JP2019199954A - 流体圧シリンダ - Google Patents
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Abstract
【課題】流体圧シリンダの耐久性を向上させる。【解決手段】水圧シリンダ100は、シリンダチューブ10内をロッド側室1及びボトム側室2に区画するピストン30と、ピストン30に連結されシリンダチューブ10に挿入されるピストンロッド20と、ピストンロッド20を摺動自在に支持するシリンダヘッド40と、シリンダヘッド40の内周とピストンロッド20の外周との間の環状隙間3を封止するシール部材46と、ピストン30に当接してロッド側室1が収縮する方向へのピストンロッド20のストローク端を規定する当接面42Aと、ピストン30が当接面42Aに当接する際にピストン30と当接面42Aとの間で圧縮されて、環状隙間3とロッド側室1との連通を遮断するように変形する遮断部材50と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、流体圧シリンダに関するものである。
特許文献1には、シリンダチューブと、シリンダチューブの伸び側端部に設けられたロッドカバーと、ロッドカバーを貫通してシリンダチューブに摺動自在に挿入されたピストンロッドと、を備える流体圧シリンダが開示されている。特許文献1の流体圧シリンダでは、ロッドカバーとピストンロッドの間の隙間を封止するシール部材が設けられる。
このような流体圧シリンダは、ピストンがロッドカバーに当接するまで、ストロークすることが可能である。しかしながら、ピストンがロッドカバーに当接する際には、ロッド側室の圧力が上昇して、シール部材に高圧が作用するおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、流体圧シリンダの耐久性を向上させることを目的とする。
第1の発明は、流体圧シリンダであって、シリンダチューブに設けられ、ピストンロッドを摺動自在に支持する支持部と、支持部に設けられ、支持部の内周とピストンロッドの外周との間の隙間を封止して隙間を通じた第1流体圧室からの作動流体の漏れを防止するシール部材と、ピストンロッドが挿通しピストンに当接して第1流体圧室が収縮する方向へのピストンロッドのストローク端を規定する当接部と、ピストンが当接部に当接する際にピストンと当接部との間で圧縮されて、隙間と第1流体圧室との連通を遮断するように変形する遮断部材と、を備えることを特徴とする。
第1の発明では、ピストンと当接部とが当接する際には、遮断部材によって第1流体圧室と支持部の内側の隙間との連通が遮断される。これにより、ピストンと当接部とが当接する際に圧力が上昇した作動流体が当該隙間に導かれることが抑制され、シール部材に高圧が作用することを抑制することができる。
第2の発明は、遮断部材には、ピストン及び当接部による当該遮断部材の圧縮量が所定量より小さい場合には、隙間と前記第1流体圧室とを連通し、遮断部材の圧縮量が所定量に達すると閉塞される連通通路が形成されることを特徴とする。
第3の発明は、当接部の内周に形成され遮断部材を収容する収容凹部をさらに備え、連通通路は、ピストンに対向する遮断部材の端面に形成され、ピストンの径方向に延びるスリットであることを特徴とする。
第4の発明は、遮断部材が、ピストンロッドの外周に取り付けられ、連通通路は、遮断部材の内周に形成されピストンの軸方向に沿って延びる第1通路と、第1通路に連通しピストンの径方向に延びる第2通路と、を有することを特徴とする。
第2から第4の発明では、遮断部材とピストンが当接した状態から遮断部材の圧縮量が所定量に達するまでは、隙間と第1流体圧室とは連通通路を通じて連通する。よって、遮断部材の圧縮量が所定量に達するまでは、連通通路を通じて遮断部材より径方向内側にある作動流体や隙間内の作動流体を排出することができる。
第5の発明は、当接部及びピストンのいずれか一方には、遮断部材に向けて突出し遮断部材を圧縮する突起部が設けられ、突起部は、当接部へ向かうピストンの移動に伴い、ピストンが当接部に当接するよりも先に遮断部材に当接することを特徴とする。
第5の発明では、突起部によって遮断部材を押圧することにより、遮断部材が局所的に圧縮される。このため、遮断部材全体を圧縮して連通通路を遮断する場合と比較して、少ない圧縮量でより確実に連通通路を遮断することができる。これにより、遮断部材の耐久性を向上させることができる。
