JP6255904B2 - ロボット - Google Patents

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Description

この発明は、ロボットに関するものである。
従来より、工場等の製造現場における工業製品の組み立て工程、あるいは溶接工程等の作業において、自動化や省力化のために産業用のロボットが広く用いられている。そして近年は、工業製品の小型化や高機能化に対応するために作業工程が複雑化しているのに伴って、ロボットのアームを構成する複数の部材が関節駆動軸(回動軸)により相対回動するように組み合わされた多関節アームを有する多軸制御のロボットの需要が増えてきている。例えば特許文献1には、基体(胴体)の左右両側に6軸の多関節アームが連結された双腕ロボットが開示されている。こうした6軸の多関節アームにおいては、人の腕の動きと同じような動きを実現すべく、例えば、部材としての肩部、上腕部、前腕部、および手首部で構成されている。このような多関節アームの手首部となる部材の先端側には、ロボットが行う所定の作業を実行するロボットハンドなどのエンドエフェクターが取り付けられる。
このようなロボットでは、連結された隣り合う部材やエンドエフェクターなどの駆動源をなすモーターに電源を供給したり、モーターとロボット制御部との間で制御用信号を送受したりするケーブルが配線される。この場合の配線方式として、ケーブルをベースやアームの内部に通す内部配線方式と、ロボットの外面に沿って配線する外部配線方式とがあり、近年のロボットの小型化の要求に対しては内部配線方式が有利とされている。ロボットの内部配線方式による配線においては、回動する関節部分で、相対回動する隣り合う部材(基体とアーム、アームとアーム、アームと手首部、など)の相対回動を阻害しないような配線構造とする必要がある。
例えば特許文献2に、相対回動する第1部材と第2部材とをフラットケーブル(フレキシブルプリント配線板(FPC))を用いて配線する配線構造において、第1部材に一端が接続されたフラットケーブルの他端側を芯部材に連結し、フラットケーブルのさらに他端側を芯部材から外側に巻回させたリールを形成し、そのリールを介してフラットケーブルの他端を第2部材や、第2部材の先端側に連結されたエンドエフェクターなどに接続する回動関節(回転関節)用の配線構造が紹介されている。
この配線構造によれば、第1部材と第2部材とを接続するフラットケーブルは、そのフラットケーブルが捲回されたリール部分で、第1部材と第2部材との相対回動に追従して巻き送り方向または巻き戻し方向に動くことにより、特に巻き戻し方向に動いたときに配線に加わる引っ張り力が吸収されて、配線の断線や早期の劣化などの不具合を回避することができる。
特開2008−188699号公報 特開2010−214530号公報
ところで、特許文献2に記載のロボットの配線構造における配線用のフラットケーブルには、電力供給用のものや駆動信号用のものなどの複数のフラットケーブルが重ねて配線される。これら複数のフラットケーブルのうち、電力供給用のフラットケーブルには比較的太い配線パターンが形成されたものが使用され、ロボットの駆動の際に、この電力供給用のフラットケーブルにより電力の供給を連続して行っていると、フラットケーブルが発熱する。特許文献2に記載の配線構造では、フラットケーブルのリール部分に熱が篭もりやすいので、何らかの放熱対策を講じる必要がある。
しかしながら、特許文献2に記載のロボットの配線構造では、フラットケーブルのリールの放熱対策について、何ら言及されていない。このため、ロボットの駆動を連続して行っていくと、リール周辺の温度が上昇していき、ロボット本体が過熱してオペレーターに危険を及ぼしたり、熱によるロボットの誤動作や部品の劣化を招く虞があるという問題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るロボットは、第1部材と、前記第1部材に対して一の回動軸回りに回動する第2部材と、前記第1部材に一端が接続されたフラットケーブルと、前記第2部材に設けられ、前記第フラットケーブルの他端側が前記一の回動軸と略平行する回動軸回りに巻回されたリールと、を備え、前記第2部材には、前記第1部材に対する前記第2部材の回動角度が0°であるときを基準として、第1の回動方向に回動可能な第1角度範囲と、前記第1角度範囲とは反対の第2の回動方向に回動可能であり前記第1角度範囲よりも大きい第2角度範囲とがあり、前記第2の回動方向に回動すると、前記リールに巻回された前記フラットケーブルの曲げ半径が大きくなることを特徴とする。
本適用例において、「略平行」とは、完全に平行である構成に加えて、10°以内の範囲で交差している構成を含む意味である。
本適用例によれば、第1部材と、第1部材に対して一の回動軸回りに回動する第2部材とをフラットケーブルにより接続する配線構造において、第1部材に対する第2部材の回動をフラットケーブルが阻害しないようにリールで吸収することができる。しかも、第1部材に対する第2部材の回動角度が0°であるときを基準として、回動角度がより大きな第2の回動方向に第2部材が回動したときにフラットケーブルの曲げ半径が大きくなるようにリールが形成されている。これにより、ロボットの駆動に伴ってリールにおけるフラットケーブルの曲げ半径がより大きくなって巻きが緩む構造になるので、リールに巻回されたフラットケーブルの隙間が大きくなり、リールに発生する熱を放熱する効果が得られる。
