JP6255440B2 - 流体圧シリンダ - Google Patents

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Description

本発明は、流体圧シリンダに関するものである。
特許文献1には、クッション機構を有する流体圧シリンダが開示されている。特許文献1のクッション機構は、ピストンロッドの外周面に開口するロッド凹部と、ピストンロッドの外周面に摺動可能に嵌合する可動スリーブと、可動スリーブのスリーブ内周面に開口する溝状のスリットと、可動スリーブをピストンから離れてシリンダヘッドに向かう方向に付勢するスプリングと、を有する。
特許文献1の流体圧シリンダでは、クッション機構は、伸長作動時のストロークエンド付近で可動スリーブがシリンダヘッドに当接することによって、ロッド室から直に給排口へと流出していた作動流体の流れが、スリット及びロッド凹部を通って給排口へと流出する作動流体の流れに切り換えられる。これにより、スリットを通過する作動流体の流れに付与する抵抗によってピストンロッドを円滑に減速させて、クッション機能が発揮される。
特開2012−172693号公報
特許文献1に開示の流体圧シリンダでは、伸長作動時のストローク端付近で可動スリーブとピストンロッドを相対移動させてクッション機能を発揮し、収縮作動時には可動スリーブとピストンロッドとを共に移動させるために、ロッド室内に設けられるスプリングによって可動スリーブを支持している。
しかしながら、この流体圧シリンダのようにロッド側室内にスプリングを設けると、その分全長が長くなり流体圧シリンダが大型化する。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、流体圧シリンダを小型化することを目的とする。
第1の発明は、流体圧シリンダであって、シリンダチューブと、シリンダチューブに挿入されるピストンロッドと、ピストンロッドの先端に連結されシリンダチューブ内をロッド側室とボトム側室とに区画するピストンと、ピストンロッドの外周に設けられ伸長作動時のストローク端付近でピストンロッドを減速させるクッション部と、ロッド側室に連通しロッド側室に給排される作動流体が通過する給排通路と、シリンダチューブに設けられ伸長作動時のストローク端付近でクッション部が当接する当接部と、を備え、クッション部は、伸長作動時のストローク端付近で当接部に当接するクッションリングと、ピストンロッドの外周面に形成される凹部に収容された状態でピストンロッドに対するクッションリングの相対移動を規制する規制部と、を有し、伸長作動時のストローク端付近でクッションリングと当接部とが当接するのに伴い、給排通路とロッド側室との直接の連通がクッションリングにより遮断されると共に規制部が凹部から脱出してピストンロッドに対するクッションリングの相対移動が許容され、通過する作動流体に抵抗を付与するクッション通路を通じてロッド側室の作動流体が給排通路から排出されることを特徴とする。
第2の発明は、シリンダチューブの内周面が、ピストンが摺動する摺動面と、摺動面よりも大きな内径に形成される大径面と、を有し、規制部は、摺動面との当接によって凹部からの脱出が規制され、大径面に対向することにより凹部からの脱出が許容されることを特徴とする。
第1及び第2の発明では、伸長作動時のストローク端付近でクッション部が当接部に当接すると、給排通路とロッド側室との直接の連通が遮断される。クッション部と当接部とが当接した状態からピストンロッドが伸長方向へさらに移動しようとすると、規制部により規制されていたピストンロッドとクッションリングとの相対移動が許容される。よって、伸長作動のストローク端付近において、ロッド側室から排出される作動流体は、クッション通路を通じて給排通路へ導かれ、ピストンロッドを減速させるクッション機能が発揮される。このように、ピストンロッドに対するクッションリングの相対移動が規制部によって規制されることにより、クッションリングを支持するためのスプリングをロッド側室に設けなくても、伸長作動時のストローク端付近において、クッション機能が発揮される。
第3の発明は、規制部または凹部の少なくとも一方には、クッションリングと当接部とが当接する状態からのピストンロッドの伸長方向への移動に伴い、規制部を径方向外側に押し出して凹部から脱出させる脱出案内部が形成されることを特徴とする。
第3の発明によれば、クッションリングと当接部とが当接する状態からのピストンロッドの伸長方向への移動に伴い、規制部を凹部から確実に脱出させることができる。
第4の発明は、シリンダチューブの内周面が、摺動面と大径面との間に形成される内周段差部をさらに有し、規制部または内周段差部の少なくとも一方には、クッションリングと当接部とが当接する状態からのピストンロッドの収縮方向への移動に伴い、規制部を径方向内側に押し出して凹部に収容させる収容案内部が形成されることを特徴とする。
第4の発明によれば、クッションリングと当接部とが当接する状態からのピストンロッドの収縮方向への移動に伴い、規制部を確実に凹部に収容させて、ピストンロッドを収縮方向へ移動させることができる。
第5の発明は、クッションリングと当接部とが当接した状態において、規制部と内周段差部との間には、軸方向の隙間が形成されることを特徴とする。
第5の発明では、伸長ストローク端からの収縮作動時において、速やかに給排通路とロッド側室とが連通する。したがって、収縮作動開始時の応答性を確保することができる。
第6の発明は、クッション通路は、クッションリングに着脱可能に設けられるオリフィスプラグに形成されることを特徴とする。
第6の発明によれば、オリフィスプラグを交換することにより、クッション性能の調整を容易に行うことができる。
第7の発明は、規制部が、クッションリングの外周面と内周面とを挿通し径方向に移動自在に設けられる規制ピンであることを特徴とする。
第8の発明は、規制部が、それぞれクッションリングの外周及び内周に設けられ拡縮可能に形成される一対の規制リングであることを特徴とする。
第9の発明は、規制部が、クッションリングに軸方向に隣接して設けられ合口隙間を有して拡縮可能に形成される拡縮リングであることを特徴とする。
第10の発明は、クッションリングが、規制リングに対向する端面の内側に形成される中央凹部を有し、拡縮リングは、中央凹部に挿入される中央段部を有し、拡縮リングがピストンロッドの凹部に収容された状態では、中央凹部と中央段部との間には径方向隙間が形成され、拡縮リングが拡張して凹部から脱出した状態では、中央段部が中央凹部に接触することを特徴とする。
第10の発明では、クッションリングの中央凹部と拡縮リングの中央段部とが接触することにより、拡縮リングが調心されつつ拡張される。したがって、クッションリングと拡縮リングとの摺動性を安定させることができる。
本発明によれば、流体圧シリンダを小型化することができる。
本発明の第1実施形態に係る流体圧シリンダの断面図である。 本発明の第1実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係る流体圧シリンダのクッションリングを示す平面図であり、(a)は第1実施例を示し、(b)は第2実施例を示す。 本発明の第1実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図であり、規制ピンの長さを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図であり、ピストンロッドが伸長作動時のストローク端付近にある状態を示す。 本発明の第1実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図であり、ピストンロッドに対するクッションリングの相対移動が許容された状態を示す。 本発明の第1実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図であり、伸長作動のストローク端から収縮作動する状態を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図であり、規制ピンが環状溝に対向した状態を示す。 