JP6255904B2 - ロボット - Google Patents
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Description
この配線構造によれば、第1部材と第2部材とを接続するフラットケーブルは、そのフラットケーブルが捲回されたリール部分で、第1部材と第2部材との相対回動に追従して巻き送り方向または巻き戻し方向に動くことにより、特に巻き戻し方向に動いたときに配線に加わる引っ張り力が吸収されて、配線の断線や早期の劣化などの不具合を回避することができる。
しかしながら、特許文献2に記載のロボットの配線構造では、フラットケーブルのリールの放熱対策について、何ら言及されていない。このため、ロボットの駆動を連続して行っていくと、リール周辺の温度が上昇していき、ロボット本体が過熱してオペレーターに危険を及ぼしたり、熱によるロボットの誤動作や部品の劣化を招く虞があるという問題があった。
本適用例によれば、第1部材と、第1部材に対して一の回動軸回りに回動する第2部材とをフラットケーブルにより接続する配線構造において、第1部材に対する第2部材の回動をフラットケーブルが阻害しないようにリールで吸収することができる。しかも、第1部材に対する第2部材の回動角度が0°であるときを基準として、回動角度がより大きな第2の回動方向に第2部材が回動したときにフラットケーブルの曲げ半径が大きくなるようにリールが形成されている。これにより、ロボットの駆動に伴ってリールにおけるフラットケーブルの曲げ半径がより大きくなって巻きが緩む構造になるので、リールに巻回されたフラットケーブルの隙間が大きくなり、リールに発生する熱を放熱する効果が得られる。
したがって、フラットケーブルのリールの熱によるロボットへの機械的なストレスや、電気的な不具合を回避しながら、小型で高機能を有するロボットを提供することができる。
本適用例によれば、多関節アームを有するロボットにおいて、特に小型化への支配的な要素となる手首部(第2部材)と、その手首部の基体側に連結される部材(第1部材)との関節構造の小型化に有利で、放熱性に優れた配線構造を提供することができる。
したがって、小型で、信頼性が高く、高機能な多軸型のロボットを提供することができる。
本適用例によれば、リールに熱が篭もりやすい所定の状態にて、例えば熱による悪影響が出る虞のある温度に達する時間よりも短い所定の時間を設定し、その設定された所定の時間となったときに、第1部材に対して第2部材を第2の回動方向に回動させてリールにおけるフラットケーブルの曲げ半径を大きくして巻きを緩ませ、リールを放熱させる制御を行う。
したがって、ロボットの駆動において、リールの発熱による悪影響を回避することができる。
まず、本実施形態1に係るロボットの概略構成について説明する。図1は、実施形態1に係るロボットの概略構成を模式的に示す斜視図である。なお、実施形態における「回動」とは、正転および逆転を意味する。
基底部70は、ロボット10の台座であり、工場内の作業スペースの床や、作業台などの平面に複数本のボルト(ネジ)によって強固に固定される。なお、固定場所は、水平面(X軸およびY軸を含む面)に限定するものではなく、ロボット10の重量、および振動に耐え得る強度があれば、移動可能な台車上や、壁面、天井、あるいは後述するようなロボットユニットに設けられたアーム連結部などであっても良い。
また、詳細は後述するが、制御部72には、ロボット10に設けられたタイマーなどの時間設定手段により設定した時間を記憶する設定時間記憶部や、温度センサーなどの温度検知手段により検知された温度が許容範囲を超えたときに温度異常だと判定する温度異常検出部などの判定手段と、その判定手段による判定に基づいて後述するFPC65が巻回されて形成されるリール68w(図3、図5、図7を参照)を巻回方向に駆動させるリール制御部を含む。
なお、制御部72は、ロボット本体とは別体に設けられていても良い。
まず、ロボット10のジョイント73からリンク80までの多関節アーム構造(腕から手まで)は、本体部71をZ軸方向に貫く肩軸91を中心にして水平方向に旋回する。即ち、ジョイント73は、本体部71の多関節アームが連結される表面に対して交差する回動軸のことをいい、本実施形態では、本体部71の表面に対して略直交する回転軸になっている。
また、エンドエフェクターが取り付けられるリンク81が、多関節アーム構造における一端(末端)であり、本体部71(基底部70側)に取り付けられたジョイント73がロボットアーム構造における他端(根元)に相当する。なお、以降の説明において、ロボットアーム構造におけるリンク81に近い側を「末端側」、基底部70に近い側を「根元側」という表現も用いる。