したがって、フラットケーブルのリールの熱によるロボットへの機械的なストレスや、電気的な不具合を回避しながら、小型で高機能を有するロボットを提供することができる。
[適用例2]本適用例に係るロボットは、基体と、複数の部材を含み、隣り合う前記部材同士が相対的に回動する関節機構により連結された多関節アームと、を有し、前記多関節アームは、前記基体の表面と交差する肩軸回りに回動するように連結され、前記部材のうち隣り合う前記部材同士が、前記肩軸と交差する一の回動軸、または、前記一の回動軸と略直交する二の回動軸のいずれかの回動軸回りに回動するように連結され、前記一の回動軸は、前記基体から順に第1番目の一の回動軸〜第n番目の一の回動軸(nは3以上の整数)を有するロボットであって、前記部材は、前記第n番目の一の回動軸で連結された前記基体側の第1部材と、前記第1部材に対して前記第n番目の一の回動軸回りに回動する第2部材と、を含み、前記第1部材に一端が接続されたフラットケーブルと、前記第2部材に設けられ、前記第フラットケーブルの他端側が前記第n番目の一の回動軸と略平行する回動軸回りに巻回されたリールと、を備え、前記第2部材には、前記第1部材に対する前記第2部材の回動角度が0°であるときを基準として、第1の回動方向に回動可能な第1角度範囲と、前記第1角度範囲とは反対の第2の回動方向に回動可能であり前記第1角度範囲よりも大きい第2角度範囲とがあり、前記第2の回動方向に回動すると、前記リールに巻回された前記フラットケーブルの曲げ半径が大きくなることを特徴とする。
本適用例において、「略直交」とは、完全に直交する構成に加えて、85°〜95°の範囲で交差している構成を含む意味である。
本適用例によれば、多関節アームを有するロボットにおいて、特に小型化への支配的な要素となる手首部(第2部材)と、その手首部の基体側に連結される部材(第1部材)との関節構造の小型化に有利で、放熱性に優れた配線構造を提供することができる。
したがって、小型で、信頼性が高く、高機能な多軸型のロボットを提供することができる。
[適用例3]上記適用例に記載のロボットにおいて、複数の前記多関節アームを有することを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に示した、相対的に回動する第1部材と第2部材とが、フラットケーブルにより小型で放熱性よく接続された配線構造を有するロボットアームを複数備えているので、多様な作業を高精度にて行うことが可能なロボットを提供することができる。
[適用例4]上記適用例に記載のロボットにおいて、第1部材に対する前記第2部材の回動状態が所定の状態にて所定時間経過したときに、前記第1部材に対して前記第2部材を前記第2の回動方向に駆動をさせる制御部を備えたことを特徴とする。
本適用例において、所定の状態とは、例えば、リールが基準(0°)よりも第1の回動方向に回動して巻き締められた状態、即ち、リールに熱が篭もりやすい状態のことを指す。
本適用例によれば、リールに熱が篭もりやすい所定の状態にて、例えば熱による悪影響が出る虞のある温度に達する時間よりも短い所定の時間を設定し、その設定された所定の時間となったときに、第1部材に対して第2部材を第2の回動方向に回動させてリールにおけるフラットケーブルの曲げ半径を大きくして巻きを緩ませ、リールを放熱させる制御を行う。
したがって、ロボットの駆動において、リールの発熱による悪影響を回避することができる。
[適用例5]上記適用例に記載のロボットにおいて、前記リールおよび/または前記リールの周辺の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段が検知した温度が、予め設定された許容温度を超えたときに、前記第1部材に対して前記第2部材を前記第2の回動方向に駆動をさせる制御部と、を備えたことが好ましい。
本適用例によれば、リールおよび/またはリール周辺の温度を実際に検出して、その温度が許容範囲を超えたときにリールの放熱を実施するので、より確実に、ロボットの駆動におけるリールの発熱による悪影響を回避することができる。
実施形態1に係るロボットの概略構成を模式的に示す斜視図。 実施形態1のロボットの駆動伝達部の構造を模式的に示す斜視図。 実施形態1のロボットの電装部の概略構成を模式的に示す斜視図。 (a)は、実施形態1のロボットの電装部におけるフラットケーブルとしてのFPCを示す模式平面図、(b)は(a)のB−B線模式断面図。 ロボットの回動に伴うリールの挙動の変化を模式的に示すものであり、(a)は回動角度が0°の基準状態の説明図、(b)は第1の回動方向に回動させた状態の説明図、(c)は第2の回動方向に回動させた状態の説明図。 実施形態2に係るロボットを説明する模式図。 実施形態3に係るロボットを説明する模式図。 実施形態4に係るロボットを模式的に示す説明図。
以下、本発明に係るロボットの一実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
(実施形態1)
まず、本実施形態1に係るロボットの概略構成について説明する。図1は、実施形態1に係るロボットの概略構成を模式的に示す斜視図である。なお、実施形態における「回動」とは、正転および逆転を意味する。
