JP6255277B2 - 遮水シートの管口固定治具及び既設管の更生方法 - Google Patents

遮水シートの管口固定治具及び既設管の更生方法 Download PDF

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Description

本発明は、老朽化した下水道管等の既設管を更生するライニングパイプをライニングするに際して用いられる遮水シートの管口固定治具及び管口固定治具を用いた既設管の更生方法に関する。
従来、地中に埋設された下水道管等の既設管内に、既設管の内径よりも小径であって、形状記憶温度において円管形状に形状回復する塩化ビニル等の熱可塑性樹脂製のライニングパイプを挿入し、ライニングパイプを加熱して円管形状に復元させた後、加圧して膨張拡径させ、ライニングパイプを既設管の内周面に密着させてライニングする更生方法が提案され、広く実施されている(例えば、特許文献1参照)。
このような更生方法において、既設管内に浸入水や不明水が存在している環境下でライニングパイプをライニングするときには、浸入水等が接触することによってライニングパイプが冷却されるため、ライニングパイプを加熱する工程で温度上昇が不十分となることがある。加熱によるライニングパイプの温度上昇が不十分であると、ライニングパイプが円管形状に形状復元する際、あるいは、軟化したライニングパイプを加圧して膨張拡径させ、既設管の内周面に密着させる際、不完全な仕上がり状態となる可能性が高い。
このため、前述した更生方法において、内部に浸入水等が存在する環境下で既設管を更生する場合は、ライニングパイプを必要な温度まで確実に加熱できるように、ライニングパイプの挿入に先立って既設管内に筒状の遮水シートを挿入し、遮水シート内にライニングパイプを挿入し、ライニングするようにしている(例えば、特許文献2参照)。
なお、遮水シートをマンホールのインバートに延長して敷設した後、ライニングパイプ及び牽引ワイヤーの管口ローラを備えた引込み治具(例えば、特許文献3参照)をマンホールに設置し、引込み治具にワイヤー等を介して遮水シートの固定治具を連結することにより、遮水シートをマンホールに固定するようにしている。
特開平11−230412号公報 特開2008−162255号公報 特開2011−102625号公報
ところで、従来の更生方法においては、既設管内に敷設された遮水シートをマンホールに固定するため、引込み治具に固定治具を、ワイヤー等を介して連結する必要があり、作業が煩雑となる他、引込み治具の設置後において、マンホールの狭小な空間で連結作業をしなければならず、作業性が低いという欠点があった。しかも、ライニングパイプの挿入に際して、引込み治具に上向きの力が作用し、それによって引込み治具が浮き上がると、固定治具による遮水シートに対する押圧力が低下し、遮水シートがライニングパイプとの摩擦力等によって既設管内に引き込まれるといった問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、既設管内に浸入水等が存在する環境下において、ライニングパイプの挿入に先立って既設管内に挿入される遮水シートをライニングパイプの挿入時に引き込まれることなくマンホールに効率よく固定することのできる遮水シートの管口固定治具を提供するものである。
また、本発明は、既設管内に浸入水等が存在する環境下において、ライニングパイプの挿入に先立って既設管に挿入される遮水シートを、管口固定治具を介してマンホールに効率よく固定することにより、遮水シートが引き込まれるのを確実に防止してライニングパイプを遮水シートの内方に挿入し、遮水シートとともに円滑にライニングすることのできる管口固定治具を用いた既設管の更生方法を提供するものである。