本発明の第1実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図であり、クッション通路がクッションリングに形成される変形例を示す。 本発明の第1実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図であり、クッション通路がピストンロッドに形成される変形例を示す。 本発明の第1実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図であり、クッション通路が当接部に形成される第1変形例を示す。 本発明の第1実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図であり、クッション通路が当接部に形成される第2変形例を示す。 本発明の第2実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図であり、規制リングの第1変形例を示す。 本発明の第2実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図であり、規制リングの第2変形例を示す。 本発明の第2実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図であり、ピストンロッドが伸長作動時のストローク端付近にある状態を示す。 本発明の第2実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図であり、ピストンロッドに対するクッションリングの相対移動が許容された状態を示す。 本発明の第3実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図である。 本発明の第3実施形態に係る流体圧シリンダの拡縮リングを示す平面図である。 本発明の第3実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図であり、ピストンロッドが伸長作動時のストローク端付近にある状態を示す。 本発明の第3実施形態に係る流体圧シリンダのクッション部を示す拡大断面図であり、伸長作動のストローク端から収縮作動する状態を示す図である。 本発明の比較例に係る流体圧シリンダを示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る流体圧シリンダについて説明する。以下では、流体圧シリンダが作動油を作動流体として駆動する油圧シリンダである場合について説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る油圧シリンダ100は、図1に示すように、筒状のシリンダチューブ10と、シリンダチューブ10に挿入されるピストンロッド20と、ピストンロッド20の先端に連結されシリンダチューブ10の内周面に沿って摺動するピストン30と、ピストンロッド20の外周に設けられるクッション部40と、を備える。
シリンダチューブ10の内部は、ピストン30によってロッド側室1とボトム側室2との2つの流体圧室に仕切られる。油圧シリンダ100は、油圧源(作動流体圧源)からロッド側室1またはボトム側室2に導かれる作動油圧によって伸縮作動する。シリンダチューブ10の内周とピストン30の外周との間は、シール部材(図示省略)によって封止される。これにより、シリンダチューブ10の内周とピストン30の外周との間を通じたロッド側室1とボトム側室2との連通が遮断される。
シリンダチューブ10の内周面は、ピストン30が摺動する摺動面11と、摺動面11よりも大きな内径で形成される大径面12と、摺動面11と大径面12との間に形成される内周段差部13と、を有する。大径面12は、シリンダチューブ10の一端の開口部10Aから連続して形成される。内周段差部13には、大径面12から摺動面11に向かうにつれ内径が小さくなるテーパ面13Aが形成される。
シリンダチューブ10には、一端の開口部10Aを封止すると共にピストンロッド20を摺動自在に支持する円筒状のシリンダヘッド50が設けられる。シリンダヘッド50は、伸長作動時のピストンロッド20のストローク端付近でクッション部40に当接する当接部51を有する。当接部51は、円筒状に形成されシリンダチューブ10の内側に挿入される。シリンダヘッド50は、周方向に並ぶ複数の締結ボルト(図示省略)を介してシリンダチューブ10に締結される。
シリンダヘッド50の内周には、ブッシュ55、サブシール56、メインシール57、及びダストシール58が介装される。
ブッシュ55がピストンロッド20の外周面に摺接することにより、ピストンロッド20がシリンダチューブ10の軸方向に移動するように支持される。
シリンダヘッド50には、油圧源に連通する給排口3が形成される。シリンダヘッド50は、内周面に形成される通路溝50Aによってピストンロッド20との間で、給排口3とロッド側室1とを連通する給排通路4を区画する。給排口3から給排通路4を通じて、ロッド側室1に作動油が給排される。
ピストンロッド20は、シリンダヘッド50の内周と摺接する本体部21と、本体部21より外径が小さく形成される小径部22と、本体部21と小径部22の間に形成される環状の段差部23と、ピストンロッド20の先端に形成されピストン30が締結されるねじ部24と、を有する。
図1及び図2に示すように、小径部22には、段差部23に隣接する位置に凹部としての環状溝25が形成される。環状溝25は、小径部22の外周面に接続されピストン30側に向かうにつれ深さが小さくなる溝テーパ部25Aを有する。
ピストン30は、ピストンロッド20のねじ部24に螺合し、所定の締め付け力によってピストンロッド20に締結される。
クッション部40は、ピストンロッド20の小径部22の外周であって、段差部23とピストン30との軸方向の間に設けられる。クッション部40は、図2及び図3(a)に示すように、通過する作動油に抵抗を付与するクッション通路42を画成するクッションリング41と、クッションリング41に係止されると共にピストンロッド20における小径部22の環状溝25に一部が収容された状態で、ピストンロッド20に対するクッションリング41の相対移動を規制する規制部としての規制ピン45と、を有する。
クッションリング41は、図2に示すように、ピストンロッド20の小径部22に摺動可能に嵌合する。クッションリング41は、外径がシリンダチューブ10の摺動面11の内径よりも小さく形成される。
クッションリング41には、図2及び図3(a)に示すように、軸方向に貫通する複数の貫通孔によって複数のクッション通路42が画成される。クッション通路42は、クッションリング41が当接部51に当接した状態においても、ロッド側室1と給排通路4とを連通する(図5参照)。つまり、クッション通路42は、クッションリング41におけるシリンダヘッド50に対向する端面において、給排通路4に臨む位置に開口するように形成される。
クッション通路42を通過する作動油の流れには、抵抗が付与される。作動油がクッション通路42を通過することにより、ロッド側室1にはクッション圧が作用する。これにより、油圧シリンダ100では、伸長ストローク端付近で伸長速度が減速するクッション作用が発揮される。
また、クッションリング41においてピストン30に対向する端面には、径方向に延びて、それぞれクッション通路42に連通する複数の径方向溝46が形成される。径方向溝46に作動油の圧力が導かれることにより、後述するような収縮作動時におけるクッションリング41とピストン30との当接状態からの離間が促される。
なお、径方向溝46は、図3(b)に示すように、クッション通路42とは連通せず、クッション通路42からずれた位置に形成されてもよい。また、径方向溝46は、クッションリング41の外周面に開口してもよい。このように、径方向溝46は、少なくとも一部がクッションリング41におけるピストン30に対向するクッションリング41の端面に形成されて、作動油の圧力を導いてクッションリング41とピストン30との離間を促すように形成される限りは、任意の形状に形成することができる。なお、図2、図4〜8では、クッション通路42及び径方向溝46を模式的に破線で示している。
