、723が反時計回りに回転するとともに一対のプーリ622、623がプーリ722、723よりも低回転速度で反時計回りに回転しながら、第1ユニット62および第2ユニット72はともに移動体3と連動して(−X)方向に移動する。ただし、上記接続関係が構築されているため、図7の点線で示すように第1ユニット62の移動速度は移動体3の移動速度の1/3となり、第2ユニット72の移動速度は移動体3の移動速度の2/3となる。それに伴い、第1ユニット62に保持されたサポート61D、61Uの移動速度も移動体3の移動速度の1/3となり、第2ユニット72に保持されたサポート71D、71Uの移動速度も移動体3の移動速度の2/3となる。したがって、図7の「サポートと移動体のスライド」の欄に示すように、移動体3の(−X)方向への移動に伴って、移動体3より上流側(同図の右手側)では回転軸2の上流端部(軸受4U)、サポート61U、71Uおよび移動体3の間隔は徐々に狭まっていく一方で、移動体3より下流側(同図の左手側)では回転軸2の下流端部(軸受4D)、サポート61D、71Dおよび移動体3の間隔は徐々に広がっていく。
かかるアクチュエータ1は、間隔C1、C2、C3が互いに等しい状態を保ったまま、移動体3に連動してサポート61U、61D、71U、71Dが移動するように構成されている。ここで、間隔C1は、軸方向Xに隣り合う軸受部材4U(4D)とサポート61U(61D)との軸方向Xに沿った間隔であり、間隔C2は、軸方向Xに隣り合うサポート61U(61D)とサポート71U(71D)との軸方向Xに沿った間隔であり、間隔C3は、軸方向Xに隣り合う移動体3とサポート71U(71D)との軸方向Xに沿った間隔である。
したがって、図7の時刻「T1」あるいは時刻「T4」の欄に示すように、移動体3が移動ストロークの端に位置する際(換言すれば、移動体3が軸受部材4Uあるいは軸受部材4Dから最も遠ざかった際)においても、間隔C1、C2、C3が互いに等しくなる。すなわち、アクチュエータ1の回転軸2の振動が生じやすい状況において、間隔C1、C2、C3が互いに等しくなるように、サポート61U、61D、71U、71Dが位置する。
ちなみに、例えば、間隔C1は、軸受部材4U(4D)が回転軸2に接触する部分が設けられた範囲のサポート61U(61D)側の端と、サポート61U(61D)が回転軸2に接触する部分が設けられた範囲の軸受部材4U(4D)側の端との回転軸2に沿った距離として求めることができる。間隔C2は、サポート61U(61D)が回転軸2に接触する部分が設けられた範囲のサポート71U(71D)側の端と、サポート71U(71D)が回転軸2に接触する部分が設けられた範囲のサポート61U(61D)側の端との回転軸2に沿った距離として求めることができる。間隔C3は、サポート71U(71D)が回転軸2に接触する部分が設けられた範囲の移動体3側の端と、移動体3(の送りナット31)が回転軸2に接触する部分が設けられた範囲のサポート71U(71D)側の端との回転軸2に沿った距離として求めることができる。
以上のように構成された本実施形態では、移動体3と軸受部材4U(4D)との間に設けられた複数のサポート61U、71U(61D、71D)が回転軸2を支持する。そして、移動体3が軸受部材4U(4D)から最も遠ざかった際に、軸方向Xに並ぶ複数のサポート61U、71U(61D、71D)および軸受部材4U(4D)のそれぞれの間隔C1、C2が等しくなる。その結果、一部の間隔が長いためにアクチュエータ1の高速化が困難となったり、一部の間隔が短いためにアクチュエータ1の長尺化が困難となったりすることを抑制可能である。このように本実施形態は、アクチュエータ1の高速化および長尺化に適している。
また、移動体3が軸受部材4U(4D)から最も遠ざかった際に、間隔C3が間隔C1以下となるように、複数のサポート61U、71U(61D、71D)が位置する。このような構成では、移動体3とサポート71U(71D)との間隔が長いために当該間隔で振動が生じやすくなり、アクチュエータ1の高速化が困難となることを抑制可能である。
また、移動体3が軸受部材4U(4D)から最も遠ざかった際に、間隔C3と間隔C1とが等しくなるように、複数のサポート61U、71U(61D、71D)が位置する。このような構成では、移動体3とサポート71U(71D)との間隔が長いために、アクチュエータ1の長尺化が困難となることを抑制可能である。
図8は本発明を適用したアクチュエータの第2実施形態を示す斜視図である。また、図9は図8中のB−B線矢視図である。また、図10は、第1ユニット、第3ユニット、第2ユニット、アクチュエータ本体および移動体の接続関係を模式的に示す図である。この第2実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は2点ある。まず第1点目は、一対のサポート91U、91Dと第3ユニット92とが追加されている点である。また第2点目は、全サポート61U、61D、71U、71D、91U、91Dおよび移動体3は片持ち状態で第1ガイド機構5によりX方向に移動自在に支持されている。なお、その他の構成は基本的に同一であるため、以下においては相違点を中心に説明し、同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
第1ガイド機構5では、回転軸2に対して幅方向Yの上流側、つまり(−Y)方向側では、X方向に延びるレール固定台511がアクチュエータ本体10の上面に固定され、さらに当該レール固定台511上でガイドレール521がX方向に延設されている。そして、図8に示すように、ガイドレール521に対してモーターM側からサポート用スライダ56D、57D、58D、移動体用スライダ(図示省略)およびサポート用スライダ58U、57U、56UがX方向に摺動自在に取り付けられている。