前記の課題を解決するため、本発明は、地中に埋設された既設管を更生するライニングパイプの挿入に先立って既設管内に挿入された筒状の遮水シートをライニングパイプの発進側マンホールに固定する管口固定治具として、半円管状の治具本体と、前記治具本体の一端部に固定可能な固定バンドと、前記治具本体に着脱自在に設けられ、既設管の管口近傍の上半部側内周面に接触可能なアーチ部及びマンホールの内周面と接触可能なフランジ部を備えるガイド部材と、前記ガイド部材のフランジ部に固定可能な固定板とを備えさせている。そして、この管口固定治具は、既設管内に挿入されて発進側マンホールのインバートに敷設され、その長手方向に沿って複数箇所切断されて下半部と上半部とに分割された遮水シートの内方に、前記治具本体及びガイド部材が一体に固定されて挿入されるとともに、前記インバートに敷設された遮水シートの下半部に配置され、前記治具本体で折り返された遮水シートの下半部が、前記治具本体に固定バンドを固定して挟み込まれ、前記ガイド部材のフランジ部で折り返された遮水シートの上半部が、前記ガイド部材のフランジ部に固定板を固定して挟み込まれる構成としている。
本発明によれば、ライニングパイプの挿入に先立って既設管内に挿入した遮水シートを発進側マンホールのインバートに延長して敷設した後、発進側マンホールにおいて、遮水シートをその長手方向に沿って複数箇所切断して下半分と上半部とに分割する。一方、治具本体にガイド部材を一体に固定して遮水シートの内方に挿入するとともに、インバートに敷設された遮水シートの下半部に配置する。この際、管口で放射状に折り返した遮水シートの上半部を、ガイド部材のフランジ部でマンホールの内周面に押し当てる。次いで、遮水シートの下半部を治具本体で折り返した後、折り返した遮水シートの下半部を治具本体との間に固定バンドで挟み込み、固定バンドを治具本体に連結し、固定する。また、遮水シートの上半部をガイド部材のフランジ部で折り返した後、折り返した遮水シートの上半部をフランジ部との間に固定板で挟み込み、固定板をガイド部材のフランジ部に連結し、固定する。
この結果、ライニングパイプの挿入に際して遮水シートに作用する摩擦等によって遮水シートが既設管内に引き込まれるような力を受けたとしても、遮水シートは管口固定治具を介して発進側マンホールに支持されており、遮水シートが既設管内に引き込まれるのを確実に防止することができる。しかも、治具本体にガイド部材を一体に固定して遮水シートの内方に挿入するとともに、遮水シートの下半部に配置した後、遮水シートの下半部を治具本体で折り返し、固定バンドで挟み込んで治具本体に固定するとともに、遮水シートの上半部をガイド部材のフランジ部で折り返し、固定板で挟み込んでガイド部材のフランジ部に固定すればよく、効率よく作業することができる。
また、引込み治具の設置に先立って管口固定治具を設置することができるとともに、引込み治具を取り外した後に管口固定治具を取り外すことができ、引込み治具に影響されることなく空間に余裕をもって作業することができる。さらに、引込み治具に上方へ押し上げる力が作用したとしても、遮水シートを挟み込んで固定する力が弱まることはなく、遮水シートをマンホールに確実に支持することができる。
なお、管口固定治具を発進側マンホールから撤去するには、治具本体に対する固定を解除して固定バンドを離脱させるとともに、ガイド部材に対する固定を解除して固定板を離脱させる一方、治具本体に対する固定を解除してガイド部材を遮水シートから抜き出した後、治具本体を遮水シートの内方から引き出せばよい。
また、前記管口固定治を使用した既設管の更生方法も本発明の技術的思想の範疇である。すなわち、断熱層及び不透水層を有する筒状の遮水シートを介して既設管内にライニングパイプを施工する既設管の更生方法であって、前記遮水シートを、発進側マンホールと到達側マンホールとの間の既設管内に敷設するとともに、発進側マンホールのインバートに敷設し、発進側マンホールにおいて、前記遮水シートを、その長手方向に沿って複数箇所切断して下半部と上半部とに分割する。請求項1に記載の管口固定治具をインバートに敷設された遮水シートの下半部上に配置し、遮水シートの上半部をガイド部材のフランジ部で折り返した後、折り返した遮水シートの上半部を固定板で挟み込んで固定する一方、遮水シートの下半部を治具本体で折り返した後、折り返した遮水シートの下半部を固定バンドで挟み込んで固定する。そして、既設管の内径よりも小さい外径の熱可塑性樹脂からなるライニングパイプを前記遮水シートの内方に挿入し、前記ライニングパイプを加熱及び加圧することにより膨張拡径させて既設管の内周面に前記遮水シートを介して密着させ、既設管の内周面に固定する構成としている。
