JP6257026B2 - サイズ定着方法 - Google Patents

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本発明は、抄紙前の製紙工程において、有機系凝結剤を使用したサイズ定着方法に関するものであり、詳しくは、有機系凝結剤を特定の条件で特定の添加場所に添加するサイズ定着方法に関する。
製紙業界における紙の製造においては、中性抄造化に伴い抄造薬品もより適したものに移行している。水系のインクの滲みを防止、サイズ性を付与する目的で使用されるサイズ剤は、中性抄造においては、ロジン系サイズ剤の定着剤として使用されてきた硫酸バンドの添加率が減少、定着性が低下し高いサイズ効果が発現できない状況にあった。アルケニル無水コハク酸サイズ剤やアルキルケテンダイマーサイズ剤の様に、ロジン系サイズ剤は管理が煩雑ではなく、印刷適正に劣ることなく高いサイズ効果が得られるために中性抄造向けの中性ロジン系サイズ剤使用の要望が高くなっている。そこで、ロジン系サイズ剤の定着剤として従来、使用されてきた硫酸バンドの代用や併用として、カチオン性水溶性高分子の定着剤が種々考案されてきた(特許文献1〜3)。又、サイズ度を向上させるためにサイズ剤とサイズ定着剤の添加順序や方法が種々検討されている。例えば、特許文献4では、ジメチルジ(メタ)アリルアンモニウム塩の(共)重合体を添加するにあたり、ロジン系サイズ剤の添加に先立って添加し、剪断力を加えた後にロジン系サイズ剤を添加する方法、特許文献5では、カチオン性凝結剤を添加した後、硫酸バンド、サイズ剤の順番で連続添加するか、硫酸バンドとサイズ剤を同時に添加する方法等が提案されている。しかし、未だ中性ロジン系サイズ剤の満足な定着効果が得られていない場合が多く、サイズ度の向上を図るためには、サイズ剤の添加率を増加させる必要があり、未定着となったサイズ剤は製紙欠陥や汚れの発生等のピッチトラブルの要因となるため、更なる高いサイズ定着方法が求められおり、本発明の課題である。
特開平8−144189号公報 特開2002−249995号公報 特開2011−047086号公報 特開平9−188994号公報 特開2007−154349号公報
本発明の課題は、製紙工程において有機系凝結剤を使用し、サイズ剤をパルプ繊維に定着させ優れたサイズ効果が得られ、安定な操業を図る方法を開発することである。
上記課題を解決するため本発明者は、鋭意検討した結果、以下に述べる発明に達した。即ち、有機系凝結剤を特定の条件で特定の添加場所に添加するサイズ定着方法である。
製紙工程において、パルプ乾燥固形分濃度が2.0質量%以上の製紙原料に硫酸バンドおよびロジン系サイズ剤を添加後、有機系凝結剤を添加することで、従来の添加方法に比べて優れたサイズ定着効果が得られると共にピッチ低減効果も得られ安定な操業が達成できる。
本発明の有機系凝結剤について説明する。本発明の有機系凝結剤として下記の数種が使用できる。(メタ)アクリル系カチオン性あるいは両性重合体を使用する。(メタ)アクリル系カチオン性あるいは両性重合体は、下記に挙げるカチオン性単量体の重合体、カチオン性単量体と非イオン性単量体との共重合体、あるいはカチオン性単量体とアニオン性単量体及び非イオン性単量体との共重合体である。カチオン性単量体としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物等が挙げられる。これらのカチオン性単量体は1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
アニオン性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸あるいはそのナトリウム塩等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、マレイン酸やイタコン酸あるいはそのアルカリ金属塩、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアクリルアミドアルカンスルホン酸あるいはそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩等が挙げられる。これらのアニオン性単量体は1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
非イオン性単量体の例としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン、アクリロイルピペラジン等が挙げられる。これらのノニオン性単量体は1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の有機系凝結剤としては、ジアリルジメチルアンモニウム塩系重合体が使用できる。ジアリルジメチルアンモニウム塩系重合体は、ジアリルジメチルアンモニウム塩化物の重合体、ジアリルジメチルアンモニウム塩化物とアクリルアミドの共重合体である。
