JP6255958B2 - フォーミング鎮静方法 - Google Patents

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本発明は、フォーミング鎮静方法に関するものである。
溶銑の酸化精錬工程において、精錬容器の中ではスラグに含まれる酸化鉄と、溶銑に含まれる炭素との反応によりCOガスが発生する。このガスにより、スラグが泡立つ現象がフォーミングである。フォーミングが精錬容器の口を超える高さに達すると、スロッピングと呼ばれる、スラグの溢れが生じる。特に、精錬容器として容積が小さい転炉型の精錬容器を用いる場合には、スロッピングが発生しやすく、安定操業の障害となっている。
スラグのフォーミングは、微細なガス気泡がスラグ中に滞留してスラグの体積が膨張することによって生じるが、この気泡の滞留時間は気泡径に反比例するため、滞留時間が長くなる微細な気泡ほど、フォーミングを増長することが知られている。そこで、ガスを大量に発生する物質(以下、ガス発生物質。例えば、炭素粉等の炭素を主成分とする物質や、炭酸水素ナトリウム等の水分を含有する物質。)を添加することで、微細気泡の凝集合を促進し、気泡を粗大化して破泡させることでフォーミングを鎮静する技術が知られており、例えば、特許文献1には、フォーミングしているスラグに炭素粉を5〜100kg/分の速度で吹き付けてフォーミングを鎮静する技術が開示されている。
しかし、溶銑の酸化精錬工程において発生するスラグは非常に粘性が高く、かつ表面からの抜熱による温度低下で固相率が高くなっているため、特許文献1のようにフォーミングしているスラグに炭素粉を吹き付けた場合、炭素粉がスラグ表層に留まり、微細気泡の凝集合を促進する効果が、その周囲の限られた範囲でのみしか発現せず、十分なフォーミング鎮静効果が得られずに、スロッピングを確実には防止することが出来ない問題があった。
特開平5−287348号公報
本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、精錬容器として容積が小さい転炉型の精錬容器を用いる場合であっても、確実にスロッピングを防止することができるフォーミング鎮静方法を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明のフォーミング鎮静方法は、溶銑の酸化精錬工程において発生するガス気泡がスラグ中に滞留し、スラグの体積を膨張させて生じるフォーミングを鎮静するフォーミング鎮静方法であって、フォーミングによりスラグの表面から炉口までの高さが、溶銑の表面から炉口までの高さの15%〜20%となったタイミングで、ガスバーナーで炉口の中心から炉口半径×2/3の範囲より外周側のスラグ表面を局部的に溶解して、スラグの表層部分にガス気泡抜気孔を形成し、前記スラグ中に滞留したガス気泡を抜気することを特徴とするものである。
前記のように、スラグは非常に粘性が高くかつ界面張力も大きく、スラグ表面に皮をはったような状態となっているため、溶銑の酸化精錬工程において発生するガス気泡がスラグ中に滞留し、スラグの体積を膨張させてフォーミングが生じ、フォーミングが精錬容器の口を超える高さに達すると、スロッピングが発生する。本発明によれば、フォーミングによりスラグの表面から炉口までの高さが、溶銑の表面から炉口までの高さの15%〜20%となったタイミングで、ガスバーナーで炉口の中心から炉口半径×2/3の範囲より外周側のスラグ表面を局部的に溶解して、スラグの表層部分にガス気泡抜気孔を形成し、前記スラグ中に滞留したガス気泡を抜気する方法を採用することにより、確実にフォーミングを鎮静し、スロッピングを防止することができる。
実施形態1の方法に用いる装置の全体説明図である。 実施形態2の方法に用いる装置の全体説明図である。
