JP2012017537A - 製紙方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙及び板紙の製造工程において、地合いを損なうことなく、ワイヤー上の製紙原料の歩留及び濾水性の向上と成紙の強度の向上が両立できる製紙方法を提供することを課題とする。
【解決手段】分散重合法により製造された高分子分散液からなる重量平均分子量が500万〜1000万の水溶性高分子を抄紙前の製紙原料中に添加することで上記課題を解決することができる。また最後のスクリーンを通過した主製紙原料流の一部をバイパス流とし、前記バイパス流を更に二つに分流した後、前記水溶性高分子と前記二つの分流とを混合手段によって混合し、その後前記主製紙原料流の一箇所に還流させることにより、更に効果を得ることができる。

【選択図】 図1

Description

本発明は、製紙工程での水溶性高分子を用いた製紙方法に関するものであり、詳しくは、塩水溶液中における分散重合により得られる水溶性高分子を紙または板紙に添加することにより、地合いを損なうことなく、ワイヤー上の製紙原料の歩留の向上と成紙の強度の向上が両立できる製紙方法に関するものである。
紙及び板紙の製造工程において、ワイヤーパートでの製紙原料の歩留率の向上を図るために、製紙工程の最終せん断工程であるスクリーン前後にアクリルアミド系水溶性ポリマーを単独添加することが汎用されている。しかし、近年の製紙工程は、古紙及び脱墨パルプの配合比率の増加による製紙原料中の微細繊維の増加や、填料として微粒な炭酸カルシウムの使用比率の高まりにより、歩留を維持するためにはアクリルアミド系水溶性ポリマーの添加率の増加や高分子量化或いはスクリーンの後に添加することで対応することが可能である。しかし、これらの方法では過大なフロックを形成することにより紙質、特に地合いが悪化することが考えられる。更に過大なフロックは水分を過多に取り込むためワイヤーパートでの濾水性の低下、ドライヤーパートでの搾水性、乾燥効率の低下を招き生産効率の向上が望めない状況である。特に板紙の製造においては、生産効率を上げることが課題であり、歩留向上剤としてポリマー単独では対応しきれない現状にある。一方、板紙の販売価格が抑制され製紙用薬品コストが掛けられないという現在の経済市況から、例えば、カチオン性ポリマーとアニオン性無機物やアニオン性ポリマーとを併用する歩留二液システムの使用が困難であり満足な歩留効果が得られない場合もある。
最近では、ポリマー一液で高い歩留効果を得るために、塩水溶液中での分散重合による1規定NaCl水溶液中、25℃で測定した固有粘度が15dl/g以上の高分子量のアクリルアミド系水溶性ポリマーが開発され、溶液中で縮まった分子形態を有するため地合いを損なうことなく高い歩留が得られる技術が開示されている(特許文献1)。
塩水溶液中での分散重合法は、特許文献1で示すように水溶液重合に比べ、高濃度重合が可能で一般的には単量体濃度10〜30%で重合することができる。更に高分子量化が可能でありながらエマルジョン重合法により得られるアクリルアミド系水溶性ポリマーに比べ、見かけの粘度が低く、分散性が良いので地合を損なうことなく歩留を向上することができる。又、分散媒としてのオイル(炭化水素系溶剤)を使用しないので環境負荷の低減にも有効である。
一方、通常、紙の強度を増加させるために紙力増強剤が使用されている。特に板紙においては製品の強度を得るために紙力増強剤の使用は必要不可欠である。一般的には、ポリアクリルアミド系のアニオン性又は両性合成高分子を用いる場合が多く、特に両性の紙力増強剤が汎用されている。一般的に使用されるのはアクリルアミドとN、N−ジアルキルアミノ(メタ)アクリレ−トあるいはN,N−ジアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド等と(メタ)アクリル酸による共重合体である。又、これに架橋剤としてN、N−メチレンビスアクリルアミドなどが共重合され、更に最近では、N,N−ジメチルアクリルアミドが共重合され特異な溶液物性を示す高分子からなる紙力増強剤が開発されている。
紙力増強効果は、セルロース分子中の水酸基と紙力増強剤中の水素結合力を有する側鎖との水素結合力に起因するものであり、紙力増強剤として使用される高分子の分子量は効果に影響する。一定の分子量以上、即ち、重量平均分子量が数10万以上ないと紙力増強剤としての効果は顕著ではない。従来、使用されてきたウェットエンドに添加される紙力増強剤の分子量は、数10万〜100万程度であり、架橋性単量体が共重合されたタイプは、200万〜500万に達する。架橋性高分子は、見かけの溶液粘度を低下させることができるが、これ以上の分子量が必要となると、現状とは異なった形態の紙力増強剤が必要となっており、この課題に対しては塩水溶液中における分散重合タイプが開発されている。高分子量のものは紙力増強効果発現の効率が良いが、これまでは分子量を上げると紙の地合を乱すため紙力増強剤としては数10万〜500万のものが主流である。
前述した様に板紙の製造においては薬品コストの抑制が強く要望されており、製紙プロセス薬品の機能を複数有することが理想であり、事実、紙力増強剤であっても歩留向上や濾水性向上助剤として機能している場合もあり、紙力増強剤と歩留向上剤或いは濾水性向上剤と併用することにより歩留向上或いは濾水性向上効果を高めている。紙力増強剤単独では分子量が低いので、歩留や濾水性の大幅な向上は期待できず、又、従来の歩留向上剤或いは濾水性向上剤では紙力増強効果は得られない。特許文献2では、分岐構造を有する高分子分散剤を用いて塩水溶液中で分散重合により得た水溶性高分子分散液を紙力増強剤や歩留向上剤用途に用いることが開示されている。同様に特許文献3でもカチオン性ラジカル重合性単量体とスルホン酸基含有ラジカル重合性単量体を共重合させて得た高分子分散剤を用いて塩水溶液中で分散重合により得た水溶性高分子分散液を紙力増強剤や歩留向上剤用途に用いることが開示されている。しかし、何れの方法においても紙力と歩留の両面を同時に満たす効果は得られていない。これは、紙力増強効果が発揮できるイオン組成で高分子量のポリマーが得られないことが主要因であると考えられる。そのため、紙力増強効果と歩留効果の両面を満足させた薬品の開発が望まれている。
特開2007−16086 特開2010−24441 特開2010−77541
本発明の目的は、紙及び板紙の製造工程において、地合いを損なうことなく紙力増強効果と歩留向上効果を両立させる製紙方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、鋭意検討することにより、ある一定条件下でカチオン性単量体とアニオン性単量体及びノニオン性単量体を、塩水溶液中で分散重合して得た水溶性高分子で課題が達成できることを見出し、本発明の完成に至った。