第6の発明は、支持部の内周とピストンロッドの外周との間の隙間の圧力がリリーフ圧に達すると開弁して隙間の圧力を逃がすリリーフ弁をさらに備えることを特徴とする。
第6の発明では、遮断部材によって隙間の圧力上昇を防ぎきれない場合であっても、リリーフ弁によって隙間の圧力はリリーフ圧以下に保たれるため、シール部材に高圧が作用することをより確実に抑制することができる。
本発明によれば、流体圧シリンダの耐久性が向上する。
以下、図面を参照して、本発明の各実施形態について説明する。なお、図2から図11は、図1におけるA部の拡大図に対応した図面である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る流体圧シリンダについて説明する。以下では、流体圧シリンダが水を作動流体として駆動する水圧シリンダ100である場合について説明する。
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る流体圧シリンダについて説明する。以下では、流体圧シリンダが水を作動流体として駆動する水圧シリンダ100である場合について説明する。
水圧シリンダ100は、図1に示すように、筒状のシリンダチューブ10と、シリンダチューブ10の内周面に沿って摺動するピストン30と、ピストン30に連結されシリンダチューブ10に挿入されるピストンロッド20と、を備える。
シリンダチューブ10の内部は、ピストン30によって第1流体圧室としてのロッド側室1と第2流体圧室としてのボトム側室2とに仕切られる。水圧シリンダ100は、水圧源(作動流体圧源)からロッド側室1またはボトム側室2に導かれる水圧によって伸縮作動する。
ピストンロッド20は、基端がピストン30に連結され、先端がシリンダチューブ10の端部から突出する。ピストンロッド20は、基端がピストン30に直接螺合して、ピストン30に連結される。
ピストン30の外周には、シリンダチューブ10の内周とピストン30の外周との間を封止するピストンシール31が設けられる。これにより、シリンダチューブ10の内周とピストン30の外周との間を通じたロッド側室1とボトム側室2との連通が遮断される。
シリンダチューブ10の開口端には、ピストンロッド20が挿通しピストンロッド20を摺動自在に支持する支持部として円筒状のシリンダヘッド40が設けられる。シリンダヘッド40は、複数のボルト(図示省略)を介してシリンダチューブ10に締結される。
シリンダヘッド40は、シリンダチューブ10の内周面に嵌合する嵌合部41と、嵌合部41からシリンダチューブ10の内部へ向けて突出する突出部42と、ピストンロッド20が挿通する挿通孔40Aと、を有する。突出部42の外径は、嵌合部41の外径(シリンダチューブ10の内径)よりも小さく形成される。よって、突出部42の外周とシリンダチューブ10の内周との間には、ロッド側室1の一部を構成する環状の内部空間Sが形成される。
シリンダヘッド40には、伸長方向(ロッド側室1が収縮するストローク方向)へ移動するピストン30が当接する当接部が設けられる。具体的には、当接部は、ピストン30に対向する突出部42の環状の端面(以下、「当接面42A」と称する。)である。ピストン30が当接面42Aに当接することで、水圧シリンダ100の伸長方向へのストローク端が規定される。
シリンダヘッド40の挿通孔40Aの内周には、ブッシュ45、シール部材46、及びダストシール47が介装される。
ブッシュ45がピストンロッド20の外周面に摺接することにより、ピストンロッド20がシリンダチューブ10の軸方向に移動するように支持される。
シール部材46は、ピストンロッド20の外周面とシリンダヘッド40における挿通孔40Aの内周面との間の隙間(以下、「環状隙間3」と称する。)を封止して、ロッド側室1から環状隙間3を通じて外部へ水が漏れることを防止する。なお、図示は省略するが、シール部材46やダストシール47以外にも、ピストンロッド20とシリンダヘッド40の間を封止するシールが設けられてもよい。本実施形態におけるシール部材46とは、最もロッド側室1に近い位置に配置されるシールをいうものであり、環状隙間3を通じてロッド側室1の圧力を直接受けるものである。
ダストシール47は、シール部材46よりも、ピストンロッド20の先端側(図1中上側)に設けられる。ダストシール47は、シール部材46と同様に、ピストンロッド20の外周面とシリンダヘッド40の内周面との間の隙間を封止して、外部からシリンダチューブ10内へのダストの侵入を防止する。
