JP2006159757A - 枝管ライニング材及び枝管のライニング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鍔内周部の不規則な硬化形状がない枝管ライニング材の製造方法と曲がり部を有する枝路のライニング方法。
【解決手段】管ライニング材の先端に、複数の切れ目を施して複数枚の片とし、花びら状に広げ、花びら状の部分に液状硬化性樹脂を含浸させ、樹脂含浸部を上下型枠により圧縮させながら鍔を形成する鍔付き枝管ライニング材。枝管ライニング材に鍔付近で折り返された管状膜を被せて後部カップより伸びるけん引用ロープを接続して圧力バッグ内に引き込み、管状膜の他端を圧力バッグに連結し、管状膜と圧力バッグにより形成される密閉空間に流体圧を作用させ本管内より枝管内に枝管ライニング材を反転挿入し、枝管ライニング材を地上に引き上げた後、管状膜先端に熱水圧力バッグを連結し管状膜を逆反転することで熱水圧力バッグを枝管ライニング材内に引き込み、熱水圧力バッグ内に熱水圧力をかけて枝管ライニング材を硬化させる枝管ライニング方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、上下水管、農業用水管等の枝管を有する枝路をライニングするライニング材に関する発明である。
従来の枝管ライニング材及びライニング方法は、不織布からなる管状樹脂吸収材の外表面をプラスチックフィルムで覆った管ライニングの一端のプラスチックフィルムを剥がし、同時にプラスチックフィルムを剥がした部分の不織布が花びら状に開くよう複数本の切れ目を入れ、前記切れ目の入った不織布の箇所を型枠上で花びら状に開き、花びら状に開いた不織布の部分を型枠とドーナツ状の不織布で挟み、更に前記ドーナツ状の不織布と花びら状の管ライニング材の一端に液状硬化性樹脂材を含浸させ本管壁と同一の円弧状になるように、型枠で挟んだ状態で液状硬化性樹脂を硬化させる方法で管ライニング材の一端に硬化した鍔を有する枝管ライニング材を使用していた。
しかしながら、従来の枝管ライニング材の製造方法では含浸させた液状硬化性樹脂が硬化するまでの間に前記液状硬化性樹脂が移動し、鍔形成部と連なる鍔内周部の管状樹脂吸収材に不規則な樹脂吸収材と液状硬化性樹脂の硬化物が形成されるため、本管に接続された枝管をライニングする場合に前述のような鍔内周部の不規則な形状が障害となり、枝管ライニング材の鍔が本管壁にしっかりと貼り付かないという問題があった。これは特に老朽化により変形した枝管接続部、或いは斜めに接続された枝管等で多く見られた。
また、本管壁の形状と同形の鍔を有する枝管ライニング材を本管壁に貼り付けた状態でライニングした後、本館内に硬化性樹脂吸収材を含浸させた管状樹脂吸収材を有する管ライニング材を反転挿入し、管ライニング材と枝管ライニング材の接続部を開口するため穿孔機で切削する作業において、穿孔機の誤操作などで管ライニング材内周部を切削してしまうことがあった。
更に、図24及び図25に示したように、枝管ライニング方法では枝管ライニング材を管状膜で覆い、圧力バッグ内に挿入し、圧力バッグと管状膜を気密的に連結させて圧力バッグと管状膜で密閉空間を作り、その密閉空間に流体圧を作用させ、枝管ライニング材1cを枝管内に反転挿入させた後、密閉空間に熱媒を供給する方法をとっていたが、枝管37aの曲り部でしわ部56が発生し、そのしわに管状膜57が挟まれ取れなくなることがあった。
そこで、本発明は、枝管ライニング材の製造において、鍔内周部の不規則な硬化形状がない枝管ライニング方法と、接続部の開口作業において穿孔機により枝管内周部を傷つけないライニング工法と、枝管に曲り部があっても問題のなくライニングができるライニング材を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記の課題を解決するために、先端に複数の切れ目を施して複数枚の片とし、前記片を花びら状に広げ、途中より反転された樹脂吸収材とプラスチックフィルムからなる管状の内部ライナーと、前記内部ライナー上に設置される先端に複数の切れ目を施し複数枚の片として花びら状に広げられた樹脂吸収材とプラスチックフィルムからなる管状の外部ライナーと、前記重ねられた内外部ライナーの片部分に他の樹脂吸収材を補足し、前記内外部ライナーの片の樹脂吸収材部分及び補足した樹脂吸収材に液状硬化