請求項1の発明は、下記一般式(1)及び/又は(2)であらわされるカチオン性単量体2〜35モル%、下記一般式(3)で表わされるアニオン性単量体2〜25モル%及び(メタ)アクリルアミド40〜96モル%からなる単量体混合物を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子からなる分散剤共存下で分散重合法により製造された高分子分散液からなる重量平均分子量が500万〜1000万の水溶性高分子を、抄紙前の製紙原料中に添加することを特徴とする製紙方法に関するものである。
一般式(1)
R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(2)
R5は水素又はメチル基、R6、R7は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X2は陰イオンをそれぞれ表わす。をそれぞれ表わす
一般式(3)
R8は水素、メチル基又はカルボキシメチル基、QはSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R9は水素又はCOOY2、Y1あるいはY2は水素又は陽イオンをそれぞれ表わす。
請求項2の発明は、紙力増強剤を併用することを特徴とする請求項1に記載の製紙方法に関するものである。
請求項3の発明は、前記製紙原料において、最後のスクリーンを通過した主製紙原料流の一部をバイパス流とし、前記バイパス流を更に二つに分流した後、請求項1の水溶性高分子と前記二つの分流とを混合手段によって混合し、その後前記主製紙原料流の一箇所に還流させることにより、前記水溶性高分子を添加・混合した後、抄紙する請求項1或いは2に記載の製紙方法に関するものである。
請求項4の発明は、前記主製紙原料流のバイパス流に替えて、主製紙原料流に循環される白水をバイパス流として使用することを特徴とする請求項3に記載の製紙方法に関するものである。
請求項5の発明は、前記製紙原料が板紙用製紙原料であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の製紙方法に関するものである。
請求項6の発明は、前記水溶性高分子の添加率が製紙原料の乾燥固形分に対して0.03〜0.1質量%であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の製紙方法に関するものである。
本発明の水溶性高分子は、水溶性高分子自体の高い紙力増強効果、及び併用する紙力増強剤とのポリマーのイオンコンプレックスを利用した定着性の向上、更に本発明の水溶性高分子の塩水溶液中の分散重合による高分子量化と高分散性により、地合を損なうことなく優れた歩留向上効果を発揮することができる複合的な機能を有する。
本発明の水溶性高分子について説明する。この水溶性高分子はカチオン性単量体、アニオン性単量体及び(メタ)アクリルアミドからなる単量体混合物を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子からなる分散剤共存下で分散重合法により製造された粒径100μm以下の微粒子の高分子分散液からなる。塩水溶液中に分散した高分子微粒子分散液からなる水溶性高分子は、特開2007−16086号公報などによって製造することができる。この製造方法により得られた本発明の水溶性高分子は塩水溶液中の析出重合であるため、析出時重合体濃度が非常に高い状態になる。その結果、分子は結晶化しやすい状態に置かれ、局部的に高濃度になりやすく、結晶化を促進していると考えられる。従って高分子の一部が結晶化或いはその他の結合によって溶液中で縮まった分子になっていると推定される。この様な状態にある高分子を歩留向上剤として使用した場合、製紙原料フロックが巨大化せず小さく締ったものとなりシェアに強いため、歩留が向上するだけでなく地合が良好な紙が抄紙できる。又、イオン性を調整することで紙力増強効果を有し、更に併用する紙力増強剤とのポリマー間のイオンコンプレックスが作用し紙力増強効果が大きく向上する。
次に本発明の水溶性高分子の具体的な製造方法を述べる。重合する単量体(混合物)の組成は、一般式(1)及び/又は(2)で表される単量体2〜35モル%、一般式(3)で表される単量体2〜25モル%、(メタ)アクリルアミド及び共重合可能な他の非イオン性水溶性単量体40〜96モル%からなる単量体(混合物)が好ましい。更に好ましい単量体(混合物)の組成は、一般式(1)及び/又は(2)で表される単量体2〜20モル%、一般式(3)で表される単量体2〜20モル%、(メタ)アクリルアミド及び共重合可能な他の非イオン性水溶性単量体60〜96モル%である。紙力増強効果への寄与が大きい(メタ)アクリルアミド及び共重合可能な他の非イオン性水溶性単量体の含有量は多い方が好ましい。
本発明の水溶性高分子を重合する場合、使用するカチオン性単量体の例として(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルやジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メチルジアリルアミン等が挙げられる。又、四級アンモニウム基含有単量体の例としては、該三級アミノ含有単量体の塩化メチルや塩化ベンジルによる四級化物である(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物等である。
使用するアニオン性単量体の例として、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸あるいは2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸或いはp−カルボキシスチレン等である。非イオン性単量体の例として、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等が挙げられる。
又、本発明の水溶性高分子は、重量平均分子量が高い方が歩留向上剤としての機能が高まる。従って一般式(2)で表されるジアルキルジアリルアンモニウム塩よりも一般式(1)で表される(メタ)アクリル系単量体を使用する方が好ましい。特にメタアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物或いはアクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウム塩化物の中から一種以上とアクリル酸及び(メタ)アクリルアミドの組み合わせが好ましい。
塩水溶液中において、該塩水溶液中に溶解可能な高分子分散剤を共存させビニル系単量体或いはビニル系単量体混合物を分散重合する場合、重合遅延性物質を全単量体に対し0.5〜5モル%添加することにより、増粘が抑制可能であり、従来の紙力増強剤の様な組成においても重量平均分子量が高い水溶性高分子を製造することができる。
又、前記重合遅延性物質はイタコン酸、マレイン酸、フタル酸、アリルアミンおよびジアリルジメチルアンモニウムクロライドから選択される一種以上である。
