JP5653296B2 - 脱酸処理における取鍋への金属アルミ添加方法 - Google Patents
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Description
特許文献2は、転炉精錬された溶鋼を脱酸するに当り、溶鋼を転炉から取鍋へ出鋼する際にAl地金分原単位として1.5kg/t以下のAl灰を取鍋内の出鋼流落下位置に一致させて添加したのち、引き続いて金属Alを添加する溶鋼の脱酸方法を開示する。
以上述べた特許文献1〜3の他にも特許文献4及び特許文献5に示す脱酸処理技術がある。
このポーラスプラグは、脱酸処理後に行われる二次精錬などで不活性ガスを吹き込むために用いられるものであるが、上述したように脱酸のためにアルミニウムを添加すると添加したアルミニウムが溶融してポーラスプラグに浸透し、ポーラスプラグから吹き込む不活性ガスの流量が低下する可能性が否めない。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、ポーラスプラグの詰まりを防止しつつ金属アルミを効率よく使用して脱酸を行う脱酸処理における取鍋への金属アルミ添加方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の脱酸処理における取鍋への金属アルミ添加方法は、転炉にて精錬した溶鋼を、複数の気孔を有するポーラスプラグが設置された取鍋に出鋼し、出鋼した溶鋼に対して脱酸するに際し、前記ポーラスプラグの気孔の平均気孔半径を80μm〜100μmとしておくと共に、式(1)を満たす間に脱酸のための金属アルミニウムを取鍋内へ添加することを特徴とする。
高炉から出銑した溶銑は、脱珪処理、脱硫処理、脱りん処理等が行われた後、一次精錬処理を行う転炉に搬送され、転炉にて炭素を低減する脱炭処理が行われるのが一般的である。転炉における脱炭処理では、溶銑に多量の酸素を吹き込むことによって炭素を低減するため、脱炭処理後の溶鋼内の酸素濃度は高い状態にある。溶鋼内の酸素は、親和性金属と結び付いて介在物になり易いため、転炉での精錬後に溶鋼の脱酸をする脱酸処理が行われている。
図1に示すように、具体的には、まず、ポーラスプラグ1が設置された取鍋2を転炉3に移動させた後、取鍋2を転炉3下で待機させる。そして、転炉3にて脱炭処理が終了後、転炉3を傾動させて転炉3内の溶鋼4を取鍋2に出鋼する。溶鋼4を取鍋2に出鋼中に後述するタイミングで金属アルミニウム5を溶鋼4に添加し、溶鋼4の脱酸を行う。溶鋼4の脱酸に用いる金属アルミニウム5は、Al元素が90質量%以上を含む塊材である。
以下、脱酸処理について詳しく説明する。
まず、取鍋2に設置したポーラスプラグ1について説明する。
図2に示すように、ポーラスプラグ1は、鋼板により次第に径が大きくなる筒状に形成されたケース10と、このケース10の内壁の略全面に設けられた被膜層(例えば、キャスタブル)11と、この被膜層11の一方側(上側)であって当該被膜層11の内側に設けられた円柱状の第1コア(上コア)12と、被膜層11の他方側(下側)であって当該被膜層11の内側に設けられた円柱状の第2コア(下コア)13と、第2コア13に連結されたガス通気路(例えば、中空状の鉄棒)14とを備えている。
取鍋2の敷部に施工した耐火物(キャスタブル)の表面温度を経過をまとめると、取鍋2は繰り返し使用されるため、温度変化は図4に示すようになる。図4に示すように、取鍋2の敷部に施工した耐火物の温度の最小値は900℃である。そのため、上述したように、脱酸処理の際に融点が約660℃である金属アルミニウム5を入れ置きしておくと、取鍋2内に添加した時点で金属アルミニウム5が溶融してしまう。
上述したように、転炉3から溶鋼4の出鋼を開始してから現出鋼量Vが全出鋼量αの45%に達するまでに金属アルミニウム5を添加するのが良いが、さらに、金属アルミニウム5を添加するにあたっては、溶鋼4中のフリー酸素を考慮することが好ましい。
転炉3において吹き止め炭素と吹き止め酸素との関係は、図6に示すなることが知られている。図6は、「製鉄研究,315(1984),pp71,村上昌三,大河平和男,吉井正孝,有馬慶治,村上義男,新日本製鐵株式会社」に開示されている。
ここで、図5に示すように、ポーラスプラグ1による不活性ガス(例えば、Arガス)の流量及びArガスの圧力値に対するスラグ割れの状況(実操業)を見たとき、Arガスの流量(通気量)が500Nl/min以上であれば、Arガスによりスラグに割れが発生して、割れた部分に浸漬管を挿入することができる。そのため、不活性ガスの通気できるか否かの判定を、500Nl/minとしている(500Nl/minが良好)。なお、その他に、不活性ガスの通気量を500Nl/min以上とする利点については、例えば、特開2007−092164号公報、特許第4069150号公報等に記載されている。
脱酸処理では4Al+3O2→2Al2O3の反応によって溶鋼4の酸素は取り除かれる。そのため、添加したAlが脱酸処理に効率よく使用されると、Alの歩留は低くなり、Alの歩留は零であることがもっともよい。なお、Alの歩留(%)=[出鋼量(kg)×溶鋼処理前(脱酸前)の取鍋内アルミニウム含有率(質量%)]÷[転炉における金属アルミニウム投入量(kg)×金属アルミニウムのアルミニウム含有率(質量%)]で求めることができる。
また、表2に示す実施例では、気孔の平均気孔半径を80μm〜100μmとした上で、式(2)を満たす間に金属アルミニウム5を取鍋2内へ添加しているため、通気量を500Nl/min以上とすることができた。また、Alの歩留も、後述する比較例に比べて優れたものにすることができ、さらに、表1に示す実施例よりもさらに向上させることができた(表中、評価の欄、最良「◎」)。
したがって、本発明の条件を満たすようにすることによって、脱酸処理時にポーラスプラグ1を詰まらせることもなく、Alの歩留も向上させることができる。つまり、脱酸処理時において添加した金属アルミニウム5が溶融して気孔に浸透することを防止することができ、転炉3の出鋼後に行われる精錬処理(二次精錬処理)をスムーズに行うこともできる。また、上述したように、ポーラスプラグ1から吹き込んだ不活性ガスによって、スラグの割れを問題なく行うだけでなく、二次精錬処理においてポーラスプラグ1から吹き込んだ不活性ガスによって溶鋼4を攪拌することもでき、攪拌不能を防止することもできる。
2 取鍋
3 転炉
4 溶鋼
5 金属アルミニウム
10 ケース
11 被膜層
12 第1コア
13 第2コア
14 ガス通気路
Claims (2)
- 転炉にて精錬した溶鋼を、複数の気孔を有するポーラスプラグが設置された取鍋に出鋼し、出鋼した溶鋼に対して脱酸するに際し、
前記ポーラスプラグの気孔の平均気孔半径を80μm〜100μmとしておくと共に、
式(1)を満たす間に脱酸のための金属アルミニウムを取鍋内へ添加することを特徴とする脱酸処理における取鍋への金属アルミ添加方法。
- 前記式(1)を満たし、さらに、式(2)を満たす間に脱酸のための金属アルミニウムを取鍋内へ添加することを特徴とする請求項1に記載の脱酸処理における取鍋への金属アルミ添加方法。
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