前記(メタ)アクリル系カチオン性あるいは両性重合体あるいはジアリルジメチルアンモニウム塩系重合体で使用されるカチオン性単量体のモル数は、10〜100モル%であり、アニオン性単量体のモル数は、0〜30モル%であり、抄造条件や製紙原料に適正な組成を任意に適用する。又、重合体の重量平均分子量は10万〜500万の範囲である。(メタ)アクリル系カチオン性あるいは両性重合体あるいはジアリルジメチルアンモニウム塩系重合体は、抄造条件や製紙原料に適正な組成や分子量のものが得られるので本発明の有機系凝結剤として使用するには最も好ましい。
本発明の有機系凝結剤として、重縮合系カチオン性物質を使用できる。重縮合系カチオン性物質は、アンモニア、脂肪族一価アミン及び脂肪族ポリアミンから選択された少なくとも一種以上の化合物とエピハロヒドリンとの重縮合物である。脂肪族一価アミンとしては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどである。脂肪族ポリアミンはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミンなどである。これらアミン類のなかで特に好ましいものは、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチレンジアミンあるいはペンタエチレンヘキサミンである。重縮合物は、これらアンモニア、脂肪族一価アミンあるいは脂肪族ポリアミンは、単独でも二種以上を混合しエピハロヒドリンと反応させたせた生成物でも良いし、また反応第一段階でまず脂肪族一価アミンとエピハロヒドリンとを反応し縮合物を生成させ、反応第ニ段階でアンモニアあるいは脂肪族ポリアミンと反応させ、分子量を増大した生成物でも良い。重縮合物の重量平均分子量としては、1万〜200万である。また、本発明で使用する重縮合系カチオン性物質は、分子内に四級アンモニウム塩基を含有するほうがより好ましい。
前記ポリアミン/エピハロヒドリン縮合物は、ポリアミン分子中アミノ基1モルに対し、エピハロヒドリン0.5モル〜3.0モルを反応し生成した縮合物であることが好ましい。このような比率で反応させることにより、一級、二級、三級あるいは四級アンモニウム塩基のうち複数の種類のアミノ基を有する縮合物を生成させることができる。また一級あるいは二級アミノ基による疎水性物質への吸着作用に効果があると推定される。従って縮合物中に活性水素が存在することが好ましく、エピハロヒドリンの比率を調節することによって原料アミンの水素原子を残しておくことが好ましい。従ってポリアミン分子中アミノ基1モルに対し、エピハロヒドリン0.5モル〜3.0モル、好ましくはポリアミン分子中アミノ基1モルに対し、エピハロヒドリン0.5モル〜1.5モルを反応し生成した縮合物であることが好ましい。
本発明の有機系凝結剤として、ポリビニルアミンおよびポリビニルアミン繰り返し単位を有する水溶性共重合物を使用できる。ポリビニルアミン系水溶性高分子の製造法に関しては、特開平6−65329号公報に開示されている。本発明で使用するポリビニルアミンおよびポリビニルアミン繰り返し単位を有する水溶性共重合物は、N−ビニルホルムアミド重合物あるいは共重合体を重合体中のホルミル基を変性することにより容易に得ることができる。すなわちN−ビニルホルムアミドと他の共重合可能な単量体とのモル比が、通常50:50〜100:0の混合物、好ましくは、80:20〜100:0の混合物をラジカル重合開始剤の存在下、重合することにより製造される。酸あるいはアルカリによりホルミル基を加水分解するため、共重合する単量体の一部も加水分解され、カルボキシル基が生成する場合が多い。そのためアクリロニトリルなどが共重合する場合便利である。その他アクリルアミド、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸nプロピル、クリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸nプロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸nブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−secブチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチルなどが挙げられる。これら単量体は、アニオン性基が生成するので、共重合体中のモル比は、20モル%未満であることが好ましい。