図1に示すロボット10は、基本的な駆動軸である回動軸を6つ有する6軸の垂直型多関節ロボットであり、人間の腕の構造を模して高さ方向(Z軸)に複数のアーム部材としてのリンク(腕木)が複数のアーム部材としてのジョイント(関節、継手)によって直列に接続された構成であるため、自由度が高く複雑な作業を行うことが可能である。
ロボット10は、基体としての基底部70および本体部71と、制御部72と、部材としてのジョイント73、リンク74、ジョイント75、リンク76、ジョイント77、リンク78、ジョイント79、リンク80、およびエンドエフェクター(不図示)が取り付けられるリンク81を有し、隣り合うリンクおよび/またはジョイント同士が関節機構により回動可能に連結された多関節アームと、を有している。
基底部70は、ロボット10の台座であり、工場内の作業スペースの床や、作業台などの平面に複数本のボルト(ネジ)によって強固に固定される。なお、固定場所は、水平面(X軸およびY軸を含む面)に限定するものではなく、ロボット10の重量、および振動に耐え得る強度があれば、移動可能な台車上や、壁面、天井、あるいは後述するようなロボットユニットに設けられたアーム連結部などであっても良い。
制御部72には、図示はしないが、ロボット10を操作するための操作パネルに加えて、動作プログラムを入力するためのRS232Cや、USB(Universal Serial Bus)などのインターフェイス端子が設けられている。または、無線LAN(Local Area Network)端末や、赤外線送受信機などのインターフェイス装置を備えた構成であっても良い。
また、詳細は後述するが、制御部72には、ロボット10に設けられたタイマーなどの時間設定手段により設定した時間を記憶する設定時間記憶部や、温度センサーなどの温度検知手段により検知された温度が許容範囲を超えたときに温度異常だと判定する温度異常検出部などの判定手段と、その判定手段による判定に基づいて後述するFPC65が巻回されて形成されるリール68w(図3、図5、図7を参照)を巻回方向に駆動させるリール制御部を含む。
なお、制御部72は、ロボット本体とは別体に設けられていても良い。
本体部71の上には、ジョイント73、リンク74が、この順番に配置されている。
まず、ロボット10のジョイント73からリンク80までの多関節アーム構造(腕から手まで)は、本体部71をZ軸方向に貫く肩軸91を中心にして水平方向に旋回する。即ち、ジョイント73は、本体部71の多関節アームが連結される表面に対して交差する回動軸のことをいい、本実施形態では、本体部71の表面に対して略直交する回転軸になっている。
また、エンドエフェクターが取り付けられるリンク81が、多関節アーム構造における一端(末端)であり、本体部71(基底部70側)に取り付けられたジョイント73がロボットアーム構造における他端(根元)に相当する。なお、以降の説明において、ロボットアーム構造におけるリンク81に近い側を「末端側」、基底部70に近い側を「根元側」という表現も用いる。
また、本体部71には、ロボットアーム構造を回転駆動するためのモーター、および複数のギヤを含む減速機構などが組み込まれている。また、以降説明する各回動軸の近傍にも、該当するリンクやエンドエフェクターを駆動するためのモーター、および減速機構などが組み込まれている。
ジョイント73の末端側に延在するように配置されたリンク74の末端側には、ジョイント75が組み合わされている。ジョイント75は、肩軸91と略直交する一の回動軸であって、リンク74をX軸方向に貫く第1番目の一の回動軸92を中心にして回動するように駆動される。第1番目の一の回動軸92は、リンク74の末端側に位置している。ここで、「略直交」とは、完全に直交する構成に加えて、10°以内の範囲(85°〜95°)で交差している構成を含むものと定義する。
なお、本実施形態1の多関節アームにおいて、第1番目の一の回動軸92と略平行な一の回動軸は、本体側から順に第1〜第n番目の一の回動軸と、追番にて名称を付す。ここで、「略平行」とは、完全に平行である構成に加えて、10°以内の範囲で交差している構成を含むものと定義する。
また、回動軸の延在方向は、ロボット10が動作すると変化する(例えば、肩軸91を中心に旋回した)場合)ため、図1に示す多関節アームの態様を初期状態と定義し、この初期状態に設置された状態を前提として説明する。
リンク76は、ジョイント75の末端側に延在するように配置されている。
リンク76の末端側にはジョイント77が組み合わされており、さらにこのジョイント77の末端側にはリンク78が組み付けられている。リンク78は、ジョイント77の末端側に延在するように配置されている。リンク78が組み付けられたジョイント77は、リンク76の末端側をX軸方向に貫く第2番目の一の回動軸93を中心にして駆動される。
そして、リンク78の末端側には、駆動伝達部50と電装部60とを有するジョイント79が組み合わされている。ジョイント79は、リンク78の末端側をY軸方向に貫く二の回動軸94を中心にしてジョイント79がリンク78に対して捻れ方向に回動するように駆動される。
また、ジョイント79の末端側には、リンク80が組み合わされており、このリンク80は、ジョイント79の末端側をX軸方向に貫く第3番目の一の回動軸95を中心にして駆動される。