性樹脂を含浸させ鍔形成部とし、前記鍔形成部を上下型枠により圧縮させながら且つ鍔形成部と内外部ライナーの境目付近の樹脂吸収材を局部的に更に圧縮し鍔を形成することを特徴とした枝管ライニング材と、内外部ライナーの片及び補足された樹脂吸収材に液状硬化性樹脂を含浸して形成した鍔の内周面に色素入りプラスチック製円筒部材を設けたことを特徴とする枝管ライニング材と、枝管ライニング材に鍔付近で折り返された管状膜を被せて後部カップより伸びるけん引用ロープを接続し、前記枝管ライニング材を圧力バッグ内に引き込み、前記管状膜の他端を圧力バッグに連結し、管状膜と圧力バッグにより形成される密閉空間に流体圧を作用させ本管内より枝管内に枝管ライニング材を反転挿入し、枝管ライニング材を地上に引き上げた後、管状膜先端に熱水圧力バッグを連結し管状膜を逆反転することで熱水圧力バッグを枝管ライニング材内に引き込み、熱水圧力バッグ内に熱水圧力をかけて枝管ライニング材を硬化させることを特徴とする枝管ライニング方法と、枝管ライニング材の鍔内周部に色素入りプラスチック製円筒部材を設けた枝管ライニング材を枝管内にライニング後、本管ライニング材により枝管ライニング材の鍔と本管ライニング材が結合するように本管内をライニングし、結合部を穿孔することで本管と枝管を開通させる枝管ライニング方法の構成とした。
本発明の枝管ライニング材の製造方法及び枝管ライニング材及び枝管のライニング方法は、管状樹脂吸収材と鍔形成部に含浸させた液状の硬化性樹脂を管状樹脂吸収材に浸透させることなく硬化性樹脂を硬化させることができ、また、鍔が本管壁と同形状になるように上下を型枠で挟んで硬化させたとしても、液状硬化性樹脂が樹脂吸収材を局部的に強く圧縮させた圧縮部を通過することはなく弱く圧縮されている鍔形成部の外周に押し出されるため鍔内周部に不規則な硬化形状ができない。
また、曲り部を有する枝管内に外表面を管状膜で覆った枝管ライニング材を反転挿入させた後、内面に配置された管状膜を抜き取り、曲り部に形成されるしわ部に挟み込まれない材質の熱水圧力バッグを枝管ライニング材内に引き込み、その熱水圧力バッグに加圧熱媒を供給し、枝管ライニング材を硬化させるので、曲り部で形成されるしわ部に熱水圧力バッグが挟み込まれることなく枝管のライニングをすることができる。
更に、鍔内周部に色素入りプラスチック製円筒部材を設けた管ライニング材を本管より枝管内に挿入した後、本管ライニング材を本管内に反転挿入させ、枝管ライニング材鍔部に本管ライニング材を張り付けた状態で硬化させた後、切削機で切削粉を監視しながら枝管開口部を穿孔することにより、枝管ライニング材内周部を傷つけることなく穿孔することができる。
失敗のない枝管ライニング方法という目的を、内外部ライナー及び樹脂吸収材に硬化性樹脂を含浸し圧縮して鍔を形成した枝管ライニング材を使用することによって実現した。
図1は、本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の枝管ライニング材の鍔の分解斜視図、図2は外部ライナーの正面拡大図、図3は外部ライナーの先端部を開いた状態を示した斜視図、図4は内部ライナーの正面拡大図、図5は内部ライナーの先端部を開いた状態を示した斜視図、図6は外部ライナーのA−A線に沿った断面図、図7は内部ライナーのB−B線に沿った断面図である。
図1に示すように、枝管ライニング材1は、外部ライナー2と、ドーナツ型の樹脂吸収材3と、内部ライナー4と、ドーナツ型の樹脂吸収材5と、下型枠6とからなる。
図2及び図3に示すように、前記外部ライナー2は、ポリエステルファイバーの不織布からなる樹脂吸収材2dを管状に縫製し、外表面にプラスチックフィルム2aを溶着したものである。前記管状の外部ライナー2の一端は複数の切れ目2c、2c、2c・・・が施されることにより、複数枚の片2b、2b、2b・・・を構成している。
図3に示すように、外部ライナーの複数の片2b、2b、2b・・・の部分を花びら状に外方へ向けて開き、次に説明する内部ライナー4に被せる。
図4及び図5に示すように、内部ライナー4は、前記外部ライナー2と同様の材質で構成される。即ち、ポリエステルファイバーの不織布からなる樹脂吸収材4eを管状に縫製し、外表面にプラスチックフィルム4aを溶着したものである。