本発明の有機系凝結剤として、ポリビニルアミジンおよびビニルアミジン繰り返し単位を有する水溶性共重合物を使用できる。ポリビニルアミジンおよびビニルアミジン繰り返し単位を有する水溶性共重合物は、特開平5−192513号公報に記載されていて、以下のようなものである。N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリル共重合体を酸により加水分解し、一級アミノ基を生成させ、そのご隣接するアクリロニトリルのシアノ基と反応することにより生成する。すなわちN−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルのモル比が、通常50:50〜60:40の混合物をラジカル重合開始剤の存在下、重合する。重合体中のアミジン繰り返し単位は、20〜100モル%であり、好ましくは30〜100モル%であり、更に好ましくは50〜100モル%である。また分子量は重量平均分子量で10万〜500万であり、好ましくは20万〜300万である。
本発明の有機系凝結剤として、ポリエチレンイミンおよび四級アンモニウム塩基を含有するポリエチレンイミン変性物が使用できる。ポリエチレンイミンおよび四級アンモニウム塩基を含有するポリエチレンイミン変性物の合成法は、特開2003−193396号公報に記載されている。ポリエチレンイミンは、重量平均分子量としては、5,000以上あれば本発明の目的に使用できる。即ち、好ましくは5,000〜50万であり、更に好ましくは10,000〜50万である。また四級アンモニウム塩基を含有するポリエチレンイミン変性物は、変性後の分子量が好ましくは5,000〜50万であり、更に好ましくは10,000〜50万である。
本発明の有機系凝結剤は、水溶液重合、油中水型エマルジョン重合、油中水型分散重合、塩水中分散重合等によって重合した後、水溶液、油中水型エマルジョン、塩水中分散液あるいは粉末等任意の製品形態にすることができ、特に限定はない。
本発明の有機系凝結剤の添加率としては、パルプ乾燥固形分に対し0.005〜0.1質量%、好ましくは0.01〜0.05質量%である。0.005質量%より低いとサイズ剤定着効果が得られ難く、0.1質量%を超えると過剰添加でありサイズ剤以外の製紙薬剤やパルプ繊維と反応して過大なフロックが形成され成紙の地合いが不良となる場合がある。又、紙力増強剤、歩留向上剤、濾水性向上剤等の他の製紙用薬剤と併用しても差し支えない。
中性ロジン系サイズ剤の場合、硫酸バンドの添加は必須であるが本発明の有機系凝結剤を使用することにより定着性が高まり、硫酸バンドの添加率を削減することができる。硫酸バンドは通常、対製紙原料当たり有姿として0.5〜3質量%添加され本発明もその範囲で適用される。サイズ剤の添加率は、対製紙原料当たり固形分0.05〜5質量%の範囲である。
次に、ピッチトラブルについて説明する。古紙や塗工損紙、樹脂に由来するピッチ類あるいはアニオン性物質、濁度成分は、紙の汚れ、欠陥、断紙、抄紙機の汚れといった様々なピッチトラブルを引き起こす。未定着のサイズ剤もこのピッチトラブルを引き起こす要因になる。通常、これら、ピッチ成分や濁度成分を処理するのに凝結剤やピッチコントロール剤が使用されており、パルプ繊維と共にピッチ成分や濁度成分を凝結作用により処理している。本発明の有機系凝結剤の使用は、サイズ定着と同時にピッチ成分や濁度成分を処理し、ピッチトラブルの防止または抑制するための効果を併せ持つことになる。
サイズ定着剤の添加は、従来、リファイナー、原料配合チェスト、ミキシングチェスト、マシンチェスト、種箱等、パルプ乾燥固形分濃度が2.0質量%以上の様々な場所に添加されているが、一般的には硫酸バンドの効果を補う目的で硫酸バンドの前にサイズ定着剤を添加する方法が採用されていることが多い。本発明の有機系凝結剤の添加は、硫酸バンドとロジン系サイズ剤を添加した後に添加することが必須である。硫酸バンドを介在してパルプ繊維に定着したサイズ剤が下流工程で徐々に剥離するのを有機系凝結剤により再定着することにより優れたサイズ効果が発現することが推測される。そのため、有機系凝結剤の最も効果的な添加場所は製紙工程のパルプ乾燥固形分濃度が2.0質量%以上を有する製紙工程の最後の貯槽(チェスト)であり、通常、種箱と呼ばれる貯槽である。これは、種箱より上流の配合チェスト、マシンチェスト、ミキシングチェスト等では、抄紙機のワイヤーまでの距離が長くなり、有機系凝結剤を介在してパルプ繊維に定着したロジン系サイズ剤の剥離が徐々に進行し効果が得られないためと推測される。硫酸バンドとロジン系サイズ剤の添加は、有機系凝結剤の添加が硫酸バンドとロジン系サイズ剤よりも後であれば、添加場所は有機系凝結剤と同じ種箱であっても良いし種箱より上流のチェストでも良い。硫酸バンドとロジン系サイズ剤は同時であっても良いが、好ましくは、硫酸バンド、ロジン系サイズ剤の添加順序である。硫酸バンド、ロジン系サイズ剤の添加後に有機系凝結剤が添加されていれば、その後の下流工程において再度、硫酸バンドを添加しても差し支えない。