上記したように、本実施形態1のロボット10の多関節アームの一の回動軸は、基体としての本体部71から順に、第1番目の一の回動軸92、第2番目の一の回動軸93、および第3番目の一の回動軸95を有している。即ち、本発明の請求項2でいう第n番目の一の回動軸は、第3番目の一の回動軸95のことを指している。したがって、第3番目の一の回動軸95回りに回動するように連結された部材としてのジョイント79およびリンク80のうち、ジョイント79は請求項でいう第1部材のことを指し、リンク80は、請求項でいう第2部材のことを指す。第2部材としてのリンク80は、ロボット10の多関節アームにおいて手首部にあたる。
リンク80の末端側には、このリンク80に延在するようにリンク81が配置されている。リンク81は、リンク80の末端側をリンク80からリンク81の延在方向に沿うY軸方向、即ち、円柱状をなしたリンク81の略中心を貫く二の回動軸96を中心にしてリンク81がリンク80に対して捻れ方向に回動するように駆動される。
上述したように、多関節アームの末端側には、ロボット10が行う所定の作業を実行する作動体としてのエンドエフェクターが組み合わされる(不図示)。エンドエフェクターは、ロボット10の用途により種々の形態のものを用いることができる。例えば、製造物の部品などを把持するロボットハンドなどの把持機構や、半田付けや溶接のような加工を行うツールをリンク81の末端側に取り付けることにより、所望の作業を実施するロボット10として用いることができる。
次に、本実施形態のロボット10の多関節アームにおいて最末端側の一の回動軸(第n番目の一の回動軸)である第3番目の一の回動軸95の関節駆動機構である駆動伝達部50について、図面に沿って説明する。図2は、ロボット10の第1部材としてのジョイント79に対して第2部材としてのリンク80を回動させる駆動伝達部50の構造を模式的に示す斜視図である。なお、図2では、駆動伝達部50以外の部材を一部省略するとともに、ジョイント79内部の駆動伝達部50の構造を説明する便宜上、一部を透視して示す。
上記したように、複数のリンクやジョイントなどのアーム部材が、二の回動軸および一の回動軸により連結された複数の関節駆動機構を有するロボット10の多関節アームにおいて、最末端側の一の回動軸である第3番目の一の回動軸95を回動軸とした関節駆動機構としての駆動伝達部50はジョイント79に設置されている(図1を参照)。さらに詳細には、駆動伝達部50は、ジョイント79の第3番目の一の回動軸95と略直交する方向の側面のうちの一方の側面に配置されている。なお、本実施形態において「略直交」とは、完全に直交する構成に加えて、10°以内の範囲で交差している構成を含む意味である。
その第3番目の一の回動軸95を含む駆動伝達部50の詳細を示す図2において、ジョイント79には、第3番目の一の回動軸95を回動軸として回動する従動輪としての従動プーリー86と、第3番目の一の回動軸95の駆動回転源としてのモーター80Mと、そのモーター80Mにより第3番目の一の回動軸95と同じ回動軸回りに回動する駆動軸97と、駆動軸97を介してモーター80Mにより回動する駆動輪としての駆動プーリー85とを有している。また、モーター80M近傍には、回転位置検出部(位置検出器)80Dが設けられるが、設ける位置は図示された位置以外でもよい。回転位置検出部80Dは、ユニット構造を使用してもよいし、モジュール構造を使用してもよい。
そして、駆動プーリー85と従動プーリー86とは無縁の動力伝達策条としてのタイミングベルト87を介して連結されている。また、駆動プーリー85と従動プーリー86との間には、タイミングベルト87のテンションを調整するためにタイミングベルト87の動きに従って回動可能に接触させたプーリーを有するアイドラー88が配置されている。
以上、説明した構成の第1部材としてのジョイント79に備わる駆動伝達部50によれば、第3番目の一の回動軸95に駆動用回転源としてのモーター80Mを直接接続する構造よりも、第3番目の一の回動軸95を設置するアーム部材としてのジョイント79の小型化が図れる。具体的には、第3番目の一の回動軸95の軸方向にモーターが配置されることによる多関節アームの延伸方向と直交するアーム幅方向へのジョイント79の幅の増大が抑えられる。
次に、第1部材としてのジョイント79と、そのジョイント79に対して回動可能に連結された第2部材としてのリンク80との配線構造について、ジョイント79の電装部60を中心に、図面に沿って説明する。図3は、ロボット10における電装部60の概略構成を模式的に示す斜視図である。なお、図3では、電装部60以外の部材を一部省略するとともに、ジョイント79およびリンク80の内部の配線構造を説明する便宜上、一部を透視して示している。また、図4(a)は、電装部60における配線構造に用いるフラットケーブルとしてのFPCを示す模式平面図であり、図4(b)は、図4(a)のB−B線模式断面図である。また、図5は、ロボット10の回動に伴うFPC68のリール68wの挙動の変化を模式的に示すものであり、(a)は回動角度が0°の基準状態の説明図、(b)は第1の回動方向に回動させた状態の説明図、(c)は第2の回動方向に回動させた状態の説明図である。なお、図5では、ジョイント79に対するリンク80の回動方向とリール68wの挙動との関係を説明する便宜上、ジョイント79の電装部60の位置を一部破線で示すとともに、一部を透視して示す。
図3において、電装部60は、上記した駆動伝達部50が設置されたジョイト79の一方の側面の反対側の側面(他方の側面)に配置されている。電装部60は、配線基板161と、その配線基板161を介して、第3番目の一の回動軸95の末端側のリンク80およびそれに取り付けられるエンドエフェクター(図示せず)などの駆動源をなすモーターに電源を供給したり、モーターとロボット制御部との間で制御用信号を送受したりするために配線されるフラットケーブルとしてのFPC(Flexible Printed Circuits)68とを含む。