本発明によれば、浸入水等が滞留する既設管内に、断熱層及び該断熱層の外周面に積層された不透水層からなる筒状の遮水シートを挿入してライニングパイプの発進側マンホールのインバートに敷設する。次いで、発進側マンホールにおいて、遮水シートをその長手方向に沿って複数箇所切断して下半分と上半部とに分割した後、請求項1に記載の管口固定治具における、ガイド部材及び治具本体を一体に固定して遮水シートの内方に挿入するとともに、インバートに敷設された遮水シートの下半部に配置する。そして、遮水シートの上半部をガイド部材のフランジ部で折り返した後、折り返した遮水シートの上半部を固定板で挟み込んでフランジ部に固定する一方、遮水シートの下半部を治具本体で折り返した後、折り返した遮水シートの下半部を固定バンドで挟み込んで治具本体に固定する。これにより、浸入水等は、遮水シートの外周面に接触し、不透水層によって断熱層への浸入が阻止される。
次いで、既設管の内径よりも小さな外径の熱可塑性樹脂からなるライニングパイプを遮水シートの内方に挿入した後、ライニングパイプを加熱及び加圧することにより、膨張拡径させて既設管の内周面に遮水シートを介して密着させる。この際、ライニングパイプの挿入に伴って遮水シートとの間に発生する摩擦等によって、遮水シートを既設管内に引き込もうとする力が発生する。しかし、遮水シートは発進側マンホールに固定されており、既設管内に引き込まれることを確実に防止することができる。また、遮水シートの内方への水の浸入が阻止されているので、浸入水等によってライニングパイプが冷却されて温度上昇が不十分となることを防止できる。その後、復元膨張させたライニングパイプを冷却することにより、遮水シートともに既設管の内周面に一体化させる。
この結果、既設管内に浸入水等が滞留する環境下であっても、ライニングパイプを十分に加熱加圧して膨張拡径させて遮水シートを介して既設管に密着させることができ、ライニングパイプによって、既設管を、仕上がり品質を確保して更生することができる。また、ライニングパイプの引込みに際して、摩擦等によって遮水シートが既設管内に引き込まれるように力が作用するが、遮水シートは管口固定治具によってマンホールに固定されて引き込まれることはないため、ライニングパイプによる更生作業を円滑に行うことができる。
本発明の遮水シートの管口固定治具によれば、既設管内に浸入水等が存在する環境下において、ライニングパイプの挿入に先立って既設管内に挿入される遮水シートをライニングパイプの挿入時に引き込まれることなくマンホールに効率よく固定することができる。
本発明の管口固定治具を用いた既設管の更生方法によれば、既設管内に浸入水等が存在する環境下において、ライニングパイプの挿入に先立って既設管に挿入される遮水シートをマンホールに効率よく固定することにより、遮水シートの引き込まれるのを確実に防止してライニングパイプを遮水シートの内方に挿入し、遮水シートとともに円滑にライニングすることができる。
本発明の遮水シートの管口固定治具の一実施形態を示す分解斜視図である。 図1の管口固定治具を一部省略して示す平面図及びそのA−A線断面図である。 図1の管口固定治具で遮水シートをマンホールと既設管との管口に固定する工程を説明する斜視図である。 図3に続いて管口固定治具で遮水シートをマンホールと既設管との管口に固定する工程を説明する斜視図である。 管口固定治具を用いて遮水シートをマンホールと既設管との管口に固定した状態を模式的に示す断面図である。 本発明の管口固定治具を用いた既設管の更生方法を説明する工程図及び遮水シートを既設管とともに模式的に示す拡大断面図である。 図6に続いて管口固定治具を用いた既設管の更生方法を説明する工程図である。 図7に続いて管口固定治具を用いた既設管の更生方法を説明する工程図及び遮水シート、ライニングパイプを既設管とともに模式的に示す拡大断面図である。 図8に続いて管口固定治具を用いた既設管の更生方法を説明する工程図及び遮水シート、ライニングパイプを既設管とともに模式的に示す拡大断面図である。 図9に続いて管口固定治具を用いた既設管の更生方法を説明する工程図及び遮水シート、ライニングパイプを既設管とともに模式的に示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(管口固定治具)