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
(実施形態1)
図1に示すように、本実施形態に用いる転炉型の精錬容器1には、精錬容器1の内部を上下移動可能な、上吹きランス2が設置され、酸素ガス及び上吹き精錬剤が溶銑3に向けて吹き付けられる構造となっている。
溶銑の酸化精錬工程において、スラグ4の表層部分5は、固相率が70%〜100%の状態の、いわゆる「皮を張った」状態となっている。この「皮」部分は、スラグ4の表面から5mm〜50mmの範囲に及ぶ。ただし、炉口7の中心部分は、上吹きランス2から吹き付ける酸素が溶銑3浴面に形成する火点からの伝熱により、「皮を張った」状態とはなり難く、「皮」部分は「炉口7の中心〜半径×2/3」の範囲より外周側に集中している。
スラグ4と溶銑3の界面では、スラグ4に含まれる酸化鉄と溶銑3に含まれる炭素との反応によりCOガス6が発生し、液相のスラグ内を略鉛直上方に移動していくが、前記のように、「炉口7の中心〜半径×2/3」の範囲より外周側においては、スラグ4の表層部分5の固相率が高くなっているため、COガス6の大気中への放出が妨げられる。大気中への放出を妨げられてスラグ4内に滞留したCOガス6は、スラグ4の泡立ち(以下、フォーミング)を誘発する。
従来、前記の「皮」部分が精錬容器1の炉口7を超える高さまでフォーミングが進むと、スロッピングを生じていたのに対し、本実施形態では、図1に示すように、スラグ4の表面をガスバーナー8で加熱溶解して、スラグの固相率を低減し、表層部分5にガス気泡抜気孔9を形成し、COガス6の大気中への放出を促すことにより、フォーミングの鎮静化を図っている。
ガスバーナー8による加熱は、スラグ表面の0.01m以上の面積、深さ50mm以上の領域を、1500℃以上に昇温させるように行うことが望ましい。この結果、スラグ表面の皮張りを溶解し、内部に滞留した気泡を抜いてフォーミングを鎮静させることが出来る。スラグの表面温度は、一般に用いられる放射温度計などを用いて測定することができる。また、本発明者らは、スラグ表面の前記領域が1500℃以上に昇温すると、前記領域のスラグ固相率が30%以下(0%含む)になり、皮が局部的に消失してスラグ表層部の前記領域にガス気泡抜気孔が形成されるので、スラグ内部で上昇したCOガスは十分に大気中へ放出されフォーミングが減少し鎮静化すると推察している。
ガスバーナー8で加熱溶解させる箇所は、「皮」部分が集中する箇所(「炉口7の中心〜半径×2/3」の範囲より外周側)であって、炉口7の中心を挟んで、各々、反対方向に少なくとも1箇所ずつ(合計2カ所以上)とすることが好ましい。
ガスバーナー8で加熱溶解するタイミングは、フォーミングにより、スラグ4の表面から炉口7までの高さが、溶銑3の表面から炉口7までの高さの15%〜20%となったタイミングで行うことが好ましい。20%超の場合には、COガス6が十分にスラグ2内に滞留しておらず、フォーミング鎮静効果が発現しにくいことがある。一方、15%未満の場合には、すでにフォーミングが精錬容器の炉口7高さ近くにまで達しており、ガス気泡抜気孔9の形成によってCOガス6の大気中への放出を促しても、間に合わず、一部のスラグが炉外に逸出することがある。スラグ4の表面高さは、一般に用いられているマイクロ波や超音波を用いたスラグレベル計測装置により測定することができる。
ガスバーナー8の支燃性ガスとしては、プロパンガス、コークス炉ガス(COG)などの可燃性ガスをいずれも好適に用いることができる。また、酸素ガスも、炉内のCOガスあるいは鉄などを酸化させて反応熱を発生させることにより、周囲を加熱するため、好適に用いることができる。