そして、図8に示すように、これらのスライダのうち移動体用スライダに対して移動体3の(−Y)方向側端部が取り付けられ、移動体3は、いわゆる片持ち状態で支持されながら第1ガイド機構5にX方向に案内されながら往復移動自在となっている。一方、残りのスライダうちサポート用スライダ56D、57D、58D、58U、57U、56Uに対してサポート61D、91D、71D、71U、91U、61Uがそれぞれ取り付けられている。これらのうち第2実施形態で追加されたサポート91U、91Dは、移動体3に対してそれぞれ軸方向Xの上流側および下流側に位置している。そして、これら上流サポート91Uおよび下流サポート91Dは第3ユニット92に保持された状態でX方向に一体的に移動自在となっている。なお、サポート91U、91Dはサポート61U、61D、71U、71Dと同様に回転軸2を支持可能に構成されており、その基本構成はいずれもサポート61U、61D、71U、71Dと同一である。
第3ユニット92は、ユニット本体921のX方向の長さが第1ユニット62のそれよりも短く、第2ユニット72のそれよりも長い点を除き、第1ユニット62および第2ユニット72と基本的に同一である。すなわち、第3ユニット92は、X方向に延びる長尺形状のユニット本体921と、X方向に互いに離間してユニット本体921に対して回転自在に設けられる一対のプーリ922、923(図10)と、一対のプーリ922、923間に掛架されるワイヤー924(図10)とを有している。
そして、第3ユニット92はY方向において第1ユニット62および第2ユニット72により挟まれるように配置されており、ユニット62、92、72はY方向に配列された状態でそれぞれ第2ガイド機構8の樹脂スライダ811、813、812に支持される。この第2実施形態においても、第2ガイド機構8は、図9に示すように、回転軸2とアクチュエータ本体10とに挟まれた空間に設けられている。より詳しくは、第2ガイド機構8は、X方向に延びるガイドレール82が回転軸2の下方でアクチュエータ本体10の上面に固定されている。このガイドレール82には、3本のガイド溝821、823、822がX方向に延設されている。これらのガイド溝821、823、822はY方向に配列して設けられており、ガイド溝821はサポート61D、61Uの(+Y)側端部の直下に位置し、ガイド溝822はサポート71D、71Uの(+Y)側端部の直下に位置し、ガイド溝823はサポート91D、91Uの(+Y)側端部の直下に位置している。なお、各ガイド溝821、823、822の構造および樹脂スライダ811、813、812との係合状態は第1実施形態のそれと同一である。
そして、2本の樹脂スライダ811に対してユニット本体621が取り付けられている。このユニット本体621は回転軸2の雄ネジ形成領域、つまり移動体3の移動ストロークの約3/4程度の長さを有しており、X方向上流端部およびX方向下方端部の上面にサポート61U、61Dがそれぞれ固定されている。そして、樹脂スライダ811によって第1ユニット62およびサポート61D、61Uが一体的にX方向に移動自在となっている。また、2本の樹脂スライダ813に対してユニット本体921が取り付けられている。このユニット本体921はユニット本体621よりも短く、移動体3の移動ストロークの約2/4(=1/2)程度の長さを有しており、X方向上流端部およびX方向下方端部の上面にサポート91U、91Dがそれぞれ固定されている。そして、樹脂スライダ813によって第3ユニット92およびサポート91D、91Uが一体的にX方向に移動自在となっている。さらに、2本の樹脂スライダ812に対してユニット本体721が取り付けられている。このユニット本体721はユニット本体921よりもさらに短く、移動体3の移動ストロークの約1/4程度の長さを有しており、X方向上流端部およびX方向下方端部の上面にサポート71U、71Dがそれぞれ固定されている。そして、樹脂スライダ812によって第2ユニット72およびサポート71D、71Uが一体的にX方向に移動自在となっている。
このように第1ユニット62、第2ユニット72および第3ユニット92はそれぞれ独立してX方向に移動可能となっているが、サポート61D、91D、71D、71U、91U、71Uにより回転軸2の共振を効果的に防止するために、移動体3、第1ユニット62、第3ユニット92、第2ユニット72およびアクチュエータ本体10は次のように接続されている。以下、図10を参照しつつ接続関係について説明する。
この第2実施形態では、Y方向に配列される3つのユニット62、92、72のうち最も上流側、つまり(−Y)方向側に位置する第1ユニット62では、第1実施形態と同様に、一対のプーリ622、623に対して配列方向Yの上流側、つまり(−Y)方向側でワイヤー624の一部が固定金具11によってアクチュエータ本体10に固定されている。また、最も下流側、つまり(+Y)方向側に位置する第2ユニット72では、第1実施形態と同様に、一対のプーリ722、723に対して配列方向Yの下流側、つまり(+Y)方向側でワイヤー724の一部が連結金具12によって移動体3のスライダ32と連結されている。
そして、配列方向Yにおいて互いに隣接する2組、つまり第1ユニット62と第3ユニット92の組み合わせおよび第3ユニット92と第2ユニット72の組み合わせにおいて、図10に示すように連結されている。すなわち、第1ユニット62および第3ユニット92は互いに隣接しており、配列方向Yにおいて上流側の位置している第1ユニット62では一対のプーリ622、623に対して配列方向Yの下流側、つまり(+Y)方向側でワイヤー624の一部が連結金具15によって第3ユニット92のユニット本体921に連結されるとともに、第3ユニット92では一対のプーリ922、923に対して配列方向Yの上流側、つまり(−Y)方向側でワイヤー924の一部が連結金具16によって第1ユニット62のユニット本体621に連結されている。
また、第3ユニット92および第2ユニット72は互いに隣接しており、配列方向Yにおいて上流側の位置している第3ユニット92では一対のプーリ922、923に対して配列方向Yの下流側、つまり(+Y)方向側でワイヤー924の一部が連結金具17によって第2ユニット72のユニット本体721に連結されるとともに、第2ユニット72では一対のプーリ722、723に対して配列方向Yの上流側、つまり(−Y)方向側でワイヤー724の一部が連結金具18によって第3ユニット92のユニット本体921に連結されている。