シリンダチューブ10には、ロッド側室1に連通する給排口11と、ボトム側室2に連通する給排口(図示省略)と、が形成される。ロッド側室1に連通する給排口11は、シリンダチューブ10とシリンダヘッド40の突出部42との間の内部空間Sに開口する。このように、ロッド側室1に連通する給排口11は、ピストン30が当接面42Aに当接する伸長方向のストローク端においてピストン30により閉塞されないように形成される。給排口11を通じて、ロッド側室1に水が給排される。
また、水圧シリンダ100は、図1及び図2に示すように、ピストン30がシリンダヘッド40の当接面42Aに当接した状態で、ロッド側室1と環状隙間3との連通を遮断する遮断部材50をさらに備える。
遮断部材50は、いわゆる角リングであり、中心軸に沿った断面が矩形形状である環状の弾性部材(例えば、ゴム材)である。遮断部材50は、図2に示すように、シリンダヘッド40の当接面42Aの内周に形成される環状の収容凹部43に収容される。言い換えれば、収容凹部43は、シリンダヘッド40の挿通孔40Aの内周面に形成され、シリンダヘッド40の当接面42Aに開口する。よって、収容凹部43は、環状隙間3に連通する。なお、遮断部材50は、断面が矩形形状の角リングに限らず、例えばOリングなど、その他の形状であってもよい。
遮断部材50は、外周面が収容凹部43の内周面に圧入されて、収容凹部43内に固定される。収容凹部43に収容された遮断部材50は、シリンダヘッド40の当接面42Aからピストン30に向けて突出し、一部がロッド側室1内に位置している。よって、ピストン30が当接面42Aに当接する際には、遮断部材50は、ピストン30と当接面42A(より具体的には収容凹部43の底部)との間で圧縮される。
遮断部材50は、ピストンロッド20が挿通し、内径がピストンロッド20の外径よりも大きく形成される。これにより、遮断部材50の内周面とピストンロッド20の外周面との間には隙間が形成され、遮断部材50は、内周面がピストンロッド20と摺接しないように構成される。
ピストン30に対向する遮断部材50の端面には、ピストン30の径方向に延び内周面及び外周面に開口する連通通路としてのスリット51が形成される。スリット51は、少なくとも一つ形成されていればよいが、2以上の複数が形成されてもよい。後述するように、遮断部材50の圧縮量が所定量に達していない状態では、ロッド側室1と環状隙間3とは、スリット51を通じて連通する。
次に、水圧シリンダ100の作用について説明する。
ロッド側室1に水圧源が連通し、ボトム側室2にタンク(図示省略)が連通すると、ロッド側室1に水が供給され、ボトム側室2内の水はタンクに排出される。このため、水圧シリンダ100は収縮作動する。
ボトム側室2に水圧源が連通し、ロッド側室1にタンクが連通すると、ボトム側室2に水が供給され、ロッド側室1内の水はタンクに排出される。このため、水圧シリンダ100は伸長作動する。
水圧シリンダ100は、ピストン30が当接面42Aに当接するまで、伸長方向へストローク可能である。ピストン30が当接面42A付近まで移動すると、ピストン30が当接面42Aに当接するよりも先に、当接面42Aから突出する遮断部材50とピストン30の端面30Aとが当接する(図2参照)。この状態では、ロッド側室1と環状隙間3とは、直接の連通は遮断される一方、遮断部材50に形成されるスリット51を通じて連通する。
この状態からピストン30がさらに伸長方向へ移動すると、遮断部材50がピストン30とシリンダヘッド40によってピストン30の軸方向に圧縮され、スリット51の流路面積が狭くなる。遮断部材50が所定量だけ圧縮されると、図3に示すように、スリット51が遮断部材50の変形に伴い閉塞される。これにより、スリット51を通じたロッド側室1と環状隙間3との連通も遮断される。
このように、スリット51は、ピストン30及び当接面42Aによる遮断部材50の圧縮量が所定量より小さい場合には、環状隙間3とロッド側室1とを連通し、遮断部材50の圧縮量が所定量に達すると閉塞される。なお、「圧縮量が所定量より小さい」とは、例えばピストン30と遮断部材50が単に接触した状態(図2に示す状態)など、遮断部材50が圧縮されていない状態(圧縮量がゼロ)も含む意味である。