本発明の水溶性高分子の重合時に架橋性単量体を添加することができる。架橋性単量体の具体例としてはN,N’−メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミドなどのビニル系メチロール化合物、アクロレインなどのビニル系アルデヒド化合物あるいはこれらの混合物が挙げられるが、これらの中でもN,N’−メチレンビスアクリルアミドの使用が好ましい。
本発明で使用する高分子分散剤は、イオン性、非イオン性とも使用可能であるが、好ましくはイオン性、更に好ましくはカチオン性である。カチオン性高分子分散剤の場合、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物やジメチルジアリルアンモニウム塩化物などのカチオン性単量体の(共)重合体を高分子分散剤として使用するが、カチオン性単量体と非イオン性単量体との共重合体も使用可能である。非イオン性単量体の例としては、アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等であるが、アクリルアミドとの共重合体が好ましい。
又、非イオン性高分子分散剤としては、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/ポリビニルカプロラクタム共重合体、アクリルアミド/スチレン共重合体、無水マレイン酸/ブテン共重物の完全アミド化物などアミド基と若干の疎水性基を有する水溶性高分子も有効である。
前記カチオン性高分子分散剤の分子量としては、高いと分散液の粘性が高くなり好ましくない。従って5,000〜200万、好ましくは5万〜100万である。又、非イオン性高分子分散剤の分子量としては、1,000〜10万、好ましくは1,000〜5万である。これらカチオン性或いは非イオン性高分子分散剤の添加量は、単量体に対して1〜20質量%であり、好ましくは5〜15質量%である。
使用する塩類としては、ナトリウムやカリウムのようなアルカリ金属イオンやアンモニウムイオン等の陽イオンとハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオンなどの陰イオンとを組み合わせた塩が使用可能であるが、多価陰イオンとの塩がより好ましい。これら塩類の塩濃度としては、10%以上の水溶液として用いることが好ましい。この中に前記単量体類を溶解させ、更にイオン性高分子からなる分散剤を共存させ、pHを2〜5に調製した後、窒素置換後、重合開始剤によって重合を開始させる。
重合濃度としては、単量体濃度として15質量%〜35質量%であるが、好ましくは20質量%〜30質量%である。単量体供給方法としては、重合開始時、一括してし込んでも良いし、適宜分割してし込んでも良い。
重合条件は通常、使用する単量体や共重合モル%によって適宜決定し、温度としては0〜100℃の範囲で行う。重合開始はラジカル重合開始剤を使用する。これら開始剤は油溶性或いは水溶性のどちらでも良く、アゾ系、過酸化物系、レドックス系の何れでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)、4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチル)バレロニトリル等が挙げられ、水混溶性溶剤に溶解し添加する。
水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等が挙げられる。又、レドックス系の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等との組み合わせが挙げられる。更に過酸化物の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウム或いはカリウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t-ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエ−ト等を挙げることができる。これら開始剤の中で最も好ましいのは、水溶性アゾ開始剤の2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物である。アゾ系開始剤の添加量は、重合開始時、単量体当たり50〜500ppm、好ましくは70〜200ppm添加する。しかし、一回の添加では重合率が低くなるので、数回に分けて添加することが好ましい。
又、レドックス系開始剤で共重合する場合、40℃以上の条件で重合を開始させると重合の制御は難しく、急激な温度上昇や重合液の塊状化などが起きて、高重合度で安定な分散液が得られないため、15〜35℃が好ましい。この開始剤の添加量は、重合開始時、単量体当たり5〜100ppm、好ましくは10〜50ppm添加する。しかし、一回の添加では重合率が低くなるので、数回添加することが好ましい。添加回数としては、2〜5回、好ましくは2〜3回である。
これらイオン性高分子からなる高分子分散剤の添加量としては、対単量体1〜30質量%であり、好ましくは2〜20質量%である。1%以下では、分散剤としての効果がなく、30%以上では、分散液の粘性が高くなる上、コスト的に不利になる。
本発明の水溶性高分子の分子量は、極限粘度法による重量平均分子量で規定する。重量平均分子量が500万未満では歩留向上機能としての効果が不十分であり、分子量が高い程、歩留効果は向上するので、500万〜1000万が好ましい。更に好ましくは700万〜1000万である。又、重量平均分子量が1000万以上になると均一な高分子分散液を得ることが困難である。
本発明の水溶性高分子は、一般的には水に希釈し均一な水溶液とした後、抄紙前の製紙原料中に添加する。添加は、カチオン性或いは両性澱粉系紙力増強剤、又はアニオン性或いは両性ポリアクリルアミド系紙力増強剤を添加した後、本発明の水溶性高分子を添加することが好ましい。通常、紙力増強剤は製紙工程上流の種箱やマシンチェスト等の濃度2.5質量%以上の原料に添加されるが、本発明の水溶性高分子の添加前ならば添加場所を制約しない。紙力増強剤と併用することで紙力増強効果が相乗的に向上するため紙力増強剤の添加率を低減することが可能であり、薬品コストの低減に繋がる。本発明の水溶性高分子は、高分子濃度が0.1〜2質量%になるように希釈して添加する。添加率は製紙原料の乾燥固形分に対して0.03〜0.1質量%添加する。好ましくは0.03〜0.07質量%である。
従来の歩留向上剤の添加率は0.005〜0.05質量%であり、紙の種類、抄紙条件によっても異なるが、0.03質量%以上添加すると地合いが極端に低下するため増添できない場合が多い。又、歩留向上剤を増添しても紙力増強効果は得られず、寧ろ、填料分を多く成紙中に留めてしまい、填料がパルプ繊維間の結合を阻害することにより紙力は低下する傾向にある。一方、紙力増強剤の添加率は0.1〜1.0質量%であり、ある程度の歩留向上或いは濾水性向上補助効果が得られるものの分子量が歩留向上剤に比べて低いため大幅な歩留向上或いは濾水向上効果は望めない。本発明の水溶性高分子は、従来の歩留向上剤及び紙力増強剤の中間の添加率、即ち、0.03〜0.1質量%、好ましくは0.03〜0.07質量%を製紙工程で用いることにより紙力を維持し、濾水性向上効果および歩留向上効果が得られるものである。