このように構成された第1ユニット62、第3ユニット92および第2ユニット72は、回転軸2の回転により移動体3が例えば(−X)方向に移動すると、図10の紙面において一対のプーリ722、723が反時計回りに回転し、一対のプーリ922、923がプーリ722、723よりも低回転速度で反時計回りに回転するとともに一対のプーリ622、623がプーリ922、923よりもさらに低回転速度で反時計回りに回転しながら、第1ユニット62、第3ユニット92および第2ユニット72は移動体3と連動して(−X)方向に移動する。ただし、上記接続関係が構築されているため、第1ユニット62は移動体3の移動速度の1/4となり、第3ユニット92の移動速度は移動体3の移動速度の2/4(=1/2)となり、第2ユニット72の移動速度は移動体3の移動速度の3/4となる。それに伴い、第1ユニット62に保持されたサポート61D、61Uの移動速度も移動体3の移動速度の1/4となり、第3ユニット92に保持されたサポート91D、91Uの移動速度も移動体3の移動速度の2/4(=1/2)となり、第2ユニット72に保持されたサポート71D、71Uの移動速度も移動体3の移動速度の3/4となる。したがって、移動体3の例えば(−X)方向への移動に伴って、移動体3より上流側では回転軸2の上流端部(軸受4U)、サポート61U、91U、71Uおよび移動体3の間隔は徐々に狭まっていく一方で、移動体3より下流側では回転軸2の下流端部(軸受4D)、サポート61D、92D、71Dおよび移動体3の間隔は徐々に広がっていく。このような6つのサポート61D、61U、92D、92U、71D、71Uの動きによって回転軸2の共振が効果的に抑制される。
かかるアクチュエータ1も、間隔C1、C2、C3が互いに等しい状態を保ったまま、移動体3に連動してサポート61D、61U、92D、92U、71D、71Uが移動するように構成されている。したがって、移動体3が移動ストロークの端に位置する際(換言すれば、移動体3が軸受部材4Uあるいは軸受部材4Dから最も遠ざかった際)においても、間隔C1、C2、C3が互いに等しくなる(C1=C2=C3)。すなわち、アクチュエータ1の回転軸2の振動が生じやすい状況において、間隔C1、C2、C3が互いに等しくなるように、サポート61D、61U、92D、92U、71D、71Uが位置する。
以上のように構成された本実施形態では、移動体3と軸受部材4U(4D)との間に設けられた複数のサポート61U、91U、71U(61D、91D、71D)が回転軸2を支持する。そして、移動体3が軸受部材4U(4D)から最も遠ざかった際に、軸方向Xに並ぶ複数のサポート61U、91U、71U(61D、91D、71D)および軸受部材4U(4D)のそれぞれの間隔C1、C2が等しくなる。その結果、一部の間隔が長いためにアクチュエータ1の高速化が困難となったり、一部の間隔が短いためにアクチュエータ1の長尺化が困難となったりすることを抑制可能である。このように本実施形態は、アクチュエータ1の高速化および長尺化に適している。
また、移動体3が軸受部材4U(4D)から最も遠ざかった際に、間隔C3が間隔C1以下となるように、複数のサポート61U、91U、71U(61D、91D、71D)が位置する。このような構成では、移動体3とサポート71U(71D)との間隔が長いために当該間隔で振動が生じやすくなり、アクチュエータ1の高速化が困難となることを抑制可能である。
また、移動体3が軸受部材4U(4D)から最も遠ざかった際に、間隔C3と間隔C1とが等しくなるように、複数のサポート61U、91U、71U(61D、91D、71D)が位置する。このような構成では、移動体3とサポート71U(71D)との間隔が長いために、アクチュエータ1の長尺化が困難となることを抑制可能である。
図11は、本発明を適用したアクチュエータの第3実施形態を示す斜視図である。図12は、図11に例示したアクチュエータの平面図である。このアクチュエータ1も、上記実施形態と同様に、単一の回転軸2と、回転軸2の回転に伴って移動する移動体3とを備えた単軸ロボットである。以下では、上記実施形態との差異点を中心に説明を行い、共通点については相当符号を付して説明を適宜省略する。
また、アクチュエータ1は、回転軸2に係合しつつ回転軸2を支持するサポート6を備える。具体的には、筐体10内では、X方向において両端の軸受部材4それぞれと移動体3との間に、2個のサポート6が設けられている。こうして、移動体3よりもX方向正側およびX方向負側のそれぞれにおいて、2個のサポート6が回転軸2に沿って並ぶ。各サポート6は、回転軸2を支持しつつ回転軸2に沿って移動可能であり、例えば図11および図12の移動体3よりX方向正側に示すように移動体3に連結された状態で、移動体3に伴って移動する。ただし、サポート6の可動範囲は、サポート6毎に異なっている。この点について、移動体3よりX方向正側に設けられたサポート6と、移動体3よりX方向負側に設けられたサポート6とについて、それぞれ説明する。
まず、移動体3よりX方向正側に設けられた2個のサポート6について説明する。アクチュエータ1は、回転軸2のY方向負側においてX方向に並ぶ2個のストッパSaを備える。これらストッパSaは、X方向において互いに異なる停止位置Ps(1)、Ps(2)に各サポート6を停止させるために、停止位置Ps(1)、Ps(2)に対して配置されている。なお、停止位置Ps(1)はX方向正側に位置し、停止位置Ps(2)はX方向負側に位置する。
停止位置Ps(1)に対応するストッパSaは、2個のサポート6のうちX方向正側のサポート6の可動範囲を停止位置Ps(1)からX方向正側に制限する。したがって、X方向正側のサポート6は、停止位置Ps(1)からX方向正側の可動範囲(停止位置Ps(1)を含む)では移動体3に伴って移動できるが、移動体3が当該可動範囲よりX方向負側へ出ると、移動体3から外れて停止位置Ps(1)に停止する。また、停止位置Ps(2)に対応するストッパSaは、2個のサポート6のうちX方向負側のサポート6の可動範囲を停止位置Ps(2)からX方向正側に制限する。したがって、X方向負側のサポート6は、停止位置Ps(2)からX方向正側の可動範囲(停止位置Ps(2)を含む)では移動体3に伴って移動できるが、移動体3が当該可動範囲よりX方向負側へ出ると、移動体3から外れて停止位置Ps(2)に停止する。
