JP6255120B1 - 光ファイバケーブル - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、上記したように介在物の充填量を所定の範囲内とすることで、温度変化によって光ファイバケーブルの構成部材が熱膨張若しくは熱収縮したとしても、光ファイバが蛇行したり光ファイバに側圧が作用したりするのを抑えることができる。
さらに、光ファイバユニット同士の間に介在物を配置することで、介在物を緩衝材としてより確実に機能させることができる。これにより、例えば光ファイバケーブルに外力が加わった場合に、光ファイバユニット同士が圧接されて光ファイバに局所的な側圧が作用するのを抑えることができる。
さらに、複数の光ファイバユニット内にそれぞれ介在物を位置させることで、シース内で介在物が偏って配置されるのを防ぎ、介在物によるシース内での防水効果をより確実に奏功させることができる。これにより、シース内に収容する介在物の本数を減らしたり、介在物として吸水性のグレードが低い材質を用いたりすることで、コストの低減を図ることも可能となる。
図1に示すように、光ファイバケーブル100は、複数の光ファイバユニット10を有するコア20と、コア20を内部に収容するシース55と、シース55に埋設された一対の抗張力体56(テンションメンバ)および一対の線条体57と、を備えている。
また、長手方向から見た横断面視(図1)において、中心軸線Oに直交する方向を径方向といい、中心軸線O周りに周回する方向を周方向という。
一対の線条体57は、コア20を径方向で挟んで配設されている。なお、シース55に埋設される線条体57の数は、1または3以上であってもよい。
一対の抗張力体56は、コア20を径方向で挟んで配設されている。また、一対の抗張力体56は、コア20から径方向に等間隔をあけて配設されている。なお、シース55に埋設される抗張力体56の数は、1または3以上であってもよい。
押さえ巻き54は、例えば吸水テープなどの吸水性を有する材質により形成されていてもよい。
なお、光ファイバユニット10の態様は間欠接着型テープ心線に限られず、適宜変更してもよい。例えば、光ファイバユニット10は、複数の光ファイバ1を単に結束材2で束ねたものであってもよい。
また、介在物3aは、吸水性を有するヤーンなどであってもよい。この場合、光ファイバケーブル100の内部の防水性能を高めることができる。
光ファイバ1は通常、ガラスにより形成された光ファイバ裸線の周囲に、樹脂などの被覆材がコーティングされた構造となっている。このため、光ファイバ1の表面は平滑であり、光ファイバ1同士が接触した際の摩擦係数は比較的小さい。これに対して、介在物3aは繊維状の材質により形成されている。このため、介在物3aと光ファイバ1とが接触した際の摩擦係数は、光ファイバ1同士が接触した際の摩擦係数よりも大きい。
以下に示す実施例では、間欠接着型テープ心線を結束材2で束ねたものを光ファイバユニット10として用いた。この複数の光ファイバユニット10に、吸水性を有するヤーンを介在物3aとして縦添えし、これらがSZ撚りされた状態で、押さえ巻き54によって包んでコア20を作成した。そして、このコア20をシース55内に収容することで、図1に示すような光ファイバケーブル100を作成した。なお、介在物3aであるヤーンの弾性率は1000N/mm2とした。
なお、対ファイバ充填率ρは、コア20内における、光ファイバ1と比較した介在物3aの充填率を示している。また、対空間充填率dは、押さえ巻き54を除くシース55の内部空間に対する介在物3aの充填率を示している。
表1の「心線移動」の欄には、条件1〜7の光ファイバケーブル100について行った心線移動試験の結果が示されている。具体的には、各光ファイバケーブル100を30m敷設し、振動数1.3Hz、振幅430mmで10000回振動させた。シース55内での光ファイバユニット10の移動量が20mmを超えた場合を評価結果が不充分であるとして×とし、光ファイバユニット10の移動量が20mm以内であった場合を評価結果が良好であるとして○とした。