前記管状の内部ライナー4の一端は複数の切れ目4d、4d、4d・・・施されることにより、複数枚の片を構成している。前記切れ目4dは、前記外部ライナー2の切れ目2cのおよそ2倍の長さで施されており、切れ目4dによりできた片を先端部4cと後端部4bとしている。尚、前記先端部4cのプラスチックフィルム4aには複数の切れ目4gが施されており、この切れ目4gによって液状硬化性樹脂を前記樹脂吸収材4eに染み込ませることが出来る。
図5に示すように、内部ライナー4は折り返し部4fで外側に向かって折り返されており、折り返し部4fから先端部にかけては樹脂吸収材4eが外側にある状態となっている。前記切れ目4d、4d、4d・・・によりできた先端部4c及び後端部4bは、前記外部ライナー2の片2b、2b、2b・・・と同様に外方へ向かって花びら状に開いている。
図1に示すように、前記樹脂吸収材3は不織布の本体3aからなり、内部に大きな孔3bのあるドーナツ型をしており、前記樹脂吸収材5も前記樹脂吸収材3と同様に、不織布の本体5aからなり、内部に大きな孔5bのあるドーナツ型をしている。前記下型枠6は、中心部に孔6cのある円盤状の本体6bからなり、孔6cより起立部6aとなっている。
図6に示すように前記外部ライナー2の片2b部分は花びら状に外方へ向かって広げられており、外側がプラスチックフィルム2a、内側が樹脂吸収材2dとなっている。また、図7に示すように、前記内部ライナー4の先端部4c及び後端部4bも外方へ向かって花びら状に広げられており、内部ライナー4は途中で折り返されているため、外側が樹脂吸収材4e、内側がプラスチックフィルム4aとなっている。更に、先端部4cのプラスチックフィルム4aには複数の切れ目4gが施されている。
図8は、本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の枝管ライニング材の鍔の縦断面図である。次に、図1及び図8を使用して枝管ライニング材1の鍔部分の形成方法を示す。
前述の部材を使用し、枝管ライニング材1の鍔部分を形成する。まず、下型枠6の本体6b上に前記樹脂吸収材5をセットする。このとき、下型枠6の起立部6aは樹脂吸収材5の孔5bを貫通させる。次に樹脂吸収材5の上に先端部4c及び後端部4bを花びら状に開いた内部ライナー4をセットする。このとき、起立部6aは内部ライナー4内に収める。
図1に示すように片2b、2b、2b・・・を花びら状に開いた外部ライナー2を前記内部ライナー4の上から被せてセットし、その上から前記樹脂吸収材3をセットする。以上、全ての部材を重ね合わせた後、樹脂吸収材3、5に不織和ポリエステルやエポキシ樹脂等の硬化性樹脂を含浸させる。この硬化性樹脂の粘度を調整するためにアエロジルやクレー等の粘度剤を添加しても良い。
図8に示すように、鍔形成部分と樹脂吸収材3、5の内周部の境目付近を局部的に圧縮を強くするために樹脂吸収材3上の上にスペーサー8を載置し、その上から上型枠7をセットする。そして、クランプ9等を使用して下型枠6と上型枠7を合わせるように締めてゆき、鍔形成部分を圧縮してゆく。
鍔形成部分と樹脂吸収材3、5の内周部の境目付近を圧縮するためにスペーサー8を使用したが、上型枠7の下面、即ちスペーサー8を使用していた部分に直接凸部を設けて圧縮しても良い。
図9は本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の枝管ライニング材の鍔の第2実施例の分解斜視図、図10は枝管ライニング材の鍔の第2実施例の縦断面図である。
図9に示すように、本発明の枝管ライニング材の鍔の第2実施例では、色素入りプラスチック製円筒部材を使用している。色素入りプラスチック製円筒部材10を挿入可能な孔11bを穿設した円弧状の本体11aからなる下型枠11上に不織布からなるドーナツ型の樹脂吸収材5をセットし、その上に前記色素入りプラスチック製円筒部材10の筒状体14部分を孔5b及び11b内に挿入するようにセットする。このとき、プラスチック製円筒部材10の鍔15は、前記樹脂吸収材5の本体5a上に引っ掛かる状態となっている。
次にプラスチック製円筒部材10の上には先端部分を花びら状に開いた内部ライナー4をセットするが、このとき、前記色素入りプラスチック製円筒部材10の筒状体14のうち、鍔15より上側部分は内部ライナー4の内側にくるようにセットする。