かかる構成では、各サポート6は、停止位置Ps(1)、Ps(2)で停止して移動体3を支持できる一方、移動体3の移動の妨げとならないように、停止位置Ps(1)、Ps(2)から軸受部材4側の可動範囲でX方向へ移動できる。つまり、移動体3が停止位置Ps(1)、Ps(2)に対して可動範囲の反対側を移動している間は、サポート6は停止位置Ps(1)、Ps(2)に停止して回転軸2を支持する。一方、移動体3が可動範囲に進入している間は、サポート6は移動体3に伴って移動して、可動範囲における移動体3の移動を妨げない。こうして、移動体3の移動を妨げることなく、サポート6によって回転軸2を支持して回転軸2の振動を抑えることができる。
次に、移動体3よりX方向負側に設けられた2個のサポート6について説明する。アクチュエータ1は、回転軸2のY方向正側においてX方向に並ぶ2個のストッパSaを備える。これらストッパSaは、X方向において互いに異なる停止位置Ps(3)、Ps(4)に各サポート6を停止させるために、停止位置Ps(3)、Ps(4)に対して配置されている。なお、停止位置Ps(3)はX方向負側に位置し、停止位置Ps(4)はX方向正側に位置する。
停止位置Ps(3)に対応するストッパSaは、2個のサポート6のうちX方向負側のサポート6の可動範囲を停止位置Ps(3)からX方向負側に制限する。したがって、X方向負側のサポート6は、停止位置Ps(3)からX方向負側の可動範囲(停止位置Ps(3)を含む)では移動体3に伴って移動できるが、移動体3が当該可動範囲よりX方向正側へ出ると、移動体3から外れて停止位置Ps(3)に停止する。また、停止位置Ps(4)に対応するストッパSaは、2個のサポート6のうちX方向正側のサポート6の可動範囲を停止位置Ps(4)からX方向負側に制限する。したがって、X方向正側のサポート6は、停止位置Ps(4)からX方向負側の可動範囲(停止位置Ps(4)を含む)では移動体3に伴って移動できるが、移動体3が当該可動範囲よりX方向正側へ出ると、移動体3から外れて停止位置Ps(4)に停止する。
かかる構成では、各サポート6は、停止位置Ps(3)、Ps(4)で停止して移動体3を支持できる一方、移動体3の移動の妨げとならないように、停止位置Ps(3)、Ps(4)から軸受部材4側の可動範囲でX方向へ移動できる。こうして、移動体3の移動を妨げることなく、サポート6によって回転軸2を支持して回転軸2の振動を抑えることができる。
このように移動体3は、サポート6を適宜伴いつつ、回転軸2に沿って移動できる。アクチュエータ1は、このような移動体3の移動範囲を制限するためにストッパSbを備える。このストッパSbは、筐体10のX方向の両端部それぞれに設けられており、軸受部材4より内側で筐体10に固定されている。したがって、X方向の端部まで移動してきた移動体3は、ストッパSbに当接して停止する。
以上がアクチュエータ1の概要である。続いては、サポート6の詳細構成について説明する。なお、4個のサポート6は、概ね同様の構成を具備するため、ここでは、移動体3のX方向負側に設けられた2個のサポート6のうち、X方向負側に設けられたサポート6で代表して説明する。
図13は、サポートおよびその周辺の構成を例示する斜視図である。図14は、サポートおよびその周辺の構成を例示する平面図である。なお、図14では、部材63に隠れて見えない部材67が一点鎖線で示されている。図15は、サポートおよびその周辺の構成を例示する部分断面図であり、回転軸2の中心線を通るZX断面を例示する。
サポート6は、フレーム63に対して軸接触部65およびガイド係合部67を取り付けた概略構成を具備する。フレーム63は、例えばステンレス鋼等の合金鋼あるいはアルミニウム等の金属(軽金属)で構成され、Z方向正側およびY方向の両側から回転軸2を囲む軸対向部631と、Z方向正側からガイドレール521に対向するガイド対向部632とを有する。そして、軸接触部65は、フレーム63の軸対向部631のZ方向負側に固定され、ガイド係合部67は、フレーム63のガイド対向部632の負側に固定されている。
軸接触部65は、X方向の両側から軸対向部631にネジ止めされた2個の分割ブッシュ652により構成されている。各分割ブッシュ652は、一対の半円部材654で構成されており、各半円部材654は、樹脂で構成されており、半円状に切り欠けられた接触部分654aを有する。こうして対を成す2個の半円部材654は、接触部分654aで回転軸2に接触しつつ、Z方向の両側から回転軸2に係合する。このように、軸接触部65は、2個の分割ブッシュ652それぞれの接触部分654aで回転軸2に接触しつつ、回転軸2に沿ってX方向へ移動可能となっている。ちなみに、分割ブッシュ652と回転軸2の間には若干のクリアランス(遊び)が設けられている。
このように構成された軸接触部65は、回転軸2に沿ってX方向に長さL1を有する。ここで、長さL1は、軸接触部65が回転軸2に接触する接触部分654aが設けられた範囲のX方向における両端間の距離として求めることができる。したがって、ここの例では、長さL1は、X方向正側の分割ブッシュ652が回転軸2に接触する接触部分654aのX方向正側の端と、X方向負側の分割ブッシュ652が回転軸2に接触する接触部分654aのX方向負側の端とのX方向における距離として求めることができる。
ガイド係合部67は、X方向に平行に延びる溝状に切り欠けられた係合部分67aを有し、係合部分67aでガイドレール521に係合する。こうして、ガイド係合部67は、係合部分67aでガイドレール521に係合しつつ、ガイドレール521に沿ってX方向へ移動可能となっている。このように構成されたガイド係合部67は、回転軸2に沿ってX方向に長さL1より長い長さL2を有する(L2>L1)。ここで、長さL2は、ガイド係合部67がガイドレール521に係合する係合部分67aが設けられた範囲のX方向における両端間の距離として求められる。したがって、ここの例では、長さL2は、X方向における係合部分67aの両端間の距離として求められる。