図1及び図2には、本発明に係る遮水シートの管口固定治具1の一実施形態が示されている。
管口固定治具1は、略半円管状の治具本体2と、治具本体2の一端部にボルトナットを介して着脱自在に固定可能な半円状の固定バンド3と、治具本体2の略中間部他端寄りにボルトナットを介して着脱自在に固定可能なガイド部材4と、ガイド部材4にボルトナットを介して着脱自在に固定可能な固定板5とから構成され、後述するライニングパイプ10の発進側マンホールM1に設置される。
治具本体2は、既設管Kの内径に対応する外径の半円管状に形成され、長手方向一端部及び略中間部の左右各上端縁にそれぞれ接線方向に延びるブラケットを介して連結部21が溶着されている。これにより、マンホールM1のインバートV(図3、図4参照)に治具本体2を配置した際、連結部21は、インバートVに干渉することなくその上方に位置することができる。
固定バンド3は、治具本体2の内径に対応する外径を有し、その左右各端縁部には、治具本体2の一端部の連結部21に対応して連結部31が溶着されている。これにより、治具本体2の一端部に固定バンド3を配置し、それらの連結部21,31を重ね合わせ、ボルトナットを介して連結することができる。固定バンド3の外周面と、治具本体2の内周面との間には、ゴムシート等の緩衝材が介装されることが好ましい。これにより、固定バンド3による遮水シートの固定強度を高めることができる。
ガイド部材4は、既設管Kの内径に対応する外径の短小な半円管状のアーチ部41及びアーチ部41の前端縁に一体に溶着された略半円リング状のフランジ部42からなり、フランジ部42は、その内径がアーチ部41の内径に一致する他、マンホールM1の周壁内径に対応するように湾曲されている。そして、フランジ部42の前面の左右各下端部には、治具本体2の略中間部の連結部21に対応して連結板43が溶着されている。これにより、治具本体2の上端縁にガイド部材4のアーチ部41の下端縁を突き合わせて配置するとともに、連結部21に連結板43を重ね合わせ、ボルトナットを介して連結することができ、その際、治具本体2とガイド部材4のアーチ部41によって既設管Kの内径に対応する外径の短小な円管部が形成されるようになっている。
固定板5は、ガイド部材4のフランジ部42に対応する幅の円弧リング状に形成され、マンホールM1の内周面に沿うように湾曲されたフランジ部42の湾曲面に対応する外径に湾曲されている。遮水シートに対する固定強度を高めるため、固定板5とフランジ部42との間にも、ゴムシート等の緩衝材が介装されることが好ましい。
次に、このように構成された管口固定治具1を用いて既設管K内に挿入された遮水シート11を固定する施工要領について説明する。
まず、発進側マンホールM1において、既設管Kに挿通されてインバートVまで延長して敷設された遮水シート11を、インバートVの上端縁に合わせて遮水シート11の軸線方向に沿って既設管KとマンホールM1との管口に達するまで切断して下半部11a及び上半部11bに分割するとともに、上半部11bをさらに軸線方向に沿って管口に達するまで複数箇所切断し、複数本の帯状部11b1を形成する。その後、遮水シート11の上半部側帯状部11b1を管口で放射方向に折り返し、マンホールM1の内周面に仮止めする。
次いで、マンホールM1において、管口固定治具1の治具本体2に、ガイド部材4を、ボルトナットを介して連結し、その他端部を、管口を経て遮水シート11の内方に挿入するとともに、マンホールM1のインバートVに敷設された遮水シート11の下半部11aに配置する。この際、治具本体2及びガイド部材4のアーチ部41からなる短小な円管部が、既設管Kの管口近傍の遮水シート11を半径方向に押し広げて既設管Kの内周面に接触させる一方、ガイド部材4のフランジ部42が、遮水シート11の上半部側帯状部11b1をマンホールM1の内周面に接触するように押し当てる(図3参照)。