本発明の水溶性高分子の添加場所としては、歩留向上機能を発揮するという目的から最終せん断工程であるスクリーンの前後が好ましく、特にスクリーンを通過した主製紙原料流が好ましい。これは、スクリーンを通過することによる大きなせん断がポリマーに掛からないため高分子が切断されることなく最大限の効果が発揮されるためである。
本発明の水溶性高分子は以下の混合手段により添加、混合することができるが、本発明で使用する混合における技術思想が達成できればどのような混合手段を用いても良く、具体的には以下のような混合装置を使用すると効率的に実施が可能である。例えば以下のフローから構成される場合がある。即ち、主製紙原料流の一部をバイパス流として使用し、例えば装置の一例として、前記バイパス流を更に二つに分流しておき、このうち一つの分流を(1)大流量・高速ジェット流を形成する部分(インジェクションフロー)、(2)薬品を添加するには、薬品流を螺旋回転させながらジェット流に噴射する部分(ケミカルフロー)、(3)もう一方の分流は、薬品流が噴射される部分を広げて、薬品流をジェット流に巻き込ませる部分(ミキシングフロー)から構成されているもの等が使用できる。
前記三つのフローは、断面が同心円の配管により構成される。同心円の一番真ん中にミキシングフロー、一番外側にインジェクションフロー、ミキシングフローとインジェクションフローの間にケミカルフローが位置し、それぞれのフローは先端部で合流する形体を有する。ケミカルフローの薬品はインジェクションフローに接触し、速やかにその中に混合され主製紙原料流に添加される。薬品は主製紙原料流の配管内に広く、深く分散するので非常に高いミキシング効果を発揮するため、高分子量であっても紙の地合いを崩すことがない。上記例に挙げた混合手段では、主原料流に対して高速で添加されるため薬品の流量が0.1l/s以上で粘度が300mPa・s以下であれば希釈用の清水が不要であるため、前記流量と粘度が好ましい。その範囲内に入らなければ清水で希釈するが、従来の添加法に対して清水使用量が大幅に削減できる。
主製紙原料流の一部をバイパス流として使用し大流量・高速ジェット流を形成する部分(インジェクションフロー)では、主製紙原料流の一部をバイパス流とし、バイパス流を更に二つ以上に分流した一方の製紙原料を例えばブースターポンプなどにより加圧し、バイパス流の5〜20倍の流速に加速される強力な渦巻きジェット流を形成する。この時、流速5〜10l/sに加速することが好ましい。
薬品を螺旋回転させながら前記ジェット流に対して噴射する部分(ケミカルフロー)では、ノズル部よりジェット流に対し螺旋回転しながらフィルム状に噴出される。流速は遅くシェアは最小限に抑えられるので、薬品に対する影響は最小限となる。流速は、0.1〜1.0l/sで薬品を噴射することが好ましい。
バイパス流を分流したもう一方の分流は、前記ケミカルフローを広げて薬品をジェット流に巻き込ませる役割を果たし(ミキシングフロー)、スプレー状に放出されて、ケミカルフローを押し広げジェット流に巻き込ませる。ミキシングフローの流速は、1〜2l/sが好ましい。上記説明した装置の具体例としては、ウェットエンド・テクノロジー社の「トランプジェット」等がある。
製紙原料がスクリーン通過前の添加では、スクリーンのシェアにより高分子が切断されるので、大きな歩留率の向上を得るためには、ポリマーの添加率を増やす必要がある。一方、スクリーン通過後の添加では、混合の問題から地合いが崩れる危険が予想され、添加率を最小限に抑制しなければならず大幅な歩留率の向上、生産性の向上が望めない。従って本発明の水溶性高分子を前記製紙原料流との混合手段を用いる添加方法において、薬品が効果的にミキシングされ、スクリーン通過後に添加されるため顕著な効果を発現するため好ましい。
前記製紙用添加システムとして一種の薬品添加だけでなく、二種以上の薬品添加にも適用できる。即ち、バイパス流を三つに分流した後、一種目の薬品に本発明の水溶性高分子のフローと、前記三つに分流したうちの二つの分流を、前記混合手段によって混合し、前記主製紙原料流の一箇所に還流させ、二種目として、アニオン性ポリマー、ベントナイト或いはコロイダルシリカを残りの一つの分流をもう一つの同種の混合手段によって混合し、前記水溶性高分子を添加した箇所よりも下流の主製紙原料流の一箇所に還流させる方法もある。
上記処方を応用することにより歩留向上/紙力増強剤と同種の混合手段を使用して填料、紙力剤、サイズ剤、硫酸バンド他の製紙用薬品と同時に添加することができ、別の混合手段によってサイズ剤定着剤、濾水性向上剤、あるいはアニオン性水溶性高分子、ベントナイト或いはコロイダルシリカ等より抄紙機に近い箇所で添加することができる。従って、歩留向上/紙力増強剤として、本発明の水溶性高分子が、本発明で使用する添加方法と混合手段を用い、スクリーン通過後の製紙原料に添加されることにより効果的にミキシングされ、顕著な効果を発現する。
本発明で使用する分散重合法により製造された分散液からなる水溶性高分子は、水溶液重合法、油中水型エマルジョン重合法、油中水型分散重合法により製造された水溶性高分子に較べ、水に溶解した場合の見かけ粘度が非常に低い。例えば、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドの共重合体の場合、分子量約500万〜800万において0.2質量%の水溶液の粘度(25℃)は、油中水型エマルジョン重合法による重合物では、200〜700mPa・sであるのに対し、本発明で使用する分散重合法により製造された分散液からなる水溶性高分子は、略同様の分子量、質量%の水溶液において20〜50mPa・sである。これは重合時共存させる無機塩類の影響もあるが、それを差し引いても低粘性である。見かけ粘度が低いということは、それだけ製紙原料中での分散性が良く、添加場所としてスクリ−ンの通過後などマシンにより近い場所で添加しても、不均一な分散によるトラブルの危険性が低いといえる。
混合手段の設置場所は、スクリーン通過後の主製紙原料流に循環される白水の配管系統に設置することも可能である。即ち、請求項6に記載されるように、製紙原料のバイパス流に替えて、白水の流れを二つ以上に分流した後、混合手段によって前記分流のうち、二つと歩留向上/紙力増強剤の原液或いは希釈液とを混合し、前記主製紙原料流の一箇所に還流させることもできる。この概念図は、図1に記載されるように主製紙原料流のバイパスに替えて図中1の白水の流れを使用して薬剤を添加する。対象紙料としては特に限定はなく、あらゆる紙料に対して適用できるが、特に地合いを損なうことなく歩留の向上が求められる新聞用紙、上質紙、PPC用紙、塗工原紙、微塗工紙や最小限の添加率で最大限の効果が求められる板紙等においてその効果がより発揮される。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