遮断部材50の変形によりスリット51が閉塞された状態からピストン30がさらに伸長方向へ移動すると、ピストン30の端面30Aと当接面42Aとが当接する。これにより、水圧シリンダ100が伸長方向のストローク端まで伸長作動した状態となる。このように、本実施形態では、ピストン30と当接面42Aとが当接するよりも先に、環状隙間3とロッド側室1との連通が遮断される。
ここで、一般に、ピストンが当接面に当接する付近まで移動すると、給排口で生じる圧力損失により、ロッド側室及び環状隙間内の圧力が上昇することがある。特に、ピストンが高速で移動する場合には、水が勢いよく環状隙間内に導かれるため、圧力が上昇しやすい。また、ピストンが当接面に当接する際には、当接面に当接することでピストンの移動が急に止められると、その衝撃により環状隙間内の圧力が上昇することもある。これにより、環状隙間内に水圧シリンダの作動で使用される通常の使用圧力範囲外となる高い圧力が導かれ、シール部材に高圧が作用してシール部材の耐久性が低下するおそれがある。
これに対し、水圧シリンダ100では、ピストン30と当接面42Aとが当接する際には、遮断部材50により環状隙間3とロッド側室1との連通が遮断される。よって、ピストン30と当接面42Aとが当接する際に圧力上昇するロッド側室1の水が環状隙間3内に導かれることが抑制され、シール部材46の耐久性を向上させることができる。
また、遮断部材が当接面において径方向の比較的外側に設けられる場合には、ピストンと当接面とが当接する際、遮断部材よりも径方向内側であってピストンと当接面との間の水は、遮断部材によって給排口への流れが阻害される。このため、遮断部材の径方向内側及び環状隙間内に水が滞留して圧力上昇するおそれがある。
これに対し、水圧シリンダ100では、当接面42Aの内周に形成される収容凹部43に遮断部材50が設けられる。つまり、遮断部材50は、当接面42Aの径方向内側に位置するように設けられる。これにより、遮断部材50よりも径方向内側で滞留する水の量を低減できるため、シール部材46へ高圧が作用することをより一層防止できる。
また、遮断部材50には、スリット51が形成され、遮断部材50とピストン30が当接した状態から遮断部材50の圧縮量が所定量に達するまでは、環状隙間3とロッド側室1とはスリット51を通じて連通する。よって、遮断部材50の圧縮量が所定量に達するまでは、スリット51を通じて遮断部材50より径方向内側にある水や環状隙間3内の水を給排口11に排出することができる。したがって、シール部材46へ高圧が作用することをより一層防止できる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。以下のような変形例も本発明の範囲内であり、以下の変形例と上記実施形態の各構成とを組み合わせたり、以下の変形例と後述の他の実施形態及びその変形例と組み合わせたり、以下の変形例同士を組み合わせたりすることも可能である。また、上記実施形態の説明において記載された変形例についても同様に、他の変形例や他の実施形態と組み合わせることが可能である。
上記実施形態では、作動流体が水である場合について説明した。これに対し、作動流体は、水に限らず、作動油等のその他のものでもよい。
また、上記実施形態では、水圧シリンダ100は、ピストンロッド20の基端がピストン30にねじ締結され、先端がシリンダチューブ10から突出する、いわゆる片ロッド型である。これに対し、水圧シリンダ100は、ピストンロッド20の両端がシリンダチューブ10から突出し中央においてピストン30に連結される、いわゆる両ロッド型であってもよい。両ロッド型の水圧シリンダ100では、ピストン30から延びるピストンロッド20の両側をそれぞれ支持する一対の支持部と、ピストンロッド20と一対の支持部との間の隙間を封止する一対のシール部材と、が設けられる。よって、両ロッド型の水圧シリンダ100では、水圧シリンダ100の両方のストローク端のそれぞれに遮断部材50を設けることが望ましい。
また、上記実施形態では、当接部である当接面42Aは、支持部であるシリンダヘッド40に設けられる。これに対し、当接部は、シリンダヘッド40とは別にシリンダチューブ10内に設けられてもよい。