クッションリング41には、内周面及び外周面に開口する挿通孔47が形成される。規制ピン45は、図2に示すように、クッションリング41の挿通孔47に挿入されクッションリング41の内周面及び外周面を径方向に挿通する。規制ピン45は、クッションリング41の径方向へ移動自在に挿通孔47に挿入される。
図4に示すように、規制ピン45の長さLは、ピストンロッド20の小径部22とシリンダチューブ10の摺動面11との間の環状空間の径方向幅W1よりも長い。
これにより、規制ピン45は、シリンダチューブ10の摺動面11に対向した状態において、径方向外側に向けて移動し径方向外側の端部45Aが摺動面11に当接した際には、径方向内側の端部45Bが環状溝25内に収容される状態が維持される。このため、環状溝25からの規制ピン45の脱出が規制される。よって、規制ピン45によりクッションリング41がピストンロッド20に保持され、クッションリング41とピストンロッド20との軸方向の相対移動が規制される。なお、「軸方向の相対移動が規制」されるとは、規制ピン45が環状溝25内に収容された状態のままでのクッションリング41とピストンロッド20との相対移動を規制することを含むものではなく、規制ピン45が環状溝25から脱出して相対移動することを規制する意味である。
また、規制ピン45の長さは、シリンダチューブ10の大径面12とピストンロッド20の小径部22との間で区画される環状空間の径方向幅W2よりも短い(図4参照)。よって、規制ピン45は、シリンダチューブ10の大径面12に対向した状態では、径方向外側に移動して径方向内側の端部45Bが環状溝25から脱出可能な状態となる(図5参照)。規制ピン45が径方向外側に移動すると、径方向内側の端部45Bは環状溝25から脱出し、ピストンロッド20によるクッションリング41の保持が解除される。これにより、クッションリング41とピストンロッド20との軸方向の相対移動が許容される。また、規制ピン45は、クッションリング41と当接部51とが当接した状態では、図5及び図6に示すように、内周段差部13との間で軸方向の隙間が設けられる。
次に、油圧シリンダ100の動作について説明する。
ボトム側室2に油圧源が連通し、ロッド側室1にタンク(図示省略)が連通すると、ボトム側室2に作動油が供給され、ロッド側室1内の作動油はタンクに排出される。このため、油圧シリンダ100は伸長作動する。
図2に示すように、伸長作動時において、クッション部40の規制ピン45がシリンダチューブ10の摺動面11に対向した状態では、規制ピン45は、径方向外側への移動が摺動面11によって規制される。このため、規制ピン45の径方向内側の端部45Bは、環状溝25に収容される状態が維持される。言い換えれば、規制ピン45の径方向内側の端部45Bが環状溝25の底部から小径部22に向かって溝テーパ部25Aを乗り越えようとしても、先に径方向外側の端部45Aが摺動面11に当接するため、規制ピン45が環状溝25から脱出することがない。よって、この状態では、クッションリング41がピストンロッド20に保持される状態が維持され、クッション部40はピストンロッド20と共に伸長方向へ移動する。ピストンロッド20の伸長方向への移動に伴い、ロッド側室1の作動油は、給排通路4に直接導かれて、給排口3を通じて排出される。
油圧シリンダ100の伸長作動によって、ピストンロッド20が図5に示すような伸長ストローク端付近まで移動すると、規制ピン45がシリンダチューブ10の大径面12に対向すると共に、クッションリング41がシリンダヘッド50の当接部51へ当接する。クッションリング41と当接部51とが当接すると、給排通路4とロッド側室1との直接の連通が遮断される。
なお、油圧シリンダ100では、ピストンロッド20が伸長方向へ移動する過程において、規制ピン45が大径面12に対向するタイミングは、クッションリング41と当接部51とが当接するタイミングよりもわずかに早くなるように構成される。
クッションリング41と当接部51とが当接した状態からピストンロッド20が伸長方向へさらに移動すると、規制ピン45は、環状溝25の溝テーパ部25Aによって案内されて径方向外側へ押し出されて移動する。この際、大径面12は、規制ピン45に接触して規制ピン45の移動を規制することがなく、径方向外側への規制ピン45の移動を許容する。
よって、図6に示すように、規制ピン45の径方向内側の端部45Bが環状溝25から脱出してピストンロッド20によるクッションリング41の保持が解除され、クッションリング41に対する伸長方向へのピストンロッド20の相対移動が許容される。このように、環状溝25に形成される溝テーパ部25Aが、クッションリング41と当接部51とが当接する状態からのピストンロッド20の伸長方向への移動に伴い、規制ピン45を径方向外側に押し出して環状溝25から脱出させる脱出案内部に相当する。
ピストンロッド20がさらに伸長方向へ移動すると、クッションリング41とピストン30との間のロッド側室1の作動油は、クッション通路42を通じて給排通路4及び給排口3(図1参照)に導かれロッド側室1から排出される。クッション通路42を通過する作動油の流れには抵抗が付与されるため、ロッド側室1にはクッション通路42によって付与される抵抗に応じたクッション圧が作用する。このようにして、ピストンロッド20の伸長ストローク端付近におけるクッション機能が発揮される。
ロッド側室1に油圧源が連通し、ボトム側室2にタンクが連通すると、ロッド側室1に作動油が供給され、ボトム側室2内の作動油はタンクに排出される。このため、油圧シリンダ100は収縮作動する。
クッションリング41にピストン30が当接した伸長ストローク端から収縮作動する際には、まず、給排通路4から導かれる作動油によって、規制ピン45と内周段差部13との軸方向隙間分だけ、クッションリング41とピストンロッド20とが共に収縮方向に移動する。このように、規制ピン45と内周段差部13との間に軸方向隙間が設けられることにより、伸長ストローク端からの収縮作動において、速やかにクッションリング41と当接部51とを離間させ、給排通路4とロッド側室1とを直接連通させることができる。これにより、ロッド側室1に作動油が速やかに流入して、収縮作動時の応答性が確保される。
クッションリング41及びピストンロッド20が規制ピン45と内周段差部13との軸方向隙間分だけ収縮方向に移動すると、図7に示すように、規制ピン45と内周段差部13とが当接する。この際、規制ピン45の径方向内側の端部45Bは、ピストンロッド20の小径部22の外周面に摺接するため、規制ピン45は径方向内側へそれ以上移動できず、径方向外側の端部45Aがシリンダチューブ10の摺動面11に向かって内周段差部13を乗り越えることがない。このため、クッションリング41は規制ピン45によってシリンダチューブ10の内周段差部13に係止される。この状態では、主に給排通路4、当接部51とクッションリング41との間の隙間、及びクッションリング41の外周とシリンダチューブ10の内周面との間の隙間を通じて径方向溝46に作動油の圧力が導かれてピストン30の端面に作用する。これにより、クッションリング41とピストン30とが離間して、ピストンロッド20がクッションリング41に対して収縮方向へ相対移動する。このように、径方向溝46が圧力導入溝として機能して、収縮作動時におけるクッションリング41とピストン30との離間を促す。径方向溝46が設けられることで、作動油の圧力によって規制ピン45がシリンダチューブ10の内周段差部13に押し付けられて、規制ピン45及び内周段差部13が破損することを防止できる。
図8に示すように、規制ピン45の径方向内側の端部45Bがピストンロッド20の環状溝25に対向するまでピストンロッド20が収縮方向へ移動すると、規制ピン45は径方向内側への移動が許容される。クッションリング41がロッド側室1に供給される作動油の流体力を受けることにより、規制ピン45は、径方向外側の端部45Aが内周段差部13のテーパ面13Aに案内されて径方向内側へ押し出される。これにより、規制ピン45は、シリンダチューブ10の内周段差部13との係止が解除されると共に、径方向内側の端部45Bがピストンロッド20の環状溝25に再び収容される。このようにしてピストンロッド20に再び保持されるクッションリング41は、ピストンロッド20と共に収縮方向へ移動する。このように、内周段差部13のテーパ面13Aが、クッションリング41と当接部51とが当接する状態からのピストンロッド20の収縮方向への移動に伴い、規制ピン45を径方向内側に押し出して環状溝25内に収容する収容案内部に相当する。