また、本体部71には、ロボットアーム構造を回転駆動するためのモーター、および複数のギヤを含む減速機構などが組み込まれている。また、以降説明する各回動軸の近傍にも、該当するリンクやエンドエフェクターを駆動するためのモーター、および減速機構などが組み込まれている。
なお、本実施形態1の多関節アームにおいて、第1番目の一の回動軸92と略平行な一の回動軸は、本体側から順に第1〜第n番目の一の回動軸と、追番にて名称を付す。ここで、「略平行」とは、完全に平行である構成に加えて、10°以内の範囲で交差している構成を含むものと定義する。
また、回動軸の延在方向は、ロボット10が動作すると変化する(例えば、肩軸91を中心に旋回した)場合)ため、図1に示す多関節アームの態様を初期状態と定義し、この初期状態に設置された状態を前提として説明する。
リンク76の末端側にはジョイント77が組み合わされており、さらにこのジョイント77の末端側にはリンク78が組み付けられている。リンク78は、ジョイント77の末端側に延在するように配置されている。リンク78が組み付けられたジョイント77は、リンク76の末端側をX軸方向に貫く第2番目の一の回動軸93を中心にして駆動される。
そして、リンク78の末端側には、駆動伝達部50と電装部60とを有するジョイント79が組み合わされている。ジョイント79は、リンク78の末端側をY軸方向に貫く二の回動軸94を中心にしてジョイント79がリンク78に対して捻れ方向に回動するように駆動される。
また、ジョイント79の末端側には、リンク80が組み合わされており、このリンク80は、ジョイント79の末端側をX軸方向に貫く第3番目の一の回動軸95を中心にして駆動される。
そして、駆動プーリー85と従動プーリー86とは無縁の動力伝達策条としてのタイミングベルト87を介して連結されている。また、駆動プーリー85と従動プーリー86との間には、タイミングベルト87のテンションを調整するためにタイミングベルト87の動きに従って回動可能に接触させたプーリーを有するアイドラー88が配置されている。
以上、説明した構成の第1部材としてのジョイント79に備わる駆動伝達部50によれば、第3番目の一の回動軸95に駆動用回転源としてのモーター80Mを直接接続する構造よりも、第3番目の一の回動軸95を設置するアーム部材としてのジョイント79の小型化が図れる。具体的には、第3番目の一の回動軸95の軸方向にモーターが配置されることによる多関節アームの延伸方向と直交するアーム幅方向へのジョイント79の幅の増大が抑えられる。
リール68wについて、特に、リール68wの「所定の巻回方向」については後で詳細に説明する。
FPC68は、フラットケーブルに類するもののなかで特に可撓性に富み、また、薄いので、電装部60の実装構造の薄型化・小型化に効果を奏する。また、屈曲させやすいことから配線の引き回し経路の自由度が高く、後述するリール68wの形成がしやすいので、ロボット10の各部材の配線材料として好適である。
図5(a)において、第1部材としてのジョイント79の配線経路からリンク80側に引き出されたFPC68の他端側は、一旦、リンク80に設けられた芯部材168の第1固定部68sに固定されている。この芯部材168(第1固定部68s)の中心軸Pwは、FPC68のリール68wの巻回の起点となる。本実施形態では、中心軸Pwは、ジョイント79とリンク80との回動軸である第3番目の一の回動軸95と一致している形態を説明するが、リール68wの基点となる中心軸Pwは第3番目の一の回動軸95と略平行であればよく、第3番目の一の回動軸95と一致していなくてもよい。
そして、FPC68が巻回されたリール68wのさらに他端側は、第2固定部68eに固定されてから、さらにその他端側がリンク80内の配線中継部(図示せず)に引き出され、配線中継部の中継基板に配置されたコネクター(図示せず)に至る。
このFPC68のリール68wにより、ジョイント79とリンク80との第3番目の一の回動軸95回りの相対回動に伴うFPC68の長さ方向の往復移動が吸収され、相対回動を阻害しない配線構造が実現される。
図5(a)は、ジョイント79に対するリンク80の回動角度が0°である状態を示している。即ち、ロボット10の多関節アームにおいて最末端の一の回動軸である第3番目の一の回動軸95と、基体としての本体部71側(根元側)の第2番目の一の回動軸93とを結んだ中心線P1(図2を併せて参照)と、リンク80およびその末端側に連結されたリンク81の末端側に延びる中心線P80とが一致している状態となっている。