つまり、ガイド係合部67は、回転軸2の軸方向(X方向)に軸接触部65よりも長く、軸接触部65に対してX方向の正側に突出する突出部分67bを有する。これに対応して、ガイド係合部67が取り付けられたガイド対向部632は、軸接触部65が取り付けられた軸対向部631よりもX方向に長く、軸対向部631に対してX方向の正側に突出する突出部分632bを有する。なお、ここの例では、ガイド対向部632は、ガイド係合部67よりもX方向に若干長い。
このようにサポート6は、ガイド係合部67でガイドレール521に係合しつつ、軸接触部65で回転軸2を支持する。この際、ガイド係合部67はガイドレール521に沿ってX方向へ移動可能であり、軸接触部65は回転軸2に沿ってX方向へ移動可能である。したがって、サポート6は、全体としてX方向へ移動可能となっている。
さらに、サポート6は、Y方向に平行な回転中心の周りで回転可能なローラ69を、軸対向部631のZ方向正側の端部に有する。かかるローラ69は、バネ等の弾性部材によってZ方向正側に付勢されており、サポート6を移動体3に係合するために用いられる。また、サポート6は、軸対向部631に対してZ方向負側に突出した当接部633を有する。かかる当接部633は、ストッパSaに当接することで、サポート6を移動体3から分離するために用いられる。
続いては、移動体3の詳細構成と併せてサポート6について説明する。図16は、移動体およびその周辺の構成を例示する斜視図である。図17は、移動体およびその周辺の構成を例示する部分断面図であり、回転軸2の中心線を通るZX断面を例示する。図16および図17では、移動体3がX方向正側の2個のサポート6に係合した状態が例示されている。
移動体3は、X方向およびY方向に平行な平面を有する矩形状のスライダ32と、スライダ32のZ方向下側に固定されて回転軸2に螺合するナット31とを有する。ちなみに、回転軸2とナット31とでボールネジが構成されている。さらに、移動体3は、サポート6のローラ69に係脱自在に係合するフック33を備える。フック33は、スライダ32に対してX方向の両側に設けられており、スライダ32に対してX方向に突出しつつ回転軸2のZ方向上側に位置している。移動体3を構成するスライダ32、ナット31およびフック33は、例えばステンレス鋼等の合金鋼あるいはアルミニウム等の金属(軽金属)で構成されている。
そして、移動体3の各フック33は、最大2個のサポート6に一括して係合することができる。この際、フック33に係合する2個のサポート6は、互い違いに配置されており、X方向において部分的に重複して収まるように構成されている。移動体3よりX方向正側の2個のサポート6で代表して、この点について説明する。
2個のサポート6は、それぞれの突出部分67b、632bを互いに向けて突出させた状態でX方向に対向する。すなわち、一方のサポート6の突出部分67b、632bは、他方のサポート6側へ突出するとともに、他方のサポート6の突出部分67b、632bは、一方のサポート6側へ突出する。この際、2個のサポート6は、互いに異なるガイドレール521、522に係合しつつX方向に相互に対向しており、各サポート6の突出部分67b、632bは、Y方向に相互に外れている。すなわち、一方のサポート6の突出部分67b、632bは、Y方向において他方のサポート6から外れるとともに、他方のサポート6の突出部分67b、632bは、Y方向において一方のサポート6から外れる。したがって、2個のサポート6が近づいた際には、一方のサポート6の突出部分67b、632bは、他方のサポート6の軸接触部65、軸対向部631にX方向において重複するとともに、他方のサポート6の突出部分67b、632bは、一方のサポート6の軸接触部65、軸対向部631にX方向において重複する。こうして、2個のサポート6は、X方向において互いに部分的に重複しつつフック33へ係合することができる。
図18は、アクチュエータの動作を模式的に例示する動作説明図である。ステップ1〜ステップ5を順に追って、移動体3がX方向負側の端部からX方向正側の端部まで移動する場合について説明する。ステップ1では、移動体3は、その移動ストロークのX方向負側に位置しており、その移動ストロークにおいてX方向正側の軸受部材4から最も遠ざかった位置にある。この際、移動体3よりX方向負側の2個のサポート6はいずれも移動体3に係合しており、移動体3よりX方向正側の2個のサポート6はストッパSaに当接してそれぞれの停止位置Ps(1)、Ps(2)に停止している。
ステップ1に示す状態においては、軸受部材4、当該軸受部材4から最も遠ざかった移動体3、および当該軸受部材4と移動体3との間のサポート6について、それぞれの間の回転軸2に沿った間隔C1、C2、C3が、回転軸2の最高回転数に対して所定の条件を満たす。ここで、最高回転数はアクチュエータ1を使用するにあたって許容される回転軸2の回転数の最高値であり、一般的にアクチュエータのカタログ、仕様書あるいは取扱説明書等に定められている。このように最高回転数が定められているため、実際の使用においては、回転軸2は最高回転数以下で回転する。したがって、回転軸2にて生じ得る振動モードにおいては、節の間の距離が、回転軸2の最高回転数の回転に共振する回転軸2の基本振動の半波長よりも長くなる。これに対して、間隔C1、C2、C3はいずれも、回転軸2の最高回転数の回転に共振する回転軸2の基本振動の半波長よりも短く設定されている(この点は上記実施形態も同様である)。したがって、軸受部材4、サポート6および移動体3によって回転軸2の振動を抑え込んで、騒音や回転軸2の破損を抑制することが可能となっている。
さらに、間隔C1、C2、C3の相互の関係も設定されている。具体的には、ステップ1(あるいはステップ5)に示すように、移動体3が軸受部材4から最も遠ざかった状態(すなわち、移動体3が移動ストロークの端にある状態)において、間隔C1、C2、C3が互いに等しくなるように、各ストッパSaの位置が設定されている。