(合成例1)攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水209.7g、硫酸アンモニウム96.6g、カチオン性単量体として80重量%アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(以下DMQ)10.4g、80重量%アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物(以下AMB)14.5g、アニオン性単量体として80重量%アクリル酸(以下AAC)3.9g、50重量%アクリルアミド(以下AAM)103.9g、前記単量体総量に対しイタコン酸を1モル%(1.1g)、分散剤としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合体(20重量%液、粘度6800mPa・s)37.5g(対単量体;10.0%)をそれぞれ仕込んだ。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行った。この間、恒温水槽により35±2℃に内部温度を調整した。窒素導入30分後、開始剤として2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物の1重量%水溶液0.75g(対単量体100ppm)を添加し重合を開始させた。内部温度を35±2℃に保ち重合開始後6時間たったところで上記開始剤を0.75g追加し、さらに10時間反応させた。その後、硫酸アンモニウムを22.4g入れ、30分攪拌することで目的の分散液を得た。得られた塩水中分散液を試作−1とする。このDMQ/AMB/AAC/AAMのモル比は5/5/5/85であり、分散液粘度は380mPa・sであった。また、0.2%に希釈した際の水溶液粘度及び1規定NaCl水溶液中、25℃で測定した極限粘度法による重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
(合成例2)合成例1と同様の装置に、脱イオン水211.9g、硫酸アンモニウム96.6g、カチオン性単量体として80重量%DMQ10.4g、80重量%AMB14.5g、アニオン性単量体として80重量%AAc7.8g、50重量%AAM97.8g、前記単量体総量に対しイタコン酸を1モル%(1.1g)、分散剤としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合体(20重量%液、粘度6800mPa・s)37.5g(対単量体;8.0%)をそれぞれ仕込み、合成例1と同様の方法で反応した後、硫酸アンモニウムを22.4g入れ、30分攪拌して目的の分散液を得た。得られた塩水中分散液を試作−2とする。このDMQ/AMB/AAC/AAMのモル比は5/5/10/80であり、分散液粘度は780mPa・sであった。また、0.2%に希釈した際の水溶液粘度及び1規定NaCl水溶液中、25℃で測定した極限粘度法による重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
(合成例3)合成例1と同様の装置に、脱イオン水216.6g、硫酸アンモニウム96.6g、カチオン性単量体として80重量%DMQ10.4g、80重量%AMB14.5g、アニオン性単量体として80重量%AAC15.5g、50重量%AAM85.4g、前記単量体総量に対しイタコン酸を1モル%(1.1g)、分散剤としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合体(20重量%液、粘度6800mPa・s)37.5g(対単量体;10.0%)をそれぞれ仕込み、合成例1と同様の方法で反応した後、硫酸アンモニウムを22.4g入れ、30分攪拌して目的の分散液を得た。得られた塩水中分散液を試作−3とする。このDMQ/AMB/AAC/AAMのモル比は5/5/20/70であり、分散液粘度は640mPa・sであった。また、0.2%に希釈した際の水溶液粘度及び1規定NaCl水溶液中、25℃で測定した極限粘度法による重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
(合成例4)合成例1と同様の装置に、脱イオン水192.3g、硫酸アンモニウム120.2g、カチオン性単量体として80重量%DMQ17.6g、80重量%AMB24.5g、アニオン性単量体として80重量%AAC3.3g、50重量%AAM77.4g、前記単量体総量に対しイタコン酸を1モル%(0.95g)、分散剤としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合体(20重量%液、粘度6800mPa・s)37.5g(対単量体;8.0%)をそれぞれ仕込み、合成例1と同様の方法で反応した後、硫酸アンモニウムを24.3g入れ、30分攪拌して目的の分散液を得た。得られた塩水中分散液を試作−4とする。このDMQ/AMB/AAC/AAMのモル比は10/10/5/75であり、分散液粘度は530mPa・sであった。また、0.2%に希釈した際の水溶液粘度及び1規定NaCl水溶液中、25℃で測定した極限粘度法による重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
(合成例5)合成例1と同様の装置に、脱イオン水200g、硫酸アンモニウム120.2g、カチオン性単量体として80重量%DMQ17.6g、80重量%AMB24.5g、アニオン性単量体として80重量%AAC13.1g、50重量%AAM61.9g、前記単量体総量に対しイタコン酸を1モル%(0.95g)、分散剤としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合体(20重量%液、粘度6800mPa・s)37.5g(対単量体;8.0%)をそれぞれ仕込み、合成例1と同様の方法で反応した後、硫酸アンモニウムを24.3g入れ、30分攪拌して目的の分散液を得た。得られた塩水中分散液を試作−5とする。このDMQ/AMB/AAC/AAMのモル比は10/10/20/60であり、分散液粘度は400mPa・sであった。又、0.2%に希釈した際の水溶液粘度及び1規定NaCl水溶液中、25℃で測定した極限粘度法による重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