また、上記実施形態では、遮断部材50には、連通通路としてスリット51が形成される。これに対し、連通通路は、スリット51に限らず、その他の構成であってもよい。例えば、図4及び図5に示す変形例のように、連通通路は、径方向に延び遮断部材50の内周面に開口する第1ポート52と、軸方向に延びて遮断部材50の外周面に形成される第2ポート53と、により構成されてもよい。この変形例では、図5に示すように、遮断部材50の変形により、主に第1ポート52が閉塞されて、環状隙間3とロッド側室1の連通が遮断される。このような変形例であっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。なお、図5では、閉塞された第1ポート52を破線で模式的に示している。
また、上記実施形態では、遮断部材50は、シリンダヘッド40に形成される収容凹部43に収容される。これに対し、遮断部材50は、ピストン30やピストンロッド20に取り付けられるものでもよい。例えば、図6〜図9に示す変形例では、ピストンロッド20の外周に遮断部材50が圧入され、シリンダヘッド40には、伸長方向のストローク端付近において、遮断部材50が進入する進入凹部43Aが形成される。遮断部材50の外径は、進入凹部43Aの内径よりも小さく形成され、遮断部材50が進入凹部43Aに進入すると、遮断部材50の外周と進入凹部43Aの内周の間に外周隙間43Bが形成される(図7参照)。この変形例では、連通通路は、図9に示すように、遮断部材50の内周に形成され軸方向に沿って延びる第1通路としての軸方向通路54と、外周隙間43Bに連通するように、遮断部材50の外周面と内周面とに開口して軸方向通路54及び外周隙間43Bに連通する第2通路としての径方向通路55と、によって構成される。連通通路は、例えば図9に示すように、90度の角度間隔をあけて4つ設けられる。このような変形例では、遮断部材50が進入凹部43Aに進入して圧縮量が所定量に達していない状態では、図7に示すように、環状隙間3は、径方向通路55、軸方向通路54、及び外周隙間43Bを通じて、ロッド側室1に連通する。遮断部材50の圧縮量が所定量に達すると、図8に示すように、軸方向通路54が閉塞され、環状隙間3とロッド側室1との連通が遮断される。このような変形例であっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。なお、図8では、閉塞された径方向通路55を破線で模式的に示している。
その他にも、図示は省略するが、例えば、ピストン30に収容凹部を形成し、収容凹部の内周面に遮断部材50の外周面を圧入してもよい。また、図4及び5に示す変形例や図6から9に示す変形例においても、連通通路の構成や数は、任意とすることができる。
また、連通通路は、必須のものではなく、遮断部材50に連通通路が形成されない構成でもよい。この場合であっても、ピストン30と当接面42Aとが当接する際に遮断部材50によってロッド側室1と環状隙間3との連通が遮断されるため、ピストン30が当接面42Aに当接する際に圧力上昇した高圧の水がシール部材46に作用することを抑制できる。
また、上記実施形態では、遮断部材50は、当接面42Aの内周から形成される収容凹部43に収容され、当接面42Aの径方向内側に位置する。これに対し、収容凹部43は、当接面42Aの内周から形成されなくてもよい。
以上の第1実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
水圧シリンダ100では、ピストン30と当接面42Aとが当接する際には、遮断部材50により環状隙間3とロッド側室1との連通が遮断される。よって、ピストン30と当接面42Aとが当接する際に圧力上昇する水が環状隙間3内に導かれることが抑制され、シール部材46の耐久性を向上させることができる。
また、水圧シリンダ100では、遮断部材50が当接面42Aの径方向内側に位置するように設けられる。これにより、遮断部材50よりも径方向内側で滞留する水の量を低減できるため、シール部材46へ高圧が作用することをより一層抑制できる。
また、水圧シリンダ100では、遮断部材50が所定量だけ圧縮されてスリット51が閉塞されるまでは、スリット51を通じて遮断部材50より径方向内側にある水や環状隙間3内の水を給排口に排出することができる。したがって、シール部材46へ高圧が作用することをより一層抑制できる。
(第2実施形態)
次に、図10及び図11を参照して、本発明の第2実施形態について、説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