ちなみに、間隔C1は、互いに隣り合う軸受部材4とサポート6との回転軸2に沿った間隔である。かかる間隔C1は、軸受部材4が回転軸2に接触する部分が設けられた範囲のサポート6側の端と、サポート6が回転軸2に接触する接触部分654aが設けられた範囲の軸受部材4側の端(長さL1の軸受部材4側の端)との回転軸2に沿った距離として求めることができる。間隔C2は、互いに隣り合う2個のサポート6の回転軸2に沿った間隔である。かかる間隔C2は、一方サポート6が回転軸2に接触する接触部分654aが設けられた範囲の他方サポート6側の端(長さL1の他方サポート6側の端)と、他方サポート6が回転軸2に接触する接触部分654aが設けられた範囲の一方サポート6側の端(長さL1の一方サポート6側の端)との回転軸2に沿った距離として求めることができる。間隔C3は、互いに隣り合うサポート6と移動体3との回転軸2に沿った間隔である。かかる間隔C3は、サポート6が回転軸2に接触する接触部分654aが設けられた範囲の移動体3側の端(長さL1の移動体3側の端)と、移動体3(のナット31)が回転軸2に接触する部分が設けられた範囲のサポート6側の端との回転軸2に沿った距離として求めることができる。
ステップ1の状態からモーターMの駆動を受けて回転軸2が回転を開始し、移動体3がX方向正側へ向けて移動を開始すると、移動体3よりX方向負側の2個のサポート6は移動体3に伴ってX方向正側へ移動する。続いて、ステップ2に示すように、移動体3が停止位置Ps(3)をX方向正側へ向けて通過する過程で、移動体3に係合する2個のサポート6のうちX方向負側のサポート6(の当接部633)が停止位置Ps(3)に対応するストッパSaに当接する。なお、これらサポート6のうち、X方向負側のサポート6の当接部633は、X方向正側のサポート6の当接部633よりもストッパSa側に突出しており、停止位置Ps(3)に対応するストッパSaに当接する一方、X方向正側のサポート6は当該ストッパSaに当接せずに当該ストッパSaを通過する。したがって、ステップ3に示すように、X方向負側のサポート6が移動体3から外れて停止位置Ps(3)に停止する一方、X方向正側のサポート6は移動体3に伴って移動する。
ステップ3に示すように、移動体3が停止位置Ps(2)に停止するサポート6に衝突すると、当該サポート6は移動体3に係合して移動体3に伴って移動する。また、ステップ4に示すように、移動体3が停止位置Ps(4)をX方向正側へ向けて通過する過程で、移動体3に係合するサポート6(の当接部633)が停止位置Ps(4)に対応するストッパSaに当接する。したがって、ステップ5に示すように、このサポート6は、移動体3から外れて停止位置Ps(4)に停止する。続いて、ステップ5に示すように、移動体3が停止位置Ps(1)に停止するサポート6に衝突すると、当該サポート6は移動体3に係合して移動体3に伴って移動し、移動体3はストッパSbに当接することで停止する。なお、移動体3がストッパSbに当接した状態において移動体3に係合する軸受部材4と軸受部材4との間に隙間Δが開くように、ストッパSbは設けられている。
また、上記とは逆に、移動体3がX方向負側の端部からX方向正側の端部まで移動する場合には、ステップ5〜1がこの順番で実行される。この際、ステップ5に示す状態においては、軸受部材4、当該軸受部材4から最も遠ざかった移動体3、および当該軸受部材4と移動体3との間のサポート6について、上述の間隔C1、C2、C3についての条件が満たされている。そして、かかる状態から、ステップ4〜1が順に実行されつつ、移動体3がX方向負側へ向けて移動する。
以上のように構成された本実施形態では、移動体3と軸受部材4との間に設けられた複数のサポート6、6が回転軸2を支持する。そして、移動体3が軸受部材4から最も遠ざかった際に、軸方向Xに並ぶ複数のサポート6、6および軸受部材4のそれぞれの間隔C1、C2が等しくなる。その結果、一部の間隔が長いためにアクチュエータ1の高速化が困難となったり、一部の間隔が短いためにアクチュエータ1の長尺化が困難となったりすることを抑制可能である。このように本実施形態は、アクチュエータ1の高速化および長尺化に適している。
また、移動体3が軸受部材4から最も遠ざかった際に、間隔C3が間隔C1以下となるように、複数のサポート6、6が位置する。このような構成では、移動体3とこれに隣り合うサポート6との間隔が長いために当該間隔で振動が生じやすくなり、アクチュエータ1の高速化が困難となることを抑制可能である。
また、移動体3が軸受部材4から最も遠ざかった際に、間隔C3と間隔C1とが等しくなるように、複数のサポート6、6が位置する。このような構成では、移動体3とこれと隣り合うサポート6との間隔が長いために、アクチュエータ1の長尺化が困難となることを抑制可能である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、第1実施形態では、第1ユニット62および第2ユニット72が協働して本発明の「サポート位置制御機構」の一例として機能し、第2実施形態では、第1ユニット62、第3ユニット92および第2ユニット72が協働して本発明の「サポート位置制御機構」の一例として機能し、第3実施形態では「ストッパSa」が本発明の「サポート位置制御機構」の一例として機能していた。しかしながら、次に説明するように、移動体3の移動に連動してサポートを移動させる連動機構100、200によって本発明の「サポート位置制御機構」を構成しても良い。
続いては、これら連動機構100、200について順番に説明する。なお、以下は、連動機構100、200の一例を示すものであり、連動機構100、200以外の構成(間隔C1、C2、C3が等しい点を含めて)は上記実施形態と共通する。そこで、上記実施形態との差異点を中心に説明を行い、上記実施形態との共通点は相当符号を付して説明を省略する。なお、移動体3と軸受部材4U(4D)の間に設けられた2個のサポートのうち、移動体3側のサポートに符号6aを付するとともに、軸受部材4側のサポートに符号6bを付する。また、以下の説明は、連動機構100、200の構成例の説明を主とするものであるため、軸受部材4U(4D)の図示は省略する。