(合成例6)合成例1と同様の装置に、脱イオン水198.7g、硫酸アンモニウム144.5g、カチオン性単量体として100重量%ジメチルアミノエチルメタアクリレート(以下DMM)12.1g、アニオン性単量体として80重量%AAc5.8g、50重量%AAM118.9g、前記単量体総量に対しイタコン酸を1モル%(1.2g)、分散剤としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合体(20重量%液、粘度6800mPa・s)18.8g(対単量体;8.0%)をそれぞれ仕込み、合成例1と同様の方法で反応して目的の分散液を得た。得られた塩水中分散液を試作−6とする。このDMM/AAC/AAMのモル比は8/5/87であり、分散液粘度は270mPa・sであった。また、0.2%に希釈した際の水溶液粘度及び1規定NaCl水溶液中、25℃で測定した極限粘度法による重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
(合成例7)合成例1と同様の装置に、脱イオン水215.4g、硫酸アンモニウム96.6g、カチオン性単量体として80重量%DMQ20.1g、80重量%メタアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(以下DMC)10.8g、アニオン性単量体として80重量%AAC7.5g、50重量%AAM88.6g、前記単量体総量に対しイタコン酸を1モル%(1.1g)、分散剤としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合体(20重量%液、粘度6800mPa・s)37.5g(対単量体;10.0%)をそれぞれ仕込み、合成例1と同様の方法で反応した後、硫酸アンモニウムを24.3g入れ、30分攪拌して目的の分散液を得た。得られた塩水中分散液を試作−7とする。このDMQ/DMC/AAC/AAMのモル比は10/5/10/75であり、分散液粘度は610mPa・sであった。また、0.2%に希釈した際の水溶液粘度及び1規定NaCl水溶液中、25℃で測定した極限粘度法による重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
(表1)
DMQ:アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物
DMC:メタアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、AMB:アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウム塩化物、DMM:ジメチルアミノエチルメタアクリレート、AAC:アクリル酸、AAM:アクリルアミド
重量平均分子量:万
手抄きシートを作成し、紙力(比破裂強度)及び地合いの測定試験を実施した。原料は段ボール古紙をカナディアン・スタンダード・フリーネス(CSF)の値が290mLになる様に叩解し、パルプスラリー濃度を1質量%に調整したものを用いた。 このパルプスラリーを所定量採取、500rpmの攪拌回転数で攪拌しつつ、硫酸バンド1.5%添加20秒間攪拌後、本発明の水溶性高分子、即ち、前記表1に示す水溶性高分子試作−1〜7を300ppm或いは600ppm(何れも対パルプスラリー)添加し10秒攪拌した。その後、TAPPIスタンダード抄紙機(60メッシュワイヤー使用)により坪量120g/mの紙を抄いた。抄紙時のpHは6.5であった。抄紙した湿紙を4.1kgf/cmで5分間、プレス機にてプレス脱水し、回転式ドラムドライヤーで105℃、3分間乾燥後、25℃、湿度65%の条件で18時間調湿し、JIS P8131に準拠して比破裂強度及び地合い指数を測定した。地合い指数はM/K System Inc.社製「3D Sheet Analyzer」により測定した。この数値は高い程、地合いは良いことを表わしている。結果を表2に示す。
(比較例1)実施例1と同様な製紙原料を用いて、手抄きシートを作成、紙力及び地合いの測定試験を実施した。1質量%に調整したパルプスラリーを所定量採取、500rpmの攪拌回転数で攪拌しつつ、硫酸バンド1.5%添加20秒間攪拌後、紙力増強剤A(市販品、カチオン当量値0.71meq/g、アニオン当量値1.11meq/L)或いは歩留向上剤B(市販品、エマルジョン型、カチオン当量値2.44meq/g、重量平均分子量1400万)を300ppm或いは600ppm(何れも対パルプスラリー)添加し10秒攪拌した。その後、TAPPIスタンダード抄紙機(60メッシュワイヤー使用)により坪量120g/mの紙を抄いた。抄紙時のpHは6.5であった。抄紙した湿紙を4.1kgf/cmで5分間、プレス機にてプレス脱水し、回転式ドラムドライヤーで105℃、3分間乾燥後、25℃、湿度65%の条件で18時間調湿し、JIS P8131に準拠して比破裂強度及び地合い指数を測定した。結果を表2に示す。
実施例1と同様な製紙原料を用いて、動的濾水性試験機DDA(Dynamic Drainage Analyzer、マツボー社製)による濾水時間及びシート含水率の測定試験を実施した。製紙原料を底部に315メッシュワイヤーの付いたDDA攪拌槽に所定量投入、攪拌回転数400rpmで攪拌開始後、硫酸バンド1.5%添加20秒間攪拌、本発明の水溶性高分子試作−1〜7を対紙料固形分に対して300ppm或いは600ppm添加し、スクリーン通過後に添加することを想定して10秒間攪拌後、300mBarの減圧下で、紙料を吸引し、ワイヤー上にシートを形成した時点の濾水時間、形成したシートの含水率を測定した。濾水時間はワイヤー上での水切れ性の指標としたもので濾水時間が短い程、良いことを示している。一方、シートの含水率は搾水性の指標となる。その結果を表2に示す。
(比較例2)実施例1と同様な製紙原料を用いて、動的濾水性試験機DDAによる濾水性及びシート含水率の測定試験を実施した。製紙原料をDDA攪拌槽に所定量投入、攪拌回転数400rpmで攪拌開始後、硫酸バンド1.5%添加20秒間攪拌後、紙力増強剤A或いは歩留向上剤Bを対紙料固形分に対して300ppm或いは600ppm添加し、スクリーン通過後に添加することを想定して攪拌回転数400rpmで10秒間攪拌後、300mBarの減圧下で、紙料を吸引し、ワイヤー上にシートを形成した時点の濾水時間、形成したシートの含水率を測定した。その結果を表2に示す。
(表2)
紙力増強剤Aを添加すると比破裂強度は本発明の水溶性高分子試作−1〜7を添加時より高い値を示すが、濾水時間が遅く、シート含水率が高いことから濾水性・搾水性は不良であることが分かる。歩留向上剤Bは濾水時間が速く、濾水性は良いが、増添するとシート含水率が高くなり過多に水分を取り込んだ結果、搾水性が不良になることが分かった。又、比破裂強度が試作−1〜7添加時よりも極めて低く、増添しても紙力は向上を示さなかった。更に地合い指数が試作−1〜7添加時より低く地合いは極めて不良であった。本発明の水溶性高分子試作1〜7では、増添すると濾水時間が短縮し、シート含水率が低下、尚且つ紙力増強効果が維持できることが確認できた。