支燃性ガスのスラグ表層の皮張り部への吹き付け方法としては、(1)内径20〜50mm程度、長さ5〜8m程度の炭素鋼管を、先端から消耗させながら用いる方法、(2)酸素吹き付け用のランスに適切な角度をつけた側孔を設け、そこから酸素ガスを吹きつける方法、などがある。その他にも、本発明に記載のスラグ表層の加熱溶解を満足する吹き付け方法であれば、好適に利用することができる。
容量160m3の上底吹き転炉型溶銑予備処理炉に、高炉から出銑した質量280tの溶銑を装入した。底吹きガスとして窒素ガスと酸素ガス、上吹きガスとして酸素ガスを用いて酸化精錬し、溶銑の脱燐処理を行った。溶銑面から炉口までの高さは5.2mである。実施例、比較例を表1に示す。スラグ表面の加熱溶解用ガスの吹付けタイミング(%)は、前記ガス吹付け開始時のスラグ表面から炉口までの高さ÷溶銑面から炉口までの高さ×100で求めた値である。ここで「スラグ表面から炉口までの高さ」は、炉口半径×2/3より外側の炉口上方に設けた超音波スラグレベル計で測定した前記レベル計からスラグ表面までの距離から予め測定した前記レベル計から炉口までの距離を差し引いて求め、前記の「溶銑面から炉口までの高さ」5.2mは、溶銑とスクラップの装入量から計算により求めた。ガス吹きつけ後のスラグフォーミング高さは、溶銑面からスラグ表面までのスラグ高さ÷溶銑面から炉口までの高さ×100で求めたスラグ高さ比を次の指標で表した。◎:60%未満、○:60〜80%、×:80超〜100%、××:100%超(スロッピング発生)。尚、表1の比較例1は、加熱溶解用ガスを吹付けないので、ガス流量、熱溶解用ガスの吹付けタイミングはともに「−」とした。比較例1は、ガス吹きつけをしないが、後述のように市販の鎮静剤を投入したので、投入後のスラグ高さ比を前記の指標で表した。また、投入開始のスラグ高さから、前記の吹きつけタイミングと同様に、投入開始タイミングを算出した。比較例2は、非加熱性であるがガスを吹きつけたので、ガス吹付け後のスラグ高さ比を前記の指標で表した。また、加熱溶解用ガスの吹きつけ開始タイミングと同様にして、ガス吹きつけ開始タイミングを算出した。スラグ表層の加熱温度と1500℃以上の加熱時間は、炉口の上方に配設した放射温度計でスラグ表層の温度を連続測温して求めた。
(実施例1)
実施例1では、フォーミングしたスラグの高さが溶銑面から4.0mの時点で、ランスの左右各1箇所にて内径25mm、長さ5.0mの炭素鋼管を用いて、スラグ表面から500mm程度の位置からプロパンガスを吹きつけた。ガスが吹きつけられたスラグ表面近傍は溶融して、ガス気泡抜気孔を形成し、スラグ中に滞留していた気泡が抜け、フォーミング高さの拡大を抑制した。この結果、スラグスロッピングは発生しなかった。
(実施例2)
実施例2では、フォーミングしたスラグの高さが溶銑面から4.0mの時点で、ランスの左右各1箇所にて実施例1と同様の方法でコークス炉ガスを吹きつけた。ガスが吹きつけられたスラグ表面近傍は溶融して、ガス気泡抜気孔を形成し、スラグ中に滞留していた気泡が抜け、フォーミング高さの拡大を抑制した。この結果、スラグスロッピングは発生しなかった。
(実施例3)
実施例3では、フォーミングしたスラグの高さが溶銑面から4.5mの時点で、ランスの左右各1箇所にて上吹きランスの側面に設けた側孔から酸素ガスをスラグに吹きつけた。炉内のCOガスの燃焼により発生した熱でスラグ表面が溶融し、ガス気泡抜気孔を形成し、スラグ中に滞留した気泡が抜けてフォーミング高さの拡大を抑制した。この結果、スラグスロッピングは発生しなかった。
(実施例4)
実施例4では、フォーミングしたスラグの高さが溶銑面から4.3mの時点で、ランスの左右各1箇所にて内径25mm、長さ5.0mの炭素鋼管を用いて、スラグ表面から500mm程度の位置からプロパンガスを吹きつけた。ガスが吹きつけられたスラグ表面近傍は溶融して、ガス気泡抜気孔を形成し、スラグ中に滞留していた気泡が十分に抜け、フォーミングが沈静した。この結果、スラグスロッピングは発生しなかった。