パルプ乾燥固形分濃度が2.0質量%以上を有する製紙工程の最後の貯槽(チェスト)を経た後、白水あるいは清水、工業用水等で希釈され2.0質量%より低い製紙原料にされ、通常の製紙工程では抄紙機の直前にはパルプ乾燥固形分濃度0.5〜1.5質量%に希釈されており、本発明もその範囲内で適用される。
本発明の有機系凝結剤の好適な添加場所は、前記した様に製紙工程のパルプ乾燥固形分濃度が2.0質量%以上を有する製紙工程の最後の貯槽(チェスト)である種箱であるが、通常、種箱へ薬品を添加する場合、上方から滴下されている場合が多い。又、種箱には撹拌機能が備わっていない場合が多い。有機系凝結剤の添加は、種箱貯槽中の製紙原料に上方から添加しても良いが、効果的なのは種箱貯槽中の製紙原料内部に添加する方法である。具体的には、凝結剤用の配管やホース等を製紙原料内部に挿入して添加する方法である。種箱内の紙料送り設備や種箱への製紙原料送りポンプに添加しても効果的である。例えば、ロジン系サイズ剤を種箱に0.55質量%添加(対製紙原料固形分)している某製紙会社のライナー板紙製造工程において、サイズ剤の添加場所より下流のマシンに近い側の種箱の製紙原料内部にホース配管を挿入し、その配管に有機系凝結剤として、アクリルアミド/アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド(4/80/16モル%)共重合体(水溶液重合体、重量平均分子量43万)を200ppm添加(対製紙原料固形分)した結果、その方法で添加しない場合に比べて、サイズ剤の添加率を0.44質量%に減少させても0.55質量%添加時と同等のサイズ度が得られた。これは、製紙原料との撹拌が効率的に行われ、ロジン系サイズ剤と有機系凝結剤の反応が効率的になされた結果であると考えられる。
対象抄造製紙原料としては特に限定はなく、新聞用紙、上質紙、PPC用紙、塗工原紙、微塗工紙、板紙等に適用できるが、サイズ性付与が最も求められる板紙原料において特に効果が顕著である。
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
某製紙会社から入手したライナー板紙製造原料(表層、pH7.0、カチオン要求量BTG社製PCD03型測定110μeq/L、乾燥固形分濃度4.11質量%)を対象にサイズ度効果試験を実施した。有機系凝結剤として、アクリルアミド/アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド(4/80/16モル%))共重合体(水溶液重合体、重量平均分子量43万)を用意し、純水で0.1質量%に溶解し試験に用いた。
(添加方法1)
板紙製造原料100mLをポリビーカーに採取し、硫酸バンドを2質量%添加(マシンチェスト添加想定)、200rpmで40秒攪拌、ロジン系サイズ剤を0.65質量%添加(種箱添加想定)、10秒攪拌、有機系凝結剤を200ppm添加(種箱添加想定)、30秒撹拌した(添加は何れも対製紙原料固形分)。その後、ワットマン濾紙No.41により濾過し、濾紙上の原料を清水500mLで希釈し、800rpm、60秒撹拌後、TAPPIスタンダード抄紙機(60メッシュワイヤー使用)で抄紙した。抄紙した湿紙を4.1kgf/cmで5分間、プレス機にてプレス脱水し、回転式ドラムドライヤーで105℃、3分間乾燥後、25℃、RH65%の条件で18時間調湿し、坪量及びCobb吸水度を測定した。結果を表1に示す。
(添加方法2)
実施例1と同様原料を対象に同様な有機系凝結剤を用いて試験を実施した。製紙原料100mLをポリビーカーに採取し、有機系凝結剤を対製紙原料固形分200ppm添加(リファイナー添加想定)、200rpmで30秒攪拌、硫酸バンドを2質量%添加(マシンチェスト添加想定)、40秒攪拌、ロジン系サイズ剤を0.65質量%添加(種箱添加想定)、40秒攪拌した(添加は何れも対製紙原料固形分)。その後、ワットマン濾紙No.41により濾過し、濾紙上の原料を清水500mLで希釈し、800rpm、60秒撹拌後、TAPPIスタンダード抄紙機(60メッシュワイヤー使用)で抄紙した。抄紙した湿紙を4.1kgf/cmで5分間、プレス機にてプレス脱水し、回転式ドラムドライヤーで105℃、3分間乾燥後、25℃、RH65%の条件で18時間調湿し、坪量及びCobb吸水度を測定した。結果を表1に示す。