この後、遮水シート11の上半部側帯状部11b1をガイド部材4のフランジ部42外周縁に沿って下方に折り返した後、折り返した遮水シート11の上半部側帯状部11b1をガイド部材4のフランジ部42との間で挟み込むように固定板5をガイド部材4のフランジ部42に設けたボルトに挿通し、ナットを介して固定する。一方、遮水シート11の下半部11aを治具本体2の一端縁で折り返した後、折り返した遮水シート11の下半部11aを治具本体2の一端部との間で挟み込むように、治具本体2の一端部側連結部21に固定バンド3の連結部31を重ね合わせて、両者を、ボルトナットを介して固定する(図4、図5参照)。
これにより、発進側マンホールM1において、遮水シート11を、管口固定治具1を介して固定することができる。すなわち、後述するように、遮水シート11の内方にライニングパイプ10を挿入する際、摩擦等によって遮水シート11に到達側マンホールM2側に向けて既設管K内に引き込もうとする力が作用したとしても、遮水シート11は、管口固定治具1を介して発進側マンホールM1に固定されており、引き込まれることはない。また、仮にライニングパイプ10の引込みに際して、管口ローラ7(図8参照)の引込み治具に浮き上げるような力が作用したとしても、遮水シート11は、引込み治具とは無関係な管口固定治具1を介して発進側マンホールM1に固定されるため、遮水シート11を引き込まれることなく確実に固定することができる。
なお、管口固定治具1を取り外すには、治具本体2の連結部21と固定バンド3の連結部31とを連結するボルトナットを弛めて離脱させることにより、治具本体2から固定バンド3を取り外すことができる。また、ガイド部材4のフランジ部42と固定板5とを連結するボルトナットを弛めて離脱させ、ガイド部材4から固定板5を取り外した後、治具本体2の連結部21とガイド部材4の連結板43とを連結するボルトナットを弛めて離脱させることにより、管口近傍の遮水シート11の内方に挿入されたガイド部材4を治具本体2に対して引き抜くことができる。この後、治具本体2を遮水シート11から取り出すことができる。
(既設管の更生方法)
次に、本発明に係る遮水シートの管口固定治具を用いた既設管の更生方法について説明する。
この更生方法には、ライニングパイプ10と、遮水シート11とが使用される。
ライニングパイプ10は、硬質塩化ビニル等の熱可塑性樹脂によって円管形状に成形されたものであり、遮水シート11に挿入される前の状態では、その断面形状が略U字状に折り畳まれて既設管Kの内径よりも小径に形成され、所定の形状記憶温度(例えば、80℃)に加熱されることによって円管形状に形状回復する性能を有している。
また、遮水シート11は、詳細には図示しないが、不織布等の断熱層と、断熱層の外周面に積層された不透水層とからなり、既設管Kの内径に一致する外径の筒状に形成されている。
更生作業に先立って、既設管Kの内周面の高圧水洗浄を行っておくことが好ましい。
まず、遮水シート11を発進側マンホールM1に準備し、既設管K内に挿入する。遮水シート11は、例えば、発進側マンホールM1及び到達側マンホールM2間の長さに余裕長さを加えた長さとされる。この際、遮水シート11の内方には、予めロープなどの牽引用線材61を挿通しておく。
到達側マンホールM2の地上から、図示しない通線部材を到達側マンホールM2及び既設管Kへと挿通し、発進側マンホールM1まで導入する。発進側マンホールM1では、準備した遮水シート11の先端部に、通線部材を結束して取り付ける。
次いで、発進側マンホールM1において、遮水シート11を既設管K内に送り込む一方、到達側マンホールM2において通線部材を巻き取り、既設管K内に遮水シート11を引き込む。
既設管K内に遮水シート11を敷設したならば、発進側マンホールM1において、発進側マンホールM1のインバートVに敷設された遮水シート11を軸線方向に沿って管口に達するまで複数箇所切断した後、前述したように、管口固定治具1を介して遮水シート11を発進側マンホールM1に固定する。