絶縁性の基材に回路配線が形成された配線基板161には、駆動回路などを構成する種々の電子部品163や、FPC68が接続される接続部としてのコネクター167が実装されている。本実施形態では、複数のFPC68が重ねて配線される構成となっており、配線基板161にはこれと対応する複数のコネクター167が実装されている。
配線基板161に実装された複数のコネクター167の各々には、FPC68の一端側が挿入・固定され、FPC68の他端側は、ジョイント79の末端側で第3番目の一の回動軸95と略平行な方向に折り曲げられてリンク80の方向に向かう配線経路からリンク80に引き回されている。リンク80内に引き回されたFPC68の他端側は、一旦、リンク80に設けられた芯部材168に固定され、その芯部材168に固定されたFPC68のさらに他端側には、FPC68が第3番目の一の回動軸95と略平行な巻回軸Pwを中心として所定の巻回方向に巻回されたリール68wが形成されている。また、FPC68が巻回されたリール68wのさらに他端側は、リンク80内の配線中継部(図示せず)に配置されたコネクター(図示せず)に至る。
リール68wについて、特に、リール68wの「所定の巻回方向」については後で詳細に説明する。
図4(a)および図4(b)に示すように、FPC68は、例えばポリイミドなどの可撓性を有する絶縁性の基材64の一面に、金属の配線パターン65が形成されている。配線パターン65が形成された基材64上の一部には絶縁性の樹脂からなる絶縁膜66が積層されている。絶縁膜66が無いFPC68の一端側が、配線基板161のコネクター167との接続部分となる。同様に、FPC68の他端側(図示せず)にも絶縁膜66が無い接続部分が形成されている。FPC68の一端側の接続部分において、基材64の配線パターン65形成面の反対の面には、基材64よりも硬い補強部材としての補強板69が設けられている。補強板69は絶縁性の樹脂材料からなり、例えばPET(Polyethylene Terephtalate)などを用いて形成したものであってもよいし、基材64よりも厚い基材64と同じ材料を用いて形成したものであってもよい。これと同様に、FPC68の他端側の接続部分にも補強板69が設けられている(図示省略)。
FPC68は、フラットケーブルに類するもののなかで特に可撓性に富み、また、薄いので、電装部60の実装構造の薄型化・小型化に効果を奏する。また、屈曲させやすいことから配線の引き回し経路の自由度が高く、後述するリール68wの形成がしやすいので、ロボット10の各部材の配線材料として好適である。
以下、上記したリール68wについて、特に、リール68wの「所定の捲回方向」について、図面に沿って詳細に説明する。
図5(a)において、第1部材としてのジョイント79の配線経路からリンク80側に引き出されたFPC68の他端側は、一旦、リンク80に設けられた芯部材168の第1固定部68sに固定されている。この芯部材168(第1固定部68s)の中心軸Pwは、FPC68のリール68wの巻回の起点となる。本実施形態では、中心軸Pwは、ジョイント79とリンク80との回動軸である第3番目の一の回動軸95と一致している形態を説明するが、リール68wの基点となる中心軸Pwは第3番目の一の回動軸95と略平行であればよく、第3番目の一の回動軸95と一致していなくてもよい。
芯部材168の第1固定部68sに一部が固定されたFPC68のさらに他端側には、第3番目の一の回動軸95と略平行(本実施形態では概ね合致)する中心軸Pwを起点として所定の方向に巻回されたリールが形成されている。
そして、FPC68が巻回されたリール68wのさらに他端側は、第2固定部68eに固定されてから、さらにその他端側がリンク80内の配線中継部(図示せず)に引き出され、配線中継部の中継基板に配置されたコネクター(図示せず)に至る。
このFPC68のリール68wにより、ジョイント79とリンク80との第3番目の一の回動軸95回りの相対回動に伴うFPC68の長さ方向の往復移動が吸収され、相対回動を阻害しない配線構造が実現される。
ここで、FPC68のリール68wにおいて、上記した「所定の巻き方向」について説明する。
図5(a)は、ジョイント79に対するリンク80の回動角度が0°である状態を示している。即ち、ロボット10の多関節アームにおいて最末端の一の回動軸である第3番目の一の回動軸95と、基体としての本体部71側(根元側)の第2番目の一の回動軸93とを結んだ中心線P1(図2を併せて参照)と、リンク80およびその末端側に連結されたリンク81の末端側に延びる中心線P80とが一致している状態となっている。
本実施形態のロボット10の多関節アームにおいて、図5(a)の回動角度が0°である状態を基準として、ジョイント79に対してリンク80を回動させたとき、図5(b)に示す第1の回動方向にリンク80を回動させたときの第1角度範囲R1と、図5(c)に示す第2の回動方向にリンク80を回動させたときの第2角度範囲R2とでは、第2角度範囲R2の方が大きい。上記に述べたリール68wの「所定の巻き方向」とは、基準に対して第1の回動方向の第1角度範囲R1よりも大きな第2角度範囲R2を有する第2の回動方向に回動したときに、リール68wに巻回されたFPC68の曲げ半径が大きくなる方向を示している。