(実施例5)
実施例5では、フォーミングしたスラグの高さが溶銑面から4.4mの時点で、ランスの左右各1箇所にて実施例1と同様の方法でコークス炉ガスを吹きつけた。ガスが吹きつけられたスラグ表面近傍は溶融して、ガス気泡抜気孔を形成し、スラグ中に滞留していた気泡が十分に抜け、フォーミングが沈静した。この結果、スラグスロッピングは発生しなかった。
(実施例6)
実施例6では、フォーミングしたスラグの高さが溶銑面から4.2mの時点で、ランスの左右各1箇所にて上吹きランスの側面に設けた側孔から酸素ガスをスラグに吹きつけた。炉内のCOガスの燃焼により発生した熱でスラグ表面が溶融し、ガス気泡抜気孔を形成し、スラグ中に滞留した気泡が十分に抜けてフォーミングが鎮静した。この結果、スラグスロッピングは発生しなかった。
(比較例1)
比較例1では、吹錬中にスラグ表面にガス気泡抜気孔を形成するための加熱溶解用ガスの吹きつけは行わなかった。フォーミングしたスラグの高さが溶銑面から4.2mの時点(投入開始タイミング19%)で、乾燥したパルプ屑を原料とする市販の鎮静剤500kgを「皮」部分が集中する箇所(「炉口の中心〜半径×2/3」の範囲より外周側)であって、炉口の中心を挟んで、各々、反対方向の1箇所からスラグ表面に向けて投入したが、スラグ表面が皮張りしているため、鎮静剤は表面でスラグ加熱に寄与せずに燃焼消失してしまい、スラグ内部に届かず、フォーミング鎮静効果は得られなかった。最終的にスロッピングに至り、送酸速度を低下させて操業を終了した。
(比較例2)
比較例2では、フォーミングしたスラグの高さが溶銑面から4.2m(ガス吹きつけ開始タイミング19%)の時点で、実施例1と同様の炭素鋼管を用いて窒素ガスを単位時間・単位面積当たりのガス流量10m/sで、「皮」部分が集中する箇所(「炉口の中心〜半径×2/3」の範囲より外周側)であって、炉口の中心を挟んで、各々、反対方向の1箇所からスラグ表面に向けて吹きつけた。窒素ガスを吹きつけた近傍のスラグ表面は皮張りしたままで変化しなかった。フォーミングは鎮静せず、最終的にスロッピングに到ったので、送酸速度を低下させて操業を終了した。
(実施形態2)
図2に示すように、本実施形態に用いる転炉型の精錬容器1には、精錬容器1の内部を上下移動可能な、上吹きランス2が設置され、酸素ガス及び上吹き精錬剤が溶銑3に向けて吹き付けられる構造となっている。
溶銑の酸化精錬工程において、スラグ4の表層部分5は、固相率が70%〜100%の状態の、いわゆる「皮を張った」状態となっている。この「皮」部分は、スラグ4の表面から5mm〜50mmの範囲に及ぶ。ただし、炉口7の中心部分は、上吹きランス2から吹き付ける酸素が溶銑3浴面に形成する火点からの伝熱により、「皮を張った」状態とはなり難く、「皮」部分は「炉口7の中心〜半径×2/3」の範囲より外周側に集中している。
スラグ4と溶銑3の界面では、スラグ4に含まれる酸化鉄と溶銑3に含まれる炭素との反応によりCOガス6が発生し、液相のスラグ内を略鉛直上方に移動していくが、前記のように、「炉口7の中心〜半径×2/3」の範囲より外周側においては、スラグ4の表層部分の固相率が高くなっているため、COガス6の大気中への放出が妨げられる。大気中への放出を妨げられてスラグ4内に滞留したCOガス6は、スラグ4の泡立ち(以下、フォーミング)を誘発する。
従来、前記の「皮」部分が精錬容器1の炉口7を超える高さまでフォーミングが進むと、スロッピングを生じているのに対し、本実施形態では、図2に示すように、炉口7から、燃焼により発熱する物質を含有した鎮静剤10の投入を行い、その発熱によりスラグ4の表層部分5を溶解してガス気泡抜気孔9を形成し、COガス6の大気中への放出を促すことにより、フォーミングの鎮静化を図っている。