次に、図10及び図11を参照して、本発明の第2実施形態について、説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
上記第1実施形態では、当接面42Aに当接するピストン30の端面30Aは、環状の平坦面に形成される。これに対し、第2実施形態に係る水圧シリンダ200では、ピストン30の端面30Aには、シリンダヘッド40に設けられる遮断部材50に向けてピストン30の軸方向に突出する突起部35が設けられる。
上記第1実施形態と同様に、遮断部材50は、シリンダヘッド40に形成される収容凹部43に収容される。
遮断部材50には、図10に示すように、連通通路として、図4及び図5に示す第1実施形態の変形例と同様、径方向に延び遮断部材50の内周面に開口する第1ポート52と、軸方向に延びて遮断部材50の外周面に形成される第2ポート53と、が形成される。遮断部材50の内周面とピストンロッド20の外周面との間には、環状隙間3に連通する隙間が設けられる。
遮断部材50は、当接面42Aからピストン30に向けて突出しないように形成される。つまり、遮断部材50の端面は、当接面42Aに対して面一であるか、収容凹部43内に位置(当接面42Aに対しピストン30とは反対側に位置)するように形成される。
突起部35は、当接面42Aに対向するピストン30の端面30Aから軸方向に突出し、遮断部材50に対向する位置に環状に形成される。突起部35の軸方向長さ(端面30Aからの突出量)は、シリンダヘッド40の収容凹部43の軸方向長さよりも短く形成される。
ピストン30が当接面42Aに当接する付近まで伸長方向へ移動すると、図10に示すように、ピストン30の端面と当接面42Aとが当接するよりも先に、ピストン30の突起部35が遮断部材50に当接する。
この状態からさらにピストン30が伸長方向へ移動すると、図11に示すように、遮断部材50において突起部35が接触する部分が押圧(圧縮)される。このように、第2実施形態では、突起部35により遮断部材50が局所的に圧縮される。
遮断部材50の圧縮量が所定量に達するまでは、環状隙間3は、第1ポート52及び第2ポート53を通じてロッド側室1に連通する。遮断部材50の圧縮量が所定量に達すると、圧縮される部位にある第1ポート52が閉塞される(図11参照)。
以上の第2実施形態によれば、上記第1実施形態が奏する効果に加え、以下に示す効果を奏する。
第2実施形態では、突起部35によって遮断部材50を押圧することにより、遮断部材50が局所的に圧縮される。このため、遮断部材50の全体を圧縮して連通通路(第1ポート52及び第2ポート53)を遮断する場合と比較して、少ない圧縮量でより確実に連通通路(第1ポート52及び第2ポート53)を遮断することができる。これにより、遮断部材50の耐久性を向上させることができる。
次に、第2実施形態の変形例について説明する。
上記第2実施形態では、突起部35は、ピストン30に設けられ、遮断部材50は、シリンダヘッド40に設けられる。これに対し、ピストン30又はピストンロッド20に遮断部材50を設け、シリンダヘッド40に突起部35を設けてもよい。
(第3実施形態)
次に、図12を参照して、本発明の第3実施形態について、説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
次に、図12を参照して、本発明の第3実施形態について、説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第3実施形態に係る水圧シリンダ300は、上記第1実施形態の構成に加えて、環状隙間3の圧力がリリーフ圧に達すると開弁して環状隙間3の圧力を逃がすリリーフ弁60をさらに備える。
図12に示すように、ピストンロッド20には、外周面と基端側(ピストン30側)の端面とに開口するリリーフ通路61が形成される。リリーフ通路61は、ピストン30が遮断部材50に当接してから当接面42Aに当接するまでの間、遮断部材50とシール部材46の間にある環状隙間3に連通するように、ピストンロッド20の外周面に開口する。
リリーフ弁60は、リリーフ通路61に設けられる。つまり、リリーフ弁60は、ピストンロッド20に内蔵される。リリーフ弁60は、環状隙間3の圧力がリリーフ圧に達すると開弁して、環状隙間3の圧力をボトム側室2へ逃がす。リリーフ弁60が開弁するリリーフ圧は、シール部材46の損傷が防止できるように、水圧シリンダ300の仕様等に応じて、適切に設定される。なお、リリーフ弁60は、公知の構成を採用できるため、詳細な図示及び説明は省略する。