実施形態1のロボット10におけるジョイント79とリンク80とを接続する配線構造によれば、次に示す効果を得ることができる。
まず、実施形態1の構成によれば、ジョイント79と、ジョイント79に第3番目の一の回動軸95回りに回動するリンクとをFPC68により接続する配線構造において、ジョイント79に対するリンク80の回動をFPC68が阻害しないようにリール68wで吸収することができる。
実施形態1の配線構造において、FPC68は、電力供給用のFPC68や駆動信号用のFPC68などの複数のFPC68が重ねて配線される。これら複数のFPC68の各々は、通電を連続して行うと発熱していくものであり、特に、電力供給用のFPC68は、比較的太い配線パターン65が形成されたものが使用され、ロボット10の駆動の際の発熱が顕著に発生するため、熱が篭もりやすいリール68wに熱を蓄積させる原因になり得る。
また、一般的に、ロボット10は、多関節アームの末端側(エンドエフェクター側)の関節構造の可動域が大きい方向の作業に使用できるように設計されるので、実施形態1のロボット10では、図5(c)に示す第2の回動方向にアームを駆動させることが多い。
実施形態1の配線構造によれば、ジョイント79に対するリンク80の回動角度が0°であるときを基準として、回動角度がより大きな第2の回動方向にリンク80が回動したときにFPC68の曲げ半径が大きくなる巻き方向にてリール68wが形成されている。これにより、ロボット10の駆動に伴ってリール68wのフラットケーブル65の曲げ半径がより大きくなって巻きが緩むので、リール68wにおけるFPC68の放熱をより効果的に行うことができる。
また、より駆動機会の多い第2の回動方向に多関節アームを駆動させたときに、リール68wの曲げ半径が大きくなるようにリール68wが形成されているので、FPC68に加わるテンションが軽減されることにより、FPC68へのストレスによる断線などの不具合が抑えられ、FPC68の長寿命化を図ることができる。
(実施形態2)
図6は、実施形態2に係るロボットを説明する模式図である。実施形態1と同一の構成部位については、同一符号を附し、重複する説明は省略する。
図6に示す実施形態2のロボット10の制御部72には、主制御部721と、設定時間記憶部726と、リール駆動制御部723とを有している。
また、制御部72には、オペレーターがロボット10を操作したり、制御情報を入力したりする操作パネル722が接続されている。
実施形態2のロボット10において、オペレーターは、操作パネル722を操作して、事前に確認された所定の設定時間を入力し、設定時間記憶部726に保存する。ここで、所定の設定時間とは、ジョイント79に対するリンク80の回動状態が所定の状態にある時間を指し、所定の状態とは、例えば、リールが基準(0°)よりも第1の回動方向に回動して巻き締められた状態、即ち、リール68wに熱が篭もりやすい状態のことを指す。
オペレーターが設定する上記の「所定の時間」をさらに具体的に示すと、実施形態2のロボット10において、リール68wに熱が篭もりやすい所定の状態にて、熱による悪影響が出る虞のある温度に達する時間よりも短い時間のことをいう。
制御部72において、設定時間記憶部726に保存された所定の時間に達すると、リール駆動制御部723が、ジョイント79に対してリンク80をリール68wの曲げ半径が大きくなる方向、即ち、図5(c)に示す第2の回動方向に回動させる制御を行って、リール68wのFPC68の放熱を行う。
実施形態2のロボット10によれば、リール68wに熱が篭もりやすい所定の状態にて、熱による悪影響が出る虞のある温度に達する時間よりも短い所定の時間を設定して設定時間記憶部726に保存し、その設定された所定の時間となったときに、リール68wのフラットケーブル65の曲げ半径を大きくして巻きを緩ませることにより放熱させることができる。
したがって、ロボット10の連続駆動において、リール68wの発熱による悪影響を半自動的に回避する操作を行うことができる。
(実施形態3)
図7は、実施形態3に係るロボットを説明する模式図である。実施形態1および実施形態2と同一の構成部位については、同一符号を附し、重複する説明は省略する。
図7に示す実施形態2のロボット10において、第2部材としてのリンク80には、リール68w周辺の温度を検知する温度検知手段としての温度センサー727が設けられている。
制御部72には、主制御部721と、温度異常検出部728と、リール駆動制御部723とを有している。温度異常検出部728には温度センサー727が接続されている。
温度異常検出部728には、予め設定された温度の許容範囲が保存されており、その温度の許容範囲に対して、温度センサー727により検出されたリール68w周辺の実際の温度測定値が異常であるか否かを判定する。ここで温度異常値とは、リール68w周辺の温度が、ロボット10の動作やオペレーターの体に対して悪影響や危険を及ぼす虞のある温度のことをいう。
制御部72において、温度異常検出部728がリール68w周辺の温度が許容範囲を超えて異常だと判定すると、リール駆動制御部723が、ジョイント79に対してリンク80をリール68wの曲げ半径が大きくなる方向、即ち、図5(c)に示す第2の回動方向に回動させる制御を行って、リール68wのFPC68の放熱を行う。
