JP6257864B1 - 電磁界プローブ - Google Patents
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Abstract
Description
このようなプローブとして、従来、ループプローブをプリント基板上で形成し,ループ配線の周囲にGNDパターンを取り付ける(コプレーナ構造とする)ものがあった。このプローブは測定対象に対してプローブを平行に配置することを前提とし、GNDパターンをアンテナパターンの周囲に配置していた(例えば、特許文献1参照)。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態による電磁界プローブの構成を示す斜視図である。また、図2は電磁界プローブの分解斜視図、図3は電磁界プローブの側面図、図4はループ状導体の形状を示す平面図である。これらの図を用いて実施の形態1の電磁界プローブについて以下説明する。
1.電磁界プローブの一部として導体板2を経由することで、測定対象が作る電界を導体板2とループ状導体1のそれぞれが受けることになり、両者の間に電位差を発生することができ、ループの中心部であっても電磁界プローブから出力電圧を発生させることができる。
2.導体板2によって渦電流ができるため磁束がループ状導体1のループ面を通過しにくくなる。特に、ループ状導体1の線(長方形のループ状導体の場合にはループを形成する導体の一辺)と、測定対象となる配線が近接することで、電磁界プローブの出力電圧が大きくなる位置で、誘導電流を抑制するため出力電圧を小さくすることができる。
図5に示すように、電磁界プローブ100をマイクロストリップ線路200との間に所定の間隔を持って配置する。図示例ではこれらの間隔を1.0mmとする。また、誘電体3の厚みは0.8mmである。電磁界プローブ100は、ループ状導体11の一方の端部11aをビア4によって導体板2と接続する。導体板2上には同軸ケーブルを接続するための同軸コネクタ6が設置され、ループ状導体11の他方の端部11bと同軸コネクタ6の芯線6aとを接続している。同軸コネクタ6及び芯線6aはループ状導体11からの信号出力端子としての機能を有するものである。すなわち、図5に示す電磁界プローブ100では、信号出力端子を導体板2を基準としてループ状導体11とは反対側の面に設けた構成となっている。ループ状導体11は、一辺6.5mm角の四角形のループ状導体を使用し、これを一辺8.0mm角の導体板2と誘電体3を介して配置している。
また、同軸コネクタ6を使用した場合には、導体板2と同軸コネクタ6の外導体を面で接続することができ、強固に固定できるため破損しにくい構造とすることができる。
実施の形態2の電磁界プローブは、ループ状導体の両端における一方の端部または他方の端部が、ループを形成する面の内側の領域に位置するようにしたものである。すなわち、電磁界プローブの中心付近にループ状導体がない場合、ループ状導体がマイクロストリップ線路からの電界成分を捉えにくい場合があり、実施の形態2では、これを解消するため、電磁界プローブの中心付近にループ状導体が位置するようにしている。
本実施の形態の電磁界プローブは、これらの図に示すように2層基板で構成しており、ループ状導体12の一方の端部12aは導体板2にビア4で接続し、他方の端部12bは、1辺の中間部から内側方向に四角形の領域の中心部付近まで延出されている。すなわち、他方の端部12bは、ループ状導体11におけるループの内側の領域に位置するよう構成されている。そして、他方の端部12bは、誘電体3に設けられた貫通穴3bと、導体板2に設けられたクリアランス2aを介して同軸コネクタ6の芯線6aに接続されている。この例では同軸コネクタ6を用いているが、電磁界プローブから測定装置まで電気的に接続できれば実施の形態1と同様、どのようなものでも構わない。なお、同軸コネクタ6を用いた場合、同軸コネクタ6の外導体を導体板2に接続し、芯線6aをループ状導体11の他方の端部12bに接続する。
実施の形態2の条件で、導体板2に接続しない端子をループの内側に入れたプローブを厚さ0.8mmのFR−4のプリント基板で試作した。そして、マイクロストリップ線路に対して横切る方向にプローブを移動させると共に、マイクロストリップ線路に対して回転させた場合の、マイクロストリップ線路と電磁界プローブ間の結合量を実測した。図12は測定条件の説明図、図13は図12の側面図、図14はループ状導体12の寸法を示す説明図である。
実施の形態3は、ループ状導体のループの内側に位置する他方の端部を螺旋状としたものである。
図16は、本実施の形態による電磁界プローブの分解斜視図、図17はループ状導体の形状を示す平面図である。これらの図を用いて実施の形態3の電磁界プローブについて以下説明する。
この効果を確認するための一つの例として、図18に実施の形態3のループ状導体の寸法を記す。図示のように、6.5mm角のループの中に一辺4.5mm角のループが入った構造となっている。また、線幅は0.5mmである。図19に電磁界プローブ100bを側面から見たときのマイクロストリップ線路200との位置関係を示す。電磁界プローブ100bとマイクロストリップ線路200との間隔は1.0mmであり、電磁界プローブ100bにおける誘電体3の厚さは0.8mmである。図20にこの条件で電磁界シミュレーションを用いて計算した結果を示す。破線で示す実施の形態1に比べると、実線で示す実施の形態3では、結合量の最大値は小さくなるものの、ループ状導体12の中心での結合量の低下が抑えられていることが分かる。