以上のように、油圧シリンダ100では、規制ピン45によってピストンロッド20に対するクッションリング41の相対移動が規制されることにより、当接部51に当接するまではクッションリング41がピストンロッド20と共に伸長方向へ移動する。伸長作動時のストローク端付近では、クッションリング41が当接部51に当接しピストンロッド20との相対移動が許容されることでクッション機能が発揮される。また、油圧シリンダ100では、収縮作動時には規制ピン45がピストンロッド20に再び収容されるため、クッションリング41をピストンロッド20に再び保持させてピストンロッド20と共に収縮方向へ移動させることができる。よって、ロッド側室1にスプリングを設けなくとも、クッション機能の発揮時にはクッション部40とピストンロッド20とを相対移動させ、収縮作動時にはピストンロッド20と共に収縮方向に移動させることができる。したがって、油圧シリンダ100の全長を短くして小型化することができる。
また、ロッド側室1にスプリングを設けると、特にスプリングが収縮して線材間の軸方向の隙間が小さくなった場合には、スプリングの内側と外側で圧力差が生じることがある。このような圧力差によってスプリングが折損すると、クッション部40の動作が不安定になり、安定してクッション機能が発揮できなくなるおそれがある。これに対し、油圧シリンダ100は、ロッド側室1にスプリングを設けず、規制ピン45によってクッションリング41を支持するため、スプリングの折損によってクッション機能が安定して発揮されないという事態の発生を防止することができる。
ここで、本発明の理解を容易にするために、図22を参照して、比較例に係る油圧シリンダ400について説明する。油圧シリンダ100と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
比較例に係る油圧シリンダ400は、ピストンロッド20の外周に設けられる筒状のクッションベアリング340と、伸長ストローク端付近でクッションベアリング340の進入を許容するベアリング受容部351と、を備える。
油圧シリンダ400では、伸長ストローク端付近でクッションベアリング340がベアリング受容部351の内側に進入することにより、クッション通路342が形成される。ロッド側室1の作動油がクッション通路342を通じて排出されることで、ロッド側室1にはクッション通路342によって付与される抵抗に応じたクッション圧が作用する。油圧シリンダで400では、クッション圧が作用するピストン30の受圧面積は、クッションベアリング340の外周とピストン30の外周との間の面積に相当する。
これに対し、本実施形態に係る油圧シリンダ100は、クッションベアリング340を備えていないため、クッション圧の受圧面積は、ピストンロッド20の小径部22の外周とピストン30の外周との間の面積に相当する。このため、油圧シリンダ100の受圧面積は、比較例に係る油圧シリンダ400の受圧面積よりも、クッションベアリング340の断面積分だけ大きくすることができる。よって、油圧シリンダ100では、同じクッション性能を発揮する場合であっても、受圧面積が大きくなるため、油圧シリンダ400よりもクッション圧を小さくすることができる。クッション圧を小さくすることができるため、油圧シリンダ100では、クッション圧を受けるシリンダチューブ10、ピストン30、シリンダヘッド50の強度が比較的小さくてもよく、製造コストを低減させることができる。
また、クッションベアリング340を備える油圧シリンダ400では、クッションベアリング340がピストンロッド20の段差部23とピストンロッド20にねじ締結されるピストン30とによって軸方向に挟持されるものがある。このような油圧シリンダ400の伸長ストローク端からの収縮作動時では、ベアリング受容部351からクッションベアリング340が抜け出るまでは、クッション通路342を通じて給排通路4とロッド側室1が連通する。クッションベアリング340がベアリング受容部351から抜け出る際には、作動油の流路面積が急激に拡大することとなり、ロッド側室1に急激な圧力変動及び作動速度(ピストン30の移動速度)の変動が生じて異音等が発生するおそれがある。これに対し、本実施形態に係る油圧シリンダ100では、速やかにクッションリング41と当接部51とが離間して給排通路4とロッド側室1とが直接連通するため、急激な圧力変動及び作動速度変動に起因する異音等の発生を防止することができる。
また、クッションベアリング340を備える油圧シリンダ400では、クッションベアリング340がピストンロッド20の段差部23とピストンロッド20にねじ締結されるピストン30との間に軸方向の隙間を持って設けられるもの(いわゆるフローティング支持構造)がある。このような油圧シリンダ400では、ピストンロッド20の外周面に溝を形成し、合口隙間を有するクッションシールがピストンロッド20の溝内に設けられることがある。この油圧シリンダ400では、ロッド側室1の作動油がクッション通路342及びクッションシールの合口隙間によって作動油に抵抗を付与してクッション機能を発揮する。また、クッションベアリング340の内側にクッションシールが設けられる場合には、クッションベアリング340を共通にして合口隙間の大きさを調整することにより、油圧シリンダ400のクッション性能を容易に調整することができる。
これに対し、油圧シリンダ100では、クッション通路42の大きさを調整することで容易にクッション性能の調整ができるため、クッションシールと当該クッションシールを収容するピストンロッド20の溝の形成が不要になる。よって、油圧シリンダ100では、クッション性能を容易に調整できると共に、加工工数が低減されるため製造コストをさらに低減することができる。
次に、第1実施形態の変形例について説明する。
上記第1実施形態では、クッション通路42は、クッションリング41に形成される貫通孔である。これに代えて、クッション通路42は、クッションリング41に着脱可能に取り付けられるオリフィスプラグに形成されるものでもよい。この場合には、径が異なるクッション通路42が形成される複数のオリフィスプラグを用意することで、クッション性能を容易に調整できると共に、クッションリング41を共通化することができるため製造コストを低減することができる。また、クッション通路42が形成されるオリフィスプラグと、クッション通路42が形成されない封止プラグと、を用意して、クッションリング41に取り付けられるオリフィスプラグ及び封止プラグの数を任意に変更することでクッション性能を調整してもよい。
また、クッション通路42は、単一の貫通孔であってもよい。さらに、クッション通路42は、貫通孔でなくてもよい。例えば、ピストンロッド20の外周面とクッションリング41の内周面とによって画成される環状の通路をクッション通路42としてもよい。また、図9に示すように、クッション通路42は、当接部51に対向するクッションリング41の端面に形成されるスリットであってもよい。
また、クッション通路42は、クッションリング41に形成されることが望ましい。クッションリング41は、ピストンロッド20やシリンダヘッド50と比較して、小型であり、加工しやすいサイズであるため、精度良く容易にクッション通路42を形成することができる。しかしながら、クッション通路42は、例えば、図10に示すように、ピストンロッド20に形成されるものでもよい。また、図11や図12に示すように、クッション通路42は、当接部51に形成される通路やスリットでもよい。
また、凹部は、環状溝25でなくてもよく、規制ピン45を収容するものであれば、任意の形状に形成することができる。例えば、凹部は、ピストンロッド20の全周にわたる環状のものではなく、周方向の一部に形成される窪みでもよい。また、規制ピン45は複数設けてもよい。複数の規制ピン45が設けられることにより、凹部25や内周段差部13に係止される際に各規制ピン45に作用する力を分散することができる。