(添加方法3)
実施例1と同様原料を対象に同様な有機系凝結剤を用いて試験を実施した。製紙原料100mLをポリビーカーに採取し、硫酸バンドを対製紙原料固形分2質量%添加(マシンチェスト添加想定)、200rpmで10秒攪拌、有機系凝結剤を200ppm添加(マシンチェスト添加想定)、30秒攪拌、ロジン系サイズ剤を0.65質量%添加(種箱添加想定)、40秒攪拌した(添加は何れも対製紙原料固形分)。その後、ワットマン濾紙No.41により濾過し、濾紙上の原料を清水500mLで希釈し、800rpm、60秒撹拌後、TAPPIスタンダード抄紙機(60メッシュワイヤー使用)で抄紙した。抄紙した湿紙を4.1kgf/cmで5分間、プレス機にてプレス脱水し、回転式ドラムドライヤーで105℃、3分間乾燥後、25℃、RH65%の条件で18時間調湿し、坪量及びCobb吸水度を測定した。結果を表1に示す。
(表1)
実施例1における添加方法1の硫酸バンドとサイズ剤の添加の後に有機系凝結剤を添加した方法が、添加方法2、3に比べてCobb吸水度の値が小さくサイズ度が良好であることが分かった。これは、硫酸バンドを介在してサイズ剤がパルプ繊維に定着したものを有機系凝結剤により定着を補強した結果であると考えられる。
実施例1の添加方法1において、ワットマン濾紙No.41により濾過した濾液を厚さ0.2mmのカウンティングチェンバー(ヘマサイトメーター)上に採取し、光学顕微鏡1200倍で観察した。ピントを垂直方向にずらしていきながら静止画を複数枚撮影した。カウンティングチェンバー上の異なる5箇所以上で同様の操作を繰り返した。画像処理ソフト(Media Cybernetics,inc. IMAGE−PRO PLUS Ver.5.0)を用い、顕微鏡画像の静止画を取込み、RGB値のレンジ設定をR値(0−190)、G値(0−130)、B値(0−156)に調整することにより、目的とする粒子を抽出した。その抽出した粒子について、解析ソフトを用いてピッチ個数及びピッチ粒子面積を測定した。結果を表2に示す。
前記添加方法2、3において、ワットマン濾紙No.41により濾過した濾液を厚さ0.2mmのカウンティングチェンバー(ヘマサイトメーター)上に採取し、光学顕微鏡1200倍で観察した。ピントを垂直方向にずらしていきながら静止画を複数枚撮影した。カウンティングチェンバー上の異なる5箇所以上で同様の操作を繰り返した。画像処理ソフト(Media Cybernetics,inc. IMAGE−PRO PLUS Ver.5.0)を用い、顕微鏡画像の静止画を取込み、RGB値のレンジ設定をR値(0−190)、G値(0−130)、B値(0−156)に調整することにより、目的とする粒子を抽出した。その抽出した粒子について、解析ソフトを用いてピッチ個数及びピッチ粒子面積を測定した。結果を表2に示す。
(表2)
実施例2における添加方法1の硫酸バンドとサイズ剤の添加の後に有機系凝結剤を添加した方法が、添加方法2、3に比べてマイクロピッチ個数及びマイクロピッチ面積が小さい値を示した。これは、サイズ剤に起因するマイクロピッチの低下、及び製紙原料中のピッチ成分、濁度成分の処理効果が優れることを示すものである。










請求項1〜3に記載されるサイズ定着方法において、本発明で使用する硫酸バンド、ロジン系サイズ剤及び有機系凝結剤を添加するための製紙工程のシステム図である。種箱まではパルプ乾燥固形分濃度が2.0質量%以上の製紙原料であるが、種箱の下流工程において白水にて希釈され、パルプ乾燥固形分濃度が2.0質量%より低くなる。図中、硫酸バンド、サイズ剤は上方から添加、有機系凝結剤は種箱の製紙原料内部へ配管等を通じて添加することを示す。

Claims (3)

  1. 抄紙前の製紙工程において、パルプ乾燥固形分濃度が2.0質量%以上の製紙原料に硫酸バンドおよびロジン系サイズ剤を添加後、重量平均分子量が10万〜500万の範囲の(メタ)アクリル系カチオン性あるいは両性重合体あるいはジアリルジメチルアンモニウム塩系重合体である有機系凝結剤をパルプ乾燥固形分濃度が2.0質量%以上の製紙原料に添加することを特徴とするサイズ定着方法。
  2. 前記有機系凝結剤の添加場所が、パルプ乾燥固形分濃度が2.0質量%以上の製紙原料を有する製紙工程の最後の貯槽であることを特徴とする請求項1に記載のサイズ定着方法。
  3. 前記有機系凝結剤を前記貯槽中の製紙原料内部に添加することを特徴とする請求項2に記載のサイズ定着方法。
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