前記内部ライナー4の上には片2b、2b、2b・・・を外方へ向けて広げた外部ライナー2をセットするが、前記内部ライナー4が外部ライナー2の内側にくるようにセットし、更に外部ライナー2の上からドーナツ型の樹脂吸収材3をセットする。
図10に示すように、色素入りプラスチック製円筒部材10を含んだ鍔形成部分を有する枝管ライニング材1aでは、下型枠11の上に樹脂吸収材18を置き、その上に色素入りプラスチック製円筒部材10を置き、更にその上に樹脂吸収材5を置いて、前記プラスチック製円筒部材10の鍔15を樹脂吸収材5、18で挟んである。
次に樹脂吸収材5の上に内部ライナー4を載せ、内部ライナー4の外側から外部ライナー2を被せた。前記内部ライナー4の先端部4cと後端部4b及び外部ライナー2の辺2bの箇所に樹脂吸収材3を載せ、同時に前記片2b状にスペーサー8を載せ、上型枠7と下型枠11で圧縮した。
次に前記色素入りプラスチック製円筒部材10の作成方法を説明する。図11は、本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法のプラスチック製円筒部材の作成工程を示した図である。
図11に示すように、筒状体14は外表面14aが粗く仕上げられている中空の筒体であり、外周径は前述の鍔形成部分よりも小さい。前記筒状体14が挿入可能な径の孔13bを有する本体13aからなる円弧状の下型枠13の前記孔13bに前記筒状体14を挿通する。
下型枠13に挿通した筒状体14の表面14aにグラスファイバー等の糸16を巻き、糸16を巻いた箇所に液状硬化性樹脂17aを塗布する。その後、ドーナツ状に加工した不織布の本体12aからなる樹脂吸収材12を前記下型枠13の上にセットする。このとき、樹脂吸収材12に設けられた孔12bの内周面が筒状体14の表面14aに巻いた糸16と重なるようにする。
そして、前記樹脂吸収材12に液状硬化性樹脂17aを含浸し、孔13eを有する本体13cからなる上型枠13cを上にセットする。上下型枠13c、13を締めることにより、樹脂吸収材12に含浸した液状硬化性樹脂17aは固まり、更に糸16に含浸した液状硬化性樹脂17aと樹脂吸収材12の内周面が一体化し、筒状体14に鍔15ができ、色素入りプラスチック製円筒部材10となる。尚、符号17は液状硬化性樹脂17aを入れた容器を示している。
図12は、本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の枝管ライニング材の鍔の第2実施例の縦断面図である。図12に示したように、枝管ライニング材1aの鍔を形成する材料の集合体を圧縮し、上下型枠7、11を外した後には鍔形成部19が出来上がっている。
図13は、本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の枝管ライニング材に硬化性樹脂を含浸している状態を示した断面図である。図13に示すように、鍔形成部19を設けた後、不飽和ポリエステル樹脂等の硬化性樹脂20を外部ライナー2の端部より注入する。
一方、内部ライナー4の端部からは、先端に真空計24が接続されているバキュームホース21を挿入し、内部ライナー4の端部はプラスチックフィルム22で覆い、留め具23等で密閉する。また、内部ライナー4の外表面にコーティングされたプラスチックフィルム4aに孔26を設け、前記孔26よりバキュームポンプ25を使用して枝管ライニング材1a内の空気を抜き取る。
このとき、内部ライナー4内に挿入されたバキュームホース21と、このバキュームホース21に接続されている真空計24を使用して内部ライナー4内の真空度を測定し、十分に空気が抜かれていることを確認し、外部ライナー2より内部ライナー4に向けて液状硬化性樹脂20を順次含浸させる。
図14は本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の内部ライナーを引き込んだ状態を示した断面図である。図14に示すように、樹脂含浸終了後に外部ライナー2内に内部ライナー4を反転させることにより。本管より枝管に引き込まれる枝管ライニング材1aが得られる。
図15は、本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の枝管ライニング材に管状膜を被せた状態を示した断面図である。図15に示すように、樹脂含浸済みの枝管ライニング材1aを本管から枝管内に流体圧により反転挿入する前に管状膜27を被せて、閉止部28で留めた。