実施例1と同様な製紙原料を用いて、手抄きシートを作成、紙力及び地合いの測定試験を実施した。1質量%に調整したパルプスラリーを所定量採取、500rpmの攪拌回転数で攪拌しつつ、硫酸バンド1.5%、紙力増強剤A0.3%を10秒の間隔でそれぞれ添加、紙力増強剤A添加後10秒間攪拌後、本発明の水溶性高分子、即ち、前記表1に示す水溶性高分子試作−1〜7を300ppm或いは600ppm(何れも対パルプスラリー)添加し10秒攪拌した。その後、TAPPIスタンダード抄紙機(60メッシュワイヤー使用)により坪量120g/mの紙を抄いた。抄紙時のpHは6.5であった。抄紙した湿紙を4.1kgf/cmで5分間、プレス機にてプレス脱水し、回転式ドラムドライヤーで105℃、3分間乾燥後、25℃、湿度65%の条件で18時間調湿し、JIS P8131に準拠して比破裂強度及び地合い指数を測定した。結果を表3に示す。
(比較例3)実施例1と同様な製紙原料を用いて、手抄きシートを作成、紙力及び地合いの測定試験を実施した。1質量%に調整したパルプスラリーを所定量採取、500rpmの攪拌回転数で攪拌しつつ、硫酸バンド1.5%、紙力増強剤A0.3%を10秒の間隔でそれぞれ添加、紙力増強剤A添加後10秒攪拌、紙力増強剤A或いは歩留向上剤Bを300ppm或いは600ppm(何れも対パルプスラリー)添加し10秒攪拌した。その後、TAPPIスタンダード抄紙機(60メッシュワイヤー使用)により坪量120g/mの紙を抄いた。抄紙時のpHは6.5であった。抄紙した湿紙を4.1kgf/cmで5分間、プレス機にてプレス脱水し、回転式ドラムドライヤーで105℃、3分間乾燥後、25℃、湿度65%の条件で18時間調湿し、JIS P8131に準拠して比破裂強度及び地合い指数を測定した。結果を表3に示す。
実施例1と同様な製紙原料を用いて、動的濾水性試験機DDA(Dynamic Drainage Analyzer、マツボー社製)による濾水時間及びシート含水率の測定試験を実施した。製紙原料を底部に315メッシュワイヤーの付いたDDA攪拌槽に所定量投入、攪拌回転数400rpmで攪拌開始後、硫酸バンド1.5%、紙力増強剤A 0.3%を10秒の間隔でそれぞれ添加し、紙力増強剤A添加後10秒間攪拌、本発明の水溶性高分子試作−1〜7を対紙料固形分に対して300ppm或いは600ppm添加し、スクリーン通過後に添加することを想定して10秒間攪拌後、300mBarの減圧下で、紙料を吸引し、ワイヤー上にシートを形成した時点の濾水時間、形成したシートの含水率を測定した。その結果を表3に示す。
(比較例4)実施例1と同様な製紙原料を用いて、動的濾水性試験機DDAによる濾水性及びシート含水率の測定試験を実施した。製紙原料をDDA攪拌槽に所定量投入、攪拌回転数400rpmで攪拌開始後、硫酸バンド1.5%、紙力増強剤A0.3%を10秒の間隔でそれぞれ添加、紙力増強剤A添加後10秒間攪拌、紙力増強剤A或いは歩留向上剤Bを対紙料固形分に対して300ppm或いは600ppm添加し、スクリーン通過後に添加することを想定して攪拌回転数400rpmで10秒間攪拌後、300mBarの減圧下で、紙料を吸引し、ワイヤー上にシートを形成した時点の濾水時間、形成したシートの含水率を測定した。その結果を表3に示す。
(表3)
紙力増強剤Aを添加すると比破裂強度は本発明の水溶性高分子試作−1〜7を添加時と同等以上の値を示すが、濾水時間が遅く、シート含水率が高いことから濾水性・搾水性は不良であることが分かる。歩留向上剤Bは濾水時間が速く、濾水性は良いが、増添するとシート含水率が高くなり過多に水分を取り込んだ結果、搾水性が不良になることが分かった。又、比破裂強度が試作−1〜7添加時よりも極めて低く、増添しても紙力は向上を示さなかった。更に地合い指数が試作−1〜7添加時より低く地合いは極めて不良であった。本発明の水溶性高分子試作1〜7では、増添すると紙力は向上し、水溶性高分子試作1〜7の前に添加した紙力増強剤Aとの併用効果が確認できた。
板紙ライナー抄造原料を用いて、ブリット式ダイナミックジャーテスターによる歩留率の測定試験を行なった。200メッシュワイヤーを使用。硫酸バンド0.3%、紙力増強剤A 0.1%を添加、軽質炭酸カルシウム等Ash分として22.7%を含んだ0.9質量%製紙原料を使用した(何れも対固形分濃度)。製紙原料のpHは6.5であった。この製紙原料を所定量採取、攪拌回転数1000rpmで20秒間攪拌後、本発明の水溶性高分子試作−1〜7を対紙料固形分に対して300ppm添加し、スクリーン通過後に添加することを想定して10秒間攪拌後、濾液を採取しADVANTEC、No.2濾紙にて濾過後、SSを測定、総歩留率を測定後、濾紙を525℃で2時間灰化し、灰分歩留率を測定した。結果を表4に示す。
実施例5と同様な製紙原料を用いて、手抄きシートを作成、紙力を測定した。製紙原料を所定量採取、500rpmの攪拌回転数で攪拌開始、本発明の水溶性高分子試作−1〜7を対紙料固形分に対して300ppm添加し、スクリーン通過後に添加することを想定して10秒間攪拌した。その後、TAPPIスタンダード抄紙機(60メッシュワイヤー使用)により坪量125g/mの紙を抄いた。抄紙した湿紙を4.1kgf/cmで5分間、プレス機にてプレス脱水し、回転式ドラムドライヤーで105℃、3分間乾燥後、25℃、湿度65%の条件で18時間調湿し、JIS P8131に準拠して比破裂強度及び地合い指数を測定した。結果を表4に示す。
(比較例5)実施例5と同様な製紙原料を用いて、ブリット式ダイナミックジャーテスターによる歩留率の測定試験を行なった。製紙原料を所定量採取、攪拌回転数1000rpmで20秒間攪拌後、紙力増強剤A及び歩留向上剤Bを対紙料固形分に対して300ppm添加し、スクリーン通過後に添加することを想定して10秒間攪拌後、濾液を採取しADVANTEC、No.2濾紙にて濾過後、SSを測定、総歩留率を測定後、濾紙を525℃で2時間灰化し、灰分歩留率を測定した。結果を表4に示す。
(比較例6)実施例5と同様な製紙原料を用いて、手抄きにてシートを作成、紙力を測定した。製紙原料を所定量採取、500rpmの攪拌回転数で攪拌開始、紙力増強剤A及び歩留向上剤Bを対紙料固形分に対して300ppm添加し、スクリーン通過後に添加することを想定して10秒間攪拌した。その後、TAPPIスタンダード抄紙機(60メッシュワイヤー使用)により坪量125g/mの紙を抄いた。抄紙した湿紙を4.1kgf/cmで5分間、プレス機にてプレス脱水し、回転式ドラムドライヤーで105℃、3分間乾燥後、25℃、湿度65%の条件で18時間調湿し、JIS P8131に準拠して比破裂強度を測定した。結果を表4に示す。
実施例5と同様な製紙原料を用いて、ブリット式ダイナミックジャーテスターによる歩留率の測定試験を行なった。製紙原料を所定量採取、攪拌回転数1000rpmで攪拌開始後、本発明の水溶性高分子試作−1〜7を対紙料固形分に対して400ppm添加し、スクリーン通過前に添加することを想定して30秒間攪拌後、濾液を採取しADVANTEC、No.2濾紙にて濾過後、SSを測定、総歩留率を測定後、濾紙を525℃で2時間灰化し、灰分歩留率を測定した。結果を表4に示す。