また、上記第1実施形態では、脱出案内部は、ピストンロッド20の環状溝25の溝テーパ部25Aであり、収容案内部は、シリンダチューブ10の内周段差部13のテーパ面13Aである。これに対し、脱出案内部及び収容案内部は、それぞれ規制ピン45に形成されてもよい。また、脱出案内部及び収容案内部は、規制ピン45と環状溝25及び内周段差部13とのそれぞれに形成されてもよい。さらに、脱出案内部及び収容案内部は、テーパ面に限らず、ピストンロッド20の移動に伴い規制ピン45を径方向に押圧して押し出すものであればよく、例えば曲面であってもよい。例えば、規制ピン45の径方向外側の端部45A及び内側の端部45Bをそれぞれ半球形状に形成し、それぞれの端部45A,45Bの球面を脱出案内部及び収容案内部としてもよい。
以上の第1実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
油圧シリンダ100では、伸長作動時のストローク端付近でクッションリング41が当接部51に当接すると、給排通路4とロッド側室1との直接の連通が遮断される。クッションリング41と当接部51とが当接した状態からピストンロッド20が伸長方向へさらに移動しようとすると、規制ピン45によって規制されていたピストンロッド20とクッションリング41と相対移動が許容される。よって、伸長作動のストローク端付近において、ロッド側室1から排出される作動油は、クッション通路42を通じて給排通路4へ導かれ、ピストンロッド20を減速させるクッション機能が発揮される。このように、クッションリング41が規制ピン45によってピストンロッド20に保持されることにより、クッションリング41を支持するためのスプリングをロッド側室1に設けなくても、伸長作動時のストローク端付近において、クッション機能が発揮される。したがって、油圧シリンダ100を小型化することができる。
また、油圧シリンダ100は、クッションリング41を支持するためのスプリングをロッド側室1に設けなくてよいため、スプリングの折損によりクッション部40の動作が不安定になることが防止され、安定してクッション機能を発揮することができる。
また、油圧シリンダ100は、ベアリング受容部351に進入するクッションベアリング340によってクッション通路341を区画するものではないため、クッションベアリング340の内側のクッションシールが不要となり、製造コストを低減することができる。また、クッションベアリング340がベアリング受容部351から抜け出る際の異音の発生も防止することができる。
また、油圧シリンダ100は、クッションベアリング340が不要であるため、クッションベアリング340によってクッション通路341を区画する場合と比較して、シリンダヘッド50及びピストン30においてクッション圧を受ける受圧面積を大きくすることができる。このため、クッション圧を低減して、シリンダチューブ10やシリンダヘッド50、ピストン30を比較的低い強度に形成することができる。したがって、製造コストを低減することができる。
(第2実施形態)
次に、図13から図17を参照して本発明の第2実施形態に係る油圧シリンダ200について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態の油圧シリンダ100と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
上記第1実施形態では、規制部は、クッションリング41の内周面及び外周面を挿通する規制ピン45である。
これに対し、第2実施形態に係る油圧シリンダ200の規制部は、クッションリング141の外周及び内周にそれぞれ設けられる一対の規制リング145である点において、上記第1実施形態に係る油圧シリンダ100とは相違する。
図13に示すように、油圧シリンダ200のクッションリング141の外周面及び内周面には、それぞれ環状に形成される外周溝141A及び内周溝141Bが設けられる。また、クッションリング141には、上記第1実施形態と同様にクッション通路42及び径方向溝46が形成されると共に、クッション通路42が作動油に付与する抵抗よりも作動油に付与する抵抗が小さい複数のメイン通路142が形成される。メイン通路142は、クッションリング141が当接部51に当接すると、当接部51によって塞がれる(図16参照)。なお、図13〜図17では、単一のメイン通路142のみを図示し、その他は図示を省略する。
一対の規制リング145は、クッションリング141の外周溝141A内に設けられる外周リング145Aと、内周溝141B内に設けられる内周リング145Bと、を有する。
外周リング145A及び内周リング145Bは、それぞれ合口隙間(図示省略)を有し拡縮可能なCリング状に形成される。外周リング145A及び内周リング145Bは、スナップリング等の金属製のものでもよく、樹脂製のものでもよい。また、本実施形態では、外周リング145A及び内周リング145Bは、図13に示すように、断面が円形であるが、これに限らず、その他の断面形状(例えば、図14に示す四角形状)を有するものでもよい。また、図15に示すように、外周リング145Aと外周溝141Aの間及び内周リング145Bと内周溝141Bとの間にゴムなどの付勢部材145C,145Dを設けて、外周リング145Aを径方向外側に付勢し、内周リング145Bを径方向内側に付勢してもよい。
外周リング145Aは、シリンダチューブ10の内周面に接触し、シリンダチューブ10の内周面によってそれ以上の拡張が規制される。言い換えれば、外周リング145Aは、自由状態では外周溝141Aから径方向外側にはみ出すものであり、シリンダチューブ10の内周面によって径方向内側に押圧されて収縮することで外周溝141Aに収容される。
内周リング145Bは、ピストンロッド20の外周面に接触し、ピストンロッド20の外周面によってそれ以上の収縮が規制される。言い換えれば、内周リング145Bは、自由状態では内周溝141Bから径方向内側にはみ出すものであり、ピストンロッド20の外周面によって径方向外側に押圧されて拡張することで内周溝141Bに収容される。
油圧シリンダ200では、外周リング145Aがシリンダチューブ10の内周面に接触し、内周リング145Bがピストンロッド20の外周面に接触するため、クッション部140によってロッド側室1が第1ロッド側室1Aと第2ロッド側室1Bとに区画される。第1ロッド側室1Aと第2ロッド側室1Bとは、クッションリング141のメイン通路142によって連通する。
外周リング145Aがシリンダチューブ10の摺動面11に対向する状態では、内周リング145Bの内周部分がピストンロッド20の環状溝25に収容され、クッションリング141がピストンロッド20に保持される。より具体的には、ピストンロッド20の外周面により拡張された状態で内周溝141Bに収容される内周リング145Bは、その収縮する方向への弾性力によって環状溝25からの脱出が規制される。これにより、クッションリング141がピストンロッド20に保持される状態が維持され、クッションリング141とピストンロッド20との軸方向の相対移動が規制される。
図13に示すように、伸長作動時において、クッション部140がシリンダチューブ10の摺動面11に対向した状態では、内周リング145Bが環状溝25に収容される状態が維持されるため、クッションリング141がピストンロッド20に保持される状態が維持される。よって、外周リング145Aがシリンダチューブ10の摺動面11に摺接しながらクッションリング141がピストンロッド20と共に伸長方向へ移動する。ピストンロッド20の移動に伴い、第1ロッド側室1Aの作動油は、給排通路4に直接導かれて、給排口3を通じて排出される。
ピストンロッド20が図16に示すような伸長ストローク端付近まで移動すると、クッション部140の外周リング145Aがシリンダチューブ10の大径面12に対向すると共に、クッションリング141がシリンダヘッド50の当接部51へ当接する。
収縮された状態で外周溝141Aに収容される外周リング145Aは、大径面12に対向すると弾性力によって拡張して大径面12に接触する。クッションリング141と当接部51とが当接すると、給排通路4と第1ロッド側室1Aとの直接の連通が遮断される。また、当接部51によってメイン通路142が塞がれるため、メイン通路142を通じた第2ロッド側室1Bと給排通路4との連通も遮断される。