実施の形態4は、ループ状導体における一方の端部または他方の端部に、ループを形成する面の内側の領域において、ループ状導体の線幅より大きな線幅の導体板を接続した例である。実施の形態4では、導体板を接続する端部を他方の端部として説明するが、一方の端部でも同様の効果が得られる。
本実施の形態のループ状導体14は、他方の端部14bに、ループ状導体14の線幅より幅広の導体板15が接続されている。導体板15の形状は、ループ状導体14の線幅より広い部分を有していれば特に制約はないが、測定対象に対して電磁界プローブを回転させた時に対称であることが望ましいため、円形や正多角形が良く、また、ループ状導体14のループの中心付近に配置するのが望ましい。導体板15は、誘電体3に設けられた貫通穴3bと導体板2に設けられたクリアランス2aを通して同軸コネクタ6の芯線6aに接続されている。また、ループ状導体14の一方の端部14aは、実施の形態1及び実施の形態2と同様に、ビア4を介して導体板2に接続されている。図21におけるその他の構成は、図9に示した実施の形態2と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
実施の形態5は、ループ状導体を複数設け、これら複数のループ状導体を接続して、一本の連続したループ状導体としたものである。図25は、実施の形態5の電磁界プローブの分解斜視図、図26は電磁界プローブの側面図、図27A及び図27Bは、ループ状導体の形状を示す平面図である。これらの図を用いて実施の形態5の電磁界プローブについて以下説明する。
実施の形態5の効果を確認するために試作を行った。図28は、試作した電磁界プローブの分解斜視図、図29はその電磁界プローブの側面図、図30A、図30B、図30Cは、ループ状導体の形状を示す平面図である。これらの図に示す電磁界プローブは4層基板で作成されており、4層の内1層は導体板2が配置され、残りの3層はループ状導体18,19,11が配置されている。これらループ状導体18,19,11のうち、1層目のループ状導体18は、図30Cに示すように、実施の形態4の図24に示したループ状導体18と同様である。2層目のループ状導体19は、図30Bに示すように、図25〜図27Aに示したループ状導体19と同様である。3層目のループ状導体11は、図30Aに示すように、実施の形態1の図5及び図6に示したループ状導体11と同様である。
図中のCに示すように、電磁界プローブの中心での落ち込みは2dB程度と非常に小さく理想的な特性になっていることが分かる。また、Dに示すように、角度による変化を小さくすることができるという効果は、実施の形態1〜4と同様である。出力(結合量)の値に関して、導体板17の追加はループを貫く磁束を妨げてしまうため導体板17が無い場合に比べ、結合量が最大値となるプローブの端部(L=±4mm)での値は小さくなる方向に作用する。一方で、巻数を増やすことで結合量を大きくできるため、導体板17を追加しても結合量の最大値を変化させず、更に導体板17の効果によりループの中心部での結合量のみを大きくすることができる。
Claims (6)
- 両端が開放されたループ状導体と、
前記ループ状導体のループ面と平行かつ、前記ループ面の一方の面のみに配置され、前記ループ状導体及び前記ループ状導体の内側の領域を覆う形状の1枚の導体板とを備え、
前記ループ状導体の両端における一方の端部を前記導体板に接続し、他方の端部を信号出力端子に接続すると共に、当該信号出力端子と前記導体板間の電位差を測定出力としたことを特徴とする電磁界プローブ。 - 前記信号出力端子を、前記導体板を基準として前記ループ状導体とは反対側に設けたことを特徴とする請求項1記載の電磁界プローブ。
- 前記ループ状導体における一方の端部または他方の端部は、ループを形成する面の内側の領域に位置することを特徴とする請求項1記載の電磁界プローブ。
- 前記ループ状導体における一方の端部または他方の端部を、ループを形成する面の内側の領域に螺旋状に延出したことを特徴とする請求項3記載の電磁界プローブ。
- 前記ループ状導体における一方の端部または他方の端部は、ループを形成する面の内側の領域に当該ループ状導体の線幅より大きな線幅の導体板が接続されていることを特徴とする請求項3記載の電磁界プローブ。
- 複数の前記ループ状導体を異なる層にそれぞれ設け、それぞれのループ状導体の一方の端部を他の層のループ状導体の他方の端部に接続すると共に、他方の端部を他の層のループ状導体の一方の端部に接続して、前記複数のループ状導体を連続した一つのループ状導体とし、かつ、他のループ状導体に接続されていないループ状導体の一方の端部を前記導体板に接続すると共に、他のループ状導体に接続されていないループ状導体の他方の端部を前記信号出力端子としたことを特徴とする請求項1記載の電磁界プローブ。
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