実施形態3のロボット10によれば、リール68w周辺の温度を実際に測定して、その温度が許容範囲を超えたときにリールの放熱を実施することができるので、より確実に、ロボットの駆動におけるリールの発熱による悪影響を回避することができる。
なお、温度センサー727は、リール68wのFPC68に接触させてリール68w(FPC68)そのものの温度を検出する構成としてもよい。
(実施形態4)
図8は、実施形態4に係るロボットを模式的に示す説明図である。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一符号を使用し、重複する説明は省略する。
図8において、実施形態4のロボット200は、胴体部213に、実施形態1のロボット10と同じ構成の2つの第1ロボットアーム10Aおよび第2ロボットアーム10Bが設置されてなる双腕ロボットである。
ロボット200は、このロボット200を支持する架台211と、架台211に固設された円柱状の胴体部213と、胴体部213の架台211側とは反対側の上部に胴体部213から略直角に突設された第1アーム連結部215Aおよび第2アーム連結部215Bとを有している。
第1アーム連結部215Aの胴体部213側とは反対側の第1ロボットアーム10A設置面側は、第1アーム連結部215Aの突設方向に貫く第0回動軸J0AL回りに回動可能な第1アーム固定部J0Aを有している。そして、第1アーム固定部J0Aには、上記実施形態のロボット10と同一構成の第1ロボットアーム10Aの本体部71が固定されている。
同様に、第2アーム連結部215Bの胴体部213側とは反対側の第2ロボットアーム10B設置面側は、第2アーム連結部215Bの突設方向に貫く第0回動軸J0BL回りに回動可能な第2アーム固定部J0Bを有している。そして、第2アーム固定部J0Bには、上記実施形態1のロボット10と同一構成の第2ロボットアーム10Bの本体部71が固定されている。
6軸制御の第1ロボットアーム10Aおよび第2ロボットアーム10Bともに、第1アーム固定部J0Aおよび第2アーム固定部J0Bが第0回動軸J0ALおよび第0回動軸J0BLをそれぞれ有していることにより、実質的に7軸制御のロボット200として、第1ロボットアーム10Aおよび第2ロボットアーム10Bのそれぞれを多彩な軌道にて自由度の高い移動を実現することができる。
本実施形態2に係るロボット200によれば、上記実施形態で説明したロボット10と同一構成の第1ロボットアーム10Aおよび第2ロボットアーム10Bを備えているので、ロボット200の連続駆動に伴う配線の発熱を適宜に放熱させて、多様な作業を高精度にて行うことが可能な、小型で信頼性の高い双腕ロボット200を提供することができる。
以上、発明者によってなされた本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態およびその変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、配線部材であるフラットケーブルとしてFPC68を用いた構成を説明したが、これに限らない。例えば、一般にフラットケーブルと呼ばれる、FPC68よりも厚めで硬いフラットケーブルや、ハーネスと呼ばれるような他のフラットケーブルを用いる構成としてもよい。
2…アクチュエーター、10,200…ロボット、10A…第1ロボットアーム、10B…第2ロボットアーム、14…動力伝達軸外筒、16…減速機出力軸外筒、22…モーター、24…減速機、26…減速機出力軸カラー、28…線条体、30…減速機出力軸、32…モーターフレーム、34…動力伝達軸、36…フレーム、38…ローター、40…ローターシャフト、42…ステータ、44…回転位置検出部、46…メカニカルブレーキ、50…駆動伝達部、60…電装部、65…配線パターン、66…絶縁膜、68…フラットケーブルとしてのFPC、68w…リール、69…補強板、70…基底部、71…基部としての本体部、72…制御部、73,75,77…部材としてのジョイント、74,76,78,81…リンク、79…第1部材としてのジョイント、80…第2部材としてのリンク、80M…モーター、81…リンク、83…配線経路、85…駆動プーリー、86…従動プーリー、87…タイミングベルト、88…アイドラー、91…肩軸、92…第1番目の一の回動軸、93…第2番目の一の回動軸、94,96…二の回動軸、95…第n番目の一の回動軸としての第3番目の一の回動軸、97…駆動軸、110…基点リンク、112…回動リンク、721…主制御部、722…操作パネル、723…リール駆動制御部、726…設定時間記憶部、727…温度検出部としての温度センサー、728…温度異常検出部。

Claims (5)

  1. 第1部材と、
    前記第1部材に対して一の回動軸回りに回動する第2部材と、
    前記第1部材に一端が接続されたフラットケーブルと、
    前記第2部材に設けられ、前記フラットケーブルの他端側が前記一の回動軸と略平行する回動軸回りに巻回されたリールと、を備え、
    前記第2部材には、前記一の回動軸と前記第1部材に連結された第3部材とを結ぶ前記第1部材の中心線と、前記一の回動軸と前記第2部材に連結された第4部材とを結ぶ前記第2部材の中心線と、が一致するときを基準として、第1の回動方向に回動可能な第1角度範囲と、前記第1の回動方向とは反対の第2の回動方向に回動可能であり前記第1角度範囲よりも大きい第2角度範囲とがあり、