クッションリング141と当接部51とが当接した状態からピストンロッド20がさらに伸長方向へ移動すると、内周リング145Bは、環状溝25の溝テーパ部25Aによって案内されて径方向外側に押圧される。これにより、図17に示すように、収縮方向への弾性力に抗して内周リング145Bが拡張され環状溝25から脱出する。よって、ピストンロッド20によるクッションリング141の保持が解除され、クッションリング141に対する伸長方向へのピストンロッド20の相対移動が許容される。
ピストンロッド20がさらに伸長方向へ移動すると、第2ロッド側室1Bの作動油がクッション通路42を通じて給排通路4及び給排口3に導かれ排出される。よって、第2ロッド側室1にはクッション通路42によって付与される抵抗に応じたクッション圧が作用する。このようにして、ピストンロッド20の伸長ストローク端付近におけるクッション機能が発揮される。
伸長ストローク端から収縮作動する際には、上記第1実施形態と同様に、給排通路4から導かれる作動油によって、外周リング145Aと内周段差部13との軸方向隙間分だけ、クッションリング141とピストンロッド20とが共に収縮方向に移動する。これにより、クッションリング141と当接部51とが離間して、給排通路4と第1ロッド側室1Aとが直接連通する。
クッションリング141及びピストンロッド20が外周リング145Aと内周段差部13との軸方向隙間分だけ収縮方向に移動すると、外周リング145Aと内周段差部13とが当接する。この際、外周リング145Aは、拡張方向への弾性力によって内周段差部13と係止する状態が維持され、シリンダチューブ10の摺動面11に向かって内周段差部13を乗り越えることがない。このため、クッションリング141は外周リング145Aを介して内周段差部13に係止される。よって、給排通路4から導かれる作動油の圧力は、第1ロッド側室1A、メイン通路142、及び第2ロッド側室1Bを通じて径方向溝46に導かれ、ピストン30の端面に作用する。これにより、クッションリング141とピストン30とが離間して、ピストンロッド20がクッションリング141に対して収縮方向へ相対移動する。
内周リング145Bがピストンロッド20の環状溝25に対向するまでピストンロッド20が収縮方向へ移動すると、内周リング145Bは弾性力によって収縮して環状溝25に収容される。また、クッションリング141は、ピストンロッド20の段差部23に当接する。これに伴い、ピストンロッド20がさらに収縮方向へ移動するとクッションリング141も共に収縮方向へ移動しようとするため、拡張方向への弾性力に抗して外周リング145Aが内周段差部13のテーパ面13Aによって径方向内側に押圧されて収縮する。これにより、外周リング145Aとシリンダチューブ10の内周段差部13との係止が解除されて、クッションリング141がピストンロッド20と共に収縮方向へ移動する。
以上の第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
また、油圧シリンダ200では、内周リング145Bの内周全体が環状溝25に収容されるため、内周リング145Bと環状溝25との接触は、線接触のようになる。このため、規制ピン45の径方向内側の端部45Bと環状溝25とが点接触のように接触する上記第1実施形態と比較して、内周リング145Bを環状溝25から脱出させる力を分散でき、耐久性を向上させることができる。
なお、上記第2実施形態では、規制部は、一対の規制リング(外周リング145A及び内周リング145B)であるが、これに代えて、付勢部材145C,145D(図15参照)によって径方向の外側及び内側にそれぞれ付勢される一又は複数の球体(スチールボールなど)を規制部として用いてもよい。
(第3実施形態)
次に、図18から図21を参照して本発明の第3実施形態に係る油圧シリンダ300について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態の油圧シリンダ100と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
上記第1実施形態では、規制部は、クッションリング41の内周面及び外周面を挿通する規制ピン45である。
これに対し、第3実施形態に係る油圧シリンダ300の規制部は、クッションリング241に隣接して設けられ合口隙間245Aを有して拡縮可能に形成される単一の拡縮リング245である点において、上記第1実施形態に係る油圧シリンダ100とは相違する。
図18に示すように、油圧シリンダ300のクッションリング241は、ピストンロッド20の段差部23と拡縮リング245とに挟まれて設けられる。クッションリング241には、上記第1実施形態と同様にクッション通路242及び径方向溝46が形成されると共に、拡縮リング245に対向する端面における径方向内側に環状の中央凹部243が形成される。クッション通路242は、中央凹部243の内側の空間に連通して形成される。中央凹部243は、拡縮リング245に対向するクッションリング241の端面に開口すると共に、クッションリング241の内周面に開口する。なお、クッションリング241に着脱されるオリフィスプラグにクッション通路242が形成される場合には、軸方向に隣接する拡縮リング245がクッションリング241からのオリフィスプラグの抜けを防止する押さえ部材として機能する。
拡縮リング245は、図19に示すように、合口隙間245Aを有し拡縮可能なCリング状に形成される。拡縮リング245は、シリンダチューブ10の摺動面11に対向する状態(図18に示す状態)では、図19に示すように、内周部分が環状溝25に収容され摺動面11との間に隙間を形成する。
クッションリング241に対向する拡縮リング245の端面には、図18及び図19に示すように、拡縮リング245がクッションリング241に接触した状態で中央凹部243の内側に挿入される中央段部246が形成される。
中央段部246の外径は、拡縮リング245が環状溝25に収容された状態において、クッションリング241の中央凹部243の内径よりも小さくなるように形成される。よって、拡縮リング245が環状溝25に収容された状態では、クッションリング241の中央凹部243と拡縮リング245の中央段部246との間には、径方向に隙間が設けられる。また、クッションリング241と拡縮リング245とが接触した状態では、中央段部246は、中央凹部243に接触せずに軸方向に隙間を形成する。よって、クッション通路242は、中央段部246と中央凹部243との間の径方向隙間及び軸方向隙間を通じて、拡縮リング245の合口隙間245A(図19参照)に連通する。
拡縮リング245が拡張すると、中央段部246はクッションリング241の中央凹部243に接触する。このように拡縮リング245の中央段部246がクッションリング241の中央凹部243に接触することにより、拡縮リング245の中心がピストンロッド20の中心とずれることが防止される。つまり、クッションリング241の中央凹部243は、拡張に伴う拡縮リング245の芯ぶれを防止して、拡縮リング245とクッションリング241との摺動性を安定させる調心機能を発揮する。
拡縮リング245は、シリンダチューブ10の摺動面11に対向する状態では、ピストンロッド20の環状溝25に収容されてピストンロッド20の段差部23との間でクッションリング241を挟むようにクッションリング241に係止する。これにより、クッションリング241がピストンロッド20に保持される。拡縮リング245は、内周面が環状溝25に接触する状態(図18に示す状態)における外径が摺動面11の内径よりも小さい。また、拡縮リング245は、環状溝25から脱出した状態(図20に示す状態)における外径が、摺動面11の内径よりも大きく、大径面12の内径よりも小さい。拡縮リング245の内周面が環状溝25に接触する状態では、拡縮リング245の外周面とシリンダチューブ10の摺動面11との間には、隙間が形成される。
図18に示すように、拡縮リング245がシリンダチューブ10の摺動面11に対向する状態では、摺動面11によって拡縮リング245の拡張が規制され、環状溝25からの拡縮リング245の脱出が規制される。