本実施形態のロボット10の多関節アームにおいて、図5(a)の回動角度が0°である状態を基準として、ジョイント79に対してリンク80を回動させたとき、図5(b)に示す第1の回動方向にリンク80を回動させたときの第1角度範囲R1と、図5(c)に示す第2の回動方向にリンク80を回動させたときの第2角度範囲R2とでは、第2角度範囲R2の方が大きい。上記に述べたリール68wの「所定の巻き方向」とは、基準に対して第1の回動方向の第1角度範囲R1よりも大きな第2角度範囲R2を有する第2の回動方向に回動したときに、リール68wに巻回されたFPC68の曲げ半径が大きくなる方向を示している。
まず、実施形態1の構成によれば、ジョイント79と、ジョイント79に第3番目の一の回動軸95回りに回動するリンクとをFPC68により接続する配線構造において、ジョイント79に対するリンク80の回動をFPC68が阻害しないようにリール68wで吸収することができる。
また、一般的に、ロボット10は、多関節アームの末端側(エンドエフェクター側)の関節構造の可動域が大きい方向の作業に使用できるように設計されるので、実施形態1のロボット10では、図5(c)に示す第2の回動方向にアームを駆動させることが多い。
実施形態1の配線構造によれば、ジョイント79に対するリンク80の回動角度が0°であるときを基準として、回動角度がより大きな第2の回動方向にリンク80が回動したときにFPC68の曲げ半径が大きくなる巻き方向にてリール68wが形成されている。これにより、ロボット10の駆動に伴ってリール68wのフラットケーブル65の曲げ半径がより大きくなって巻きが緩むので、リール68wにおけるFPC68の放熱をより効果的に行うことができる。
図6は、実施形態2に係るロボットを説明する模式図である。実施形態1と同一の構成部位については、同一符号を附し、重複する説明は省略する。
また、制御部72には、オペレーターがロボット10を操作したり、制御情報を入力したりする操作パネル722が接続されている。
オペレーターが設定する上記の「所定の時間」をさらに具体的に示すと、実施形態2のロボット10において、リール68wに熱が篭もりやすい所定の状態にて、熱による悪影響が出る虞のある温度に達する時間よりも短い時間のことをいう。
したがって、ロボット10の連続駆動において、リール68wの発熱による悪影響を半自動的に回避する操作を行うことができる。
図7は、実施形態3に係るロボットを説明する模式図である。実施形態1および実施形態2と同一の構成部位については、同一符号を附し、重複する説明は省略する。
制御部72には、主制御部721と、温度異常検出部728と、リール駆動制御部723とを有している。温度異常検出部728には温度センサー727が接続されている。
なお、温度センサー727は、リール68wのFPC68に接触させてリール68w(FPC68)そのものの温度を検出する構成としてもよい。
図8は、実施形態4に係るロボットを模式的に示す説明図である。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一符号を使用し、重複する説明は省略する。
図8において、実施形態4のロボット200は、胴体部213に、実施形態1のロボット10と同じ構成の2つの第1ロボットアーム10Aおよび第2ロボットアーム10Bが設置されてなる双腕ロボットである。
同様に、第2アーム連結部215Bの胴体部213側とは反対側の第2ロボットアーム10B設置面側は、第2アーム連結部215Bの突設方向に貫く第0回動軸J0BL回りに回動可能な第2アーム固定部J0Bを有している。そして、第2アーム固定部J0Bには、上記実施形態1のロボット10と同一構成の第2ロボットアーム10Bの本体部71が固定されている。
Claims (5)
- 第1部材と、
前記第1部材に対して一の回動軸回りに回動する第2部材と、
前記第1部材に一端が接続されたフラットケーブルと、
前記第2部材に設けられ、前記フラットケーブルの他端側が前記一の回動軸と略平行する回動軸回りに巻回されたリールと、を備え、
前記第2部材には、前記一の回動軸と前記第1部材に連結された第3部材とを結ぶ前記第1部材の中心線と、前記一の回動軸と前記第2部材に連結された第4部材とを結ぶ前記第2部材の中心線と、が一致するときを基準として、第1の回動方向に回動可能な第1角度範囲と、前記第1の回動方向とは反対の第2の回動方向に回動可能であり前記第1角度範囲よりも大きい第2角度範囲とがあり、
前記第2部材が前記第2の回動方向に回動すると、前記リールに巻回された前記フラットケーブルの曲げ半径が大きくなり、
第1部材に対する前記第2部材の回動状態が所定の状態にて所定時間経過したときに、前記第1部材に対して前記第2部材を前記第2の回動方向に駆動をさせる制御部を備えたことを特徴とするロボット。 - 基体と、
複数の部材を含み、隣り合う前記部材同士が相対的に回動する関節機構により連結され
た多関節アームと、を有し、
前記多関節アームは、前記基体の表面と交差する肩軸回りに回動するように連結され、