実施例5と同様な製紙原料を用いて、手抄きにてシートを作成、紙力を測定した。製紙原料を所定量採取、500rpmの攪拌回転数で攪拌開始、本発明の水溶性高分子試作−1〜7を対紙料固形分に対して400ppm添加し、スクリーン通過前に添加することを想定して30秒間攪拌した。その後、TAPPIスタンダード抄紙機(60メッシュワイヤー使用)により坪量125g/mの紙を抄いた。抄紙した湿紙を4.1kgf/cmで5分間、プレス機にてプレス脱水し、回転式ドラムドライヤーで105℃、3分間乾燥後、25℃、湿度65%の条件で18時間調湿し、JIS P8131に準拠して比破裂強度を測定した。結果を表4に示す。
(比較例7)実施例5と同様な製紙原料を用いて、ブリット式ダイナミックジャーテスターによる歩留率の測定試験を行なった。製紙原料を所定量採取、攪拌回転数1000rpmで攪拌開始後、紙力増強剤A及び歩留向上剤Bを対紙料固形分に対して400ppm添加し、スクリーン通過前に添加することを想定して30秒間攪拌後、濾液を採取しADVANTEC、No.2濾紙にて濾過後、SSを測定、総歩留率を測定後、濾紙を525℃で2時間灰化し、灰分歩留率を測定した。結果を表4に示す。
(比較例8)実施例5と同様な製紙原料を用いて、手抄きにてシートを作成、紙力を測定した。製紙原料を所定量採取、500rpmの攪拌回転数で攪拌開始、紙力増強剤A及び歩留向上剤Bを対紙料固形分に対して400ppm添加し、スクリーン通過前に添加することを想定して30秒間攪拌した。その後、TAPPIスタンダード抄紙機(60メッシュワイヤー使用)により坪量125g/mの紙を抄いた。抄紙した湿紙を4.1kgf/cmで5分間、プレス機にてプレス脱水し、回転式ドラムドライヤーで105℃、3分間乾燥後、25℃、湿度65%の条件で18時間調湿し、JIS P8131に準拠して比破裂強度を測定した。結果を表4に示す。
(表4)
実施例5の試作−1〜7をスクリーン通過後に添加することを想定し添加した場合、比較例5の紙力増強剤Aのスクリーン通過後に添加することを想定し添加した場合よりも高い歩留率を示した。又、比較例7の紙力増強剤Aをスクリーン手前に添加することを想定し添加した場合よりも低添加率であっても高い歩留率を示した。比較例6の歩留向上剤Bのスクリーン通過後に添加することを想定し添加した場合、試作−1〜7添加時より歩留率は高いが、比較例6での比破裂強度は低く紙力効果は低い結果を示した。これは、本発明の水溶性高分子が高分子量を有し、尚且つ高拡散性であるため製紙原料に対する分散・吸着が高まり高い歩留効果が得られ、特にスクリーン通過後に添加することで最大限の効果が発揮されたと考えられる。又、高い紙力効果を発現するイオン組成を有することで歩留効果と紙力増強効果を併せ持つことが確認できた。
板紙ライナー抄紙マシンで抄速780m/分、坪量118g/mの条件で、製紙工程の上流のミキシングチェストに両性紙力増強剤0.35%対紙料固形分添加、歩留向上剤としてスクリーン通過前に重量平均分子量1400万で0.2%水溶液粘度が515mPa・sの油中水型エマルジョンポリマーを270ppm対紙料固形分添加していたが、両性紙力増強剤の添加は変更せずに、油中水型エマルジョンポリマーに替えて本発明の合成例1、試作−1の水溶性高分子を、本発明において説明した混合手段を具体化した形態を有するウェットエンド・テクノロジー社の「トランプジェット」をスクリーン通過後に位置する場所に設置し、200ppm対紙料固形分添加した。添加法変更前においては現行油中水型エマルジョンポリマー使用時のワイヤー総歩留率66%、灰分歩留率43%であった。これに対し添加法変更後では、本発明の試作−1の水溶性高分子を、本発明で使用する添加法を用いることによりワイヤー総歩留率69%、灰分歩留率48%に向上した。これは、スクリーン通過後に添加された本発明の試作−1の水溶性高分子が製紙原料に対する分散・吸着が高まり効率的にミキシングされ、最大限の効果が発揮されたと考えられる。又、比破裂強度は、現行油中水型エマルジョンポリマー添加時の平均値2.11に対して本発明の試作−1添加時では2.36に向上し、更に地合いの低下は認められなかった。
請求項3に記載される抄紙方法において、本発明で使用する水溶性高分子を添加するためのシステム図である。
1 主製紙原料流に循環される白水
2 最後のスクリーン
3 製紙薬剤貯槽(歩留向上剤及び/又は紙力増強剤)
4 製紙薬剤流
5 バイパス流
6 バイパス流を更に分けた分流の一つ
7 バイパス流を更に分けた分流の一つ
8 混合手段
9 抄紙機への製紙原料の流れ
10 主製紙原料流

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)及び/又は(2)で表わされるカチオン性単量体2〜35モル%、下記一般式(3)で表わされるアニオン性単量体2〜25モル%及び(メタ)アクリルアミド40〜96モル%からなる単量体混合物を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子からなる分散剤共存下で分散重合法により製造された高分子分散液からなる重量平均分子量が500万〜1000万の水溶性高分子を、抄紙前の製紙原料中に添加することを特徴とする製紙方法。
    一般式(1)
    R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。
    一般式(2)
    R5は水素又はメチル基、R6、R7は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X2は陰イオンをそれぞれ表わす
    一般式(3)
    R8は水素、メチル基又はカルボキシメチル基、QはSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R9は水素又はCOOY2、Y1あるいはY2は水素又は陽イオンをそれぞれ表わす。
  2. 紙力増強剤を併用することを特徴とする請求項1に記載の製紙方法。
  3. 前記製紙原料において、最後のスクリーンを通過した主製紙原料流の一部をバイパス流とし、前記バイパス流を更に二つに分流した後、請求項1の水溶性高分子と前記二つの分流とを混合手段によって混合し、その後前記主製紙原料流の一箇所に還流させることにより、前記水溶性高分子を添加・混合することを特徴とする請求項1或いは2に記載の製紙方法。
  4. 前記主製紙原料流のバイパス流に替えて、主製紙原料流に循環される白水をバイパス流として使用することを特徴とする請求項3に記載の製紙方法。
  5. 前記製紙原料が板紙用製紙原料であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の製紙方法。
  6. 前記水溶性高分子の添加率が製紙原料の乾燥固形分に対して0.03〜0.1質量%であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の製紙方法。
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