表1の「温特ロス」の欄には、各光ファイバケーブル100について行った温度特性試験の結果を示している。具体的には、”Telcordia Technologies Generic Requirements GR-20-CORE”における”Temperature cycling”の規定に従って、条件1〜7の光ファイバケーブル100を−40℃〜+70℃の範囲で2サイクル温度変化させた。このとき、最大損失変動量が0.15dB/kmを超えた場合を評価結果が不充分であるとして×とし、最大損失変動量が0.15dB/km以内であった場合を評価結果が良好であるとして○とした。
また、光ファイバケーブル100内に介在物3aを過剰に充填すると、介在物3aが光ファイバ1に及ぼす側圧によって、光ファイバ1の伝送損失が増大することも考えられる。
次に、介在物3aの好ましい弾性率の範囲について検討した結果を説明する。
本実施例では、上記した条件4において、介在物3aの弾性率を300〜3000N/mm2の範囲で変化させ、前記温度特性試験を行った。この試験の結果を、表2に示す。
光ファイバケーブル100の製造工程では、コア20とともに、シース55となる加熱された材料を押し出すことで、シース55でコア20を被覆する場合がある。この場合、コア20内の構成部材も加熱され、その後冷却される。このとき、介在物3aの熱収縮率が大きすぎると、高温となった介在物3aがその後冷却されて大きく熱収縮する際に、隣接する光ファイバ1を巻き込むことで、この光ファイバ1が蛇行してしまう場合がある。
また、介在物3aの熱収縮率が大きすぎると、常温となった際に介在物3aの余長率が光ファイバ1の余長率よりも小さくなり、光ファイバユニット10を撚り合わせた際に、介在物3aが光ファイバ1を圧迫してしまう場合がある。
このような現象を防ぐため、介在物3aの熱収縮率は、例えば5%以下とすることが望ましい。
さらに、光ファイバユニット10同士の間に介在物3aを配置することで、介在物3aを緩衝材としてより確実に機能させることができる。これにより、例えば光ファイバケーブル100に外力が加わった場合に、光ファイバユニット10同士が圧接されて光ファイバ1に局所的な側圧が作用するのを抑えることができる。
また、光ファイバケーブル100は、光ファイバユニット10同士の間に位置する介在物3aを有さず、光ファイバユニット10内に位置する介在物3bを有していても良い。
この構成により、例えば複数の光ファイバユニット10を押さえ巻き54で包む際に、介在物3bが他の光ファイバユニット10や製造装置などに絡まるのを防いで、光ファイバケーブル100をより安定して製造することが可能となる。
さらに、それぞれの光ファイバユニット10内に介在物3bが位置することとなるため、シース55内で介在物3bが偏って配置されるのを防ぎ、介在物3bによるシース55内での防水効果をより確実に奏功させることができる。これにより、シース55内に収容する介在物3bの本数を減らしたり、介在物3bとして吸水性のグレードが低い材質を用いたりすることで、コストの低減を図ることも可能となる。
Claims (5)
- 複数の光ファイバを各別に有する複数の光ファイバユニットと、前記光ファイバユニットが延びる長手方向に沿って延びる繊維状の介在物と、を押さえ巻きで包んで構成されたコアと、
前記コアを内部に収容するシースと、
前記コアを挟んで前記シースに埋設された一対の抗張力体と、を備え、
横断面視において、複数の前記光ファイバの断面積の合計値をSfとし、前記介在物の断面積の合計値をSbとし、前記シースの内部空間の断面積をScとし、前記押さえ巻きの断面積をSwとするとき、
0.16≦Sb/Sf≦0.25かつ0.10≦Sb/(Sc−Sw)≦0.15である、光ファイバケーブル。 - 前記介在物の弾性率が500N/mm2以上2000N/mm2以下である、請求項1に記載の光ファイバケーブル。
- 前記介在物の熱収縮率が5%以下である、請求項1または2に記載の光ファイバケーブル。
- 横断面視において、前記介在物が複数の前記光ファイバユニットに挟まれている、請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
- 少なくとも一部の前記光ファイバユニットが、前記介在物および前記複数の光ファイバを束ねる結束材を備えている、請求項1から4のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
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