拡縮リング245がシリンダチューブ10の大径面12に対向する状態では、大径面12により拡縮リング245の拡張が許容され、環状溝25からの拡縮リング245の脱出が可能な状態となる。よって、図20に示すように、クッションリング241は、拡縮リング245が拡張して環状溝25から脱出することでピストンロッド20による保持が解除される。
伸長作動時において、図18に示すように、クッション部240がシリンダチューブ10の摺動面11に対向した状態では、クッション部240の拡縮リング245の拡張が摺動面11によって規制されるため、拡縮リング245が環状溝25に収容される状態が維持される。よって、クッションリング241は、ピストンロッド20に保持される状態が維持され、ピストンロッド20と共に伸長方向へ移動する。ピストンロッド20の移動に伴い、ロッド側室1の作動油は、給排通路4に直接導かれて、給排口3を通じて排出される。
ピストンロッド20が伸長ストローク端付近まで移動すると、クッション部40の拡縮リング245がシリンダチューブ10の大径面12に対向すると共に、クッションリング241がシリンダヘッド50の当接部51へ当接する。
クッションリング241と当接部51とが当接すると、給排通路4とロッド側室1との直接の連通が遮断される。
クッションリング241と当接部51とが当接した状態からピストンロッド20がさらに伸長方向へ移動すると、図20に示すように、拡縮リング245は、環状溝25の溝テーパ部25Aによって案内されて径方向外側に押圧される。これにより、拡縮リング245が拡張して環状溝25から脱出する。よって、ピストンロッド20によるクッションリング241の保持が解除され、クッションリング241に対する伸長方向へのピストンロッド20の相対移動が許容される。
ピストンロッド20が伸長方向へさらに移動すると、ロッド側室1の作動油が拡縮リング245の合口隙間245Aと、拡縮リング245の中央段部246とクッションリング241の中央凹部243との間の径方向隙間及び軸方向隙間と、を通じてクッション通路242に導かれる。ロッド側室1の作動油は、クッション通路242を通じて給排通路4及び給排口3に導かれロッド側室1から排出される。したがって、ロッド側室1にはクッション通路242によって付与される抵抗に応じたクッション圧が作用する。このようにして、ピストンロッド20の伸長ストローク端付近におけるクッション作用が発揮される。
伸長ストローク端から収縮作動する際には、上記第1実施形態と同様に、給排通路4から導かれる作動油によって、拡縮リング245と内周段差部13との軸方向隙間分だけ、クッションリング241とピストンロッド20とが共に収縮方向に移動する。これにより、図21に示すように、クッションリング241と当接部51とが離間して、給排通路4と第1ロッド側室1Aとが直接連通する。
クッションリング241及びピストンロッド20が拡縮リング245と内周段差部13との軸方向隙間分だけ収縮方向に移動すると、拡縮リング245と内周段差部13とが当接する。この際、拡縮リング245は、内周面がピストンロッド20の小径部22に対向するため、収縮することができない(図20参照)。拡縮リング245がシリンダチューブ10の摺動面11に向かって内周段差部13を乗り越えることがないため、クッションリング241は拡縮リング245を介して内周段差部13に係止される。
よって、給排通路4から導かれる作動油の圧力は、ロッド側室1及び拡縮リング245の合口隙間245Aを通じて径方向溝46に導かれピストン30の端面に作用する。これにより、クッションリング241とピストン30とが離間して、ピストンロッド20がクッションリング241に対して収縮方向へ相対移動する。
拡縮リング245がピストンロッド20の環状溝25に対向するまでピストンロッド20が収縮方向へ移動すると、拡縮リング245は、内周段差部13のテーパ面13Aによって径方向内側に押圧されると共に自身の弾性力によって収縮して環状溝25に収容される。これにより、拡縮リング245とシリンダチューブ10の内周段差部13との係止が解除されて、拡縮リング245がピストンロッド20の環状溝25に再び収容される。このようにしてピストンロッド20に再び保持されるクッションリング241は、ピストンロッド20と共に収縮方向へ移動する。
以上の第3実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
また、上記第2実施形態と同様に、油圧シリンダ300では、拡縮リング245の内周全体が環状溝25に収容されるため、上記第1実施形態と比較して、拡縮リング245を環状溝25から脱出させる力を分散でき、耐久性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
油圧シリンダ100,200,300は、シリンダチューブ10と、シリンダチューブ10に挿入されるピストンロッド20と、ピストンロッド20の先端に連結されシリンダチューブ10内をロッド側室1とボトム側室とに区画するピストン30と、ピストンロッド20の外周に設けられ伸長作動時のストローク端付近でピストンロッド20を減速させるクッション部40,140,240と、ロッド側室1に連通しロッド側室1に給排される作動流体が通過する給排通路4と、シリンダチューブ10に設けられ伸長作動時のストローク端付近でクッション部40が当接する当接部51と、を備え、クッション部40,140,240が、伸長作動時のストローク端付近で当接部51に当接するクッションリング41,141,241と、ピストンロッド20の外周面に形成される環状溝25に収容された状態でピストンロッド20に対するクッションリング41,141,241の相対移動を規制する規制部(規制ピン45、一対の規制リング145、拡縮リング245)と、を有し、伸長作動時のストローク端付近でクッションリング41,141,241と当接部51とが当接するのに伴い、給排通路4とロッド側室1との直接の連通がクッションリング41,141,241によって遮断されると共に規制部(規制ピン45、一対の規制リング145、拡縮リング245)が環状溝25から脱出してピストンロッド20に対するクッションリング41,141,241の相対移動が許容され、通過する作動油に抵抗を付与するクッション通路42,242を通じてロッド側室1の作動油が給排通路4から排出される。
また、油圧シリンダ100,200,300では、シリンダチューブ10の内周面は、ピストン30が摺動する摺動面11と、摺動面11よりも大きな内径に形成される大径面12と、を有し、規制部(規制ピン45、一対の規制リング145、拡縮リング245)は、摺動面11との当接によって環状溝25からの脱出が規制され、大径面12に対向することにより環状溝25からの脱出が許容される。
これらの構成では、伸長作動時のストローク端付近でクッション部40,140,240が当接部51に当接すると、給排通路4とロッド側室1との直接の連通が遮断される。クッション部40,140,240と当接部51とが当接した状態からピストンロッド20が伸長方向へさらに移動しようとすると、規制部(規制ピン45、一対の規制リング145、拡縮リング245)によって規制されていたピストンロッド20とクッションリング41,141,241との相対移動が許容される。よって、伸長作動のストローク端付近において、ロッド側室1から排出される作動油は、クッション通路42,242を通じて給排通路4へ導かれ、ピストンロッド20を減速させるクッション機能が発揮される。このように、ピストンロッド20に対するクッションリング41,141,241の相対移動が規制部(規制ピン45、一対の規制リング145、拡縮リング245)によって規制されることにより、クッションリング41,141,241を支持するためのスプリングをロッド側室1に設けなくても、伸長作動時のストローク端付近において、クッション機能が発揮される。したがって、流体圧シリンダ100,200,300を小型化することができる。
また、油圧シリンダ100,200,300では、規制部(規制ピン45、一対の規制リング145、拡縮リング245)または環状溝25の少なくとも一方には、クッションリング41,141,241と当接部51とが当接する状態からのピストンロッド20の伸長方向への移動に伴い、規制部(規制ピン45、内周リング145B、拡縮リング245)を径方向外側に押圧して環状溝25から脱出させる溝テーパ部25Aが形成される。