すなわち、治具本体2及びガイド部材4を固定し、治具本体2の他端部を遮水シート11の内方に挿入するとともに、マンホールM1のインバートVに敷設された遮水シート11の下半部11aに配置する。一方、治具本体2及びガイド部材4のアーチ部41からなる円管部を介して管口近傍の遮水シート11を押し広げて既設管Kの内周面に接触するように押し広げるとともに、ガイド部材4のフランジ部42を介して管口で放射方向に折り返された遮水シート11の上半部側帯状部11b1をマンホールM1の内周面に押し当てる。
この後、遮水シート11の上半部側帯状部11b1をガイド部材4のフランジ部42外周縁に沿って折り返した後、折り返した遮水シート11の上半部側帯状部11b1を、ガイド部材4のフランジ部42に固定板5を、ボルトナットを介して連結することにより、挟み込んで固定する。また、遮水シート11の下半部11aを治具本体2の一端縁で折り返した後、折り返した遮水シート11の下半部11aを、治具本体2の一端部側連結部21に固定バンド3の連結部31を重ね合わせ、ボルトナットを介して連結することにより、挟み込んで固定する(図5、図7参照)。
これにより、遮水シート11を、管口固定治具1を介して発進側マンホールM1に固定することができる。
遮水シート11を発進側マンホールM1に固定したならば、マンホールM1,M2において、ライニングパイプ10及び牽引用線材61を巻回する管口ローラ7の引込み治具(図示せず)を設置する。発進側マンホールM1では、ライニングパイプ10と牽引用線材61とが管口ローラ7を介して引き込まれる。到達側マンホールM2では、牽引用線材61が管口ローラ7を介して引き込まれる。管口ローラ7は、発進側と到達側とで異なるローラを備えて構成されてもよい。
また、発進側マンホールM1において、予め遮水シート11内に挿通された牽引用線材61の基端にライニングパイプ10の先端部を連結する一方、到達側マンホールM2において、ウインチWを設置する。到達側マンホールM2において、牽引用線材61の先端をウインチWのワイヤー62に連結する。
次いで、牽引用線材61を利用して、ウインチWのワイヤー62を遮水シート11内に引き込み、遮水シート11内を通して発進側マンホールM1の地上にワイヤー62を引き出す。このワイヤー62の先端部には、ライニングパイプ10の先端部を結束する。
なお、ライニングパイプ10には、地上にて予備加熱を行っておくことが好ましい。これにより、ライニングパイプ10を既設管K内に引き込むことができる程度に柔軟にしておく。
ライニングパイプ10の先端にワイヤー62を連結したならば、ウインチWを駆動してワイヤー62を巻き取り、ライニングパイプ10を遮水シート11の内方に引き込む(図8参照)。この際、浸入水等は、既設管K内に滞留して遮水シート11の外面に接触しているが、ライニングパイプ10は、遮水シート11の内方に挿入されているため、ライニングパイプ10に浸入水等が接触することは阻止されている。
遮水シート11の内方にライニングパイプ10を挿入したならば、発進側マンホールM1及び到達側マンホールM2において、管口ローラ7の引込み治具を取り外す一方、発進側マンホールM1において、管口固定治具1を取り外す。
管口固定治具1を取り外したならば、冷却時の線膨張を考慮してライニングパイプ10を一定長さマンホールM1,M2に延出させた状態でそれぞれ切断した後、その各端部に栓体8を装着して閉塞する一方、一端側栓体8に、加熱蒸気発生機Gに一端が接続された熱媒体供給管9の他端を接続するとともに、他端側栓体8に熱媒体排出管91の一端を接続する。
次いで、加熱蒸気発生機Gを駆動し、加熱蒸気を、熱媒体供給管9を通してライニングパイプ10に供給し、加熱蒸気の熱をライニングパイプ10に伝える。この場合、前述したように、浸入水等は、遮水シート11と接触しているが、その内方に挿入されたライニングパイプ10と接触することは阻止されている。そのため、ライニングパイプ10は、その内部に供給された加熱蒸気によって内周面側から十分に加熱されて軟化する(図9参照)。
このとき、遮水シート11によってライニングパイプ10に浸入水等が接触することはなく、浸入水等の接触によるライニングパイプ10の温度低下が防止されることから、仕上がり品質を確保することができる。