以上の第3実施形態によれば、上記第1実施形態が奏する効果に加え、以下に示す効果を奏する。
例えば、遮断部材50によって環状隙間3とロッド側室1との連通が遮断されたのち、当接面42Aとが当接するまでの間のピストン30の移動によって、環状隙間3内の圧力が上昇する場合など、遮断部材50によって環状隙間3の圧力上昇を完全に防止できない可能性もある。このような場合であっても、第3実施形態によれば、リリーフ弁60によって環状隙間3の圧力はリリーフ圧以下に保たれるため、シール部材46に高圧が作用することをより確実に抑制することができる。
次に、第3実施形態の変形例について説明する。
上記第3実施形態では、リリーフ弁60によって環状隙間3の圧力がボトム側室2へ逃がされる構成である。これに対し、環状隙間3の圧力は、シリンダチューブ10の外部(例えばタンク)などに逃がされるものでもよい。また、リリーフ通路61及びリリーフ弁60は、ピストンロッド20に設けられるが、これに限らず、例えば、シリンダヘッド40に設けられてもよい。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
水圧シリンダ100,200,300は、シリンダチューブ10と、シリンダチューブ10内をロッド側室1及びボトム側室2に区画するピストン30と、ピストン30に連結されシリンダチューブ10に挿入されるピストンロッド20と、シリンダチューブ10に設けられ、ピストンロッド20を摺動自在に支持するシリンダヘッド40と、シリンダヘッド40に設けられ、シリンダヘッド40の内周とピストンロッド20の外周との間の環状隙間3を封止して環状隙間3を通じたロッド側室1からの水の漏れを防止するシール部材46と、ピストンロッド20が挿通しピストン30に当接してロッド側室1が収縮する方向へのピストンロッド20のストローク端を規定する当接面42Aと、ピストン30が当接面42Aに当接する際にピストン30と当接面42Aとの間で圧縮されて、環状隙間3とロッド側室1との連通を遮断するように変形する遮断部材50と、を備える。
この構成では、ピストン30と当接面42Aとが当接する際には、遮断部材50によってロッド側室1とシリンダヘッド40の内側の環状隙間3との連通が遮断される。これにより、ピストン30と当接面42Aとが当接する際に圧力が上昇した水が環状隙間3に導かれることが抑制され、シール部材46に高圧が作用することを抑制することができる。
また、水圧シリンダ100,200,300では、遮断部材50には、ピストン30及び当接面42Aによる遮断部材50の圧縮量が所定量より小さい場合には、環状隙間3とロッド側室1とを連通し、遮断部材50の圧縮量が所定量に達すると閉塞される連通通路(スリット51、第1ポート52及び第2ポート53、軸方向通路54及び径方向通路55)が形成される。
水圧シリンダ100は、当接面42Aの内周に形成され遮断部材50を収容する収容凹部43をさらに備え、連通通路は、ピストン30に対向する遮断部材50の端面に形成され、ピストン30の径方向に延びるスリット51である。
水圧シリンダ100の変形例では、遮断部材50は、ピストンロッド20の外周に取り付けられ、連通通路は、遮断部材50の内周に形成されピストン30の軸方向に沿って延びる軸方向通路54と、軸方向通路54に連通しピストン30の径方向に延びる径方向通路55と、を有する。
これらの構成では、遮断部材50とピストン30が当接した状態から遮断部材50の圧縮量が所定量に達するまでは、環状隙間3とロッド側室1とは連通通路(スリット51、第1ポート52及び第2ポート53、軸方向通路54及び径方向通路55)を通じて連通する。よって、遮断部材50の圧縮量が所定量に達するまでは、連通通路(スリット51、第1ポート52及び第2ポート53、軸方向通路54及び径方向通路55)を通じて遮断部材50より径方向内側にある水や環状隙間3内の水を給排口に排出することができる。
また、水圧シリンダ200では、当接面42A及びピストン30のいずれか一方には、遮断部材50に向けて突出し遮断部材50を圧縮する突起部35が設けられ、突起部35は、当接面42Aへ向かうピストン30の移動に伴い、ピストン30が当接面42Aに当接するよりも先に遮断部材50に当接する。