    前記第2部材が前記第2の回動方向に回動すると、前記リールに巻回された前記フラットケーブルの曲げ半径が大きくなり、
    第1部材に対する前記第2部材の回動状態が所定の状態にて所定時間経過したときに、前記第1部材に対して前記第2部材を前記第2の回動方向に駆動をさせる制御部を備えたことを特徴とするロボット。
  2. 基体と、
    複数の部材を含み、隣り合う前記部材同士が相対的に回動する関節機構により連結され
    た多関節アームと、を有し、
    前記多関節アームは、前記基体の表面と交差する肩軸回りに回動するように連結され、
    前記部材のうち隣り合う前記部材同士が、前記肩軸と交差する一の回動軸、または、前記一の回動軸と略直交する二の回動軸のいずれかの回動軸回りに回動するように連結され、前記一の回動軸は、前記基体から順に第1番目の一の回動軸〜第n番目の一の回動軸(nは3以上の整数)を有するロボットであって、
    前記部材は、前記第n番目の一の回動軸で連結された前記基体側の第1部材と、前記第1部材に対して前記第n番目の一の回動軸回りに回動する第2部材と、を含み、
    前記第1部材に一端が接続されたフラットケーブルと、
    前記第2部材に設けられ、前記フラットケーブルの他端側が前記一の回動軸と略平行する回動軸回りに巻回されたリールと、を備え、
    前記第2部材には、第n−1番目の一の回動軸と前記第n番目の一の回動軸とを結ぶ前記第1部材の中心線と、前記第n番目の一の回動軸と前記第2部材に連結された第4部材とを結ぶ前記第2部材の中心線と、が一致するときを基準として、第1の回動方向に回動可能な第1角度範囲と、前記第1の回動方向とは反対の第2の回動方向に回動可能であり前記第1角度範囲よりも大きい第2角度範囲とがあり、
    前記第2部材が前記第2の回動方向に回動すると、前記リールに巻回された前記フラットケーブルの曲げ半径が大きくなり、
    第1部材に対する前記第2部材の回動状態が所定の状態にて所定時間経過したときに、前記第1部材に対して前記第2部材を前記第2の回動方向に駆動をさせる制御部を備えたことを特徴とするロボット。
  3. 第1部材と、
    前記第1部材に対して一の回動軸回りに回動する第2部材と、
    前記第1部材に一端が接続されたフラットケーブルと、
    前記第2部材に設けられ、前記フラットケーブルの他端側が前記一の回動軸と略平行する回動軸回りに巻回されたリールと、を備え、
    前記第2部材には、前記一の回動軸と前記第1部材に連結された第3部材とを結ぶ前記第1部材の中心線と、前記一の回動軸と前記第2部材に連結された第4部材とを結ぶ前記第2部材の中心線と、が一致するときを基準として、第1の回動方向に回動可能な第1角度範囲と、前記第1の回動方向とは反対の第2の回動方向に回動可能であり前記第1角度範囲よりも大きい第2角度範囲とがあり、
    前記第2部材が前記第2の回動方向に回動すると、前記リールに巻回された前記フラットケーブルの曲げ半径が大きくなり、
    前記リールおよび/または前記リールの周辺の温度を検知する温度検知手段と、
    前記温度検知手段が検知した温度が、予め設定された許容温度を超えたときに、前記第1部材に対して前記第2部材を前記第2の回動方向に駆動をさせる制御部と、を備えたことを特徴とするロボット。
  4. 基体と、
    複数の部材を含み、隣り合う前記部材同士が相対的に回動する関節機構により連結され
    た多関節アームと、を有し、
    前記多関節アームは、前記基体の表面と交差する肩軸回りに回動するように連結され、
    前記部材のうち隣り合う前記部材同士が、前記肩軸と交差する一の回動軸、または、前記一の回動軸と略直交する二の回動軸のいずれかの回動軸回りに回動するように連結され、前記一の回動軸は、前記基体から順に第1番目の一の回動軸〜第n番目の一の回動軸(nは3以上の整数)を有するロボットであって、
    前記部材は、前記第n番目の一の回動軸で連結された前記基体側の第1部材と、前記第1部材に対して前記第n番目の一の回動軸回りに回動する第2部材と、を含み、
    前記第1部材に一端が接続されたフラットケーブルと、
    前記第2部材に設けられ、前記フラットケーブルの他端側が前記一の回動軸と略平行する回動軸回りに巻回されたリールと、を備え、
    前記第2部材には、第n−1番目の一の回動軸と前記第n番目の一の回動軸とを結ぶ前記第1部材の中心線と、前記第n番目の一の回動軸と前記第2部材に連結された第4部材とを結ぶ前記第2部材の中心線と、が一致するときを基準として、第1の回動方向に回動可能な第1角度範囲と、前記第1の回動方向とは反対の第2の回動方向に回動可能であり前記第1角度範囲よりも大きい第2角度範囲とがあり、
    前記第2部材が前記第2の回動方向に回動すると、前記リールに巻回された前記フラットケーブルの曲げ半径が大きくなり、
    前記リールおよび/または前記リールの周辺の温度を検知する温度検知手段と、
    前記温度検知手段が検知した温度が、予め設定された許容温度を超えたときに、前記第1部材に対して前記第2部材を前記第2の回動方向に駆動をさせる制御部と、を備えたことを特徴とするロボット。
  5. 請求項2、または4に記載のロボットにおいて、
    複数の前記多関節アームを有することを特徴とするロボット。
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