次いで、加熱蒸気発生機Gの駆動を停止し、熱媒体供給管9を通して、軟化したライニングパイプ10の内部に加圧空気を送り込む。ライニングパイプ10は、円管形状に形状回復するとともに、加圧空気によって外方へ押圧され、膨張拡径される。この際、遮水シート11もライニングパイプ10の膨張拡径に伴って徐々に断面円形に近づくように押し広げられる。ライニングパイプ10は、膨張拡径されて遮水シート11とともに既設管Kの内周面に密着する(図10参照)。
なお、ライニングパイプ10に供給された過剰の加熱蒸気は、熱媒体排出管91を通して排出され、ライニングパイプ10の内部圧力を一定に維持している。
一体となったライニングパイプ10及び遮水シート11が、既設管Kの内周面に密着したならば、ライニングパイプ10に常温の加圧空気が供給されることにより、ライニングパイプ10は、加熱蒸気に代わって供給された常温の加圧空気と熱交換し、加圧空気による加圧を継続しつつ冷却される。
ライニングパイプ10が冷却され、ガラス転移温度を超えて設定温度以下に低下したならば、加圧空気の供給を停止した後、一体となったライニングパイプ10及び遮水シート11を既設管Kの管口に合わせて切断し、管口処理を行う。
なお、本実施形態においては、加熱媒体として加熱蒸気を採用した場合を説明したが、熱風や熱水であってもよく、また、冷却媒体として常温の加圧空気を採用したが、水であってもよい。
本発明は、地中に埋設された既設管の更生作業に好適に利用可能である。
1 管口固定治具
2 治具本体
3 固定バンド
4 ガイド部材
41 アーチ部
42 フランジ部
5 固定板
61 牽引用線材
62 ワイヤー
7 管口ローラ
8 栓体
9 熱媒体供給管
91 熱媒体排出管
10 ライニングパイプ
11 遮水シート
G 加熱蒸気発生機
W ウインチ
K 既設管
M1,M2 マンホール
V インバート

Claims (2)

  1. 地中に埋設された既設管を更生するライニングパイプの挿入に先立って既設管内に挿入された筒状の遮水シートをライニングパイプの発進側マンホールに固定する管口固定治具であって
    円管状の治具本体と、
    前記治具本体の一端部に固定可能な固定バンドと、
    前記治具本体に着脱自在に設けられ、既設管の管口近傍の上半部側内周面に接触可能なアーチ部及びマンホールの内周面と接触可能なフランジ部を備えるガイド部材と、
    前記ガイド部材のフランジ部に固定可能な固定板とを有し、
    既設管内に挿入されて発進側マンホールのインバートに敷設され、その長手方向に沿って複数箇所切断されて下半部と上半部とに分割された遮水シートの内方に、前記治具本体及びガイド部材が一体に固定されて挿入されるとともに、前記インバートに敷設された遮水シートの下半部に配置され、
    前記治具本体で折り返された遮水シートの下半部が、前記治具本体に固定バンドを固定して挟み込まれ、前記ガイド部材のフランジ部で折り返された遮水シートの上半部が、前記ガイド部材のフランジ部に固定板を固定して挟み込まれることを特徴とする遮水シートの管口固定治具。
  2. 断熱層及び不透水層を有する筒状の遮水シートを介して既設管内にライニングパイプを施工する既設管の更生方法であって、
    前記遮水シートを、発進側マンホールと到達側マンホールとの間の既設管内に敷設するとともに、発進側マンホールのインバートに敷設し、
    発進側マンホールにおいて、前記遮水シートを、その長手方向に沿って複数箇所切断して下半部と上半部とに分割し、
    請求項1に記載の管口固定治具をインバートに敷設された遮水シートの下半部上に配置し、遮水シートの上半部をガイド部材のフランジ部で折り返した後、折り返した遮水シートの上半部を固定板で挟み込んで固定する一方、遮水シートの下半部を治具本体で折り返した後、折り返した遮水シートの下半部を固定バンドで挟み込んで固定し、
    既設管の内径よりも小さい外径の熱可塑性樹脂からなるライニングパイプを前記遮水シートの内方に挿入し、
    前記ライニングパイプを加熱及び加圧することにより膨張拡径させて既設管の内周面に前記遮水シートを介して密着させ、既設管の内周面に固定することを特徴とする既設管の更生方法。
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