鎮静剤10としては、黒鉛、金属アルミニウム、アルミ灰、金属マグネシウムなど、酸化発熱する物質をいずれも好適に利用することができるが、鎮静剤による発熱量は、200MJ以上であることが好ましく、さらに300MJ以上であればなお好ましい。発熱量が不足すると、スラグ表面の皮張りを溶解することができず、スロッピング防止効果を十分に発揮できない。上限に関しては規定しないが、燃焼反応によって生じた物質が固体である場合には、排出スラグ量が増大して好ましくない。
ガス気泡抜気孔9の形成箇所は、「皮」部分が集中する箇所(「炉口7の中心〜半径×2/3」の範囲より外周側)であって、炉口7の中心を挟んで、各々、反対方向に少なくとも1箇所ずつ(合計2カ所以上)とすることが好ましい。
鎮静剤10の投入タイミングは、フォーミングにより、スラグ4の表面から炉口7までの高さが、溶銑3の表面から炉口7までの高さの15%〜20%となったタイミングで行うことが好ましい。20%超の場合には、COガス6が十分にスラグ2内に滞留しておらず、フォーミング鎮静効果が発現しない。一方、15%未満の場合には、すでにフォーミングが精錬容器の炉口7高さ近くにまで達しており、ガス気泡抜気孔9の形成によってCOガス6の大気中への放出を促しても、間に合わず、一部のスラグが炉外に逸出することがある。スラグ4の表面高さは、一般に用いられているマイクロ波や超音波を用いたスラグレベル計測装置により測定することができる。
容量160m3の上底吹き転炉型溶銑予備処理炉に、高炉から出銑した質量280tの溶銑を装入し、底吹きガスとして窒素ガスと酸素ガス、上吹きガスとして酸素ガスを用いて酸化精錬し、溶銑の脱燐処理を行った。溶銑面から炉口までの高さは5.2mである。表2に実施例と比較例を示す。
表2における発熱量は、公知の熱力学データを用いて、当該物質の酸化反応のエンタルピー変化を計算することにより求めた。また、投入タイミング(%)は、発熱物質の投入開始時の、スラグ表面から炉口までの高さ÷溶銑面から炉口までの高さ×100で求めた値である。ここで「スラグ表面から炉口までの高さ」は、[0028]と同様に、スラグレベル計で測定して求め、また、前記の「溶銑面から炉口までの高さ」5.2mは、溶銑とスクラップの装入量から計算により導いた。
(実施例7〜10)
実施例では、スラグフォーミングが表2に示すタイミングになった時点で、燃焼により発熱する物質を含有する鎮静剤を転炉上方のランス左右各1箇所から投入した。この場合、発熱によりスラグ表面の皮張りが溶解しガス気泡抜気孔が形成され、スラグ中に滞留した気泡が放出されてフォーミングが鎮静した。スロッピングは発生しなかった。
(比較例3)
比較例3では、市販の乾燥したパルプ屑を原料とする鎮静剤をフォーミングしたスラグ表層に転炉上方のランス左右各1箇所から500kg添加した。スラグの表面が皮張りを生じていたため、スラグ内部に鎮静剤成分を添加することができず、フォーミングは鎮静せず、スロッピングに到った。
1 精錬容器
2 上吹きランス
3 溶銑
4 スラグ
5 表層部分
6 COガス
7 炉口
8 ガスバーナー
9 ガス気泡抜気孔
10 鎮静剤

Claims (1)

  1. 溶銑の酸化精錬工程において発生するガス気泡がスラグ中に滞留し、スラグの体積を膨張させて生じるフォーミングを鎮静するフォーミング鎮静方法であって、
    フォーミングによりスラグの表面から炉口までの高さが、溶銑の表面から炉口までの高さの15%〜20%となったタイミングで、ガスバーナーで炉口の中心から炉口半径×2/3の範囲より外周側のスラグ表面を局部的に溶解して、スラグの表層部分にガス気泡抜気孔を形成し、前記スラグ中に滞留したガス気泡を抜気することを特徴とするフォーミング鎮静方法。
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