図16は本発明の枝管のライニング方法において枝管ライニング材を反転している状態を示した図、図17は本発明のライニング方法において枝管ライニング材の熱水圧力バッグを引き込んでいる状態を示した図、図18は本発明の枝管のライニング方法において熱水圧力バッグを枝管ライニング材内に引き込む状況を示した拡大図、図19は本発明の枝管のライニング方法において熱水圧力バッグ引き込み完了状態を示した図、図20は本発明の枝管のライニング方法の枝管ライニング材の硬化中の状態を示した図である。
図16に示すように、まず、一端が気密的に閉止された管状膜27内に鍔形成部19とは反対の端部より枝管ライニング材1aを挿入し、前記枝管ライニング1aを内包した管状膜27を鍔形成部19で折り返して設置する。このとき、管状膜27の折り返し部分に僅かな弛みを設けておくと良い。
前記管状膜27は内部ライナー4の外表面と接触する面が高融点のPBT(ポリブチルテレフタレート)或いは、ナイロン、ポリエステル等で構成される複合フィルム或いは、織布にプラスチックフィルムを接着させたシート状部材の端部を接合した管状体であり、厚さが0.008mmから0.50mmで、枝管37aよりも長く、口径も枝管37aと殆ど同じ口径である。
前記鍔形成部19に鍔カラー36を接続し、前記鍔カラー36と連結ノズル29をガイドバッグ30で連結し、更に前記連結ノズル29と後部カップ32を圧力バッグ31で連結する。本館37内の後部カップ32のシール部35より圧力バッグ31内に挿通されているけん引用ロープ34の一端は管状膜27の閉止部28に接続されている。また、前記後部カップ32には2本の流体ホース33、33a及びロープ32aが接続されている。
前記けん引用ロープ34をけん引することで、管状膜27と枝管ライニング材1aを圧力バッグ31内に引き入れることが出来る。圧力バッグ31内に管状膜27及び枝管ライニング材1aを引き入れることで挿入が完了した後、前記管状膜27の他端を連結ノズル29に取り付けるが、同時にガイドバッグ30の一端も重ねて取り付ける。尚、前記けん引用ロープ34の外面は、プラスチックがコーティングされており、ナイロンやゴム、ポリウレタン樹脂又はフィルム製のシール部35を通すよう滑らかに加工さえている。
圧力バッグ31内への管状膜27と枝管ライニング材1aの設置が完了した後、圧力バッグ31とロボット38をロープ38dにより連結し、前記ロボット38を操作することで枝管開口部に枝管ライニング材1aの鍔形成部19をセットする。尚、ロボット38にはカメラ38a、カメラケーブル38b及びロープ38cが取り付けられている。
以上のように全ての準備が完了した後、図16に示すように後部カップ32に空気又は水等の流体圧を送り、更に圧力バッグ31や管状膜27の密閉空間に流体圧を送り枝管37a内に枝管ライニング材1aを反転挿入させてゆく。
枝管に曲りがある場合、図17に示すように、枝管ライニング材1aを枝管37a内に反転させていき、本管37より地上に向けての反転が終了した後、枝管ライニング材1aの端部を地上ノズル40に取付け、熱水圧力バッグ41の端部を管状膜27及びけん引用ロープ34に連結し、前記けん引用ロープ34をけん引することで前記管状膜27を逆反転させる。尚、符号39は地上ノズル支持具を示している。
これにより、熱水圧力バッグ41を枝管ライニング材1a内及び管状膜27内に引き込む。このとき、管状膜27には0.003mpa〜0.03mpaの空気圧を作用させながら逆反転させると良い。
前記熱水圧力バッグ41は厚さ0.3mm〜2.0mmの塩化ビニル、ゴム、ポリウレタン、ナイロン等で気密性を確保し、ナイロン、ポリエステル製の織布や不織布で強化されている管状体であり、前記枝管ライニング材1aの内径とほぼ同径である。
前記熱水圧力バッグ41を多層構造としても良く、また複数の熱水圧力バッグ41としても良い。尚、枝管ライニング材1aの内表面と接触する前記熱水圧力バッグ41の接触面は融点が140℃以上の高融点の樹脂で構成することが望ましい。
図18は、前述の熱水圧力バッグ41を枝管ライニング材1a内に引き込む状況を拡大して示している。図18に示すように、熱水圧力バッグ41は熱水ホース41aを内包しており、前記熱水ホース41aの先端には複数の熱水出口41bが開いている。