図19は、連動機構の第1例を備えるアクチュエータを模式的に例示する斜視図である。図20は、図19中のA−A線矢視図である。このアクチュエータ1は、移動体3に連動して各サポート6a、6bをX方向へ移動させる連動機構100を備える。連動機構100は、筐体10のX方向の両端部のそれぞれに設けられた多段プーリ110を有する。各多段プーリ110は、3個のプーリ112、114、116と、これらに共通に設けられたプーリ軸118とを有する。プーリ112、114、116は、それぞれの回転中心線Cを一致させた状態でZ方向に積層されており、プーリ軸118がプーリ112、114、116の回転中心をZ方向に貫いて、プーリ112、114、116を相互に固定する。プーリ軸118の一端は、筐体10の底面に設けられた軸受孔11に嵌っており、プーリ軸118は、軸受孔11によって回転自在に支持されている。そして、プーリ軸118が回転すると、プーリ112、114、116が一体的に回転する。この際、プーリ112の周速度V112、プーリ114の周速度V114、プーリ116の周速度V116の比は、プーリ112の径D112、プーリ114の径D114、プーリ116の径D116の比と等しくなる(V112:V114:V116=D112:D114:D116)。
プーリ112の径D112、プーリ114の径D114、プーリ116の径D1116は、この順に大きい(D112>D114>D116)。したがって、プーリ112の周速度V112に対するプーリ114の周速度V114の比R11(=V114/V112=D114/D112)は1より小さく、換言すれば、プーリ112の回転が減速比R11(<1)でプーリ114に伝達される。また、プーリ112の周速度V112に対するプーリ116の周速度の比R12(=V116/V112=D116/D112)は1より小さいとともに減速比R11よりも小さく、換言すれば、プーリ112の回転が減速比R12(<R11<1)でプーリ116に伝達される。
連動機構100では、X方向の両端にそれぞれ設けられた同径の2個のプーリでプーリ対が形成され、各プーリ対にベルト122、124、126が架け渡されている。具体的には、2個のプーリ112、112にベルト122が架け渡されており、2個のプーリ114、114にベルト124が架け渡されており、2個のプーリ116、116にベルト126が架け渡されている。ちなみに、プーリ112、114、116はいずれも歯付プーリであり、ベルト122、124、126はいずれも歯付ベルトである。このように歯付プーリを用いた場合、プーリの径はピッチ円の径として求めれば良い。
そして、移動体3が取付具132によりベルト122に固定され、移動体3のX方向の両側(両外側)に設けられた2個のサポート6aが所定のサポート間隔LaをX方向に空けてそれぞれ取付具134によりベルト124に固定され、これらサポート6aのX方向の両側(両外側)に設けられた2個のサポート6bが所定のサポート間隔Lb(=2×La>La)を空けてそれぞれ取付具136によりベルト126に固定されている。なお、移動体3、サポート6a、サポート6bは、それぞれが対応するベルト122、ベルト124、ベルト126のY方向の同一側(負側)に固定されている。
かかる連動機構100は、移動体3に連動してサポート6a、6bを移動させる。具体的には、モーターMの駆動力を受けて移動体3が速度V3でX方向へ移動すると、移動体3が取り付けられたベルト122が回転して、プーリ112を速度V3に等しい周速度V112で回転させる。同時にプーリ114、116のそれぞれが速度V3(=V112)を減速比R11、R12で減速した周速度V114、V116で回転して、ベルト124、126を周速度V114、V116で回転させる。その結果、各サポート6aは、速度V3を減速比R11で減速した速度V114で移動し(V114=V3×R11)、各サポート6bは、速度V3を減速比R12で減速した速度V116で移動する(V116=V3×R12)。この際、移動体3、サポート6a、サポート6bは、それぞれが対応するベルト122、ベルト124、ベルト126のY方向の同一側に取り付けられているため、いずれもX方向の同じ側へ移動する。
このように、移動体3がX方向にストロークの一端から他端へ移動するのに伴って、サポート6a、6bがX方向の一端側から他端側へ移動する。この際、サポート6aは、移動体3の移動速度V3よりも遅い速度V114で移動し、サポート6bは、サポート6aよりも遅い速度V116で移動する。したがって、移動体3がストロークS3の一端から他端を移動する間、各サポート6aは移動体3のストロークS3より短い移動範囲(=S3×V114/V3)を移動し、各サポート6bはサポート6aより短い移動範囲(=S3×V116/V3)を移動する。この際、モーターMの回転方向を切り換えることで、移動体3をX方向へ往復移動させることができ、サポート6a、6bのそれぞれも移動体3に連動してX方向に往復移動させることができる。かかる連動機構100は、間隔C1、C2、C3が互いに等しい状態を保ったまま、移動体3に連動してサポート6a、6bを移動させる。したがって、かかる連動機構100によっても、上記実施形態と同様に、移動体3が軸受部材4U(4D)から最も遠ざかった際に間隔C1、C2、C3が互いに等しくなるように、サポート6a、6bを移動させることができる。
図21は、連動機構の第2例を備えるアクチュエータを模式的に例示する斜視図である。図22は、図21に例示したアクチュエータの平面図である。図23は、図21に例示したアクチュエータの底面図である。図24は、図21に例示したアクチュエータの部分拡大斜視図である。
このアクチュエータ1に設けられた連動機構200では、それぞれX方向に延びる3個のベルト回転機構210、220、230が並列に並ぶ。ベルト回転機構210は、筐体10のX方向の両端部のそれぞれに設けられたプーリ211、211にベルト213を架け渡した構成を具備している。ここで、プーリ211は歯付プーリであり、ベルト213は歯付ベルトである。各プーリ211は、筐体10によって回転自在に支持されており、ベルト回転機構210は、各プーリ211の回転とベルト213との回転が互いに連動する構成を具備する。同様に、ベルト回転機構220はX方向に設けられたプーリ221、221、にベルト223を架け渡して、これらの回転が連動する構成を具備し、ベルト回転機構230はX方向に設けられたプーリ231、231にベルト233を架け渡して、これらの回転が連動する構成を具備する。なお、プーリ211、221、231は、互いに等しい径(ピッチ円の径)を有する。