前記部材のうち隣り合う前記部材同士が、前記肩軸と交差する一の回動軸、または、前記一の回動軸と略直交する二の回動軸のいずれかの回動軸回りに回動するように連結され、前記一の回動軸は、前記基体から順に第1番目の一の回動軸〜第n番目の一の回動軸(nは3以上の整数)を有するロボットであって、
前記部材は、前記第n番目の一の回動軸で連結された前記基体側の第1部材と、前記第1部材に対して前記第n番目の一の回動軸回りに回動する第2部材と、を含み、
前記第1部材に一端が接続されたフラットケーブルと、
前記第2部材に設けられ、前記フラットケーブルの他端側が前記一の回動軸と略平行する回動軸回りに巻回されたリールと、を備え、
前記第2部材には、第n−1番目の一の回動軸と前記第n番目の一の回動軸とを結ぶ前記第1部材の中心線と、前記第n番目の一の回動軸と前記第2部材に連結された第4部材とを結ぶ前記第2部材の中心線と、が一致するときを基準として、第1の回動方向に回動可能な第1角度範囲と、前記第1の回動方向とは反対の第2の回動方向に回動可能であり前記第1角度範囲よりも大きい第2角度範囲とがあり、
前記第2部材が前記第2の回動方向に回動すると、前記リールに巻回された前記フラットケーブルの曲げ半径が大きくなり、
第1部材に対する前記第2部材の回動状態が所定の状態にて所定時間経過したときに、前記第1部材に対して前記第2部材を前記第2の回動方向に駆動をさせる制御部を備えたことを特徴とするロボット。 - 第1部材と、
前記第1部材に対して一の回動軸回りに回動する第2部材と、
前記第1部材に一端が接続されたフラットケーブルと、
前記第2部材に設けられ、前記フラットケーブルの他端側が前記一の回動軸と略平行する回動軸回りに巻回されたリールと、を備え、
前記第2部材には、前記一の回動軸と前記第1部材に連結された第3部材とを結ぶ前記第1部材の中心線と、前記一の回動軸と前記第2部材に連結された第4部材とを結ぶ前記第2部材の中心線と、が一致するときを基準として、第1の回動方向に回動可能な第1角度範囲と、前記第1の回動方向とは反対の第2の回動方向に回動可能であり前記第1角度範囲よりも大きい第2角度範囲とがあり、
前記第2部材が前記第2の回動方向に回動すると、前記リールに巻回された前記フラットケーブルの曲げ半径が大きくなり、
前記リールおよび/または前記リールの周辺の温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段が検知した温度が、予め設定された許容温度を超えたときに、前記第1部材に対して前記第2部材を前記第2の回動方向に駆動をさせる制御部と、を備えたことを特徴とするロボット。 - 基体と、
複数の部材を含み、隣り合う前記部材同士が相対的に回動する関節機構により連結され
た多関節アームと、を有し、
前記多関節アームは、前記基体の表面と交差する肩軸回りに回動するように連結され、
前記部材のうち隣り合う前記部材同士が、前記肩軸と交差する一の回動軸、または、前記一の回動軸と略直交する二の回動軸のいずれかの回動軸回りに回動するように連結され、前記一の回動軸は、前記基体から順に第1番目の一の回動軸〜第n番目の一の回動軸(nは3以上の整数)を有するロボットであって、
前記部材は、前記第n番目の一の回動軸で連結された前記基体側の第1部材と、前記第1部材に対して前記第n番目の一の回動軸回りに回動する第2部材と、を含み、
前記第1部材に一端が接続されたフラットケーブルと、
前記第2部材に設けられ、前記フラットケーブルの他端側が前記一の回動軸と略平行する回動軸回りに巻回されたリールと、を備え、
前記第2部材には、第n−1番目の一の回動軸と前記第n番目の一の回動軸とを結ぶ前記第1部材の中心線と、前記第n番目の一の回動軸と前記第2部材に連結された第4部材とを結ぶ前記第2部材の中心線と、が一致するときを基準として、第1の回動方向に回動可能な第1角度範囲と、前記第1の回動方向とは反対の第2の回動方向に回動可能であり前記第1角度範囲よりも大きい第2角度範囲とがあり、
前記第2部材が前記第2の回動方向に回動すると、前記リールに巻回された前記フラットケーブルの曲げ半径が大きくなり、
前記リールおよび/または前記リールの周辺の温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段が検知した温度が、予め設定された許容温度を超えたときに、前記第1部材に対して前記第2部材を前記第2の回動方向に駆動をさせる制御部と、を備えたことを特徴とするロボット。 - 請求項2、または4に記載のロボットにおいて、
複数の前記多関節アームを有することを特徴とするロボット。
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