前記熱水ホース41aの先端には連結ベルト41cが接続されており、この連結ベルト41cの先端と熱水圧力バッグ41の先端部分はボルトナット41dにより一体に括られており、同時に接続リング41eが接続されている。
前記接続リング41eは管状膜27内のけん引用ロープ34に接続されており、けん引用ロープ34をけん引することにより熱水圧力バッグ41が逆反転する管状膜27内に引き込まれてゆく。
図19及び図20に示すように、前記枝管ライニング材1a内に熱水圧力バッグ41を挿入した後、前記熱水圧力バッグ41の他端を熱水バッグノズル42に取付け、前記熱水圧力バッグ41を空気圧で加圧する。この加圧により枝管ライニング材1aは枝管37aの壁に押しつけられる。
前記枝管ライニング材1aを枝管37a壁に押しつけた状態を保ったまま熱水圧力バッグ41内の熱水ホース41aから70℃〜95℃の熱水を供給し始め、それと同時に熱水圧力バッグ41内の空気も抜き始める。即ち、一定の圧力を維持しながら熱水の送り込みと空気の抜き出しを行う。この状態を30分〜60分、含浸された硬化性樹脂が硬化するのを待つ。
図20に示すように、熱水ホース41aは地上の温水槽51に繋がっており、温水槽51内の熱水を熱水ポンプ49aにより熱水圧力バッグ41内に送り込んでいる。また、前記熱水バッグノズル42には排水バルブ45を備えた排水ホース47が接続されている。前記排水バルブ45付近には圧力計46も備えられている。
前記排水ホース47の一端は前記温水槽51に接続されている。また、前記温水槽51には別の排水ホース47aが接続されており、これは温水槽51から熱水ポンプ49により温水を吸い上げ、ボイラー48へ送り込み、更にボイラー48で熱水にして温水槽51へ戻すための循環機構である。これにより、温水槽51内の熱水は一定の温度を保つことが出来る。
前記熱水バッグノズル42には別にコンプレッサー43も接続されており、以上の温水槽51を含む熱水の循環機構を加熱ライン50と呼ぶ。尚、熱水バッグノズル42と熱水ホース41aはシール部44で接続されている。
図21は本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の熱水排水及び圧力バッグの引き込みを示した図、図22は、本発明のライニング方法の硬化が完了し、枝管ライニング材内から管状膜を引き出している状態を示した図である。図21及び図22に示すように、硬化が終了した後、熱水圧力バッグ41内の熱水を排水させ、枝管ライニング材1a内から熱水圧力バッグ41を抜き取り、枝管ライニングが完了となる。
以上の枝管ライニング方法は曲りを有する枝管37aでのライニング方法であり、特に曲り部で発生する皺に熱水圧力バッグ41が挟み込まれない方法であるが、曲り部のない枝管や曲り角度が小さく、皺の心配がない枝管へのライニングでは管状膜27に直接流体圧と熱媒を供給して枝管ライニング材を硬化させても良い。
但し、薄肉の管状膜27を使用した場合、枝管ライニング材1aの鍔形成部19と鍔カラー36の間に隙間が発生する場合があるため、管状膜27を部分的に補強する必要はある。
図23は本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の本管と枝管の接合部を穿孔している状態を示した図である。図23に示すように、枝管ライニングが終了すると、管状樹脂吸収材に硬化性樹脂を含浸させた本管ライニング材53を本管37内に反転挿入し、本管ライニング材53に流体圧を作用させる。
この流体圧により本管ライニング材53は本管37壁及び鍔に押しつけられ、この状態を保ったまま本管ライニング材53を硬化させて本管ライニング材と枝管ライニング材1bを結合させる。そして、切削機55を使用して前記結合部を穿孔する。
枝管ライニング材1b内に取り付けられた色素入りプラスチック製円筒部材10に切削機55の切削歯が接触したら切削機55を停止させ、周辺の切削粉54を除去し、再び結合部を切削する。この切削方法により枝管ライニング材1bを傷つけることなく穿孔が可能となる。尚、符号52はカメラを示している。
上記作業において本管ライニング材53を本管37壁又は枝管ライニング材1bに押しつけた場合、樹脂が本管ライニング材53の押し出しにより枝管ライニング材1b内へ移動する場合がある。この場合、枝管37a又は枝管ライニング材1b内にバキュームホースを挿入し、移動した樹脂を吸引すると良い。また、僅かな水を加えることにより効果的に樹脂を吸収することが出来る。