この構成では、突起部35によって遮断部材50を押圧することにより、遮断部材50が局所的に圧縮される。このため、遮断部材50全体を圧縮して連通通路(スリット51、第1ポート52及び第2ポート53、軸方向通路54及び径方向通路55)を遮断する場合と比較して、少ない圧縮量でより確実に連通通路(スリット51、第1ポート52及び第2ポート53、軸方向通路54及び径方向通路55)を遮断することができる。これにより、遮断部材50の耐久性を向上させることができる。
また、水圧シリンダ300は、シリンダヘッド40の内周とピストンロッド20の外周との間の環状隙間3の圧力がリリーフ圧に達すると開弁して隙間の圧力を逃がすリリーフ弁60をさらに備える。
この構成では、遮断部材50によって環状隙間3の圧力上昇を防ぎきれない場合であっても、リリーフ弁60によって環状隙間3の圧力はリリーフ圧以下に保たれるため、シール部材46に高圧が作用することをより確実に抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
100,200,300…水圧シリンダ(流体圧シリンダ)、1…ロッド側室(第1流体圧室)、2…ボトム側室(第2流体圧室)、3…環状隙間(隙間)、10…シリンダチューブ、20…ピストンロッド、30…ピストン、35…突起部、40…シリンダヘッド(支持部)、42A…当接面(当接部)、43…収容凹部、46…シール部材、50…遮断部材、51…スリット(連通通路)、52…第1ポート(連通通路)、53…第2ポート(連通通路)、54…軸方向通路(第1通路)、55…径方向通路(第2通路)、60…リリーフ弁、61…リリーフ通路
Claims (6)
- シリンダチューブと、
前記シリンダチューブ内を第1流体圧室及び第2流体圧室に区画するピストンと、
前記ピストンに連結され前記シリンダチューブに挿入されるピストンロッドと、
前記シリンダチューブに設けられ、前記ピストンロッドを摺動自在に支持する支持部と、
前記支持部に設けられ、前記支持部の内周と前記ピストンロッドの外周との間の隙間を封止して前記隙間を通じた前記第1流体圧室からの作動流体の漏れを防止するシール部材と、
前記ピストンロッドが挿通し前記ピストンに当接して前記第1流体圧室が収縮する方向への前記ピストンロッドのストローク端を規定する当接部と、
前記ピストンが前記当接部に当接するよりも先に前記ピストンと前記当接部との間で圧縮されて、前記隙間と前記第1流体圧室との連通を遮断するように変形する遮断部材と、を備えることを特徴とする流体圧シリンダ。 - 前記遮断部材には、前記ピストン及び前記当接部による当該遮断部材の圧縮量が所定量より小さい場合には、前記隙間と前記第1流体圧室とを連通し、前記遮断部材の圧縮量が前記所定量に達すると閉塞される連通通路が形成されることを特徴とする請求項1に記載の流体圧シリンダ。
- 前記当接部の内周に形成され前記遮断部材を収容する収容凹部をさらに備え、
前記連通通路は、前記ピストンに対向する前記遮断部材の端面に形成され、前記ピストンの径方向に延びるスリットであることを特徴とする請求項2に記載の流体圧シリンダ。 - 前記遮断部材は、前記ピストンロッドの外周に取り付けられ、
前記連通通路は、
前記遮断部材の内周に形成され前記ピストンの軸方向に沿って延びる第1通路と、
前記第1通路に連通し前記ピストンの径方向に延びる第2通路と、を有することを特徴とする請求項2に記載の流体圧シリンダ。 - 前記当接部及び前記ピストンのいずれか一方には、前記遮断部材に向けて突出し前記遮断部材を圧縮する突起部が設けられ、
前記突起部は、前記当接部へ向かう前記ピストンの移動に伴い、前記ピストンが前記当接部に当接するよりも先に前記遮断部材に当接することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の流体圧シリンダ。 - 前記支持部の内周と前記ピストンロッドの外周との間の前記隙間の圧力がリリーフ圧に達すると開弁して前記隙間の圧力を逃がすリリーフ弁をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の流体圧シリンダ。
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- 2018-05-18 JP JP2018096610A patent/JP2019199954A/ja active Pending
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