そして、移動体3が取付具214によりベルト213に固定され、移動体3のX方向の両側(両外側)に設けられた2個のサポート6aがサポート間隔LaをX方向に空けてそれぞれ取付具224によりベルト223に固定され、これらサポート6aのX方向の両側(両外側)に設けられた2個のサポート6bがサポート間隔Lb(=2×La>La)を空けてそれぞれ取付具234によりベルト233に固定されている。なお、移動体3、サポート6a、サポート6bは、それぞれが対応するベルト213、ベルト223、ベルト233のY方向の同一側(正側)に固定されている。
X方向正側のプーリ211、221、231のそれぞれには、ギヤ215、225、235がZ方向負側から固定されている。ギヤ215、225、235のそれぞれのギヤ軸217、227、237は、対応するプーリ211、221、231の回転中心線に一致しており、ギヤ215、225、235と対応するプーリ211、221、231との回転中心は一致している。また、ギヤ215、225、235それぞれの間には伝達ギヤ245、255が設けられており、これらのギヤ215、245、225、255、235がこの順番で並んでギヤ列を構成する。したがって、ギヤ215の回転が伝達ギヤ245によってギヤ225に伝達され、さらにギヤ225の回転が伝達ギヤ255によってギヤ235に伝達される。
このようなギヤ列が構成されているため、ギヤ215が回転すると、ギヤ225、235もギヤ215と同じ方向に回転する。この際、ギヤ215の角速度W215とギヤ225の角速度W225の比と、ギヤ215の径D215とギヤ225の径D225の比の間には、次の関係
W215:W225=D225:D215
が成立し、ギヤ215の角速度W215とギヤ235の角速度W235の比と、ギヤ215の径D215とギヤ235の径D235の比の間には、次の関係
W215:W235=D235:D215
が成立する。なお、ギヤの径D215、D225、D235はそれぞれ、対応するギヤ215、225、235のピッチ円の径として求めることができる。
ギヤ215の径D215、ギヤ225の径D225、ギヤ235の径D235は、この順に小さい(D215<D225<D235)。したがって、ギヤ215の角速度W215に対するギヤ225の角速度W225の比R21(=W225/W215=D215/D225)は1より小さく、換言すれば、ギヤ215の回転が減速比R21(<1)でギヤ225に伝達される。また、ギヤ215の角速度W215に対するギヤ235の角速度W235の比R22(=W235/W215=D215/D235)は1より小さいとともに減速比R21よりも小さく、換言すれば、ギヤ215の回転が減速比R22(<R11<1)でギヤ235に伝達される。
かかる連動機構200は、移動体3に連動してサポート6a、6bを移動させる。具体的には、モーターMの駆動力を受けて移動体3が速度V3でX方向へ移動すると、移動体3が取り付けられたベルト213が回転して、プーリ211を周速度V3で回転させる。その結果、プーリ211に取り付けられたギヤ215は、速度V3をプーリ211の半径rで除した角速度W215(=V3/r)で回転する。また、ギヤ215の回転と同時に、ギヤ225、235のそれぞれが角速度215を減速比R21、R22で減速した角速度W225、W235で回転して、それぞれに取り付けられたプーリ221、231を角速度W225、W235させる。その結果、ベルト223は、各サポート6aを伴って、角速度W223(=R21×V3/r)にプーリ221の半径rを乗じた周速度(=R21×V3)で回転し、ベルト233は、各サポート6bを伴って、角速度W235(=R22×V3/r)にプーリ231の半径rを乗じた周速度(=R22×V3)で回転する。すなわち、各サポート6aは、移動体3の速度V3を減速比R21で減速した速度(=R21×V3)で移動し、各サポート6bは、移動体3の速度V3を減速比R22で減速した速度(=R22×V3)で移動する。この際、移動体3、サポート6a、サポート6bは、それぞれが対応するベルト213、ベルト223、ベルト233のY方向の同一側に取り付けられているため、いずれもX方向の同じ側へ移動する。
このように、移動体3がX方向にストロークの一端から他端へ移動するのに伴って、サポート6a、6bがX方向の一端側から他端側へ移動する。この際、サポート6aは、移動体3の移動速度V3よりも遅い速度(=R21×V3)で移動し、サポート6bは、サポート6aよりも遅い速度(=R22×V3)で移動する。したがって、移動体3がストロークS3の一端から他端を移動する間、各サポート6aは移動体3のストロークS3より短い移動範囲(=S3×R21)を移動し、各サポート6bはサポート6aより短い移動範囲(=S3×R22)を移動する。この際、モーターMの回転方向を切り換えることで、移動体3をX方向へ往復移動させることができ、サポート6a、6bのそれぞれも移動体3に連動してX方向に往復移動させることができる。かかる連動機構100は、間隔C1、C2、C3が互いに等しい状態を保ったまま、移動体3に連動してサポート6a、6bを移動させる。したがって、かかる連動機構100によっても、上記実施形態と同様に、移動体3が軸受部材4U(4D)から最も遠ざかった際に間隔C1、C2、C3が互いに等しくなるように、サポート6a、6bを移動させることができる。
以上が本発明の「サポート位置制御機構」の変形例としての連動機構100、200の詳細である。また、「サポート位置制御機構」以外の構成に対しても種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、移動体3が軸受部材4U(4D、4)からもっとも遠ざかった際に間隔C3が間隔C1と等しかったが、間隔C3が間隔C1と異なっていても良く、具体的には間隔C3が間隔C1より短くても良い。
また、移動体3と軸受部材4U(4D、4)との間に設けるサポートの個数も上記の例に限られず、適宜変更が可能である。