本管37内より枝管37a内に引き込まれるタイプの枝管ライニング材の施工は、枝管ライニング材を枝管37a内に引き込んだ後、枝管ライニング材鍔を圧力バッグ等でシールし、地上で端部を密閉し、枝管ライニング材内に流体圧と熱媒を供給し硬化させる。
本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の枝管ライニング材の鍔の分解斜視図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の外部ライナーの正面拡大図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の外部ライナーの先端部を開いた状態を示した斜視図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の内部ライナーの書面拡大図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の内部ライナーの先端部を開いた状態を示した斜視図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の外部ライナーのA−A線に沿った断面図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の内部ライナーのB−B線に沿った断面図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の枝管ライニング材の鍔の縦断面図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の枝管ライニング材の鍔の第2実施例の分解斜視図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の枝管ライニング材の鍔の第2実施例の縦断面図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法のプラスチック製円筒部材の作成工程を示した図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の枝管ライニング材の鍔の第2実施例の縦断面図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の枝管ライニング材に硬化性樹脂を含浸している状態を示した断面図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の内部ライナーを引き込んだ状態を示した断面図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の枝管ライニング材に管状膜を被せた状態を示した断面図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の枝管ライニング材を反転している状態を示した図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の枝管ライニング材の熱水圧力バッグを引き込んでいる状態を示した図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の熱水圧力バッグを枝管ライニング材内に引き込む状況を示した拡大図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の熱水圧力バッグ引き込み完了状態を示した図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の枝管ライニング材の硬化中の状態を示した図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の熱水排水及び圧力バッグの引き込みを示した図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の硬化が完了し、枝管ライニング材内から管状膜を引き出している状態を示した図である。 本発明である枝管ライニング材及び枝管のライニング方法の本管と枝管の接合部を穿孔している状態を示した図である。 従来の枝管ライニング材の硬化方法を示した図である。 従来の枝管ライニング材の曲り部の状況を示した拡大図である。