この構成によれば、クッションリング41,141,241と当接部51とが当接する状態からのピストンロッド20の伸長方向への移動に伴い、規制部(規制ピン45、内周リング145B、拡縮リング245)を環状溝25から確実に脱出させることができる。
また、油圧シリンダ100,200,300では、シリンダチューブ10の内周面は、摺動面11と大径面12との間に形成される内周段差部13をさらに有し、規制部(規制ピン45、外周リング145A、拡縮リング245)または内周段差部13の少なくとも一方には、クッションリング41,141,241と当接部51とが当接する状態からのピストンロッド20の収縮方向への移動に伴い、規制部(規制ピン45、外周リング145A、拡縮リング245)を径方向内側に押圧して環状溝25に収容させる収容案内部が形成される。
この構成によれば、クッションリング41,141,241と当接部51とが当接する状態からのピストンロッド20の収縮方向への移動に伴い、規制部(規制ピン45、外周リング145A、拡縮リング245)を確実に環状溝25に収容させて、ピストンロッド20を収縮方向へ移動させることができる。
また、油圧シリンダ100,200,300では、クッションリング41と当接部51とが当接した状態において、規制部(規制ピン45、外周リング145A、拡縮リング245)と内周段差部13との間には、軸方向の隙間が形成される。
この構成では、伸長ストローク端からの収縮作動時において、速やかに給排通路4とロッド側室1とが連通する。したがって、収縮作動開始時の応答性を確保することができる。
また、油圧シリンダ100,200,300では、クッション通路42,242は、クッションリング41,141,241に着脱可能に設けられるオリフィスプラグに形成されてもよい。
この構成によれば、オリフィスプラグを交換することにより、クッション性能の調整を容易に行うことができる。
また、油圧シリンダ100では、規制部は、クッションリング41の外周面と内周面とを挿通し径方向に移動自在に設けられる規制ピン45である。
また、油圧シリンダ200では、規制部は、それぞれクッションリング141の外周及び内周に設けられ合口隙間を有して拡縮可能に形成される一対の規制リング145(外周リング145A及び内周リング145B)である。
また、油圧シリンダ300では、規制部は、クッションリング241に軸方向に隣接して設けられ合口隙間245Aを有して拡縮可能に形成される拡縮リングで245ある。
また、油圧シリンダ300では、クッションリング241は、拡縮リング245に対向する端面の内側に形成される中央凹部243を有し、拡縮リング245は、中央凹部243に挿入される中央段部246を有し、拡縮リング245がピストンロッド20の環状溝25に収容された状態では、中央凹部243と中央段部246との間には径方向隙間が形成され、拡縮リング245が拡張して環状溝25から脱出した状態では、中央段部246が中央凹部243に接触する。
この構成では、クッションリング241の中央凹部243と拡縮リング245の中央段部246とが接触することにより、拡縮リング245が調心されつつ拡張することができる。したがって、クッションリング41と拡縮リング245との摺動性を安定させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
100、200、300…油圧シリンダ(流体圧シリンダ)、1…ロッド側室、2…ボトム側室、4…給排通路、10…シリンダチューブ、11…摺動面、12…大径面、13…内周段差部、13A…テーパ面(収容案内部)、20…ピストンロッド、25…環状溝(凹部)、25A…溝テーパ部(脱出案内部)、30…ピストン、40,140,240…クッション部、41,141,241…クッションリング、42,242…クッション通路、45…規制ピン(規制部)、145…規制リング、243…中央凹部、245…拡縮リング、245A…合口隙間、246…中央段部、51…当接部

Claims (10)

  1. シリンダチューブと、
    前記シリンダチューブに挿入されるピストンロッドと、
    前記ピストンロッドの先端に連結され前記シリンダチューブ内をロッド側室とボトム側室とに区画するピストンと、
    前記ピストンロッドの外周に設けられ伸長作動時のストローク端付近で前記ピストンロッドを減速させるクッション部と、
    前記ロッド側室に連通し前記ロッド側室に給排される作動流体が通過する給排通路と、
    前記シリンダチューブに設けられ伸長作動時のストローク端付近で前記クッション部が当接する当接部と、を備え、
    前記クッション部は、伸長作動時のストローク端付近で前記当接部に当接するクッションリングと、前記ピストンロッドの外周面に形成される凹部に収容された状態で前記ピストンロッドに対する前記クッションリングの相対移動を規制する規制部と、を有し、
    伸長作動時のストローク端付近で前記クッションリングと前記当接部とが当接するのに伴い、前記給排通路と前記ロッド側室との直接の連通が前記クッションリングによって遮断されると共に前記規制部が前記凹部から脱出して前記ピストンロッドに対する前記クッションリングの相対移動が許容され、通過する作動流体に抵抗を付与するクッション通路を通じて前記ロッド側室の作動流体が前記給排通路から排出されることを特徴とする流体圧シリンダ。
  2. 前記規制部は、前記クッションリングの外周面と内周面とを挿通し径方向に移動自在に設けられる規制ピンであることを特徴とする請求項1に記載の流体圧シリンダ。
  3. 前記規制部は、それぞれ前記クッションリングの外周及び内周に設けられ拡縮可能に形成される一対の規制リングであることを特徴とする請求項1に記載の流体圧シリンダ。
  4. 前記規制部は、前記クッションリングに軸方向に隣接して設けられ合口隙間を有して拡縮可能に形成される拡縮リングであることを特徴とする請求項1に記載の流体圧シリンダ。
  5. 前記クッションリングは、前記拡縮リングに対向する端面の内側に形成される中央凹部を有し、
    前記拡縮リングは、前記中央凹部に挿入される中央段部を有し、
    前記拡縮リングが前記ピストンロッドの前記凹部に収容された状態では、前記中央凹部と前記中央段部との間には径方向隙間が形成され、
    前記拡縮リングが拡張して前記凹部から脱出した状態では、前記中央段部が前記中央凹部に接触することを特徴とする請求項4に記載の流体圧シリンダ。
  6. 前記シリンダチューブの内周面は、前記ピストンが摺動する摺動面と、前記摺動面よりも大きな内径に形成される大径面と、を有し、
    前記規制部は、前記摺動面との当接によって前記凹部からの脱出が規制され、前記大径面に対向することにより前記凹部からの脱出が許容されることを特徴とする請求項1、2、4、及び5のいずれか一つに記載の流体圧シリンダ。
  7. 前記シリンダチューブの内周面は、前記摺動面と前記大径面との間に形成される内周段差部をさらに有し、
    前記規制部または前記内周段差部の少なくとも一方には、前記クッションリングと前記当接部とが当接する状態からの前記ピストンロッドの収縮方向への移動に伴い、前記規制部を径方向内側に押し出して前記凹部に収容させる収容案内部が形成されることを特徴とする請求項に記載の流体圧シリンダ。
  8. 前記クッションリングと前記当接部とが当接した状態において、前記規制部と前記内周段差部との間には、軸方向の隙間が形成されることを特徴とする請求項に記載の流体圧シリンダ。
  9. 前記規制部または前記凹部の少なくとも一方には、前記クッションリングと前記当接部とが当接する状態からの前記ピストンロッドの伸長方向への移動に伴い、前記規制部を径方向外側に押し出して前記凹部から脱出させる脱出案内部が形成されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の流体圧シリンダ。
  10. 前記クッション通路は、前記クッションリングに着脱可能に設けられるオリフィスプラグに形成されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の流体圧シリンダ。
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