符号の説明
1 枝管ライニング材
1a 枝管ライニング材
1b 枝管ライニング材
1c 枝管ライニング材
2 外部ライナー
2a プラスチックフィルム
2b 片
2c 切れ目
2d 樹脂吸収材
3 樹脂吸収材
3a 本体
3b 孔
4 内部ライナー
4a プラスチックフィルム
4b 後端部
4c 先端部
4d 切れ目
4e 樹脂吸収材
4f 折り返し部
4g 切れ目
5 樹脂吸収材
5a 本体
5b 孔
6 下型枠
6a 起立部
6b 本体
6c 孔
7 上型枠
8 スペーサー
9 クランプ
10 色素入りプラスチック製円筒部材
11 下型枠
11a 本体
11b 孔
12 樹脂吸収材
12a 本体
12b 孔
13 下型枠
13a 本体
13b 孔
13c 上型枠
13d 本体
13e 孔
14 筒状体
14a 表面
15 鍔
16 糸
17 容器
17a 液状硬化性樹脂
18 樹脂吸収材
19 鍔形成部
20 硬化性樹脂
21 バキュームホース
22 プラスチックフィルム
23 留め具
24 真空計
25 バキュームポンプ
26 孔
27 管状膜
28 閉止部
29 連結ノズル
30 ガイドバッグ
31 圧力バッグ
32 後部カップ
32a ロープ
33 流体ホース
33a 流体ホース
34 けん引用ロープ
35 シール部
36 鍔カラー
37 本管
37a 枝管
38 ロボット
38a カメラ
38b カメラケーブル
38c ロープ
38d ロープ
39 地上ノズル支持具
40 地上ノズル
41 熱水圧力バッグ
41a 熱水ホース
41b 熱水出口
41c 連結ベルト
41d ボルトナット
41e 接続リング
42 熱水バッグノズル
43 コンプレッサー
44 シール部
45 排水バルブ
46 圧力計
47 排水ホース
47a 排水ホース
48 ボイラー
49 熱水ポンプ
49a 熱水ポンプ
50 加熱ライン
51 温水槽
52 カメラ
53 本管ライニング材
54 切削粉
55 切削機
56 しわ部
57 管状膜

Claims (4)

  1. 先端に複数の切れ目を施して複数枚の片とし、前記片を花びら状に広げ、途中より反転された樹脂吸収材とプラスチックフィルムからなる管状の内部ライナーと、前記内部ライナー上に設置される先端に複数の切れ目を施し複数枚の片として花びら状に広げられた樹脂吸収材とプラスチックフィルムからなる管状の外部ライナーと、前記重ねられた内外部ライナーの片部分に他の樹脂吸収材を補足し、前記内外部ライナーの片の樹脂吸収材部分及び補足した樹脂吸収材に液状硬化性樹脂を含浸させて鍔形成部とし、前記鍔形成部を上下型枠により圧縮させながら、且つ鍔形成部と内外部ライナーの境目付近の樹脂吸収材を局部的に更に圧縮し鍔を形成することを特徴とした枝管ライニング材。
  2. 内外部ライナーの片及び補足された樹脂吸収材に液状硬化性樹脂を含浸して形成した鍔の内周面に色素入りプラスチック製円筒部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の枝管ライニング材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の枝管ライニング材に鍔付近で折り返された管状膜を被せて後部カップより伸びるけん引用ロープを接続し、前記枝管ライニング材を圧力バッグ内に引き込み、前記管状膜の他端を圧力バッグに連結し、管状膜と圧力バッグにより形成される密閉空間に流体圧を作用させ本管内より枝管内に枝管ライニング材を反転挿入し、枝管ライニング材を地上に引き上げた後、管状膜先端に熱水圧力バッグを連結し管状膜を逆反転することで熱水圧力バッグを枝管ライニング材内に引き込み、熱水圧力バッグ内に熱水圧力をかけて枝管ライニング材を硬化させることを特徴とする枝管ライニング方法
  4. 枝管ライニング材の鍔内周部に色素入りプラスチック製円筒部材を設けた枝管ライニング材を枝管内にライニング後、本管ライニング材により枝管ライニング材の鍔と本管ライニング材が結合するように本管内をライニングし、結合部を穿孔することで本管と枝管を開通させる枝管ライニング方法。
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